JPH11304410A - アンカー緩み検出用センサとその取付構造 - Google Patents

アンカー緩み検出用センサとその取付構造

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JPH11304410A
JPH11304410A JP11196498A JP11196498A JPH11304410A JP H11304410 A JPH11304410 A JP H11304410A JP 11196498 A JP11196498 A JP 11196498A JP 11196498 A JP11196498 A JP 11196498A JP H11304410 A JPH11304410 A JP H11304410A
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sensor
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giant magnetostrictive
fixing
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JP11196498A
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Hiroshi Osawa
廣 大澤
Shigeru Yoneyama
米山  茂
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NIHON SAMICON KK
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 アンカーの緩みを検出する。 【解決手段】 張出し床版1を地山に定着するアンカー
5に用いられ、このアンカー5の緩みを超磁歪センサ8
により検出する。アンカー5の緩みを検出できるから、
アンカー定着構造における信頼性の向上を図ることがで
きる。また、超磁歪センサ8を用いるから、従来のセン
サに比べて高い精度でアンカー5の微小な緩みも検出す
ることができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、部材を被定着物に
定着するアンカーの緩みを検出するセンサに関する。
【0002】
【発明が解決しようとする課題】部材を被定着物に定着
するアンカーには、PCケーブルや鋼棒等の各種のもの
が知られており、緊張力を付与して部材を定着するもの
もある。例えば、特開平7ー33645号公報の落石雪
崩等防護構造では、被定着物たる山の壁部の地中深く固
設されたアースアンカー又はロックアンカーからなるP
C鋼材製のアンカーを用い、定着具たるアンカーヘッド
により緊結一体にして部材たる主桁にプレストレスを導
入したり、アンカーを主桁の大梁部に貫通させてアンカ
ーヘッドにより緊結(公報第4欄第10〜18行)すること
が記載されている。また、特公平4−67530号公報
のコンクリートブロック敷設工法では、被定着物たる法
面に、部材たるコンクリートブロックを敷設する際に、
貫通孔にアンカーを打ち込みプレキャストコンクリート
を固定(公報第4欄第2〜4行及び第3図)することが
記載されている。また、特許第2525548号公報に
は、被定着物たる基礎に、部材たるガードフェンスを固
定する際に、取付用パイプにケミカルアンカー等のアン
カーボルトを挿通し、このアンカーボルトの下部を基礎
に固定(公報第7欄第3〜5行)することが記載されて
いる。さらにまた、この主のアンカーは、水中において
も用いられ、例えば部材を海底に定着するために使用さ
れている。
【0003】ところで、このようにアンカーは各種の部
材の定着に用いられているが、従来、施工後にアンカー
の定着状態を確認することはできず、また、仮に確認し
ようとしても、目視でしか点検を行うことができず、ま
た、一般にアンカーは複数用いられることが多いため、
アンカーの状態を確認する場合、安価な方法が望まれ
る。
【0004】そこで、本発明は、緩みを検出することが
できるアンカー緩み検出用センサを提供することを目的
とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】請求項1の発明は、部材
を被定着物に定着するアンカーに用いられ、前記アンカ
ーの緩みを検出するものである。
【0006】この請求項1に構成によれば、センサがア
ンカーの緩みを検出するため、部材が変位する前に、ア
ンカーの緩みを検出することができ、アンカー定着構造
における信頼性の向上を図ることができる。
【0007】また、請求項2の発明は、前記アンカーが
緊張力を付与して定着されるものである。
【0008】この請求項2の構成によれば、アンカーの
わずかな緩みを予め検出することにより、アンカーに再
度緊張力を付与して定着することができる。
【0009】さらに、請求項3の発明は、前記センサが
前記アンカーの長さ方向の変位を検出する超磁歪センサ
である。
【0010】この請求項3の構成によれば、従来のセン
サに比べて高い精度でアンカーの微小な緩みを検出する
ことができる。
【0011】
【発明の実施態様】以下、本発明の実施例を添付図面を
参照して説明する。図1ないし図5は本発明の第1実施
例を示し、同図において、山Yに沿う既設の道路Mの長
さ方向に複数の張出し床版1を並べ、この張出し床版1
は、道路Mの谷T側に設けた谷側支持工2により中央側
が支持され、この谷側支持工2は、杭3の上部にコンク
リート製の基礎4を設けてなる。さらに、張出し床版1
の山Y側は、アンカー5により被定着物たる地山6に定
着され、該アンカー5の基端側はコンクリート5A等に
より地山6に固定されている。
【0012】前記アンカー5はPC鋼材などからなり、
このアンカー5の基端側を地山6に固定し、先端側をジ
ャッキ等により引っ張って緊張力を付与した状態で、定
着具7により緊結している。前記アンカー5の先端5S
には、該アンカー5の緩みを検出する超磁歪センサ8が
設けられており、この超磁歪センサ8は、アンカー5の
長さ方向の変位を検出することにより、該アンカー5の
緩みを検出する。
【0013】前記超磁歪センサ8は、図3に示すよう
に、ケーシング9内に円筒形の超磁歪部材10を配置し、
この超磁歪部材10の基端をケーシング9側に位置固定す
ると共に、先端に検出ロッド11を設け、この検出ロッド
11は鍔部11Aを有し、この鍔部11Aの先端側に皿ばね12
を配置し、該皿ばね12により超磁歪部材10に予め収縮方
向の荷重を付与している。また、前記超磁歪部材10の周
囲には電界コイル13が設けられ、この電界コイル13の端
部が電流端子14に接続され、さらに、その電界コイル13
の周囲には永久磁石15が配置されている。尚、図中15A
は前記永久磁石15に接続された磁性材料からなるヨーク
である。前記超磁歪部材10は、超磁歪材料からなり、こ
の超磁歪材料は、希土類元素と鉄との合金(金属間化合
物)などであり、その代表的な組成は、希土類元素Rと
鉄Feの元素比が1:2(RFe)であり、例えば、T
bFe2 ,DyFe2 ,SmFe2 ,HoFe2 ,Er
Fe 2 などがあり、好適なTb0.3 Dy0.7 Fe2 の組
成では磁歪率(歪み量/元の長さ)が最大で1500〜
2000ppm 以上となる。また、図5に超磁歪材料と磁
歪材料とを比較する磁界強さと磁歪のグラフを示す。
尚、希土類元素とは、周期律表で、Lanthanum
からLutetiumまでのランタニド(Lamtha
nide)系元素群であり、15の希土類元素があげら
れる。
【0014】前記電流端子14には、表示手段たる表示器
16が電気的に接続され、この表示器16は前記電界コイル
13に発生する電流によりアンカー5の緩み量を検出し、
この緩み量を指針17により表示するアナログ式の緩み量
表示部18と、緩み量が規定の値以上になると点灯表示す
る警報表示部19とを備える。
【0015】図2は定着具7廻りの断面図を示し、前記
張出し床版1の上面に凹部21を形成し、この凹部21に
は、前記アンカー5を挿通するアンカー孔22を穿設し、
凹部21に受部材23を設け、この受部材23はテーパ受面23
Aを有し、このテーパ受面23Aに雄コーン24が圧着し、
この雄コーン24には前記アンカー5の先端が挿通されて
いると共に、長さ方向のスリット24Aが複数形成されて
いる。従って、常法によりアンカー5の先端を引っ張
り、緊張力を付与し、雄コーン24がテーパ受面23Aに圧
入されると、雄コーン24の内面がアンカー5の外周に圧
接し、該アンカー5が定着される。そして、この例で
は、前記受部材23と雄コーン24により定着具7を構成し
ている。また、前記定着具7を保護キャップ25により覆
い、この保護キャップ25に取付部材26により前記超磁歪
センサ8を固定している。また、この保護キャップ25
は、前記凹部21あるいは前記受部材23などに固定されて
おり、これにより張出し床版1側に位置固定されてい
る。さらに、前記超磁歪センサ8の検出ロッド11を前記
アンカー5の先端5Sに接続して、前記アンカー5の緩
みを検出できるようにしている。尚、図中27は、張出し
床版1の上面に施した舗装層である。
【0016】次に前記構成につき、その作用を説明する
と、張出し床版1が輪荷重などの影響を長期間受け、ア
ンカー5の基端側の微小な移動あるいはアンカー5の微
小な伸び等により、アンカー5が緩むと、アンカー5の
先端5Sが移動し、この移動分だけ検出ロッド11が押さ
れ、超磁歪部材10が圧縮されて歪み、この際、前記移動
分に対応した電流が磁界コイル13に発生する。この移動
分に対応した電流の値により、表示器16がアンカー5の
緩み量を表示すると共に、緩み量が所定以上となると、
警報表示がなされる。さらに、詳細には、コンクリート
5Aとの付着強度が低下等により、アンカー5が方向L
への変位を起こすと、その変位量に対応して指針17が時
計廻りに角度回動してアンカー5の緩みが検出され、一
方、定着具7が緩むと、予め付与された緊張力によりア
ンカー5の先端側が方向Sに変位し、指針17が反時計廻
り方向に角度回動する。
【0017】このように本実施例では、請求項1に対応
して、部材たる張出し床版1を被定着物たる地山6に定
着するアンカー5に用いられ、アンカー5の緩みを検出
するセンサたる超磁歪センサ8であるから、張出し床版
1が傾くなどする前に、アンカー5の緩みを検出でき、
アンカー定着構造における信頼性の向上を図ることがで
きる。
【0018】また、このように本実施例では、請求項2
に対応して、アンカー5が緊張力を付与して定着される
ものであるから、アンカー5のわずかな緩みを予め検出
することにより、アンカー5に再度緊張力を付与して定
着するなど補修作業を行うことができ、アンカー定着構
造における維持管理の信頼性向上を図ることができる。
【0019】さらに、このように本実施例では、請求項
3に対応して、センサがアンカー5の長さ方向の変位を
検出する超磁歪センサ8であるから、従来のセンサに比
べて高い精度でアンカー5の微小な緩みも検出すること
ができ、また、超磁歪材料の変形により発生する電流に
より、アンカー5の変位を検出するものであるから、セ
ンサ側に常時通電する必要がなく、省電力でアンカー5
の変位を検出することができる。また、超磁歪材料は、
従来の圧電材料に比べて、発生する電流が著しく大き
く、さらに、圧電材料では、圧電材料自体に電極を接続
する必要があるのに対して、超磁歪材料に、電気的に非
接触で、アンカー5の緩みを検出できるから、信頼性の
高いセンサが得られる。
【0020】また、実施例上の効果として、超磁歪セン
サ8を保護キャップ25の内部に固定するようにしたか
ら、超磁歪センサ8の取付け作業が容易なり、かつ保護
することができる。さらに、実施例上の効果として、ア
ンカー5の先端5S側の両方向L,Sの変位を検出する
ようにしたから、アンカー5の定着状態を確実に検出す
ることができる。
【0021】図6は本発明の第2実施例を示し、上記実
施例と同一部分に同一符号を付し、その詳細な説明を省
略して詳述すると、この例では、山Yの法面31に法面保
護用のコンクリートブロック32を敷設し、このコンクリ
ートブロック32をアンカー5により定着しており、この
アンカー5に前記超磁歪センサ8が設けられている。
【0022】このように本実施例では、請求項1に対応
して、部材たるコンクリートブロック32を被定着物たる
法面31に定着するアンカー5に用いられ、アンカー5の
緩みを検出する超磁歪センサ8であるから、コンクリー
トブロック31を定着するアンカー5に緩みが生じたら、
これを超磁歪センサ8により検出し、表示器16により表
示することができ、請求項1〜3に対応して、上記第1
実施例と同様な作用,効果を有する。また、この例で
は、法面31を保護するブロック32を定着するアンカー5
の緩みを検出するものであり、法面31が変化した場合も
アンカー5に緩みが生じるから、これによりアンカー5
の基端側の変化だけでなく、法面31の変化を知ることが
できる。
【0023】図7は本発明の第3実施例を示し、上記各
実施例と同一部分に同一符号を付し、その詳細な説明を
省略して詳述すると、同図は、落石雪崩保護構造物であ
るコンクリート製のシェッドに適用した例を示し、複数
の部材たる主桁41を道である道路M又は軌道長手方向に
向う横締用PC鋼材42により一体に緊結して山Yに沿う
屋根43を形成し、その主桁41は、道路M又は軌道幅方向
に向うPC鋼材(図示せず)によりプレテンション方式
で緊張力が付与されており、前記屋根43の道路M又は軌
道方向の両側を支持体である被定着物である柱44および
壁体上に載置し、その長さ方向両側をアンカー5により
それぞれ柱44と壁体に結合しており、この例のアンカー
5には、アスファルト又はタールなどが被覆されたアン
ポンドPC鋼材が用いられている。
【0024】前記柱44には、前記アンカー5が埋設さ
れ、このアンカー5の基端側にプレート状の定着部45が
設けられている。また、アンカー5の先端5Sを前記主
桁41の上面に突出し、この先端5Sをプレート46とナッ
ト47とからなる定着具48により定着している。尚、この
場合もアンカー5を引張って定着を行い、これにより柱
44に緊張力を付与している。
【0025】また、上記実施例と同様に定着具48を前記
保護キャップ25により覆い、この保護キャップ25をプレ
ート47あるいは主桁41に固定している。そして、前記屋
根43の上面に発泡スチロールブロック49を複数段に敷設
し、これにより落石等の衝撃力を緩衝する衝撃力緩衝構
造を設けており、前記発泡スチロールブロック49には、
前記キャップ25を収納する凹所49Aを形成している。
【0026】このように本実施例においては、部材たる
主桁41を被定着物たる柱44に定着するアンカー5に用い
られ、アンカー5の緩みを検出する超磁歪センサ8であ
るから、アンカー5が緩むと、これを超磁歪センサ8が
検出し、表示器16により表示することができ、請求項1
〜3に対応して、上記第1実施例と同様な作用,効果を
有する。
【0027】図8は本発明の第4実施例を示し、上記各
実施例と同一部分に同一符号を付し、その詳細な説明を
省略して詳述すると、この例では、コンクリート製の基
礎51にコンクリート部材52をアンカー5により定着する
例であり、前記コンクリート部材52にはアンカー5を挿
通するアンカー孔22が穿設されており、また、前記アン
カー5に緊張力を付与することなく定着してもよい。さ
らに、前記コンクリート部材52の幅方向の側面には、前
記アンカー孔22に連通する凹部53を形成している。ま
た、超磁歪センサ8を凹所53内に固定し、該超磁歪セン
サ8の検出ロッドと前記アンカー5とを接続部材54によ
り接続している。また、前記凹部53の開口には、蓋体55
が着脱可能に取付けられ、この蓋体55には、前記電流端
子14と前記表示器16とを電気的に接続するコード14Aを
挿通する孔56が形成されている。
【0028】そして、アンカー5により基礎51にコンク
リート部材52を定着した後、超磁歪センサ8の検出ロッ
ド11とアンカー5とを接続部材54により接続し、蓋体55
により凹部53を塞ぐ。また、この例でも、接続部材54を
検出ロッド11に連結しており、アンカー5の長さ両方向
L,Sの変位を検出できるようにしている。
【0029】このように本実施例においては、部材たる
コンクリート部材52を被定着物たる基礎51に定着するア
ンカー5に用いられ、アンカー5の先端5S側の緩みを
検出する超磁歪センサ8であるから、アンカー5が緩む
と、これを超磁歪センサ8が検出し、表示器16により表
示することができ、請求項1〜3に対応して、上記第1
実施例と同様な作用,効果を有し、また、この例では、
コンクリート部材52にアンカー5の先端側が露出する凹
部53を形成し、この凹部53にて超磁歪センサ8とアンカ
ー5とを接続したから、定着具48より基端側に超磁歪セ
ンサ8を配置することができ、部材52の上部に出っ張り
が少なくなると共に、上部に荷重が加わる場合等に超磁
歪センサ8を安定して作動することができる。さらに、
アンカー5の長さ両方向L,Sの変位を検出することが
できるから、アンカー5の状態を確実に検出できる。
【0030】尚、本発明は前記実施例に限定されるもの
ではなく、本発明の要旨の範囲内において種々の変形実
施が可能である。例えば、請求項1では、緩みを検出で
きるセンサであれば、各種のセンサを用いることができ
る。また、実施例においては、気中雰囲気における使用
を説明したが、海底等に部材を固定するアンカーにも適
用可能であり、この場合はセンサを防水可能したり、水
密なケースに収納して使用するようにすればよい。ま
た、アンカーには、PCケーブル、鋼棒、鉄筋等各種の
ものに適用可能であり、かつその材質も適宜選定可能で
ある。さらに、定着具は各種のものを用いることができ
る。また、センサをアンカーの先端に接続する場合も検
出ロッドとアンカーとの間に別部材を配置し、アンカー
の緩みを検出するようにしてもよい。
【0031】
【発明の効果】請求項1の発明は、部材を被定着物に定
着するアンカーに用いられ、前記アンカーの緩みを検出
するものであり、緩みを検出することができるアンカー
緩み検出用センサを提供することができる。
【0032】また、請求項2の発明は、前記アンカーが
緊張力を付与して定着されるものであり、緩みを検出す
ることができるアンカー緩み検出用センサを提供するこ
とができる。
【0033】さらに、請求項3の発明は、前記センサが
前記アンカーの長さ方向の変位を検出する超磁歪センサ
であり、緩みを検出することができるアンカー緩み検出
用センサを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施例を示す使用状態の断面図で
ある。
【図2】本発明の第1実施例を示すアンカー先端側の断
面図である。
【図3】本発明の第1実施例を示すセンサの断面図であ
る。
【図4】本発明の第1実施例を示す表示器の正面図であ
る。
【図5】本発明の第1実施例を示す磁界の強さと磁歪の
関係を示すグラフである。
【図6】本発明の第2実施例を示す使用状態の断面図で
ある。
【図7】本発明の第3実施例を示す使用状態の断面図で
ある。
【図8】本発明の第4実施例を示す使用状態の断面図で
ある。
【符号の説明】
1 張出し床版(部材) 5 アンカー 5A 先端 6 地山(被定着物) 8 超磁歪センサ 31 法面(被定着物) 32 コンクリートブロック(部材) 41 主桁(部材) 44 柱(被定着物) 51 基礎 52 コンクリート部材(部材)
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成11年4月2日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正内容】
【書類名】 明細書
【発明の名称】 アンカー緩み検出用センサとその取付
構造
【特許請求の範囲】
【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、部材を被定着物に
定着するアンカーの緩みを検出するセンサとその取付構
に関する。
【0002】
【発明が解決しようとする課題】部材を被定着物に定着
するアンカーには、PCケーブルや鋼棒等の各種のもの
が知られており、緊張力を付与して部材を定着するもの
もある。例えば、特開平7−33645号公報の落石雪
崩等防護構造では、被定着物たる山の壁部の地中深く固
設されたアースアンカー又はロックアンカーからなるP
C鋼材製のアンカーを用い、定着具たるアンカーヘッド
により緊結一体にして部材たる主桁にプレストレスを導
入したり、アンカーを主桁の大梁部に貫通させてアンカ
ーヘッドにより緊結(公報第4欄第10〜18行)すること
が記載されている。また、特公平4−67530号公報
のコンクリートブロック敷設工法では、被定着物たる法
面に、部材たるコンクリートブロックを敷設する際に、
貫通孔にアンカーを打ち込みプレキャストコンクリート
を固定(公報第4欄第2〜4行及び第3図)することが
記載されている。また、特許第2525548号公報に
は、被定着物たる基礎に、部材たるガードフェンスを固
定する際に、取付用パイプにケミカルアンカー等のアン
カーボルトを挿通し、このアンカーボルトの下部を基礎
に固定(公報第7欄第3〜5行)することが記載されて
いる。さらにまた、こののアンカーは、水中において
も用いられ、例えば部材を海底に定着するために使用さ
れている。
【0003】ところで、このようにアンカーは各種の部
材の定着に用いられているが、従来、施工後にアンカー
の定着状態を確認することはできず、また、仮に確認し
ようとしても、目視でしか点検を行うことができず、ま
た、一般にアンカーは複数用いられることが多いため、
アンカーの状態を確認する場合、安価な方法が望まれ
る。
【0004】そこで、本発明は、緩みを検出することが
でき、アンカー定着構造における信頼性の向上を図るこ
とができるアンカー緩み検出用センサとその取付構造
提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】請求項1の発明は、部材
を被定着物に緊張力を付与して定着するアンカーに用い
られ、前記アンカーの長さ方向の変位を検出する超磁歪
センサであって、超磁歪部材の先端に、前記アンカーに
接続する検出ロッドを設けたものである。
【0006】この請求項1に構成によれば、センサがア
ンカーの緩みを検出するため、部材が変位する前に、ア
ンカーの緩みを検出することができ、アンカー定着構造
における信頼性の向上を図ることができる。また、従
のセンサに比べて高い精度でアンカーの微小な緩みを検
出することができ、アンカーのわずかな緩みを予め検出
することにより、アンカーに再度緊張力を付与して定着
することができる
【0007】また、請求項2の発明は、請求項1記載の
アンカー緩み検出用センサの取付構造であって、前記部
材が山に沿う道路に設けられる張出し床版であり、前記
張出し床版の上面に凹部を形成し、この凹部に前記アン
カーを挿通するアンカー孔を穿設し、前記アンカーの先
端を定着具により定着し、前記定着具を保護キャップに
より覆うと共に、この保護キャップ内に前記超磁歪セン
サを固定し、前記張出し床版上面に舗装層に施したもの
である。
【0008】この請求項2の構成によれば、超磁歪セン
サを保護キャップの内部に固定するようにしたから、超
磁歪センサの取付け作業が容易なり、かつ保護すること
ができる。さらに、検出ロッドに接続することにより、
アンカーの先端側の両方向の変位を検出するようにした
から、アンカーの定着状態を確実に検出することができ
る。
【0009】また、請求項3の発明は、請求項1記載の
アンカー緩み検出用センサの取付構造であって、前記部
材が屋根を形成する主桁であり、前記アンカーの先端を
前記主桁の上面に突出し、この突出した先端を定着具に
より定着し、前記定着具を保護キャップにより覆うと共
に、この保護キャップ内に前記超磁歪センサを固定し、
前記主桁の上面に発泡スチロールブロックを敷設すると
共に、この発泡スチロールブロックには、前記保護キャ
ップを収納する凹部を形成したものある。
【0010】この請求項3の構成によれば、超磁歪セン
サを保護キャップの内部に固定するようにしたから、超
磁歪センサの取付け作業が容易なり、かつ保護すること
ができる。さらに、検出ロッドに接続することにより、
アンカーの先端側の両方向の変位を検出するようにした
から、アンカーの定着状態を確実に検出することができ
る。
【0011】また、請求項4の発明は、請求項1記載の
アンカー緩み検出用センサの取付構造であって、前記部
材がコンクリート部材であり、前記コンクリート部材に
前記アンカーを挿通するアンカー孔を穿設し、前記アン
カーの先端を定着具により定着し、前記コンクリート部
材の側面に前記アンカー孔に連通する凹部を形成し、こ
の凹部内に前記超磁歪センサを固定すると共に、前記検
出ロッドと前記アンカーの前記定着具より基端側とを接
続部材により接続したものある。
【0012】この請求項4の構成によれば、定着具より
基端側に超磁歪センサを配置することができ、部材の上
部に出っ張りが少なくなると共に、上部に荷重が加わる
場合等に超磁歪センサを安定して作動することができ
る。
【0013】
【発明の実施態様】以下、本発明の実施例を添付図面を
参照して説明する。図1ないし図5は本発明の第1実施
例を示し、同図において、山Yに沿う既設の道路Mの長
さ方向に複数の張出し床版1を並べ、この張出し床版1
は、道路Mの谷T側に設けた谷側支持工2により中央側
が支持され、この谷側支持工2は、杭3の上部にコンク
リート製の基礎4を設けてなる。さらに、張出し床版1
の山Y側は、アンカー5により被定着物たる地山6に定
着され、該アンカー5の基端側はコンクリート5A等に
より地山6に固定されている。
【0014】前記アンカー5はPC鋼材などからなり、
このアンカー5の基端側を地山6に固定し、先端側をジ
ャッキ等により引っ張って緊張力を付与した状態で、定
着具7により緊結している。前記アンカー5の先端5S
には、該アンカー5の緩みを検出する超磁歪センサ8が
設けられており、この超磁歪センサ8は、アンカー5の
長さ方向の変位を検出することにより、該アンカー5の
緩みを検出する。
【0015】前記超磁歪センサ8は、図3に示すよう
に、ケーシング9内に円筒形の超磁歪部材10を配置し、
この超磁歪部材10の基端をケーシング9側に位置固定す
ると共に、先端に検出ロッド11を設け、この検出ロッド
11は鍔部11Aを有し、この鍔部11Aの先端側に皿ばね12
を配置し、該皿ばね12により超磁歪部材10に予め収縮方
向の荷重を付与している。また、前記超磁歪部材10の周
囲には電界コイル13が設けられ、この電界コイル13の端
部が電流端子14に接続され、さらに、その電界コイル13
の周囲には永久磁石15が配置されている。尚、図中15A
は前記永久磁石15に接続された磁性材料からなるヨーク
である。前記超磁歪部材10は、超磁歪材料からなり、こ
の超磁歪材料は、希土類元素と鉄との合金(金属間化合
物)などであり、その代表的な組成は、希土類元素Rと
鉄Feの元素比が1:2(RFe)であり、例えば、T
bFe2 ,DyFe2 ,SmFe2 ,HoFe2 ,Er
Fe 2 などがあり、好適なTb0.3 Dy0.7 Fe2 の組
成では磁歪率(歪み量/元の長さ)が最大で1500〜
2000ppm以上となる。また、図5に超磁歪材料と磁
歪材料とを比較する磁界強さと磁歪のグラフを示す。
尚、希土類元素とは、周期 律表で、Lanthanu
mからLutetiumまでのランタニド(Lamth
anide)系元素群であり、15の希土類元素があげ
られる。
【0016】前記電流端子14には、表示手段たる表示器
16が電気的に接続され、この表示器16は前記電界コイル
13に発生する電流によりアンカー5の緩み量を検出し、
この緩み量を指針17により表示するアナログ式の緩み量
表示部18と、緩み量が規定の値以上になると点灯表示す
る警報表示部19とを備える。
【0017】図2は定着具7廻りの断面図を示し、前記
張出し床版1の上面に凹部21を形成し、この凹部21に
は、前記アンカー5を挿通するアンカー孔22を穿設し、
凹部21に受部材23を設け、この受部材23はテーパ受面23
Aを有し、このテーパ受面23Aに雄コーン24が圧着し、
この雄コーン24には前記アンカー5の先端5Sが挿通さ
れていると共に、長さ方向のスリット24Aが複数形成さ
れている。従って、常法によりアンカー5の先端を引っ
張り、緊張力を付与し、雄コーン24がテーパ受面23Aに
圧入されると、雄コーン24の内面がアンカー5の外周に
圧接し、該アンカー5が定着される。そして、この例で
は、前記受部材23と雄コーン24により定着具7を構成し
ている。また、前記定着具7を保護キャップ25により覆
い、この保護キャップ25に取付部材26により前記超磁歪
センサ8を固定している。また、この保護キャップ25
は、前記凹部21あるいは前記受部材23などに固定されて
おり、これにより張出し床版1側に位置固定されてい
る。さらに、前記超磁歪センサ8の検出ロッド11を前記
アンカー5の先端5Sに接続して、前記アンカー5の緩
みを検出できるようにしている。尚、図中27は、張出し
床版1の上面に施した舗装層である。
【0018】次に前記構成につき、その作用を説明する
と、張出し床版1が輪荷重などの影響を長期間受け、ア
ンカー5の基端側の微小な移動あるいはアンカー5の微
小な伸び等により、アンカー5が緩むと、アンカー5の
先端5Sが移動し、この移動分だけ検出ロッド11が押さ
れ、超磁歪部材10が圧縮されて歪み、この際、前記移動
分に対応した電流が磁界コイル13に発生する。この移動
分に対応した電流の値により、表示器16がアンカー5の
緩み量を表示すると共に、緩み量が所定以上となると、
警報表示がなされる。さらに、詳細には、コンクリート
5Aとの付着強度低下等により、アンカー5が方向L
への変位を起こすと、その変位量に対応して指針17が時
計廻り方向に角度回動してアンカー5の緩みが検出さ
れ、一方、定着具7が緩むと、予め付与された緊張力に
よりアンカー5の先端側が方向Sに変位し、指針17が反
時計廻り方向に角度回動する。
【0019】このように本実施例では、請求項1に対応
して、部材たる張出し床版1を被定着物たる地山6に
張力を付与して定着するアンカー5に用いられ、アンカ
ー5の長さ方向の変位を検出する超磁歪センサ8であっ
て、超磁歪部材10の先端に、アンカー5に接続する検出
ロッド11を設けたものであるから、張出し床版1が傾く
などする前に、アンカー5の緩みを検出でき、アンカー
定着構造における信頼性の向上を図ることができる。ま
た、アンカー5が緊張力を付与して定着されるものであ
るから、アンカー5のわずかな緩みを予め検出すること
により、アンカー5に再度緊張力を付与して定着するな
ど補修作業を行うことができ、アンカー定着構造におけ
る維持管理の信頼性向上を図ることができる。さらに
ンサがアンカー5の長さ方向の変位を検出する超磁歪
センサ8であるから、従来のセンサに比べて高い精度で
アンカー5の微小な緩みも検出することができ、また、
超磁歪材料の変形により発生する電流により、アンカー
5の変位を検出するものであるから、センサ側に常時通
電する必要がなく、省電力でアンカー5の変位を検出す
ることができる。また、超磁歪材料は、従来の圧電材料
に比べて、発生する電流が著しく大きく、さらに、圧電
材料では、圧電材料自体に電極を接続する必要があるの
に対して、超磁歪材料に、電気的に非接触で、アンカー
5の緩みを検出できるから、信頼性の高いセンサが得ら
れる。
【0020】また、このように本実施例では、請求項2
に対応して、請求項1記載のアンカー緩み検出用センサ
の取付構造であって、部材が山Yに沿う道路Mに設けら
れる張出し床版1であり、張出し床版1の上面に凹部21
を形成し、この凹部21にアンカー5を挿通するアンカー
孔22を穿設し、アンカー5の先端5Sを定着具7により
定着し、定着具7を保護キャップ25により覆うと共に、
この保護キャップ25内に超磁歪センサ8を固定し、張出
し床版1上面に舗装層27に施したものであるから、超磁
歪センサ8を保護キャップ25の内部に固定するようにし
たから、超磁歪センサ8の取付け作業が容易なり、かつ
保護することができる。さらに、アンカー5の先端5S
側の両方向L,Sの変位を検出するようにしたから、ア
ンカー5の定着状態を確実に検出することができる。
【0021】図6は本発明の第2実施例を示し、上記実
施例と同一部分に同一符号を付し、その詳細な説明を省
略して詳述すると、この例では、山Yの法面31に法面保
護用のコンクリートブロック32を敷設し、このコンクリ
ートブロック32をアンカー5により定着しており、この
アンカー5に前記超磁歪センサ8が設けられている。
【0022】このように本実施例では、請求項1に対応
して、部材たるコンクリートブロック32を被定着物たる
法面31に定着するアンカー5に用いられ、アンカー5の
緩みを検出する超磁歪センサ8であるから、コンクリー
トブロック31を定着するアンカー5に緩みが生じたら、
これを超磁歪センサ8により検出し、表示器16により表
示することができ、請求項1に対応して、上記第1実施
例と同様な作用,効果を有する。また、この例では、法
面31を保護するブロック32を定着するアンカー5の緩み
を検出するものであり、法面31が変化した場合もアンカ
ー5に緩みが生じるから、これによりアンカー5の基端
側の変化だけでなく、法面31の変化を知ることができ
る。
【0023】図7は本発明の第3実施例を示し、上記各
実施例と同一部分に同一符号を付し、その詳細な説明を
省略して詳述すると、同図は、落石雪崩保護構造物であ
るコンクリート製のシェッドに適用した例を示し、複数
の部材たる主桁41を道である道路M又は軌道長手方向に
向う横締用PC鋼材42により一体に緊結して山Yに沿う
屋根43を形成し、その主桁41は、道路M又は軌道幅方向
に向うPC鋼材(図示せず)によりプレテンション方式
で緊張力が付与されており、前記屋根43の道路M又は軌
道方向の両側を支持体である被定着物である柱44および
壁体上に載置し、その長さ方向両側をアンカー5により
それぞれ柱44と壁体に結合しており、この例のアンカー
5には、アスファルト又はタールなどが被覆されたアン
ポンドPC鋼材が用いられている。
【0024】前記柱44には、前記アンカー5が埋設さ
れ、このアンカー5の基端側にプレート状の定着部45が
設けられている。また、アンカー5の先端5Sを前記主
桁41の上面に突出し、この先端5Sをプレート46とナッ
ト47とからなる定着具48により定着している。尚、この
場合もアンカー5を引張って定着を行い、これにより柱
44に緊張力を付与している。
【0025】また、上記実施例と同様に定着具48を前記
保護キャップ25により覆い、この保護キャップ25をプレ
ート47あるいは主桁41に固定している。そして、前記屋
根43の上面に発泡スチロールブロック49を複数段に敷設
し、これにより落石等の衝撃力を緩衝する衝撃力緩衝構
造を設けており、前記発泡スチロールブロック49には、
前記キャップ25を収納する凹所49Aを形成している。
【0026】このように本実施例においては、部材たる
主桁41を被定着物たる柱44に定着するアンカー5に用い
られ、アンカー5の緩みを検出する超磁歪センサ8であ
るから、アンカー5が緩むと、これを超磁歪センサ8が
検出し、表示器16により表示することができ、請求項
対応して、上記第1実施例と同様な作用,効果を有す
る。また、この例では、請求項3に対応して、請求項1
記載のアンカー緩み検出用センサの取付構造であって、
部材が屋根43を形成する主桁41であり、アンカー5の先
端5Sを主桁41の上面に突出し、この突出した先端5S
を定着具48により定着し、定着具48を保護キャップ25に
より覆うと共に、この保護キャップ25内に超磁歪センサ
8を固定し、主桁41の上面に発泡スチロールブロック49
を敷設すると共に、この発泡スチロールブロック49に
は、保護キャップ25を収納する凹部49Aを形成したもの
であり、上記第1実施例と同様な作用,効果を奏し、ま
た、保護キャップ48が凹所49A内に収納される。
【0027】図8は本発明の第4実施例を示し、上記各
実施例と同一部分に同一符号を付し、その詳細な説明を
省略して詳述すると、この例では、コンクリート製の基
礎51にコンクリート部材52をアンカー5により定着する
例であり、前記コンクリート部材52にはアンカー5を挿
通するアンカー孔22が穿設されている。さらに、前記コ
ンクリート部材52の幅方向の側面には、前記アンカー孔
22に連通する凹部53を形成している。また、超磁歪セン
サ8を凹53内に固定し、該超磁歪センサ8の検出ロッ
11と前記アンカー5とを接続部材54により接続してい
る。また、前記凹部53の開口には、蓋体55が着脱可能に
取付けられ、この蓋体55には、前記電流端子14と前記表
示器16とを電気的に接続するコード14Aを挿通する孔56
が形成されている。
【0028】そして、アンカー5により基礎51にコンク
リート部材52を定着した後、超磁歪センサ8の検出ロッ
ド11とアンカー5とを接続部材54により接続し、蓋体55
により凹部53を塞ぐ。また、この例でも、接続部材54を
検出ロッド11に連結しており、アンカー5の長さ両方向
L,Sの変位を検出できるようにしている。
【0029】このように本実施例においては、部材たる
コンクリート部材52を被定着物たる基礎51に定着するア
ンカー5に用いられ、アンカー5の先端5S側の緩みを
検出する超磁歪センサ8であるから、アンカー5が緩む
と、これを超磁歪センサ8が検出し、表示器16により表
示することができ、請求項1に対応して、上記第1実施
例と同様な作用,効果を有し、また、この例では、請求
項4に対応して、請求項1記載のアンカー緩み検出用セ
ンサの取付構造であって、部材がコンクリート部材52で
あり、コンクリート部材52にアンカー5を挿通するアン
カー孔22を穿設し、アンカー5の先端を定着具48により
定着し、コンクリート部材52の側面にアンカー孔22に連
通する凹部53を形成し、この凹部53内に超磁歪センサ8
を固定すると共に、検出ロッド11とアンカー5の定着具
48より基端側とを接続部材54により接続したものであ
り、コンクリート部材52にアンカー5の先端側が露出す
る凹部53を形成し、この凹部53にて超磁歪センサ8とア
ンカー5とを接続したから、定着具48より基端側に超磁
歪センサ8を配置することができ、部材52の上部に出っ
張りが少なくなると共に、上部に荷重が加わる場合等に
超磁歪センサ8を安定して作動することができる。さら
に、アンカー5の長さ両方向L,Sの変位を検出するこ
とができるから、アンカー5の状態を確実に検出でき
る。
【0030】尚、本発明は前記実施例に限定されるもの
ではなく、本発明の要旨の範囲内において種々の変形実
施が可能である。例えば、実施例においては、気中雰囲
気における使用を説明したが、海底等に部材を固定する
アンカーにも適用可能であり、この場合はセンサを防水
可能したり、水密なケースに収納して使用するように
すればよい。また、アンカーには、PCケーブル、鋼
棒、鉄筋等各種のものに適用可能であり、かつその材質
も適宜選定可能である。さらに、定着具は各種のものを
用いることができる。また、センサをアンカーの先端に
接続する場合も検出ロッドとアンカーとの間に別部材を
配置し、アンカーの緩みを検出するようにしてもよい。
【0031】
【発明の効果】請求項1の発明は、部材を被定着物に
張力を付与して定着するアンカーに用いられ、前記アン
カーの長さ方向の変位を検出する超磁歪センサであっ
て、超磁歪部材の先端に、前記アンカーに接続する検出
ロッドを設けたものであり、緩みを検出することがで
、アンカー定着構造における信頼性の向上を図ること
ができるアンカー緩み検出用センサを提供することがで
きる。
【0032】また、請求項2の発明は、請求項1記載の
アンカー緩み検出用センサの取付構造であって、前記部
材が山に沿う道路に設けられる張出し床版であり、前記
張出し床版の上面に凹部を形成し、この凹部に前記アン
カーを挿通するアンカー孔を穿設し、前記アンカーの先
端を定着具により定着し、前記定着具を保護キャップに
より覆うと共に、この保護キャップ内に前記超磁歪セン
サを固定し、前記張出し床版上面に舗装層に施したもの
であり、緩みを検出することができ、アンカー定着構造
における信頼性の向上を図ることができるアンカー緩み
検出用センサの取付構造を提供することができる。
【0033】また、請求項3の発明は、請求項1記載の
アンカー緩み検出用センサの取付構造であって、前記部
材が屋根を形成する主桁であり、前記アンカーの先端を
前記主桁の上面に突出し、この突出した先端を定着具に
より定着し、前記定着具を保護キャップにより覆うと共
に、この保護キャップ内に前記超磁歪センサを固定し、
前記主桁の上面に発泡スチロールブロックを敷設すると
共に、この発泡スチロールブロックには、前記保護キャ
ップを収納する凹部を形成したものであり、緩みを検出
することができ、アンカー定着構造における信頼性の向
上を図ることができるアンカー緩み検出用センサの取付
構造を提供することができる。
【0034】また、請求項4の発明は、請求項1記載の
アンカー緩み検出用センサの取付構造であって、前記部
材がコンクリート部材であり、前記コンクリート部材に
前記アンカーを挿通するアンカー孔を穿設し、前記アン
カーの先端を定着具により定着し、前記コンクリート部
材の側面に前記アンカー孔に連通する凹部を形成し、こ
の凹部内に前記超磁歪センサを固定すると共に、前記検
出ロッドと前記アンカーの前記定着具より基端側とを接
続部材により接続したものであり、緩みを検出すること
ができ、アンカー定着構造における信頼性の向上を図る
ことができるアンカー緩み検出用センサの取付構造を提
供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施例を示す使用状態の断面図で
ある。
【図2】本発明の第1実施例を示すアンカー先端側の断
面図である。
【図3】本発明の第1実施例を示すセンサの断面図であ
る。
【図4】本発明の第1実施例を示す表示器の正面図であ
る。
【図5】本発明の第1実施例を示す磁界の強さと磁歪の
関係を示すグラフである。
【図6】本発明の第2実施例を示す使用状態の断面図で
ある。
【図7】本発明の第3実施例を示す使用状態の断面図で
ある。
【図】本発明の第4実施例を示す使用状態の断面図で
ある。
【符号の説明】 1 張出し床版(部材) 5 アンカー 5 先端 6 地山(被定着物) 8 超磁歪センサ10 超磁歪部材 11 検出ロッド 21 凹部 22 アンカー孔 25 保護キャップ 27 舗装層 31 法面(被定着物) 32 コンクリートブロック(部材) 41 主桁(部材)43 屋根 44 柱(被定着物)48 定着具 49 発泡スチロールブロック 49A 凹所 51 基礎 52 コンクリート部材(部材)54 接続部材 Y 山 M 道路

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 部材を被定着物に定着するアンカーに用
    いられ、前記アンカーの緩みを検出することを特徴とす
    るアンカー緩み検出用センサ。
  2. 【請求項2】 前記アンカーが緊張力を付与して定着さ
    れるものであることを特徴とする請求項1記載のアンカ
    ー緩み検出用センサ。
  3. 【請求項3】 前記センサが前記アンカーの長さ方向の
    変位を検出する超磁歪センサであることを特徴とする請
    求項1又は2記載のアンカー緩み検出用センサ。
JP11196498A 1998-04-22 1998-04-22 アンカー緩み検出用センサとその取付構造 Pending JPH11304410A (ja)

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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2002221457A (ja) * 2001-01-26 2002-08-09 Toa Grout Kogyo Co Ltd 光ファイバセンサを用いたアンカー材軸力計測方法および装置
JP2009156023A (ja) * 2007-12-26 2009-07-16 General Electric Co <Ge> 基礎内の引張応力の磁気ひずみ測定
CN111911778A (zh) * 2020-08-19 2020-11-10 方晓霞 一种具有自我保护功能的摄影支架

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