JPH11306341A - ２値画像の補正方法及び装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 ３次元的な歪みや平面内で回転した図形を記
録した２値画像に対し、３次元的な歪みや平面内の回転
を補正して元の図形の画像を復元する補正を高速に行
う。 【解決手段】 補正対象である２値画像における全ての
黒画素について補正のための座標変換を行うのではな
く、まず２値画像を構成する全ての横方向の線分の集合
を抽出し、各々の線分の端点だけについて座標変換を行
う。そして、それらの変換後の左右の端点を結ぶ線分を
出力画像バッファ（補正後の画像を記録するメモリエリ
ア）上で描くことで変換後の図形を得る。変換後の線分
間に隙間が生じることで黒画素の間に白画素が生じる
が、これに対しては従来法と同じように、近傍に黒画素
を指定個数以上持つ白画素を黒画素に変更するという処
理を行うことで補間する。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、２値画像の補正方
法及び装置に関し、特に、３次元的な歪みや平面内で回
転した図形を記録した２値画像に対し、３次元的な歪み
や平面内の回転を補正して元の図形の画像を復元する２
値画像補正技術に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】３次元的な歪みや平面内で回転した図形
を記録した２値画像に対し、３次元的な歪みや平面内の
回転を補正して元の図形の画像を復元する、従来の２値
画像補正装置は、図８に示すように、補正前２値画像デ
ータを入力して保持する入力画像バッファ１０と、この
入力画像バッファ１０からの補正前２値画像データの黒
画素と白画素を識別する黒画素／白画素識別手２０段
と、識別された黒画素もしくは白画素の位置を座標変換
する座標変換手段３０と、この座標変換値の画素データ
間に画素データ補間を行う画素補間手段４０と、座標変
換手段３０及び画素補間手段４０のいずれの出力画像を
も入力して保持する出力画像バッファ５０とを備えてい
る。

【０００３】前記従来の２値画像補正装置は、図９に示
すように、補正対象である２値画像（例：図１０参照）
に対し、個々の画素について黒画素と白画素の識別を行
い（Ｓ９０１，Ｓ９０２，Ｓ９０３）、黒画素の場合に
はその座標に対して補正のための座標変換を行い、変換
後の座標に該当する出力画像バッファ５０上の画素を黒
画素にする（Ｓ９０４）。その結果例を図１１に示す。
そして、黒画素の間に生じた白画素について、近傍に黒
画素を指定個数以上持つ白画素を黒画素に変更するとい
う処理を行うことで補間する（Ｓ９０５，Ｓ９０６）。
その結果例を図１２に示す。

【０００４】

【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前記従
来法では、３次元的な歪みの補正と平面内の回転の補正
に用いる座標変換では、いずれも三角関数を多用し、一
般に大きな計算時間を要するという問題があった（1997
年電子情報通信学会全国大会情報・システムソサイエテ
ィ大会 P250、表題「撮像斜影歪みを利用した文字平面
の単眼視姿勢推定」参照）。

【０００５】また、補正対象である２値画像における全
ての黒画素について補正のための座標変換を行うため、
処理時間が大きいという問題点があった。

【０００６】本発明の目的は、３次元的な歪みや平面内
で回転した図形を記録した２値画像に対し、３次元的な
歪みや平面内の回転を補正して元の図形の画像を復元す
る補正を高速に行うことが可能な技術を提供することに
ある。本発明の前記ならびにその他の目的及び新規な特
徴は、本明細書の記述及び添付図面によって明らかにす
る。

【０００７】

【課題を決決するための手段】本願において開示される
発明のうち、代表的なものの概要を簡単に説明すれば、
以下のとおりである。 （１）３次元的な歪みや平面内で回転した図形を記録し
た２値画像に対し、３次元的な歪みや平面内の回転を補
正して元の図形の画像を復元する２値画像補正方法であ
って、前記２値画像を横方向の線分もしくは縦方向の線
分の集合と捉え、線分の左右もしくは上下の端点の位置
の座標変換の計算を行い、該端点の座標変換値を用いて
線分を形成し、該形成された線分の画素間に画素補間を
行う。

【０００８】（２）３次元的な歪みや平面内で回転した
図形を記録した２値画像に対し、３次元的な歪みや平面
内の回転を補正して元の図形の画像を復元する２値画像
補正装置であって、補正前２値画像データを入力して保
持する入力画像バッファと、該入力画像バッファからの
補正前２値画像データの横方向の線分もしくは縦方向の
線分を抽出する線分抽出手段と、抽出された横方向の線
分もしくは縦方向の線分の端点の座標変換を行う線分端
点座標変換手段と、前記端点の座標変換値を用いて線分
を形成する線分形成手段と、該線分形成手段で形成され
た線分の画素間に画素補間を行う画素補間手段と、前記
線分端点座標変換手段、線分形成手段、及び画素補間手
段のいずれの出力画像をも入力して保持する出力画像バ
ッファとを有する。

【０００９】すなわち、本発明は、補正対象である２値
画像における全ての黒画素について補正のための座標変
換を行うのではなく、まず２値画像を構成する全ての横
方向の線分の集合を抽出し、各々の線分の端点だけにつ
いて座標変換を行う。そして、それらの変換後の左右の
端点を結ぶ線分を出力画像バッファ（補正後の画像を記
録するメモリエリア）上で描くことで変換後の図形を得
る。変換後の線分間に隙間が生じることで黒画素の間に
白画素が生じるが、これに対しては従来法と同じよう
に、近傍に黒画素を指定個数以上持つ白画素を黒画素に
変更するという処理を行うことで補間する。

【００１０】

【発明の実施の形態】以下、図面を参照して、本発明の
実施形態（実施例）を詳細に説明する。図１は本発明の
実施形態（実施例）の２値画像補正装置の概略構成を示
すブロック構成図であり、図２は図１の２値画像補正装
置を用いた２値画像補正方法の処理手順を示すフローチ
ャートである。

【００１１】本実施形態の２値画像補正装置は、図１に
示すように、補正前２値画像データを入力して保持する
入力画像バッファ１と、この入力画像バッファ１からの
補正前２値画像データの横方向の線分もしくは縦方向の
線分を抽出する線分抽出手段２と、抽出された横方向の
線分もしくは縦方向の線分の端点の座標変換を行う線分
端点座標変換手段３と、この端点の座標変換値を用いて
線分を形成する線分形成手段４と、この線分形成手段で
形成された線分の画素間に画素補間を行う画素補間手段
５と、前記線分端点座標変換手段３、線分形成手段４、
及び画素補間手段５のいずれの出力画像をも入力して保
持する出力画像バッファ６とを有する。

【００１２】以下に、図１の２値画像補正装置を用いた
２値画像補正方法を図２を用いて説明する。補正前２値
画像データは入力画像バッファ１に入力されて保持され
ている。この入力画像バッファ１から補正前２値画像デ
ータが線分抽出手段２に入力される。該線分抽出手段２
において、前記入力画像バッファ１からの補正前２値画
像データの黒画素から構成される横方向もしくは縦方向
の線分を全て抽出する（Ｓ２０１）。この抽出された全
ての線分データは、線分端点座標変換手段３に入力され
る。

【００１３】該線分端点座標変換手段３において、前記
抽出された全ての線分データについて左端と右端を検出
する（Ｓ２０２）。この検出された左端と右端について
座標変換を行う。線分端点座標変換手段３の出力画像デ
ータは、線分形成手段４と出力画像バッファ６に入力さ
れる。線分形成手段４において、前記座標変換値によ
り、補正後画像における新たな線分の左端と右端の座標
の集合を作成し、出力画像バッファの該当する画素を黒
画素にする（Ｓ２０３）。

【００１４】出力画像バッファ６において、前記全ての
新たな線分の左端と右端の対について、両者に挟まれる
線分に該当する画素を黒画素にする（Ｓ２０４）。ま
た、近傍に黒画素を指定個数以上持つ全ての白画素を黒
画素にする（Ｓ２０５）。

【００１５】図３は処理対象の２値画像の例を示す図で
ある。これに対し、横方向の線分を全て抽出し、各線分
の左右の端点を画像的に表したのが図４である。図４で
は、対応する左右の端点を１〜８の同じ番号で表してい
る。

【００１６】図５は図４に示した各線分の左右の端点に
対して補正のための座標変換を行い、結果を出力画像バ
ッファ上に書き込んだ例を示す図である。元の端点の番
号Ｘに対し、補正後の対応する端点は番号Ｎ’で表して
いる。

【００１７】図６は図５に示した変換後の線分の左右の
端点に挟まれた線分に該当する画素を黒画素にした結果
を示す図である。それに対し、黒画素を周囲に指定個数
以上持つ白画素を黒画素に変更する補間を行った結果が
図７である。

【００１８】前記補間は具体的には、着目する白画素に
対して、上、下、左、右、左上、左下、右上、右下、の
８個の画素を調べ、その中で指定個数（本実施形態では
２個）以上が黒画素であれば着目する白画素を黒画素に
変更することで行う。

【００１９】本発明の２値画像補正方法は、その処理手
順をコンピュータの実行プログラムで作成し、コンピュ
ータによって実現することもできる。

【００２０】以上、本発明を、前記実施例に基づき具体
的に説明したが、本発明は、前記実施例に限定されるも
のではなく、その要旨を逸脱しない範囲において種々変
更可能であることは勿論である。

【００２１】

【発明の効果】本願において開示される発明のうち代表
的なものによって得られる効果を簡単に説明すれば、以
下のとおりである。本発明によれば、補正のための座標
変換を、補正対象である２値画像における一部の黒画素
に対してのみ適用するため、処理の高速化が実現でき
る。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の実施形態（実施例）の２値画像補正装
置の概略構成を示すブロック構成図である。

【図２】図１の２値画像補正装置を用いた２値画像補正
方法の処理手順を示すフローチャートである。

【図３】本実施形態の処理対象の２値画像の例を示す図
である。

【図４】本実施形態の横方向の線分を全て抽出し、各線
分の左右の端点を画像的に表した図である。

【図５】図４に示した各線分の左右の端点に対して補正
のための座標変換を行い、結果を出力画像バッファ上に
書き込んだ例を示す図である。

【図６】図５に示した変換後の線分の左右の端点に挟ま
れた線分に該当する画素を黒画素にした結果を示す図で
ある。

【図７】本実施形態の黒画素を周囲に指定個数以上持つ
白画素を黒画素に変更する補間を行った結果を示す図で
ある。

【図８】従来の２値画像補正装置の概略構成を示す図で
ある。

【図９】図８の２値画像補正装置を用いた２値画像補正
方法の処理手順を示すフローチャートである。

【図１０】従来の処理対象の２値画像の例を示す図であ
る。

【図１１】従来の処理による変換後の座標に該当する出
力画像バッファ上の画素を黒画素にした結果例を示す図
である。

【図１２】従来の処理による黒画素の間に生じた白画素
について、近傍に黒画素を指定個数以上持つ白画素を黒
画素に変更した結果例を示す図である。

【符号の説明】

１…入力画像バッファ１、２…線分抽出手段、３…線分
端点座標変換手段、４…線分形成手段、５…画素補間手
段、６…出力画像バッファ、１０…入力画像バッファ、
２０…黒画素／白画素識別手段、３０…座標変換手段、
４０…画素補間手段、５０…出力画像バッファ。

Claims (2)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 ３次元的な歪みや平面内で回転した図形
   を記録した２値画像に対し、３次元的な歪みや平面内の
   回転を補正して元の図形の画像を復元する２値画像補正
   方法であって、前記２値画像を横方向の線分もしくは縦
   方向の線分の集合と捉え、線分の左右もしくは上下の端
   点の位置の座標変換の計算を行い、該端点の座標変換値
   を用いて線分を形成し、該形成された線分の画素間に画
   素補間を行うことを特徴とする２値画像の補正方法。
2. 【請求項２】 ３次元的な歪みや平面内で回転した図形
   を記録した２値画像に対し、３次元的な歪みや平面内の
   回転を補正して元の図形の画像を復元する２値画像補正
   装置であって、補正前２値画像データを入力して保持す
   る入力画像バッファと、該入力画像バッファからの補正
   前２値画像データの横方向の線分もしくは縦方向の線分
   を抽出する線分抽出手段と、抽出された横方向の線分も
   しくは縦方向の線分の端点の座標変換を行う線分端点座
   標変換手段と、前記端点の座標変換値を用いて線分を形
   成する線分形成手段と、該線分形成手段で形成された線
   分の画素間に画素補間を行う画素補間手段と、前記線分
   端点座標変換手段、線分形成手段、及び画素補間手段の
   いずれの出力画像をも入力して保持する出力画像バッフ
   ァとを有することを特徴とする２値画像の補正装置。