JPH11307022A - 蛍光表示管 - Google Patents

蛍光表示管

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JPH11307022A
JPH11307022A JP10741798A JP10741798A JPH11307022A JP H11307022 A JPH11307022 A JP H11307022A JP 10741798 A JP10741798 A JP 10741798A JP 10741798 A JP10741798 A JP 10741798A JP H11307022 A JPH11307022 A JP H11307022A
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JP
Japan
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exhaust pipe
anchor
display tube
fluorescent display
cathode
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Pending
Application number
JP10741798A
Other languages
English (en)
Inventor
Norio Tanaka
典夫 田中
Ichiro Yamagata
一朗 山方
Seiji Matsumoto
清児 松本
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
KYUSHU NORITAKE KK
Noritake Co Ltd
Original Assignee
KYUSHU NORITAKE KK
Noritake Co Ltd
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Publication date
Application filed by KYUSHU NORITAKE KK, Noritake Co Ltd filed Critical KYUSHU NORITAKE KK
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Publication of JPH11307022A publication Critical patent/JPH11307022A/ja
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  • Cathode-Ray Tubes And Fluorescent Screens For Display (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】排気管とアンカのアーム部との干渉を抑制し得
る蛍光表示管を提供する。 【解決手段】蛍光表示管10のアーム部36と排気管7
4との間には、その排気管74のアーム部36側への移
動を抑制するための突設部78が備えられる。そのた
め、真空空間を形成するために真空容器すなわち表示管
10を加熱しつつ排気する際において、排気管74を固
着しているフリット・ガラス54が軟化させられても、
その突設部78によって排気管74が真空容器内に吸い
込まれることが防止される。したがって、吸い込まれた
排気管74とアンカ22のアーム部36とが干渉し、延
いてはフィラメント状の陰極28に付与される張力が不
十分となることが好適に抑制される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、蛍光表示管(VF
D:Vacuum Fluorescent Display)に関する。
【0002】
【従来の技術】基板の表示面に設けられた複数個の陽極
(アノード)上に蛍光体層が固着され、その表示面の上
方に架設されたフィラメント状の複数本の陰極(カソー
ド)から発生させられた電子を、それら複数個の陽極と
複数本の陰極との間に設けられたグリッド電極で制御し
てその蛍光体層を選択的に発光させる形式の蛍光表示管
が知られている。このような蛍光表示管は、陰極から発
生した電子が衝突させられる蛍光体層の表面が表示側に
位置するために動作電圧が低く鮮明に表示されると共
に、相互に発光色の異なる複数種類の蛍光体層を用意す
ることによりカラー表示が可能となる等の特徴があるた
め、音響機器や自動車或いは航空機の表示パネル等の表
示部品として多用されている。
【0003】上記のような蛍光表示管においては、陰極
の長手方向に略沿った方向に弾性変形可能とされた複数
のアーム部を有するアンカが表示面上の一端側に備えら
れ、前記複数本の陰極は、そのアーム部が弾性変形させ
られた状態でその先端部に設けられた溶着面に一端が溶
着されると共に、例えば、表示面の他端側に実質的に弾
性変形不能に設けられたサポートに他端が溶着されるこ
とによって互いに略平行となるようにそれぞれ架設され
ている。蛍光表示管の動作中においては、熱電子を放出
するために陰極の温度が例えば600(℃) 以上に保たれ
る。そのため、その動作中に熱膨張に起因して撓まない
ように、上述のように弾性変形可能なアーム部で陰極に
所定の張力を付与しているのである。なお、陰極が一定
以上の長さに設けられる場合には、これに十分な張力が
付与されるように、両端にアンカが備えられる場合もあ
る。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところで、蛍光表示管
は、例えば、基板およびそれに平行に配置された透明な
カバー・ガラス板と、それらの間に位置する矩形枠状の
スペーサ・ガラスとによって構成される気密容器(真空
容器)内を真空にして用いられる。そのため、例えば、
スペーサ・ガラスを貫通して円筒状の排気管が備えら
れ、製造過程においてその排気管を介して排気および封
止が為されている。このとき、管内の真空度を高める目
的で表示管全体が例えば310(℃) 程度の所定温度に加熱
される。一方、上記の排気管は、例えば、基板、カバー
・ガラス板、およびスペーサ・ガラスを封着材(例えば
封着用低軟化点ガラス)で相互に接合する際に、同時に
同様な封着材を用いてスペーサ・ガラスに予め設けられ
ている排気穴に固着される。このため、上記の封着材の
軟化点が例えば355(℃) 程度であって、排気時の加熱温
度でもある程度軟化させられて固着力が不十分になるこ
とから、排気によって減圧させられた管内に排気管が吸
い込まれ得る。この場合において、排気管が蛍光表示管
の長手方向両端部のうちアンカ側に設けられる場合に
は、吸い込まれた排気管によってアーム部がサポート側
に向かって弾性的に押圧されるため、弾性力に基づいて
フィラメント状陰極に付与されている張力が不十分にな
り得るという問題があった。
【0005】一般に、蛍光表示管内に備えられるグリッ
ド電極や陽極に通電するためのリード・ピンは、表示面
の長手方向に沿ってその両側或いは片側に配設される。
そのため、その表示面のうちの蛍光体層が設けられる表
示部と基板の長辺(短辺方向の一端)との間には、その
リード・ピンを配設するための隙間が設けられる。ま
た、アンカのアームの基端部は、そのアームの長さに略
等しい距離だけその先端部に固着される陰極から表示面
の幅方向に隔てて位置させられる。そのため、表示部と
基板の長辺との間には、アンカのその基端部側の端部に
おいてアームの長さ以上の隙間を設ける必要がある。通
常、アンカからのアームの突き出し方向は、部品の標準
化や加工設備の共通化等が容易なように一定方向に設定
される。したがって、リード・ピンが片側に設けられる
表示管において、スペース効率を高めるためには、表示
のデッド・スペースとなる上記の二種の隙間を同一の長
辺側に位置させることが好ましいことから、アンカの配
設位置はリード・ピンとの位置関係に基づいて表示面の
長手方向における両端部の何れか一方に決定される。一
方、排気管およびリード・ピンは気密容器から突き出す
こととなるため、これらの配設位置は、蛍光表示管が備
えられる装置内の部品配置等に応じて定められる。この
ため、排気管とアンカの位置関係を自由に定めることが
できないため、前記のように排気管がアンカ側に設けら
れる場合があり得るのである。なお、前述のように陰極
が両端部ともアンカで支持される場合には、上記のよう
な部品の標準化等とは無関係に同様な問題が生じること
となる。
【0006】本発明は、以上の事情を背景として為され
たものであって、その目的は、排気管がアンカ側に設け
られる場合において、そのアーム部と排気管との干渉を
抑制し得る蛍光表示管を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】斯かる目的を達成するた
め、本発明の要旨とするところは、互いに平行に配置さ
れた基板および透光性平板部とそれらの間に位置する矩
形枠状の周壁部とによって構成された真空容器内に、そ
の基板の表示面に設けられた複数個の陽極上に固着され
た蛍光体層と、その表示面の上方に架設されたフィラメ
ント状陰極と、それら蛍光体層およびフィラメント状陰
極との間に設けられたグリッド電極と、前記表示面の一
端部に設けられてその表示面に沿って弾性変形可能に形
成されたアーム部によってそのフィラメント状陰極の一
端を支持して所定の張力を付与するアンカと、その一端
部側において前記周壁部を貫通して封着材で固着された
排気管とを備え、前記真空容器を加熱しつつその内部か
らその排気管を介して排気することにより形成された真
空空間内において、前記フィラメント状陰極から発生さ
せられた電子を前記グリッド電極で制御して前記蛍光体
層を選択的に発光させる形式の蛍光表示管であって、
(a) 前記アーム部と前記排気管との間に備えられ、その
排気管のそのアーム部側への移動を抑制するための移動
抑制部材を含むことにある。
【0008】
【発明の効果】このようにすれば、蛍光表示管のアーム
部と排気管との間には、その排気管のアーム部側への移
動を抑制するための移動抑制部材が備えられる。そのた
め、真空空間を形成するために真空容器を加熱しつつ排
気する際において、排気管を固着している封着材が軟化
させられても、その移動抑制部材によって排気管が真空
容器内に吸い込まれることが防止される。したがって、
吸い込まれた排気管とアンカのアーム部とが干渉し、延
いてはフィラメント状陰極に付与される張力が不十分と
なることが好適に抑制される。
【0009】
【発明の他の態様】ここで、好適には、前記移動抑制部
材は、前記アンカと一体的に備えられているものであ
る。このようにすれば、移動抑制部材がアンカに一体的
に備えられていることから、蛍光表示管を製造するに際
して基板の表示面にアンカを配設すると同時に移動抑制
部材が所定位置に備えられる。したがって、移動抑制部
材の配設が容易になると共に、それを設けることに起因
して工程数が増大することも抑制される。しかも、アン
カを表示面に配設するに際しては、一般に、サポートや
各電極に通電するために真空容器の内部から外部に貫通
して設けられる電極端子等とそのアンカとが一体化させ
られた状態で、基板と周壁部との間に前記封着材によっ
て固着される。そのため、例え排気するに際してその封
着材が軟化させられても、表示面に沿った方向における
アンカの移動が生じ難いことから、排気管の移動抑制機
能が一層確実に得られる。
【0010】また、好適には、前記移動抑制部材は、前
記表示面に固着するためにその表示面に沿って備えられ
る前記アンカの固着部から前記周壁部の一端部側に伸び
且つ前記排気管の端面に当接させられる当接面がその先
端に形成された突設部である。このようにすれば、アン
カの固着部から周壁部の一端部側に伸び且つその先端に
前記排気管の端面に当接する当接面を有する突設部によ
って移動抑制部材が構成される。そのため、突設部に
は、アンカの固着部から一端部側に十分離隔した位置に
おいて当接面が備えられていることから、その当接面が
排気管の端面に当接させられることによって、その排気
管が真空容器内に吸い込まれることおよび排気管とアー
ム部とが干渉することが一層確実に抑制される。なお、
一般に、アンカはプレス加工によってアーム部が折り曲
げ形成されることから、前述のようにサポートや電極端
子等が一体的に設けられたフレームとは別に作製された
後、そのフレームの上面或いは下面にスポット溶接等に
よって固着される場合が多い。このようにアンカおよび
フレームが別部材で構成される場合には、上記の「固着
部」はアンカがフレームに一体化させられた後に基板の
表示面に固着される部分をいうものであり、「突設部」
は、一体化させられた状態で固着部を構成する部分のう
ち、アンカおよびフレームの何れに設けられていても差
し支えない。
【0011】また、好適には、前記突設部は、先端部が
前記表示面から上方に向かって折り曲げられることによ
って前記当接面が形成されているものである。このよう
にすれば、排気管の端面に当接させられる前記当接面
は、突設部の先端部が表示面から上方に向かって折り曲
げられることによって形成される。そのため、突設部に
単にプレス加工を施して先端部を折り曲げるだけで、容
易に当接面を形成することができる。
【0012】
【発明の実施の形態】以下、本発明の一実施例を図面を
参照して詳細に説明する。なお、以下の実施例において
各部の寸法比等は必ずしも正確に描かれていない。
【0013】図1および図2は、本発明の一実施例の蛍
光表示管10を示す斜視図および断面図である。図にお
いて、蛍光表示管10は、ガラス、セラミックス、琺瑯
等の絶縁体材料から成る平板状の基板12、および透明
平板状のフロント・ガラス14が、矩形枠状のスペーサ
・ガラス16を介してガラス封着により接合されて、長
手平箱状の真空容器に構成されている。
【0014】基板12の表示面18側の上面には、長手
方向中央部に陽極配線層20が、両端部にアンカ22、
サポート24をそれぞれ備えた一対の陰極端子26a,
26b(特に区別しないときには単に陰極端子26とい
う)がそれぞれ設けられている。それら陰極端子26
a,26b間には、互いに平行な複数本のフィラメント
状の陰極28が両端部をアンカ22およびサポート24
にそれぞれ溶着されることにより、表示面18から比較
的離隔した位置においてその長手方向に沿って等間隔で
架設されている。この陰極28は、表面に電子放出層と
して(Ba,Sr,Ca)O等の仕事関数の低いアルカリ土類金属
の酸化物固溶体がコーティングされたタングステン(W
)ワイヤから成るものである。
【0015】図3は、表示面18のうちアンカ22を備
えた一方の陰極端子26aの要部近傍をフロント・ガラ
ス14およびスペーサ・ガラス16等を省略して示す図
である。図において、アンカ22は、例えばSUS43
0等から成るものであって、表示面18上を幅方向に貫
通して設けられて例えば426合金等から成る枠状且つ
略平坦なフレーム30の下面に固着される長手板状の固
着部32と、その固着部32の長手方向の一方の側部に
断続的に突き出した複数の凸部34から連続して形成さ
れて陰極28の長手方向に弾性変形可能なアーム部36
とを備えている。このアーム部36は、上記の凸部34
の先端部に表示面18から離隔する方向に略垂直に形成
された基部38と、その表示面18に略垂直な一面40
を有してその基部38の先端部から表示面18に略平行
な方向に伸びる帯状部42と、その帯状部42の先端部
にサポート24から離隔する方向に伸びて設けられて陰
極28が溶着される折曲部46とから構成されたもので
ある。このため、他方の陰極端子26bに一体的に設け
られたサポート24と、上記のアンカ22との間に架設
された陰極28には、高温になって熱膨張させられる駆
動時においても真直性を保ち得るだけの張力が、アーム
部36がサポート24側に向かって弾性的に曲げられる
ことでアンカ22に生じる復元力(弾性力)に基づいて
付与されている。
【0016】なお、アンカ22は、表示面18の長手方
向の両端部の一方においてフレーム30にスポット溶接
などによって溶着され、更に、その枠状のフレーム30
の一部がその長手方向に直交する方向で基板12の外側
に突き出した状態で、例えばフリット・ガラス(封着
材)54等により表示面18の周縁部にスペーサ・ガラ
ス16が接合されると同時に固着されることで表示面1
8上に設けられている。
【0017】図1および図2に戻って、前記の陽極配線
層20の上には、絶縁層56を介して所定の表示パター
ン形状に対応して区画された複数の陽極58が設けられ
ており、その陽極58上には、上記所定の表示パターン
の蛍光体層60が設けられている。この蛍光体層60
は、R(赤)、G(緑)、B(青)等の発光色の種々の
蛍光体から、所定の発光色に対応するものが選択されて
用いられる。また、蛍光体層60からフロント・ガラス
14側に離隔した上方で前記陰極28の下方、すなわち
陰極28と陽極58と間には、複数の金網状のグリッド
電極62が所定の発光区画毎に設けられ、例えば、陽極
58の真空容器の幅方向における両側に備えられた複数
の接点(グリッド・パッド)64に、その幅方向の両端
に設けられた脚部66において導電性接着剤等によって
接続されている。上記の陽極配線層20、陰極端子2
6、接点64等は、真空容器の長手方向の一方の側部
に、例えば基板12とスペーサ・ガラス16との間を通
して外部に貫通して設けられて内部側の先端部がピン・
パッド68に押しつけられた複数本の接続端子70に電
気的に接続されており、この接続端子70を通して所定
の陽極58、陰極28、およびグリッド電極62に所定
の電圧がそれぞれ印加される。なお、図において72は
ゲッタである。
【0018】また、表示管10の側面には、円筒状の排
気管74が陰極28の長手方向の一端側においてスペー
サ・ガラス16を貫通して設けられている。この排気管
74は、真空容器が形成された後に排気して内部を真空
にするために設けられているものであり、その先端部は
排気が終了した後にガス・バーナ等によって溶断されて
いる。図4は、上記の排気管74の近傍を拡大して示す
平面図である。図に一点鎖線で配設位置を示される枠状
のスペーサ・ガラス16は、排気管74が備えられる位
置が欠落させられて周方向に不連続になっている。その
ため、基板12およびフロント・ガラス14と封着され
た後には、その欠落部と基板12およびフロント・ガラ
ス14の内面とによって真空容器に排気穴76が形成さ
れる。なお、排気管74は真空容器を構成するための封
着と同時に取り付けられており、図5に図4におけるV
−V視断面を示すように、その封着の際、フリット・ガ
ラス54によって排気穴76に気密に固着される。な
お、図4等から明らかなように、排気管74は基板12
の長手方向のうちアンカ22が設けられている側の端部
に設けられている。また、アンカ22のアーム部36の
基部(基端部)38側の端部は、接続端子70側に一致
させられている。そのため、アンカ22の上記端部側に
形成されるデッド・スペース(表示に寄与しない部分)
と、接続端子70が押しつけられるピン・パッド68を
設けることに起因して形成されるデッド・スペースと
が、基板12の幅方向における同一側に位置することか
ら、蛍光表示管10のスペース効率が高められている。
上記の排気管74は、基板12の幅方向において、接続
端子70側すなわちアンカ22の上記端部側とは反対側
に設けられている。
【0019】また、上記図4に示されるように、アンカ
22が前記固着部32において固着されているフレーム
30には、陰極28の長手方向に沿った表示面18の一
方の長辺の近傍の位置から上記排気穴76側に向かって
延びる細幅帯状の突設部78が、略平坦なフレーム30
全体と略同一平面上において設けられている。この突設
部78の先端部は、図に示されるようにフレーム30の
アンカ22のアーム部36が設けられている表示面18
の端部側において、そのアーム部36が弾性的に曲げら
れた状態でその先端よりも1.0(mm) 程度突き出して設け
られている。換言すれば、突設部78は、陰極28の長
手方向において、弾性的に曲げられたアーム部36の先
端よりもその先端部が排気穴76が備えられているスペ
ーサ・ガラス16側に位置するように設けられている。
なお、突設部78は、フレーム30のうちのアンカ22
の固着部32が固着されている部分に設けられているこ
とから、実質的にアンカ22の固着部に設けられてい
る。
【0020】上記の突設部78の先端部は、図5に示さ
れるように、表示面18から上方に向かうように例えば
プレス加工等によって略垂直に折り曲げられており、そ
の先端部に排気管74の真空容器内側の端面80に当接
させられる高さh=1 〜2(mm) 程度の当接面82を備え
た当接部84が備えられている。すなわち、当接部84
および当接面82は、フレーム30のアーム部36側に
おいて、そのアーム部36よりも突き出した位置に設け
られている。前記のフリット・ガラス54の厚みはt=
0.3(mm) 程度であることから、当接部84の先端はその
フリット・ガラス54よりも上側に突き出し、排気管7
4の端面80と当接させられるのである。そのため、排
気管74の端面80は表示管10内においてその当接部
84よりは内側に位置し得ないことから、排気管74と
アンカ22のアーム部36とが当接してそのアーム部3
6がサポート24側に押圧され、延いては陰極28に付
与される張力が不十分となることが好適に抑制されてい
る。なお、図5等からも明らかなように、突設部78
は、当接部84以外の部分が表示面18に沿った平坦な
形状で設けられており、突設部78自身とアーム部36
との干渉も防止されている。本実施例においては、突設
部78が移動抑制部材に相当する。
【0021】以上のように構成される蛍光表示管10を
製造するに際しては、フレーム30によってアンカ22
および接続端子70等が一体化させられている状態で、
先ず、そのフレーム30を基板12上に配置し、スペー
サ・ガラス16およびフロント・ガラス14をその上か
ら載置すると共に、排気穴76に排気管74を配置し、
フリット・ガラス54によって各部材相互に接合して封
着する。そして、例えば排気管74が下側に位置するよ
うに表示管10を立てた状態で、図6に示されるように
排気装置の排気ヘッド86にその排気管74を差し込み
固定し、真空容器(表示管10)を加熱しつつ排気処理
を行う。なお、加熱処理は、表示管10内の真空度を可
及的に高める目的で行われるものである。
【0022】このとき、前記図5に示されるように排気
管74を表示管10に固定しているフリット・ガラス5
4が軟化させられるが、排気処理中においては表示管1
0が排気管74を介して排気ヘッド86に支持されてお
り、直接的には固定されていない。そのため、表示管1
0の自重および減圧させられた内部雰囲気の吸引力に基
づいて、排気管74に表示管10内に吸い込まれる方向
の力(図4に矢印で示される方向の力)が作用するが、
前記図4、図5に示されるようにフレーム30には排気
管74の端面80に当接させられる当接部84が備えら
れていることから、その排気管74の表示管10内への
移動がその当接部84によって好適に抑制される。した
がって、アンカ22側に排気管74が設けられているに
も拘わらず、前述のようにアーム部36の復元力が排気
管74との当接に基づいて不十分となることが抑制され
るのである。なお、図に示されるように、アンカ22等
は未だフレーム30によって一体化させられた状態に維
持されている。そのため、例えフレーム30を固着して
いるフリット・ガラス54が軟化させられても、突設部
78の移動が生じ難いことから、排気管74が真空容器
内に入り込むことが一層抑制される。
【0023】因みに、蛍光表示管10は、複数本の陰極
28の全てに定常的に26(mA/本) 程度のヒート電流を流
した状態で、グリッド電極62に順次数十(V) 程度の低
電圧の正の加速電圧を印加して走査すると共に、その走
査のタイミングに同期して所定の陽極58にグリッド電
極62と同程度の正電圧を印加して用いられる。上記の
ヒート電流を流されることによって例えば600(℃) 程度
の温度に保持された陰極28から放出された熱電子は、
グリッド電極62に加速電圧が印加されている場合には
それによって陽極58に向かって加速・拡散され、負の
消去電圧が印加されている場合には遮断される。そのた
め、正電圧を印加され且つ上方のグリッド電極62に加
速電圧が印加された陽極58に選択的に電子が入射させ
られ、その陽極58上の蛍光体層60に衝突させられる
ことにより、その蛍光体のみが選択的に励起されて所定
の色の発光を示し、所定の発光表示が得られるのであ
る。このような駆動状態において、高温となった陰極2
8はその熱膨張係数に従って長手方向に伸長させられる
ため、その伸長時においても弛むことなく表示面18と
の距離が予め定められた値に保たれるように、アンカ2
2で張力を付与する必要があるのである。
【0024】要するに、本実施例においては、蛍光表示
管10のアーム部36と排気管74との間には、その排
気管74のアーム部36側への移動を抑制するための突
設部78が備えられる。そのため、真空空間を形成する
ために真空容器すなわち表示管10を加熱しつつ排気す
る際において、排気管74を固着しているフリット・ガ
ラス54が軟化させられてその排気管74が真空容器内
に吸い込まれようとしても、排気管74の端面80に突
設部78の先端に設けられた当接面82が当接して、そ
の突設部78によって排気管74の移動が阻止される。
すなわち、突設部78は、排気管74のストッパとして
機能する。したがって、吸い込まれた排気管74とアン
カ22のアーム部36とが干渉し、延いてはフィラメン
ト状の陰極28に付与される張力が不十分となることが
好適に抑制される。
【0025】また、本実施例においては、突設部78
は、実質的にアンカ22と一体的に備えられている。そ
のため、前述のように蛍光表示管10を製造するに際し
て、基板12の表示面18にアンカ22を配設すると同
時に突設部78が所定位置に備えられる。したがって、
突設部78の配設が容易になると共に、それを設けるこ
とに起因して工程数が増大することも抑制される。しか
も、アンカ22を表示面18に配設するに際しては、前
述のように、そのアンカ22がサポート24や電極端子
70等と共にフレーム30に一体化させられた状態で、
基板12とスペーサ・ガラス16との間にフリット・ガ
ラス54によって固着される。そのため、前述のように
排気するに際してそのフリット・ガラス54が軟化させ
られても、表示面18に沿った方向におけるアンカ22
の移動が生じ難いことから、排気管74の移動抑制機能
が一層確実に得られる。
【0026】また、本実施例においては、突設部78
は、表示面18に固着するためにその表示面18に沿っ
て備えられるアンカ22の固着部32から陰極28の長
手方向におけるスペーサ・ガラス16の一端側に伸び、
且つ排気管74の端面80に当接させられる当接面82
がその先端に形成されている。そのため、突設部78に
は、アンカ22の固着部32から上記一端側に十分離隔
した位置において当接面82が備えられていることか
ら、その当接面82が排気管74の端面80に当接させ
られることによって、その排気管74が真空容器内に吸
い込まれることおよび排気管74とアーム部36とが干
渉することが一層確実に抑制される。
【0027】また、本実施例においては、突設部78
は、先端部が表示面18から上方に向かって折り曲げら
れることによって当接面82が形成されているものであ
る。そのため、突設部78に単にプレス加工を施して先
端部を折り曲げるだけで、容易に当接面82を形成する
ことができる。
【0028】以上、本発明の一実施例を図面を参照して
詳細に説明したが、本発明は更に別の態様でも実施され
る。
【0029】例えば、前述の実施例においては、本発明
がメッシュ状のグリッド電極62を備えた蛍光表示管1
0に適用された場合について説明したが、陽極58を囲
むように立設されたリブ状壁の頂部にグリッド電極が設
けられたリブ・グリッド型蛍光表示管にも本発明は同様
に適用される。
【0030】また、実施例においては、フレーム30に
突設部78が設けられ、そのフレーム30にアンカ22
がスポット溶接されることによって、その突設部78が
実質的にアンカ22に設けられていたが、アンカ22自
体に同様な突設部78が設けられていてもよい。
【0031】また、実施例においては、移動抑制部材と
して機能する突設部78が実質的にアンカ22に設けら
れていたが、移動抑制部材は、例えば、表示面18上に
フリット・ガラス等を適当な厚さに設けることによって
備えられてもよい。
【0032】また、実施例においては、突設部78の先
端部が折り曲げられることによって当接面82を備えた
当接部84が形成されていたが、例えば、突設部78の
先端部の断面積を、排気管74の移動を抑制するために
十分な大きさとすることによって、その断面で当接面を
構成してもよい。
【0033】また、実施例においては、排気管74の端
面80が当初から突設部78に当接させられているよう
に説明したが、当初は互いに離隔して配置され、排気処
理の過程において排気管74が突設部78に当接するま
で移動可能となっていても差し支えない。このようにし
ても、排気管74の移動は実質的に抑制される。
【0034】また、実施例においては、排気管74が当
接させられた突設部78は、排気管74の移動を実質的
に阻止するように説明したが、アーム部36と干渉しな
い範囲であれば排気管78の移動を許容しても支障は生
じない。したがって、突設部78が湾曲等の僅かな変形
をさせられて排気管74が真空容器内に僅かに入り込ん
だ後、その変形に伴って発生する復元力の作用が付加さ
れた状態で排気管74のそれ以上の進入を阻止するよう
に構成することもできる。
【0035】また、実施例においては、陰極28は一端
をアンカ22により弾性的に、他端をサポート24によ
り非弾性的にそれぞれ支持されていたが、陰極28の長
手方向の両端部のうちアンカ22側に排気管74が備え
られる構造であれば、両端をアンカ22によって弾性的
に支持する場合にも、本発明は同様に適用される。
【0036】その他、一々例示はしないが、本発明はそ
の趣旨を逸脱しない範囲で種々変更を加え得るものであ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】蛍光表示管の全体を示す斜視図である。
【図2】図1の蛍光表示管の断面構造を示す図である。
【図3】アンカ近傍の要部を拡大して示す図である。
【図4】排気管の近傍を拡大して示す平面図である。
【図5】図4におけるV−V視断面図である。
【図6】図1の蛍光表示管を製造するための排気処理を
説明する図である。
【符号の説明】
10:蛍光表示管 12:基板 16:スペーサ・ガラス(周壁部) 18:表示面 28:陰極 32:固着部 36:アーム部 44:溶着面 58:陽極 60:蛍光体層 62:グリッド電極 74:排気管 78:突設部(移動抑制部材) 80:端面 82:当接面 84:当接部
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 山方 一朗 福岡県朝倉郡夜須町大字三並字八ツ並2160 番地九州ノリタケ株式会社内 (72)発明者 松本 清児 福岡県朝倉郡夜須町大字三並字八ツ並2160 番地九州ノリタケ株式会社内

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 互いに平行に配置された基板および透光
    性平板部とそれらの間に位置する矩形枠状の周壁部とに
    よって構成された真空容器内に、該基板の表示面に設け
    られた複数個の陽極上に固着された蛍光体層と、該表示
    面の上方に架設されたフィラメント状陰極と、該蛍光体
    層および該フィラメント状陰極との間に設けられたグリ
    ッド電極と、前記表示面の一端部に設けられて該表示面
    に沿って弾性変形可能に形成されたアーム部によって該
    フィラメント状陰極の一端を支持して所定の張力を付与
    するアンカと、該一端部側において前記周壁部を貫通し
    て封着材で固着された排気管とを備え、前記真空容器を
    加熱しつつその内部から該排気管を介して排気すること
    により形成された真空空間内において、前記フィラメン
    ト状陰極から発生させられた電子を前記グリッド電極で
    制御して前記蛍光体層を選択的に発光させる形式の蛍光
    表示管であって、 前記アーム部と前記排気管との間に備えられ、該排気管
    の該アーム部側への移動を抑制するための移動抑制部材
    を含むことを特徴とする蛍光表示管。
  2. 【請求項2】 前記移動抑制部材は、前記アンカと一体
    的に備えられているものである請求項1の蛍光表示管。
  3. 【請求項3】 前記移動抑制部材は、前記表示面に固着
    するために該表示面に沿って備えられる前記アンカの固
    着部から前記周壁部の前記一端部側に伸び且つ前記排気
    管の端面に当接させられる当接面がその先端に形成され
    た突設部である請求項2の蛍光表示管。
  4. 【請求項4】 前記突設部は、先端部が前記表示面から
    上方に向かって折り曲げられることによって前記当接面
    が形成されているものである請求項3の蛍光表示管。
JP10741798A 1998-04-17 1998-04-17 蛍光表示管 Pending JPH11307022A (ja)

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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2002367548A (ja) * 2001-06-06 2002-12-20 Futaba Corp チップイングラス蛍光表示管
CN1314071C (zh) * 2002-08-22 2007-05-02 三星Sdi株式会社 具有复合型灯丝支撑的真空荧光显示器

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JP2002367548A (ja) * 2001-06-06 2002-12-20 Futaba Corp チップイングラス蛍光表示管
CN1314071C (zh) * 2002-08-22 2007-05-02 三星Sdi株式会社 具有复合型灯丝支撑的真空荧光显示器

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