JP3870519B2 - 希薄燃焼内燃機関の蒸発燃料供給制御装置 - Google Patents

希薄燃焼内燃機関の蒸発燃料供給制御装置 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、希薄燃焼内燃機関の蒸発燃料供給制御装置に係り、例えば燃料タンク等から発生する蒸発燃料(ベーパ)を希薄燃焼内燃機関の運転状態に応じて吸気系に供給する希薄燃焼内燃機関の蒸発燃料供給制御装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、一般的に使用されているエンジンにおいては、燃料噴射弁からの燃料は吸気ポートに噴射され、燃焼室には予め燃料と空気との均質混合気が供給される。かかるエンジンでは、アクセル操作に連動するスロットル弁によって吸気通路が開閉され、この開閉により、エンジンの燃焼室に供給される吸入空気量(結果的には燃料と空気とが均質に混合された気体の量)が調整され、もってエンジン出力が制御される。
【0003】
しかし、上記のいわゆる均質燃焼による技術では、スロットル弁の絞り動作に伴って大きな吸気負圧が発生し、ポンピングロスが大きくなって効率は低くなる。これに対し、スロットル弁の絞りを小とし、燃焼室に直接燃料を供給することにより、点火プラグの近傍に可燃混合気を存在させ、当該部分の空燃比を高めて着火性を向上するようにしたいわゆる「希薄燃焼(成層燃焼)」という技術が知られている。
【0004】
例えば、特開平5−223017号公報に開示された技術においては、燃料を燃焼室内に均一に分散して噴射供給するべく、吸気通路途中に設けられた均質燃焼用の燃料噴射弁と、点火プラグ周りに向けて燃料を直接気筒内に噴射供給する成層燃焼用(筒内噴射用)の燃料噴射弁とが設けられている。そして、エンジンの比較的低負荷時には、成層燃焼用の燃料噴射弁から燃料が噴射され、点火プラグ周りに偏在供給されるとともに、スロットル弁が開かれて希薄燃焼が実行される。これにより、ポンピングクロスの低減が図られ、燃費の向上が図られる。
【0005】
一方、高負荷時には、均質燃焼用の燃料噴射弁からも燃料が噴射される。これにより、最適な混合気形成が行われ、出力向上が図られる。
また、この技術では、燃料タンクで発生した蒸発燃料を吸気通路内に供給するためのパージ制御装置が具備されている。このパージ制御装置は、運転状態に応じて制御される電磁開閉弁の開閉により、蒸発燃料を吸気通路内に供給制御するものである。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、希薄燃焼(成層燃焼)状態においては、排気中のNOx を浄化するため、排気通路にNOx 吸蔵還元触媒を配置した場合、この触媒にトラップされるNOxが飽和状態となったり、負圧により制動操作を助勢するためのブレーキブースタ内の負圧が不足しがちとなる。このため、吸蔵されたNOxを強制的に放出・浄化させたり、ブレーキ負圧を確保するために、スロットル弁を一時的に閉じる等して、空燃比を小さくしてストイキ近傍、あるいはリッチ状態まで濃くする必要が生じる。そして、このように、空燃比が濃い状態に制御された場合に更に蒸発燃料が供給されると、制御中の空燃比が要求される空燃比とはずれたものとなってしまうおそれがあった。その結果、燃焼状態が不安定となり、リッチ失火が発生する恐れがあった。
【0007】
また、希薄燃焼(成層燃焼)状態において、高地では空気密度(吸気密度)が小さいため、平地に比べて空燃比が小さくリッチになりがちとなる。そのため、このような状態でパージをそのまま実行すると、希薄燃焼、あるいは成層燃焼の状態が不安定となり、失火が発生するおそれがあった。
【0008】
本発明は上述した実情に鑑みてなされたものであって、燃料収容手段から発生する蒸発燃料を処理するため内燃機関の吸気系にパージする希薄燃焼内燃機関の蒸発燃料供給制御装置において、希薄燃焼(成層燃焼)状態での空燃比を適切に制御することができ、もって空燃比の乱れに伴うリッチ失火等の発生を防止することのできる希薄燃焼内燃機関の蒸発燃料供給制御装置を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成させるため、本発明は以下の構成とした。
本発明では、希薄燃焼運転の途中で、急にリッチとなるような場合、それを予想して、蒸発燃料の供給を減少させようというものである。
(1)本発明の特徴点は、希薄燃焼内燃機関の蒸発燃料供給制御装置において、内燃機関の燃料を収容する燃料収容手段から発生する蒸発燃料を内燃機関の吸気系にパージするパージ通路と、前記パージ通路から前記吸気系に導入される蒸発燃料量を、内燃機関の運転状態に応じて制御するパージ制御手段と、希薄燃焼運転時に、希薄燃焼に対応する空燃比から濃い空燃比となることを判定する空燃比判定手段と、空燃比判定手段で空燃比が濃くなると判定したとき、前記パージ制御手段により決定される蒸発燃料のパージ量と、内燃機関の燃料噴射弁から噴射される燃料量のうち、少なくともパージ量を制限する燃料制限手段と、を備えた点にある。
【0010】
本発明に係る希薄燃焼内燃機関では、希薄燃焼運転が行われる際、燃料タンクで発生する蒸発燃料が吸気系に供給される。希薄燃焼状態では、多量の空気中に少量の燃料が供給されるが、このように燃料量が少ない状態では、内燃機関M1に供給される可燃混合気の空燃比が薄い状態である。そして、この状態から空燃比が濃くされる運転状態では、蒸発燃料が空燃比に及ぼす影響は甚大である。
【0011】
そこで、本発明によれば、判定手段によって、可燃混合気の空燃比が定常的な希薄燃焼状態の空燃比よりも濃くされると判定された場合に、燃料制限手段により、少なくとも供給される蒸発燃料量に制限が加えられる。このため、蒸発燃料によって空燃比に与えられる影響は低減され、空燃比が適切に制御され、乱れることがなく、リッチ失火を防止できる。
【0012】
ここで、空燃比判定手段は、空燃比が実際に濃い方向にあるときのみならず、空燃比が諸条件から濃くなるであろうと予測される場合も判定内容に含む広い概念である。また、空燃比判定手段において、希薄燃焼に対応する空燃比より濃い空燃比とは、空燃比が相対的に濃くなることを意味し、例えば、成層燃焼(強リーン)から均質リーン燃焼(弱リーン)へ変更されること、希薄燃焼から理論空燃比の燃焼へと変更されること、希薄燃焼からリッチ燃焼へ変更されること等の意味を含む。
【0013】
また、燃料制限手段による制限は、パージあるいは燃料噴射を禁止すること、及び、供給量を少なくすることを含む。
(1−1)ところで、希薄燃焼内燃機関では、排気ガスから窒素酸化物を除去するため、排気系に窒素酸化物還元触媒を設けることが通常である。
【0014】
この場合、リッチスパイク制御手段により、少なくとも成層燃焼等の希薄燃焼が行われている場合に、前記可燃混合気の空燃比を一時的に濃くすることにより前記内燃機関の排気通路に設けられた窒素酸化物還元触媒に吸蔵された窒素酸化物を放出・浄化させるようにしている。
【0015】
このような場合、前記空燃比判定手段は、前記窒素酸化物還元触媒に吸蔵された窒素酸化物の量が所定量よりも多くなったとき、空燃比が濃い状態であると判定するよう構成できる。
【0016】
窒素酸化物吸蔵還元触媒に吸蔵された窒素酸化物の量が所定量より大きくなった場合、リッチスパイク制御手段によって可燃混合気の空燃比が一時的に濃くされ、内燃機関M1の排気通路に設けられた窒素酸化物還元触媒に吸蔵された窒素酸化物が放出・浄化される。このことは、逆に、窒素酸化物吸蔵還元触媒に吸蔵された窒素酸化物の量が所定量より大きくなった場合に、可燃混合気の空燃比が定常的な希薄燃焼(成層燃焼)状態の空燃比よりも濃くされることを意味する。空燃比判定手段は、その判定条件をリッチスパイク制御手段で使用する情報を利用できるので、構成を簡単にすることができる。
そして、リッチスパイク前にパージ量を減量できるので、リッチ失火を未然に防止できる。
【0017】
(1−2)次いで、車両には、制動手段の補助として、前記吸気通路内の負圧を利用して車両の制動操作を助勢するためのブレーキブースタを備えることがあり、その場合、前記吸気通路の空気流量を絞ることにより、前記ブレーキ用の負圧を生成する負圧生成手段を備える。
【0018】
この場合、前記空燃比判定手段は、負圧生成手段の作動状態により判定するよう構成できる。
ブレーキブースタは、吸気通路内の負圧に基づいて作動するが、ブレーキブースタ用の負圧を確保するため、負圧生成手段が作動するときは、負圧生成のため、スロットル弁を一時的に閉じるので、吸入空気量が減って空燃比が濃くなるという場合である。従って、負圧生成手段を作動させる必要がある場合を検出すれば、それは、可燃混合気の空燃比が定常的な希薄燃焼(成層燃焼)状態の空燃比よりも濃くされる、ということを判定できるのである。
【0019】
この場合、ブレーキ用負圧確保のために、吸気管負圧を大きくすべく吸気量を絞る操作あるいは直接、負圧量から空燃比を判定するので、空燃比が濃くなる前にパージ量を減量でき、失火を未然に防止できる。
【0020】
(1−3)さらに、ブレーキブースタを設けた場合、ブレーキブースタ内の負圧量を検出するための負圧量検出手段を備えることができ、その場合、前記空燃比判定手段は、負圧量検出手段で検出される負圧量により空燃比を判定するよう構成できる。
【0021】
負圧量検出手段により検出される負圧量が、所定量よりも不足している場合には、前記(1−2)で述べた、負圧生成手段を作動させる必要があるときと同義となり、よって、可燃混合気の空燃比が定常的な希薄燃焼(成層燃焼)状態の空燃比よりも濃くされることが判定される。この場合も(1−2)と同様に、空燃比が濃くなる前にパージ量を減量でき、失火を未然に防止できる。
【0022】
(1−4)また、吸気密度を検出する吸気密度検出手段を備えることで、前記空燃比判定手段は、吸気密度検出手段で検出した吸気密度に基づいて判定するよう構成できる。
吸気密度が基準値よりも低い場合には、可燃混合気の空燃比が定常的な希薄燃焼(成層燃焼)状態の空燃比よりも濃くされることが判定される。
高地などで走行する場合、吸気密度が低くなるときにパージ量を減量するので、単位体積あたりの酸素不足下で、空燃比が濃くなることによる失火を防止できる。
【0023】
(1−5)空燃比判定手段で空燃比が濃くなると判定したとき、前記燃料制限手段によるパージ量の制限に併用して、燃料噴射状態を変更する噴射状態変更手段を備えることができる。
この場合、パージ量の減少とともに、噴射量を補正するのでより適切な燃焼を確保できる。
【0024】
(1−6)蒸発燃料濃度を検出する濃度検出手段を備え、蒸発燃料の濃度に応じてパージ量もしくは燃料噴射状態を補正する補正手段を備えることができる。
蒸発燃料濃度に応じてパージ量や燃料噴射状態を補正するので、適切な燃焼を得ることができる。
【0025】
(1−7) なお、従来より、通常の車両においては、内燃機関の燃料を収容する燃料収容手段から発生する蒸発燃料を蓄えるためのキャニスタを備えている。そこで、本発明においては、前記パージ通路は前記内燃機関の吸気系と前記キャニスタとを連通するように接続してもよい。
(1−8) 以上の各特徴点は可能な限り組み合わせて実施できる。
【0026】
【発明の実施の形態】
<第1の実施の形態>
以下、本発明における希薄燃焼内燃機関の蒸発燃料供給制御装置を具体化した第1の実施の形態を、図面に基づいて詳細に説明する。
【0027】
図1に、実施形態の基本的構成を示す。
図1に示すように、内燃機関M1に対し、少なくとも空気を案内するための吸気通路M2が設けられ、この吸気通路M2に、燃料収容手段としての燃料タンクM4から発生する蒸発燃料をパージするパージ通路M11が設けられている。
【0028】
さらに、少なくとも希薄燃焼を行うべく、前記内燃機関M1に燃料を供給するための燃料供給手段M3(燃料噴射弁)が設けられ、また、燃料タンクM4で発生する蒸発燃料を前記吸気通路M2へパージ通路から供給するために蒸発燃料供給手段M5が設けられている。
【0029】
また、前記蒸発燃料供給手段M5を通じて前記内燃機関M1へ供給される蒸発燃料の流量を調整するための調整手段M6(パージ制御弁)と、前記内燃機関M1の運転状態を検出するための運転状態検出手段M7が設けられている。
【0030】
そして、少なくとも希薄燃焼運転が行われている場合において、前記運転状態検出手段M7の検出結果に基づき、前記内燃機関M1に供給される可燃混合気の空燃比が定常的な希薄燃焼状態の空燃比よりも濃くされることを判定するための判定手段M8が設けられている。
【0031】
さらに、この判定手段M8にて前記可燃混合気の空燃比が定常的な希薄燃焼状態の空燃比よりも濃くされると判定されたとき、前記調整手段M6を制御して、少なくとも前記内燃機関M1へ供給される前記蒸発燃料の流量に制限を加える燃料制御手段M9が設けられている。
【0032】
なお、本発明でいうパージ制御手段は、調整手段M6(パージ制御弁)、運転状態検出手段M7を含む概念であり、燃料制限手段M9は、パージ制御手段に外在的、あるいは、内在的に設けられる。
【0033】
また、調整手段M6は、蒸発燃料供給手段M5に内在する形で設けることが可能である。
なお、以下の説明において、希薄燃焼の一例として、成層燃焼というときがある。
【0034】
図2は本実施の形態において、希薄燃焼内燃機関として車両に搭載された筒内噴射式エンジンの蒸発燃料供給制御装置を示す概略構成図である。エンジン1は、例えば4つのシリンダ1aを具備し、これら各シリンダ1aの燃焼室構造が図4に示されている。これらの図に示すように、エンジン1はシリンダブロック2内にピストンを備えており、当該ピストンはシリンダブロック2内で往復運動する。シリンダブロック2の上部にはシリンダヘッド4が設けられ、前記ピストンとシリンダヘッド4との間には燃焼室5が形成されている。
【0035】
また、本実施の形態ではlシリンダ1aあたり、4つの弁が配置されており、図に示したように、第1吸気弁6a、第2吸気弁6b、第1吸気ポート7a、第2吸気ポート7b、一対の排気弁8、一対の排気ポート9がそれぞれ設けられている。
【0036】
図4に示すように、第1の吸気ポート7aはヘリカル型吸気ポートからなり、第2の吸気ポート7bはほぼ真っ直ぐに延びるストレートポートからなる。また、シリンダヘッド4の内壁面の中央部には、点火プラグ10が配設されている。この点火プラグ10には、図示しないディストリビュータを介してイグナイタ12からの高電圧が引加されるようになっている。そして、この点火プラグ10の点火タイミングは、イグナイタ12からの高電圧の出力タイミングにより決定される。さらに、第1吸気弁6a及び第2吸気弁6b近傍のシリンダヘッド4内壁面周辺部には燃料供給手段としての筒内噴射用燃料噴射弁11が配置されている。すなわち、本実施の形態においては、筒内噴射用燃料噴射弁11からの燃料は、直接的にシリンダ1a内に噴射されるようになっており、均質燃焼のみならず、成層燃焼をも行うことができるようになっている。
【0037】
また、図2に示すように、各シリンダ1aの第1吸気ポート7a及び第2吸気ポート7bは、それぞれ各吸気マニホルド15内に形成された第1吸気路15a及び第2吸気路15bを介してサージタンク16内に連結されている。各第2吸気路15b内にはそれぞれスワールコントロールバルブ17が配置されている。これらのスワールコントロールバルブ17は共通のシャフト18を介して、ステップモータ19に連結されている。このステップモータ19は、後述する電子制御装置(以下単に「ECU」という)30からの出力信号に基づいて制御される。
【0038】
前記サージタンク16は、吸気ダクト20を介してエアクリーナ21に連結され、吸気ダクト20内には、別途のステップモータ22によって開閉される負圧生成手段としてのスロットル弁23が配設されている。つまり、本実施の形態のスロットル弁23はいわゆる電子制御式のものであり、基本的には、ステップモータ22が前記ECU30からの出力信号に基づいて駆動されることにより、スロットル弁23が開閉制御される。そして、このスロットル弁23の開閉により、吸気ダクト20を通過して燃焼室5内に導入される吸入空気量が調節されるようになっている。本実施の形態では、吸気ダクト20、サージタンク16並びに第1吸気路15a及び第2吸気路15b等により、吸気通路が構成されている。また、スロットル弁23の近傍には、その開度(スロットル開度TA)を検出するためのスロットルセンサ25が設けられている。
【0039】
さらに、前記スロットル弁23よりも上流側の吸気ダクト20内には、均質用燃料噴射弁41が設けられている。すなわち、本実施の形態においては、均質用燃料噴射弁41からの燃料は、吸気ダクト20内に分散された状態で噴射され、吸気通路を経てシリンダ1a内に導入されるようになっている。
【0040】
なお、前記各シリンダの排気ポート9には、排気マニホルド14が接続されている。そして、燃焼後の排気ガスは当該排気マニホルド14を介して排気ダクト13へ排出されるようになっている。本実施の形態では排気マニホルド14及び排気ダクト13により排気通路が構成されている。
【0041】
さらに、本実施の形態では、公知の排気ガス循環(EGR)装置51が設けられている。このEGR装置51は、排気ガス循環通路としてのEGR通路52と、同通路52の途中に設けられた排気ガス循環弁としてのEGRバルブ53とを含んでいる。EGR通路52は、スロットル弁23の下流側の吸気ダクト20と、排気ダクト13との間を連通するよう設けられている。また、EGRバルブ53は、弁座、弁体及びステップモータ(いずれも図示せず)を内蔵している。EGRバルブ53の開度は、ステップモータが弁体を弁座に対して断続的に変位させることにより、変動する。そして、EGRバルブ53が開くことにより、排気ダクトへ排出された排気ガスの一部がEGR通路52へと流れる。その排気ガスは、EGRバルブ53を介して吸気ダクト20へ流れる。すなわち、排気ガスの一部がEGR装置51によって吸入混合気中に再循環する。このとき、EGRバルブ53の開度が調節されることにより、排気ガスの再循環量が調整されるのである。
【0042】
また、図2に示すように、本実施の形態では、車両の制動操作を助勢するための装置としてブレーキブースタ71が設けられている。このブレーキブースタ71によって、ブレーキペダル(図示せず)の踏込み力が増幅されるとともに、油圧に変換され、各車輪のブレーキアクチュエータ(図示せず)が駆動される。このブレーキブースタ71は、スロットル弁23よりも下流側の吸気ダクト20に対し、接続配管73を介して接続されており、該ダクト20内で発生する負圧を駆動力として利用するように構成されている。さらに、接続配管73には、吸気ダクト20内に負圧により開く逆止弁74が設けられている。すなわち、ブレーキブースタ71は、その内部において、作動部としてのダイヤフラムを備えている。そして、ダイヤフラムの一側部が大気に開放されており、他側部に対し、前記ダクト20内で発生した負圧が接続配管73を介して作用するようになっている。また、前記接続配管73には、ブレーキブースタ内圧力(絶対圧)を検出するための負圧量検出手段としての圧力センサ72が設けられている。
【0043】
更に、本実施の形態では、前記排気ダクト13内には、窒素酸化物還元触媒としての窒素酸化物吸蔵還元触媒61が設けられている。この触媒61は、リーン空燃比領域で発生しやすいNOxを浄化させるためのもので、基本的には、リーン空燃比での運転が行われると、排気ガス中のNOxを触媒内に吸蔵する。また、空燃比がリッチに制御されると、排気中のHC、CO等の還元剤量の増大により、吸蔵されていたNOxが触媒から放出されると同時に触媒上でNOx から窒素ガスに還元されて大気中に放出されるようになっている。
【0044】
前記NOx吸蔵還元触媒61は、例えばアルミナを担体とし、この担体上に例えばカリウムK、ナトリウムNa、リチウムLi、セシウムCsのようなアルカリ金属、バリウムBa、カルシウムCaのようなアルカリ土類、ランタンLa、イットリウムYのような希土類から選ばれた少なくとも一つと、白金Ptのような貴金属とを担持したものである。
【0045】
NOx 吸蔵還元触媒は、排気の空気過剰率λが1より大きい(リーン)のときに、排気中のNOx (NO2 、NO )を硝酸イオンNO3 - の形で吸収する性質を有している。
【0046】
すなわち、担体上に白金Pt及びバリウムBaを担持させた場合を例にとって説明すると、触媒への流入排気中の酸素濃度が増大すると(すなわち、排気の空気過剰率λが1より大きく(リーンに)なると)これら酸素が白金Pt上にO2 -又はO2-の形で白金Ptの表面に付着し、排気中のNOは、白金Ptの表面上でO2 -又はO2-と反応し、NO2 となる(2NO+O2 →2NO2 )。また、流入排気中のNO2 及び上記により生成したNO2 は白金Pt上で更に酸化されつつ、NOx 吸収剤中に吸収されて酸化バリウムBaOと結合し、硝酸イオンNO3 -の形でNOx 吸収剤内に拡散する。このため、λ>1.0の条件下では排気中のNOx がNOx 吸蔵還元触媒内に吸収される。
【0047】
また、流入排気中の酸素濃度が大幅に低下すると(すなわち、排気の空気過剰率λが1以下(リッチ)になると)、白金Pt上でのNO2の生成量が減少するため、反応が逆方向に進むようになり、吸収剤内の硝酸イオンNO3 -は、NO2 またはNOの形でNOx 吸収剤から放出される。この場合、排気中にHC、CO等の還元成分が存在すると、白金Pt上でこれら成分によりNO2 が還元される。
【0048】
本実施の形態においては、かかるNOx吸蔵還元触媒61を利用して、周知の技術であるリッチスパイク制御を行うようにしている。すなわち、リーン空燃比での運転が続けられると、前述のように前記触媒61に吸着されるNOxが飽和状態に達し、余剰のNOxは排気ガス中に混入されたまま排出されてしまうおそれがある。
【0049】
このため、本制御では前記ECU30によるスロットル弁23の閉じ込み制御が行われ、リッチスパイク条件成立カウンタのカウント値により判断される所定のタイミングを見計らって、空燃比が一時的に強制的にリッチに制御される。このような制御により、排気中のHCの量が増大し、NOxが窒素ガスに還元されて大気中に放出されることとなる。
【0050】
なお、上記カウント値は、負荷及びエンジン回転数に応じて「1」づつインクリメントされるものであり、このカウント値が所定値に達したときにリッチスパイク制御が実行される。また、リッチスパイク制御終了後は、上記カウント値は「0」にクリアされる。そして同じ処理が繰り返される。
【0051】
図5にNOx放出フラグの制御ルーチンの一例を示す。このルーチンは一定時間毎の割り込みにより実行される。
まず最初に、ステップ50において補正係数Lが1.0よりも小さいか否か、すなわち、リーン混合気が燃焼せしめられているか否かが判別される。L≧1.0のとき、すなわち、燃焼室内に供給される混合気が理論空燃比域あるいはリッチのとき、ステップ56に進んでNOx放出フラグがリセットされる、次いでステップ57においてカウント値Cが零とされ、同様にステップ58でカウント値Dが零とされる。
【0052】
これに対し、ステップ50でL<1.0であると判別されたとき、すなわちリーン混合気が燃焼せしめられているときにはステップ51に進んでカウント値Cが1だけインクリメントされる。次いでステップ52ではカウントC値が一定値C0 を越えたか否かが判別される。C>C0 になると、ステップ53に進んでNOx放出フラグがセットされ、次いでステップ54でカウント値Dが1だけインクリメントされる。次いでステップ55では、カウント値Dが一定値D0 を越えたか否かが判別され、D>D0 となるとステップ56に進んでNOx放出フラグがリセットされる。すなわちリーン混合気の燃焼がC>C0 となるまでの一定時間、例えば5分間維持されるとNOx放出フラグがセットされ、その後D>D0 となるまでの一定時間、例えば5秒間、NOx放出フラグがセットされ続ける、NOx放出フラグがセットされると、機関シリンダの燃焼室に供給される混合気がリッチにされる。
【0053】
次に、前記吸気ダクト内に蒸発燃料を供給するために取り付けられている、蒸発燃料供給手段としてのパージ制御装置81について説明する。
図2に示すように、このパージ制御装置81は、活性炭層82を有するキャニスタ83を具備し、活性炭層82両側のキャニスタ83内にはそれぞれ蒸発燃料室84と空気室85とが形成されている。
【0054】
蒸気燃料室84の一部は、電磁開閉弁87を介して燃料タンク89の上部空間に形成され、他の一部では蒸気燃料室84から吸気ダクト20内に向けてのみ流通可能な逆止弁90及び調整手段として電磁開閉弁からなるパージ制御弁86を介してスロットル弁23下流の吸気ダクト20内に連結されている。
【0055】
また、空気室85はスロットル弁23上流の吸気ダクト20内において吸入空気流の上流に向けて開口する空気取入口91に連通している。更に、燃料タンク89の上部空間は電磁開閉弁88を介して、スロットル弁23の上流で、かつ、空気取入口91の下流の吸気ダクト内に連結され、また、燃料タンク89の上部空間には圧力センサ92が取り付けられる。
【0056】
上述したように、空気取入口91は吸入空気流の上流に向けて開口しており、従って空気取入口91には動圧が作用する。従ってエンジン運転時にはキャニスタ83内の圧力は大気圧より若干高くなっている。一方、電磁開閉弁87が開弁し、このとき燃料タンク89の上部空間の圧力がキャニスタ83内の圧力よりも高いと燃料タンク89内で発生した蒸発燃料が電磁開閉弁87を介して蒸発燃料室84内に流入し、次いでこの蒸発燃料は活性炭層82内の活性炭に吸着される。電磁開閉弁86が開弁すると空気取入口91内に流入した空気が空気室85内に送り込まれ、次いで、この空気は活性炭層82内に送り込まれる。
【0057】
このとき活性炭に吸着されていた燃料が脱離し、かくして燃料成分を含んだ空気が蒸発燃料室84内に流出する。次いでこの燃料成分を含んだ空気が逆止弁90及び電磁開閉弁86を介して吸気ダクト20内に供給される。本実施の形態では、成層燃焼時には極低負荷時を除いてスロットル弁23が全開状態に保持されており、このようにスロットル弁23がほぼ全開状態であっても蒸発燃料を排気ダクト20内に供給し得るように空気取入口91に動圧が作用するようにしている。
【0058】
一方、電磁開閉弁88が開弁し、このとき燃料タンク89の上部空間の圧力が大気圧よりも高ければ燃料タンク89内で発生した蒸発燃料が電磁開閉弁88を介して吸気ダクト20内に供給される。なお、本実施の形態では燃料タンク89の上部空間の圧力が大気圧ではなくて大気圧よりも若干高い設定圧よりも高くなったときに電磁開閉弁88が開弁せしめられる。
【0059】
また、前述のように本実施の形態では、電磁開閉弁86が開弁すればキャニスタ83の活性炭層82内に吸着された蒸発燃料が吸気ダクト20内に供給され、電磁開閉弁88が開弁すれば燃料タンク89内に発生している蒸発燃料が吸気ダクト20内に供給される。このように本実施の形態では、キャニスタ83からも燃料タンク89からも蒸発燃料を吸気ダクト20内に供給し得るようになっている。
【0060】
さて、図2及び図3に示すように、上述したECU30は、デジタルコンピュータからなっており、双方向性バス31を介して相互に接続されたRAM(ランダムアクセスメモリ)32、ROM(リードオンリメモリ)33、マイクロプロセッサからなるCPU(中央処理装置)34、入力ポート35及び出力ポート36を具備している。本実施の形態においては、当該ECU30により、判定手段及び燃料制限手段が構成されている。
【0061】
車両のアクセルペダル24には、当該アクセルペダル24の踏込み量に比例した出力電圧を発生するアクセルセンサ26Aが接続され、該アクセルセンサ26Aによりアクセル開度ACCPが検出される。当該アクセルセンサ26Aの出力電圧は、AD変換器を介して入力ポート35に入力される。また、同じくアクセルペダル24には、アクセルペダル24の踏込み量が「0」であることを検出するための全閉スイッチ26Bが設けられている。すなわち、この全開スイッチ26Bは、アクセルペダル24の踏込み量が「0」である場合に全閉信号として「1」の信号を、そうでない場合には「0」の信号を発生する。そして、該全閉スイッチ26Bの出力電圧も入力ポート35に入力されるようになっている。
【0062】
また、上死点センサ27は例えば1番シリンダ1aが吸気上死点に達したときに出力パルスを発生し、この出力パルスが入力ポート35に入力される。クランク角センサ28は例えばクランクシャフトが30°CA回転する毎に出力パルスを発生し、この出力パルスが入力ポートに入力される。CPU34では上死点センサ27の出力パルスとクランク角センサ28の出力パルスからエンジン回転数NEが算出される(読み込まれる)。
【0063】
さらに、前記シャフト18の回転角度は、スワールコントロールバルブセンサ29により検出され、これによりスワールコントロールバルブ17の開度が検出されるようになっている。そして、スワールコントロールバルブセンサ29の出力はA/D変換器37を介して入力ポート35に入力される。
【0064】
併せて、前記スロットルセンサ25により、スロットル開度TAが検出される。このスロットルセンサ25の出力はA/D変換器を介して入力ポート35に入力される。
【0065】
加えて、本実施の形態では、サージタンク16内の圧力(吸気圧)を検出する吸気圧センサ46が設けられている。さらに、エンジン1の冷却水の温度(冷却水温)を検出する水温センサ47が設けられている。また、排気ダクト13には酸素センサ62が設けられている。これらのセンサ46,47,62の出力もA/D変換器を介して入力ポート35に入力されるようになっている。
【0066】
本実施の形態において、これらスロットルセンサ25、アクセルセンサ26A、全閉スイッチ26B、上死点センサ27、クランク角センサ28、スワールコントロールバルブセンサ29、吸気圧センサ46、水温センサ47、酸素センサ62及び圧力センサ72、92等により、運転状態検出手段が構成されている。
【0067】
一方、出力ポート36は、対応する駆動回路を介して各燃料噴射弁11,41、各ステップモータ19,22,イグナイタ12、EGRバルブ53(ステップモータ)及び各電磁開閉弁86〜88等に接続されている。そして、ECU30は各センサ等25〜29,46,47,62,72,92からの信号に基づき、ROM33内に格納された制御プログラムに従い、燃料噴射弁11,41、ステップモータ19,22、イグナイタ12、EGRバルブ53(ステップモータ)及び各電磁開閉弁86〜88等を好適に制御する。
【0068】
上記構成を備えたエンジン1の蒸発燃料供給制御装置における、第1の実施の形態に係る制御プログラムについて、図6のフローチャート等を参照して説明する。
【0069】
すなわち、図6は、本実施の形態における電磁開閉弁86を制御して吸気ダクト20に供給される蒸発燃料の制御を実行する、パージ制御のための「蒸発燃料供給制御ルーチン」を示すフローチャートであって、前記ECU30により実行される。この例は、(1−1)の特徴点を実施するものである。
【0070】
なお、パージは、パージ実行条件、例えば▲1▼暖機が完了した、▲2▼始動から所定時間が経過した、▲3▼燃料噴射量が燃焼を成立させるための最低噴射量以上であること、等の条件をすべて満たしたとき、パージ実行のフラグがONされて、開始される。
【0071】
そして、パージ量を制御する電磁開閉弁86はデューティ制御式の場合、デューティ比が0%(全閉)から機関運転状態(燃料噴射量)に対応するデューティ比になるよう、徐々に増加される。そして、パージ禁止条件、例えば、燃料カット実行等が成立するとパージが中止される。
【0072】
また、パージにより蒸発燃料が内燃機関に供給されるので、内燃機関に供給される燃料噴射量は、供給される蒸発燃料に相当する蒸発燃料補正量FPGにより補正が加えられる。
【0073】
すなわち、
最終燃料噴射量QALLINJ=基本燃料噴射量QALL−蒸発燃料量補正量FPG +K・・・式(1)
K:暖機増量係数、加速増量係数、減速時補正係数、後述する還元剤量係数などの種々の補正係数である。
【0074】
以上の点を前提に、図6の処理を説明する。
パージ制御において、図6の処理では、ECU30は先ず、エンジン回転数NEとアクセル開度ACAが入力される(ステップ90)。次いで、入力されたエンジン回転数とアクセル開度に従って基本的な基本燃料噴射量(QALL)を計算する(ステップ91)。
【0075】
すなわち、まず、図示しないエンジン回転数及びアクセル開度と、基本燃料噴射量との相関関係を定めたマップから、当該エンジン回転数とアクセル開度に対応する基本燃料噴射量を補間的に計算する。なお、噴射量マップとして、運転条件あるいは燃焼状態に応じた複数のマップが用意されており、その中から適宜選択されて使用される。
【0076】
ステップ92では、パージ中であるか否かを判定し、パージ中であれば、ステップ101において、現在、リッチスパイク制御が実行されているか否かを判断する。そして、リッチスパイク制御が実行されていると判断される場合には、蒸発燃料の供給は不適当と判断し、ステップ106において、電磁開閉弁86の開度に相当するデューティ比DPGを「0」として、その後の処理を一旦終了する。すなわち、リッチスパイク制御が実施されていると判定された場合は、蒸発燃料の供給が停止される。
【0077】
一方、前記ステップ101において、現在、リッチスパイク制御が実行されていないと判断される場合には、ステップ102に移行する。ステップ102においては、リッチスパイク条件成立カウンタのカウント値が予め設定された所定値C0 よりも大きいか否かを判断する。このリッチスパイク条件成立カウンタは、既述のように図5で示したフローチャートに従って所定の条件に基づき、前記ECU30によってカウントされているもので、リッチスパイク制御実施後はリセットされ、再カウントされるものである。そして、このリッチスパイク条件成立カウンタのカウント値が、上記所定値C0 以下と判断された場合には、ステップ107において、大気圧と吸気ダクト20内圧力との差圧dpに基づき、デューティー比DPGを算出しする。
【0078】
なお、この算出に際し採用される関数fは、上記差圧dpに対応する従来より採用されているものであり、この算出結果による電磁開閉弁86の開度により蒸発燃料の流量が制御されることとなる。また、上記差圧dp算出のための大気圧として、例えばエンジン始動時に吸気圧センサ46により求められた吸気圧を記録し、利用する。一方、吸気ダクト20内圧力はその都度、吸気圧センサ46によりもとめられた吸気圧を利用する。
【0079】
また、前記ステップ102において、リッチスパイク条件成立カウンタのカウント値が前記所定値C0 よりも大きいと判断される場合には、間もなくリッチスパイク制御が実行されることを推測し、ステップ103に移行する。ステップ103においては、前回のデューティー比DPGi-1を所定値αだけ減量させる。すなわち、電磁開閉弁86の開度を少しずつ減少させて、蒸発燃料の流量を減量するのである。その後はステップ104に移行する。
【0080】
ステップ104において、前記デューティー比DPGが「0」か否かを判断する。前記デューティー比DPGが「0」ではないと判断された場合には、その後の処理を一旦終了する。すなわち、蒸発燃料の供給がステップ103の処理により停止されない限り、ステップ103により得られたデューティー比DPGに基づいて電磁開閉弁86の開度が制御され、蒸発燃料の供給が制御される。
【0081】
一方、ステップ104において、前記デューティー比DPGが「0」と判断される場合には、ステップ105に移行する。ステップ105において、リッチスパイク制御の実行を許可する。すなわち、蒸発燃料の供給が停止されたことを確認した後に、リッチスパイク制御が実行されることとなる。
【0082】
その後、ステップ108では、デューティ比から蒸発燃料量補正量が換算される。すなわち、デューティ比により決定されるパージ制御弁の開度と、吸気管負圧等でパージ量が決定するので、パージガス中の蒸発燃量濃度が判明すれば、蒸発燃料量が判明する。この蒸発燃料量が内燃機関に供給されるので、ステップ109では、式(1)
最終燃料噴射量QALLINJ=基本燃料噴射量QALL−蒸発燃料量補正量FPG+K0
K0:NOxを浄化するために必要な還元剤(HC)の量を定めた還元剤量係数
に従って、予め得た基本燃料噴射量から蒸発燃料量を補正量として差し引くことで、最終的に内燃機関に供給される燃料噴射量を補正する。
【0083】
なお、ステップ92で、パージ中でないとされた場合、ステップ93で蒸発燃料量補正量を0とし、最終燃料噴射量(QALLINJ)を基本燃料噴射量(QALL)+K0とする。その後、別途定めた燃料噴射プログラムに従って燃料噴射を行う。
次に、本実施の形態の作用及び効果について説明する。
【0084】
(a)本実施の形態によれば、成層燃焼状態において、触媒61にトラップされるNOxが飽和状態になるとき、NOxを強制的に放出・浄化させるべくリッチスパイク制御が実行される。このとき、スロットル弁23が一時的に閉じられて、空燃比がストイキ近傍、またはリッチまで濃くなることとなる。これに対し、ECU30はデューティー比DPGを減量し、その後ゼロにして電磁開閉弁86の開度を制御し、パージ制御装置81から、吸気ダクト20内に供給される蒸発燃料を減量・停止するようにした。このため、リッチスパイク制御時において、蒸発燃料によって空燃比に与えられる影響は低減される。従って、空燃比は好適に制御され、乱れることがない。その結果、リッチ失火の発生等を防止することができ、ひいてはドライバビリティを良好に保持することができる。
【0085】
(b)また、ECU30は、リッチスパイク制御の開始タイミングを、リッチスパイク制御成立カウンタのカウント値により計るとともに、このカウント値に基づいて、リッチスパイク制御実行前において、デューティー比DPGを徐々に減量することとした。このため、リッチスパイク制御の開始時の前後において、空燃比が急激に変動するのを防止することができる。従って、上記(a)の作用効果をより確実なものとすることができる。
【0086】
なお、第1の実施の形態においては、ステップ103において減量されるデューティー比DPGは所定値αは定数であったが、これを運転状態に応じた変数としてもよい。
【0087】
また、上記第1の実施の形態においては、ステップ103においてデューティー比DPGは所定値αの減量を繰り返し、徐々にデューティー比DPGを減量し、やがてゼロとすることとしたが、これを一度でデューティー比DPGを「0」としてもよい。
【0088】
<第2の実施形態>
次に、本発明を具体化した第2の実施の形態について説明する。ただし、本実施の形態の構成等においては上述した第1の実施の形態と同等であるため、その説明を省略する。そして、以下には、第1の実施の形態との相違点を中心として説明することとなる。この例は、(1−2)(1−3)の特徴点を実施するものである。
【0089】
上記第1の実施の形態では、リッチスパイク制御の実行状況を判定し、その判定結果に基づいて電磁開閉弁86を制御して吸気ダクト20に供給される蒸発燃料を制御することとした。これに対し、本実施の形態では、吸気ダクト20負圧を大きくしてブレーキブースタ71内の負圧を生成・確保するべく吸気量を絞る際に、上記蒸発燃料を制御する点に特徴を有している。
【0090】
図7は、本実施の形態における蒸発燃料の制御を実行するための「蒸発燃料制御ルーチン」を示すフローチャートであって、メインルーチンとして図6のステップ101からステップ107の代わりに前記ECU30により実行される。
【0091】
処理がこのルーチンに移行すると、ECU30は先ずステップ201において、現在、ブレーキ制御が実行されているか否かを判断する。そして、ブレーキ制御が実行されていると判断される場合には、蒸発燃料の供給は不適当と判断し、ステップ203において、デューティー比DPGを「0」として、その後の処理を一旦終了する。すなわち、ブレーキ制御が実行されていると判定された場合は、蒸発燃料の供給が停止される。
【0092】
一方、前記ステップ201において、現在、ブレーキ制御が実行されていないと判断される場合には、ステップ202に移行する。ステップ202においては、ブレーキ負圧が予め設定された所定値BkPa(絶対圧)よりも大きいか否かを判断する。ここで、この所定値BkPaというのは、ブレーキ負圧が当該値に更に一定値を加算した値となった場合にフレーキ負圧確保の処理が実行されるという値である。このブレーキ負圧が、上記所定値BkPaよりも大きいと判断される場合には、ステップ204において、前記差圧dpに基づいてデューティー比DPGを算出し、その後の処理を一旦終了する。すなわち、デューティー比DPGは差圧dpの関数gとして算出される。そして、その結果に基いて電磁開閉弁86の開度が制御され、蒸発燃料の流量が制御されることとなる。
【0093】
また、前記ステップ202において、ブレーキ負圧が、上記所定値BkPa以下と判断される場合には、間もなくブレーキ負圧確保の処理(スロットル弁23を一時的に閉じて、空燃比をストイキ近傍まで濃くする処理)が実行されることを推測し、ステップ203において、デューティー比DPGを「0」として、その後の処理を一旦終了する。すなわち、ブレーキ負圧確保の処理が間もなく実行されると判定された場合は、蒸発燃料の供給が停止される。
【0094】
次に、本実施の形態の作用及び効果について説明する。
(a)本実施の形態によれば、成層燃焼状態において、負圧により制動操作を助勢するためのブレーキブースタ71内の負圧が不足するとき、ブレーキ負圧を確保する。このとき、スロットル弁23を一時的に閉じる等して、空燃比をストイキ近傍まで濃くすることとなる。これに対し、ECU30は上記負圧確保の前段階においてデューティー比DPGをゼロにして電磁開閉弁86を閉じ、パージ制御装置81から、吸気ダクト20内に供給される蒸発燃料を停止する。このため、ブレーキ負圧確保の処理時に蒸発燃料によって空燃比に与えられる影響は排除される。従って、空燃比は好適に制御され、乱れることがない。その結果、リッチ失火等の発生を防止することができ、ひいてはドライバビリティを良好に保持できる。
【0095】
特に、筒内噴射型の希薄燃焼内燃機関では、通常スロットル弁が全開で運転されることが多いため、ブレーキによる制動を行うとき、ブレーキブースタ用の負圧をその都度生成しなければならない。負圧の生成は、スロットル弁を一時的に閉ざすことで行うが、すると、一時的に空燃比がリッチとなり、失火を招くおそれがある。そこで、このような場合、上記したように蒸発燃料の供給を制限することで、失火を防止できる。このように、本例は、筒内噴射型の希薄燃焼内燃機関においてきわめて有効な手段である。
【0096】
上記第2の実施の形態においては、ステップ203においてデューティー比DPGは一度でカットしてデューティー比DPGを「0」としたが、これを徐々にデューティー比DPGを減量するようにしてもよい。徐々に減量すれば、切換時の急激な燃焼変化を抑制できる。
【0097】
負圧生成手段として、吸気ダクト20に設けられたスロットル弁23及び該スロットル弁23を開閉するためのアクチュエータとしてのステップモータ22よりなる電子制御式スロットル機構により構成したが、その他にも、スロットル弁23をバイパスするバイパス通気通路に設けられたアイドルスピードコントロールバルブ及び該バルブを開閉するためのアクチュエータよりなるISC機構により構成してもよい。
【0098】
また、上記EGRバルブ53等を備えたEGR装置51により構成してもよい。
さらに、図示しない負圧発生機構を別途設けるようにしてもよい。これらの場合には、いわゆる電子制御式のスロットル弁23に代えて、アクセルペダル24にリンクしたメカニカル式のスロットル弁を用いるようにしてもよい。
さらにまた、これらを適宜に組み合わせることにより負圧生成手段を構成するようにしてもよい。
【0099】
<第3の実施形態>
次に、本発明を具体化した第3の実施の形態について説明する。ただし、本実施の形態の構成等においては上述した第1の実施の形態と同等であるため、その説明を省略する。そして、以下には、第1の実施の形態との相違点を中心として説明することとする。
【0100】
上記第1の実施の形態では、リッチスパイク制御の実行状況を判定し、その判定結果に基づいて電磁開閉弁86を制御して吸気ダクト20に供給される蒸発燃料を制御することとした。これに対し、本実施の形態では、吸気圧センサ46の出力により、例えば高地の場合等吸気密度が低下したことを検出することにより、上記蒸発燃料を制御する点に特徴を有している。この例は、(1−4)を実施する例である。
【0101】
図8は、本実施の形態における蒸発燃料の制御を実行するための「蒸発燃料供給制御ルーチン」を示すフローチャートであって、メインルーチンとして図6のステップ101からステップ107の代わりに前記ECUにより実行される。
【0102】
処理がこのルーチンに移行すると、ECU30は先ずステップ301において、大気圧が予め設定された所定値CkPaよりも大きいか否かを判断する。この大気圧が、上記所定値CkPaよりも大きいと判断される場合には、ステップ303において、前記差圧dpに基づいてデューティー比DPGを算出し、その後の処理を一旦終了する。すなわち、吸気密度の低下はないものとして、通常どおり差圧dpの関数hとしてデューティー比DPGを算出する。そして、その結果に基づいて電磁開閉弁86の開度が制御され、蒸発燃料の流量が制御されることとなる。
【0103】
また、前記ステップ301において、大気圧が、上記所定値CkPa以下と判断される場合には、前回のデューティー比DPGi-1に、図9に表される大気圧との対応から求められる補正係数β(0≦β≦1)を乗じた値を新たなデューティー比DPGとして設定する。その後の処理を一旦終了する。すなわち、このステップ302を経ることにより、デューティー比DPGは徐々に減量されていく。
【0104】
次に、本実施の形態の作用及び効果について説明する。
(a)本実施の形態によれば、成層燃焼状態において、高地では空気密度(吸気密度)が小さいため、平地に比べて空燃比がリッチになりがちとなる。これに対し、ECU30は、大気圧(空気密度に相当)が小さいとき、ECU30はデューティー比DPGを減量して電磁開閉弁86の開度を制御し、パージ制御装置81から、吸気ダクト20内に供給される蒸発燃料を減量する。このため、高地においては蒸発燃料による空燃比への影響は低減される。従って、空燃比は好適に制御され、乱れることがない。その結果、リッチ失火の発生等を抑制して燃焼を安定させることができ、ひいてはドライバビリティを良好に保持できる。
【0105】
上記第3の実施の形態においては、補正係数βとして図9に示されるように、大気圧に対応して直線的に変化する値を用いたが、これは、大気圧に対応して所定値CkPaまで漸増する特性を有すれば、その他の任意の曲線を採用することができる。
【0106】
<第4の実施形態>
第4の実施形態は第1の実施形態におけるDPGの制御に、基本燃料噴量を補正するため、前記式(1)に従い、蒸発燃料補正量FPGによる制御を加えたものである。
【0107】
DPGを制御してパージ制御弁を制御し、パージ量を増加方向に制御すると、基本燃料噴射量に加えられる蒸発燃料量が増加する。従ってそのままにすると空燃比がリッチになりすぎる場合がある。そこで、DPGの増加分に対応する蒸発燃料量補正量FPGを求め、燃料噴射弁から噴射される基本燃料噴射量から蒸発燃料量補正量FPGを減らすことで、急激なリッチ状態を避ける。
次に、本実施の形態におけるパージ制御を含む燃料噴射制御の一例を図10のフローチャートに従って説明する。これは、機関回転数に応じて蒸発燃料量を補正する例である。
【0108】
まず、エンジン回転数NEとアクセル開度ACAが入力される(ステップ681)。次いで、入力データに従って基本燃料噴射量(QALL)を補間的に計算する(ステップ682)。
【0109】
すなわち、図示しないエンジン回転数及びアクセル開度と、基本燃料噴射量との相関関係を定めたマップから、当該エンジン回転数とアクセル開度に対応する基本燃料噴射量を補間的に計算する。
【0110】
ステップ683では、パージ中であるか否かを判定し、パージ中であれば、スロットル開度TAとエンジン回転数NEを取り込む(ステップ684)。
次いで、蒸発燃料量補正量(FPG)を算出する(ステップ685)。この算出は、予めマップとしてROMに記憶したスロットル開度TAエンジン回転数NEと、蒸発燃料量補正量(FPG)との相関関係(図11参照)から行う。なお、図において、高中小とは、エンジン回転数である。エンジン回転数が少ないと、蒸発燃料量補正量は増える。
【0111】
ステップ683でパージ中でないとされた場合、ステップ687で蒸発燃料量補正量=0とする。
ステップ685、687で蒸発燃料量補正量(FPG)が決定された後、ステップ686に移行し、最終燃料噴射量が決定される。ここでは、ステップ682で計算された基本燃料噴射量(QALL)から蒸発燃料量補正量(FPG)を減じ、補正係数Kを加えて最終燃料噴射量を決定する。
【0112】
その後、別途定めた燃料噴射プログラムに従って燃料噴射を行う。
なお、蒸発燃料量補正量(FPG)の別の計算方法としては、図12に示したように、パージガス量Qpから求める方法、図13に示したようにインテークマニホールドの圧力から求める方法とが例示できる。
【0113】
なお、図10に示したルーチンは所定時間間隔で繰返し実行される。
このような補正ルーチン、特にステップ684,685によって蒸発燃料量補正量を検出して補正するので、ドライバビリティやエミッションに影響することなく大量の蒸発燃料を処理できる。
【0114】
ところで、図10に示したパージ制御中に、運転条件によって、急に空燃比がリッチになる場合がある。そのような場合にも蒸発燃料を供給し続けていると、必要以上に濃い空燃比が一時的に生じ、失火する等のおそれが生じる。
【0115】
そこで、以下に説明するように、急に空燃比がリッチになるような状態を判定手段で予測して、蒸発燃料の供給、あるいは、蒸発燃料の制限と同時に燃料噴射弁からの燃料噴射量を制限する。
【0116】
以下、FPGを制御する例を図14に従って説明する。これは、(1−1)の特徴点を実施するものである。なお、FPGの制御は先に説明したDPGの制御と併用される。
【0117】
処理がこのルーチンに移行すると、ECU30は先ずステップ1101において、現在、リッチスパイク制御が実行されているか否かを判断する。そして、リッチスパイク制御が実行されていると判断される場合には、蒸発燃料の供給は不適当と判断し、ステップ1106において、蒸発燃料補正量FPGを「0」として、その後の処理を一旦終了する。すなわち、リッチスパイク制御が実施されていると判定された場合は、前記式(1)から最終噴射燃料量=基本噴射燃料量+K0(K0:NOx を浄化するために必要な還元剤(HC)の量を定めた還元剤量係数)となることを意味する。
【0118】
一方、前記ステップ1101において、現在、リッチスパイク制御が実行されていないと判断される場合には、ステップ1102に移行する。ステップ1102においては、リッチスパイク条件成立カウンタのカウント値が予め設定された所定値C0 よりも大きいか否かを判断する。このリッチスパイク条件成立カウンタは、既述のように図5で示したフローチャートに従って所定の条件に基づき、前記ECU30によってカウントされているもので、リッチスパイク制御実施後はリセットされ、再カウントされるものである。そして、このリッチスパイク条件成立カウンタのカウント値が、上記所定値C0 以下と判断された場合には、ステップ1107において、大気圧と吸気ダクト20内圧力との差圧dpに基づき、FPGを算出し、その後の処理を一旦終了する。
【0119】
なお、この算出に際し採用される関数fは、上記差圧dpに対応するものである。上記差圧dp算出のための大気圧として、例えばエンジン始動時に吸気圧センサ46により求められた吸気圧を記録し、利用する。一方、吸気ダクト20内圧力はその都度、吸気圧センサ46により求められた吸気圧を利用する。そして、算出したFPG=f(dp)に基いて、蒸発燃料量補正量により燃料噴射量が制御されることとなる。
【0120】
また、前記ステップ1102において、リッチスパイク条件成立カウンタのカウント値が前記所定値C0 よりも大きいと判断される場合には、間もなくリッチスパイク制御が実行されることを推測し、ステップ1103に移行する。ステップ1103においては、前回のFPGi-1 を所定値αだけ減量させる。
【0121】
FPGが前回より減量したことは、式(1)からすると、最終的に機関に供給される燃料噴射量が多くなるということである。その後はステップ1104に移行する。
【0122】
この間、図19(2)から明かなように、DPGが徐々に減算してリーン方向に向かうとともに、FPGが徐々に減算されてリッチに向かうので、空燃比は要求された値に保たれる。
【0123】
ステップ1104において、前記FPGが「0」か否かを判断する。FPGが「0」ではないと判断された場合には、その後の処理を一旦終了する。すなわち、蒸発燃料補正量がステップ1103の処理により0となるまで、ステップ1103により得られたFPGに基づいて最終燃料噴射量が増えていく。すなわち、空燃比はリッチスパイクに対応したリッチ側の空燃比に振られる。
【0124】
そして、ステップ1104において、前記FPGが「0」と判断される場合には、ステップ1105に移行する。ステップ1105において、リッチスパイク制御の実行を許可し、その後の処理を一旦終了する。
次に、図19を用いて従来技術と本実施例の制御上の相違を説明する。
【0125】
図19(1)は、図5で説明したリッチスパイクカウンタのカウントアップの様子を示している。図19(4)は、従来のパージ実行中におけるリッチスパイク前後の空燃比の変化を示したものでありリッチスパイク前は要求された空燃比に対してパージの影響で要求空燃比より濃い空燃比にずれた状態が続くことを示している。このまま要求空燃比からずれた状態でリッチスパイクが実行されると、空燃比がリッチスパイクに対応した空燃比より濃い状態となり、ついにはリッチ失火が発生することがある。
【0126】
一方、図19(3)は、本件実施例のDPGのみを制御した場合である。DPGはリッチスパイクが実行される前まで徐々に減算することによって、空燃比を要求される空燃比より濃い状態から要求される空燃比へと徐々に変更する。この結果、リッチスパイクが実行されたときは、リッチスパイクに対応する空燃比に合わせることができるので、リッチ失火が防止できる。またDPGを徐々に減算するので、空燃比の荒れを抑制して燃焼を安定させることもできる。さらに徐々にDPGを減算するので、DPGを急激に減少させて要求空燃比に一致させる方法に比べてパージ実行時間が長くなり、よって、パージ量を十分確保することができる。
【0127】
次に、図19(2)は、図14の実施例に対応したものであって、DPG及びFPGを共に徐々に減算して0に近づける場合である。DPGを減算すると空燃比はリーン側に振られ、FPGを減算すると空燃比はリッチ側に振られる。従って、DPG及びFPGを同期して減算すれば、空燃比を要求空燃比に一致させることができる。
【0128】
このように、この実施施の形態によれば、DPG制御と相まって、リッチスパイク実行に至るまでの間、空燃比を要求空燃比に一致させることができ、リッチスパイク制御時において、蒸発燃料によって空燃比に与えられる影響は低減される。従って、空燃比は好適に制御され、乱れることがない。その結果、リッチ失火の発生等を防止することができ、ひいてはドライバビリティを良好に保持することができる。
【0129】
なお、第4の実施の形態においては、ステップ1103において減量されるFPGは所定値αは定数であったが、これを運転状態に応じた変数としてもよい。
【0130】
また、上記第4の実施の形態においては、ステップ1103においてFPGは所定値αの減量を繰り返し、徐々にFPGを減量し、やがてゼロとすることとしたが、これを一度でFPGを「0」としてもよい。
【0131】
<第5の実施形態>
次に、本発明を具体化した第5の実施の形態について説明する。ただし、本実施の形態の構成等においては上述した第2の実施の形態と同等であり、単に制御対象をDPGからFPGにしただけである。そして、このFPG制御は、第2の実施の形態によるDPG制御と相まって、図19(2)の作用を奏する。この例は(1−2)(1−3)の特徴点を実施するものである。
【0132】
図15は、本実施の形態における蒸発燃料の制御を実行するための「蒸発燃料制御ルーチン」を示すフローチャートであって、メインルーチンとして前記ECU30により実行される。
【0133】
処理がこのルーチンに移行すると、ECU30は先ずステップ1201において、現在、ブレーキ制御が実行されているか否かを判断する。そして、ブレーキ制御が実行されていると判断される場合には、蒸発燃料の供給は不適当と判断し、ステップ1203において、蒸発燃料量補正量FPGを「0」として、その後の処理を一旦終了する。すなわち、ブレーキ制御が実行されていると判定された場合は、前記式(1)から最終噴射燃料量=基本噴射燃料量+K1となる。但し、K1はブレーキ負圧確保時に空燃比を要求空燃比に一致させるための燃料噴射量の補正係数である。ブレーキ負圧確保時はスロットルを閉じる方向に駆動するので、結果的に空燃比はリッチ側に変化する。従って、K1はパージ中止時に空燃比を、要求空燃比、例えばストイキあるいは所定のリーン空燃比に一致させる補正係数であるといえる。
【0134】
一方、前記ステップ1201において、現在、ブレーキ制御が実行されていないと判断される場合には、ステップ1202に移行する。ステップ1202においては、ブレーキ負圧が予め設定された所定値BkPa(絶対圧)よりも大きいか否かを判断する。ここで、この所定値BkPaというのは、ブレーキ負圧が当該値に更に一定値を加算した値となった場合にフレーキ負圧確保の処理が実行されるという値である。このブレーキ負圧が、上記所定値BkPaよりも大きいと判断される場合には、ステップ1204において、前記差圧dpに基づいてFPGを算出し、その後の処理を一旦終了する。すなわち、FPGは差圧dpの関数gとして算出される。そして、算出したFPG=g(dp)に基いて、蒸発燃料量補正量により燃料噴射量が制御されることとなる。
【0135】
この間、図19(2)から明かなように、DPG制御の場合とFPG制御の値とが互いに相殺し、空燃比を要求される空燃比に一致させることができる。
【0136】
また、前記ステップ1202において、ブレーキ負圧が、上記所定値BkPa以下と判断される場合には、間もなくブレーキ負圧確保の処理(スロットル弁23を一時的に閉じて、空燃比をストイキ近傍まで濃くする処理)が実行されることを推測し、ステップ1203において、FPGを「0」として、その後の処理を一旦終了する。すなわち、ブレーキ負圧確保の処理が間もなく実行されると判定された場合は、式(1)から最終噴射燃料量=基本噴射燃料量+K1(K1はブレーキ負圧確保時の燃料噴射量の補正係数)となり、空燃比はブレーキ前よりリッチ側へと振られることを意味する。
【0137】
この結果、ブレーキ負圧が必要となるまで、図19の(2)で示したように、図15で示したDPG制御が行われ、FPGが0に近づくにつれ、すなわちリッチ側に空燃比が振られるのに対し、DPGも0に近づいてリーン側に空燃比が振られ、相対的に空燃比を目標のリーン状態にすることができる。
【0138】
この実施の形態によれば、成層燃焼状態において、負圧により制動操作を助勢するためのブレーキブースタ71内の負圧確保の際、濃い空燃比になろうとするが、ECU30は負圧確保の前段階においてFPGをゼロにし、DPG制御と相まって空燃比を一定に維持し、ブレーキ負圧確保の処理時に蒸発燃料によって空燃比に与えられる影響は排除する。従って、空燃比は好適に制御され、乱れることがない。その結果、リッチ失火等の発生を防止することができ、ひいてはドライバビリティを良好に保持できる。
【0139】
特に、筒内噴射型の希薄燃焼内燃機関では、通常スロットル弁がほぼ全開で運転されることが多いため、ブレーキによる制動を行うとき、ブレーキブースタ用の負圧をその都度生成しなければならない。負圧の生成は、スロットル弁を一時的に閉ざすことで行うが、すると、一時的に空燃比がリッチとなり、失火を招くおそれがある。そこで、このような場合、上記したように蒸発燃料の供給を制限することで、失火を防止できる。このように、本例は、筒内噴射型の希薄燃焼内燃機関においてきわめて有効な手段である。
【0140】
上記第5の実施の形態においては、ステップ1203においてFPGは一度でカットしてFPGを「0」としたが、徐々にFPGを減量するようにしてもよい。
【0141】
<第6の実施の形態>
次に、本発明を具体化した第6の実施の形態について説明する。ただし、本実施の形態の構成等においては上述した第3の実施の形態と同等である。この例は、(1−4)を実施する例である。
【0142】
図16は、本実施の形態における蒸発燃料の制御を実行するための「蒸発燃料供給制御ルーチン」を示すフローチャートであって、メインルーチンとして前記ECUにより実行される。なお、この処理は、第3の実施形態である図8のDPG制御と併用される。
【0143】
処理がこのルーチンに移行すると、ECU30は先ずステップ1301において、大気圧が予め設定された所定値CkPaよりも大きいか否かを判断する。この大気圧が、上記所定値CkPaよりも大きいと判断される場合には、ステップ1303において、前記差圧dpに基づいてFPGを算出し、その後の処理を一旦終了する。すなわち、吸気密度の低下はないものとして、通常どおり差圧dpの関数hとしてFPGを算出する。そして、FPGの多寡によって最終燃料噴射量が調節される。
【0144】
また、前記ステップ1301において、大気圧が、上記所定値CkPa以下と判断される場合には、ステップ1302で、前回のFPGi-1に、図9に表される大気圧との対応から求められる補正係数β(0≦β≦1)を乗じた値を新たなFPGとして設定する。その後の処理を一旦終了する。すなわち、このステップ1302を経ることにより、FPGは徐々に減量されていく。FPGが徐々に減算されることで、空燃比はリッチ側へと振られる。
【0145】
これに対し、DPGによる制御では、空燃比はリーン側へと振られるので、両者の制御により、空燃比が要求空燃比に維持される。
【0146】
本実施の形態によれば、成層燃焼状態において、高地では空気密度(吸気密度)が小さいため、平地に比べて空燃比がリッチになりがちとなる。これに対し、ECU30は、大気圧(空気密度に相当)が小さいとき、ECU30はFPGを減量して、最終燃料噴射量は増量するが、同時にDPGも制御され、蒸発燃料量が減るので、本来要求された空燃比に制御することができる。
【0147】
このため、高地においては蒸発燃料による空燃比への影響は低減される。従って、空燃比は好適に制御され、乱れることがない。その結果、リッチ失火の発生等を防止することができ、ひいてはドライバビリティを良好に保持できる。
【0148】
上記第6の実施の形態においては、補正係数βとして図9に示されるように、大気圧に対応して直線的に変化する値を用いたが、これは、大気圧に対応して所定値CkPaまで漸増する特性を有すれば、その他の任意の曲線を採用することができる。
<第7の実施の形態>
次に、本発明を具体化した第7の実施の形態について説明する。本実施の形態は、第6の実施の形態において、補正係数βをベーパ濃度に応じてβ’に変更するようにした例である。また、図示しないが、第3の実施形態である図8のDPG制御に、図17におけるβ’を利用し、これを本実施の形態と併用する。
【0149】
なお、本実施の形態例は、(1−6)を実施する例である。
【0150】
図17は、本実施の形態における蒸発燃料の制御を実行するための「蒸発燃料供給制御ルーチン」を示すフローチャートであって、メインルーチンとして前記ECUにより実行される。
【0151】
処理がこのルーチンに移行すると、ECU30は先ずステップ2301において、大気圧が予め設定された所定値CkPaよりも大きいか否かを判断する。この大気圧が、上記所定値CkPaよりも大きいと判断される場合には、ステップ2305において、前記差圧dpに基づいてFPGを算出し、その後の処理を一旦終了する。すなわち、吸気密度の低下はないものとして、通常どおり差圧dpの関数hとしてFPGを算出する。そして、その結果に基づいて、最終燃料噴射量が調節される。
【0152】
また、前記ステップ1301において、大気圧が、上記所定値CkPa以下と判断される場合には、ステップ2302で蒸発燃料室84に設けられた濃度検出手段としてのHCセンサ(図示せず)でベーパ濃度が検出され、ステップ2303でそのベーパ濃度に対応する補正係数β’を図18に示したマップから算出する。
【0153】
次いで、ステップ2304で、前回のFPGi-1に、図18に表される大気圧、ベーパ濃度との対応から求められる補正係数β’(0≦β’≦1)を乗じた値を新たなFPGとして設定する。その後の処理を一旦終了する。すなわち、このステップ2302を経ることにより、FPGは徐々に減量されていく。FPGが徐々に減算され、空燃比はリッチ側へと振られる。
【0154】
これに対し、DPGによる制御では、空燃比はリーン側へと振られるので、両者の制御により、空燃比が要求空燃比に維持される。
【0155】
次に、本実施の形態の作用及び効果は第6の実施の形態と同一であるが、さらに、この場合は、ベーパ濃度の変化に伴いより細かな制御が可能なる。
<第8の実施形態>
図20に基づいて、蒸発燃料の濃度を検出して、パージ制御を行う場合を説明する。これは(1−6)の特徴点を実現したものである。(1−5)の特徴点と同様に、ブレーキ制御の際、パージ量を「0」にするのではなく、パージ制御弁を絞って、蒸発燃料量を少なくする一方、燃料噴射弁から供給される燃料噴射量も制限し、必要な最終燃料噴射量を、蒸発燃料と燃料噴射弁からの燃料噴射から得る場合において、蒸発燃料の濃度を考慮し、濃度に応じてパージ量あるいは燃料噴射状態を補正制御する。
【0156】
まず、ブレーキ制御のパージ制御を行うルーチンに入る(ステップ3021)。このときベーパ濃度検出手段によりベーパ濃度を検出しておく(ステップ3022)。
【0157】
次いで、ブレーキ負圧が予め定めた基準値BKPa以下であるか否かが判定される(ステップ3023)。基準値以下であれば、運転状態検出手段によって、燃料噴射量、燃料噴射時期、スロットル開度、パージ制御弁開度、機関回転数、エンジン負荷等が検出され、CPUに取り込まれる(ステップ3024)。その後、ブレーキ制御時の空燃比決定手段が空燃比の決定を行う(ステップ3025)。
【0158】
ステップ3025で決定された空燃比で運転状態を決定すべく、ステップ3026では、ブレーキ制御時における運転状態補正手段により、ベーパ濃度に応じてブレーキ制御時の燃料噴射量、燃料噴射時期、パージ制御弁開度の補正量が決定される。
【0159】
この補正量を考慮し、前記のように決定した空燃比となるよう、燃料噴射弁から供給される燃料噴射量、また、パージ制御弁開度による蒸発燃料の供給量が決定される。すなわち、最終燃料噴射量は、エンジン回転数及びアクセル開度と、基本燃料噴射量との相関関係を定めたマップから算出された、燃料噴射量に上記補正量を考慮した燃料噴射量に蒸発燃料量を加えて得る。
【0160】
燃料噴射時期(AINJ)の決定に当たっては、図21に示したマップを参照する。このマップは蒸発燃料量補正量(FPG)と燃料噴射時期の変化量(△AINJ)との相関関係を予め定めたもので、ROMに記憶されている。図21において、グラフと横軸との交差部分は理論空燃比を示す。この交差部分より左の部分は空気のみをパージしていることを意味する。すなわち、前回の燃料噴射時期(AINJO)から、蒸発燃料量補正量(FPG)に対応する燃料噴射時期の変化量(△AINJ)を減ずることで、今回の燃料噴射時期を算出する。
【0161】
ステップ3027では、決定された条件に従って、ブレーキ時のパージ制御を実行する。
なお、ステップ3023で、ブレーキ負圧が予め定めた基準値BKPa以下でない場合、処理は終了する。ベーパ濃度検出手段としては、HCセンサの他に、吸気管に設けた酸素センサ、排気管に設けた空燃比センサからベーパ濃度を算出してもよい。
【0162】
この場合、ブレーキ制御時にもパージガスを供給できるので、パージ機会が増加してベーパの大気への放出が防止できる。また、ベーパ濃度に応じて燃料噴射量や燃料噴射時期などを決定するので、最適な空燃比を実現でき、ドライバビリティを良好に保つことができる。
本発明の実施の形態は上記に限定されるものではなく、次のように変更してもよい。
【0163】
まず、上記各実施の形態においては、蒸発燃料供給制御ルーチンにおける成層燃焼状態で可燃混合気の空燃比が定常的な成層燃焼状態の空燃比よりも濃くされることの判定は、それぞれ単独に、リッチスパイク制御を行うためにNOx吸蔵還元触媒61に吸蔵されたNOxの量が所定量よりも多くなったことの判定、圧力センサ72により検出されたブレーキブースタ71内の負圧量が所定量よりも不足していることの判定または吸気圧センサ46により検出された吸気ダクト20内の空気の密度が基準値よりも低いことの判定を行ったが、これを上記各判定のうちの2以上を同時に実施して蒸発燃料の減量・停止を実施するようにしてもよい。
【0164】
上記各実施の形態では、筒内噴射式のエンジン1に本発明を具体化するようにしたが、その他のいわゆる成層燃焼、弱成層燃焼を行うタイプの内燃機関であってもよい。例えば吸気ポート7a,7bの吸気弁6a,6bの傘部の裏側に向かって噴射するタイプのものも含まれる。また、吸気弁6a、6b側に燃料噴射弁が設けられてはいるが、直接シリンダボア(燃焼室5)内に噴射するタイプのものも含まれる。
【0165】
また、上記各実施の形態では、ヘリカル型の吸気ポートを有し、いわゆるスワールを発生させることが可能な構成としたが、かならずしもスワールを発生しなくともよい。従って、例えば上記実施の形態におけるスワールコントロールバルブ17、ステップモータ19等を省略することもできる。
【0166】
さらに、上記各実施の形態では、内燃機関としてガソリンエンジン1の場合に本発明を具体化したが、その外にもディーゼルエンジン等の場合等にも具体化できる。
【0167】
上記各実施の形態では、吸気圧センサ61により大気圧PAを検出するようにしたが、別途大気圧センサを設け、これにより大気圧センサを設け、これにより大気圧を検出するようにしてもよい。
また、ブレーキ制御の際、パージ量を常に「0」にするのではなく、パージ制御弁を絞って、蒸発燃料量を少なくする一方、燃料噴射弁から供給される燃料噴射量も制限し、蒸発燃料と燃料噴射弁からの燃料噴射から得る必要な最終燃料量を、全体として減少させるようにすることも可能である。
【0168】
【発明の効果】
以上詳述したように、本発明によれば、蒸発燃料の流量を調整する調整手段とを有する希薄燃焼内燃機関に蒸発燃料供給制御装置において、成層燃焼状態での空燃比を適切に制御することができ、もって空燃比の乱れに伴うリッチ失火等の発生を防止することができるという優れた効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】請求項1の発明の基本的な概念を示す概念構成図である。
【図2】第1の実施の形態における筒内噴射式エンジンの蒸発燃料供給制御装置を示す外力構成図である。
【図3】ECUの電気的構成を示すブロック回路図である。
【図4】エンジンのシリンダ部分を拡大して示す断面模式図である。
【図5】NOx放出フラグの制御ルーチンの一例を示すフローチャート図である。
【図6】ECUにより実行される「蒸発燃料供給制御ルーチン」を示すフローチャート図である。
【図7】第2の実施の形態における「蒸発燃料供給制御ルーチン」を示すフローチャート図である。
【図8】第3の実施の形態における「蒸発燃料供給制御ルーチン」を示すフローチャート図である。
【図9】大気圧に対する補正係数の関係を示すマップである。
【図10】蒸発燃料量の補正制御例を示したフローチャート図である。
【図11】スロットル開度TAと蒸発燃料量補正量FPGとエンジン回転数NAとの相関関係を定めたマップである。
【図12】蒸発燃料量補正量FPGとパージガス量Qpとの関係を定めたマップである。
【図13】蒸発燃料量補正量FPGと、大気圧・インテークマニホールド圧間の差圧との間の相関関係を定めたマップである。
【図14】第4の実施の形態における「蒸発燃料供給制御ルーチン」を示すフローチャート図である。
【図15】第5の実施の形態における「蒸発燃料供給制御ルーチン」を示すフローチャート図である。
【図16】第6の実施の形態における「蒸発燃料供給制御ルーチン」を示すフローチャート図である。
【図17】第7の実施の形態における「蒸発燃料供給制御ルーチン」を示すフローチャート図である。
【図18】大気圧とベーパ濃度に対する補正係数の関係を示すマップである。
【図19】リッチスパイク制御とパージ制御との関係を示したタイムチャート図である。
【図20】第8の実施の形態における「蒸発燃料供給制御ルーチン」を示すフローチャート図である。
【図21】蒸発燃料量補正量(FPG)と燃料噴射時期の変化量(△AINJ)との相関関係を定めたマップである。
【符号の説明】
1…内燃機関としてのエンジン
11…燃料供給手段としての筒内噴射用燃料噴射弁
13…排気通路としての排気ダクト
20…吸気通路を構成する吸気ダクト
23…負圧生成手段としてのスロットル弁
25…運転状態検出手段を構成するスロットルセンサ
26A…運転状態検出手段を構成するアクセルセンサ
26B…運転状態検出手段を構成する全閉スイッチ
27…運転状態検出手段を構成する上支点センサ
28…運転状態検出手段を構成するクランク角センサ
29…運転状態検出手段を構成するSCVセンサ
30…判定手段及び燃料制限手段を構成するECU
46…運転状態検出手段を構成する吸気圧センサ
47…運転状態検出手段を構成する水温センサ
61…リッチスパイク制御手段を構成するNOx吸蔵還元触媒
62…運転状態検出手段を構成する酸素センサ
71…ブレーキブースタ
72…運転状態検出手段を構成する負圧量検出手段としての圧力センサ
81…蒸発燃料供給手段としてのパージ制御装置
83…キャニスタ
86…調整手段としての電磁開閉弁
87,88…電磁開閉弁
89…燃料タンク

Claims (4)

  1. 内燃機関の燃料を収容する燃料収容手段から発生する蒸発燃料を内燃機関の吸気系にパージするパージ通路と、
    前記パージ通路から前記吸気系に導入される蒸発燃料量を、内燃機関の運転状態に応じて制御するパージ制御手段と、
    希薄燃焼運転時に、希薄燃焼に対応する空燃比からそれより濃い空燃比に移行することを判定する空燃比判定手段と、
    空燃比判定手段で空燃比が濃くなると判定したとき、前記パージ制御手段により決定される蒸発燃料のパージ量と、内燃機関の燃料噴射弁から噴射される燃料量のうち、少なくともパージ量を制限する燃料制限手段と、
    を備え
    前記吸気内の負圧に基づいて車両の制動操作を助勢するためのブレーキブースタと、前記吸気の空気流量を絞ることにより、ブレーキ用の負圧を生成する負圧生成手段と、を設けるとともに、
    前記空燃比判定手段は、負圧生成手段の作動状態により判定するものであることを特徴とする希薄燃焼内燃機関の蒸発燃料供給制御装置。
  2. ブレーキブースタ内の負圧量を検出するための負圧量検出手段を備え、
    前記空燃比判定手段は、負圧量検出手段で検出される負圧量により空燃比を判定することを特徴とする請求項1に記載の希薄燃焼内燃機関の蒸発燃料供給制御装置。
  3. 空燃比判定手段で空燃比が濃くなると判定したとき、前記燃料制限手段によるパージ量の制限に併用して、燃料噴射状態を変更する噴射状態変更手段を備えたことを特徴とする請求項1または2に記載の希薄燃焼内燃機関の蒸発燃料供給制御装置。
  4. 蒸発燃料濃度を検出する濃度検出手段を備え、蒸発燃料の濃度に応じてパージ量もしくは燃料噴射状態を補正する補正手段を備えたことを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の希薄燃焼内燃機関の蒸発燃料供給制御装置。
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