JPH11307358A - トランス及びトランスの組立方法 - Google Patents

トランス及びトランスの組立方法

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JPH11307358A
JPH11307358A JP10115468A JP11546898A JPH11307358A JP H11307358 A JPH11307358 A JP H11307358A JP 10115468 A JP10115468 A JP 10115468A JP 11546898 A JP11546898 A JP 11546898A JP H11307358 A JPH11307358 A JP H11307358A
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transformer
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windings
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Shunichi Haga
俊一 羽賀
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Abstract

(57)【要約】 【課題】トランスサイズを大きくせずに、トランスのボ
ビンに巻かれる巻線の十分な放熱を確保した信頼性の高
いトランス及びトランスの組立方法の提供。 【解決手段】 横断面形状が略円形の巻線5を巻装した
ボビン3に磁性材コアを組み付けて完成されるトランス
であって、巻装により巻線間に形成される隙間を、熱伝
導の良好な所定外形の粒体11または所定直径の球体か
らなる絶縁体11で充填するとともに、ワニスを含む熱
伝導の良好な定着剤8を塗布する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、電源装置に用いる
トランス、特に、磁性材コアを用いたスイッチイング電
源装置用のトランスおよびその組立方法に関するもので
ある。
【0002】
【従来の技術】近年、各種電子機器の小型軽量化に伴
い、電源装置においても、スイッチイング方式の電源が
ドロッパー電源装置に比べて小型で軽量であり変換効率
も高いという利点を有することから、機器組み込み用電
源、ACアダプターなどとして広く利用されている。
【0003】このスイッチング方式の電源装置の急速な
高効率化とスイッチイングの高周波化を図るなかで、ス
イッチング方式の電源に用いられるトランスについても
小型化の対応がなされている。
【0004】このようなスイッチング方式の電源装置に
使用されるトランスについて、図8、図9を参照にして
簡単に述べる。先ず、図8は、従来から一般的に用いら
れているトランスの立体分解図であり、また図9は図8
のトランスを要部破断図である。
【0005】図8と図9において、筒状のボビンの巻線
部は隔壁にて分割されており、1次側巻線51及び2次
側巻線52が巻装されている。巻線はボビンに設けられ
たリード端子107にからげ接続されている。また、磁
心としては、2分割されたE−E型のフェライトコア6
が用いられ、ボビンの巻線部にコア部分が挿入され巻線
を囲むようにしてトランス100を構成している。
【0006】以上の構成において、トランス100の小
サイズのコア、ボビンの採用、巻線の小径化により巻線
部の巻線の発熱が無視できなくなってきており、電源ト
ランスの信頼性上、問題となってきている。
【0007】そのため、例えば、トランス巻線の放熱改
善の1手法として、特開平5−121253号公報に見
られるような巻線部を樹脂により封止する方法が開示さ
れている。
【0008】あるいは、特開平6−96965号公報に
開示されているように、トランス全体を保持する外装ケ
ースに入れ、樹脂で固定するといった方法が採られてい
る。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記の
従来例にあるようにボビンに巻線を巻いたトランスで
は、巻数が多くなるに従い、ボビンの巻心付近の内部巻
線の熱が外部に放熱しにくくなり、巻線の温度が高くな
る。これは、外側の巻線は空気に接触できるので放熱さ
せ易いが、内側の巻線はボビンにより熱的に遮断されて
いるために、巻線の自己発熱(ジュール熱)を外側に巻
かれている巻線に伝えて放熱するしかないことによる。
この結果、ボビン内部の温度が高くなることになるし、
かつまた中心部分の巻線は自己発熱分と内側からの熱の
両方を放熱する必要性から巻線温度が非常に上がること
になる。
【0010】したがって、トランスの信頼性を確保する
必要上から、温度の上限を規制せざるを得ない場合は、
トランスへの電力供給を下げざるを得なくなる。このた
め、コアのサイズを大きくすることになるが、この結
果、トランスが大きくかつ重くなり、スイッチイング電
源装置において特有の小型軽量である利点を十分に活か
せなくなる問題がある。
【0011】一方、上記の特開平5−121253号公
報に示されるように、ボビンに巻装された巻線の周囲を
樹脂でモールドする方法によれば、樹脂で巻線をモール
ドすることにより、巻線間の熱伝導が改善されることか
ら、放熱性は多少は向上することになる。
【0012】しかしながら、この方法によれば樹脂内の
ボイドの発生を減少させるための困難を伴う脱泡管理が
必要となることや、内側の巻線間の隙間まで深く安定し
て樹脂を浸透させることが困難であることから、安定し
た放熱効果を十分に確保できない問題がある。
【0013】さらに、上記の特開平6−96965号公
報に示されるように、トランス全体を保持する外装ケー
スにトランスを入れ、樹脂で固定する方法によれば、コ
ストがかかるだけでなく、トランスが大きく重くなり、
スイッチイング電源装置が持つ小型で軽量であるといっ
た利点を十分に活かせなくなる問題がある。
【0014】したがって本発明は、上記の問題点に鑑み
てなされたものであり、トランスサイズを大きくせず
に、トランスのボビンに巻かれる巻線の十分な放熱を確
保した信頼性の高いトランス及びトランスの組立方法を
提供することを目的としている。
【0015】
【課題を解決するための手段】上述した課題を解決し、
目的を達成するために本発明によれば、横断面形状が略
円形の巻線を巻装したボビンに磁性材コアを組み付けて
完成されるトランスであって、前記巻装により前記巻線
間に形成される隙間を、熱伝導の良好な所定外形の粒体
または所定直径の球体からなる絶縁体で充填するととも
に、ワニスを含む熱伝導の良好な定着剤を塗布すること
を特徴としている。
【0016】また、前記絶縁体の所定外形または所定直
径は、充填したときに、前記巻線の整列状態を妨げない
値に設定されることを特徴としている。
【0017】また、前記絶縁体は、セラミックの粉体で
あることを特徴としている。
【0018】また、前記絶縁体は、アルミナの粒子であ
ることを特徴としている。
【0019】また、前記絶縁体の所定外形または所定直
径は、一列の環状になるように充填されることで、前記
巻線の整列状態を妨げない第1の粒径または第1の直径
に設定されることを特徴としている。
【0020】また、前記絶縁体の所定外形または所定直
径は、4列の環状になるように充填されることで、前記
巻線の整列状態を妨げない第2の粒径または第2の直径
に設定されることを特徴としている。
【0021】また、前記絶縁体の所定外形または所定直
径は、5列の環状になるように充填されることで、前記
巻線の整列状態を妨げない第3と第4の粒径または第3
と第4の直径に設定されることを特徴としている。
【0022】また、横断面形状が略円形の巻線直径を有
する巻線を巻装したボビンに磁性材コアを組み付けて完
成するトランスの組立方法であって、前記ボビンへ巻線
を巻装するときに、巻装直後にワニスを含む熱伝導の良
好な定着剤を塗布し、同時あるいは直後に、熱伝導の良
好な所定外形の粒体または所定直径の球体からなる絶縁
体を塗着し、前記巻装により巻線間に形成される隙間
を、前記絶縁体で充填することを特徴としている。
【0023】また、前記絶縁体の塗着は、吹き付けによ
ることを特徴としている。
【0024】また、前記定着体と前記絶縁体の塗布及び
塗着は、予め混合されて十分攪拌された前記ワニスと前
記絶縁体の混合体を用いることを特徴としている。
【0025】そして、前記定着体と前記絶縁体の塗着後
に、全体をワニスを含む熱伝導の良好な定着剤で被覆す
ることを特徴としている。
【0026】
【発明の実施の形態】以下に本発明の好適な実施形態に
ついて、添付図面を参照して述べる。
【0027】先ず、図1は、本発明の第1の実施形態を
表わすトランスの要部拡大断面図であり、巻線装置にト
ランスのボビンを装着した後の要部破断図である。
【0028】本図において、トランス1にはトランスの
ボビン2が使用され、このボビン2の巻線部3(巻心)
に巻線5をボビン2の1次−2次間の隔壁4を隔てて巻
くようにするために、巻線装置の治具13により回転す
るように保持される。この筒状のボビン2は、所定樹脂
材料から射出成形され隔壁4にて分割されて1次側巻線
及び2次側巻線が巻装される。また、巻線5のリード線
はボビン2に一体形成されたリード端子7にからげるこ
とで機械的及び電気的に接続される。
【0029】また、磁心には、図8において説明したE
−E型のフェライトコア6が用いられ、ボビン2の巻線
部3にコアの中心部分がそれぞれ挿入されることで、巻
線5を囲むようにすることでトランス1を構成する。ま
た、トランス1は、全体に含浸されるワニス8で覆われ
る。
【0030】図3は、図1のA部拡大図であって、本図
において、ボビン2に巻き付けられた直径Dの巻線5の
間には隙間ができることになるが、この間隙を直径d1
の粒径または直径のアルミナ粒子11で充填している。
【0031】以上のように構成されるトランスのボビン
を得るためには、図2の巻線装置によるトランス組立工
程の内、ボビン2に巻線5を巻装する工程において、ま
ず、巻線5の一端をリード端子7にからげる等して接続
する。
【0032】この後に、巻線5をボビン2に巻き付ける
工程で、巻線5を樹脂製のボビンの筒状の巻心部3に巻
きとられる巻線5の表面にワニス8を浸漬したフェルト
9よりなる巻線接触子10を先端に固定したワニス供給
装置10の接触子10を図示のように接触させる。この
とき、巻線装置によって巻線5が巻き取られることで、
巻心部3に巻き取られる巻線5の表面にワニス8が塗布
されることになる。
【0033】その直後に、その巻線5にアルミナ粒子1
1の微粒子を供給装置15により均一に吹き付けること
で、アルミナ粒子11の微粒子はワニス8の粘着力によ
り、巻線の周りに適度に付着される。このようにしてア
ルミナ粒子11の付着した巻線5は、順次ボビン2に巻
き付けられ、巻線5間の隙間はアルミナ粒子11で充填
されることになる。
【0034】以上の工程を経ることで、図3に図示のよ
うにボビン2の巻心部3の巻線5aと外周部の巻線5b
以外の隙間に均等になるようにして環状のアルミナ粒子
11が充填される。
【0035】上記構成によれば、アルミナ粒子11は熱
伝導に優れる絶縁材料であるので、隣接する巻線5間の
熱伝導が非常に良好となり、ボビン3に巻かれた巻線5
の間の熱抵抗を下げることが可能となる。この結果、内
側の巻線5aの発熱を外側の巻線5bに伝え易くなるの
で、トランス1の内部発熱をトランス巻線5の外周に効
率的に熱伝導できるようになることから、巻線温度の上
昇を抑制できることになる。
【0036】また、アルミナ粒子11は、その形状が球
形状に近いことから、アルミナ粒子11同士がワニス8
の中で移動しやすいので巻線工程時に巻線5の隙間に程
よく充填され易いので、巻線5の整列を妨げにくいこと
になる。このように充填されるアルミナ粒子11の粒子
径d1は、巻線の直径Dにもよるが、例えば、巻線径D
が0.3〜0.4mmφである場合において粒子径d1
が15μm以下のものが巻線間への充填性がよいことが
実験により確認されている。
【0037】尚、上記の実施形態は、アルミナ粒子11
の例であるが、放熱性、組立性の観点から、チッ化珪
素、シリカなどのセラミック系の粉体でもよい。
【0038】続いて、図4(a)は、第2の実施形態を
あらわすトランスの要部拡大断面図である。本図におい
て、既に説明済みの構成部品については同様の符号を附
して説明を割愛して相違する構成について述べる。
【0039】先ず、ワニス8の塗布方法は、上記と同じ
塗布方法であり、巻線5に吹き付けるアルミナ粒子11
を2種類以上の粒径d3、d4から構成し、十分に攪拌
し吹き付ける点が異なる点である。
【0040】上記構成によれば、巻線5の隙間をより高
密度に充填することができるので、隣接するアルミナ粉
体11の集合体の熱伝導も良好となるので、上記実施形
態に比較してより効果的な熱の放散が可能となる。
【0041】尚、上記のように巻線5の直径Dに応じ
て、熱伝導粒子の粒径または直径d3、d4を調節する
ことにより巻線5の間の隙間に高密度に充填することが
できことから、ボビン2の巻線部3に巻かれた巻線5の
間の熱抵抗を任意に調整できるようになる。例えば、巻
線5の直径Dである0.4mmφに対して、粒子径d
3、d4である2〜5μmのものを混練することで、ト
ランスの放熱性についてみたときに、上記の実施形態に
よるトランス1の場合よりも良い結果が得られた。
【0042】また、図4(b)に図示のように巻線5を
巻く場合においては、図示のように間隙に隙間なく1個
分のアルミナ粉体11が充填されることになる。
【0043】さらに、図5は、第3の実施形態をあらわ
すトランスの要部拡大断面図である。本図において、既
に説明済みの構成部品については同様の符号を附して説
明を割愛して相違する構成について述べる。
【0044】先ず、ワニス8の塗布方法は、上記と同じ
塗布方法であり、巻線5に吹き付けるアルミナ粒子11
を粒径d2から構成し、十分に攪拌し吹き付けること
で、図示のように多数の粒子11で隙間を充填するよう
にしている。この構成によれば、巻線5の隙間をより高
密度に充填することができるので、隣接するアルミナ粉
体11の集合体の熱伝導も良好となるので、上記実施形
態に比較してより効果的な熱の放散が可能となる。
【0045】図6は上記の第3の実施形態を実現するト
ランスの組立工程を説明する模式図である。本図におい
て、既に説明済みの構成部品については同様の符号を附
して説明を割愛すると、本図によれば巻線5にワニス8
を塗布する方法が上記と異なり、巻線5に対して、非接
触で塗布を行なうスプレー方式の供給装置15により巻
線5にワニス8を塗布するようにしている。
【0046】上記の巻線装置に比べて、巻線5へワニス
8をスプレー式供給装置15から吹き付けることで、ワ
ニス8の塗布のために巻線5に接触しないので、ボビン
3への巻線装置の巻線張力調整機構14の動作を妨げな
いようにできるので、巻線の張力調整機構部14を改良
する必要がなく、安定した巻線が可能であり、巻線装置
も複雑にならない利点がある。
【0047】さらに、図7は別の実施形態をあらわすト
ランスの組立工程を説明する模式図である。図7によれ
ば、ワニス8及びアルミナ粒子11の塗布する方法が上
記と異なる。
【0048】上記構成によれば、ワニス8に予めアルミ
ナ粒子11を混練し、十分に攪拌した状態で巻線5に吹
き付け塗布する。したがって、この構成によれば吹き付
け供給装置15がひとつで済み巻線装置への改良が少な
くてすむ。
【0049】また上記の実施形態と同様に、巻線5に接
触せずに巻線5の隙間12にアルミナ粒子11を充填で
きるので、巻線装置が複雑にならないので、巻線5の隙
間12へのアルミナ粒子11の充填密度は、若干低くな
るが、巻線間の放熱性向上を大きく阻害しないようにす
ることができる。
【0050】なお、上記実施例では、1次側の巻線と2
次側の巻線の間に隔壁4を有するボビン2を使った横型
のトランスについて説明したが、1次巻線と2次巻線の
間に絶縁フィルムを介して巻回するトランスについても
応用できるし、ボビンの軸方向に垂直の縦型のトランス
にも応用できることは言うまでもない。
【0051】また、巻線の整列を大きく妨げない範囲で
あり、所望の放熱効果が達成できれば、巻線間に充填す
る熱伝導体の形状は、球形に限ったものでなく、不定形
の熱伝導体でもかまわない。以上のように、巻線間の隙
間を熱伝導の優れた絶縁材料を隙間なく埋めることで、
巻線間の熱伝導を良くすることが可能となり、内側の巻
線の発熱を外側の巻線に伝え易くなりトランスの内部の
蓄熱を軽減でき、巻線温度の上昇を防止できるようにな
る。
【0052】以上説明したように、セラミックの粉体の
材質自体が熱伝導性に優れたアルミナであるので、ボビ
ンに巻かれた巻線間の熱抵抗を下げることが可能とな
る。また、そのアルミナの形状が球形状をしていること
より、アルミナ粒子同士がワニスの中で移動しやすいの
で巻線時に巻線の隙間に充填され易く、巻線の整列を妨
げにくいことになる。また、巻線の隙間に充填された高
熱伝導粒子間の隙間に、より小さい高熱伝導粒子が充填
されることにより、巻線間に充填された高熱伝導粒子が
近接するため巻線間の熱伝導が良好になる。また、トラ
ンスの組立工程において、ボビンへ巻線を巻き付ける工
程で、ボビンの巻線(巻心)部に巻き付けられた直後の
巻線にワニスを塗布し、ほぼ同時あるいはその直後にワ
ニスが塗布された巻線に熱伝導の良好な絶縁体を吹き付
け巻線に塗着することで、ボビンの巻線(巻心)部に巻
き付けられた直後の巻線に塗布されたワニスの粘着力に
より、その直後吹き付けられた熱伝導の良好な絶縁体は
巻線の表面に付着されて、さらに外側に巻線されること
により巻線の隙間に充填されることになる。
【0053】また、トランスの組立工程において、ボビ
ンへ巻線を巻き付ける工程で、ボビンの巻線(巻心)部
に巻き付けられた直後の巻線にワニスを霧状に吹き付
け、ほぼ同時あるいはその直後にワニスが塗布された巻
線に熱伝導の良好な絶縁体を吹き付け巻線に塗着するこ
とにより、巻線に接触することなくワニスと熱伝導の良
好な絶縁体を巻線の隙間に塗着できるので、ボビンへの
巻線装置の巻き付け張力調整機構に改良をすることなく
対応が可能となる利点がある。
【0054】また、トランスの組立工程において、ボビ
ンへ巻線を巻き付ける工程で、予め混合され十分攪拌さ
れたワニスと熱伝導の良好な絶縁体をボビンの巻線(巻
心)部に巻き付けられた直後の巻線に塗布することで、
吹き付け装置がひとつですむので、塗布工程を巻線のボ
ビンへの巻線工程に追加する工程変更で済むので巻線装
置の改良個所をより少なくできるようになる。この場合
に、ワニスと混練された熱伝導の良好な絶縁体粒子の巻
線への塗着密度は、若干低いものの、巻線の放熱性の向
上が図れる。
【0055】
【発明の効果】以上説明したように、本発明のトランス
及びトランスの組立方法によれば、巻線の熱伝導を良く
することができ、トランス内部の発熱を効果的に放散で
きるので、巻線の温度上昇を抑制でき、信頼性を高くす
ることができる。
【0056】加えて、従来のトランスの巻線工程を大き
き変えることなく、トランスの放熱性を向上できる。
【0057】また、巻線間の熱伝導を良くすることで、
巻線径を小さくできるので、トランスの小型化が可能と
なる。また、同一ボビン、コアの場合では、巻数を増や
すことができるので、トランスの巻線設計仕様の自由度
を挙げる等の効果を奏することができる。
【0058】
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施形態をあらわすトランスの
要部破断拡大図である。
【図2】図1のトランスの組立工程の一部を説明する要
部破断拡大図である。
【図3】図1のA部拡大図である。
【図4】(a)本発明の別実施形態をあらわすトランス
の要部の一部拡大図である。(b)本発明の別実施形態
をあらわすトランスの要部の一部拡大図である。
【図5】本発明の別実施形態をあらわすトランスの要部
の一部拡大図である。
【図6】トランスの組立工程の一部を説明する模式図で
ある。
【図7】トランスの組立工程の一部を説明する模式図で
ある。
【図8】従来のトランスを分解した外観斜視図である。
【図9】従来のトランスをあらわす要部破断側面図であ
る。
【符号の説明】
1 トランス 2 ボビン 3 ボビンの巻線部(巻心) 4 隔壁 5 巻線 6 フェライトコア 7 リード端子 8 ワニス 9 フェルト 10 巻線接触子 11 アルミナ(粒子) 13 治具(巻線装置用) 14 巻線の張力調整機構部 15 供給装置

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 横断面形状が略円形の巻線を巻装したボ
    ビンに磁性材コアを組み付けて完成されるトランスであ
    って、 前記巻装により前記巻線間に形成される隙間を、熱伝導
    の良好な所定外形の粒体または所定直径の球体からなる
    絶縁体で充填するとともに、ワニスを含む熱伝導の良好
    な定着剤を塗布することを特徴とするトランス。
  2. 【請求項2】 前記絶縁体の所定外形または所定直径
    は、充填したときに、前記巻線の整列状態を妨げない値
    に設定されることを特徴とする請求項1に記載のトラン
    ス。
  3. 【請求項3】 前記絶縁体は、セラミックの粉体である
    ことを特徴とする請求項1に記載のトランス。
  4. 【請求項4】 前記絶縁体は、アルミナの粒子であるこ
    とを特徴とする請求項1に記載のトランス。
  5. 【請求項5】 前記絶縁体の所定外形または所定直径
    は、一列の環状になるように充填されることで、前記巻
    線の整列状態を妨げない第1の粒径または第1の直径に
    設定されることを特徴とする請求項1に記載のトラン
    ス。
  6. 【請求項6】 前記絶縁体の所定外形または所定直径
    は、4列の環状になるように充填されることで、前記巻
    線の整列状態を妨げない第2の粒径または第2の直径に
    設定されることを特徴とする請求項1に記載のトラン
    ス。
  7. 【請求項7】 前記絶縁体の所定外形または所定直径
    は、5列の環状になるように充填されることで、前記巻
    線の整列状態を妨げない第3と第4の粒径または第3と
    第4の直径に設定されることを特徴とする請求項1に記
    載のトランス。
  8. 【請求項8】 横断面形状が略円形の巻線直径を有する
    巻線を巻装したボビンに磁性材コアを組み付けて完成す
    るトランスの組立方法であって、 前記ボビンへ巻線を巻装するときに、巻装直後にワニス
    を含む熱伝導の良好な定着剤を塗布し、同時あるいは直
    後に、熱伝導の良好な所定外形の粒体または所定直径の
    球体からなる絶縁体を塗着し、 前記巻装により巻線間に形成される隙間を、前記絶縁体
    で充填することを特徴とするトランスの組立方法。
  9. 【請求項9】 前記絶縁体の塗着は、吹き付けによるこ
    とを特徴とする請求項8に記載のトランスの組立方法。
  10. 【請求項10】 前記定着体と前記絶縁体の塗布及び塗
    着は、予め混合されて十分攪拌された前記ワニスと前記
    絶縁体の混合体を用いることを特徴とする請求項8に記
    載のトランスの組立方法。
  11. 【請求項11】 前記定着体と前記絶縁体の塗着後に、
    全体をワニスを含む熱伝導の良好な定着剤で被覆するこ
    とを特徴とする請求項8に記載のトランスの組立方法。
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Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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