JPH11132083A - 内燃機関の筒内噴射式燃料制御装置 - Google Patents
内燃機関の筒内噴射式燃料制御装置Info
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Abstract
関の筒内噴射式燃料制御装置を得る。 【解決手段】 圧縮、吸気噴射モードでインジェクタ駆
動する制御部8Bを備え、各種センサ20は、吸気量セ
ンサ、クランク角センサを含み、制御部は、圧縮噴射モ
ードにおける外部負荷変動による回転変動を、燃料供給
量Fを補正して抑制する回転変動抑制手段82、83
と、補正後の燃料供給量に基づく目標空燃比A/Foが
所定の下限値αよりもリッチ側を示すときにリッチ信号
RCを生成するリッチ判定手段85と、リッチ信号に応
答して制御空燃比を下限値でクリップする空燃比クリッ
プ手段86と、リッチ信号に応答して下限値と目標空燃
比との偏差量ΔA/Fを演算する偏差量演算手段と、偏
差量に応じて制御パラメータを出力増大方向に補正する
パラメータ補正手段87、88とを含む。
Description
エンジンなどに用いられる燃料噴射制御装置において、
気筒内に燃料を直接噴射してエンジン発生トルクを制御
する筒内噴射式燃料制御装置に関し、特に外部負荷の投
入によるエンジン回転数の変動を抑制するために、空燃
比を下限値でクリップして制御パラメータを補正するこ
とにより、コストアップを招くことなく燃焼改善を実現
して運転性を確保した内燃機関の筒内噴射式燃料制御装
置に関するものである。
れる内燃機関においては、燃料噴射用のインジェクタが
吸気管のインテークマニホールド内に設置されており、
吸入空気とともに燃料を気筒内に供給するようになって
いる。図7は吸気管内にインジェクタを設けた従来の内
燃機関の燃料制御装置を示す構成図である。
ジン1は、複数の気筒により構成されている。ここで
は、簡略化のために1つの気筒のみが示されている。エ
ンジン1の燃焼室には、吸気管1aおよび排気管1bが
連通されており、エンジン1の一端には、クランク軸1
cが連結されている。
び燃料を供給し、排気管1bは、エンジン1内で燃焼後
の排気ガスを排出する。また、クランク軸1cはエンジ
ン1と連動して回転する。エンジン1の外周部に配設さ
れた冷却水1dは、エンジン1を冷却する。
ーセンサ2は、エンジン1に吸入される空気量を吸気量
情報Qaとして計測する。吸気管1a内に設けられたス
ロットル弁3は、運転者が操作するアクセルペダル(図
示せず)と連動して開閉動作し、エンジン1の吸気量Q
aを調節する。
度センサ4は、スロットル弁3の開閉位置すなわちスロ
ットル開度θを検出する。クランク軸1cに関連して設
けられたクランク角センサ5は、クランク軸1cの回転
に同期したパルス信号すなわちクランク角信号SGTを
出力する。クランク角信号SGTは、エンジン1の回転
速度情報およびクランク軸1cの角度位置情報を示して
いる。
サ6は、エンジン1の暖機状態を検出する手段として機
能する。排気管1bに設けられたO2センサ7は、エン
ジン1から排気管1b内に排出される排気ガスの酸素濃
度Doを検出する。
は、エンジン1の周辺各部に装着された各種センサから
の検出情報(Qa、θ、SGT、Tw、Doなど)を取
り込み、運転状態に応じて各種アクチュエータ(後述す
る点火プラグおよびインジェクタ)に対する駆動制御信
号を出力し、エンジン1の各気筒毎に各種シーケンス駆
動制御(点火時期制御および燃料噴射制御)を行う。こ
れにより、エンジン1は、所望の点火タイミングおよび
空燃比で燃焼駆動される。
点火プラグ9は、制御回路8からの点火制御信号Pによ
り駆動される。バイパス通路BPは、スロットル弁3を
バイパスするように吸気管1aに設けられている。
スバルブ10は、制御回路8からのバイパス制御信号B
により駆動され、バイパス通路BPを開閉してスロット
ル弁3をバイパスする空気量を調節し、走行時のトルク
制御およびアイドリング運転時(スロットル弁3の全閉
時)のエンジン回転数制御を行う。
置のインテークマニホールドに装着されており、制御回
路8からの噴射制御信号Jにより駆動されて、エンジン
1内に燃料を供給する。
R(排ガス還流)管EPは、有害なNOx低減の目的で
エンジン1から排出された排気ガスを再び燃焼室に戻し
て再燃焼させる。EGR管EPに設けられたEGRバル
ブ12は、制御回路8からのEGR制御信号Eにより駆
動され、排気管1bから吸気管1aに還流されるEGR
量を制御する。
センサ13は、エンジン1の吸気弁の動作に同期して、
燃焼気筒を識別するための気筒識別信号SGCを制御回
路8Aに出力する。
される検出信号Qa、θ、SGT、Tw、DoおよびS
GCは、制御回路8に入力される。各種アクチュエータ
9〜12は、制御回路8から出力される制御信号P、
B、JおよびEにより駆動される。
て、制御回路8から噴射制御信号Jが出力されると、噴
射制御信号Jの駆動パルス幅に応じてインジェクタ11
が駆動され、噴射制御信号Jに応じた量の燃料が吸気管
1a内に噴射される。
た場合、燃料が実際にエンジン1の気筒内に吸入される
前に、燃料の一部が吸気管1aの内壁やエンジン1の吸
気弁に付着してしまう。このような付着燃料は、特に燃
料が気化しにくい低温時(始動運転時)や早い燃料量応
答が要求される過渡運転時において発生し易く、排気ガ
スの有害成分に大きな影響を与えることになる。
燃料を噴射する筒内噴射式燃料制御装置が提案されてい
る。このような筒内噴射式燃料制御装置は、理想的なエ
ンジンとして注目されており、一般的な自動車用ガソリ
ンエンジンに用いた場合、以下の(1)〜(4)の効果
がある。
果 燃焼室内の点火プラグ9(図7参照)の近傍に燃料が直
接噴射されるので、燃料の輸送遅れなどを考慮せずに空
燃比を希薄(リーン)化することができ、有害なHCガ
スおよびCOガスの排出量を低減することができる。
るので、点火時に点火プラグ9の周辺に可燃燃料が形成
されて、燃料を含む混合気の分布が不均一性となること
から、成層燃焼が可能となる。したがって、エンジン1
の気筒内に吸入される空気量と燃料供給量との見かけ上
の供給空燃比を大幅に希薄(リーン)化することができ
る。
気ガス還流)を大量に導入しても燃焼を悪化させる影響
が少なくなるうえ、吸気量Qaを増大可能なことからポ
ンピングロスも低減し、燃費の向上を実現することがで
きる。
キングの原因となるエンドガス(点火プラグ9から離れ
た領域の混合気)が少なくなるので、上記の成層燃焼に
より、耐ノック性が向上し、エンジン1の圧縮比を大き
くすることができる。
気化燃料が気筒内の吸入空気から気化熱を奪うので、吸
入空気密度が上昇して体積効率が上昇し、エンジン1の
出力を増大させることができる。
た場合、燃料を供給してから、燃料を燃焼させてエンジ
ン1の出力が発生するまでの時間遅れが短く、運転者の
要求に対し応答性の高いエンジンを実現することができ
る。
は、圧縮行程時に微少な燃料を供給して超希薄成層燃焼
によりエミッションおよび燃費を向上させるリーン運転
モードと、吸気行程時に所要量の燃料を供給して通常の
均一混合燃焼により出力を向上させるストイキ運転モー
ドとが存在する。
ては、吸気行程噴射(ストイキ運転)モードに比べてリ
ーン側で運転させるために、或るスロットル開度θ(ア
クセル開度)に対して増大された吸気量Qaをエンジン
1に供給する必要がある。したがって、通常では運転者
のアクセル操作のみで制御されていた吸気量Qaを、別
の系統で増量制御する必要がある。
公報に記載された従来の内燃機関の筒内噴射式燃料制御
装置を示す構成図であり、前述と同様の構成要素につい
ては、同一符号を付してここでは詳述しない。この場
合、燃焼改善を目的として、エンジン1の本体側におけ
る対応策が紹介されている。
燃料供給量および噴射タイミングを演算し、演算結果に
応じて噴射制御信号Jを出力し、吸気行程中および圧縮
行程中の少なくとも一方でインジェクタ11Aを駆動し
て燃料を噴射する。このとき、気筒識別信号SGCに基
づいて制御対象気筒を識別することにより、エンジン1
の各気筒毎に個別にインジェクタ11Aを制御する。
なく、エンジン1の気筒の燃焼室内に直接装着されてお
り、吸気行程または圧縮行程の短期間に高圧燃料を噴射
するために、高速且つ高圧仕様に設計されている。
に挿入されたインジェクタドライバ14は、制御回路8
Aからの噴射制御信号Jを高速且つ高圧仕様の噴射制御
信号Kに変換してインジェクタ11Aを駆動する。
Aからの噴射制御信号Jに応答して電力増幅された大電
力の噴射制御信号Kを出力することにより、気筒内の圧
力に打ち勝つ圧力で燃料を噴射する。
ットル弁3が全閉されるアイドリング運転時でのエンジ
ン回転数の制御に加え、走行時を含むリーン運転時のト
ルク制御を目的として、前述よりもバイパス吸気量の制
御範囲が大きく設定されている。
噴射式燃料制御装置の動作について説明する。前述のよ
うに、筒内噴射式装置においては、点火直前に気筒に燃
料を供給(圧縮行程噴射)する層状燃焼(超リーンモー
ド)制御が行われており、制御空燃比A/Fは、超リー
ン側の30以上に制御されている。しかし、実際の燃焼
部分での空燃比は、理論空燃比(14.7)の近傍であ
る。
ン燃焼(吸入空気および燃料を均一混合後に空燃比20
程度で燃焼させる吸気行程噴射モード)とは異なり、空
燃比16の近傍(NOxが多く排出される)で運転され
ることになる。そこで、大量のEGR量を導入して、N
Oxの排出を抑制している。
置においては、燃料噴射および点火タイミングの微妙な
制御により実現している層状燃焼と、エンジン1の燃焼
悪化を招き易いEGR大量導入とを組み合わせることに
より、圧縮行程噴射でのリーン燃焼を実行している。
求される運転モードにおいては、吸気行程噴射でのスト
イキ(リッチ)燃焼により、図7の従来エンジンと同様
に、均一混合燃焼を実行している。
燃焼)状態から吸気行程噴射(リッチ運転)状態に移行
する場合、空燃比およびEGR量のみならず、燃料噴射
タイミングおよび点火時期が補正される。また、このと
き、燃料をリーンからリッチに切り替えることによるト
ルク変動(出力上昇)を抑制するために、エアバイパス
バルブ10Aを制御して吸気量Qaを減少させている。
ルク変動によるショックが発生するので、これを防止す
るために、通常、テーリングモードと称される過渡制御
により、圧縮行程噴射(リーン)モードで燃焼可能な空
燃比まで徐々に低減させた後で、吸気行程噴射モードに
切り替えて空燃比をさらにリッチ化している。
(テーリングモード)において、燃焼可能な空燃比に近
い状態までリッチ化したときに外部負荷が投入された場
合、燃焼悪化を避ける必要があるために、リッチ化する
ことはほとんどできなくなる。したがって、外部負荷の
投入によるトルク変動に対して補正することが困難にな
る。
層燃焼させるリーン運転モードにおいては、エンジン1
の出力が燃料供給量と相関するので、エンジン1に外部
負荷が加わってエンジン回転数が低下した場合には、空
燃比A/Fをリッチ化することにより回転変動を抑制す
ることができる。
ば、点火時期を補正することにより回転変動を抑制する
ことも提案されているが、圧縮行程噴射モードでは、点
火時期を変更すると、燃料噴射時期との位相関係が変化
するので燃焼状態が変化してしまう。したがって、点火
時期による補正が困難なため、燃料補正により回転変動
の抑制を実現している。
比をリッチ化し過ぎると、燃焼状態が不安定になるの
で、外部負荷による回転変動抑制のために空燃比をリッ
チ化して燃焼不安定領域に突入した場合、さらなる燃焼
不安定により回転変動の増大を引き起こすおそれがあ
る。
噴射式燃料制御装置は以上のように、外部負荷投入時の
回転変動を抑制するために空燃比をリッチ化しているの
で、燃焼不安定領域に突入した場合、さらに回転変動を
助長するという問題点があった。
ためになされたもので、燃焼不安定による回転変動を抑
制して、外部負荷などによる回転変動を空燃比で抑制す
るとともに空燃比を下限値でクリップし、圧縮行程噴射
中に外部負荷が投入された場合に、空燃比のリッチ化に
よりエンジントルクを増大し、且つ、リッチ化を燃焼が
安定な範囲内でクリップして、不足分を制御パラメータ
(点火時期、燃料噴射タイミング、吸気量など)の補正
で補うことにより、ローコストで安定な運転性を確保で
きる内燃機関の筒内噴射式燃料制御装置を得ることを目
的とする。
ら吸気行程噴射モードへの切替時における空燃比が、圧
縮行程噴射での燃焼安定範囲を越えることが時間の問題
であることから、空燃比のクリップおよび制御パラメー
タの補正を実行しないようにして、燃焼を安定化した内
燃機関の筒内噴射式燃料制御装置を得ることを目的とす
る。
の筒内噴射式燃料制御装置は、内燃機関の運転状態を示
す情報を出力する各種センサと、内燃機関の各気筒内に
直接燃料を噴射するインジェクタと、運転状態に基づい
て各気筒内への燃料供給量を演算するとともに、燃料供
給量に基づいてインジェクタを圧縮行程噴射モードまた
は吸気行程噴射モードで駆動制御する制御部とを備え、
各種センサは、内燃機関の吸入空気量に相当する情報を
出力する吸気量センサと、内燃機関の回転速度およびク
ランク角度に相当する情報を出力するクランク角センサ
とを含み、制御部は、圧縮行程噴射モードにおける外部
負荷変動による回転変動を、燃料供給量を補正して抑制
する回転変動抑制手段と、補正後の燃料供給量に基づく
目標空燃比が所定の下限値よりもリッチ側を示すときに
リッチ信号を生成するリッチ判定手段と、リッチ信号に
応答して内燃機関の制御空燃比を下限値でクリップする
空燃比クリップ手段と、リッチ信号に応答して下限値と
目標空燃比との偏差量を演算する偏差量演算手段と、偏
差量に応じて内燃機関の制御パラメータを出力増大方向
に補正するパラメータ補正手段とを含むものである。
式燃料制御装置による制御パラメータは、内燃機関の点
火時期、インジェクタの駆動タイミング、および吸入空
気量の少なくとも1つを含むものである。
式燃料制御装置による制御部は、圧縮行程噴射モードか
ら吸気行程噴射モードヘの切替制御直後のテーリングモ
ードにおいては、空燃比クリップ手段およびパラメータ
補正手段を無効にするものである。
式燃料制御装置による制御部は、燃焼が不安定な空燃比
領域に対応した第1の閾値および第1の閾値よりもリッ
チ側の第2の閾値を設定し、圧縮行程噴射のテーリング
モードにおいて、外部負荷変動により目標空燃比が第1
の閾値よりもリッチ側に急減した場合には、圧縮行程噴
射のテーリングモードから吸気行程噴射のテーリングモ
ードに瞬時に切り替え、制御空燃比を第2の閾値よりも
リッチ側に設定するものである。
いて説明する。図1はこの発明の実施の形態1による制
御回路8Bを示す機能ブロック図であり、図示しない構
成は図8に示した通りである。
処理形式で示すが、実際には、図2のフローチャート
(後述する)に示すように、クランク角信号SGTに同
期してシリアル処理されることは言うまでもない。
(図8参照)の吸気量センサ2、スロットル開度センサ
4、クランク角センサ5、水温センサ6などを含み、運
転状態を示す情報として、前述の各種検出信号を制御回
路8Bに入力する。また、各種センサ20は、パワーウ
ィンドウなどの外部負荷の操作スイッチも含み、操作検
出信号を運転状態情報として制御回路8Bに入力しても
よい。
モードMを判定する制御モード判定手段81と、運転状
態に応じて回転変動Ndを検出する回転変動検出手段8
2と、運転状態および制御モードMに基づいて燃料供給
量Fを演算する燃料供給量演算手段83とを備えてい
る。
手段82と協動して、圧縮行程噴射モードにおける外部
負荷変動による回転変動Ndを、燃料供給量Fを補正し
て抑制するための回転変動抑制手段を構成している。
Qa)および燃料供給量Fに基づいて目標空燃比A/F
oを演算する目標空燃比演算手段84と、目標空燃比A
/Foを所定の下限値αと比較してリッチ状態を判定す
るリッチ判定手段85とを備えている。
量Fに基づく目標空燃比A/Foが下限値αよりもリッ
チ側を示すときにリッチ信号RCを生成する。また、リ
ッチ判定手段85は、リッチ信号RCに応答して目標空
燃比A/Foと下限値αとの偏差量ΔA/Fを演算する
偏差量演算手段を含み、リッチ信号RCと同時に、偏差
量ΔA/Fを出力する。
よびリッチ信号RCに応答して制御空燃比A/Fを下限
値αでクリップする空燃比クリップ手段86と、制御空
燃比A/Fに応じた噴射制御信号Jを出力するためのイ
ンジェクタ制御手段を含むパラメータ演算手段87と、
偏差量ΔA/Fに応じて内燃機関の制御パラメータを出
力増大方向に補正するパラメータ補正手段88とを備え
ている。
11Aに対する噴射制御信号Jのみならず、エンジン1
の運転状態および制御モードMに応じた種々の制御パラ
メータを演算し、点火プラグ9に対する点火信号Pなら
びにエアバイパスバルブ10Aに対するバイパス制御信
号Bなどを出力する。
段88から出力されるパラメータ補正信号HCは、パラ
メータ演算手段87に入力され、パラメータ補正信号H
Cにより補正される制御パラメータは、エンジン1の点
火時期、インジェクタ11Aの駆動タイミング、および
吸気量Qaの少なくとも1つを含む。なお、制御回路8
B内の各手段81〜86および87の機能は、パラメー
タ演算手段87内に含まれてもよい。
ミングチャートおよび図4の特性図とともに、前述の図
8を参照しながら、図1に示したこの発明の実施の形態
1による制御シーケンス動作について説明する。図4は
偏差量ΔA/Fとパラメータ補正量との関係を示し、破
線Jkは燃料噴射タイミングの補正量、実線Pkは点火
時期の補正量に対応している。
御モード判定手段81は、運転状態情報となる各種セン
サ信号、すなわち、スロットル開度θ、エンジン回転数
Ne、吸気量Qaおよび冷却水温Twなどを読み込み
(ステップS1)、運転状態に基づいて制御モードを判
定する(ステップS2)。
(リッチまたはストイキ)モードか、圧縮行程噴射(リ
ーン)モードかを判定するため、たとえばリーンモード
か否かを判定する(ステップS3)。
く定常走行状態であれば、制御モード判定手段81は、
リーン運転が可能な状態、すなわち、リーンモードを示
す制御モードMを出力する。
のテーリングモードを含むリーンモード(すなわち、Y
ES)と判定されれば、燃料供給量演算手段83、目標
空燃比演算手段84およびパラメータ演算手段87は、
リーン用の目標パラメータ値として、目標空燃比A/F
oおよび目標点火(および燃料噴射)タイミングを算出
する(ステップS4)。その後、ステップS6に進む。
わち、NO)と判定されれば、ストイキ用の目標パラメ
ータ値として、目標空燃比A/Foおよび目標点火(お
よび燃料噴射)タイミングを算出する(ステップS
5)。その後、ステップS9に進む。
モード時の制御パラメータの目標値演算(ステップS
4)に続くステップS6において、操作スイッチまたは
エンジン回転数Neの変動Ndなどから、外部負荷がオ
ンされたか否かを判定する。もし、外部負荷がオンされ
た(すなわち、YES)と判定されれば、外部負荷のオ
ンに応じたリッチ側への空燃比補正量ΔA/F1を演算
する(ステップS7)。その後、ステップS8に進む。
負荷がオンされた場合、目標空燃比演算手段84は、目
標空燃比A/Foとして、初期値A/F1から空燃比補
正量ΔA/F1だけ減少(リッチ化)された値A/F2
に可変設定する。
部負荷がオンされていない(すなわち、NO)と判定さ
れれば、そのままステップS8に進む。リッチ判定手段
85は、ステップS8において、補正後の目標空燃比A
/Fiが所定の下限値αよりもリッチ(小さい)か否か
を判定する。
もリーン側であって、A/Fi≧α(すなわち、NO)
と判定されれば、ステップS9に進む。また、目標空燃
比A/Fiが下限値αよりもリッチ側であって、A/F
i<α(すなわち、YES)と判定されれば、リッチ判
定手段85からリッチ信号RCおよび偏差量ΔA/Fが
出力される。その後、ステップS10に進む。
モード時に目標空燃比A/Fiが下限値α以上の場合、
リッチ判定手段85は、リッチ信号RCを生成しない。
この場合、パラメータ補正手段88は、パラメータ補正
信号HCを生成せず、ステップS9において、エンジン
1の制御パラメータ(点火、燃料噴射タイミングなど)
の補正量を0クリアする。その後、ステップS12に進
む。
〜t2のように、空燃比A/F2が下限値α以上(リー
ン側)の場合、パラメータ演算手段87は、外部負荷オ
ン補正後の目標空燃比A/Foに応じた演算を行い、点
火時期P1、燃料噴射タイミングJ1および吸気量Q1
に関して、点火制御信号P、噴射制御信号Jおよびバイ
パス制御信号Bのいずれも補正しない。
/Fiが下限値αよりもリッチ側の場合、リッチ判定手
段85は、ステップS10において、リッチ信号RCを
生成するとともに、偏差量ΔA/F(=A/Fi−α)
を演算する。また、ステップS10において、空燃比ク
リップ手段86は、リッチ信号RCに応答して、目標空
燃比A/Foを下限値αにクリップして制御空燃比A/
Fとする。
量ΔA/Fに応じて制御パラメータの補正量を演算し
(ステップS11)、補正量を示すパラメータ補正信号
HCをパラメータ演算手段に入力する。その後、ステッ
プS12に進む。
2において、偏差量ΔA/Fに応じたパラメータ補正信
号HCにしたがって、制御パラメータを補正演算する。
また、最終的な制御空燃比A/Fを設定し(ステップS
13)、図2の処理ルーチンを抜け出る。
〜t5のように、初期値A/F3から補正された目標空
燃比A/F4が下限値αより小さい(リッチ側)の場
合、制御空燃比A/Fは下限値αにクリップされる。
差量ΔA/Fに応じたパラメータ補正信号HCにしたが
う演算を行い、点火時期、燃料噴射タイミングおよび吸
気量Qaの各初期値P2、J2およびQ2を各補正値P
3、J3およびQ3に設定する。
ミングおよび吸気量Qaの全てが同時に補正される場合
を示している。なお、ここでは示されないが、EGR量
を調整するEGR制御信号E(図8参照)を補正しても
よい。このときの各補正演算は、パラメータ補正量の加
算または乗算により実行され得る。
は、偏差量ΔA/Fの増大につれて出力(エンジントル
ク)が増大するように設定され、たとえば、図4におい
て、点火時期の補正量Pkについては、偏差量ΔA/F
が増大するほど進角側に補正される。
いて、燃料の圧縮行程噴射中に外部からエンジン1に負
荷が加わった場合、燃料供給量Fを決定する噴射制御信
号Jを制御して空燃比A/Fを補正制御する。
でクリップされた場合には、燃料噴射タイミングを決定
する噴射制御信号J、点火時期を決定する点火制御信号
P、バイパス吸気量を決定するバイパス制御信号Bおよ
びEGR量を決定するEGR制御信号Eなどを制御する
ことにより、燃焼悪化を抑制しつつ、エンジン1の運転
安定性を確保することができる。
ド)中に外部負荷が投入された場合、低コストでエンジ
ン1の運転性を確保することができる。また、外部負荷
変動によるエンジン1の運転性能を制御回路8B側で改
善することができるので、特別な構成要素を追加する必
要はない。
は、テーリングモード中に外部負荷がオンされた場合に
ついて考慮しなかったが、圧縮行程噴射モードから吸気
行程噴射モードヘの切替制御直後のテーリングモードに
おいては、制御の安定性を確保するために、空燃比クリ
ップ手段86およびパラメータ補正手段88を無効にし
てもよい。
て説明する。図5はこの発明の実施の形態2による制御
シーケンス動作を示すフローチャートであり、図6はこ
の発明の実施の形態2による制御シーケンス動作を説明
するためのタイミングチャートである。
が不安定な空燃比領域に対応した第1の閾値β(以下、
単に「閾値」という)および閾値βよりもリッチ側の第
2の閾値γ(以下、単に「閾値」という)を設定し、テ
ーリングモード判定手段およびパラメータ補正禁止手段
(図示せず)を含む。ここで、閾値βは、前述の下限値
αに対応するものとする。
ーリングモードにおいて、外部負荷変動により目標空燃
比A/Foが閾値βよりもリッチ側に急減した場合に
は、圧縮行程噴射のテーリングモードから吸気行程噴射
のテーリングモードに瞬時に切り替え、制御空燃比A/
Fを閾値γよりもリッチ側に設定するようになってい
る。
いては、前述(図2参照)と同様のステップなので図示
を省略する。また、ステップS11およびS12も前述
と同様のステップである。
グモードを介して、圧縮行程噴射モードでの初期値A/
F11から吸気行程噴射モードでの目標値A/F12に
切り替えられる。
βおよびγにより規定されており、閾値β〜γの範囲内
は、制御空燃比A/Fとして設定され得ないようになっ
ている。また、空燃比偏差量ΔA/F2は、外部負荷オ
ン時の空燃比シフト量であり、燃焼不安定領域をスキッ
プ可能な値に設定される。
ーリングモードは、外部負荷がオンされなければ、時刻
t13(破線参照)で吸気行程噴射のテーリングモード
に切り替わる。このとき、吸気行程噴射のテーリングモ
ードは、時刻t13〜t15の期間(破線参照)で実行
される。
t12で外部負荷がオンされると、圧縮行程噴射のテー
リングモードから吸気行程噴射のテーリングモードに瞬
時に切り替わる(実線参照)。このとき、吸気行程噴射
のテーリングモードは、時刻t12〜t14の期間で実
行される。
縮噴射(リーン)モード時に外部負荷に応じた空燃比補
正(ステップS6、S7)を実行した後、テーリングモ
ード判定手段により、テーリングモード中か否かを判定
する(ステップS21)。
ち、NO)と判定されれば、ステップS8(図2参照)
に進み、前述の処理を実行してステップS12に進む。
また、テーリングモード中(すなわち、YES)と判定
されれば、続いて、テーリング中での目標空燃比A/F
tが閾値βよりも小さい(リッチ)か否かを判定する
(ステップS22)。
判定されれば、前述の補正量0クリア処理ステップS9
(図2参照)を実行して、ステップS12に進む。ま
た、A/Ft<β(すなわち、YES)と判定されれ
ば、続いて、テーリング中での目標空燃比A/Ftが閾
値γよりも小さい(リッチ)か否かを判定する(ステッ
プS23)。
と判定されれば、そのままステップS25に進み、目標
空燃比A/Ftが閾値γよりもリーン側であって、A/
Ft≧γ(すなわち、NO)と判定されれば、目標空燃
比A/Foをリッチ側の閾値γに設定する(ステップS
24)。これにより、不安定領域を回避した目標空燃比
A/Foにすることができる。
などの制御パラメータを、圧縮行程噴射用の目標パラメ
ータ値から、吸気行程噴射用の目標パラメータ値に変更
し、ステップS12に進む。このとき、パラメータ補正
は行われない。
ータ)は、外部負荷が投入されなければ、破線のよう
に、時刻t13において圧縮行程噴射用の目標値P11
から吸気行程噴射用の目標値P12に切り替えられる
が、外部負荷が投入されると、実線のように、時刻t1
2において吸気行程噴射用の目標値P12に切り替えら
れる。
荷が投入された場合に、もし、一点鎖線a、bのよう
に、空燃比A/Fを閾値βでクリップし、且つ点火時期
を補正量Δθで補正すると、目標基準値がテーリング中
であることから、リニア制御が困難となり、結局、制御
が不安定となって過大補正状態になるおそれがある。
時に瞬時に吸気行程噴射のテーリングモードに切り替え
て、パラメータ補正を禁止することにより、不安定な制
御状態を確実に回避することができる。
れば、内燃機関の運転状態を示す情報を出力する各種セ
ンサと、内燃機関の各気筒内に直接燃料を噴射するイン
ジェクタと、運転状態に基づいて各気筒内への燃料供給
量を演算するとともに、燃料供給量に基づいてインジェ
クタを圧縮行程噴射モードまたは吸気行程噴射モードで
駆動制御する制御部とを備え、各種センサは、内燃機関
の吸入空気量に相当する情報を出力する吸気量センサ
と、内燃機関の回転速度およびクランク角度に相当する
情報を出力するクランク角センサとを含み、制御部は、
圧縮行程噴射モードにおける外部負荷変動による回転変
動を、燃料供給量を補正して抑制する回転変動抑制手段
と、補正後の燃料供給量に基づく目標空燃比が所定の下
限値よりもリッチ側を示すときにリッチ信号を生成する
リッチ判定手段と、リッチ信号に応答して内燃機関の制
御空燃比を下限値でクリップする空燃比クリップ手段
と、リッチ信号に応答して下限値と目標空燃比との偏差
量を演算する偏差量演算手段と、偏差量に応じて内燃機
関の制御パラメータを出力増大方向に補正するパラメー
タ補正手段とを含むので、ローコストで安定な運転性を
確保した内燃機関の筒内噴射式燃料制御装置が得られる
効果がある。
項1において、制御パラメータは、内燃機関の点火時
期、インジェクタの駆動タイミング、および吸入空気量
の少なくとも1つを含むので、ローコストで安定な運転
性を確保した内燃機関の筒内噴射式燃料制御装置が得ら
れる効果がある。
項1または請求項2において、制御部は、圧縮行程噴射
モードから吸気行程噴射モードヘの切替制御直後のテー
リングモードにおいては、空燃比クリップ手段およびパ
ラメータ補正手段を無効にするようにしたので、さらに
燃焼を安定化した内燃機関の筒内噴射式燃料制御装置が
得られる効果がある。
項3において、制御部は、燃焼が不安定な空燃比領域に
対応した第1の閾値および第1の閾値よりもリッチ側の
第2の閾値を設定し、圧縮行程噴射のテーリングモード
において、外部負荷変動により目標空燃比が第1の閾値
よりもリッチ側に急減した場合には、圧縮行程噴射のテ
ーリングモードから吸気行程噴射のテーリングモードに
瞬時に切り替え、制御空燃比を第2の閾値よりもリッチ
側に設定するようにしたので、さらに燃焼を安定化した
内燃機関の筒内噴射式燃料制御装置が得られる効果があ
る。
す機能ブロック図である。
ス動作を示すフローチャートである。
ス動作を説明するためのタイミングチャートである。
ップS11)による補正量算出用の二次元マップを示す
説明図である。
ス動作を示すフローチャートである。
ス動作を説明するためのタイミングチャートである。
機関の燃料制御装置を示す構成図である。
を示す構成図である。
フローセンサ(吸気量センサ)、3 スロットル弁、4
スロットル開度センサ、5 クランク角センサ、6
水温センサ、8B 制御回路(制御部)、9 点火プラ
グ、10A エアバイパスバルブ、11A インジェク
タ、12 EGRバルブ、13 気筒識別センサ、20
各種センサ、81 制御モード判定手段、82 回転
変動検出手段、83 燃料供給量演算手段、84 目標
空燃比演算手段、85 リッチ判定手段、86 空燃比
クリップ手段、87 パラメータ演算手段、88 パラ
メータ補正手段、A/F 空燃比、A/Fo 目標空燃
比、BP バイパス通路、EP EGR管、E EGR
制御信号、F 燃料供給量、HC パラメータ補正信
号、J、K 噴射制御信号、M 制御モード、Ne エ
ンジン回転数、Nd回転変動、P 点火制御信号、Qa
吸入空気量、RC リッチ信号、SGC気筒識別信
号、SGT クランク角信号、Te エンジントルク、
Tw 冷却水温、α 下限値、β 第1の閾値、γ 第
2の閾値、θ スロットル開度、ΔA/F 偏差量、S
1 運転状態を読み込むステップ、S2、S3 制御モ
ードを判定するステップ、S4、S5 目標パラメータ
値を算出するステップ、S6外部負荷のオンを判定する
ステップ、S7、S9 パラメータ補正量を算出するス
テップ、S8 目標空燃比を下限値と比較するステッ
プ、S10 制御空燃比を下限値にクリップするステッ
プ、S11、S12 パラメータを補正するステップ、
S13 制御空燃比を設定するステップ、S21 テー
リングモードを判定するステップ、S22 目標空燃比
を第1の閾値と比較するステップ、S23目標空燃比を
第2の閾値と比較するステップ、S24 制御空燃比を
第2の閾値に設定するステップ、S25 吸気噴射用の
目標パラメータに変更するステップ。
Claims (4)
- 【請求項1】 内燃機関の運転状態を示す情報を出力す
る各種センサと、 前記内燃機関の各気筒内に直接燃料を噴射するインジェ
クタと、 前記運転状態に基づいて前記各気筒内への燃料供給量を
演算するとともに、前記燃料供給量に基づいて前記イン
ジェクタを圧縮行程噴射モードまたは吸気行程噴射モー
ドで駆動制御する制御部とを備え、 前記各種センサは、前記内燃機関の吸入空気量に相当す
る情報を出力する吸気量センサと、前記内燃機関の回転
速度およびクランク角度に相当する情報を出力するクラ
ンク角センサとを含み、 前記制御部は、 前記圧縮行程噴射モードにおける外部負荷変動による回
転変動を、前記燃料供給量を補正して抑制する回転変動
抑制手段と、 補正後の前記燃料供給量に基づく目標空燃比が所定の下
限値よりもリッチ側を示すときにリッチ信号を生成する
リッチ判定手段と、 前記リッチ信号に応答して前記内燃機関の制御空燃比を
前記下限値でクリップする空燃比クリップ手段と、 前記リッチ信号に応答して前記下限値と前記目標空燃比
との偏差量を演算する偏差量演算手段と、 前記偏差量に応じて前記内燃機関の制御パラメータを出
力増大方向に補正するパラメータ補正手段とを含むこと
を特徴とする内燃機関の筒内噴射式燃料制御装置。 - 【請求項2】 前記制御パラメータは、前記内燃機関の
点火時期、前記インジェクタの駆動タイミング、および
前記吸入空気量の少なくとも1つを含むことを特徴とす
る請求項1に記載の内燃機関の筒内噴射式燃料制御装
置。 - 【請求項3】 前記制御部は、前記圧縮行程噴射モード
から前記吸気行程噴射モードヘの切替制御直後のテーリ
ングモードにおいては、前記空燃比クリップ手段および
前記パラメータ補正手段を無効にすることを特徴とする
請求項1または請求項2に記載の内燃機関の筒内噴射式
燃料制御装置。 - 【請求項4】 前記制御部は、 燃焼が不安定な空燃比領域に対応した第1の閾値および
前記第1の閾値よりもリッチ側の第2の閾値を設定し、 前記圧縮行程噴射のテーリングモードにおいて、前記外
部負荷変動により前記目標空燃比が前記第1の閾値より
もリッチ側に急減した場合には、前記圧縮行程噴射のテ
ーリングモードから前記吸気行程噴射のテーリングモー
ドに瞬時に切り替え、前記制御空燃比を前記第2の閾値
よりもリッチ側に設定することを特徴とする請求項3に
記載の内燃機関の筒内噴射式燃料制御装置。
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