JPH11307074A - 密閉型鉛蓄電池用セパレータ及びその製造方法 - Google Patents

密閉型鉛蓄電池用セパレータ及びその製造方法

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JPH11307074A
JPH11307074A JP10107848A JP10784898A JPH11307074A JP H11307074 A JPH11307074 A JP H11307074A JP 10107848 A JP10107848 A JP 10107848A JP 10784898 A JP10784898 A JP 10784898A JP H11307074 A JPH11307074 A JP H11307074A
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acid battery
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organic fibers
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JP10107848A
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Atsushi Asada
篤志 麻田
Takashi Hattori
貴史 服部
Naoto Hoshihara
直人 星原
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Nippon Glass Fiber Co Ltd
Panasonic Holdings Corp
Original Assignee
Nippon Glass Fiber Co Ltd
Matsushita Electric Industrial Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 ガラス繊維と有機繊維とで構成されるセパレ
ータであって、保液性、吸液性に優れる上に、熱融着性
にも優れ、袋状セパレータとして好適な密閉型鉛蓄電池
用セパレータ及びその製造方法を提供する。 【解決手段】 有機繊維の含有割合をセパレータの厚み
方向で異なるものとする。有機繊維の含有割合の異なる
複数種類のガラス繊維/有機繊維混合スラリーを調製
し、異なるスラリーを順次抄紙して厚み方向に有機繊維
の含有割合の異なる密閉型鉛蓄電池用セパレータを製造
する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は密閉型鉛蓄電池用セ
パレータ及びその製造方法に係り、特に、ガラス繊維と
有機繊維とで構成されるセパレータであって、保液性、
吸液性に優れる上に、熱融着性にも優れ、袋状セパレー
タとして好適な密閉型鉛蓄電池用セパレータ及びその製
造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】密閉型鉛蓄電池用セパレータの形態とし
てはガラス繊維を含有する板状セパレータが一般的であ
る。しかし、板状セパレータには電極の活物質が脱落す
る、あるいはセパレータで保護されない極板部が生ずる
ことにより電気的短絡を起こすという問題があった。こ
れを解決する手段として、極板全体を包み込む形態の袋
状セパレータが考案されている。
【0003】図2は、一般的な袋状セパレータを示す図
であって、(a)図は正面図、(b)図は側面図、
(c)図は(a)図のC−C線に沿う断面図である。図
2の袋状セパレータ1は、2枚のセパレータ用マット1
A,1Bを重ね合わせ、電極2の挿入用の開口となる一
辺を残して、他の三辺を熱融着したものである。図中、
3は熱融着部を示す。
【0004】この他に、袋状セパレータとしては、1枚
の長尺のセパレータ用マットを二つ折りにし、折り返し
辺と電極挿入口の開口となる一辺を除く2辺を熱融着し
たものもある。
【0005】従来、袋状セパレータの製造に好適なセパ
レータ用マットとしては、ガラス繊維と熱可塑性有機繊
維とを混合抄造した熱融着可能な袋状セパレータ用マッ
トが知られている。
【0006】例えば、特開昭57−98975号公報に
は、ガラス繊維と熱可塑性有機繊維とを、該有機繊維が
両繊維総重量の25重量%以上50重量%未満となる範
囲で混合抄造したセパレータ用マットを折り曲げて重ね
合わせ、高周波ヒートシール機等を用いて重ね合わせた
部分の周縁部を熱融着することにより、袋状セパレータ
を作製することが記載されている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】ガラス繊維と有機繊維
とを混合抄造して得られるセパレータ用マットでは、次
のような不具合がある。
【0008】即ち、袋状セパレータとする際の高い熱融
着性を得るためには、有機繊維の混合割合を多くする必
要があるが、有機繊維は一般にガラス繊維よりも親水性
が劣るため、熱融着性の確保のために有機繊維の混合割
合を多くすると得られるセパレータの保液性、吸液性が
劣るものとなる。逆に、有機繊維の混合割合を少なくす
ると、有機繊維同士の交叉部分が減少し、この交叉部で
の熱融着も減少するため、熱融着性が低下する。
【0009】本発明は上記従来の問題点を解決し、ガラ
ス繊維と有機繊維とで構成されるセパレータであって、
保液性、吸液性に優れる上に、熱融着性にも優れ、袋状
セパレータとして好適な密閉型鉛蓄電池用セパレータ及
びその製造方法を提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明の密閉型鉛蓄電池
用セパレータは、ガラス繊維と有機繊維とを含む密閉型
鉛蓄電池用セパレータにおいて、該有機繊維の含有割合
が、該セパレータの厚み方向において異なることを特徴
とする。
【0011】本発明では、このように、セパレータの厚
み方向で有機繊維の含有割合を変えることにより、即
ち、熱融着されるセパレータの表面側(即ち、熱融着の
際に、セパレータ同士が当接する表面)のみ有機繊維の
含有割合を高いものとし、その他の部分については有機
繊維の含有割合を低くすることで、セパレータ全体とし
ての有機繊維の含有割合を低減する。
【0012】これにより、セパレータ全体としては有機
繊維の含有量が少ないために、良好な保液性、吸液性を
得ることができ、また、表面側は有機繊維の含有量が多
いために良好な熱融着を得ることができる。
【0013】また、セパレータ自体は一体のものである
ため、層間剥離も起き難い。
【0014】本発明の密閉型鉛蓄電池用セパレータは、
例えば、セパレータの一方の表面側から他方の表面側へ
向かって有機繊維の含有割合が高くなるようにすること
ができ、この場合において、該他方の表面側を熱融着面
とすれば良い。
【0015】本発明の密閉型鉛蓄電池用セパレータはま
た、両表面側に比べて厚み方向の中心側の有機繊維の含
有割合を低くすることができ、この場合においては、両
表面共に熱融着面とすることができる。
【0016】本発明においては、有機繊維の含有割合が
最も高い表面層における有機繊維の含有割合は、10重
量%以上とするのが好ましい。
【0017】また、有機繊維としては、その融点が90
〜160℃のものを用いるのが好ましく、特に、有機繊
維は高融点のポリオレフィン又はポリエステルよりなる
芯部と、低融点のポリオレフィン又はポリエステルより
なる鞘部とからなる芯鞘複合繊維であることが好まし
い。
【0018】本発明の密閉型鉛蓄電池用セパレータは、
更に、シリカ粉末を30重量%以下の範囲で含有してい
ても良い。
【0019】このような本発明の密閉型鉛蓄電池用セパ
レータは、例えば、ガラス繊維と有機繊維との混合スラ
リーを抄紙して密閉型鉛蓄電池用セパレータを製造する
方法において、有機繊維の含有割合の異なる複数種類の
スラリーを調製し、第1のスラリーを抄紙して第1の薄
層を形成する工程と、該第1の薄層上に該第1のスラリ
ーとは有機繊維の含有割合の異なる第2のスラリーを重
ねて抄紙して第2の薄層を形成する工程とを必要回数繰
り返すことにより、厚み方向において有機繊維の含有割
合の異なる密閉型鉛蓄電池用セパレータを製造すること
を特徴とする本発明の密閉型鉛蓄電池用セパレータの製
造方法により容易に製造することができる。
【0020】
【発明の実施の形態】以下に図面を参照して本発明の実
施の形態を詳細に説明する。
【0021】図1(a)は本発明の密閉型鉛蓄電池用セ
パレータの実施の形態を示す断面図、図1(b)〜
(e)は、セパレータ厚み方向の有機繊維の含有割合を
示すグラフである。
【0022】本発明の密閉型鉛蓄電池用セパレータは、
その厚み方向において、有機繊維の含有割合が異なるも
のであるが、その有機繊維の分布状況としては、 (A) 一方の表面側から他方の表面側に向って有機繊
維の含有割合が高くなるもの (B) 両表面側に比べて厚み方向の中心側において有
機繊維の含有割合が低くなるものが挙げられる。
【0023】即ち、本発明の密閉型鉛蓄電池用セパレー
タは、少なくとも熱融着面となる一方の表面側の部分
は、有機繊維の含有割合が高いことが重要であり、上記
(A)の分布であれば熱融着面と反対側の表面側におい
ては有機繊維の含有割合を著しく低減してセパレータ全
体の有機繊維の平均含有割合を少なくすることにより、
保液性、吸液性を高めることができる。また、熱融着面
と反対側の面の有機繊維含有割合が少ないことから、熱
融着時において、熱融着機の熱板への有機繊維の付着の
問題が解消されるという効果もある。一方、上記(B)
の分布であれば、有機繊維面と反対側の表面側において
も有機繊維の含有割合が多くなることから、セパレータ
全体の有機繊維の平均含有割合を著しく低減するには到
らないが、セパレータの表裏を同条件とすることで、袋
状セパレータの製作時において、セパレータの表裏を考
慮する必要がないという利点がある。
【0024】上記(A)又は(B)のように有機繊維の
含有割合をセパレータの厚み方向で変える場合、有機繊
維の含有割合の変化は連続的であっても段階的であって
も良い。
【0025】即ち、図1(a)に示す密閉型鉛蓄電池用
セパレータ10の熱融着面と反対側の面10Aから熱融
着面10Bに到る厚み方向の有機繊維の含有割合の変化
を示す図1(b)〜(e)のうち、図1(b),(d)
に示す如く、連続的に有機繊維の含有割合が変化するも
のであっても良く、また、図1(c),(e)に示す如
く段階的に変化するものであっても良い。また、連続的
に変化する場合、図1(b)に示す如く直線的に変化す
るものであっても、図1(d)に示す如く曲線的に変化
するものであっても良い。
【0026】有機繊維の含有割合が段階的又は連続的に
変化するものであれば、セパレータの厚み方向におい
て、有機繊維の含有割合が大きく変化する明確な層境界
が形成されないために、セパレータ全体としての一体性
が高く、折り曲げ時等の剪断応力や熱融着時の加熱に起
因する熱応力の集中が起こりにくく、熱応力によるセパ
レータの層間剥離が起きにくいという利点がある。
【0027】本発明において、セパレータの熱融着面側
となる表面層の有機繊維の含有割合は、熱融着性の確保
の点から10重量%以上、特に20重量%以上であるこ
とが好ましい。この部分は、有機繊維100重量%で構
成されていても良いが(この場合には、有機繊維に親水
化処理を施す。)、この部分の有機繊維の含有割合が過
度に高いと、セパレータ全体の有機繊維の平均含有割合
が高くなり、また、隣接する層との有機繊維の含有割合
の差が大きくなり、層間剥離の問題が生じる恐れもある
ため、70重量%以下であることが好ましい。
【0028】前述の如く、セパレータ全体としての一体
性を高め、セパレータの層間剥離を防止する観点から
は、セパレータの厚み方向において、有機繊維の含有割
合が段階的に変化する場合、前記(A)の分布におい
て、セパレータの熱融着面と反対側の面の表面層或い
は、前記(B)の分布において、セパレータの厚み方向
の中心側の層の、最も有機繊維の含有割合の少ない層に
おける有機繊維の含有割合は、この層と隣接する層の有
機繊維の含有割合とに大きな差が生じない範囲で少ない
方が好ましく、10重量%以下であることが好ましい。
【0029】セパレータの厚み方向において、有機繊維
の含有割合が段階的に変化する場合、その段数が多い
程、隣接する層の有機繊維の含有割合の差を小さくする
ことができ、セパレータ全体の一体性の面では好ましい
が、この場合には、製造工程の作業が煩雑になるという
欠点があるため、製造効率と、要求特性に応じて、適宜
有機繊維の分布状況を調整することとなるが、例えば、
次のような含有割合分布とすることが考えられる。
【0030】即ち、セパレータの全厚みの1/3〜1/
5の熱融着面側の表層部について、有機繊維の含有割合
を20〜30重量%とし、セパレータの全厚みの1/3
〜1/5の熱融着面と反対側の面の表層部について有機
繊維の含有割合を0〜5重量%とし、その中間の内層部
分について有機繊維の含有割合を0〜20重量%とす
る。
【0031】なお、セパレータ全体の有機繊維の平均含
有割合については、過度に多いと保液性、吸液性が損な
われ、過度に少ないと有機繊維性を確保することができ
ないことから、5〜25重量%であることが好ましい。
【0032】本発明の密閉型鉛蓄電池用セパレータを構
成するガラス繊維としては、平均繊維径が30μm以下
のもの、特に平均繊維径1μm以下で耐酸性に優れたも
のが好ましい。
【0033】また、有機繊維としては、融点が90〜1
60℃のポリオレフィン系合成繊維又はポリエステル系
合成繊維が好ましい。有機繊維の融点が90℃よりも低
いと電池内での使用中に高温に晒されることで軟化する
恐れがあり、融点が160℃を超える高融点のもので
は、熱融着が困難である。ポリオレフィン系合成繊維と
しては、ポリエチレン、ポリプロピレン、或いはこれら
の変性物よりなるものが挙げられる。また、ポリエステ
ル系合成繊維としても、各種の変性ポリエステルよりな
るものが挙げられる。ポリエステルは、親水性が高く、
ポリオレフィンよりも保液性、吸液性に優れる。これら
の有機繊維は1種を単独で用いても2種以上を混合して
用いても良く、また、必要に応じて親水化処理を施して
使用しても良い。
【0034】これらの有機繊維の繊維径は、10デニー
ル以下であることが好ましい。
【0035】なお、有機繊維としては、例えば、融点1
60〜280℃程度の高融点のポリオレフィン又はポリ
エステルよりなる芯部と、融点80〜160℃程度の低
融点のポリオレフィン又はポリエステルよりなる鞘部と
で構成される芯鞘複合繊維を用いても良い。なお、この
繊維の鞘部は、保液性、吸液性に優れたポリエステルで
あることが好ましい。このような芯鞘複合繊維を用いる
ことで、得られるセパレータの引張強度等の機械的特性
を高めることができる。
【0036】本発明の密閉型鉛蓄電池用セパレータは一
般的にはガラス繊維と有機繊維とから構成されるが、ガ
ラス繊維及び有機繊維以外の成分を含んでいても良い。
例えば、親水性向上の目的でシリカ粉体を混合しても良
い。この場合、シリカ粉体の含有割合は30重量%以下
とするのが好ましい。
【0037】また、機械的強度向上のために天然パルプ
を10重量%以下の範囲で混合しても良い。
【0038】これらシリカ粉体や天然パルプについて
も、セパレータの厚み方向において、その含有割合が変
化するように配合しても良い。
【0039】本発明の密閉型鉛蓄電池用セパレータは、
一般的には0.2〜5mm程度の厚さに成形され、その
空隙率は通常94〜95体積%程度である。
【0040】このような本発明の密閉型鉛蓄電池用セパ
レータは、例えば、次のような方法で製造することがで
きる。
【0041】 ガラス繊維と有機繊維とを水に分散さ
せてスラリーを調製するに当り、有機繊維の配合割合を
変えて、有機繊維の含有割合の異なる複数種類のスラリ
ーを調製し、第1のスラリーを抄紙して第1の薄層を形
成し、この上に、第1のスラリーとは有機繊維の含有割
合の異なる第2のスラリーを抄紙して第2の薄層を形成
する。この工程を繰り返して、有機繊維含有割合が厚み
方向に段階的に変化するセパレータを製造する。
【0042】 有機繊維含有割合の異なる複数枚の抄
紙薄層を抄き合わせる。即ち、スラリーを抄紙、脱水
し、乾燥前の薄層(ウェットシート)を複数枚積層し、
加圧、乾燥することにより、有機繊維含有割合が厚み方
向に段階的に変化するセパレータを製造する。
【0043】 上記の方法において、乾燥後の薄層
を複数枚積層して加熱加圧することで貼り合わせること
により、有機繊維含有割合が厚み方向に段階的に変化す
るセパレータを製造する。
【0044】 スラリーを整流して所定の厚さ、速度
で金網上に流すためのフローボックスを板で仕切り(下
部はつながっている)、そこに有機繊維含有割合の異な
る複数種類のスラリーを流し込むことにより、有機繊維
含有割合が厚み方向に連続的に変化するセパレータを製
造する。
【0045】 抄紙に当り、スラリーを静置すること
で、ガラス繊維と有機繊維との比重差を利用して、比重
の大きいガラス繊維を優先的に沈降させ、その後ゆっく
り脱水することで、上面から下面にむけて、厚み方向に
次第に有機繊維含有割合が少なくなるセパレータを製造
する。
【0046】本発明のセパレータにより袋状セパレータ
を製造する方法には特に制限はなく、通常の熱融着装置
を用いて常法に従って製造することができる。
【0047】この場合、前述の如く、2枚のセパレータ
を重ね合わせて開口部となる一辺を除く三辺を熱融着し
ても良く、一枚の長尺のセパレータを折り曲げて、折り
返し辺と開口部となる一辺とを除く二辺を熱融着するよ
うにしても良い。
【0048】熱融着幅は、電池の組立上は可能な限り狭
い方が好ましいが、過度に狭いと熱融着強度が低下する
ため、一般的には、0.5〜5mm程度、例えば約1m
mとされる。
【0049】本発明の密閉型鉛蓄電池用セパレータは、
電気自動車用セパレータをはじめ、バックアップ電源等
全ての密閉型鉛蓄電池に適用することができる。
【0050】
【実施例】以下に実施例及び比較例を挙げて本発明をよ
り具体的に説明するが、本発明はその要旨を超えない限
り、以下の実施例に限定されるものではない。
【0051】なお以下において用いたガラス繊維及び有
機繊維は、次の通りである。
【0052】 ガラス繊維:平均繊維径0.8μmのガラス繊維 有機繊維A:融点110℃のポリエステル繊維,平均繊
維径約4デニール,平均繊維長さ5mm 有機繊維B:融点250℃の高融点ポリエステル繊維の
芯部と、融点110℃の低融点ポリエステル繊維の鞘部
とからなる芯鞘複合繊維,平均繊維径約4デニール,平
均繊維長さ5mm 実施例1〜3、比較例1,2 表1に示す繊維材料を用い、予め、有機繊維の含有割合
が異なる複数種類のスラリーを調製しておき、前記の
方法に従って、順次積層抄紙する方法で、表1に示す全
厚みで、セパレータの厚み方向における有機繊維の含有
割合の分布が表1に示す値となるセパレータを製造し
た。
【0053】なお、表1において、表層−Iとは、セパ
レータの熱融着面側の全厚みの1/3の厚みの部分であ
り、表層−IIとはこの熱融着面側と反対側のセパレータ
の全厚みの1/3の厚みの部分であり、内層とはこれら
表層−Iと表層−IIとの間の中間層をさす。
【0054】得られたセパレータについて、吸液速度、
保液性及び熱融着性(熱融着部剥離強度の相対値)を調
べ、結果を表1に示した。
【0055】なお、セパレータの物性ないし諸特性の測
定方法は次の通りである。
【0056】(i)厚さ(mm) 試料を厚み方向に20kg/dm2の圧力で押圧した状
態で測定する(SBA4501)。
【0057】(ii)吸液速度(mm/min) 試料を垂直にしてその下部を比重1.30の希硫酸に浸
漬し、経時的に上昇する液位を測定することにより求め
る。
【0058】(iii)保液量(g/g) 重量Aの試料を水中に1分間浸漬し、水中より引き上げ
て30秒間保持した後、試料に含まれた水の重量Bを測
定し、式B/Aで与えられる値で表す(SBA450
1)。
【0059】(iv)熱融着部剥離強度の相対値 幅10mmの試料2枚を熱融着面側を内側にして重ね合
わせてヒートシール機にて熱融着したものを各々の端部
を引っ張り、剥離開始から完全に分離するまでの外力の
変化を測定し、その最大値を求め、比較例2の値を10
0としたときの相対値で示す。
【0060】
【表1】
【0061】表1より、本発明の密閉型鉛蓄電池用セパ
レータは、保液性、吸液性に優れる上に、熱融着性も極
めて良好であることがわかる。
【0062】
【発明の効果】以上詳述した通り、本発明の密閉型鉛蓄
電池用セパレータ及びその製造方法によれば、保液性、
吸液性に優れると共に、袋状化に適当な十分に高い熱融
着性を有する密閉型鉛蓄電池用セパレータが提供され
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1(a)は本発明の密閉型鉛蓄電池用セパレ
ータの実施の形態を示す断面図、図1(b)〜(e)
は、セパレータ厚み方向の有機繊維の含有割合を示すグ
ラフである。
【図2】一般的な袋状セパレータを示す図であって、
(a)図は正面図、(b)図は側面図、(c)図は
(a)図のC−C線に沿う断面図である。
【符号の説明】
1 袋状セパレータ 1A,1B セパレータ用マット 2 電極 3 熱融着部 10 密閉型鉛蓄電池用セパレータ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 星原 直人 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電器 産業株式会社内

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ガラス繊維と有機繊維とを含む密閉型鉛
    蓄電池用セパレータにおいて、該有機繊維の含有割合
    が、該セパレータの厚み方向において異なることを特徴
    とする密閉型鉛蓄電池用セパレータ。
  2. 【請求項2】 該有機繊維の含有割合が、該セパレータ
    の一方の表面側から他方の表面側に向かって高くなる請
    求項1に記載の密閉型鉛蓄電池用セパレータ。
  3. 【請求項3】 該セパレータの両表面側の有機繊維の含
    有割合に比べて厚み方向の中心側の有機繊維の含有割合
    が低い請求項1に記載の密閉型鉛蓄電池用セパレータ。
  4. 【請求項4】 該有機繊維の含有割合が最も高い該セパ
    レータの表面層において、該有機繊維の含有割合が10
    重量%以上である請求項1ないし3のいずれか1項に記
    載の密閉型鉛蓄電池用セパレータ。
  5. 【請求項5】 該有機繊維の融点が90〜160℃であ
    る請求項1ないし4のいずれか1項に記載の密閉型鉛蓄
    電池用セパレータ。
  6. 【請求項6】 該有機繊維は、高融点のポリオレフィン
    又はポリエステルよりなる芯部と、低融点のポリオレフ
    ィン又はポリエステルよりなる鞘部とからなる芯鞘複合
    繊維である請求項1ないし5のいずれか1項に記載の密
    閉型鉛蓄電池用セパレータ。
  7. 【請求項7】 更にシリカ粉体を30重量%以下含有す
    る請求項1ないし6のいずれか1項に記載の密閉型鉛蓄
    電池用セパレータ。
  8. 【請求項8】 ガラス繊維と有機繊維との混合スラリー
    を抄紙して密閉型鉛蓄電池用セパレータを製造する方法
    において、 有機繊維の含有割合の異なる複数種類のスラリーを調製
    し、第1のスラリーを抄紙して第1の薄層を形成する工
    程と、該第1の薄層上に該第1のスラリーとは有機繊維
    の含有割合の異なる第2のスラリーを重ねて抄紙して第
    2の薄層を形成する工程とを必要回数繰り返すことによ
    り、厚み方向において有機繊維の含有割合の異なる密閉
    型鉛蓄電池用セパレータを製造することを特徴とする密
    閉型鉛蓄電池用セパレータの製造方法。
JP10107848A 1998-04-17 1998-04-17 密閉型鉛蓄電池用セパレータ及びその製造方法 Pending JPH11307074A (ja)

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