JPH11303159A6 - 貯水槽 - Google Patents
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Abstract
【課題】震災時において利用できる多量の飲料水を貯留する貯水槽の耐圧性を向上させると共に、槽内の貯留水を効率的に循環させて、貯留水を新鮮な状態で確保する。
【解決手段】縦型のタンク2の中心に位置させて円筒支柱3を配置し、その上下端をタンク2の上下部に連結する。円筒支柱3の下端部分に、その内外を連通させる流入路25を設ける。タンク2の上部分に、水の流入管30の吐出口32を、タンク2の接線方向に水を噴出するように配置する。円筒支柱3の上部に水の流出管31を連設する。又円筒支柱3内には、その内部の水を外部に取り出すための採水管5を納設する。
【選択図】図1
【解決手段】縦型のタンク2の中心に位置させて円筒支柱3を配置し、その上下端をタンク2の上下部に連結する。円筒支柱3の下端部分に、その内外を連通させる流入路25を設ける。タンク2の上部分に、水の流入管30の吐出口32を、タンク2の接線方向に水を噴出するように配置する。円筒支柱3の上部に水の流出管31を連設する。又円筒支柱3内には、その内部の水を外部に取り出すための採水管5を納設する。
【選択図】図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、震災時等において利用できる多量の飲料水や消火用水を貯留するための貯水槽に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
震災時においては十分な量の飲料水の確保が要求されるが、このような要求に応えんとして、大量の水道水を貯留する大型の貯水槽を公園等の地下に埋設することが行なわれている。
【0003】
ところで、このような大型の貯水槽は水道管に直結されているため、送水圧に十分耐え得る強度を有することが必要であり、又、貯水槽内に常に新鮮な飲料水を確保するために、貯水槽内への水道水の供給に伴い、水の滞留が生じにくい状態で、供給水が貯留水と速やかに且つ効率的に入れ替わることが必要となる。
【0004】
前記貯水槽の耐圧性向上に関しては、例えば特開平9−125473号公報が開示する貯水槽が提案されている。該貯水槽は、底面が水平に形成された縦型円筒状タンクの底版と天版とを、タンクの中心に配置したコア部で連結したものであり、該コア部は、周方向に所要間隔をおいて配置され且つ上下端が前記天版と底版とに連結された引っ張り材の複数本により構成していた。そして、流入管を介してコア部底部で吐出された水道水をコア部上部の流出管から送り出させ、これにより貯水槽内で水循環を生じさせ、震災時には、貯水槽のバルブが遮断されて貯水槽内に水が保存されるようになされていた。
【0005】
かかる構成の貯水槽は、タンクの中心に設けられたコア部によって剛性が向上されており、大きな水圧に耐え得る利点を有してはいたが、その底面が水平面に形成され、且つ、間隔をおいて配置された前記引っ張り材の複数本によって前記コア部が構成されていたことから、貯水槽内の周辺部分や前記引っ張り材の付近において貯留水の滞留(よどみ)が生じやすく、槽内の水循環を良好に行わせ難く、不衛生になりがちであった。
【0006】
このような問題点を解決せんとして、特開平9−242136号公報が開示する貯水槽が提案されている。
【0007】
この貯水槽は、下方に向かうに従い漸次径が小さくなる断面略半楕円状の縦型タンク内の上部に、水を供給する流入管の吐出口を、タンクの接線方向に向けて配置すると共に、タンクから水を排出する流出管の吸込口をタンクの下部中央部に配置し、前記吐出口からの噴流によってタンク内に旋回流を生じさせ、これにより、タンク内の貯留水の滞留を防止せんとするものであった。
【0008】
しかしそのためには、前記のようにタンクの断面を略半楕円状に形成する必要があり、その製作コストの上昇を招くと共に、下方に向けて径が小となることから、タンクの上部径の大きさの割りにそれほど容積を確保し難い欠点があった。又流出管を、その下端がタンク底部から稍浮き上がった状態で配置しているため、この流出管は、タンクの水圧に対する補強部材としては全く機能しておらず、大型の貯水槽の場合は水圧に耐えられない恐れがあった。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、前記従来の貯水槽における問題点に鑑みて開発されたものであり、大きな水圧に耐え得る利点を有しながら、タンク底面が水平面であってもタンク内に良好な旋回流を生じさせて貯留水の滞留を防止でき、これによって貯留水を新鮮な状態で確保することのできる貯水槽の提供を技術的課題とするものである。
【0010】
【課題を解決するための手段】
前記課題を解決するため本発明は以下の手段を採用する。即ち本発明に係る貯水槽は、周壁の内面が円周面として形成されると共に底面が水平面として形成され且つ上端が閉蓋された縦型のタンク内に、その中心に位置させて、軸線が縦方向であり且つ周壁の内面及び外面が共に円周面として形成された円筒支柱を配置し、該円筒支柱の上下端をタンクの上下部に連結してなる。又前記円筒支柱の下端部分には、円筒支柱の内外を連通させる流入路を、タンクの前記底面を下面として設け、タンクの上部分には、前記タンク内に水を供給する流入管の吐出口を、タンクの略接線方向に向けて水を噴出するように配置すると共に、前記円筒支柱内の水をタンク外部に排出させる流出管の端部を円筒支柱の上部に連設する。又前記円筒支柱内には、その内部の水を外部に取り出すための、上下方向に延長する採水管を、その下端を円筒支柱の下部に位置させて納設したことを特徴とするものである。
【0011】
前記貯水槽において、円筒支柱内の空間の底面を前記タンクの底面よりも稍低く位置させ、且つ前記採水管の下端をタンク底面よりも下に位置させるのがよい。
【0012】
前記各貯水槽において、前記吐出口からの噴流がその噴出直後に下向きになるのを防止するために、前記噴流を下方から受ける、水平面乃至稍上向きの傾斜面を有する水流受板を設けるのがよい。
【0013】
又前記各貯水槽において、前記流入路は、前記吐出口からの噴流が形成するタンク内の旋回流の旋回方向に延びるように設けるのがよい。或いは、円筒支柱の周壁の外面に、前記吐出口からの噴流が形成するタンク内の旋回流の旋回方向の先側に位置する流入路縁部において、旋回流を受けるための受面を有した突起を設けるのがよい。このように突起を設ける場合、該突起の、前記受面に連なる外面は、円筒支柱の周壁の外面に徐々に接近する傾斜面として形成するのがよい。
【0014】
前記各貯水槽において、円筒支柱の周壁の内径を80〜100cmに設定するのがよい。
【0015】
又前記各貯水槽において、前記タンク及び前記円筒支柱の、貯留水に接触する面をステンレス面に形成するのがよい。
【0016】
【発明の実施の形態】
以下本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。図1〜3において本発明に係る貯水槽1は、縦型円筒状の大型タンク2の中心に位置させて、軸線が縦方向である円筒支柱3を配置し、該円筒支柱3内に、上下方向に延長する採水管5を納設した構成を有する。
【0017】
前記タンク2は、周壁6の内面7が円周面として形成されると共に底版8の上面(底面)9が水平面として形成され且つ上端が蓋版10で閉蓋されており、貯留水に接触する面は、例えば全体がステンレスで製作され、或いは内面がステンレス張りとされた鋼板を以って形成されている。そして前記周壁6の外面側は、所定厚さのコンクリート被覆部11とされ、又タンク2の前記底版8及び蓋版10も、その外面側がコンクリート被覆部12,13とされている。
【0018】
又前記円筒支柱3は全体がステンレス製であり、その内径は80〜100cmに設定されると共に、その肉厚は例えば、上下の厚肉部分3aで約2.8cmに設定され中間の薄肉部分3bで約1.5cmに設定されている。なお、円筒支柱3の内径の下限を前記のように寸法設定するのは、前記採水管5の納設によっても円筒支柱3内の上昇流によって水の滞留(よどみ)が生じにくく、且つ、水圧に耐え得るようにタンクを補強できる機能を達成できることになって好ましいからである。又上限を前記のように寸法設定するのは、円筒支柱3の内径が大き過ぎると、上昇流によって、円筒支柱3内での水の滞留が発生し易くなる恐れがあるからである。
【0019】
又前記円筒支柱3の周壁の内面15及び外面16は、共に円周面として形成されており、円筒支柱3内空間の底面19は、図4〜5に示すように前記タンク2の底面9よりも稍低く位置し、これにより採水管用のピット(深さは、例えば10cm程度の浅底のもの)20が形成されている。そのために、例えば図5(B)に示すように、タンクの底面9の中心部分に開口21を設け、有底の前記円筒支柱3の下端部分18を前記開口21に嵌め込み、該円筒支柱3の下端部分18の外周面22を前記開口縁においてタンクの底面9に溶接する。又前記円筒支柱3の上部分23は、図1〜2に示すように前記蓋版10の中心部を貫通して、前記蓋版上面24から稍突出している。
【0020】
又円筒支柱3の下端部分には、円筒支柱3の内外を連通させる流入路25が、例えば図6に示すように90度の角度ピッチで設けられている。そして該流入路25は、例えば図4〜5に示すように、その下面26が前記タンクの底面9と面一の横長矩形孔として形成されている。本実施の形態において該流入路25は、後述する貯留水の旋回方向Fに延びるように、円筒支柱の半径方向に対して約45度の傾斜角度で傾いている。
【0021】
前記円筒支柱3内には、図4〜5、図10に示すように、貯留水を水槽外部に排出させるための採水管5の複数本が、図5(A)に示すようにその下端29を前記ピット20内に位置させて、垂直状態で納設されている。これらの採水管5は、貯留水を飲料水として利用する際に用いる給水管5aの2本と、貯留水を消火に用いる際の消火水管5bの2本とからなり、図4に示すように、円筒支柱3の内部の周縁に寄せて配置されている。
【0022】
又タンク2の上部には、図1に示すように、タンク2内に水道水を供給するための流入管30と、その給水に伴いタンク内の水を流出させる流出管31が配管されている。前記流入管30は、タンクの蓋版10を貫通して、タンクの上部周縁に延長せしめられ、その吐出口32が、図7に示すように、タンク2の略接線方向(本発明において略接線方向とは、接線方向Fを中心として内外に約20度傾いた方向F1、F2間の範囲にある方向をいう)に向けて水を噴出させるように配置され、その噴出により、タンク2の円筒支柱外側をなす外空間33に、図1で太線で示すように旋回流を形成する。
【0023】
なお本実施の形態において前記吐出口32は、図8〜9に示すように、前記流入管30の端部分を構成する台形箱部材34を用いて形成されている。該台形箱部材34は、先側ほど拡大し且つ先端部分が上に湾曲する台形状の底板35を有し、且つその両側辺及び基端辺で立片36が屈曲形成された塵取り型を呈している。そして該台形箱部材34は、流入管30の円管部30aの開口30bを基端側部分で覆う如く、前記立片36の上端36aで前記蓋版10の下面10aに溶接されており、該台形箱部材34の先端と前記下面10aとの間で前記吐出口32を形成している。そして前記底板35の先端部分が上に湾曲しているため、前記吐出口32からは、図9に示すように、蓋版10の下面10aに沿う状態で水が噴出されることとなる。
【0024】
又前記流出管31は、前記円筒支柱内の内空間37の上部に連設されており、該円筒支柱内の水をタンク外部に排出させるものである。又図10に示すように、前記流入管30及び流出管31には、所定震度の地震発生時に閉止する緊急遮断弁39が介装されている。なお図10において太い一点鎖線は、配管を簡略に示すものである。
【0025】
然して通常時には、水道水が、前記流入管30の吐出口32より、タンクの略接線方向に向けて噴出され、タンク2内に供給される。この噴出水は、図1に矢印で示すように、徐々に下向きの旋回流を形成しながらタンクの周壁内面7に沿ってタンク底面9に向かう。前記噴出流によって発生した旋回流は、底面9側において弱くなりがちであるが、この底面9側における旋回流は、図6に太い矢印で示すように前記流入路25を通して円筒支柱3内に流入する流入水の作用によって、強められる。
【0026】
より具体的には、前記細い流入路25(図6)を通過する流入水の流速が大であるために、この流入水が、円筒支柱3周辺の旋回流を円筒支柱内に引き込むことになり、その結果、タンク底面9側における旋回流が強められるのである。本実施の形態においては、貯留水の旋回方向に延びるように流入路25が形成されているため、円筒支柱3内へ貯留水の流入がより円滑に行われ、底面での旋回流を強めるための旋回流の引き込み作用がより効果的に行われることとなる。
【0027】
然して本発明によるときは、タンク上部の噴流による旋回流S1の発生(図1)と、流入路25における貯留水の引込み作用による旋回流S2の発生(図6、図1)が相乗的に働き、その結果、タンクの底面9側をも含めて、外空間33内の貯留水の全体をこの旋回流で効果的に動かすことができ、従って、該外空間33内の貯留水に滞留(よどみ)が生じにくい。又前記内空間37においては、前記流出管31からの貯留水の流出によって、上方向に向かう上昇流S3(図1)が形成される。このような上昇流が形成される結果、円筒支柱3内に前記上下方向の採水管5が納設されてはいても、内空間37の貯留水に滞溜を生じさせにくい状態で、円筒支柱内の水が順次流出することになる。
【0028】
このように本発明によるときは、貯水槽1は、通常時は水道管の一部として機能し、その貯留水は滞留が生じにくい状態で、新たに供給された水と速やかに入れ代わり、従って貯留水が新鮮な状態で確保される。そして震災時に緊急遮断弁39(図10)が閉じると、貯水槽1内には所定量の水が保存されるため、水道管が破裂した場合であっても、前記採水管5で貯留水を採水でき(この採水の際、図1、図10に示す空気抜き弁38を開放する)、貯水槽内の水を飲料水や消火用水として活用できることになる。
【0029】
そして前記通常時及び、貯水槽1内における前記水の保存状態においては、大きな水圧がタンクの内面や底面に作用することになるが、前記円筒支柱3によってタンク全体の剛性が向上せしめられているため、貯水槽1は、この大きな水圧にも十分に耐えることができるのである。
【0030】
〔その他の実施の形態〕
▲1▼ 図11〜12は、円筒支柱3の周壁の外面16に、前記旋回流の旋回方向の先側に位置する流入路25縁部において、旋回流Sを受けるための半径方向の受面42を有した突起43を設けた場合を示すものである。この受面42に連なる外面45(図12)は、円筒支柱の周壁の外面16に徐々に接近する傾斜面として形成し、極力旋回流を乱さないようにするのがよい。なお、前記受面42の半径方向の長さは、例えば2cm程度に設定する。これにより、流入路25が、図11に示すように円筒支柱の半径方向に延びる場合であっても、該流入路25内への旋回流の流入をより確実に行なわせることができる。
【0031】
▲2▼ 本発明に係る貯水槽において、前記流入路25は、該流入路25内への旋回流の流入が比較的容易に行なわれるものであれば、流入路の形成を容易とするために、図11に示すように半径方向に延びる構成としてもよい。又本発明に係る貯水槽1において、図13に示すように、円筒支柱3の底面9をタンクの底面19に面一に形成することもある。この場合は、円筒支柱の下端を欠切することによって、タンクの底面19との間で流入路25を形成することになる。
【0032】
▲3▼ 吐出口32は、図14に示すように、下端部分がタンク2の略接線方向に折曲された流入管30の開口端を以って構成されることもある。この場合、前記吐出口32からの噴流(矢印で示す)がその噴出直後に下向きになるのを防止し、前記外空間33内の全体に良好な旋回流を生じさせることができるように、前記旋回流を下方から受ける水流受板46を設けるのがよい。この水流受板46は、例えば、先側ほど拡大し且つ上面が水平面乃至稍上向きの傾斜面を呈する台形状の底板47を有し、且つその両側辺及び基端辺で立片49が屈曲形成された塵取り型を呈しており、前記流入管30の先端部に固定されている。然して、前記吐出口32からの噴流は、前記水流受板46の底板47に下から受けられて、噴出直後に下向きになるのが防止される。
【0033】
▲4▼ 本発明においては、配管の取替え等のメンテナンスの容易性を考慮して、前記のように、吐出口32をタンク2内に配置するのが好ましいが、該吐出口32を、図7に一点鎖線で示すように、タンクの周壁6に設けた開口として形成することもできる。このときは、流入管30をタンクの外面側に配管する。その場合の噴流の方向を図7に一点鎖線の矢印で示す。
【0034】
▲5▼ 前記タンク2や円筒支柱3の、貯留水に接触する面は、防錆や水質保持のために、前記のように、ステンレス製或いはステンレス張りとされた鋼板を用いて製作するのが好ましいが、エポキシ樹脂等のコーティング剤が塗布された鋼板等を用いて製作してもよい。
【0035】
▲6▼ 流入口25の形態は、前記横長矩形孔に特定されず、例えば図13に示す半円形孔等であってもよい。
【0036】
【発明の効果】
本発明は以下の如き優れた効果を奏する。
▲1▼ 円筒支柱の上下端をタンクの上下部に連結した構成であるため、該円筒支柱によって貯水槽の剛性を大幅に向上させることができ、これにより、大容量の貯水槽であっても水圧に十分耐えることができる。
【0037】
▲2▼ 本発明に係る貯水槽においては、タンク上部に配置した吐出口からの噴出流によって旋回流が発生する。加えて、貯留水が、円筒支柱の下部に形成した流入路を流速を上げて通過することに伴い、円筒支柱の下部周辺の貯留水を円筒支柱内に引き込む作用が生じ、これが、タンク底面に旋回流を発生させることとなる。このようなタンクの上部及び下部における旋回流の形成が相乗的に作用して、タンク底面側においても旋回流を弱くすることなく、円筒支柱の外側にあるタンク内の貯留水に良好な旋回流を形成し続けることができ、この貯留水の全体を良好に動かして水の滞留(よどみ)を極力防止できることとなる。そして、円筒支柱内においては上昇流を発生させることができるため、該円筒支柱内に採水管が納設されてはいても、この上下方向に延長する採水管は、円筒支柱内の貯留水に滞留を生じさせにくい。このように本発明によるときは、タンクの底面が、製作し易い水平面として形成されているにもかかわらず、滞留が生じにくい状態で、供給水と貯留水とを速やかに且つ効率的に入れ換えることのできる効率的な水循環を起こさせることができ、貯留水を常に新鮮に確保できる。
【0038】
▲3▼ 本発明に係る貯水槽は、円筒支柱を用いる簡易な補強構造を採用するため、貯水槽構築の低コスト化と工期の短縮を図り得ることとなる。
【0039】
▲4▼ 採水管を、旋回流が発生する前記外空間に配置するのではなく、上昇流が発生する前記内空間に配置するため、採水管が貯留水滞留の大きな原因の一つとなるのを防止できる。
【0040】
▲5▼ 特に、吐出口に水流受板を設けるときは、吐出口からの噴流がその噴出直後に下向きになるのを防止でき、タンク上部における旋回流を一層良好に形成することが可能となる。
【0041】
▲6▼ 流入路を、旋回流の旋回方向に延びるように設けることにより、タンク底面における旋回流を流入路に流入させやすくなる。又、円筒支柱の周壁外面で、且つ旋回流の旋回方向の先側に位置する流入路縁部において、旋回流を受けるための受面を有した突起を設けることによっても、タンク底面における旋回流を流入路に流入させやすくなる。従ってこのように構成するときは、タンク底面における旋回流をより良好に強めることが可能となる。
【0042】
▲7▼ 特に、円筒支柱の内径を80〜100cm程度に設定することにより、採水管の納設によっても円筒支柱内における上昇流に滞留が生ずるのをより効果的に防止できると共に、タンクの剛性向上も確実に図ることができ、しかも、円筒支柱がその外側における旋回流形成の妨げともならない等、性能の良い貯水槽を構成できることになる。
【0043】
▲8▼ タンクや円筒支柱の、貯留水に接触する面をステンレス面に形成するときは、防錆や水質保持のためのメンテナンスが特に必要でなくなる。因みに、前記タンクの周壁内面等に、防錆や水質保持の目的でエポキシ樹脂等のコーティング剤を塗布するときは、その塗り替えを必要とするばかりか、その塗り替え時に水道を止め且つ貯留水を抜きとる必要がある等、メンテナンス上の面倒さが伴うのであるが、前記のようにステンレス面とすることにより、かかる問題点を解消できることになる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の貯水槽を、貯水槽内における旋回流の発生状態と共に示す一部欠切斜視図である。
【図2】その断面図である。
【図3】その底部側を示す部分斜視図である。
【図4】円筒支柱の内部構造を示す一部欠切斜視図である。
【図5】その部分断面図である。
【図6】円筒支柱に設けた流入路を、貯留水の流入状態と共に示す断面図である。
【図7】流入管の吐出口からの水の噴出状態を示す説明図である。
【図8】流入管の吐出口の構成を示す斜視図である。
【図9】その断面図である。
【図10】貯水槽上部の配管状態を説明する説明図である。
【図11】円筒支柱に設けた流入路部分の他の構成を、円筒支柱内への水の流入状態と共に示す断面図である。
【図12】その部分斜視図である。
【図13】円筒支柱の下端部分のその他の構成を説明する断面図である。
【図14】流入管への水流受板の取り付け状態を示す斜視図である。
【符号の説明】
1 貯水槽
2 タンク
3 円筒支柱
5 採水管
6 周壁
7 周壁の内面
9 底面
19 円筒支柱内の底面
20 ピット
25 流入路
30 流入管
31 流出管
32 吐出口
33 外空間
34 水流受板
37 内空間
42 受面
43 突起
45 外面
【発明の属する技術分野】
本発明は、震災時等において利用できる多量の飲料水や消火用水を貯留するための貯水槽に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
震災時においては十分な量の飲料水の確保が要求されるが、このような要求に応えんとして、大量の水道水を貯留する大型の貯水槽を公園等の地下に埋設することが行なわれている。
【0003】
ところで、このような大型の貯水槽は水道管に直結されているため、送水圧に十分耐え得る強度を有することが必要であり、又、貯水槽内に常に新鮮な飲料水を確保するために、貯水槽内への水道水の供給に伴い、水の滞留が生じにくい状態で、供給水が貯留水と速やかに且つ効率的に入れ替わることが必要となる。
【0004】
前記貯水槽の耐圧性向上に関しては、例えば特開平9−125473号公報が開示する貯水槽が提案されている。該貯水槽は、底面が水平に形成された縦型円筒状タンクの底版と天版とを、タンクの中心に配置したコア部で連結したものであり、該コア部は、周方向に所要間隔をおいて配置され且つ上下端が前記天版と底版とに連結された引っ張り材の複数本により構成していた。そして、流入管を介してコア部底部で吐出された水道水をコア部上部の流出管から送り出させ、これにより貯水槽内で水循環を生じさせ、震災時には、貯水槽のバルブが遮断されて貯水槽内に水が保存されるようになされていた。
【0005】
かかる構成の貯水槽は、タンクの中心に設けられたコア部によって剛性が向上されており、大きな水圧に耐え得る利点を有してはいたが、その底面が水平面に形成され、且つ、間隔をおいて配置された前記引っ張り材の複数本によって前記コア部が構成されていたことから、貯水槽内の周辺部分や前記引っ張り材の付近において貯留水の滞留(よどみ)が生じやすく、槽内の水循環を良好に行わせ難く、不衛生になりがちであった。
【0006】
このような問題点を解決せんとして、特開平9−242136号公報が開示する貯水槽が提案されている。
【0007】
この貯水槽は、下方に向かうに従い漸次径が小さくなる断面略半楕円状の縦型タンク内の上部に、水を供給する流入管の吐出口を、タンクの接線方向に向けて配置すると共に、タンクから水を排出する流出管の吸込口をタンクの下部中央部に配置し、前記吐出口からの噴流によってタンク内に旋回流を生じさせ、これにより、タンク内の貯留水の滞留を防止せんとするものであった。
【0008】
しかしそのためには、前記のようにタンクの断面を略半楕円状に形成する必要があり、その製作コストの上昇を招くと共に、下方に向けて径が小となることから、タンクの上部径の大きさの割りにそれほど容積を確保し難い欠点があった。又流出管を、その下端がタンク底部から稍浮き上がった状態で配置しているため、この流出管は、タンクの水圧に対する補強部材としては全く機能しておらず、大型の貯水槽の場合は水圧に耐えられない恐れがあった。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、前記従来の貯水槽における問題点に鑑みて開発されたものであり、大きな水圧に耐え得る利点を有しながら、タンク底面が水平面であってもタンク内に良好な旋回流を生じさせて貯留水の滞留を防止でき、これによって貯留水を新鮮な状態で確保することのできる貯水槽の提供を技術的課題とするものである。
【0010】
【課題を解決するための手段】
前記課題を解決するため本発明は以下の手段を採用する。即ち本発明に係る貯水槽は、周壁の内面が円周面として形成されると共に底面が水平面として形成され且つ上端が閉蓋された縦型のタンク内に、その中心に位置させて、軸線が縦方向であり且つ周壁の内面及び外面が共に円周面として形成された円筒支柱を配置し、該円筒支柱の上下端をタンクの上下部に連結してなる。又前記円筒支柱の下端部分には、円筒支柱の内外を連通させる流入路を、タンクの前記底面を下面として設け、タンクの上部分には、前記タンク内に水を供給する流入管の吐出口を、タンクの略接線方向に向けて水を噴出するように配置すると共に、前記円筒支柱内の水をタンク外部に排出させる流出管の端部を円筒支柱の上部に連設する。又前記円筒支柱内には、その内部の水を外部に取り出すための、上下方向に延長する採水管を、その下端を円筒支柱の下部に位置させて納設したことを特徴とするものである。
【0011】
前記貯水槽において、円筒支柱内の空間の底面を前記タンクの底面よりも稍低く位置させ、且つ前記採水管の下端をタンク底面よりも下に位置させるのがよい。
【0012】
前記各貯水槽において、前記吐出口からの噴流がその噴出直後に下向きになるのを防止するために、前記噴流を下方から受ける、水平面乃至稍上向きの傾斜面を有する水流受板を設けるのがよい。
【0013】
又前記各貯水槽において、前記流入路は、前記吐出口からの噴流が形成するタンク内の旋回流の旋回方向に延びるように設けるのがよい。或いは、円筒支柱の周壁の外面に、前記吐出口からの噴流が形成するタンク内の旋回流の旋回方向の先側に位置する流入路縁部において、旋回流を受けるための受面を有した突起を設けるのがよい。このように突起を設ける場合、該突起の、前記受面に連なる外面は、円筒支柱の周壁の外面に徐々に接近する傾斜面として形成するのがよい。
【0014】
前記各貯水槽において、円筒支柱の周壁の内径を80〜100cmに設定するのがよい。
【0015】
又前記各貯水槽において、前記タンク及び前記円筒支柱の、貯留水に接触する面をステンレス面に形成するのがよい。
【0016】
【発明の実施の形態】
以下本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。図1〜3において本発明に係る貯水槽1は、縦型円筒状の大型タンク2の中心に位置させて、軸線が縦方向である円筒支柱3を配置し、該円筒支柱3内に、上下方向に延長する採水管5を納設した構成を有する。
【0017】
前記タンク2は、周壁6の内面7が円周面として形成されると共に底版8の上面(底面)9が水平面として形成され且つ上端が蓋版10で閉蓋されており、貯留水に接触する面は、例えば全体がステンレスで製作され、或いは内面がステンレス張りとされた鋼板を以って形成されている。そして前記周壁6の外面側は、所定厚さのコンクリート被覆部11とされ、又タンク2の前記底版8及び蓋版10も、その外面側がコンクリート被覆部12,13とされている。
【0018】
又前記円筒支柱3は全体がステンレス製であり、その内径は80〜100cmに設定されると共に、その肉厚は例えば、上下の厚肉部分3aで約2.8cmに設定され中間の薄肉部分3bで約1.5cmに設定されている。なお、円筒支柱3の内径の下限を前記のように寸法設定するのは、前記採水管5の納設によっても円筒支柱3内の上昇流によって水の滞留(よどみ)が生じにくく、且つ、水圧に耐え得るようにタンクを補強できる機能を達成できることになって好ましいからである。又上限を前記のように寸法設定するのは、円筒支柱3の内径が大き過ぎると、上昇流によって、円筒支柱3内での水の滞留が発生し易くなる恐れがあるからである。
【0019】
又前記円筒支柱3の周壁の内面15及び外面16は、共に円周面として形成されており、円筒支柱3内空間の底面19は、図4〜5に示すように前記タンク2の底面9よりも稍低く位置し、これにより採水管用のピット(深さは、例えば10cm程度の浅底のもの)20が形成されている。そのために、例えば図5(B)に示すように、タンクの底面9の中心部分に開口21を設け、有底の前記円筒支柱3の下端部分18を前記開口21に嵌め込み、該円筒支柱3の下端部分18の外周面22を前記開口縁においてタンクの底面9に溶接する。又前記円筒支柱3の上部分23は、図1〜2に示すように前記蓋版10の中心部を貫通して、前記蓋版上面24から稍突出している。
【0020】
又円筒支柱3の下端部分には、円筒支柱3の内外を連通させる流入路25が、例えば図6に示すように90度の角度ピッチで設けられている。そして該流入路25は、例えば図4〜5に示すように、その下面26が前記タンクの底面9と面一の横長矩形孔として形成されている。本実施の形態において該流入路25は、後述する貯留水の旋回方向Fに延びるように、円筒支柱の半径方向に対して約45度の傾斜角度で傾いている。
【0021】
前記円筒支柱3内には、図4〜5、図10に示すように、貯留水を水槽外部に排出させるための採水管5の複数本が、図5(A)に示すようにその下端29を前記ピット20内に位置させて、垂直状態で納設されている。これらの採水管5は、貯留水を飲料水として利用する際に用いる給水管5aの2本と、貯留水を消火に用いる際の消火水管5bの2本とからなり、図4に示すように、円筒支柱3の内部の周縁に寄せて配置されている。
【0022】
又タンク2の上部には、図1に示すように、タンク2内に水道水を供給するための流入管30と、その給水に伴いタンク内の水を流出させる流出管31が配管されている。前記流入管30は、タンクの蓋版10を貫通して、タンクの上部周縁に延長せしめられ、その吐出口32が、図7に示すように、タンク2の略接線方向(本発明において略接線方向とは、接線方向Fを中心として内外に約20度傾いた方向F1、F2間の範囲にある方向をいう)に向けて水を噴出させるように配置され、その噴出により、タンク2の円筒支柱外側をなす外空間33に、図1で太線で示すように旋回流を形成する。
【0023】
なお本実施の形態において前記吐出口32は、図8〜9に示すように、前記流入管30の端部分を構成する台形箱部材34を用いて形成されている。該台形箱部材34は、先側ほど拡大し且つ先端部分が上に湾曲する台形状の底板35を有し、且つその両側辺及び基端辺で立片36が屈曲形成された塵取り型を呈している。そして該台形箱部材34は、流入管30の円管部30aの開口30bを基端側部分で覆う如く、前記立片36の上端36aで前記蓋版10の下面10aに溶接されており、該台形箱部材34の先端と前記下面10aとの間で前記吐出口32を形成している。そして前記底板35の先端部分が上に湾曲しているため、前記吐出口32からは、図9に示すように、蓋版10の下面10aに沿う状態で水が噴出されることとなる。
【0024】
又前記流出管31は、前記円筒支柱内の内空間37の上部に連設されており、該円筒支柱内の水をタンク外部に排出させるものである。又図10に示すように、前記流入管30及び流出管31には、所定震度の地震発生時に閉止する緊急遮断弁39が介装されている。なお図10において太い一点鎖線は、配管を簡略に示すものである。
【0025】
然して通常時には、水道水が、前記流入管30の吐出口32より、タンクの略接線方向に向けて噴出され、タンク2内に供給される。この噴出水は、図1に矢印で示すように、徐々に下向きの旋回流を形成しながらタンクの周壁内面7に沿ってタンク底面9に向かう。前記噴出流によって発生した旋回流は、底面9側において弱くなりがちであるが、この底面9側における旋回流は、図6に太い矢印で示すように前記流入路25を通して円筒支柱3内に流入する流入水の作用によって、強められる。
【0026】
より具体的には、前記細い流入路25(図6)を通過する流入水の流速が大であるために、この流入水が、円筒支柱3周辺の旋回流を円筒支柱内に引き込むことになり、その結果、タンク底面9側における旋回流が強められるのである。本実施の形態においては、貯留水の旋回方向に延びるように流入路25が形成されているため、円筒支柱3内へ貯留水の流入がより円滑に行われ、底面での旋回流を強めるための旋回流の引き込み作用がより効果的に行われることとなる。
【0027】
然して本発明によるときは、タンク上部の噴流による旋回流S1の発生(図1)と、流入路25における貯留水の引込み作用による旋回流S2の発生(図6、図1)が相乗的に働き、その結果、タンクの底面9側をも含めて、外空間33内の貯留水の全体をこの旋回流で効果的に動かすことができ、従って、該外空間33内の貯留水に滞留(よどみ)が生じにくい。又前記内空間37においては、前記流出管31からの貯留水の流出によって、上方向に向かう上昇流S3(図1)が形成される。このような上昇流が形成される結果、円筒支柱3内に前記上下方向の採水管5が納設されてはいても、内空間37の貯留水に滞溜を生じさせにくい状態で、円筒支柱内の水が順次流出することになる。
【0028】
このように本発明によるときは、貯水槽1は、通常時は水道管の一部として機能し、その貯留水は滞留が生じにくい状態で、新たに供給された水と速やかに入れ代わり、従って貯留水が新鮮な状態で確保される。そして震災時に緊急遮断弁39(図10)が閉じると、貯水槽1内には所定量の水が保存されるため、水道管が破裂した場合であっても、前記採水管5で貯留水を採水でき(この採水の際、図1、図10に示す空気抜き弁38を開放する)、貯水槽内の水を飲料水や消火用水として活用できることになる。
【0029】
そして前記通常時及び、貯水槽1内における前記水の保存状態においては、大きな水圧がタンクの内面や底面に作用することになるが、前記円筒支柱3によってタンク全体の剛性が向上せしめられているため、貯水槽1は、この大きな水圧にも十分に耐えることができるのである。
【0030】
〔その他の実施の形態〕
▲1▼ 図11〜12は、円筒支柱3の周壁の外面16に、前記旋回流の旋回方向の先側に位置する流入路25縁部において、旋回流Sを受けるための半径方向の受面42を有した突起43を設けた場合を示すものである。この受面42に連なる外面45(図12)は、円筒支柱の周壁の外面16に徐々に接近する傾斜面として形成し、極力旋回流を乱さないようにするのがよい。なお、前記受面42の半径方向の長さは、例えば2cm程度に設定する。これにより、流入路25が、図11に示すように円筒支柱の半径方向に延びる場合であっても、該流入路25内への旋回流の流入をより確実に行なわせることができる。
【0031】
▲2▼ 本発明に係る貯水槽において、前記流入路25は、該流入路25内への旋回流の流入が比較的容易に行なわれるものであれば、流入路の形成を容易とするために、図11に示すように半径方向に延びる構成としてもよい。又本発明に係る貯水槽1において、図13に示すように、円筒支柱3の底面9をタンクの底面19に面一に形成することもある。この場合は、円筒支柱の下端を欠切することによって、タンクの底面19との間で流入路25を形成することになる。
【0032】
▲3▼ 吐出口32は、図14に示すように、下端部分がタンク2の略接線方向に折曲された流入管30の開口端を以って構成されることもある。この場合、前記吐出口32からの噴流(矢印で示す)がその噴出直後に下向きになるのを防止し、前記外空間33内の全体に良好な旋回流を生じさせることができるように、前記旋回流を下方から受ける水流受板46を設けるのがよい。この水流受板46は、例えば、先側ほど拡大し且つ上面が水平面乃至稍上向きの傾斜面を呈する台形状の底板47を有し、且つその両側辺及び基端辺で立片49が屈曲形成された塵取り型を呈しており、前記流入管30の先端部に固定されている。然して、前記吐出口32からの噴流は、前記水流受板46の底板47に下から受けられて、噴出直後に下向きになるのが防止される。
【0033】
▲4▼ 本発明においては、配管の取替え等のメンテナンスの容易性を考慮して、前記のように、吐出口32をタンク2内に配置するのが好ましいが、該吐出口32を、図7に一点鎖線で示すように、タンクの周壁6に設けた開口として形成することもできる。このときは、流入管30をタンクの外面側に配管する。その場合の噴流の方向を図7に一点鎖線の矢印で示す。
【0034】
▲5▼ 前記タンク2や円筒支柱3の、貯留水に接触する面は、防錆や水質保持のために、前記のように、ステンレス製或いはステンレス張りとされた鋼板を用いて製作するのが好ましいが、エポキシ樹脂等のコーティング剤が塗布された鋼板等を用いて製作してもよい。
【0035】
▲6▼ 流入口25の形態は、前記横長矩形孔に特定されず、例えば図13に示す半円形孔等であってもよい。
【0036】
【発明の効果】
本発明は以下の如き優れた効果を奏する。
▲1▼ 円筒支柱の上下端をタンクの上下部に連結した構成であるため、該円筒支柱によって貯水槽の剛性を大幅に向上させることができ、これにより、大容量の貯水槽であっても水圧に十分耐えることができる。
【0037】
▲2▼ 本発明に係る貯水槽においては、タンク上部に配置した吐出口からの噴出流によって旋回流が発生する。加えて、貯留水が、円筒支柱の下部に形成した流入路を流速を上げて通過することに伴い、円筒支柱の下部周辺の貯留水を円筒支柱内に引き込む作用が生じ、これが、タンク底面に旋回流を発生させることとなる。このようなタンクの上部及び下部における旋回流の形成が相乗的に作用して、タンク底面側においても旋回流を弱くすることなく、円筒支柱の外側にあるタンク内の貯留水に良好な旋回流を形成し続けることができ、この貯留水の全体を良好に動かして水の滞留(よどみ)を極力防止できることとなる。そして、円筒支柱内においては上昇流を発生させることができるため、該円筒支柱内に採水管が納設されてはいても、この上下方向に延長する採水管は、円筒支柱内の貯留水に滞留を生じさせにくい。このように本発明によるときは、タンクの底面が、製作し易い水平面として形成されているにもかかわらず、滞留が生じにくい状態で、供給水と貯留水とを速やかに且つ効率的に入れ換えることのできる効率的な水循環を起こさせることができ、貯留水を常に新鮮に確保できる。
【0038】
▲3▼ 本発明に係る貯水槽は、円筒支柱を用いる簡易な補強構造を採用するため、貯水槽構築の低コスト化と工期の短縮を図り得ることとなる。
【0039】
▲4▼ 採水管を、旋回流が発生する前記外空間に配置するのではなく、上昇流が発生する前記内空間に配置するため、採水管が貯留水滞留の大きな原因の一つとなるのを防止できる。
【0040】
▲5▼ 特に、吐出口に水流受板を設けるときは、吐出口からの噴流がその噴出直後に下向きになるのを防止でき、タンク上部における旋回流を一層良好に形成することが可能となる。
【0041】
▲6▼ 流入路を、旋回流の旋回方向に延びるように設けることにより、タンク底面における旋回流を流入路に流入させやすくなる。又、円筒支柱の周壁外面で、且つ旋回流の旋回方向の先側に位置する流入路縁部において、旋回流を受けるための受面を有した突起を設けることによっても、タンク底面における旋回流を流入路に流入させやすくなる。従ってこのように構成するときは、タンク底面における旋回流をより良好に強めることが可能となる。
【0042】
▲7▼ 特に、円筒支柱の内径を80〜100cm程度に設定することにより、採水管の納設によっても円筒支柱内における上昇流に滞留が生ずるのをより効果的に防止できると共に、タンクの剛性向上も確実に図ることができ、しかも、円筒支柱がその外側における旋回流形成の妨げともならない等、性能の良い貯水槽を構成できることになる。
【0043】
▲8▼ タンクや円筒支柱の、貯留水に接触する面をステンレス面に形成するときは、防錆や水質保持のためのメンテナンスが特に必要でなくなる。因みに、前記タンクの周壁内面等に、防錆や水質保持の目的でエポキシ樹脂等のコーティング剤を塗布するときは、その塗り替えを必要とするばかりか、その塗り替え時に水道を止め且つ貯留水を抜きとる必要がある等、メンテナンス上の面倒さが伴うのであるが、前記のようにステンレス面とすることにより、かかる問題点を解消できることになる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の貯水槽を、貯水槽内における旋回流の発生状態と共に示す一部欠切斜視図である。
【図2】その断面図である。
【図3】その底部側を示す部分斜視図である。
【図4】円筒支柱の内部構造を示す一部欠切斜視図である。
【図5】その部分断面図である。
【図6】円筒支柱に設けた流入路を、貯留水の流入状態と共に示す断面図である。
【図7】流入管の吐出口からの水の噴出状態を示す説明図である。
【図8】流入管の吐出口の構成を示す斜視図である。
【図9】その断面図である。
【図10】貯水槽上部の配管状態を説明する説明図である。
【図11】円筒支柱に設けた流入路部分の他の構成を、円筒支柱内への水の流入状態と共に示す断面図である。
【図12】その部分斜視図である。
【図13】円筒支柱の下端部分のその他の構成を説明する断面図である。
【図14】流入管への水流受板の取り付け状態を示す斜視図である。
【符号の説明】
1 貯水槽
2 タンク
3 円筒支柱
5 採水管
6 周壁
7 周壁の内面
9 底面
19 円筒支柱内の底面
20 ピット
25 流入路
30 流入管
31 流出管
32 吐出口
33 外空間
34 水流受板
37 内空間
42 受面
43 突起
45 外面
Claims (8)
- 周壁の内面が円周面として形成されると共に底面が水平面として形成され且つ上端が閉蓋された縦型のタンク内に、その中心に位置させて、軸線が縦方向であり且つ周壁の内面及び外面が共に円周面として形成された円筒支柱を配置し、該円筒支柱の上下端をタンクの上下部に連結してなり、
前記円筒支柱の下端部分には、円筒支柱の内外を連通させる流入路を、タンクの前記底面を下面として設け、
又タンクの上部分には、前記タンク内に水を供給する流入管の吐出口を、タンクの略接線方向に向けて水を噴出するように配置すると共に、前記円筒支柱内の水をタンク外部に排出させる流出管の端部を円筒支柱の上部に連設し、
又前記円筒支柱内には、その内部の水を外部に取り出すための、上下方向に延長する採水管を、その下端を円筒支柱の下部に位置させて納設したことを特徴とする貯水槽。 - 円筒支柱内の空間の底面は前記タンクの底面よりも稍低く位置しており、前記採水管の下端がタンク底面よりも下に存することを特徴とする請求項1記載の貯水槽。
- 前記吐出口からの噴流がその噴出直後に下向きになるのを防止するために、前記噴流を下方から受ける、水平面乃至稍上向きの傾斜面を有する水流受板を設けたことを特徴する請求項1又は2記載の貯水槽。
- 前記流入路は、前記吐出口からの噴流が形成するタンク内の旋回流の旋回方向に延びるように設けられていることを特徴とする請求項1、2又は3記載の貯水槽。
- 円筒支柱の周壁の外面に、前記吐出口からの噴流が形成するタンク内の旋回流の旋回方向の先側に位置する流入路縁部において、旋回流を受けるための受面を有した突起を設けたことを特徴とする請求項1、2又は3記載の貯水槽。
- 前記突起の、前記受面に連なる外面は、円筒支柱の周壁の外面に徐々に接近する傾斜面として形成したことを特徴とする請求項5記載の貯水槽。
- 円筒支柱の周壁の内径を80〜100cmに設定したことを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載の貯水槽。
- 前記タンク及び前記円筒支柱の、貯留水と接触する面をステンレス面に形成したことを特徴とする請求項1〜7のいずれかに記載の貯水槽。
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