JP2010236276A - 水洗大便器 - Google Patents

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Masaki Kitamura
正樹 北村
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Abstract

【課題】 経年的な耐久劣化が生じることなく、手洗い水が貯水手段外に漏水してしまうことを防止することである。
【解決手段】 本発明では、便器を洗浄するための洗浄水を貯留する貯水手段と、貯水手段に洗浄水を供給すると共に手洗いに供する水を吐出する吐水手段と、前記貯水手段の上方に貯水手段と離間可能に載置され、前記吐水手段から供給された水を前記貯水手段に導くため導流穴を有する水受け蓋手段と、からなる手洗い付き便器タンク装置において、前記水受け蓋手段の貯水手段の対向面となる裏面には、前記導流穴の内径より大きな径を有する少なくとも1つ以上の水返し手段を前記導流穴周囲にで設けたことを特徴とする手洗い付き便器タンク装置とした。
【選択図】 図2

Description

本発明は、貯水手段であるタンクの上方に手洗い用の吐水手段と水受け蓋を設けた手洗い付き水洗大便器に係り、特に貯水手段外に漏水してしまうことを防止することに好適な水洗大便器に関する発明である。
手洗い付きの水洗大便器は、手洗いの水をそのままタンクに貯水できる点で、節水に有効な構造であるが、タンク内のメンテナンス上、手洗い用の吐水手段(スパウト等)が取り付けられた水受け蓋が着脱可能に取り付けられている。そのため、水受け蓋の吐水口と貯水槽(ロータンク)との間には、ギャップを形成せざるを得ず、水受け蓋の吐水口から吐水される水が水受け蓋から貯水槽(ロータンク)に流下する際に、そのギャップ間で飛散して貯水槽(ロータンク)外から漏水してしまうという不具合があった。
例えば、手洗い付き便器のタンク装置においては、手洗鉢の流水孔の周囲にスポンジを貼り付け、手洗鉢の流水孔からロータンク内に流入する洗浄水の勢いを無くして、ロータンク外に漏水してしまうことを防止している(例えば、非特許文献1参照。)。
発明協会公開技報公技番号2008−501006号
上記した先行文献では、このような場合、経年劣化によりスポンジの粘着材が剥がれスポンジが脱落したり、スポンジ硬化による永久変形などにより隙間が発生し、手洗い水が貯水手段外に漏水してしまうというおそれがあり改善の余地があった。
本発明は、上記問題を解決するためになされたもので、本発明の課題は、経年的な耐久劣化が生じることなく、手洗い水が貯水手段外に漏水してしまうことを防止することである。
上記目的を達成するために請求項1記載の発明は、便器を洗浄するための洗浄水を貯留する貯水手段と、貯水手段に洗浄水を供給すると共に手洗いに供する水を吐出する吐水手段と、前記貯水手段の上方に貯水手段と離間可能に載置され、前記吐水手段から供給された水を前記貯水手段に導くため導流穴を有する水受け蓋手段と、からなる水洗大便器において、前記水受け蓋手段の貯水手段の対向面となる裏面には、前記導流穴の内径より大きな径を有する少なくとも1つ以上の水返し手段を前記導流穴周囲に設けたことを特徴としている。
このように構成された本発明において、水受け蓋手段の流穴の周囲に水返し手段を形成したので、導流穴から吐水される際に飛散する水は、水返し手段に衝突することで、飛散を抑制でき、また、2つ以上の水返し手段を形成しておけば、導流穴に最も近い、水返し手段に衝突した水が、水伝いによりその水返し手段を乗り越えて、更に、水受け蓋手段の裏面を水伝いし、貯水手段外へ滴下して、貯水手段外へ漏れるような場合にも有効に漏水を防止できる。
また、請求項2記載の発明は、前記貯水手段の開口には、前記水受け蓋手段の導流穴に対向する位置に開口を有するカバー手段が設けられていることを特徴としている。
このように構成された本発明において、貯水手段内の洗浄水が水受け蓋手段の裏面に結露して、その結露水が、貯水手段外へ落下することを抑制できる。
また、請求項3記載の発明は、前記水返し手段は、前記カバー手段に形成された開口へ向かって下方に傾斜するガイド面と対向する位置に形成されていることを特徴としている。
このように構成された本発明において、水返し手段によって、水の飛散、水伝いを防止された水は、そこから貯水手段側へ落下するが、その落下した水は、カバー手段のガイド面に落ちるようにしたので、水を確実に貯水手段に誘導できる。
本発明によれば、経年的な耐久劣化が生じることなく、手洗い水が貯水手段外に漏水してしまうことを防止することができるという効果がある。
本発明の水洗大便器の外観を示す斜視図である。 本発明の水洗大便器を示す部分拡大断面図である。 図2の矢印A方向からの蓋体を示す部分外観図である。
以下、本発明の実施形態のついて、図面を基に説明する。図1は、本発明の手洗い付きの水洗大便器の外観を示す断面図である。図2は、手洗い付きの水洗大便器の部分拡大断面図である。図3は、図2の矢印A方向から見たタンクの蓋体の裏面の部分外観図である。
図1において、参照符合1は、水洗大便器を示す。水洗大便器1は、便器本体2とその上方に載置されている貯水手段であるタンク3からなる。タンク3は、貯水槽4とその貯水槽を収納するタンク本体5、更に、タンク本体5に着脱自在に固定される水受け蓋手段としての蓋体6からなる。蓋体6には、洗浄水を蓋体6上面の水受け部6aに洗浄水を吐水する吐水手段としてのスパウト7が固定されている。スパウト7の吐水口7aの略直下の蓋体6上面の水受け部6aには、吐水された水を下方の貯水槽4に流下できるように導流穴6bが形成されている。
参照符合8は、図示しない止水栓から水道水を給水ホース9に接続されているボールタップである。ボールタップ8は、前記スパウト7に接続され、水を給水できるようになっている。また、参照符合10は、貯水槽4の底に設けられた排水口4bを開閉して便器本体へ洗浄水を給水する排水弁である。
次に、図2に基づき、更に詳細に説明する。
タンク3の蓋体6の裏面側の導流穴6b貯水槽4側には、水返し手段となるリブ11が形成されている。リブ11は、図3に示すように導流穴6bより外側の周囲に形成され、導流穴6b内径より大きな径を有している。このように導流穴6内径より大きな径を有するリブ11を形成することで、導流穴6の下端からリブ11の蓋体6からの立ち上がり位置との間に平面6cが形成されることになる。図2では、リブ11は、1つのリブ11の更に外側にもう1つのリブ11を形成している。
また、タンク3の貯水槽4の上方の開口4aには、結露防止用のカバー12が形成されており、前記蓋体6の導流穴6bの対向位置に開口12aが形成されている。好ましくは、開口12aは、導流穴6b径より大きく、内側のリブ11の外径より大きくすることで、導流穴6bから流下する洗浄水が直接、カバー12に当たって、飛散する水を防止できる。また、カバー12上面は、開口12aに向かって傾斜してガイド面12bを形成している。なお、ガイド面12bの対向位置に蓋体6のリブ11が位置しており、リブ11から滴下する洗浄水を受け開口12aから貯水槽へ誘導できるようになっている。
次に、上述した構成に基づく動作について説明する。
使用者がロータンク側面にある図示しないレバーを操作すると、排水弁10が開き、貯水槽4に溜まっている水が便器本体3へ流れ出し、溜水混じりの汚物を図示しない排水配管に排出する。貯水槽4に溜まっていた水が減少すると、貯留する水量を元に戻すために図示しない市水に連接された止水栓と接続されている給水ホース9、ボールタップ8を介して水が供給される。供給された水はボールタップ8から直接貯水槽4に補給されると共に、手洗いに供するためにスパウト7に供給される。スパウト7から吐水された水は、タンク3の蓋体6の導流穴6bを通過し、カバー12を経て、貯水槽4に貯水される。所定量の貯水が完了するとボールタップ8は閉止し、次回使用者が水洗大便器1に対して洗浄水を供給する操作を待つことになる。
スパウト7から吐水された水は、蓋体6の取り付け状態や水圧条件等によっては、導流穴6bの中央部を直接水が通過せずに、蓋体6の導流穴6b入口付近の水受け部6aに直接当たることがある。その蓋体6の導流穴6b入口付近に当たった水は、吐水の勢いを略そのまま保ち、且つ、手洗い行為によって遮断されない限りは、連続して流れるので、その水は、導流穴6bの内壁面を伝わり、その端部より飛散したら、更に、蓋体6裏面に伝わり、貯水槽4とタンク本体3の間の隙間に水が流れ込み、機外漏水することがある。本発明では機外漏水を防止するために、蓋体6の裏面、かつ、導流穴6bの略同心上に設けたリブ12により水伝いを防止するようになっている。水の飛散や水伝いは、導流穴6bから、放射状に起きるので、リブ11は、円周形成している。この水伝いの防止は、上記した蓋体6の裏面に水が伝わりやすいことを利用して、まず、蓋体6に水が伝わるように平面6cを形成し、勢いのある水を誘導する。その後、誘導された水は、リブ11の縦面に衝突し、勢いを失い下方に滴下することになる。平面6cは、水が伝わる際に勢いを低減する効果も有するので、ある程度の距離があった方が良い。その距離は、例えば、上記したカバー12のガイド面12bが形成されている範囲であれば良い。例えば、5〜10mmとする。また、後述する水飛び防止を考慮するとリブ11の高さは高ければ良いのであるが、5mm程度あれば良い。望ましくは、8mm以上とする。また、市水の給水圧が高い高水圧現場においては、手洗い流量も高く、水伝い量も増えるため、単独のリブ11だけでは不十分な場合があるため、上記したように二重にリブ11を設けることで、水返し効果の向上を図っている。なおリブ11、11は略同心円状の円筒状の壁であり、蓋体6の材質として一般的である陶器であっても、その形成が容易であるよう配慮されている。なお、2つ目移行のリブ11の高さは、水伝いの勢いは殆ど無いので、1つ目に比べて低くて良い。
また、リブ11は導流穴6bを通過する際の水伝い防止だけではなく、上記したように導流穴6bの端部からの水飛びを防止する効果もある。導流穴6bの端部の表面粗さや角部のエッジによっては、水が通過して貯水槽4に向けて落下するときに、周囲に向けて飛沫を生じることがある。その飛沫もリブ11に衝突の後、下方に向けて落下するよう配慮されているため、前述の内容と同じく機外漏水を防止している。
1…水洗大便器
2…便器本体
3…タンク
4…貯水槽(貯水手段)
4a…開口
4b…排水口
5…タンク本体
6…蓋体(水受け蓋手段)
6a…水受け部
6b…導流穴
6c…平面
7…スパウト(吐水手段)
8…ボールタップ
9…給水ホース
10…排水弁
11…リブ(水返し手段)
12…カバー
12a…開口
12b…ガイド面

Claims (3)

  1. 便器を洗浄するための洗浄水を貯留する貯水手段と、
    前記貯水手段に洗浄水を供給すると共に手洗いに供する水を吐出する吐水手段と、
    前記貯水手段の上方に貯水手段と離間可能に載置され、前記吐水手段から供給された水を前記貯水手段に導くため導流穴を有する水受け蓋手段と、
    からなる手洗い付き便器タンク装置において、
    前記水受け蓋手段の裏面の貯水手段の対向面となる導流穴周囲には、その導流穴の内径より大きな径を有する少なくとも1つ以上の水返し手段を設けた
    ことを特徴とする手洗い付き便器タンク装置。
  2. 前記貯水手段の開口には、前記水受け蓋手段の導流穴に対向する位置に開口を有するカバー手段が設けられていることを特徴とする請求項1記載の手洗い付き便器タンク装置。
  3. 前記水返し手段は、前記カバー手段に形成された開口へ向かって下方に傾斜するガイド面と対向する位置に形成されていることを特徴とする請求項2に記載の手洗い付き便器タンク装置。
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Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2012225047A (ja) * 2011-04-19 2012-11-15 Lixil Corp 手洗い付き便器タンクの手洗い鉢構造
JP2013139681A (ja) * 2011-12-29 2013-07-18 Toto Ltd 便器洗浄水タンク
JP2016148163A (ja) * 2015-02-10 2016-08-18 Toto株式会社 タンク装置
JP2018109272A (ja) * 2016-12-28 2018-07-12 Toto株式会社 水洗大便器
JP2020180520A (ja) * 2019-04-26 2020-11-05 株式会社アメータ ホルダー

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