JPH11303691A - 希薄燃焼内燃機関の蒸発燃料処理装置 - Google Patents

希薄燃焼内燃機関の蒸発燃料処理装置

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JPH11303691A
JPH11303691A JP10108180A JP10818098A JPH11303691A JP H11303691 A JPH11303691 A JP H11303691A JP 10108180 A JP10108180 A JP 10108180A JP 10818098 A JP10818098 A JP 10818098A JP H11303691 A JPH11303691 A JP H11303691A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 本発明は、筒内噴射式の内燃機関のような希
薄燃焼内燃機関において、内燃機関の燃焼状態を安定さ
せつつ、蒸発燃料のパージ量を最大限まで増加させるこ
とを課題とする。 【解決手段】 本発明にかかる蒸発燃料処理装置は、パ
ージ実行時の内燃機関の燃焼状態が安定していれば、パ
ージ通路の流量を増加させ、もしくはパージ通路の上流
と下流との圧力差を大きくすることによりパージ量を増
加させ、パージ実行時の内燃機関の燃焼状態が不安定な
らば、パージ通路の流量を減少させ、もしくはパージ通
路の上流と下流との圧力差を小さくすることによりパー
ジ量を減少させて燃焼状態の安定化を図るパージ制御手
段を備え、燃焼状態が不安定とならない範囲内で最大限
のパージ量を確保することを特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、自動車等に搭載さ
れる内燃機関の蒸発燃料処理装置に関し、特に希薄燃焼
内燃機関の蒸発燃料処理装置に関する。
【0002】
【従来の技術】自動車等に搭載される内燃機関では、燃
料消費量の低減を図るべく、理論空燃比より高い空燃比
(酸素過剰状態)の混合気を燃焼可能な希薄燃焼内燃機
関の開発が進められている。このような希薄燃焼内燃機
関としては、その噴孔が燃焼室内に臨むよう燃料噴射弁
が取り付けられた筒内噴射式の内燃機関が知られてい
る。
【0003】筒内噴射式内燃機関は、低負荷運転領域で
は、吸気行程において燃焼室内に新気を導入し、続く圧
縮行程において燃料噴射弁から燃料を噴射し、点火栓の
近傍のみに可燃な混合気を形成する。つまり、燃焼室内
の混合気は、点火栓近傍が可燃混合気層となり、それ以
外の領域が空気層となる、いわゆる成層化状態となる。
成層化された混合気は、点火栓近傍の可燃混合気層を着
火源として燃焼される。
【0004】また、筒内噴射式内燃機関は、中負荷運転
領域では、吸気行程において燃焼室内に新気を導入する
と同時に、燃料噴射弁から燃料を噴射する。その際、燃
料噴射弁から噴射される燃料量は、燃料の量に対する新
気の量が理論空燃比より高くなる量である。この場合、
燃焼室内の略全域にわたって、燃料と新気とが均質に混
ざり合ったリーン混合気が形成される。
【0005】続いて、筒内噴射式内燃機関は、高負荷運
転領域では、吸気行程において燃焼室内に新気を導入す
ると同時に、燃料噴射弁から燃料を噴射する。その際、
燃料噴射弁から噴射される燃料量は、燃料の量に対する
新気の量が略理論空燃比となる量である。この場合、燃
焼室内の全域にわたって、燃料と新気とが均質に混ざり
合ったストイキ混合気が形成される。
【0006】このように筒内噴射式内燃機関は、低中負
荷運転領域において希薄燃焼を実現することができるの
で、燃料消費量を大幅に軽減することができる。
【0007】一方、内燃機関には、燃料タンク等で発生
した蒸発燃料を処理する蒸発燃料処理装置が併設されて
いる。この蒸発燃料処理装置は、燃料タンクで発生した
蒸発燃料を一旦貯留するチャコールキャニスタと、チャ
コールキャニスタ内に大気を導入する大気導入通路と、
スロットル弁下流の吸気通路内で発生する吸気管負圧を
チャコールキャニスタ内へ導入する負圧導入通路と、負
圧導入通路内の流量を調節する流量制御弁とから構成さ
れる。
【0008】このように構成された蒸発燃料処理装置で
は、流量制御弁が閉弁されているときに、燃料タンク内
で発生した蒸発燃料がチャコールキャニスタに内装され
る活性炭等の吸着剤に吸着される。そして、流量制御弁
が開弁されると、吸気通路内で発生する吸気管負圧が負
圧導入通路を介してチャコールキャニスタに印加され、
大気導入通路からチャコールキャニスタ内に大気が吸い
込まれ、次いでチャコールキャニスタ内に吸い込まれた
大気が負圧導入通路を介して吸気通路内に吸い込まれ
る。つまり、チャコールキャニスタを貫流する大気の流
れが発生する。上記した大気の貫流により吸着剤に吸着
されていた蒸発燃料が脱離され、大気とともに吸気通路
へ導かれる。吸気通路へ導かれた蒸発燃料及び大気は、
吸気通路上流からの新気と混ざり合いながら内燃機関の
燃焼室へ導入され、燃料噴射弁から噴射される燃料とと
もに燃焼及び処理される。
【0009】このような蒸発燃料処理装置を筒内噴射式
内燃機関に適用する場合、筒内噴射式内燃機関が成層燃
焼運転状態にあると、蒸発燃料と吸気とが混じり合いな
がら燃焼室内に供給されるため、燃焼室内が成層化状態
とならず、燃焼が不安定になる虞がある。
【0010】このような問題に対し、特開平4−194
354号公報に記載された筒内噴射式内燃機関が知られ
ている。この筒内噴射式内燃機関は、機関負荷が予め定
められた認定負荷より大きいときのみ蒸発燃料を吸気通
路に供給する。つまり、内燃機関が均質燃焼運転状態に
あるときのみ蒸発燃料を吸気通路に供給し、燃焼を不安
定にすることなく蒸発燃料を処理しようとするものであ
る。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】ところで、筒内噴射式
の内燃機関では、吸気のポンピング作用による駆動損失
を低減すべく極低負荷運転時を除く大部分の運転領域に
おいてスロットル弁が実質的に全開状態となるため、ス
ロットル弁下流の吸気管において吸気管負圧が発生し難
くなる。このため、チャコールキャニスタを貫流する大
気の流れが形成され難くく、チャコールキャニスタ内の
蒸発燃料を吸気系に大量に導入させることが困難とな
る。
【0012】一方、筒内噴射式の内燃機関において吸気
管負圧を増大させるべくスロットル弁を閉じ側に制御し
た場合、吸気管負圧の負圧度合いが高まり、キャニスタ
を貫流する大気の流量が増加するが、これにより内燃機
関に供給される蒸発燃料量が急激に増加するため、内燃
機関の燃焼状態が不安定になる虞がある。
【0013】本発明は、上記したような問題点に鑑みて
なされたものであり、筒内噴射式の内燃機関のように大
部分の運転領域でスロット弁が実質的に全開状態となる
内燃機関において、内燃機関の燃焼状態を安定させつ
つ、蒸発燃料のパージ量を増加させることができる技術
を提供することを目的とする。
【0014】
【課題を解決するための手段】本発明は、上記した課題
を解決するために以下のような手段を採用した。
【0015】すなわち、本発明にかかる内燃機関の蒸発
燃料処理装置は、酸素過剰状態の混合気を燃焼可能な希
薄燃焼内燃機関と、前記希薄燃焼内燃機関に併設される
燃料タンク内で発生した蒸発燃料を前記希薄燃焼内燃機
関の吸気通路へ導くパージ通路と、前記パージ通路の流
量を調節する流量制御弁と、蒸発燃料のパージ実行時に
前記希薄燃焼内燃機関の燃焼状態が安定しているか否か
を判別する燃焼状態判定手段と、前記パージ通路の上流
と下流との圧力差を変更する差圧変更手段と、蒸発燃料
のパージ実行時に、前記希薄燃焼内燃機関の燃焼状態に
応じて少なくとも前記差圧変更手段を制御して前記パー
ジ通路から前記吸気通路へ導入される蒸発燃料量を調節
するパージ制御手段と、を備えることを特徴とする。
【0016】このように構成された蒸発燃料処理装置で
は、流量制御弁が開弁されると、燃料タンク内で発生し
た蒸発燃料がパージ通路を介して吸気通路へ導入され
る、いわゆる蒸発燃料のパージが行われる。その際、パ
ージ制御手段は、燃焼状態判定手段により判定される燃
焼状態に応じて少なくとも差圧変更手段を制御して、パ
ージ通路から吸気通路へ導入される蒸発燃料量を調節す
る。
【0017】この場合、パージ通路から吸気通路へ導入
される蒸発燃料量は、希薄燃焼内燃機関の燃焼状態が不
安定とならないよう調節され、その結果、希薄燃焼内燃
機関の燃焼状態が不安定とならない範囲内で蒸発燃料の
パージ量が増加されることになる。
【0018】蒸発燃料のパージ量を調節する際、パージ
制御手段は、例えば、燃焼状態が安定している限り、パ
ージ通路の上流と下流との圧力差を大きくすべく差圧変
更手段を制御して、パージ通路から吸気通路へ導入され
る蒸発燃料量を増加させるようにしてもよい。
【0019】そして、パージ制御手段は、燃焼状態判定
手段により希薄燃焼内燃機関の燃焼状態が不安定である
ことが判定されると、パージ通路の上流と下流との圧力
差を小さくすべく差圧変更手段を制御してパージ通路か
ら吸気通路へ導入される蒸発燃料量を減少させるように
してもよい。
【0020】この場合、蒸発燃料のパージ量は、希薄燃
焼内燃機関の燃焼状態が安定している限り増加され続け
ることになる。そして、希薄燃焼内燃機関の燃焼状態が
不安定になった際には、パージ量が減少され、希薄燃焼
内燃機関の燃焼状態の安定化が図られる。この結果、蒸
発燃料のパージ量は、希薄燃焼内燃機関の燃焼状態が不
安定とならない範囲で最大の量となり、希薄燃焼内燃機
関の燃焼状態の安定化と蒸発燃料のパージ量の確保とが
両立される。
【0021】さらに、希薄燃焼内燃機関の燃焼状態が不
安定とならない範囲内でより多くの蒸発燃料をパージす
るためには、パージ量の限界領域近傍においてパージ量
を微調節することが望ましい。
【0022】そこで、パージ制御手段は、蒸発燃料のパ
ージ実行時に燃焼状態判定手段により燃焼状態が不安定
であると判定されると、その時点におけるパージ通路の
上流と下流との圧力差を維持すべく差圧変更手段を制御
するとともに、流量制御弁の開度を閉方向に所定量補正
するようにしてもよい。
【0023】そして、パージ制御手段は、流量制御弁の
開度を閉方向に所定量補正した後に燃焼状態判定手段に
より燃焼状態が安定していると判定されると、前記流量
制御弁の開度を前記所定量未満の補正量で開方向に補正
するようにしてもよい。
【0024】一方、パージ制御手段は、流量制御弁の開
度を閉方向に所定量補正した後に燃焼状態判定手段によ
り燃焼状態が不安定であると判定されると、パージ通路
の上流と下流との圧力差を減少させるべく差圧変更手段
を制御するようにしてもよい。
【0025】また、パージ制御手段は、蒸発燃料のパー
ジ実行時に燃焼状態判定手段により燃焼状態が不安定で
あると判定されると、その時点における開度を維持する
よう流量制御弁を制御しつつ、パージ通路の上流と下流
との圧力差を減少させるべく差圧変更手段を制御するよ
うにしてもよい。
【0026】そして、パージ制御手段は、パージ通路の
上流と下流との圧力差を減少させた後に燃焼状態判定手
段により燃焼状態が安定していると判定されると、流量
制御弁の開度を開方向に所定量補正するようにしてもよ
い。
【0027】一方、パージ制御手段は、パージ通路の上
流と下流との圧力差を減少させた後に燃焼状態判定手段
により燃焼状態が不安定であると判定されると、パージ
通路の上流と下流との圧力差を更に減少させるべく差圧
変更手段を制御するようにしてもよい。
【0028】要は、パージ制御手段は、差圧変更手段を
制御することによりパージ通路から吸気通路へ導入され
る蒸発燃料量の大まかな調節を行うとともに、流量制御
弁を制御することによりパージ通路から吸気通路へ導入
される蒸発燃料量の微調節を行うことが好ましい。
【0029】また、差圧変更手段としては、通常の運転
領域では実質的に全開状態となる第1の開度を維持し、
パージ実行時は第1の開度より閉じた第2の開度となる
よう制御されるスロットル弁や、パージ通路の上流から
下流へ向けて所望圧力の大気を送出する正圧ポンプ等を
例示することができる。
【0030】また、パージ制御手段は、内燃機関の運転
状態が変更されると、パージ通路の上流と下流との圧力
差を通常の圧力差に戻すべく差圧変更手段を制御するよ
うにしてもよい。これは、パージ実行中に内燃機関が非
アイドル状態からアイドル状態に移行した場合や、均質
燃焼状態から成層燃焼状態に移行した場合、あるいはパ
ージすべき蒸発燃料量が減少した場合等に、パージ通路
の上流と下流との圧力差を通常の圧力差に戻すことで、
燃焼状態の安定化を図ることができるとともに、吸気の
ポンピング作用による駆動損失を抑制することができる
という発明者の知見に基づく。
【0031】
【発明の実施の形態】以下、本発明にかかる内燃機関の
蒸発燃料処理装置の実施の形態について図面に基づいて
説明する。
【0032】〈実施の形態1〉図1は、本発明にかかる
希薄燃焼内燃機関の蒸発燃料処理装置を適用する内燃機
関の概略構成図である。図1に示す内燃機関1は、複数
の気筒2を備えるとともに、各気筒2内に直接燃料を噴
射する燃料噴射弁9を具備する4サイクルの筒内噴射式
内燃機関である。
【0033】前記内燃機関1は、複数の気筒2及び冷却
水路1cが形成されたシリンダブロック1bと、このシ
リンダブロック1bの上部に固定されたシリンダヘッド
1aとを備える。
【0034】前記シリンダブロック1bには、機関出力
軸であるクランクシャフト4が回転自在に支持され、こ
のクランクシャフト4は、各気筒2内に摺動自在に装填
されたピストン3と連結される。
【0035】前記ピストン3の上方には、前記ピストン
3の頂面と前記シリンダヘッド1aとに囲まれた燃焼室
5が形成される。そして、前記シリンダヘッド1aに
は、前記燃焼室5に臨むよう点下栓6が取り付けられ、
この点下栓6には、点下栓6に駆動電流を印加するため
のイグナイタ6aが接続される。
【0036】続いて、前記シリンダヘッド1aには、2
つの吸気ポート7と2つの排気ポート8の開口端が前記
燃焼室5に臨むよう形成されるとともに、その噴孔が前
記燃焼室5に臨むよう燃料噴射弁9が取り付けられる。
【0037】前記吸排気ポート7、8の各開口端は、前
記シリンダヘッド1aに進退自在に支持された吸気弁7
0及び排気弁80により開閉され、これら吸排気弁7
0、80は、前記シリンダヘッド1aに回転自在に支持
されるインテーク側カムシャフト11及びエキゾースト
側カムシャフト12により進退駆動される。
【0038】前記インテーク側カムシャフト11及び前
記エキゾースト側カムシャフト12は、図示しないタイ
ミングベルトを介してクランクシャフト4と連結され、
クランクシャフト4の回転力が前記タイミングベルトを
介して前記インテーク側カムシャフト11及び前記エキ
ゾースト側カムシャフト12へ伝達される。
【0039】各気筒2に連通する2つの吸気ポート7の
うちの一方の吸気ポート7は、シリンダヘッド1a外壁
に形成された開口端から燃焼室5に臨む開口端へ向かっ
て直線状に形成された流路を有するストレートポートで
構成され、他方の吸気ポート7は、シリンダヘッド1a
外壁の開口端から燃焼室5の開口端へ向かって旋回する
よう形成された流路を有するヘリカルポートで構成され
る。
【0040】前記各吸気ポート7は、前記シリンダヘッ
ド1aに取り付けられる吸気枝管16の各枝管と連通す
る。2つの吸気ポート7のうちのストレートポートと連
通する枝管には、その枝管内の流量を調節するスワール
コントロールバルブ10が設けられる。前記スワールコ
ントロールバルブ10には、ステップモータ等からな
り、印加電流に応じて前記スワールコントロールバルブ
10を開閉駆動するアクチュエータ10aが取り付けら
れる。
【0041】前記吸気枝管16は、サージタンク17に
接続され、このサージタンク17は、吸気管18を介し
てエアクリーナボックス19と接続される。前記サージ
タンク17には、サージタンク17内の圧力に対応した
電気信号を出力するバキュームセンサ20が取り付けら
れる。
【0042】前記吸気管18には、前記吸気管18内の
流量を調節するスロットル弁21が取り付けられる。こ
のスロットル弁21には、ステップモータ等からなり、
印加電流に応じて前記スロットル弁21を開閉駆動する
アクチュエータ22が取り付けられる。
【0043】前記スロットル弁21には、スロットル弁
21の開度に対応した電気信号を出力するスロットルポ
ジションセンサ23が取り付けられるとともに、アクセ
ルペダル24に連動して回転するアクセルレバー(図示
せず)が併設される。
【0044】前記アクセルレバーには、アクセルレバー
の回転位置(アクセルペダル24の踏み込み量)に対応
した電気信号を出力するアクセルポジションセンサ25
が取り付けられる。
【0045】前記スロットル弁21より上流の吸気管1
8には、吸気管18内を流れる新気の質量(吸入空気質
量)に対応した電気信号を出力するエアフローメータ2
6が取り付けられる。
【0046】一方、各排気ポート8は、前記シリンダヘ
ッド1aに取り付けられる排気枝管27の各枝管と連通
し、この排気枝管27は、第1の触媒28を介して排気
管29に接続される。前記排気管29は、下流にて図示
しないマフラと接続される。前記排気枝管27には、排
気枝管27内を流れる排気ガスの空燃比に対応した電気
信号を出力する第1空燃比センサ30が取り付けられ
る。
【0047】前記排気管29の途中には、第2の触媒3
1が設けられ、この第2の触媒31より下流の排気管2
9には、前記第2の触媒31から流出した排気ガスの空
燃比に対応した電気信号を出力する第2空燃比センサ3
2が取り付けられる。
【0048】前記第1の触媒28は、前記第2の触媒3
1より容量の小さい三元触媒であり、前記第2の触媒3
1は、三元触媒や窒素酸化物吸蔵還元型触媒等である。
【0049】次に、内燃機関1には、燃料タンク33
と、この燃料タンク33内で発生した蒸発燃料を一旦貯
留するチャコールキャニスタ34とが併設される。前記
燃料タンク33と前記チャコールキャニスタ34とは、
蒸発燃料通路35を介して接続され、この蒸発燃料通路
35の途中には、燃料タンク33内の圧力に応じて蒸発
燃料通路35内の流路を開閉するタンク内圧制御弁36
が取り付けられる。
【0050】前記タンク内圧制御弁36は、正圧弁と負
圧弁とを組み合わせて構成され、前記正圧弁は、蒸発燃
料の増加により燃料タンク33内の圧力が高くなると開
弁し、前記負圧弁は、燃料の減少により燃料タンク33
内の圧力が低くなると開弁する。 前記チャコールキャ
ニスタ34には、大気導入通路37が接続され、この大
気導入通路37は、前記エアフローメータ26と前記ス
ロットル弁21との間に位置する吸気管18に接続され
る。
【0051】さらに、前記チャコールキャニスタ34に
は、負圧導入通路38が接続され、この負圧導入通路3
8は、前記スロットル弁21下流の吸気管18に接続さ
れる。前記負圧導入通路38の途中には、負圧導入通路
38内の流量を調節する流量制御弁としての電磁弁39
が取り付けられる。
【0052】前記チャコールキャニスタ34を介して連
通する大気導入通路37及び負圧導入通路38は、本発
明にかかるパージ通路を実現する(以下、チャコールキ
ャニスタ34、大気導入通路37、及び負圧導入通路3
8を総称してパージ通路49と記す)。
【0053】また、内燃機関1には、機関制御用の電子
制御ユニット(Electronic ControlUnit:ECU)40
が併設されており、このECU40には、バキュームセ
ンサ20、スロットルポジションセンサ23、アクセル
ポジションセンサ25、エアフローメータ26、第1空
燃比センサ30、及び第2空燃比センサ32に加え、ク
ランクシャフト4の端部に取り付けられたタイミングロ
ータ13aとこのタイミングロータ13a近傍のシリン
ダブロック1bに取り付けられた電磁ピックアップ13
bとからなるクランクポジションセンサ13や、シリン
ダブロック1bの冷却水路1c内を流れる冷却水の温度
を検出すべくシリンダブロック1bに取り付けられた水
温センサ14等の各種センサが電気配線を介して接続さ
れる。
【0054】さらに、ECU40には、イグナイタ6
a、燃料噴射弁9、アクチュエータ10a、アクチュエ
ータ22、電磁弁39等が電気配線を介して接続され
る。
【0055】ECU40は、前記各種センサからの出力
信号をパラメータとして内燃機関1の運転状態、チャコ
ールキャニスタ34の蒸発燃料吸着状態等を判定し、そ
の判定結果に応じて、イグナイタ6a、燃料噴射弁9、
アクチュエータ10a、アクチュエータ22、及び電磁
弁39等の各種制御を行う。
【0056】ここで、ECU40は、図2に示すよう
に、双方向性バス41により相互に接続された、CPU
42とROM43とRAM44とバックアップRAM4
5と入力ポート46と出力ポート47とを備えるととも
に、前記入力ポート46に接続されたA/Dコンバータ
(A/D)48を備える。
【0057】前記入力ポート46は、クランクポジショ
ンセンサ13とスロットルポジションセンサ23とアク
セルポジションセンサ25とから出力される信号を入力
し、それらの出力信号をCPU42あるいはRAM44
へ送信する。さらに、前記入力ポート46は、水温セン
サ14とバキュームセンサ20とエアフローメータ26
と第1及び第2空燃比センサ30及び32とから出力さ
れる信号をA/D48を介して入力し、それらの出力信
号をCPU42あるいはRAM44へ送信する。
【0058】前記出力ポート47は、前記CPU42か
ら出力される制御信号をイグナイタ6a、燃料噴射弁
9、アクチュエータ10a、アクチュエータ21、ある
いは電磁弁39等へ出力する。
【0059】前記ROM43は、燃料噴射量を決定する
ための燃料噴射量制御ルーチン、燃料噴射時期を決定す
るための燃料噴射時期制御ルーチン、点火時期を決定す
るための点火時期制御ルーチン、あるいは蒸発燃料のパ
ージを実行するためのパージ実行制御ルーチン等のアプ
リケーションプログラムや、各種の制御マップ等を記憶
する。
【0060】前記制御マップは、例えば、内燃機関1の
運転状態と燃料噴射量との関係を示す燃料噴射量制御マ
ップ、内燃機関1の運転状態と燃料噴射時期との関係を
示す燃料噴射時期制御マップ、内燃機関1の運転状態と
点火時期との関係を示す点火時期制御マップ、燃焼変動
の状態を判定するための第1の基準値(許容範囲内の上
限値)と内燃機関1の機関回転数との関係を示す第1の
基準値制御マップと、燃焼変動の状態を判定するための
第2の基準値と内燃機関1の機関回転数との関係を示す
第2の基準値制御マップ等である。
【0061】前記RAM44は、各センサの出力信号や
CPU42の演算結果等を記憶する。前記演算結果は、
例えば、クランクポジションセンサ13の出力信号より
算出される機関回転数等である。そして、各センサの出
力信号やCPU42の演算結果等は、クランクポジショ
ンセンサ13が信号を出力する度に最新のデータに書き
換えられる。
【0062】続いて、前記RAM44には、内燃機関1
の燃焼状態が不安定なときにセットされ(“1”が記憶
され)、内燃機関1の燃焼状態が安定しているときにリ
セットされる(“0”が記憶される)、燃焼状態識別フ
ラグ(FDLN)を記憶する領域が設定される。
【0063】さらに、前記RAM44には、アイドル判
定フラグ(FIDL)記憶領域及びパージアイドル判定
フラグ(FPIDL)記憶領域が設定される。これらア
イドル判定フラグ(FIDL)記憶領域とパージアイド
ル判定フラグ(FPIDL)記憶領域は、内燃機関1が
アイドル状態のときにセットされ(“1”が記憶さ
れ)、内燃機関1が非アイドル状態のときにリセットさ
れる(“0”が記憶される)。
【0064】前記バックアップRAM45は、内燃機関
1停止後もデータを保持する不揮発性のメモリである。
【0065】前記CPU42は、前記ROM43に記憶
されたアプリケーションプログラムに従って動作し、各
センサの出力信号より内燃機関1の運転状態を判定し、
判定された運転状態と各制御マップとから燃料噴射量、
燃料噴射時期、点火時期、電磁弁39の開閉時期、電磁
弁39の開度(デューティ比)等を算出する。そして、
CPU42は、算出結果に基づいてイグナイタ6a、燃
料噴射弁9、アクチュエータ10a、アクチュエータ2
1、あるいは電磁弁39に対する制御信号を出力する。
【0066】例えば、CPU42は、各種センサの出力
信号より内燃機関1の運転状態が低負荷運転領域にある
と判定した場合は、成層燃焼を実現すべく、アクチュエ
ータ10aへ制御信号を送信してスワールコントロール
バルブ10の開度を小さくし、アクチュエータ22へ制
御信号を送信してスロットル弁21を実質的に全開状態
とし、さらに各気筒2の圧縮行程時に燃料噴射弁9に駆
動電流を印加して圧縮行程噴射を行う。この場合、各気
筒2の燃焼室5内には、点火栓6の近傍のみに可燃混合
気層が形成されるとともに、その他の領域に空気層が形
成され、成層燃焼が実現される。
【0067】機関運転状態が中負荷運転領域にあると判
定した場合は、CPU42は、リーン混合気による均質
燃焼を実現すべく、アクチュエータ10aへ制御信号を
送信してスワールコントロールバルブ10の開度を小さ
くし、さらに各気筒2の吸気行程時に燃料噴射弁9に駆
動電流を印加して吸気行程噴射を行う。この場合、各気
筒2の燃焼室5内の略全域にわたって、空気と燃料とが
均質に混じり合ったリーン混合気が形成され、均質燃焼
が実現される。
【0068】機関運転状態が高負荷運転領域にあると判
定した場合は、CPU42は、理論空燃比近傍の混合気
による均質燃焼を実現すべく、アクチュエータ10aへ
制御信号を送信してスワールコントロールバルブ10を
全開状態とし、スロットル弁21がアクセルペダルの踏
み込み量(アクセルポジションセンサ25の出力信号
値)に対応した開度となるようアクチュエータ22へ制
御信号を送信し、さらに各気筒2の吸気行程時に燃料噴
射弁9に駆動電流を印加して吸気行程噴射を行う。この
場合、各気筒2の燃焼室5内の略全域にわたって、空気
と燃料とが均質に混じり合った理論空燃比の混合気が形
成され、均質燃焼が実現される。
【0069】尚、CPU42は、成層燃焼制御から均質
燃焼制御へ移行する際、あるいは均質燃焼制御から成層
燃焼制御へ移行する際に、内燃機関1のトルク変動を防
止すべく各気筒2の圧縮行程時と吸気行程時の二回に分
けて燃料噴射弁9に駆動電流を印加する。この場合、各
気筒2の燃焼室5内には、点火栓6の近傍に可燃混合気
層が形成されるとともに、その他の領域にリーン混合気
層が形成され、いわゆる弱成層燃焼が実現される。
【0070】次に、CPU42は、蒸発燃料のパージを
実行するにあたり、通常は電磁弁39を閉弁するよう制
御を行う。この状態で燃料タンク33内の蒸発燃料が増
加して燃料タンク33内の圧力が所定値を越えると、タ
ンク内圧制御弁36が開弁し、蒸発燃料通路35が導通
状態となる。そして、燃料タンク33内の蒸発燃料は、
蒸発燃料通路35を介してチャコールキャニスタ34内
に導入され、チャコールキャニスタ34に内装された活
性炭等の吸着剤に一旦吸着される。
【0071】また、CPU42は、所定時間毎に蒸発燃
料のパージ実行条件が成立しているか否かを判別する。
このパージ実行条件としては、例えば、内燃機関1や第
1及び第2の触媒28、31の暖機が完了している、燃
料噴射弁9からの燃料噴射量が所定量以上である、ある
いは内燃機関1の始動後所定時間以上経過している等の
条件を例示することができる。
【0072】上記したようなパージ実行条件が成立して
いると判定した場合は、CPU42は、電磁弁39を開
弁する。この場合、負圧導入通路38が導通状態とな
り、これによりパージ通路49が導通状態となる。
【0073】ここで、パージ通路49の上流にあたるス
ロットル弁21上流の吸気管18内は略大気圧となる
が、パージ通路49の下流にあたるスロットル弁21下
流の吸気管18内は吸気管負圧の発生により負圧となる
ため、パージ通路49の上流と下流とで圧力差が生じ
る。
【0074】上記した圧力差により、スロットル弁21
上流の吸気管18内を流れる大気の一部がパージ通路4
9内に流れ込み、スロットル弁21下流の吸気管18内
へ導かれる。つまり、パージ通路49では、チャコール
キャニスタ34を貫流する大気の流れが生じる。
【0075】その際、チャコールキャニスタ34内の吸
着剤に吸着されていた蒸発燃料は、大気の流れを受けて
吸着剤から脱離し、大気とともにスロットル弁21下流
の吸気管18内へ導入される。このように吸気管18内
に導入された蒸発燃料は、吸気管18内を上流から流れ
てきた新気と混ざり合いながら燃焼室5内に導入され、
燃料噴射弁9から噴射された燃料とともに燃焼及び処理
される。
【0076】ところで、内燃機関1は、前述したように
大部分の運転領域でスロットル弁21が実質的に全開状
態となるため、スロットル弁21下流の吸気管18内で
吸気管負圧が発生し難い。この結果、パージ通路49の
上流と下流との圧力差が小さくなり、チャコールキャニ
スタ34を貫流する大気の流量が減少するため、チャコ
ールキャニスタ34内の蒸発燃料を吸気管18内へパー
ジしきれなくなる虞がある。
【0077】そこで、CPU42は、蒸発燃料のパージ
を行う際に、スロットル弁21の開度が通常の開度より
小さくなるようアクチュエータ22を制御するようにし
た。
【0078】この場合、スロットル弁21下流の吸気管
18内へ流れ込む新気の量が減少するため、吸気管負圧
が増大し、パージ通路49の上流と下流との圧力差が大
きくなる。このように、スロットル弁21及びアクチュ
エータ22は、本発明にかかる差圧変更手段を実現す
る。
【0079】但し、単にスロットル弁21の開度を補正
してパージ通路49の上流と下流との圧力差を増大させ
ただけでは、蒸発燃料のパージ量及び吸入空気量の変化
により燃焼室5内の混合気の状態が変化し、内燃機関1
の燃焼状態が不安定となるため、CPU42は、内燃機
関1の燃焼変動に応じてスロットル弁21の開度を補正
するものとする。
【0080】さらに、内燃機関1の燃焼状態が不安定と
ならない範囲内でより多くの蒸発燃料をパージするため
には、パージ量の限界領域近傍においてパージ量を微調
節する必要があるが、スロットル弁21の開度補正によ
りパージ通路49の上流と下流との圧力差を変化させる
とパージ量の変化が比較的大きくなるため、パージ量の
微調節が困難である。
【0081】これに対し、本実施の形態では、スロット
ル弁21の開度補正によりパージ量の大まかな調節を行
い、電磁弁39の開度補正によりパージ量の微調節を行
うようにした。このように、CPU42がスロットル弁
21(アクチュエータ22)及び電磁弁39を制御する
ことにより本発明にかかるパージ制御手段が実現され
る。
【0082】ここで、パージ実行制御にかかる具体的な
処理について図3のタイミングチャートに沿って説明す
る。
【0083】CPU42は、パージ実行条件が成立した
時点で、先ず内燃機関1の燃焼状態を判別する。内燃機
関1の燃焼状態を判別するパラメータとしては、機関回
転数変動、燃焼圧センサの出力信号値、燃焼光センサの
出力信号値、燃焼時に発生するイオン電流値等を例示す
ることができるが、本実施の形態では、機関回転数変動
を例に挙げて説明する。
【0084】機関回転数変動は、単位時間当たりの機関
回転数の変化量であり、CPU42は、ある時点におけ
る機関回転数(第1の機関回転数)とその時点から所定
時間経過後の機関回転数(第2の機関回転数)との差を
機関回転数変動:DLNとして算出する。
【0085】続いてCPU42は、機関回転数変動:D
LNが許容範囲内にあるか否かを判別する。具体的に
は、CPU42は、ROM43の第1の基準値制御マッ
プへアクセスし、その時点における機関回転数に対応し
た第1の基準値:DLNS1を算出する。そして、CP
U42は、機関回転数変動:DLNと第1の基準値:D
LNS1とを比較する。
【0086】その際、前記機関回転数変動:DLNが第
1の基準値:DLNS1以下であれば、CPU42は、
内燃機関1の燃焼状態が安定しているとみなし、前記機
関回転数変動:DLNが第1の基準値:DLNS1より
大きければ、内燃機関1の燃焼状態が不安定であるとみ
なす。このようにCPU42は、本発明にかかる燃焼状
態判定手段を実現する。
【0087】尚、図3の例では、パージを開始する前
(図中より左側)の機関回転数変動:DLNが第1の
基準値:DLNS1より小さいため、CPU42は、内
燃機関1の燃焼状態が安定しているとみなし、その開度
が最大開度:MAXDPGとなるよう電磁弁39を駆動
する(図中)。
【0088】このとき、パージ通路49が導通状態とな
るため、パージ通路49の上流と下流との圧力差により
チャコールキャニスタ34を貫流する大気の流れが発生
する。この大気の流れにより、チャコールキャニスタ3
4内の吸着剤に吸着していた蒸発燃料が吸着剤から脱離
し、吸気管18内へ導かれる。
【0089】続いて、CPU42は、スロットル弁21
下流の吸気管負圧を増大させるべく、スロットル弁21
の開度を、パージを実行していないときの通常の開度
(以下、標準開度:TASと称する)から所定開度:S
△TAだけ閉じた開度(TAS−S△TA)に変更する
(図中)。
【0090】前記所定開度:S△TAは、スロットル弁
21の開度を閉方向に補正する都度更新される値であ
り、前回のS△TAに所定値:△TAを加算して算出す
る。尚、所定開度:S△TAの初期値を算出する場合
は、前回算出された所定開度:S△TAを“0”とみな
す。
【0091】また、前記所定開度:S△TAには、予め
上限値:S△TAMAXが設定されており、更新時に算出
された所定開度:S△TAが上限値:S△TAMAXより
大きくなった場合は、上限値:S△TAMAXを所定開
度:S△TAとして用いるものとする。
【0092】スロットル弁21の開度が前記所定開度:
S△TAだけ閉方向に補正されると、スロットル弁21
下流の吸気管18へ流れる新気の量が減少するため、吸
気管負圧の負圧度合いが高くなり、パージ通路49の上
流と下流との圧力差が大きくなる。この結果、チャコー
ルキャニスタ34を貫流する大気の流量が増加し、チャ
コールキャニスタ34から吸気管18へ導入される蒸発
燃料量も増加する。
【0093】一方、吸気管18に導入される蒸発燃料量
が増加すると、燃焼室5へ供給される混合気の状態が変
化し、機関回転数変動:DLNがパージ実行前より大き
くなるため、CPU42は、スロットル弁21の開度を
閉方向に補正した時点から所定時間経過後に機関回転数
変動:DLNを再度算出し、算出した機関回転数変動:
DLNと第1の基準値:DLNS1とを比較する。
【0094】その際、機関回転数変動:DLNが第1の
基準値:DLNS1以下であれば、CPU42は、前記
所定開度:S△TAを更新し、標準開度:TASから更
新後の所定開度:S△TAを減算して新たな開度:TA
を算出する。そして、CPU42は、スロットル弁21
の開度を新たな開度:TAとすべくアクチュエータ22
を制御する。この場合、スロットル弁21は、更に△T
Aだけ閉方向へ駆動されることになる。このようなスロ
ットル弁21の閉方向への開度補正は、機関回転数変
動:DLNが第1の基準値:DLNS以下である限り繰
り返される。
【0095】スロットル弁21の閉方向への開度補正が
繰り返されることにより機関回転数変動:DLNが第1
の基準値:DLNS1より大きくなると(図中)、C
PU42は、内燃機関1の燃焼状態が不安定になったと
みなし、RAM44の燃焼状態識別フラグ(FDLN)
記憶領域に“1”を書き込む。
【0096】さらに、CPU42は、スロットル弁21
の閉方向への開度補正を中止し、その時点におけるスロ
ットル弁21の開度:TA(図3の例では、TA=TA
S−△STAMAX)を維持するようアクチュエータ22
を制御する。
【0097】そして、CPU42は、機関回転数変動:
DLNを抑制すべく以下のような処理を行う。
【0098】先ず、CPU42は、蒸発燃料のパージ量
を僅かに減少させるべく、電磁弁39の開度を所定量:
△DPGだけ閉方向へ補正する。この場合、パージ通路
49の流路が狭まるため、内燃機関1に導入される蒸発
燃料量が減少し、機関回転数変動:DLNが小さくな
る。
【0099】CPU42は、電磁弁39の開度を閉方向
に補正した後、内燃機関1の燃焼状態が安定したか否か
を判別する。具体的には、CPU42は、電磁弁39の
開度を補正した後の機関回転数変動:DLNを算出する
とともに、ROM43の第2の基準値制御マップへアク
セスしてその時点における機関回転数に対応した第2の
基準値:DLNS2を算出する。そして、CPU42
は、前記機関回転数変動:DLNと前記第2の基準値:
DLNS2とを比較する(図中)。
【0100】ここで、第2の基準値:DLNS2は、第
1の基準値:DLNSに十分なマージンを付加した値で
あり、第1の基準値:DLNS1より小さくなるよう設
定されるため、機関回転数変動:DLNが第2の基準
値:DLNS2以下であれば、CPU42は、内燃機関
1の燃焼状態が十分に安定したとみなすことができる。
【0101】図3の例では、図中の時点で機関回転数
変動:DLNが第2の基準値:DLNS2より小さくな
っているので、CPU42は、内燃機関1の燃焼状態が
十分に安定したとみなし、蒸発燃料のパージ量を再び増
加させるべく、電磁弁39の開度を僅かに開方向へ補正
する。この場合の補正量は、所定量:△DPGに“1”
未満の正数:Kを積算して得られる量(=K・△DP
G)であり、所定量:△DPGより少ない量とする。こ
のような電磁弁39の開方向への開度補正は、機関回転
数変動:DLNが第2の基準値:DLNS2以下である
限り繰り返される(図中〜)。
【0102】電磁弁39の開方向への開度補正が繰り返
されることにより、電磁弁39の開度:DPGが最大開
度:MAXDPGに達すると、CPU42は、電磁弁3
9の開方向への開度補正を終了し、RAM44の燃焼状
態識別フラグ(FDLN)記憶領域へアクセスして
“0”を書き込む(図中)。そして、CPU42は、
スロットル弁21の閉方向への開度補正を再開する。
【0103】一方、図3中の時点で機関回転数変動:
DLNが第2の基準値:DLNS2以下とならなかった
場合、すなわち電磁弁39の閉方向への開度補正により
内燃機関1の燃焼状態が安定しなかった場合は、CPU
42は、図4のタイミングチャートに示すように、電磁
弁39の開度を更に所定量:△DPGだけ閉方向へ補正
する。
【0104】電磁弁39の開度を閉方向へ所定量:△D
PG補正した時点から所定時間経過後(図中’)に、
CPU42は、機関回転数変動:DLNを算出し、算出
した機関回転数変動:DLNと第2の基準値:DLNS
2とを再度比較する。
【0105】その際、機関回転数変動:DLNが第2の
基準値:DLNS2より大きければ、CPU42は、電
磁弁39の開度を更に所定量:△DPGだけ閉方向に補
正することになるが、図4中’の時点では、機関回転
数変動:DLNが第2の基準値:DLNS2より小さく
なっているので、内燃機関1の燃焼状態が十分に安定し
たとみなし、電磁弁39の開度を所定量:K・△DPG
ずつ開方向へ補正する。
【0106】このように、内燃機関1の燃焼状態に応じ
て蒸発燃料のパージ量を調節することにより、燃焼状態
が不安定とならない範囲内でパージ量を増加させること
が可能となる。
【0107】尚、CPU42は、パージ実行中に内燃機
関1が非アイドル状態からアイドル状態に移行した場合
や、均質燃焼状態から成層燃焼状態に移行した場合等
は、スロットル弁21の開度:TAを標準開度:TAS
に戻し、燃焼状態の安定化を図るとともに吸気のポンピ
ング作用による駆動損失を抑制するものとする。
【0108】また、CPU42は、パージすべき蒸発燃
料量が減少したときは、直ちにスロットル弁21の開
度:TAを標準開度:TASに戻し、通常のパージ制御
あるいはパージの実行を停止するようにしてもよい。こ
こでいう蒸発燃料量が減少したときとは、例えば、蒸発
燃料の濃度が所定濃度以下に低下したことを検出したと
き、チャコールキャニスタ34内に吸着された蒸発燃料
量が所定量以下に減少したことを検出したとき等を例示
することができる。
【0109】以下、本実施の形態の作用及び効果につい
て述べる。
【0110】CPU42は、所定時間毎に図5に示すア
イドル判定ルーチンと図6に示すパージ実行制御ルーチ
ンを実行する。
【0111】先ず、アイドル判定ルーチンでは、CPU
42は、S501においてアクセルポジションセンサ2
5の出力信号を入力し、アクセルペダル24の踏み込み
量が“0”であるか否か、すなわちアクセルオフ状態に
あるか否かを判別する。
【0112】前記S501においてアクセルペダル24
の踏み込み量が“0”であると判定した場合は、CPU
42は、内燃機関1がアイドル状態にあるとみなし、S
502へ進む。
【0113】S502では、CPU42は、RAM44
のアイドル判定フラグ(FIDL)記憶領域へアクセス
し、“1”が記憶されているか否かを判別する。
【0114】前記S502においてRAM44のアイド
ル判定フラグ(FIDL)記憶領域に既に“1”が記憶
されていると判定した場合は、CPU42は、本ルーチ
ンの実行を一旦終了する。
【0115】一方、前記S502においてアイドル判定
フラグ(FIDL)記憶領域に“0”が記憶されている
と判定した場合は、CPU42は、S503へ進み、前
記アイドル判定フラグ(FIDL)記憶領域に“1”を
書き込む。
【0116】続いて、CPU42は、S504へ進み、
RAM44のパージアイドル判定フラグ(FPIDL)
記憶領域に“1”を書き込む。このS504の処理を実
行し終えると、CPU42は、本ルーチンの実行を一旦
終了する。
【0117】また、前記S501においてアクセルペダ
ル24の踏み込み量が“0”ではないと判定した場合
は、CPU42は、内燃機関1が非アイドル状態にある
とみなしてS505へ進み、RAM44のアイドル判定
フラグ(FIDL)記憶領域に“0”を書き込んだ後、
本ルーチンの実行を一旦終了する。
【0118】次に、パージ実行制御ルーチンでは、CP
U42は、S601においてパージ実行条件が成立して
いるか否かを判別し、パージ実行条件が不成立であると
判定した場合は本ルーチンの実行を一旦終了する。
【0119】一方、前記S601においてパージ実行条
件が成立していると判定した場合はCPU42は、S6
02へ進み、RAM44のパージアイドル判定フラグ
(FPIDL)記憶領域に“1”が記憶されているか否
かを判別する。
【0120】前記S602においてパージアイドル判定
フラグ(FPIDL)記憶領域に“0”が記憶されてい
る判定した場合は、CPU42は、内燃機関1が非アイ
ドル状態にあるとみなし、S605へ進む。S605で
は、CPU42は、その時点における機関回転数変動:
DLNを算出する。
【0121】続いて、CPU42は、S606へ進み、
ROM43の第1の基準値制御マップへアクセスし、そ
の時点における機関回転数に対応する第1の基準値:D
LNS1を算出する。そして、CPU42は、前記S6
05で算出した機関回転数変動:DLNと前記第1の基
準値:DLNS1とを比較する。
【0122】前記S606において機関回転数変動:D
LNが第1の基準値:DLNS1以下であると判定した
場合は、CPU42は、内燃機関1の燃焼状態が安定し
ているとみなし、S608へ進む。
【0123】また、前記S606において機関回転数変
動:DLNが第1の基準値:DLNS1より大きいと判
定した場合は、内燃機関1の燃焼状態が不安定であると
みなし、S607へ進む。S607では、CPU42
は、RAM44の燃焼状態識別フラグ(FDLN)記憶
領域にアクセスし、“1”を書き込む。
【0124】前記S606で機関回転数変動:DLNが
第1の基準値:DLNS1以下であると判定し、あるい
は前記S607の処理を実行し終えたCPU42は、S
608へ進み、RAM44の燃焼状態識別フラグ(FD
LN)記憶領域へアクセスし、“1”が記憶されている
か否かを判別する。
【0125】前記S608において燃焼状態識別フラグ
(FDLN)記憶領域に“0”が記憶されていると判定
した場合は、CPU42は、S609へ進み、電磁弁3
9の開度:DPGを最大開度:MAXDPGに設定し、
その最大開度:MAXDPGに対応する駆動パルス信号
を電磁弁39に印加する。
【0126】このとき、パージ通路49が導通状態とな
るため、パージ通路49の上流(スロットル弁21上流
の吸気管18)と下流(スロットル弁21下流の吸気管
18)との圧力差により、チャコールキャニスタ34を
貫流する大気の流れが発生する。この大気の流れによ
り、チャコールキャニスタ34内に吸着していた蒸発燃
料が脱離して、大気とともにスロットル弁21下流の吸
気管18内へ導入され、蒸発燃料のパージが開始され
る。
【0127】次に、CPU42は、S610へ進み、R
AM44の所定領域から前回算出された所定開度:S△
TA(パージ実行開始後に初めてスロットル弁21の閉
方向への開度補正を行う場合はS△TA=0)を読み出
し、その所定開度:S△TAに所定値:△TAを加算し
て新たな所定開度:S△TA(=S△TA+△TA)を
算出する。
【0128】続いて、CPU42は、S611へ進み、
標準開度:TASから前記S610で算出された所定開
度:S△TAを減算して、スロットル弁21の新たな開
度:TA(=TAS−S△TA)を算出する。そして、
CPU42は、実際のスロットル弁21の開度を新たな
開度:TAと一致させるべくアクチュエータ22を制御
し、本ルーチンの実行を一旦終了する。
【0129】この場合、スロットル弁21が閉方向へ駆
動され、スロットル弁21下流の吸気管18へ流れる新
気の量が減少するため、吸気管負圧の負圧度合いが高く
なる。これにより、パージ通路49の上流と下流との圧
力差が大きくなり、チャコールキャニスタ34を貫流す
る大気の流量が増加するため、チャコールキャニスタ3
4から吸気管18へパージされる蒸発燃料の量が増加す
る。
【0130】一方、前記S608において燃焼状態識別
フラグ(FDLN)記憶領域に“1”が記憶されている
と判定した場合は、CPU42は、既に蒸発燃料のパー
ジが実行されており、それにより内燃機関1の燃焼状態
が不安定になっているとみなし、S612へ進む。
【0131】S612では、CPU42は、その時点に
おける電磁弁39の開度:DPGが最大開度:MAXD
PGより小さいか否か、すなわち内燃機関1の燃焼状態
を安定させるべく電磁弁39の開度を閉方向に補正済み
であるか否かを判別する。
【0132】前記S612において電磁弁39の開度:
DPGが最大開度:MAXDPGより小さくない(DP
G=MAXDPG)と判定した場合は、CPU42は、
S613へ進み、その時点における電磁弁39の開度:
DPGから所定量:△DPGを減算して新たな開度:D
PGを算出し、その新たな開度:DPGに対応する駆動
パルス信号を電磁弁39に印加する。
【0133】この場合、電磁弁39が所定量:△DPG
だけ閉じられるため、パージ通路49の流路が狭くな
り、チャコールキャニスタ34から吸気管18へ導入さ
れる蒸発燃料量が減少する。この結果、内燃機関1に供
給される蒸発燃料が減少し、内燃機関1の機関回転数変
動が小さくなる。
【0134】CPU42は、S614において、電磁弁
39の開度を閉方向へ補正した後の機関回転数変動:D
LNを算出するとともに、ROM43の第2の基準値制
御マップへアクセスしてその時点における機関回転数に
対応する第2の基準値:DLNS2を算出する。そし
て、CPU42は、前記機関回転数変動:DLNが前記
第2の基準値:DLNS2以下であるか否か、つまり電
磁弁39の閉方向への開度補正により内燃機関1の燃焼
状態が安定したか否かを判別する。
【0135】前記S614において機関回転数変動:D
LNが第2の基準値:DLNS2以下であると判定した
場合は、CPU42は、内燃機関1の燃焼状態が安定し
ているとみなし、S615へ進む。
【0136】S615では、CPU42は、その時点に
おける電磁弁39開度:DPGに所定量:K・△DPG
を加算して新たな開度:DPG(=DPG+K・△DP
G)を算出する。次いでCPU42は、S616におい
て前記S615で算出された新たな開度:DPG(=D
PG+K・△DPG)が最大開度:MAXDPG以上で
あるか否かを判別する。
【0137】前記S616において前記S615で算出
された開度:DPG(=DPG+K・△DPG)が最大
開度:MAXDPG未満であると判定した場合は、CP
U42は、前記S615で算出された開度:DPGに対
応する駆動パルス信号を電磁弁39に印加した後、本ル
ーチンの実行を終了する。
【0138】この場合、電磁弁39が所定量:K・△D
PGだけ開かれるため、パージ通路49の流路が僅かに
拡がり、チャコールキャニスタ34から吸気管18へ導
入される蒸発燃料量が僅かに増加する。
【0139】前記S616において前記S615で算出
された開度:DPG(=DPG+K・△DPG)が最大
開度:MAXDPG以上であると判定した場合は、CP
U42は、S617へ進み、最大開度:MAXDPGを
電磁弁39の新たな開度:DPGとみなし、最大開度:
MAXDPGに対応する駆動パルス信号を電磁弁39に
印加する。
【0140】続いて、CPU42は、S618におい
て、RAM44の燃焼状態識別フラグ(FDLN)記憶
領域に“0”を書き込み、本ルーチンの実行を終了す
る。
【0141】その後、本ルーチンが再実行された際に、
S606において機関回転数変動:DLNが第1の基準
値:DLNS1以下であれば、すなわち、電磁弁39の
開度を最大開度:MAXDPGに変更した後も内燃機関
1の燃焼状態が安定していれば、CPU42は、S60
8で燃焼状態識別フラグ(FDLN)が“0”であると
判定することになる。そして、CPU42は、S609
〜S611において、スロットル弁21の閉方向への開
度補正を再開する。
【0142】また、前記S614において機関回転数変
動:DLNが第2の基準値:DLNS2より大きいと判
定した場合は、CPU42は、S619へ進み、電磁弁
39の開度を更に所定量:△DPGだけ閉方向へ補正
し、補正後の開度:DPG(=DPG−△DPG)に対
応する駆動パルス信号を電磁弁39に印加し、本ルーチ
ンの実行を終了する。
【0143】その後、本ルーチンが再実行されると、C
PU42は、S608で燃焼状態識別フラグ(FDL
N)記憶領域に“1”が記憶されていると判定し、S6
12で電磁弁39の開度:DPGが最大開度:MAXD
PGより小さいと判定することになる。
【0144】そして、CPU42は、S614において
機関回転数変動:DLNと第2の基準値:DLNS2と
を再度比較し、機関回転数変動:DLNが第2の基準
値:DLNS2より大きければ、S619の処理におい
て電磁弁39の開度を更に所定量:△DPGだけ閉方向
へ補正し、機関回転数変動:DLNが第2の基準値:D
LNS2以下であれば、S616〜S618において電
磁弁39の開度を開方向へ補正することになる。
【0145】尚、パージの実行中に内燃機関1が非アイ
ドル状態からアイドル状態へ移行すると、CPU42
は、前記S602においてパージアイドル判定フラグ
(FPIDL)記憶領域に“1”が記憶されていると判
定することになる。この場合、CPU42は、S603
においてスロットル弁21の開度を標準開度:TASに
戻すべくアクチュエータ22を制御し、次いでS604
においてRAM44のパージアイドル判定フラグ(FP
IDL)記憶領域に“0”を書き込んだ後、S605以
降の処理を実行することになる。
【0146】すなわち、CPU42は、パージ実行途中
に内燃機関1が非アイドル状態からアイドル状態へ移行
すると、スロットル弁21の開度を一旦標準開度に戻し
た後、パージの実行制御を行う。
【0147】このようにCPU42がパージ実行制御ル
ーチンを繰り返し実行することにより、蒸発燃料のパー
ジ量は、内燃機関1の燃焼状態が不安定にならない範囲
内で最大の量となる。従って、本実施の形態によれば、
燃焼状態の安定化とパージ量の最大限の確保とが高次元
で両立される。
【0148】〈実施の形態2〉本発明にかかる蒸発燃料
処理装置の第2の実施の形態について図面に基づいて説
明する。ここでは、前述の第1の実施の形態と異なる構
成について説明し、同様の構成については説明を省略す
る。
【0149】前述の第1の実施の形態では、蒸発燃料の
パージにより内燃機関1の燃焼状態が不安定になった場
合に、電磁弁39の開度補正のみで燃焼状態の安定化を
図る例について述べたが、本実施の形態では、電磁弁3
9の開度補正とスロットル弁21の開度補正とを併用し
て燃焼状態の安定化を図る例について述べる。
【0150】この場合、CPU42は、内燃機関1の燃
焼状態が不安定となった際に、先ず電磁弁39の開度を
閉方向に所定量補正する。これにより燃焼状態が安定し
た場合は、CPU42は、前述の第1の実施の形態と同
様に電磁弁39を徐々に開くよう制御を行う。一方、電
磁弁39を所定量閉じただけでは燃焼状態が安定しなか
った場合は、CPU42は、スロットル弁21の開度を
開方向へ所定量補正して燃焼状態の安定化を図るものと
する。
【0151】具体的には、CPU42は、図7に示すよ
うに、スロットル弁21の閉方向への開度補正を繰り返
した後に(図中)、機関回転数変動:DLNが第1の
基準値:DLNS1より大きくなると、RAM44の燃
焼状態識別フラグ(FDLN)記憶領域に“1”を書き
込むとともに、電磁弁39の開度:DPGを所定量:△
DPGだけ閉方向に補正する。
【0152】電磁弁39の開度を閉方向に補正した後
(図中)、CPU42は、機関回転数変動:DLNと
第2の基準値:DLNS2と比較する。
【0153】その際、機関回転数変動:DLNが第2の
基準値:DLNS2以下になっていれば、CPU42
は、前述の第1の実施の形態と同様に電磁弁39の開度
を所定量:K・△DPGずつ開方向へ補正するが、機関
回転数変動:DLNが第2の基準値:DLNS2より大
きければ、その時点におけるスロットル弁21の開度:
TAに所定量:V△TAを加算して新たなスロットル弁
21開度:TAを算出する。そして、CPU42は、実
際のスロットル弁21開度を新たなスロットル弁21開
度:TAと一致させるべくアクチュエータ22を駆動す
る。
【0154】この場合、スロットル弁21の開度が開方
向へ所定量:V△TAだけ変更されるため、スロットル
弁21下流の吸気管18へ流れる新気の量が増加し、吸
気管負圧の負圧度合いが低くなる。この結果、パージ通
路49の上流と下流との圧力差が小さくなり、チャコー
ルキャニスタ34から吸気管18へパージされる蒸発燃
料量が減少し、機関回転数変動が小さくなる。
【0155】CPU42は、スロットル弁21の開度を
開方向へ補正した時点から所定時間経過後に、機関回転
数変動:DLNと第2の基準値:DLNS2とを再度比
較し(図中’)、機関回転数変動:DLNが第2の基
準値:DLNS2より大きければ、CPU42は、スロ
ットル弁21の開度を更に所定量:V△TAだけ開方向
へ補正する。このようなスロットル弁21の開方向への
開度補正は、機関回転数変動:DLNが第2の基準値:
DLNS2以下となるまで繰り返される。
【0156】一方、スロットル弁21の開度を開方向へ
補正したことにより機関回転数変動が第2の基準値:D
LNS2以下になった場合は、CPU42は、前述の第
1の実施の形態と同様に、電磁弁39の開度を所定量:
K・△DPGずつ開方向へ補正する。
【0157】尚、本実施の形態では、燃焼状態が不安定
になった場合に、先ず電磁弁39の閉方向への開度補正
を行い、これにより燃焼状態が安定しなければスロット
ル弁21の開方向への開度補正を行う例について述べた
が、先にスロットル弁21の開方向への開度補正を行
い、これにより燃焼状態が安定しなければ電磁弁39の
閉方向への開度補正を行うようにしてもよい。
【0158】以下、本実施の形態の作用及び効果につい
て述べる。
【0159】CPU42は、所定時間毎に図8に示すよ
うなパージ実行制御ルーチンを実行する。このパージ実
行制御ルーチンのS801〜S818の処理は、前述の
図6のパージ実行制御ルーチンのS601〜S618と
同様である。
【0160】但し、S807において燃焼状態識別フラ
グ(FDLN)記憶領域に“1”が記憶されていると判
定し、S814において電磁弁39の開度を閉方向に補
正した後の機関回転数変動:DLNが第2の基準値:D
LNS2より大きいと判定した場合に、CPU42は、
電磁弁39の開度補正のみでは燃焼状態を安定させるこ
とができなかったとみなし、S819へ進む。
【0161】S819では、CPU42は、その時点に
おけるスロットル弁21の開度:TAに所定量:V△T
Aを加算して新たな開度:TA(=TA+V△TA)を
算出する。CPU42は、実際のスロットル弁21の開
度を前記S819で算出された開度:TA(=TA+V
△TA)と一致させるべくアクチュエータ22を制御
し、本ルーチンの実行を終了する。
【0162】この場合、スロットル弁21が所定量:V
△TAだけ開かれるため、スロットル弁21下流の吸気
管18へ流れる新気の量が増加し、スロットル弁21下
流の吸気管18内の吸気管負圧の負圧度合いが低くな
る。この結果、パージ通路49の上流と下流との圧力差
が小さくなり、チャコールキャニスタ34を貫流する大
気の流量が減少するため、チャコールキャニスタ34か
ら吸気管18へ導入される蒸発燃料量が減少し、機関回
転数変動が小さくなる。
【0163】その後、本ルーチンを再実行した際に、C
PU42は、S808で燃焼状態識別フラグ(FDL
N)記憶領域に“1”が記憶されていると判定し、S8
12で電磁弁39の開度:DPGが最大開度:MAXD
PGより小さいと判定し、S814へ進むことになる。
【0164】S814では、CPU42は、機関回転数
変動:DLNと第2の基準値:DLNS2とを比較し、
機関回転数変動:DLNが第2の基準値:DLNS2以
下であれば、電磁弁39の開度を開方向へ補正すべくS
815〜S818の処理を実行する。
【0165】一方、S814で機関回転数変動:DLN
が第2の基準値:DLNS2より大きいと判定した場合
は、CPU42は、S819の処理を再度実行し、スロ
ットル弁21の開度:TAを更に所定量:V△TAだけ
開方向へ補正する。
【0166】このように、CPU42がパージ実行制御
ルーチンを繰り返し実行することにより、前述の第1の
実施の形態と同様の効果を得ることができる。
【0167】〈実施の形態3〉本発明にかかる蒸発燃料
処理装置の第3の実施の形態について図面に基づいて説
明する。ここでは、前述の第1の実施の形態と異なる構
成について説明し、同様の構成については説明を省略す
る。
【0168】前述の第1及び第2の実施の形態では、蒸
発燃料のパージにより内燃機関1の燃焼状態が不安定に
なった場合に、スロットル弁21の開度:TAを標準開
度:TASに戻さずに燃焼状態の安定化を図る例につい
て述べたが、本実施の形態では、スロットル弁21の開
度:TAを一旦標準開度:TASに戻し、燃焼状態の安
定化を図った上でスロットル弁21の閉方向への開度補
正を再開する例について述べる。
【0169】この場合、CPU42は、パージ制御実行
中に内燃機関1の燃焼状態が不安定になると、スロット
ル弁21の開度:TAを標準開度:TASに戻すべくア
クチュエータ22を制御する。電磁弁39については、
その時点における開度:DPGをそのまま維持するよう
制御する。
【0170】スロットル弁21の開度:TAを標準開
度:TASに戻したことにより内燃機関1の燃焼状態が
安定した場合は、CPU42は、電磁弁39の開度:D
PGを開方向へ所定量ずつ補正してパージ量の増加を図
る。
【0171】一方、スロットル弁21の開度を標準開度
に戻しただけでは内燃機関1の燃焼状態が安定しない場
合は、CPU42は、電磁弁39の開度:DPGを閉方
向に所定量ずつ補正して燃焼状態の安定化を図る。
【0172】具体的には、CPU42は、図9に示すよ
うに、スロットル弁21の閉方向への開度補正を繰り返
した後に(図中)、機関回転数変動:DLNが第1の
基準値:DLNS1より大きくなると、RAM44の燃
焼状態識別フラグ(FDLN)記憶領域に“1”を書き
込むとともに、スロットル弁21の開度:TAを標準開
度:TASに戻すべくアクチュエータ22を制御する。
【0173】スロットル弁21の開度:TAを標準開
度:TASに戻し終わると(図’)、CPU42は、
機関回転数変動:DLNを再度算出して第2の基準値:
DLNS2と比較する。
【0174】その際、機関回転数変動:DLNが第2の
基準値:DLNS2以下になっていれば、CPU42
は、前述の第1の実施の形態と同様に電磁弁39の開
度:DPGを開方向へ所定量:K・△DPGだけ補正す
るが、図9の例では、図中の’の時点で機関回転数変
動:DLNが第2の基準値:DLNS2より大きくなっ
ているので、CPU42は、電磁弁39の開度:DPG
を所定量:△DPGだけ閉方向へ補正する。
【0175】電磁弁39の開度:DPGを閉方向に補正
した時点から所定時間経過後に、CPU42は、機関回
転数変動:DLNと第2の基準値:DLNS2とを再度
比較する。
【0176】その際、機関回転数変動:DLNが第2の
基準値:DLNS2より大きければ、CPU42は、電
磁弁39の開度:DPGを更に所定量:△DPGだけ閉
方向へ補正するが、図9の例では、図中において機関
回転数:DLNが第2の基準値:DLNS2より小さく
なっているので、CPU42は、電磁弁39の開度:D
PGを所定量:K・△DPGだけ開方向へ補正する。
【0177】以下、本実施の形態の作用及び効果につい
て述べる。
【0178】CPU42は、図10に示すようなパージ
実行制御ルーチンを所定時間毎に繰り返し実行する。こ
のパージ実行制御ルーチンのS1001〜S1011の
処理は、前述の図6のパージ実行制御ルーチンのS60
1〜S611の処理と同様である。
【0179】但し、S1008においてRAM44の燃
焼状態識別フラグ(FDLN)記憶領域に“1”が記憶
されていると判定した場合に、CPU42は、S101
2へ進み、スロットル弁21の開度:TAを標準開度:
TASに戻すべくアクチュエータ22を駆動する。
【0180】この場合、スロットル弁21が標準開度:
TASに戻されるため、スロットル弁21下流の吸気管
18へ流れ込む新気の量が大幅に増加し、吸気管負圧の
負圧度合いが大幅に低くなる。この結果、パージ通路4
9の上流と下流との圧力差も大幅に小さくなり、チャコ
ールキャニスタ34から吸気管18へ導入される蒸発燃
料量が大幅に減少し、機関回転数変動:DLNも大幅に
小さくなる。
【0181】スロットル弁21を標準開度:TASに戻
した後、CPU42は、S1013へ進み、機関回転数
変動:DLNを算出するとともに、ROM43の第2の
基準値制御マップへアクセスして第2の基準値:DLN
S2を算出する。そして、CPU42は、前記機関回転
数変動:DLNと前記第2の基準値:DLNS2とを比
較する。
【0182】前記S1013において機関回転数変動:
DLNが第2の基準値:DLNS2以下であると判定し
た場合は、CPU42は、スロットル弁21を標準開
度:TASに戻したことにより内燃機関1の燃焼状態が
安定したとみなし、S1014へ進む。
【0183】S1014では、CPU42は、その時点
における電磁弁39の開度:DPGに所定量:K・△D
PGを加算して新たな開度:DPG(=DPG+K・△
DPG)を算出する。
【0184】S1015では、CPU42は、前記S1
014で算出された開度:DPG(=DPG+K・△D
PG)が最大開度:MAXDPG以上であるか否かを判
別する。
【0185】前記S1015で前記S1014で算出さ
れた開度:DPG(=DPG+K・△DPG)が最大開
度:MAXDPG未満であると判定した場合は、CPU
42は、前記S1014で算出された開度:DPG(D
PG+K・△DPG)に対応する駆動パルス信号を電磁
弁39に印加した後、本ルーチンの実行を一旦終了す
る。
【0186】前記S1015で前記S1014で算出さ
れた開度:DPG(=DPG+K・△DPG)が最大開
度:MAXDPG以上であると判定した場合は、CPU
42は、S1016において最大開度:MAXDPGを
電磁弁39の新たな開度:DPGとみなし、最大開度:
MAXDPGに対応する駆動パルス信号を電磁弁39に
印加する。
【0187】続いて、CPU42は、S1017におい
てRAM44の燃焼状態識別フラグ(FDLN)記憶領
域に“0”を書き込んだ後、本ルーチンの実行を終了す
る。
【0188】一方、前記S1013において機関回転数
変動:DLNが第2の基準値:DLNS2より大きいと
判定した場合は、CPU42は、S1018において電
磁弁39の開度:DPGを所定量:△DPGだけ閉方向
へ補正した後、本ルーチンの実行を終了する。
【0189】この場合、電磁弁39が所定量:△DPG
だけ閉じられるので、パージ通路49の流路が狭まり、
チャコールキャニスタ34から吸気管18へ導入される
蒸発燃料量が減少し、機関回転数変動が小さくなる。
【0190】その後、CPU42は、本ルーチンを再実
行した際に、S1013において機関回転数変動:DL
Nが第2の基準値:DLNS2以下であると判定すれ
ば、電磁弁39の開度を開方向へ僅かに補正すべくS1
014〜S1017の処理を実行する。
【0191】このように、CPU42がパージ実行制御
ルーチンを繰り返し実行することにより、内燃機関1の
燃焼状態が不安定とならない範囲で蒸発燃料のパージ量
を増加させることができる。また、内燃機関1の燃焼状
態が不安定となった場合は、スロットル弁21の開度を
直ちに標準開度に戻すため、燃焼状態を安定させやす
い。
【0192】〈実施の形態4〉本発明にかかる蒸発燃料
処理装置の第4の実施の形態について図面に基づいて説
明する。ここでは前述の第1の実施の形態と異なる構成
について説明し、同様の構成については説明を省略す
る。
【0193】図11は、本実施の形態にかかる蒸発燃料
装置を適用する内燃機関の概略構成図である。図11の
例では、大気導入通路37の上流、すなわちパージ通路
49の上流は、スロットル弁21上流の吸気管18では
なく、正圧ポンプ50に接続される。
【0194】前記正圧ポンプ50は、図12に示すよう
に、電気配線を介してECU40の出力ポート47に接
続され、ECU40から印加される電圧の大きさに応じ
た圧力の大気を送出する。
【0195】この場合、CPU42は、蒸発燃料のパー
ジを実行する際に、スロットル弁21の開度を通常の開
度に保ちつつ、前記正圧ポンプ50の印加電圧を変更す
ることでパージ通路49の上流と下流との圧力差を調節
する。このように、正圧ポンプ50は、本発明にかかる
差圧変更手段を実現する。
【0196】CPU42は、スロットル弁21の開度:
TAを一定開度(例えば、標準開度:TAS)に保ちつ
つ、正圧ポンプ50を制御することによりパージ量の大
まかな調整を行い、電磁弁39を制御することによりパ
ージ量の微調整を行う。
【0197】ここで、本実施の形態におけるパージ実行
制御の具体的な処理について図13のタイミングチャー
トに沿って説明する。
【0198】CPU49は、パージ実行条件が成立した
時点で、機関回転数変動:DLNと第1の基準値:DL
NS1とを算出し、機関回転数変動:DLNが第1の基
準値:DLNS1以下であるか否かを判別する。
【0199】その際、前記機関回転数変動:DLNが第
1の基準値:DLNS1以下であれば、CPU42は、
内燃機関1の燃焼状態が安定しているとみなし、前記機
関回転数変動:DLNが第1の基準値:DLNS1より
大きければ、内燃機関1の燃焼状態が不安定であるとみ
なす。
【0200】尚、図13の例では、パージを開始する前
(図中より左側)の機関回転数変動:DLNが第1の
基準値:DLNS1より小さいため、CPU42は、内
燃機関1の燃焼状態が安定しているとみなし、その開度
が最大開度:MAXDPGとなるよう電磁弁39を駆動
する(図中)。
【0201】続いて、CPU42は、パージ通路49の
上流の圧力を高めるべく正圧ポンプ50に所定電圧:S
△VPを印加する(図中)。前記所定電圧:S△VP
は、正圧ポンプ50の送出圧力を高める都度更新される
値であり、前回の所定電圧:S△VPに所定値:△VP
を加算して算出する。尚、所定電圧:S△VPの初期値
を算出する場合は、前回の所定電圧:S△VPを“0”
とみなす。
【0202】また、前記所定電圧:S△VPには、予め
上限値:S△VPMAXが設定されており、更新時に算出
された所定電圧:S△VPが上限値:S△VPMAXより
大きくなった場合は、上限値:S△VPMAXを所定電
圧:S△VPとして用いるものとする。
【0203】前記所定電圧:S△VPが印加された正圧
ポンプ50は、所定電圧:S△VPに対応した圧力で大
気を送出する。このように正圧ポンプ50から送出され
た大気はパージ通路49の上流に導入されるため、パー
ジ通路49上流の圧力が高くなる。一方、パージ通路4
9の下流、すなわちスロットル弁21下流の吸気管18
内では吸気管負圧が発生するため、パージ通路49の上
流と下流との圧力差が大きくなる。この結果、チャコー
ルキャニスタ34を貫流する大気の流量が増加し、チャ
コールキャニスタ34から吸気管18へ導入される蒸発
燃料量も増加する。
【0204】上記したように吸気管18に導入される蒸
発燃料量が増加すると、燃焼室5へ供給される混合気の
状態が変化し、機関回転数変動:DLNがパージ実行前
より大きくなるため、CPU42は、正圧ポンプ50に
所定電圧:S△VPを印加した時点から所定時間経過後
に機関回転数変動:DLNを再度算出し、算出した機関
回転数変動:DLNと第1の基準値:DLNS1とを比
較する。
【0205】その際、機関回転数変動:DLNが第1の
基準値:DLNS1以下であれば、CPU42は、前記
所定電圧:S△VPを更新して新たな印加電圧:VPを
算出し、算出した印加電圧:VPを正圧ポンプ50に印
加する。このような印加電圧:VPの更新処理は、機関
回転数変動:DLNが第1の基準値:DLNS以下であ
る限り繰り返される。
【0206】正圧ポンプ50の印加電圧:VPの更新処
理を繰り返すことにより機関回転数変動:DLNが第1
の基準値:DLNS1より大きくなると(図中)、C
PU42は、内燃機関1の燃焼状態が不安定になったと
みなし、RAM44の燃焼状態識別フラグ(FDLN)
記憶領域に“1”を書き込む。さらに、CPU42は、
印加電圧:VPの更新処理を中止し、その時点における
印加電圧:VP(図13の例では、VP=S△VPMA
X)を維持する。
【0207】そして、CPU42は、機関回転数変動:
DLNを抑制すべく以下のような処理を行う。
【0208】先ず、CPU42は、蒸発燃料のパージ量
を僅かに減少させるべく、電磁弁39の開度:DPGを
所定量:△DPGだけ閉方向へ補正する。この場合、パ
ージ通路49の流路が狭まるため、内燃機関1に導入さ
れる蒸発燃料量が減少し、機関回転数変動:DLNが小
さくなる。
【0209】CPU42は、電磁弁39の開度:DPG
を閉方向に補正した後、内燃機関1の燃焼状態が安定し
たか否かを判別する。具体的には、CPU42は、電磁
弁39の開度:DPGを閉方向に補正した後の機関回転
数変動:DLNを算出し、算出した機関回転数変動:D
LNが第2の基準値:DLNS2以下になったか否かを
判別する(図中)。
【0210】図13の例では、図中の時点で機関回転
数変動:DLNが第2の基準値:DLNS2より小さく
なっているので、CPU42は、内燃機関1の燃焼状態
が十分に安定したとみなし、蒸発燃料のパージ量を増加
させるべく、電磁弁39の開度:DPGを開方向に所定
量:K・△DPGだけ補正する。このような電磁弁39
の開方向への開度補正は、機関回転数変動:DLNが第
2の基準値:DLNS2以下である限り繰り返される
(図中〜)。
【0211】電磁弁39の開方向への開度補正が繰り返
されることにより、電磁弁39の開度:DPGが最大開
度:MAXDPGに達すると、CPU42は、電磁弁3
9の開度補正を終了し、RAM44の燃焼状態識別フラ
グ(FDLN)記憶領域へアクセスして“0”を書き込
む(図中)。その後、CPU42は、印加電圧:VP
の更新処理を再開する。
【0212】一方、図13中の時点で機関回転数変
動:DLNが第2の基準値:DLNS2以下にならなか
った場合は、CPU42は、図14のタイミングチャー
トに示すように、電磁弁39の開度:DPGを更に所定
量:△DPGだけ閉方向へ補正する。
【0213】電磁弁39の開度:DPGを閉方向へ所定
量:△DPG補正した時点から所定時間経過後(図中
’)に、CPU42は、機関回転数変動:DLNを算
出し、算出した機関回転数変動:DLNと第2の基準
値:DLNS2とを再度比較する。
【0214】その際、機関回転数変動:DLNが第2の
基準値:DLNS2より大きければ、CPU42は、電
磁弁39の開度:DPGを更に所定量:△DPGだけ閉
方向に補正することになるが、図14の例では図中’
の時点で機関回転数変動:DLNが第2の基準値:DL
NS2より小さくなっているので、内燃機関1の燃焼状
態が十分に安定したとみなし、電磁弁39の開度:DP
Gを所定量:K・△DPGずつ開方向へ補正する。
【0215】このように、内燃機関1の燃焼状態に応じ
て蒸発燃料のパージ量を調節することにより、燃焼状態
が不安定とならない範囲内でパージ量を増加させること
が可能となる。
【0216】尚、CPU42は、パージ実行中に内燃機
関1が非アイドル状態からアイドル状態に移行した場合
や、均質燃焼状態から成層燃焼状態に移行した場合等
は、正圧ポンプ50の印加電圧:VPを初期値:△VP
に戻し、燃焼状態の安定化を図るものとする。
【0217】また、CPU42は、パージすべき蒸発燃
料量が減少したときは、直ちに正圧ポンプ50の印加電
圧:VPを初期値:△VPに戻し、通常のパージ制御あ
るいはパージの実行を停止するようにしてもよい。
【0218】以下、本実施の形態の作用及び効果につい
て述べる。
【0219】CPU42は、アイドル判定ルーチンとパ
ージ実行制御ルーチンとを所定時間毎に実行する。アイ
ドル判定ルーチンは、前述の第1の実施の形態にかかる
アイドル判定ルーチンと同様であり、ここでは説明を省
略する。
【0220】図15は、本実施の形態にかかるパージ実
行制御ルーチンを示すフローチャートである。このパー
ジ実行制御ルーチンでは、CPU42は、S1501に
おいてパージ実行条件が成立しているか否かを判別し、
パージ実行条件が不成立であると判定した場合は本ルー
チンの実行を終了する。
【0221】一方、前記S1501においてパージ実行
条件が成立していると判定した場合はCPU42は、S
1502へ進み、RAM44のパージアイドル判定フラ
グ(FPIDL)記憶領域に“1”が記憶されているか
否かを判別する。
【0222】前記S1502においてパージアイドル判
定フラグ(FPIDL)記憶領域に“0”が記憶されて
いる判定した場合は、CPU42は、内燃機関1が非ア
イドル状態にあるとみなし、S1505へ進む。S15
05では、CPU42は、その時点における機関回転数
変動:DLNを算出する。
【0223】続いて、CPU42は、S1506へ進
み、ROM43の第1の基準値制御マップへアクセス
し、その時点における機関回転数に対応する第1の基準
値:DLNS1を算出する。そして、CPU42は、前
記S1505で算出した機関回転数変動:DLNと前記
第1の基準値:DLNS1とを比較する。
【0224】前記S1506において機関回転数変動:
DLNが第1の基準値:DLNS1以下であると判定し
た場合は、CPU42は、内燃機関1の燃焼状態が安定
しているとみなし、S1508へ進む。
【0225】また、前記S1506において機関回転数
変動:DLNが第1の基準値:DLNS1より大きいと
判定した場合は、内燃機関1の燃焼状態が不安定である
とみなし、S1507へ進む。S1507では、CPU
42は、RAM44の燃焼状態識別フラグ(FDLN)
記憶領域にアクセスし、“1”を書き込む。
【0226】前記S1506で機関回転数変動:DLN
が第1の基準値:DLNS1以下であると判定し、ある
いは前記S1507の処理を実行し終えたCPU42
は、S1508へ進み、RAM44の燃焼状態識別フラ
グ(FDLN)記憶領域へアクセスし、“1”が記憶さ
れているか否かを判別する。
【0227】前記S1508において燃焼状態識別フラ
グ(FDLN)記憶領域に“0”が記憶されていると判
定した場合は、CPU42は、S1509へ進み、電磁
弁39の開度:DPGを最大開度:MAXDPGに設定
し、最大開度:MAXDPGに対応する駆動パルス信号
を電磁弁39に印加する。
【0228】S1510では、CPU42は、前回算出
された所定電圧:S△VPをRAM44の所定領域から
読み出し、その所定電圧:S△VPに所定値:△VPを
加算して新たな所定電圧:S△VP(=S△VP+V
P)を算出する。
【0229】S1511では、CPU42は、前記S1
510で算出された所定電圧:S△VPを新たな印加電
圧:VPとして設定する。そして、CPU42は、新た
な印加電圧:VPを正圧ポンプ50に印加し、本ルーチ
ンの実行を一旦終了する。
【0230】この場合、正圧ポンプ50の印加電圧が高
くなり、正圧ポンプ50から送出される大気の圧力が高
くなるため、パージ通路49の上流と下流との圧力差が
大きくなる。これにより、チャコールキャニスタ34を
貫流する大気の流量が増加し、チャコールキャニスタ3
4から吸気管18へパージされる蒸発燃料の量が増加す
る。
【0231】一方、前記S1508において燃焼状態識
別フラグ(FDLN)記憶領域に“1”が記憶されてい
ると判定した場合は、CPU42は、既に蒸発燃料のパ
ージが実行されており、それにより内燃機関1の燃焼状
態が不安定になっているとみなし、S1512へ進む。
【0232】S1512では、CPU42は、その時点
における電磁弁39の開度:DPGが最大開度:MAX
DPGより小さいか否か、すなわち内燃機関1の燃焼状
態を安定させるべく電磁弁39の開度:DPGを閉方向
に補正済みであるか否かを判別する。
【0233】前記S1512において電磁弁39の開
度:DPGが最大開度:MAXDPGより小さくない
(DPG=MAXDPG)と判定した場合は、CPU4
2は、S1513へ進み、その時点における電磁弁39
の開度:DPGから所定量:△DPGを減算して新たな
開度:DPGを算出し、その新たな開度:DPGに対応
する駆動パルス信号を電磁弁39に印加する。
【0234】このとき、電磁弁39が所定量:△DPG
だけ閉じられるため、パージ通路49の流路が狭くな
り、チャコールキャニスタ34から吸気管18へ導入さ
れる蒸発燃料量が減少する。この結果、内燃機関1に供
給される蒸発燃料が減少し、内燃機関1の機関回転数変
動が小さくなる。
【0235】S1514において、CPU42は、電磁
弁39の開度を閉方向へ補正した後の機関回転数変動:
DLNを算出するとともに、ROM43の第2の基準値
制御マップへアクセスしてその時点における機関回転数
に対応する第2の基準値:DLNS2を算出する。そし
て、CPU42は、前記機関回転数変動:DLNが前記
第2の基準値:DLNS2以下であるか否か、つまり電
磁弁39の開度を閉方向に補正したことにより内燃機関
1の燃焼状態が安定したか否かを判別する。
【0236】前記S1514において機関回転数変動:
DLNが第2の基準値:DLNS2以下であると判定し
た場合は、CPU42は、内燃機関1の燃焼状態が安定
しているとみなし、S1515へ進む。
【0237】S1515では、CPU42は、その時点
における電磁弁39の開度:DPGに所定量:K・△D
PGを加算して新たな開度:DPG(=DPG+K・△
DPG)を算出する。次いでCPU42は、S1516
において前記S1515で算出された開度:DPG(=
DPG+K・△DPG)が最大開度:MAXDPG以上
であるか否かを判別する。
【0238】前記S1516において前記S1515で
算出された開度:DPG(=DPG+K・△DPG)が
最大開度:MAXDPG未満であると判定した場合は、
CPU42は、前記S1515で算出された開度:DP
Gに対応する駆動パルス信号を電磁弁39に印加した
後、本ルーチンの実行を終了する。
【0239】この場合、電磁弁39が所定量:K・△D
PGだけ開かれるため、パージ通路49の流路が僅かに
拡がり、チャコールキャニスタ34から吸気管18へ導
入される蒸発燃料量が僅かに増加する。
【0240】前記S1516において前記S1515で
算出された開度:DPG(=DPG+K・△DPG)が
最大開度:MAXDPG以上であると判定した場合は、
CPU42は、S1517へ進み、最大開度:MAXD
PGを電磁弁39の新たな開度:DPGとみなし、最大
開度:MAXDPGに対応する駆動パルス信号を電磁弁
39に印加する。
【0241】続いて、CPU42は、S1518におい
て、RAM44の燃焼状態識別フラグ(FDLN)記憶
領域に“0”を書き込み、本ルーチンの実行を終了す
る。
【0242】その後、本ルーチンが再実行された際に、
S1506において機関回転数変動:DLNが第1の基
準値:DLNS1以下であれば、すなわち、電磁弁39
の開度:DPGを最大開度:MAXDPGに変更した後
も内燃機関1の燃焼状態が安定していれば、CPU42
は、S1508で燃焼状態識別フラグ(FDLN)が
“0”であると判定することになる。そして、CPU4
2は、S1509〜S1511において、正圧ポンプ5
0の印加電圧の更新処理を再開する。
【0243】また、前記S1514において機関回転数
変動:DLNが第2の基準値:DLNS2より大きいと
判定した場合は、CPU42は、S1519へ進み、電
磁弁39の開度:DPGを更に所定量:△DPGだけ閉
方向へ補正し、補正後の開度:DPG(=DPG−△D
PG)に対応する駆動パルス信号を電磁弁39に印加
し、本ルーチンの実行を終了する。
【0244】その後、本ルーチンが再実行されると、C
PU42は、S1508で燃焼状態識別フラグ(FDL
N)記憶領域に“1”が記憶されていると判定し、S1
512で電磁弁39の開度:DPGが最大開度:MAX
DPGではないと判定することになる。
【0245】そして、CPU42は、S1514におい
て機関回転数変動:DLNと第2の基準値:DLNS2
とを再度比較し、機関回転数変動:DLNが第2の基準
値:DLNS2より大きければ、S1519の処理にお
いて電磁弁39の開度:DPGを更に所定量:△DPG
だけ閉方向へ補正し、機関回転数変動:DLNが第2の
基準値:DLNS2以下であれば、S1516〜S15
18において電磁弁39の開度:DPGを所定量:K・
△DPGだけ補正する。
【0246】一方、パージの実行中に内燃機関1が非ア
イドル状態からアイドル状態へ移行すると、CPU42
は、前記S1502においてパージアイドル判定フラグ
(FPIDL)記憶領域に“1”が記憶されていると判
定することになる。この場合、CPU42は、S150
3において正圧ポンプ50の印加電圧:VPを初期値
(=△VP)に戻し、次いでS1504においてRAM
44のパージアイドル判定フラグ(FPIDL)記憶領
域に“0”を書き込んだ後、S1505以降の処理を実
行することになる。
【0247】すなわち、CPU42は、パージ実行途中
に内燃機関1が非アイドル状態からアイドル状態へ移行
すると、正圧ポンプ50の印加電圧を一旦初期値に戻し
た後、パージの実行制御を行う。
【0248】このようにCPU42がパージ実行制御ル
ーチンを繰り返し実行することにより、蒸発燃料のパー
ジ量は、内燃機関1の燃焼状態が不安定にならない範囲
内で最大の量となる。その結果、燃焼状態の安定化とパ
ージ量の最大限の確保とが高次元で両立される。
【0249】〈実施の形態5〉前述の第4の実施の形態
では、正圧ポンプ50のみで差圧変更手段を実現する例
について述べたが、本実施の形態では、スロットル弁2
1と正圧ポンプ50とを併用して差圧変更手段を実現す
る例について述べる。
【0250】この場合、CPU42は、電磁弁39の開
度:DPGを一定(例えば、全開)に保ちつつ、スロッ
トル弁21の開度:TAを制御することによりパージ量
の大まかな調節を行い、正圧ポンプ50の印加電圧:V
Pを制御することによりパージ量の微調整を行う。
【0251】ここで、本実施の形態におけるパージ量の
具体的な制御について図16のタイミングチャートに沿
って説明する。
【0252】CPU49は、パージ実行条件が成立した
時点で、機関回転数変動:DLNと第1の基準値:DL
NS1とを算出し、機関回転数変動:DLNが第1の基
準値:DLNS1以下であるか否かを判別する。
【0253】図16の例では、パージを開始する前(図
中より左側)の機関回転数変動:DLNが第1の基準
値:DLNS1より小さくなっているので、CPU42
は、内燃機関1の燃焼状態が安定しているとみなし、電
磁弁39を全開にするとともに、正圧ポンプ50からの
大気送出圧力が最大圧力となる電圧(最大電圧:MAX
VP)を正圧ポンプ50に印加する(図中)。
【0254】このとき、正圧ポンプ50から圧送される
大気の圧力と吸気管18内で発生する吸気管負圧との圧
力差により、チャコールキャニスタ34を貫流する大気
の流れが発生する。この大気の流れによりチャコールキ
ャニスタ34内の蒸発燃料が吸気管18内へ導入され、
パージが開始される。
【0255】続いて、CPU42は、スロットル弁21
下流の吸気管負圧を増大させるべく、スロットル弁21
の開度:TAを、標準開度:TASから所定開度:S△
TAだけ閉じた開度(TAS−S△TA)に変更する
(図中)。
【0256】スロットル弁21の開度:TAが前記所定
開度:S△TAだけ閉方向に補正されると、スロットル
弁21下流の吸気管18へ流れる新気の量が減少するた
め、吸気管負圧の負圧度合いが高くなり、パージ通路4
9の上流と下流との圧力差が大きくなる。この結果、チ
ャコールキャニスタ34を貫流する大気の流量が増加
し、チャコールキャニスタ34から吸気管18へ導入さ
れる蒸発燃料量も増加する。
【0257】一方、吸気管18に導入される蒸発燃料量
が増加すると、燃焼室5へ供給される混合気の状態が変
化し、機関回転数変動:DLNがパージ実行前より大き
くなるため、CPU42は、スロットル弁21の開度:
TAを閉方向に所定開度:S△TA補正した時点から所
定時間経過後に機関回転数変動:DLNを再度算出し、
算出した機関回転数変動:DLNと第1の基準値:DL
NS1とを比較する。
【0258】その際、機関回転数変動:DLNが第1の
基準値:DLNS1以下であれば、CPU42は、前記
所定開度:S△TAを更新してスロットル弁21の開
度:TAを更に所定量:△TAだけ閉方向へ補正し、吸
気管負圧の負圧度合いを更に高くする。
【0259】このようなスロットル弁21の閉方向への
開度補正により機関回転数変動:DLNが第1の基準
値:DLNS1より大きくなると(図中)、CPU4
2は、内燃機関1の燃焼状態が不安定になったとみな
し、RAM44の燃焼状態識別フラグ(FDLN)記憶
領域に“1”を書き込む。
【0260】さらに、CPU42は、スロットル弁21
の閉方向への開度補正を中止し、その時点におけるスロ
ットル弁21の開度:TA(図16の例では、TA=T
AS−△STAMAX)を維持するようアクチュエータ2
2を制御する。
【0261】そして、CPU42は、蒸発燃料のパージ
量を僅かに減少させるべく、正圧ポンプ50の印加電
圧:VPを所定量:△VPだけ小さくする。この場合、
正圧ポンプ50の大気送出圧力が僅かに小さくなるた
め、パージ通路49の上流と下流との圧力差も僅かに小
さくなる。この結果、チャコールキャニスタ34を貫流
する大気の流量が僅かに減少し、チャコールキャニスタ
34から吸気管18へ供給される蒸発燃料量が僅かに減
少する。
【0262】CPU42は、正圧ポンプ50の印加電
圧:VPを小さくした後に、機関回転数変動:DLNを
算出し、算出した機関回転数変動:DLNが第2の基準
値:DLNS2以下になったか否かを判別する(図中
)。
【0263】図16の例では、図中の時点で機関回転
数変動:DLNが第2の基準値:DLNS2より小さく
なっているので、CPU42は、内燃機関1の燃焼状態
が十分に安定したとみなし、蒸発燃料のパージ量を増加
させるべく正圧ポンプ50の印加電圧:VPを僅かに大
きくする。この場合の補正量は、前記所定値:△VPに
“1”未満の正数:Kを積算して得られる量(=K・△
VP)であり、所定値:△VPより少ない量とする。こ
の処理は、機関回転数変動:DLNが第2の基準値:D
LNS2以下である限り繰り返される(図中〜)。
【0264】印加電圧:VPの補正を繰り返すことによ
り、印加電圧:VPが最大電圧:MAXVPに達する
と、CPU42は、印加電圧の補正を終了し、RAM4
4の燃焼状態識別フラグ(FDLN)記憶領域へアクセ
スして“0”を書き込む(図中)。そして、CPU4
2は、スロットル弁21の開方向への開度補正を再開す
る。
【0265】一方、図16中のにおいて、印加電圧:
VPの補正により機関回転数変動:DLNが第2の基準
値:DLNS2以下にならなかった場合は、CPU42
は、図17のタイミングチャートに示すように、印加電
圧:VPを更に所定値:△VPだけ小さくする。
【0266】印加電圧:VPを所定値:△VPだけ小さ
くした時点から所定時間経過後(図中’)に、CPU
42は、機関回転数変動:DLNを算出し、算出した機
関回転数変動:DLNと第2の基準値:DLNS2とを
比較する。
【0267】その際、機関回転数変動:DLNが第2の
基準値:DLNS2より大きければ、CPU42は、印
加電圧:VPを更に所定値:△VPだけ小さくすること
になるが、図17の例では図中’の時点で機関回転数
変動:DLNが第2の基準値:DLNS2より小さくな
っているので、内燃機関1の燃焼状態が十分に安定した
とみなし、印加電圧:VPを所定値:K・△VPずつ大
きくする。
【0268】以下、本実施の形態の作用及び効果につい
て述べる。
【0269】CPU42は、所定時間毎に図18に示す
パージ実行制御ルーチンを実行する。このパージ実行制
御ルーチンにおいて、CPU42は、S1801でパー
ジ実行条件が成立しているか否かを判別し、パージ実行
条件が不成立であると判定した場合は本ルーチンの実行
を終了する。
【0270】一方、前記S1801においてパージ実行
条件が成立していると判定した場合はCPU42は、S
1802へ進み、RAM44のパージアイドル判定フラ
グ(FPIDL)記憶領域に“1”が記憶されているか
否かを判別する。
【0271】前記S1802においてパージアイドル判
定フラグ(FPIDL)記憶領域に“0”が記憶されて
いる判定した場合は、CPU42は、内燃機関1が非ア
イドル状態にあるとみなし、S1805へ進む。S18
05では、CPU42は、その時点における機関回転数
変動:DLNを算出する。
【0272】続いて、CPU42は、S1806へ進
み、ROM43の第1の基準値制御マップへアクセス
し、その時点における機関回転数に対応する第1の基準
値:DLNS1を算出する。そして、CPU42は、前
記S1805で算出した機関回転数変動:DLNと前記
第1の基準値:DLNS1とを比較する。
【0273】前記S1806において前記機関回転数変
動:DLNが前記第1の基準値:DLNS1以下である
と判定した場合は、CPU42は、内燃機関1の燃焼状
態が安定しているとみなし、S1808へ進む。
【0274】また、前記S1806において前記機関回
転数変動:DLNが前記第1の基準値:DLNS1より
大きいと判定した場合は、内燃機関1の燃焼状態が不安
定であるとみなし、S1807へ進む。S1807で
は、CPU42は、RAM44の燃焼状態識別フラグ
(FDLN)記憶領域にアクセスし、“1”を書き込
む。
【0275】前記S1806で機関回転数変動:DLN
が第1の基準値:DLNS1以下であると判定し、ある
いは前記S1807の処理を実行し終えたCPU42
は、S1808へ進み、RAM44の燃焼状態識別フラ
グ(FDLN)記憶領域に“1”が記憶されているか否
かを判別する。
【0276】前記S1808において燃焼状態識別フラ
グ(FDLN)記憶領域に“0”が記憶されていると判
定した場合は、CPU42は、S1809へ進み、電磁
弁39の開度が全開となるよう電磁弁39を駆動する。
【0277】次いで、CPU42は、S1810におい
て、正圧ポンプ50の印加電圧:VPを最大電圧:MA
XVPに設定し、その最大電圧:MAXVPを正圧ポン
プ50に印加する。
【0278】この場合、正圧ポンプ50から圧送された
大気がパージ通路49の上流に流れ込むとともに、スロ
ットル弁21下流の吸気管18内で発生した吸気管負圧
がパージ通路49の下流に印加されるため、パージ通路
49の上流と下流とで大きな圧力差が生じ、チャコール
キャニスタ34を貫流する大気の流れが発生する。この
大気の流れにより、チャコールキャニスタ34内の吸着
剤に吸着していた蒸発燃料が吸着剤から脱離して吸気管
18内へ導入される。
【0279】次に、CPU42は、S1811へ進み、
RAM44の所定領域から前回算出された所定開度:S
△TAを読み出し、その所定開度:S△TAに所定値:
△TAを加算して新たな所定開度:S△TA(=S△T
A+△TA)を算出する。
【0280】続いて、CPU42は、S1812へ進
み、標準開度:TASから前記S1811で算出された
所定開度:S△TAを減算して、スロットル弁21の新
たな開度:TA(=TAS−S△TA)を算出する。そ
して、CPU42は、実際のスロットル弁21の開度を
新たな開度:TAと一致させるべくアクチュエータ22
を制御し、本ルーチンの実行を一旦終了する。
【0281】この場合、スロットル弁21が閉方向へ駆
動され、スロットル弁21下流の吸気管18へ流れる新
気の量が減少するため、吸気管負圧の負圧度合いが高く
なる。これにより、パージ通路49の上流と下流との圧
力差がより一層大きくなり、チャコールキャニスタ34
を貫流する大気の流量が増加するため、チャコールキャ
ニスタ34から吸気管18へパージされる蒸発燃料量が
増加する。
【0282】一方、前記S1808においてRAM44
の燃焼状態識別フラグ(FDLN)記憶領域に“1”が
記憶されていると判定した場合は、CPU42は、既に
蒸発燃料のパージが実行されており、それにより内燃機
関1の燃焼状態が不安定になっているとみなし、S18
13へ進む。
【0283】S1813では、CPU42は、その時点
における正圧ポンプ50の印加電圧:VPが最大電圧:
MAXVPより小さいか否か、すなわち内燃機関1の燃
焼状態を安定させるべく印加電圧:VPを補正済みであ
るか否かを判別する。
【0284】前記S1813において正圧ポンプ50の
印加電圧:VPが最大電圧:MAXVPより小さくない
(VP=MAXVP)と判定した場合は、CPU42
は、S1814へ進み、その時点における印加電圧:V
P(=MAXVP)から所定値:△VPを減算して新た
な印加電圧:VP(=MAXVP−△VP)を算出し、
その新たな印加電圧:VPを正圧ポンプ50に印加す
る。
【0285】このとき、正圧ポンプ50の大気送出圧力
が小さくなるため、パージ通路49の上流と下流との圧
力差が小さくなり、チャコールキャニスタ34から吸気
管18へ導入される蒸発燃料量が減少する。この結果、
内燃機関1に供給される蒸発燃料が減少し、内燃機関1
の機関回転数変動が小さくなる。
【0286】CPU42は、S1815において、正圧
ポンプ50の印加電圧を補正した後の機関回転数変動:
DLNを算出するとともに、ROM43の第2の基準値
制御マップへアクセスしてその時点における機関回転数
に対応する第2の基準値:DLNS2を算出する。そし
て、CPU42は、前記機関回転数変動:DLNが前記
第2の基準値:DLNS2以下であるか否か、つまり印
加電圧:VPの補正により内燃機関1の燃焼状態が安定
したか否かを判別する。
【0287】前記S1815において機関回転数変動:
DLNが第2の基準値:DLNS2以下であると判定し
た場合は、CPU42は、内燃機関1の燃焼状態が安定
しているとみなし、S1816へ進む。
【0288】S1816では、CPU42は、その時点
における印加電圧:VPに所定値:K・△VPを加算し
て新たな印加電圧:VP(=VP+K・△VP)を算出
する。 S1817では、CPU42は、前記S181
6で算出された印加電圧:VP(=VP+K・△VP)
が最大電圧:MAXVP以上であるか否かを判別する。
【0289】前記S1817において前記S1816で
算出された印加電圧:VP(=VP+K・△VP)が最
大電圧:MAXVP未満であると判定した場合は、CP
U42は、前記S1816で算出された印加電圧:VP
(=VP+K・△VP)を正圧ポンプ50に印加した
後、本ルーチンの実行を終了する。
【0290】この場合、正圧ポンプ50の大気送出圧力
が僅かに大きくなるため、パージ通路49内の流量が僅
かに増加し、チャコールキャニスタ34から吸気管18
へ導入される蒸発燃料量も僅かに増加する。
【0291】前記S1817において前記S1816で
算出された印加電圧:VP(=VP+K・△VP)が最
大電圧:MAXVP以上であると判定した場合は、CP
U42は、S1818へ進み、最大電圧:MAXVPを
新たな印加電圧:VPとみなし、最大電圧:MAXVP
を正圧ポンプ50に印加する。
【0292】続いて、CPU42は、S1819におい
て、RAM44の燃焼状態識別フラグ(FDLN)記憶
領域に“0”を書き込み、本ルーチンの実行を終了す
る。
【0293】その後、本ルーチンが再実行された際に、
S1806において機関回転数変動:DLNが第1の基
準値:DLNS1以下であれば、すなわち、正圧ポンプ
50の印加電圧を最大電圧:MAXVPに変更した後も
内燃機関1の燃焼状態が安定していれば、CPU42
は、S1808で燃焼状態識別フラグ(FDLN)記憶
領域に“0”が記憶されていると判定することになる。
そして、CPU42は、S1809〜S1812におい
て、スロットル弁21の閉方向への開度補正を再開す
る。
【0294】また、前記S1815において機関回転数
変動:DLNが第2の基準値:DLNS2より大きいと
判定した場合は、CPU42は、S1820へ進み、正
圧ポンプ50の印加電圧:VPを更に所定値:△VPだ
け小さくし、本ルーチンの実行を終了する。
【0295】その後、本ルーチンが再実行されると、C
PU42は、S1808で燃焼状態識別フラグ(FDL
N)記憶領域に“1”が記憶されていると判定し、S1
813で印加電圧:VPが最大電圧:MAXVPではな
いと判定することになる。
【0296】そして、CPU42は、S1815におい
て機関回転数変動:DLNと第2の基準値:DLNS2
とを再度比較し、機関回転数変動:DLNが第2の基準
値:DLNS2より大きければ、S1820の処理にお
いて印加電圧:VPを更に所定値:△VPだけ小さく
し、機関回転数変動:DLNが第2の基準値:DLNS
2以下であれば、S1816〜S1819において印加
電圧:VPを所定値:K・△VPだけ大きくする。
【0297】また、パージの実行中に内燃機関1が非ア
イドル状態からアイドル状態へ移行すると、CPU42
は、前記S1802においてパージアイドル判定フラグ
(FPIDL)記憶領域に“1”が記憶されていると判
定することになる。この場合、CPU42は、S180
3においてスロットル弁21の開度:TAを標準開度:
TASに戻すべくアクチュエータ22を駆動し、次いで
S1804においてRAM44のパージアイドル判定フ
ラグ(FPIDL)記憶領域に“0”を書き込んだ後、
S1805以降の処理を実行することになる。
【0298】すなわち、CPU42は、パージ実行途中
に内燃機関1が非アイドル状態からアイドル状態へ移行
すると、スロットル弁21を一旦標準開度:TASに戻
した後、パージの実行制御を行う。
【0299】以上述べたように、スロットル弁21と正
圧ポンプ50とを併用して差圧変更手段を実現した場合
でも、前述の第1の実施の形態と同様の作用及び効果を
得ることができる。
【0300】尚、上記した第1〜第5の実施の形態にお
いて、CPU42は、パージ通路49の上流と下流との
圧力差の変更あるいは電磁弁39の開度補正に伴って、
燃料噴射弁9の噴射状態、例えば、燃料噴射量、燃料噴
射時期、あるいは噴射方向等を変更するようにしてもよ
い。さらに、CPU42は、蒸発燃料の濃度や機関運転
状態(吸入空気量、機関回転数、機関負荷)等をパラメ
ータとして各種所定値(TAS、△TA、△DPG、△
VP)や各種基準値(DLNS1、DLNS2)等を変
更するようにしてもよい。
【0301】
【発明の効果】本発明にかかる内燃機関の蒸発燃料処理
装置では、蒸発燃料を吸気通路へパージする場合に、内
燃機関の燃焼状態が安定している限り、パージ通路の上
流と下流との圧力差を増加させてパージ通路から吸気通
路へ導入される蒸発燃料量を増加させる。そして、内燃
機関の燃焼状態が不安定になると、蒸発燃料のパージ量
を減少させる。
【0302】この結果、内燃機関の燃焼状態を不安定に
することなく、蒸発燃料のパージ量を増加させることが
でき、燃焼状態の安定化と蒸発燃料のパージ量確保とを
高次元で両立することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明にかかる蒸発燃料処理装置を適用する
内燃機関の概略構成図
【図2】 第1の実施の形態にかかるECUの内部構成
を示すブロック図
【図3】 第1の実施の形態にかかるパージ実行制御を
示すタイミングチャート(1)
【図4】 第1の実施の形態にかかるパージ実行制御を
示すタイミングチャート(2)
【図5】 アイドル判定ルーチンを示すフローチャート
【図6】 第1の実施の形態にかかるパージ実行制御ル
ーチンを示すフローチャート図
【図7】 第2の実施の形態にかかるパージ実行制御を
示すタイミングチャート
【図8】 第2の実施の形態にかかるパージ実行制御ル
ーチンを示すフローチャート図
【図9】 第3の実施の形態にかかるパージ実行制御を
示すタイミングチャート
【図10】 第3の実施の形態にかかるパージ実行制御ル
ーチンを示すフローチャート図
【図11】 第4の実施の形態にかかる蒸発燃料処理装置
を適用する内燃機関の概略構成図
【図12】 第4の実施の形態にかかるECUの内部構成
を示すブロック図
【図13】 第4の実施の形態にかかるパージ実行制御を
示すタイミングチャート(1)
【図14】 第4の実施の形態にかかるパージ実行制御を
示すタイミングチャート(2)
【図15】 第4の実施の形態にかかるパージ実行制御ル
ーチンを示すフローチャート図
【図16】 第5の実施の形態にかかるパージ実行制御を
示すタイミングチャート(1)
【図17】 第5の実施の形態にかかるパージ実行制御を
示すタイミングチャート(2)
【図18】 第5の実施の形態にかかるパージ実行制御ル
ーチンを示すフローチャート図
【符号の説明】
18・・・吸気管 21・・・スロットル弁 22・・・アクチュエータ 23・・・スロットルポジションセンサ 24・・・アクセルペダル 25・・・アクセルポジションセンサ 33・・・燃料タンク 34・・・チャコールキャニスタ 35・・・蒸発燃料通路 36・・・電磁弁 37・・・大気導入通路 38・・・負圧導入通路 39・・・電磁弁 40・・・ECU 42・・・CPU 43・・・ROM 44・・・RAM 49・・・パージ通路 50・・・正圧ポンプ

Claims (12)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 酸素過剰状態の混合気を燃焼可能な希薄
    燃焼内燃機関と、 前記希薄燃焼内燃機関に併設される燃料タンク内で発生
    した蒸発燃料を前記希薄燃焼内燃機関の吸気通路へ導く
    パージ通路と、 前記パージ通路の流量を調節する流量制御弁と、 蒸発燃料のパージ実行時に前記希薄燃焼内燃機関の燃焼
    状態が安定しているか否かを判別する燃焼状態判定手段
    と、 前記パージ通路の上流と下流との圧力差を変更する差圧
    変更手段と、 蒸発燃料のパージ実行時に、前記希薄燃焼内燃機関の燃
    焼状態に応じて少なくとも前記差圧変更手段を制御して
    前記パージ通路から前記吸気通路へ導入される蒸発燃料
    量を調節するパージ制御手段と、を備えることを特徴と
    する希薄燃焼内燃機関の蒸発燃料処理装置。
  2. 【請求項2】 前記パージ制御手段は、前記希薄燃焼内
    燃機関の燃焼状態が安定している限り、前記パージ通路
    の上流と下流との圧力差を増大させるべく前記差圧変更
    手段を制御して、前記パージ通路から前記吸気通路へ導
    入される蒸発燃料量を増加させることを特徴とする請求
    項1記載の希薄燃焼内燃機関の蒸発燃料処理装置。
  3. 【請求項3】 前記パージ制御手段は、蒸発燃料のパー
    ジ実行時に前記燃焼状態判定手段により燃焼状態が不安
    定であると判定されると、前記パージ通路の上流と下流
    との圧力差を減少させるべく前記差圧変更手段を制御し
    て前記パージ通路から前記吸気通路へ導入される蒸発燃
    料量を減少させることを特徴とする請求項1記載の希薄
    燃焼内燃機関の蒸発燃料処理装置。
  4. 【請求項4】 前記パージ制御手段は、蒸発燃料のパー
    ジ実行時に前記燃焼状態判定手段により燃焼状態が不安
    定であると判定されると、その時点における前記パージ
    通路の上流と下流との圧力差を維持すべく前記差圧変更
    手段を制御するとともに、前記流量制御弁の開度を閉方
    向に所定量補正する請求項1記載の希薄燃焼内燃機関の
    蒸発燃料処理装置。
  5. 【請求項5】 前記パージ制御手段は、前記流量制御弁
    の開度を閉方向に所定量補正した後に前記燃焼状態判定
    手段により燃焼状態が安定していると判定されると、前
    記流量制御弁の開度を前記所定量未満の補正量で開方向
    に補正することを特徴とする請求項4記載の希薄燃焼内
    燃機関の蒸発燃料処理装置。
  6. 【請求項6】 前記パージ制御手段は、前記流量制御弁
    の開度を閉方向に所定量補正した後に前記燃焼状態判定
    手段により燃焼状態が不安定であると判定されると、前
    記パージ通路の上流と下流との圧力差を減少させるべく
    前記差圧変更手段を制御することを特徴とする請求項4
    記載の希薄燃焼内燃機関の蒸発燃料処理装置。
  7. 【請求項7】 前記パージ制御手段は、蒸発燃料のパー
    ジ実行時に前記燃焼状態判定手段により燃焼状態が不安
    定であると判定されると、その時点における開度を維持
    するよう前記流量制御弁を制御しつつ、前記パージ通路
    の上流と下流との圧力差を減少させるべく前記差圧変更
    手段を制御する請求項1記載の希薄燃焼内燃機関の蒸発
    燃料処理装置。
  8. 【請求項8】 前記パージ制御手段は、前記パージ通路
    の上流と下流との圧力差を減少させた後に前記燃焼状態
    判定手段により燃焼状態が安定していると判定される
    と、前記流量制御弁の開度を開方向に所定量補正するこ
    とを特徴とする請求項7記載の希薄燃焼内燃機関の蒸発
    燃料処理装置。
  9. 【請求項9】 前記パージ制御手段は、前記パージ通路
    の上流と下流との圧力差を減少させた後に前記燃焼状態
    判定手段により燃焼状態が不安定であると判定される
    と、前記パージ通路の上流と下流との圧力差を更に減少
    させるべく前記差圧変更手段を制御することを特徴とす
    る請求項7記載の希薄燃焼内燃機関の蒸発燃料処理装
    置。
  10. 【請求項10】 前記差圧変更手段は、吸気通路の吸気
    流量を調節するスロットル弁であり、通常の運転領域で
    は実質的に全開状態となる第1の開度を維持し、パージ
    実行時は第1の開度より閉じた第2の開度となるよう制
    御されることを特徴とする請求項1記載の希薄燃焼内燃
    機関の蒸発燃料処理装置。
  11. 【請求項11】 前記パージ制御手段は、内燃機関の運
    転状態が変更されると、前記パージ通路の上流と下流と
    の圧力差を通常の圧力差に戻すべく差圧変更手段を制御
    する請求項1記載の希薄燃焼内燃機関の蒸発燃料処理装
    置。
  12. 【請求項12】 前記差圧変更手段は、前記パージ通路
    の上流から下流へ向けて所望圧力の大気を送出する正圧
    ポンプであることを特徴とする請求項1記載の希薄燃焼
    内燃機関の蒸発燃料処理装置。
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