JPH1130301A - Vベルト式無段変速機 - Google Patents

Vベルト式無段変速機

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JPH1130301A
JPH1130301A JP20235197A JP20235197A JPH1130301A JP H1130301 A JPH1130301 A JP H1130301A JP 20235197 A JP20235197 A JP 20235197A JP 20235197 A JP20235197 A JP 20235197A JP H1130301 A JPH1130301 A JP H1130301A
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belt
groove pulley
groove
endless
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JP20235197A
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Suenori Tsujimoto
末則 辻本
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 低速時のように高いトルクを伝達する場合
に、入力軸及び出力軸が偏位して耐久性が低下するのを
防ぎ、トルクの一部を伝達する機能を有して、無端Vベ
ルトにかかる負担の一部を軽減してその耐久性を高める
ことにある。 【解決手段】 入力側無段変速V溝プーリー4と出力側
無段変速V溝プーリー5にその両端側が一部挟圧される
支持ローラー7を、無端Vベルト6が回装張設された内
周側で且つ入力側無段変速V溝プーリー4と出力側無段
変速V溝プーリー5との間のスペース部分に回転自在に
配置すると共に、支持ローラー7を入力側無段変速V溝
プーリー4と出力側無段変速V溝プーリー5との間で無
端Vベルト6の角速度と同期伝動しながら移動自在に配
置し、入力側無段変速V溝プーリー4及び出力側無段変
速V溝プーリー5に挟圧されて反力を生じる支持ローラ
ー7の接触圧を流体圧で調整自在にした。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、一対の無段変速
V溝プーリーに無端Vベルトを回装張設して変速比を無
段階に変化可能なVベルト式無段変速機に係り、特に、
低速時のように高いトルクを伝達する場合に、入力軸及
び出力軸が偏位するのを防ぐと同時に低速トルク伝達の
増大を図るVベルト式無段変速機に関するものである。
【0002】
【従来の技術】Vベルト式無段変速機は、一対のV溝プ
ーリー間に無端Vベルトを回装張設し、V溝プーリーの
V溝の一方の溝側部を構成する固定プーリーフランジに
対して他方の溝側部を構成する可動プーリーフランジを
軸芯方向に変動させることによって、一対のV溝プーリ
ーに対するVベルトの装着半径、つまり変速比を無段階
に変化させるようにしたものである。
【0003】Vベルト式無段変速機においては、V溝プ
ーリーの両溝側部を構成する相対向する一対の固定プー
リーフランジと可動プーリーフランジとでVベルトの両
側面を挟圧して、V溝プーリーの駆動力をVベルトに伝
達しているが、VベルトはV溝プーリーの制限された半
円の部分においてだけ接触させられる。このため、V溝
プーリーの一溝側部を構成する可動プーリーフランジは
軸芯方向に偏心的に負荷が作用している。
【0004】ところで、低速時のように高いトルクを伝
達する場合においては、可動プーリーフランジがVベル
トの側面を挟圧する押圧力は非常に大きくなり、その結
果、可動プーリーフランジは軸芯に対して偏心を起こし
易くなるという問題があり、これを防ぐための種々の構
造が発明されており、このような発明の1つとして例え
ば特開平6−300103の『調車』が特許出願されて
いる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】前記の特開平6−30
0103の『調車』の発明にあっては、可動プーリーフ
ランジが装着された入力軸及び出力軸が偏心するのを防
ぐ構造を通じて可動プーリーフランジが軸芯に対して偏
心を起こすのを防ぐようにしている。即ち、入力軸及び
出力軸が変形するのを防ぐために、入力軸及び出力軸の
先端側の一側部に先端側が一側部に向けて変形するのを
防ぐ補償装置がそれぞれ設けられていて、これに対処し
ている。
【0006】その結果、低速時のように高いトルクを伝
達する場合においては、入力軸や出力軸には補償装置か
らの大きな反力が作用することになり、この大きな反力
に耐えるように入力軸及び出力軸の直径を大きくした
り、その強度を高めたりする必要があり、また長期的に
は反力によって入力軸及び出力軸は金属疲労を起こして
耐久性が低下するという課題があった。
【0007】この発明は、上記のような課題に鑑み、そ
の課題を解決すべく創案されたものであって、その目的
とするところは、低速時のように高いトルクを伝達する
場合に、入力軸及び出力軸が偏位して耐久性が低下する
のを防ぎ、しかもトルクの一部を伝達する機能を有し
て、無端Vベルトにかかる負担の一部を軽減してその耐
久性を高めることのできるVベルト式無段変速機を提供
することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】以上の目的を達成するた
めに、この発明は、入力軸に装着された可変自在なV字
状溝幅を有する入力側無段変速V溝プーリーと、出力軸
に装着された可変自在なV字状溝幅を有する出力側無段
変速V溝プーリーとの間に無端Vベルトが回装張設され
たVベルト式無段変速機において、前記入力側無段変速
V溝プーリーと前記出力側無段変速V溝プーリーにその
両端側が一部挟圧される支持ローラーを、前記無端Vベ
ルトが回装張設された内周側で且つ入力側無段変速V溝
プーリーと出力側無段変速V溝プーリーとの間のスペー
ス部分に回転自在に配置すると共に、支持ローラーを入
力側無段変速V溝プーリーと出力側無段変速V溝プーリ
ーとの間で無端Vベルトの角速度と同期伝動しながら移
動自在に配置し、入力側無段変速V溝プーリー及び出力
側無段変速V溝プーリーに挟圧されて反力を生じる支持
ローラーの接触圧を流体圧で調整自在にした手段よりな
るものである。
【0009】
【発明の実施の形態】以下、図面に記載の発明の実施の
形態に基づいて、この発明をより具体的に説明する。こ
こで、図1はVベルト式無段変速機の平断面図、図2は
Vベルト式無段変速機の側断面図、図3は支持ローラー
取付け部の縦断面図である。
【0010】図において、Vベルト式無段変速機1は変
速比を無段階に変化させることができるもので、外枠を
形成するケーシング11の内部には、一対の入力軸2と
出力軸3とが離間して並設されている。入力軸2及び出
力軸3はその軸芯が平行になるように配置されている。
入力軸2及び出力軸3はその両端がケーシング11の内
壁面に取付けられた軸受け12に回転自在に軸支されて
いる。
【0011】離間して並設された入力軸2及び出力軸3
には、入力側無段変速V溝プーリー4及び出力側無段変
速V溝プーリー5が装着されている。この一対の入力側
無段変速V溝プーリー4と出力側無段変速V溝プーリー
5との間には、無端Vベルト6が回装張設されていて、
入力軸2の駆動力は無端Vベルト6を介して出力軸3に
伝達される。
【0012】低速時のように高いトルクを伝達する場合
に入力軸2及び出力軸3が偏位するのを防ぐと同時に無
端Vベルト6の角速度と同期して回転しトルクの一部を
伝達し変速機能を有する支持ローラー7が、無端Vベル
ト6が回装張設された内周側でしかも入力側無段変速V
溝プーリー4と出力側無段変速V溝プーリー5との間に
配置されている。
【0013】入力軸2に装着された入力側無段変速V溝
プーリー4は、一対の相対向して設けられた固定プーリ
ーフランジ41と可動プーリーフランジ42とによりV
字状の溝側部が構成されている。固定プーリーフランジ
41は入力軸2の一端側にナット43によって一端から
締め付けられて固定されている。可動プーリーフランジ
42は入力軸2の他端側に入力軸2の外周側面に沿って
軸芯方向に摺動自在に装着されている。
【0014】固定プーリーフランジ41は、円形の形状
を有し、円形の中心部が入力軸2に貫通されており、又
入力側無段変速V溝プーリー4のV字状の片方の内側部
を形成する面が周縁から中心部に向かって対向する可動
プーリーフランジ42側に向けて傾斜する方向に形成さ
れている。
【0015】可動プーリーフランジ42は、円形の形状
を有し、円形の中心部が入力軸2に貫通されて摺動自在
になっており、又入力側無段変速V溝プーリー4のV字
状の片方の内側部を形成する面が周縁から中心部に向か
って対向する固定プーリーフランジ41側に向けて傾斜
する方向に形成されている。
【0016】可動プーリーフランジ42の内周面にはス
プライン摺動部42aが形成され、又入力軸2の他端側
の外周面には上記スプライン摺動部42aと係合するス
プライン摺動部21が形成されていて、可動プーリーフ
ランジ42はこのスプライン摺動部42a,21によっ
て、入力軸2の軸芯方向に摺動可能且つ軸回りには一体
的に回転する。
【0017】可動プーリーフランジ42が装着された入
力軸2の他端側には環状の油圧室44が形成されてい
る。環状の油圧室44は奥端面及び内側内周面及び外側
内周面が可動プーリーフランジ42によって構成され、
環状の油圧室44の前端面が可動プーリーフランジ42
によって構成されている。油圧室44に圧入される油量
が増加するとその油圧によって環状の油圧室44は、膨
脹してその前端面を前方に向けて押圧して、可動プーリ
ーフランジ42を固定プーリーフランジ41側に向けて
摺動させるようになっている。
【0018】入力軸2の他端側には油圧室44に油を供
給するための油路45が形成されていて、油路45の一
端は油圧室44に接続され、油路45の他端側は入力軸
2の他端の回転中心部からケーシング11の外部に延設
され、ケーシング11の外部に設けられた図示しない油
圧ポンプ及び油タンクに接続されている。
【0019】出力軸3に装着された出力側無段変速V溝
プーリー5は、一対の相対向して設けられた固定プーリ
ーフランジ51と可動プーリーフランジ52とによりV
字状の溝側部が構成されている。固定プーリーフランジ
51は出力軸3の一端側にナット53によって一端から
締め付けられて固定されている。可動プーリーフランジ
52は出力軸3の他端側に出力軸3の外周側面に沿って
軸芯方向に摺動自在に装着されている。
【0020】固定プーリーフランジ51は、円形の形状
を有し、円形の中心部が出力軸3に貫通されており、又
出力側無段変速V溝プーリー5のV字状の片方の内側部
を形成する面が周縁から中心部に向かって対向する可動
プーリーフランジ52側に向けて傾斜する方向に形成さ
れている。
【0021】可動プーリーフランジ52は、円形の形状
を有し、円形の中心部が出力軸3に貫通されて摺動自在
になっており、又出力側無段変速V溝プーリー5のV字
状の片方の内側部を形成する面が周縁から中心部に向か
って対向する固定プーリーフランジ51側に向けて傾斜
する方向に形成されている。
【0022】可動プーリーフランジ52の内周面にはス
プライン摺動部52aが形成され、又出力軸3の他端側
の外周面には上記スプライン摺動部52aと係合するス
プライン摺動部31が形成されていて、可動プーリーフ
ランジ52はこのスプライン摺動部52a,31によっ
て、出力軸3の軸芯方向に摺動可能且つ軸回りには一体
的に回転する。
【0023】可動プーリーフランジ52が装着された出
力軸3の他端側には環状の油圧室54が形成されてい
る。環状の油圧室54は奥端面及び内側内周面及び外側
内周面が可動プーリーフランジ52によって構成され、
環状の油圧室54の前端面が可動プーリーフランジ52
によって構成されている。油圧室54に圧入される油量
が増加するとその油圧によって環状の油圧室54は、膨
脹してその前端面を前方に向けて押圧して、可動プーリ
ーフランジ52を固定プーリーフランジ51側に向けて
摺動させるようになっている。
【0024】出力軸3の他端側には油圧室54に油を供
給するための油路55が形成されていて、油路55の一
端は油圧室54に接続され、油路55の他端側は出力軸
3の他端の回転中心部からケーシング11の外部に延設
され、ケーシング11の外部に設けられた図示しない油
圧ポンプ及び油タンクに接続されている。
【0025】無端Vベルト6はベルト幅方向の厚みを有
する両側端面が、ベルトの内周側に向かって幅狭方向に
縮小する傾斜面に形成されている。この傾斜面の傾斜角
度は、無端Vベルト6のベルト幅方向の両側端面が密着
して挟圧される入力側無段変速V溝プーリー4及び出力
側無段変速V溝プーリー5の固定プーリーフランジ4
1,51及び可動プーリーフランジ42,52の内側傾
斜面の傾斜角度と同一になっている。
【0026】支持ローラー7は、無端Vベルト6が回装
張設された内周側で、しかも入力側無段変速V溝プーリ
ー4と出力側無段変速V溝プーリー5との間のスペース
部分に配置され、入力側無段変速V溝プーリー4と出力
側無段変速V溝プーリー5との間で移動できるようにな
っている。支持ローラー7は入力側無段変速V溝プーリ
ー4と出力側無段変速V溝プーリー5との間のスペース
部分に配置されるため、特別な配置スペースを設ける必
要がなく、構造が複雑になることがない。
【0027】支持ローラー7は、低速時のように高いト
ルクを伝達する場合に、無端Vベルト6が挟圧される箇
所と入力軸2、出力軸3を挟んで反対側となる入力側無
段変速V溝プーリー4、出力側無段変速V溝プーリー5
の溝内側面に当接して、可動プーリーフランジ42,5
2が内側に変位するのを防いで、これによって、入力軸
2及び出力軸3が偏位するのを防ぐようになっている。
【0028】低速時のように高いトルクを伝達する場合
において、可動プーリーフランジ42,52に高い圧力
を作用させて無端Vベルト6を挟圧するときには、この
高い圧力に対抗する圧力が支持ローラー7に生じるよう
に、支持ローラー7の内部には流体圧例えば油圧が作用
する構造になっている。
【0029】支持ローラー7は、回転中心部に貫通して
設けられたローラー中心軸71と、ローラー中心軸71
の外周に回転自在に設けられた円形環状ローラー72か
ら構成されている。円形環状ローラー72はローラー中
心軸71の外周に装着された軸受け71aによって回転
自在に取付けられている。円形環状ローラー72は内部
に環状の油圧室73が形成されている。
【0030】ローラー中心軸71には油圧室73に油を
供給するための油路74が形成されていて、油路74の
一端は油圧室73に接続され、油路74の他端側はロー
ラー中心軸71の回転中心部からケーシング11の外部
に延設され、ケーシング11の外部に設けられた昇圧機
75の高圧側に接続し図示しない油圧ポンプ及び油タン
クに接続されている。
【0031】また、油路74の途中には油圧室73の油
圧を高める昇圧機75が設けられている。昇圧機75
は、低速時のように高いトルクを伝達する場合に入力側
無段変速V溝プーリー4及び出力側無段変速V溝プーリ
ー5の可動プーリーフランジ42,52を高い圧力で挟
圧するとき、この高い圧力の数倍の作動圧力を生み出
し、プーリー4,5の受圧面積と支持ローラー7の受圧
面積のこれに反比例した値の圧力で、支持ローラー7の
油圧室73に作動させ、プーリー4,5の挟圧力とバラ
ンスさせる接触圧を支持ローラー7に生じさせる機能を
果たす。
【0032】円形環状ローラー72は2個の円形環状体
をその円周縁に沿って合わせたものからなり、内部の油
圧室73の油量によって円形環状体の厚み方向つまり円
形環状ローラー72の円周面の幅方向に拡縮する構造に
形成されている。
【0033】環状ローラー72の円周縁両側面は、入力
側無段変速V溝プーリー4及び出力側無段変速V溝プー
リー5のV字状の溝内傾斜側面に当接できるように、V
字状の傾斜側面と同一の角度の傾斜面に形成されてい
る。
【0034】支持ローラー7のローラー中心軸71はそ
の両端が左右のローラー支持プレート76にそれぞれ固
持されている。左右のローラー支持プレート76は上下
側が、ローラー中心軸71に平行な上部連結筒体76a
と下部連結筒体76bとによって一体的に連結されてい
る。上部連結筒体76aの内部には上部連結軸76cが
相対的に摺動自在に貫通して横架され、また、下部連結
筒体76bの内部には下部連結軸76dが相対的に摺動
自在に貫通して横架されている。
【0035】左右のローラー支持プレート76の上部を
連結する上部連結筒体76aを貫通する上部連結軸76
cは、その左右両端が上部スライダー77に連結されて
いる。また、左右のローラー支持プレート76の下部を
連結する下部連結筒体76bを貫通する下部連結軸76
dは、その左右両端が下部スライダー78に連結されて
いる。左右のローラー支持プレート76は上下の上部連
結軸76c及び下部連結軸76dによって、左右方向に
摺動自在に保持されている。
【0036】上部スライダー77は、ケーシング11の
上部内側壁面に水平方向に形成された上部案内溝に77
aに摺動自在に取付けられている。下部スライダー78
は、ケーシング11の上部内側壁面に水平方向に形成さ
れた下部案内溝に78aに摺動自在に取付けられてい
る。
【0037】左右のローラー支持プレート76は各上下
のスライダー77,78が上下の案内溝77a,78a
に沿って摺動することによって、入力側無段変速V溝プ
ーリー4側又は出力側無段変速V溝プーリー5側に移動
でき、これにより支持ローラー7も同方向に移動できる
ようになっている。
【0038】これらの、ローラー支持プレート76、片
側のローラー支持プレート76、上部連結軸76aの片
側、片側の上部スライダー77の内部には、前記の油路
74が形成されている。特にローラー支持プレート76
が移動する範囲で、油路74の接続部分はその移動に追
従して油漏れしないような構造になっている。
【0039】次に、上記発明の実施の形態の構成に基づ
く作用について以下説明する。低速時のように高いトル
クを伝達する場合においては、入力側無段変速V溝プー
リー4の可動プーリーフランジ42は入力軸2の他端側
に移動していて、可動プーリーフランジ42と固定プー
リーフランジ41との間は最も広がっていて、入力側無
段変速V溝プーリー4に半円形状に回装される無端Vベ
ルト6の回装半径は最小になっている。
【0040】これに対して、出力側無段変速V溝プーリ
ー5の可動プーリーフランジ52は出力軸3の固定プー
リーフランジ51側寄りに移動していて、可動プーリー
フランジ52と固定プーリーフランジ51との間は最も
狭まっていて、出力側無段変速V溝プーリー5に半円形
状に回装される無端Vベルト6の回装半径は最大になっ
ている。
【0041】一方、入力側無段変速V溝プーリー4に最
小半径で半円形状に回装される無端Vベルト6は、入力
軸2の高いトルクを出力軸3に伝達するために、可動プ
ーリーフランジ42と固定プーリーフランジ41とによ
って幅方向両側端が最も高い圧力で挟圧される。
【0042】即ち、入力軸2の入力側無段変速V溝プー
リー4の他端側に形成されている油圧室44には、図示
しない油圧ポンプによって伝達される油圧により、最も
高い圧力が生じ、この最も高い圧力によって、可動プー
リーフランジ42を相対向する固定プーリーフランジ4
1側に向けて押圧し、この可動プーリーフランジ42と
固定プーリーフランジ41との間に挟圧された無端Vベ
ルト6の幅方向両側端には最も高い圧力が作用すること
になる。
【0043】この場合において、無端Vベルト6の幅方
向一側端を最も高い圧力で固定プーリーフランジ41に
向けて押圧する可動プーリーフランジ42は、無端Vベ
ルト6の一側端とは半円形部分だけ接触して押圧し、残
り半円形部分とは非接触状態にあって押圧しない。
【0044】つまり、可動プーリーフランジ42は入力
軸2を挟んでその片側だけを押圧し、その押圧力によっ
て片側だけに反力を受けることになる。その結果、可動
プーリーフランジ42は入力軸2を挟んで無端Vベルト
6の一側端と非接触側に変位する力が生じることにな
り、入力軸2は同方向に偏位し易くなる。
【0045】そして、入力軸2の偏位に伴って可動プー
リーフランジ42も同方向に変位すると、可動プーリー
フランジ42と無端Vベルト6の接触並行角が不並行と
なり、可動プーリーフランジ42と無端Vベルト6の接
触面が不均一になり、伝達トルクが小さくなる伝達トル
クを補償するためには可動プーリーフランジ42に更に
高い圧力を生じさせることが必要となり、可動プーリー
フランジ42が更に高い圧力で無端Vベルト6の側端を
押圧すると、入力軸2の偏位は更に大きくなって、必要
以上に高い圧力で挟圧された無端Vベルト6は早期に変
形摩耗して耐久性が低下し、また、入力軸2も変形して
耐久性が低下するという不都合が生じる。
【0046】しかし、この発明では、入力軸2を挟んで
無端Vベルト6の一側端と接触しない側の可動プーリー
フランジ42は、支持ローラー7の円形環状ローラー7
2の円周縁の一側面と接触する。可動プーリーフランジ
42に接触する支持ローラー7の円形環状ローラー72
は内部に環状の油圧室73が設けられていて、油圧室7
3には油路74を通じて図示しない油圧ポンプと昇圧機
75によって、可動プーリーフランジ42の受圧面積と
伝動ローラーの受圧面積のこれに反比例した高い油圧が
伝達されていて、可動プーリーフランジ42からの押圧
力に対して十分に釣り合う接触圧力を生じさせることが
できる。
【0047】これにより、無端Vベルト6の一側端を押
圧する可動プーリーフランジ42は、無端Vベルト6の
一側端に接触しない側が支持ローラー7の円形環状ロー
ラー72の一側面に当接して円形環状ローラー72から
の押圧力によって、無端Vベルト6の一側端との非接触
側に変位するのが阻止され、入力軸2が無端Vベルト6
の一側端との非接触側に偏位するのが防止される。
【0048】また、入力軸2の低速で回転する可動プー
リーフランジ42からの押圧力を受ける支持ローラー7
は、押圧接触によってローラー中心軸71を中心として
回転して、支持ローラー7の円形環状ローラー72の円
周縁両側面の一部が押圧接触する出力軸3の出力側無段
変速V溝プーリー5に無端Vベルト6の周回速度と同期
的に回転トルクの一部を伝達し、無端Vベルト6を通じ
て伝達される回転トルクと合わせて、入力軸2から出力
軸3への回転トルクの伝達効率を高める。
【0049】このとき、入力軸2の回転中心から無端V
ベルト6の接触面までのベルト接触半径と、入力軸2の
回転中心から支持ローラー7の接触面までの支持ローラ
ー接触半径とは同一であり、また、出力軸3の回転中心
から無端Vベルト6の接触面までのベルト接触半径と、
出力軸3の回転中心から支持ローラー7の接触面までの
支持ローラー接触半径とは同一であり、無端Vベルト6
のベルト伝動角速度と支持ローラー7の支持ローラー角
度速度が略同期伝動となる。
【0050】中速時のように中位のトルクを入力軸2か
ら出力軸3に伝達する場合においては、支持ローラー7
の油圧室73の油圧を無端Vベルト6の一側端から作用
する圧力より少し低くなるようにして、入力側無段変速
V溝プーリー4と支持ローラー7、及び出力側無段変速
V溝プーリー5と支持ローラー7とによる接触抵抗を小
さくする。
【0051】高速時のように低いトルクを入力軸2から
出力軸3に伝達する場合においては、支持ローラー7の
油圧室73の油圧を無端Vベルト6の一側端から作用す
る圧力より更に低くなるようにして、入力側無段変速V
溝プーリー4と支持ローラー7、及び出力側無段変速V
溝プーリー5と支持ローラー7とによる接触抵抗を小さ
くする。支持ローラー7の円形環状ローラー72の円周
縁の側面は出力側無段変速V溝プーリー5の内側面に軽
く接触する程度にして、支持ローラー7は遊転する程度
の状態にする。
【0052】なお、この発明は上記発明の実施の形態に
限定されるものではなく、この発明の精神を逸脱しない
範囲で種々の改変をなし得ることは勿論である。例え
ば、前記実施の形態では、支持ローラー7を1個配置し
た場合で説明したが、これに限定されるものではなく、
支持ローラー7を上下に複数個配置してもよい。
【0053】
【発明の効果】以上の記載より明らかなように、この発
明に係るVベルト式無段変速機によれば、入力側無段変
速V溝プーリーと出力側無段変速V溝プーリーにその両
端側が一部挟圧される支持ローラーを、無端Vベルトが
回装張設された内周側で且つ入力側無段変速V溝プーリ
ーと出力側無段変速V溝プーリーとの間のスペース部分
に回転自在に配置すると共に、支持ローラーを入力側無
段変速V溝プーリーと出力側無段変速V溝プーリーとの
間で無端Vベルトの角速度と同期伝動しながら移動自在
に配置し、入力側無段変速V溝プーリー及び出力側無段
変速V溝プーリーに挟圧されて反力を生じる支持ローラ
ーの接触圧を流体圧で調整自在にしたことにより、低速
時のように高いトルクを伝達する場合に、高い圧力で無
端Vベルトの側端を押圧する際に片側に変位する可動プ
ーリーフランジを、変位する片側に挟圧される支持ロー
ラーを配置して直接支持するので、可動プーリーフラン
ジが変位するのを阻止することができ、これにより入力
軸や出力軸が偏位するのを防ぐことができ、入力軸や出
力軸の耐久性を高めることができる。
【0054】しかも、支持ローラーは入力側無段変速V
溝プーリーと出力側無段変速V溝プーリーとの間のスペ
ース部分に配置されるので、支持ローラーを配置するた
めの余分なスペースを必要とすることもなく、これによ
って装置が大型になるのを回避することができる。ま
た、出力容量比で、大幅な軽量小型化が実現できる。
【0055】更に、低速時のように高いトルクを伝達す
る場合には、支持ローラーの内圧を流体圧で調整して入
力側無段変速V溝プーリーの挟圧力に十分に抵抗できる
圧力を生じさせて、入力側無段変速V溝プーリーの回転
に連動して支持ローラーを回転させることにより、入力
軸のトルクの一部を支持ローラーが無端Vベルトの角速
度と略同期的にそのトルクを出力軸に伝達することがで
き、無端Vベルトのみで動力を伝達させる場合に比べ
て、その動力伝達効率を高めることができ、しかも、無
端Vベルト以外でも動力を伝達できるので、無端Vベル
トにかかる負担の一部を軽減でき、無端Vベルトの寿命
を延ばすことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の実施の形態を示すVベルト式無段変
速機の平断面図である。
【図2】この発明の実施の形態を示すVベルト式無段変
速機の側断面図である。
【図3】この発明の実施の形態を示す支持ローラー取付
け部の縦断面図である。
【符号の説明】
1 Vベルト式無段変速機 11 ケーシング 12 軸受け 2 入力軸 21 スプライン摺動部 3 出力軸 31 スプライン摺動部 4 入力側無段変速V溝プーリー 41 固定プーリーフランジ 42 可動プーリーフランジ 42a スプライン摺動部 43 ナット 44 油圧室 45 油路 5 出力側無段変速V溝プーリー 51 固定プーリーフランジ 52 可動プーリーフランジ 52a スプライン摺動部 53 ナット 54 油圧室 55 油路 6 無端Vベルト 7 支持ローラー 71 ローラー中心軸 71a 軸受け 72 円形環状ローラー 73 油圧室 74 油路 75 昇圧機 76 ローラー支持プレート 76a 上部連結筒体 76b 下部連結筒体 76c 上部連結軸 76d 下部連結軸 77 上部スライダー 77a 上部案内溝 78 下部スライダー 78a 下部案内溝

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 入力軸に装着された可変自在なV字状溝
    幅を有する入力側無段変速V溝プーリーと、出力軸に装
    着された可変自在なV字状溝幅を有する出力側無段変速
    V溝プーリーとの間に無端Vベルトが回装張設されたV
    ベルト式無段変速機において、前記入力側無段変速V溝
    プーリーと前記出力側無段変速V溝プーリーにその両端
    側が一部挟圧される支持ローラーを、前記無端Vベルト
    が回装張設された内周側で且つ入力側無段変速V溝プー
    リーと出力側無段変速V溝プーリーとの間のスペース部
    分に回転自在に配置すると共に、支持ローラーを入力側
    無段変速V溝プーリーと出力側無段変速V溝プーリーと
    の間で無端Vベルトの角速度と同期伝動しながら移動自
    在に配置し、入力側無段変速V溝プーリー及び出力側無
    段変速V溝プーリーに挟圧されて反力を生じる支持ロー
    ラーの接触圧を流体圧で調整自在にしたことを特徴とす
    るVベルト式無段変速機。
JP20235197A 1997-07-10 1997-07-10 Vベルト式無段変速機 Pending JPH1130301A (ja)

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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR100811514B1 (ko) * 2006-05-24 2008-03-07 현대자동차주식회사 무단변속기의 풀리비 제어장치
KR101251740B1 (ko) * 2010-12-27 2013-04-05 현대 파워텍 주식회사 무단 변속장치
KR101251791B1 (ko) * 2010-12-27 2013-04-08 현대 파워텍 주식회사 무단 변속장치

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KR100811514B1 (ko) * 2006-05-24 2008-03-07 현대자동차주식회사 무단변속기의 풀리비 제어장치
KR101251740B1 (ko) * 2010-12-27 2013-04-05 현대 파워텍 주식회사 무단 변속장치
KR101251791B1 (ko) * 2010-12-27 2013-04-08 현대 파워텍 주식회사 무단 변속장치

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