JPH11302931A - 紡機のニューマ装置 - Google Patents

紡機のニューマ装置

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JPH11302931A
JPH11302931A JP10927798A JP10927798A JPH11302931A JP H11302931 A JPH11302931 A JP H11302931A JP 10927798 A JP10927798 A JP 10927798A JP 10927798 A JP10927798 A JP 10927798A JP H11302931 A JPH11302931 A JP H11302931A
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JP
Japan
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suction
signal
filter box
pneumatic device
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JP10927798A
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Masanari Sato
譲得 佐藤
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Toyoda Automatic Loom Works Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 フィルタボックス内からの繊維屑の回収等の
作業の遅れにより、糸切れ時にニューマ装置が正常に機
能しない状態になるのを防止する。 【解決手段】 送風機6の駆動によりフィルタボックス
3に向かう吸引気流が吸引ダクト9に発生し、各錘の糸
切れ時にフリースが吸引ノズル10の吸引口10aから吸引
ダクト9に吸引される。吸引ダクト9にはフィルタボッ
クス3から最も離れた位置に配設された吸引ノズル10よ
り第2端部寄りに流速センサ12が取り付けられている。
流速センサ12による検出値が第1の設定値未満になる
と、制御装置からそれを知らせる報知信号が出力され、
表示灯14が作動される。流速センサ12による検出値が第
2の設定値以下になると、送風機6が増速される。送風
機6は一度増速されると前記検出値が第2の設定値より
大きくなっても解除信号出力手段から解除信号が出力さ
れるまでは増速状態に保持される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は紡機のニューマ装置
に関するものである。
【0002】
【従来の技術】一般に精紡機には、糸切れ時にドラフト
パートから送出されるフリースが糸切れ錘以外の錘に悪
影響を及ぼすのを防止するため、糸切れ時にフリースを
確実に吸引する作用をなすニューマチッククリヤラ(ニ
ューマ装置)が装備されている。ニューマ装置は図7に
示すように、精紡機の機台51の長手方向に沿って延び
るように配設された吸引ダクト52と、吸引ダクト52
に接続された吸引ノズル53とを備えている。吸引ダク
ト52は機台51の一端に配設されたフィルタボックス
54に接続されている。フィルタボックス54はフィル
タ55及びモータ56により駆動されるファン57を備
えており、モータ56の駆動により吸引ダクト52に負
圧が作用し、その負圧の作用によって吸引ノズル53に
吸引作用が発生する。そして、吸引ノズル53から吸引
されたフリースや風綿等の繊維屑が吸引ダクト52内を
フィルタボックス54まで搬送されてフィルタ55に捕
捉され、フィルタ55で区画された収容部内に貯留され
る。フィルタボックス54内にある程度繊維屑が貯留さ
れたときに、作業者がドア58を開けて収容部内の繊維
屑を適宜回収するようになっている。
【0003】吸引ノズル53に作用する吸引力は繊維屑
等がフィルタ55に堆積するに従って次第に弱くなる。
また、吸引ノズル53に作用する吸引力はフィルタボッ
クス54から遠い側では、フィルタボックス54に近い
側よりも弱くなる。従って、モータ56にはフィルタ5
5に有る程度繊維屑が付着した状態でも、フィルタボッ
クス54から遠い側の吸引ノズル53の吸引作用に支障
のない状態の風量を確保できる容量が要求される。しか
し、モータ56を一定の駆動力で回転させた場合は、フ
ィルタ55に付着した繊維量が少ない段階では無駄なエ
ネルギーを使用することになる。
【0004】この問題を解消する方法として、インバー
タ制御されるモータを使用するとともに、フィルタボッ
クス内の圧力変化を検出し、フィルタへの繊維屑の堆積
量が増してもフィルタボックス内の圧力が一定となるよ
うにモータの回転速度を制御する方法がある。この方法
では、糸切れ時と非糸切れ時とに拘わらず圧力を一定に
保持する構成となっている。しかし、非糸切れ時には糸
切れ時より吸引圧力は小さくてもよい。実開平5−46
973号公報には、その点に着目して、ニューマ装置の
ファンを通常は最低速度で回転させ、糸切れ発生時には
ファンを糸切れ本数に比例して高速回転させるようにし
たニューマ装置が提案されている。
【0005】また、特開平6−257024号公報に
は、ブロアの作用により吸引気流の発生するフィルタボ
ックスに連結ホースを介して吸引ノズルを連結し、紡機
の運転又は準備作業等により発生する綿屑を吸引ノズル
から吸引してフィルタボックス内に回収するようにした
紡機の綿屑吸込装置において、ブロアによる吸引気流の
正常な圧力範囲を決定める上下2つの圧力設定値を設定
可能な設定手段と、フィルタボックス内の圧力を検出す
る圧力検出手段と、この圧力検出手段による圧力検出値
が正常な圧力範囲にないとき、異常を知らせる異常表示
手段とを備えた異常検出装置が開示されている。また、
異常検出装置は異常を知らせたときに、綿屑吸込装置の
吸引作用とともに紡機の運転又は準備作業の駆動を停止
させることも開示されている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】ファンを駆動するモー
タとして容量の大きなものを使用すれば、作業者がフィ
ルタボックス内の繊維屑の回収及びフィルタの清掃を行
う時期が多少ずれても特に支障はないが、動力消費量が
大きくなる。近年、動力消費量を低減するため、モータ
として比較的容量の小さなものを使用する傾向がある。
その場合、フィルタボックス内の繊維屑の回収及びフィ
ルタの清掃周期が短くなり、作業者が作業を忘れるとフ
ィルタボックスが必要量の吸引作用を発揮できなくな
る。そして、フィルタボックスの吸引作用の低下の影響
は、フィルタボックスから遠い側の吸引ノズルでは大き
く、吸入圧力が大幅に低下する。その結果、風綿の飛
散、隣接錘への糸切れ伝播、吸引ノズルの詰まり、フロ
ントローラへのフリースの巻付き等の発生及びエプロン
装置の破損やそれに伴う機台の運転停止に伴う生産性の
低下等の問題が生じる。
【0007】実開平5−46973号公報には、糸切れ
発生時にはファンを高速回転させてフィルタボックスの
吸引作用を高めることは開示されているが、フィルタボ
ックスの吸引作用が低下した場合に対する配慮は何らな
されていない。即ち、作業者がフィルタボックス内の繊
維屑の回収及びフィルタの清掃作業を忘れた場合に対す
る配慮はない。
【0008】一方、特開平6−257024号公報の装
置では、フィルタボックス内の圧力を検出して、異常が
発生した場合は異常を知らせるか、異常を知らせると同
時に紡機の運転及び綿屑吸込装置の吸引作用を停止す
る。従って、フィルタボックスの吸引作用が、糸切れ時
に吸引ノズルが良好なフリース吸引作用を発揮できない
程度に低下すると、異常表示により作業者はそれを認識
することができる。そして、フィルタボックス内の繊維
屑の回収あるいはフィルタの清掃等の作業を行うことに
より、異常状態を解消できる。
【0009】しかし、この装置では異常状態になってか
ら作業者がそれを認識するため、作業者が異常状態を解
消する処置を行うまでは異常状態にあり、その間に糸切
れが発生すると前記の問題、即ち、風綿の飛散、隣接錘
への糸切れ伝播等の発生やそれに伴う生産性の低下等の
問題が生じる。異常表示と同時に綿屑吸込装置の吸引作
用及び紡機の運転を停止すれば、糸切れ発生時の風綿の
飛散、隣接錘への糸切れ伝播等の発生は防止できる。し
かし、紡機の運転が停止されるため、それに伴って生産
性が大幅に低下するという問題がある。
【0010】本発明は前記の問題点に鑑みてなされたも
のであって、その目的はフィルタボックス内からの繊維
屑の回収あるいはフィルタの清掃等の作業の遅れによ
り、吸引ノズルの吸引作用が低下して糸切れ時にニュー
マ装置が正常に機能しない状態になるのを減少させるこ
とができる紡機のニューマ装置を提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】前記の目的を達成するた
め、請求項1に記載の発明では、紡機機台の長手方向に
沿って延設されるとともに送風機の作用により吸引気流
を発生するフィルタボックスに接続された吸引ダクト
と、前記吸引ダクトに接続されるとともに各錘毎に糸切
れ時のフリースを吸引可能な吸引口を有する複数の吸引
ノズルとを備えた紡機のニューマ装置において、前記フ
ィルタボックスから最も離れた吸引ノズルの吸引力に対
応する前記吸引ダクト内の圧力又は流速を検出する検出
手段と、前記検出手段による検出値が所定の設定範囲を
外れたか否かを判断するとともに、前記検出値が所定の
設定範囲を外れたときにそれを知らせる報知信号を出力
する判断手段と、前記判断手段の報知信号により作動さ
れる警報手段と、前記判断手段の報知信号に基づいて前
記送風機を増速駆動する制御手段とを備えた。
【0012】請求項2に記載の発明では、前記判断手段
は前記所定の設定範囲より前記吸引ノズルの吸引力が大
きな状態に対応する別の設定範囲を前記検出値が外れた
か否かを判断するとともにそれを知らせる注意信号を出
力し、前記警報手段は前記注意信号で点灯される注意用
のランプと前記報知信号で点灯される警告用のランプと
を備え、前記制御手段は前記報知信号の入力に基づいて
前記送風機を増速駆動する。
【0013】請求項3に記載の発明では、請求項1又は
請求項2に記載の発明において、前記制御手段は前記報
知信号に基づいて前記送風機を増速すると、前記報知信
号が出力されなくなっても、解除信号出力手段から解除
信号が出力されるまでは前記送風機を増速状態に保持す
るように構成されている。
【0014】請求項4に記載の発明では、請求項3に記
載の発明において、前記解除信号出力手段は前記検出値
が前記フィルタボックスの清掃がなされた状態における
値に相当するリセット範囲内に連続して所定時間以上保
持された場合に解除信号を出力する。
【0015】請求項5に記載の発明では、請求項1〜請
求項4のいずれか一項に記載の発明において、前記検出
手段は前記吸引ダクトに対して前記フィルタボックスか
ら最も離れた位置に配設された吸引ノズルよりフィルタ
ボックスから離れた位置に配設されている。
【0016】請求項6に記載の発明では、請求項5に記
載の発明において、前記吸引ダクトは前記検出手段が設
けられた側の端部に着脱可能な蓋が設けられている。請
求項7に記載の発明では、請求項1〜請求項6のいずれ
か一項に記載の発明において、前記検出手段は圧力セン
サである。
【0017】従って、請求項1〜請求項7に記載の発明
では、送風機の駆動によりフィルタボックスに向かう吸
引気流が吸引ダクトに発生し、各錘の糸切れ時にフリー
スが吸引ノズルの吸引口から吸引ダクトに吸引される。
吸引口から吸引されたフリース、風綿等の繊維屑はフィ
ルタボックスに貯留される。前記フィルタボックスから
最も離れた吸引ノズルの吸引力に対応する前記吸引ダク
ト内の圧力又は流速が検出手段によって検出される。検
出手段による検出値が所定の設定範囲を外れると、判断
手段からそれを知らせる報知信号が出力される。そし
て、報知信号により警報手段が作動されるとともに、報
知信号に基づいて制御手段により送風機が増速される。
【0018】請求項2に記載の発明では、前記判断手段
により、前記所定の設定範囲より前記吸引ノズルの吸引
力が大きな状態に対応する別の設定範囲を前記検出値が
外れたか否かが判断される。そして、前記検出値が前記
別の設定範囲を外れると、判断手段からそれを知らせる
注意信号が出力される。注意信号が出力されると注意用
のランプが点灯され、前記報知信号が出力されると、警
告用のランプが点灯される。また、警告用のランプを点
灯させる報知信号の入力に基づいて制御手段により前記
送風機が増速される。
【0019】請求項3に記載の発明では、請求項1又は
請求項2に記載の発明において、送風機は一度増速され
ると、報知信号が出力されなくなっても、解除信号出力
手段から解除信号が出力されるまでは増速状態に保持さ
れる。従って、送風機の増速により検出値が所定の設定
範囲内に復帰するのに伴う減速と、検出値が所定の設定
範囲から外れることによる報知信号の出力に伴う増速と
が頻繁に繰り返される不都合が回避される。
【0020】請求項4に記載の発明では、請求項3に記
載の発明において、送風機が増速された後、作業者によ
り繊維屑の回収等の作業がなされ、検出値がリセット範
囲内に連続して所定時間以上保持されると、解除信号出
力手段から解除信号が出力される。
【0021】請求項5に記載の発明では、請求項1〜請
求項4のいずれか一項に記載の発明において、検出値と
して、吸引ダクトに対して前記フィルタボックスから最
も離れた位置に配設された吸引ノズルよりフィルタボッ
クスから離れた位置における測定値が採用される。
【0022】請求項6に記載の発明では、請求項5に記
載の発明において、吸引ダクトの端部に設けられた蓋を
取り外すことにより、検出手段のメンテナンス作業が容
易となる。
【0023】請求項7に記載の発明では、請求項1〜請
求項6のいずれか一項に記載の発明において、検出値と
して吸引ダクト内の圧力が測定される。
【0024】
【発明の実施の形態】(第1の実施の形態)以下、本発
明をシングルノズルタイプのニューマ装置に具体化した
第1の実施の形態を図1〜図3に従って説明する。
【0025】図1(b)に示すように、精紡機の機台1
のアウトエンド側の端部にはニューマ装置2のフィルタ
ボックス3が配設されている。フィルタボックス3はフ
ィルタ4により繊維屑等が貯留される収容部5aと、送
風機6のファン6aが収容される室5bとに区画されて
いる。送風機6のモータ7には可変速モータが使用され
ている。フィルタボックス3の収容部5aと対応する位
置には、フィルタ4で捕捉された風綿等の繊維屑を収容
部5aから取り出すための取出し口が形成され、取出し
口は開閉可能に支持されたドア8により覆われている。
【0026】ニューマ装置2の吸引ダクト9は機台1の
長手方向に沿って延設され、その第1端部がフィルタボ
ックス3に接続されている。図1(a)及び図2に示す
ように、吸引ダクト9には吸引口10aが一つ、即ちシ
ングルタイプの吸引ノズル10が所定ピッチで接続され
ている。吸引ダクト9の第2端部には、糸切れ時に吸引
ノズル10から吸引されたフリースをフィルタボックス
3まで搬送する空気流量を確保するための孔11が配設
されている。
【0027】吸引ダクト9にはフィルタボックス3から
最も離れた吸引ノズル9の吸引力に対応する吸引ダクト
9内の流速を検出する検出手段としての流速センサ12
が取り付けられている。流速センサ12は吸引ダクト9
に対してフィルタボックス3から最も離れた位置に配設
された吸引ノズル10よりフィルタボックス3から離れ
た位置に配設されている。即ち、流速センサ12は吸引
ノズル10の配設位置より吸引ダクト9の第2端部寄り
の位置に配設されている。流速センサ12は孔11から
流入する空気流に当たる位置に配設されている。流速セ
ンサ12は流速に比例した電圧信号を出力するように構
成されている。
【0028】吸引ダクト9には流速センサ12が設けら
れた側の端部、即ち第2端部に、流速センサ12の保守
点検を容易にするため、吸引ダクト9に形成された開口
部9a(図2に図示)を覆う蓋13が着脱可能に設けら
れている。蓋13は上方に移動させることにより取り外
し可能に構成されている。孔11は蓋13に形成されて
いる。
【0029】また、機台1のアウトエンドヘッドOEに
は流速センサ12による検出値が所定の設定範囲を外れ
たときに作動される警報手段としての表示灯14が配設
されている。表示灯14は注意用の橙色のランプ14a
と、警告用の赤色のランプ14bとを備えている。
【0030】次にニューマ装置の電気的構成を図3に従
って説明する。判断手段としての制御装置15は、比較
演算装置16、設定器17、解除信号出力手段18、第
1の出力部19a及び第2の出力部19bを備えてい
る。制御装置15は流速センサ12と、表示灯14の点
灯を制御する点灯制御装置20と、モータ7の駆動速度
を制御する速度制御装置21とに電気的に接続されてい
る。制御装置15、点灯制御装置20及び速度制御装置
21は1つの制御盤22としてアウトエンドヘッドOE
に装備されている。制御装置15及び速度制御装置21
により、判断手段の報知信号に基づいて送風機6を増速
駆動する制御手段が構成されている。
【0031】比較演算装置16は流速センサ12の出力
信号と、設定器17で設定された設定値とを比較し、流
速センサ12の検出値が所定の設定範囲を外れたか否か
を判断する。比較演算装置16は第1の比較回路16a
及び第2の比較回路16bを備えている。各比較回路1
6a,16bは設定値(基準電圧)を設定器17により
それぞれ独立して設定可能となっている。各設定値は機
台の仕様、紡出条件により異なり予め試験により適正な
値が求められる。
【0032】第1の比較回路16aは、フィルタボック
ス3内にある程度繊維屑が貯留されるかフィルタ4があ
る程度目詰まりして繊維屑の回収あるいはフィルタ4の
清掃作業が必要な時期が近い状態の流速に対応する第1
の設定値と、流速センサ12の出力信号とを比較する。
そして、入力信号が第1の設定値以下、即ち流速が第1
の設定値と対応する流速以下になると、注意信号として
のハイレベルの出力信号Hを出力し、入力信号が第1の
設定値より大きい状態ではロウレベルの出力信号Lを出
力する。第1の比較回路16aの出力は第1の出力部1
9aからそのまま出力される。
【0033】第2の比較回路16bは、吸引ノズル10
の吸引機能に支障を来す虞のある状態の流速に対応する
第2の設定値と、流速センサ12の出力信号とを比較す
る。そして、入力信号が第2の設定値以下、即ち流速が
第2の設定値と対応する流速以下になると、報知信号と
してのハイレベルの出力信号Hを出力し、入力信号が第
2の設定値より大きい状態ではロウレベルの出力信号L
を出力する。第2の比較回路16bの出力は第2の出力
部19bから出力される。
【0034】比較演算装置16は第2の比較回路16b
からハイレベルの出力信号Hが一度出力されると、第2
の比較回路16bからハイレベルの出力信号Hが出力さ
れない状態となっても、リセット信号が入力されない限
りハイレベルの出力信号Hを第2の出力部19bから出
力するように構成されている。解除信号出力手段18
は、押しボタンスイッチの操作により、リセット信号を
比較演算装置16に出力するように構成されている。比
較演算装置16は第2の比較回路16bからハイレベル
の出力信号Hが出力されると、検出手段による検出値が
所定の設定範囲を外れたと判断する。
【0035】点灯制御装置20は、第1の出力部19a
から出力信号Hを入力すると、注意用のランプ14aを
点灯させる指示信号を出力する。また、点灯制御装置2
0は、第2の出力部19bから出力信号Hを入力する
と、警告用のランプ14bを点灯させる指示信号を出力
する。
【0036】速度制御装置21は、第2の出力部19b
から出力信号Hを入力しない状態ではモータ7を通常の
速度で駆動する制御信号を出力し、第2の出力部19b
から出力信号Hを入力すると、通常速度より増速駆動す
る制御信号を出力する。速度制御装置21としては例え
ばインバータが使用される。
【0037】次に前記のように構成された装置の作用を
説明する。ニューマ装置2はフィルタ4の目詰まりがな
い状態から駆動が開始される。モータ7は速度制御装置
21が制御装置15の第2の出力部19bから出力信号
Hを入力するまでは通常の速度で駆動される。モータ7
が駆動されるとファン6aが回転され、フィルタボック
ス3内が負圧になり、吸引ダクト9に負圧が作用する状
態となる。その負圧の作用によって各吸引ノズル10に
吸引作用即ち吸引気流が発生するとともに、孔11から
フィルタボックス3に向かう空気流が流入する状態とな
る。フリースに付着した風綿や、糸切れ時にドラフト装
置から送り出されるフリースが吸引ノズル10で吸引さ
れるとともに、吸引ダクト9内をフィルタボックス3に
向かう気流に乗ってフィルタボックス3まで搬送され
る。そして、フィルタボックス3まで搬送された風綿等
の繊維屑が、フィルタ4で捕捉されて収容部5aに貯留
される。収容部5aにある程度繊維屑が貯留された時期
になると、作業者がドア8を開けて収容部5a内の繊維
屑を取り出す作業を行う。繊維屑の取り出し作業は紡機
の運転中に行っても支障はない。
【0038】流速センサ12の検出信号が制御装置15
に入力され、比較回路16a,16bで流速が所定の値
以上か否かが判断される。流速が繊維屑の回収あるいは
フィルタ4の清掃作業が必要な時期が近い状態の流速に
対応する値以下に低下すると、第1の比較回路16aか
らハイレベルの出力信号Hが出力される。そして、その
出力信号Hが点灯制御装置20に入力されると、点灯制
御装置20から表示灯14に注意用のランプ14aを点
灯させる駆動信号が出力され、注意用のランプ14aが
点灯される。作業者は注意用のランプ14aの点灯を確
認すると、繊維屑の回収等の作業時期であると認識して
作業を行う。
【0039】注意用のランプ14aが点灯された状態と
なっても繊維屑の回収等の作業がなされずに、さらに流
速が低下して、流速が吸引ノズル10の吸引機能に支障
を来す虞のある状態の流速に対応する値以下に低下する
と、第2の比較回路16bからハイレベルの出力信号H
が出力される。そして、第2の出力部19bからハイレ
ベルの出力信号Hが点灯制御装置20に入力されると、
点灯制御装置20から表示灯14に警告用のランプ14
bを点灯させる駆動信号が出力され、注意用のランプ1
4aに加えて警告用のランプ14bが点灯される。
【0040】また、第2の出力部19bからハイレベル
の出力信号Hが速度制御装置21に入力されると、速度
制御装置21からモータ7を通常速度より増速駆動する
制御信号が出力される。そして、モータ7が増速されて
フィルタボックス3の負圧が高まり、吸引ダクト9の流
速が吸引ノズル10の吸引機能に支障を来さない状態ま
で高まる。即ち、モータ7の増速は警告用のランプ14
bを点灯させる報知信号の入力に基づいて行われる。
【0041】モータ7が増速されると流速が高まり、第
2の比較回路16bからはロウレベルの出力信号Lが出
力される状態となる。第2の比較回路16bの出力信号
がそのまま第2の出力部19bから出力されると、速度
制御装置21が再びモータ7を通常速度で駆動させるよ
うになり、増速と減速とが短時間で繰り返されるチャタ
リング現象が生じる。しかし、この実施の形態では第2
の比較回路16bからハイレベルの出力信号Hが一度出
力されると、リセット信号が入力されない限りハイレベ
ルの出力信号Hが第2の出力部19bから出力される。
従って、モータ7が増速状態に保持され、チャタリング
現象が回避される。
【0042】作業者は注意用のランプ14aが点灯した
状態では、他の作業を繊維屑の回収作業等に優先させる
場合が多いが、警告用のランプ14bが点灯されると、
繊維屑の回収作業等を優先して行う。そして、作業者は
繊維屑の回収作業等を終了すると、リセット用の押しボ
タンスイッチを押す。その結果、比較演算装置16にリ
セット信号が入力され、第2の出力部19bからは第2
の比較回路16bの出力信号がそのまま出力される状態
となり、ロウレベルの出力信号Lが出力されてモータ7
が通常速度で駆動される。この状態では繊維屑の回収作
業等が実施された後のため、モータ7が通常速度で駆動
されても流速は第1の比較回路16aの設定値に対応す
る流速より速くなる。そして、両比較回路16a,16
bからロウレベルの出力信号Lが出力され、表示灯14
が消灯される。
【0043】従って、この実施の形態では以下のような
効果を得ることができる。 (1) 流速センサ12の検出信号に基づき、繊維屑の
回収あるいはフィルタ4の清掃作業が必要な時期が近い
状態になると、注意用のランプ14aが点灯されて、作
業者に繊維屑の回収等の作業の実行を促す。従って、繊
維屑の回収等の作業の遅れにより、吸引ノズルの吸引作
用が低下して、糸切れ時にニューマ装置が正常に機能し
ない状態になるのを減少させることができる。
【0044】(2) 流速センサ12の検出信号に基づ
き、吸引ダクト9内の流速が吸引ノズル10の吸引機能
に支障を来す虞のある状態に低下すると、モータ7が増
速されて吸引ダクト9内の流速が吸引ノズル10の吸引
機能に支障を来さない状態まで高まる。従って、作業者
が繊維屑の回収等の作業を実行して、吸引ダクト9内の
流速が吸引ノズル10の吸引機能に支障を来さない値に
復帰するまでに余裕時間ができ、糸切れ時にニューマ装
置が正常に機能しない状態になるのをより減少させるこ
とができる。
【0045】(3) 吸引ダクト9内の流速が吸引ノズ
ル10の吸引機能に支障を来す虞のある状態に低下する
と、警告用のランプ14bが点灯されるため、作業者に
繊維屑の回収等の作業が緊急のものであることを認識さ
せることができる。
【0046】(4) 送風機6即ちモータ7の制御手段
は、流速センサ12の検出信号に基づいて一度送風機6
を増速すると、解除信号出力手段18から解除信号(リ
セット信号)が入力されるまで、送風機6を増速状態に
保持する。従って、繊維屑の回収等の作業が完了しない
状態で送風機6の増速と減速とが短時間で繰り返される
チャタリング現象を回避できる。
【0047】(5) 流速センサ12がフィルタボック
ス3から最も離れた位置に配設された吸引ノズル10よ
りフィルタボックス3から離れた位置に配設される。従
って、各吸引ノズル10から吸引された風綿が流速セン
サ12に付着し難くなり、流速センサ12の保全周期を
長くできる。また、流速センサ12の検出値と、フィル
タボックス3から最も離れた吸引ノズル10の吸引力と
の相関関係が高くなる。
【0048】(6) 流速センサ12が孔11から流入
する空気流の通過部に配置されているため、流速センサ
12に風綿が付着し難くなる。 (7) 吸引ダクト9には検出手段(流速センサ12)
が設けられた側の端部に着脱可能な蓋13が設けられて
いる。従って、蓋13を取り外すことにより簡単に検出
手段の保守点検を行うことができる。
【0049】(8) フィルタボックス3から最も離れ
た吸引ノズル10の吸引力の状態を流速センサ12の検
出値で判断するため、圧力センサを使用した場合に比較
して検出値のバラツキが少なくなる。
【0050】(9) 表示灯14が注意用のランプ14
aと、警告用のランプ14bとを備えているため、警告
用のランプ14bのみを設けた場合に比較して、作業者
が繊維屑の回収等の作業を行う場合に余裕ができる。
【0051】(10) 解除信号出力手段18が手動操
作のスイッチで形成されているため、作業者が繊維屑の
回収等の作業を行った後、スイッチを操作することによ
り確実に比較演算装置16にリセット信号が入力され、
送風機6が確実に通常速度で駆動される状態に復帰す
る。
【0052】(11) 比較回路16a,16bの設定
値を設定器17でそれぞれ独立して設定できるため、紡
出条件等に対応した所定の値に変更できる。 (第2の実施の形態)次に第2の実施の形態を図4に従
って説明する。この実施の形態では流速センサ12の出
力信号に基づいて表示灯14及びモータ7を制御する制
御装置の構成が前記実施の形態と異なり、その他の構成
は同じである。前記実施の形態と同一部分は同一符号を
付して詳しい説明を省略する。
【0053】制御装置23は制御手段、判断手段及び解
除信号出力手段としてのCPU24、プログラムメモリ
25、作業用メモリ26、設定手段としての入力装置2
7、入力インタフェース28、出力インタフェース2
9、表示灯駆動回路30a,30b、モータ駆動回路3
1及びタイマ32を備えている。CPU24は入力イン
タフェース28及びA/D変換器(図示せず)を介して
流速センサ12に電気的に接続されている。CPU24
は出力インタフェース29及び表示灯駆動回路30a,
30bを介して表示灯14のランプ14a,14bに、
出力インタフェース29及びモータ駆動回路31を介し
てインバータ33にそれぞれ接続されている。
【0054】CPU24はプログラムメモリ25に記憶
された所定のプログラムデータに基づいて動作する。プ
ログラムメモリ25は読出し専用メモリ(ROM)より
なり、前記プログラムデータと、その実行に必要な各種
データとが記憶されている。データには通常運転時及び
増速運転時のモータ7の回転速度を示すデータがある。
データには紡出条件とそれに対応する第1の基準値及び
第2の基準値との関係を示すマップがある。第1の基準
値はフィルタボックス3内の繊維屑の回収等の作業が必
要な時期が近い状態の流速に対応する電圧値であり、第
2の基準値は吸引ノズル10の吸引機能に支障を来す虞
のある状態の流速に対応する電圧値である。また、デー
タには流速センサ12の検出値がフィルタボックス3の
清掃がなされた状態における値に相当するリセット範囲
内にあるか否かの判断基準となる第3の基準値がある。
作業用メモリ26は読出し及び書替え可能なメモリ(R
AM)よりなり、入力装置27により入力されたデータ
やCPU24における演算処理結果等を一時記憶する。
【0055】CPU24は流速センサ12の出力信号と
第1の基準値とから、流速が繊維屑の回収等の作業が必
要な時期が近い状態の流速に対応する流速以下であるか
否かを判断する。そして、流速センサ12の出力信号が
第1の基準値以下であれば、前記流速以下であると判断
する。CPU24は流速センサ12の出力信号と第2の
基準値とから、流速が吸引ノズル10の吸引機能に支障
を来す虞のある状態の流速に対応する流速以下であるか
否かを判断する。そして、流速センサ12の出力信号が
第2の基準値以下であれば、前記流速以下であると判断
する。
【0056】CPU24は流速センサ12の出力信号が
第1の基準値以下で、かつ第2の基準値より大きけれ
ば、表示灯駆動回路30aを介して注意用のランプ14
aを点灯させる。CPU24は流速センサ12の出力信
号が第2の基準値以下であれば、モータ駆動回路31を
介してインバータ33にモータ7を増速駆動させる指令
信号を出力するとともに、表示灯駆動回路30bを介し
て警告用のランプ14bを点灯させる。
【0057】CPU24は流速センサ12の出力信号が
第2の基準値以下になると、その後流速センサ12の出
力信号が第2の基準値より大きくなっても、次の条件を
満足しない限りインバータ33への増速指令を解除しな
い。即ち、CPU24は流速センサ12の出力信号が第
2の基準値以下になった後、流速センサ12の出力信号
の値が第3の基準値を超えた時点からの時間をタイマ3
2で計測する。そして、流速センサ12の出力信号が連
続して所定時間以上第3の基準値以上に保持されると、
インバータ33にモータ7を通常速度で駆動するリセッ
ト信号(増速解除信号)を出力する。
【0058】この実施の形態では紡機の運転に先だって
入力装置27で紡出条件が入力されると、紡出条件に対
応した第1及び第2の基準値が設定される。そして、そ
の基準値を使用して前記の制御が行われる。
【0059】従って、この実施の形態においては、前記
実施の形態の(1)〜(8)の効果の他に、次の効果が
得られる。 (12) 作業者による繊維屑の回収等の作業がなされ
た後、作業者がリセットスイッチを操作しなくても、自
動的にモータ7の増速駆動が解除される。従って、リセ
ット操作が手動の場合と比較して作業者がリセット操作
を忘れることによりモータ7が増速状態で無駄に駆動さ
れるこを防止できる。
【0060】(13) 作業者が紡出条件を入力するこ
とにより、第1及び第2の基準値が紡出条件に対応した
適正な値に設定される。従って、作業者が紡出条件の変
更に対応して基準値を設定しなおす手間が不要になる。
【0061】なお、実施の形態は前記に限定されるもの
ではなく、例えば、次のように具体化してもよい。 ○ 検出手段として流速センサ12に代えて圧力センサ
を使用してもよい。圧力センサ34の取付位置は、流速
センサ12の取付位置と同じ位置(図5のA位置)に限
らず、例えば図5に示すように、孔11に近い位置(B
位置)や、吸引ノズル10の排気口に近い位置(C位
置)としてもよい。圧力センサ34の場合も、取付け位
置としては空気流速の比較的速い位置がセンサの特性上
好ましい。なぜならば、圧力センサ34を使用する場
合、空気流速の比較的速い位置の方が、検出値のバラツ
キが少ない。圧力センサ34を使用する場合も、取付け
位置における検出値とフィルタボックス3から最も離れ
た吸引ノズル10の吸引力に対応する関係が予め試験で
調べられるとともに、第1の実施の形態における設定値
や第2の実施の形態における基準値も予め試験により適
正な値が求められる。検出手段として圧力センサ34を
使用した場合は、流速センサ12に比較して風綿等がセ
ンサに付着した場合の検出精度に対する悪影響が少な
い。従って、付着した風綿の除去等の保全周期を長くで
き、保全作業の手間が少なくなる。
【0062】○ 図6に示すように、制御装置15,2
3を紡績工場の集中モニタシステム35に接続する。こ
の場合、制御装置15,23からの出力信号に基づいて
各紡機機台の繊維屑の回収状況を集中モニタシステム3
5で監視することができる。また、各機台1毎のフィル
タボックス3の吸引作用の低下状況、即ち繊維屑の発生
状況のデータを収集することが可能になる。
【0063】○ 警報手段としての表示灯14に警告用
のランプ14bのみを備えたものを使用する。この場
合、第1の実施の形態では第1の比較回路16aが不要
になり、第2の実施の形態では第1の基準値が不要にな
る。そして、制御装置15,23は吸引ダクト9内の流
速あるいは圧力が、吸引ノズル10の吸引機能に支障を
来す虞のある状態になると、表示灯14を点灯させると
ともに、モータ7を増速させる。この場合も作業者が繊
維屑の回収等の作業を実行して、吸引ダクト9内の流速
が吸引ノズル10の吸引機能に支障を来さない値に復帰
するまでに余裕時間ができ、糸切れ時にニューマ装置2
が正常に機能しない状態になるのを減少させることがで
きる。また、第1及び第2の実施の形態に比較して構成
が簡単になる。
【0064】○ 警報手段に注意用の機能を持たせない
場合、検出手段として圧力スイッチを使用し、圧力スイ
ッチの出力信号を表示灯14の点灯装置やモータ7の増
速用駆動装置のリレーのオン信号として使用する構成と
する。即ち、吸引ノズル10の吸引機能に支障を来す虞
のある状態に対応する値が設定値として設定され、検出
圧力がその設定値以上、即ち圧力が高くなるとオン信号
を出力する圧力スイッチを使用し、その出力信号を前記
リレーのオン信号として使用する構成とする。そして、
前記リレーは自己保持接点を備え、自己保持後はリセッ
トスイッチの操作によりリレーの励磁が解除されるよう
になっている。この場合、構成がより簡単になる。
【0065】○ モータ7として極数切換モータを使用
してもよい。この場合は速度制御装置としてインバータ
を使用する場合に比較して構成が簡単になる。 ○ モータ7の増速及び警告用のランプ14bの点灯
を、第2の設定値あるいは第2の基準値以下か否かだけ
で行い、一度増速された後、リセット信号が入力される
まで増速状態に保持しない構成としてもよい。この場合
は自己保持機能がない分、構成が簡単になる。
【0066】○ 流速センサ12をフィルタボックス3
から最も離れた位置に配設された吸引ノズル10よりフ
ィルタボックス3に近い位置や、孔11から流入する気
流に直接当たらない位置に配設してもよい。
【0067】○ 吸引ダクト9の第2端部に着脱可能な
蓋13を設けず、保全作業時には流速センサ12等の検
出手段を吸引ダクト9から取り外す構成としてもよい。
○ 比較回路16a,16bの設定値を紡出条件に拘わ
らず所定の値に固定した構成としてもよい。
【0068】○ 第2の実施の形態において、第1及び
第2の基準値の設定を入力装置27で作業者が入力する
構成としてもよい。 ○ 解除信号出力手段18としてドア8の開閉を検知す
る検知手段を設け、ドア8が開状態から閉状態になった
ことを検知した検知信号をリセット信号として比較演算
装置16に入力する構成とする。この場合、作業者が繊
維屑の回収などの作業を行った後、ドア8を閉じること
により、リセット信号が比較演算装置16に入力される
ため、作業者がリセット操作を忘れることによる不都合
を防止できる。
【0069】○ 第2の実施の形態において、CPU2
4は、送風機6が増速された時点からの経過時間をタイ
マ32で計測し、該経過時間が設定値を超え、かつ前記
検出値が第2の基準値以下のとき、機台1の運転停止指
令を出力する構成とする。CPU24は停止指示手段と
して機能する。この場合、異常状態で機台1が長時間運
転されることを回避できる。
【0070】○ 第1又は第2の実施の形態において、
フィルタボックス3の収容部5aを紡績工場に設けられ
た集中集綿装置に連結されたダクトに連結部を介して連
結するとともに、連結部にその連通路を開閉する電磁式
の開閉装置を設ける。そして、注意用のランプ14aの
点灯信号に基づいて、開閉装置を所定時間開状態とする
構成とする。この場合、開閉装置の開状態になると、収
容部5aに貯留された繊維屑等がダクトに吸引され、作
業者による繊維屑の回収作業が不要になる。
【0071】○ 吸引ノズルとして、複数の吸引口が錘
のピッチと同じピッチで形成されたパイプを備えた所謂
フルートタイプの吸引ノズルを備えたニューマ装置に適
用してもよい。
【0072】前記各実施の形態から把握できる請求項記
載以外の技術的思想(発明)について、以下にその効果
とともに記載する。 (1) 請求項5に記載の発明において、前記検出手段
は流速センサである。この場合、圧力センサを使用した
場合に比較して検出値のバラツキが少なくなる。
【0073】(2) 請求項3に記載の発明において、
前記解除信号出力手段は手動操作されるスイッチであ
る。この場合、作業者がフィルタボックスから繊維屑等
の回収あるいはフィルタの清掃作業を行った後、スイッ
チを操作することにより確実に送風機が通常速度に復帰
する。また、構造も簡単になる。 (3) 請求項1〜請求項7のいずれか一項に記載の発
明のニューマ装置は、さらに、前記送風機が増速された
時点からの経過時間を計測するタイマと、前記経過時間
が設定値を超え、かつ前記検出値が所定の設定範囲を外
れているときに、機台の運転停止指令を出力する停止指
示手段とを備えている。この場合、異常状態で機台が長
時間運転されることを回避できる。
【0074】
【発明の効果】以上詳述したように請求項1〜請求項7
に記載の発明によれば、フィルタボックス内からの繊維
屑の回収あるいはフィルタの清掃等の作業の遅れによ
り、吸引ノズルの吸引作用が低下して糸切れ時にニュー
マ装置が正常に機能しない状態になるのを減少させるこ
とができる。
【0075】請求項2に記載の発明によれば、繊維屑の
回収等の作業が必要な時期が近い状態になると、注意用
のランプが点灯されて、作業者に繊維屑の回収等の作業
の実行を促すことができ、警告灯の点灯により回収作業
が緊急を要することを作業者が認識できる。
【0076】請求項3に記載の発明によれば、送風機の
増速により検出値が所定の設定範囲内に復帰するのに伴
う減速と、検出値が所定の設定範囲から外れることによ
る報知信号の出力に伴う増速とが頻繁に繰り返される不
都合を回避できる。
【0077】請求項4に記載の発明によれば、作業者が
リセットスイッチを操作しなくても、自動的にモータの
増速駆動が解除される。従って、リセット操作が手動の
場合と比較して作業者がリセット操作を忘れることによ
りモータが増速状態で無駄に駆動されるこを防止でき
る。
【0078】請求項5に記載の発明によれば、各吸引ノ
ズルから吸引された風綿等が検出手段に付着し難くな
り、検出手段の保全周期を長くできる。また、検出手段
の検出値と、フィルタボックスから最も離れた吸引ノズ
ルの吸引力との相関関係が高くなる。
【0079】請求項6に記載の発明によれば、蓋を取り
外すことにより簡単に検出手段の保守点検を行うことが
できる。請求項7に記載の発明によれば、検出手段とし
て流速センサを使用した場合に比較して風綿等がセンサ
に付着した場合の検出精度に対する悪影響が少ない。従
って、付着した風綿の除去等の保全周期を長くでき、保
全作業の手間が少なくなる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 (a)は第1の実施の形態の吸引ダクトの模
式平面図、(b)はフィルタボックス部分の一部破断模
式正面図。
【図2】 吸引ダクトの一部破断模式正面図。
【図3】 電気的構成を示すブロック図。
【図4】 第2の実施の形態の電気的構成を示すブロッ
ク図。
【図5】 別の実施の形態の圧力センサの配置位置を示
す模式平面図。
【図6】 別の実施の形態のブロック図。
【図7】 従来のニューマ装置を備えた紡機機台の模式
正面図。
【符号の説明】
1…機台、2…ニューマ装置、3…フィルタボックス、
6…送風機、7…モータ、9…吸引ダクト、10…吸引
ノズル、10a…吸引口、12…検出手段としての流速
センサ、13…蓋、14…警報手段としての表示灯、1
5…制御手段を構成する制御装置、16…判断手段とし
ての比較演算装置、18…解除信号出力手段、21…制
御手段を構成する速度制御装置、24…制御手段,判断
手段及び解除信号出力手段としてのCPU、33…イン
バータ、34…検出手段としての圧力センサ。

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 紡機機台の長手方向に沿って延設される
    とともに送風機の作用により吸引気流を発生するフィル
    タボックスに接続された吸引ダクトと、前記吸引ダクト
    に接続されるとともに各錘毎に糸切れ時のフリースを吸
    引可能な吸引口を有する複数の吸引ノズルとを備えた紡
    機のニューマ装置において、 前記フィルタボックスから最も離れた吸引ノズルの吸引
    力に対応する前記吸引ダクト内の圧力又は流速を検出す
    る検出手段と、 前記検出手段による検出値が所定の設定範囲を外れたか
    否かを判断するとともに、前記検出値が所定の設定範囲
    を外れたときにそれを知らせる報知信号を出力する判断
    手段と、 前記判断手段の報知信号により作動される警報手段と、 前記判断手段の報知信号に基づいて前記送風機を増速駆
    動する制御手段とを備えた紡機のニューマ装置。
  2. 【請求項2】 前記判断手段は前記所定の設定範囲より
    前記吸引ノズルの吸引力が大きな状態に対応する別の設
    定範囲を前記検出値が外れたか否かを判断するとともに
    それを知らせる注意信号を出力し、前記警報手段は前記
    注意信号で点灯される注意用のランプと前記報知信号で
    点灯される警告用のランプとを備え、前記制御手段は前
    記報知信号の入力に基づいて前記送風機を増速駆動する
    請求項1に記載の紡機のニューマ装置。
  3. 【請求項3】 前記制御手段は前記報知信号に基づいて
    前記送風機を増速すると、前記報知信号が出力されなく
    なっても、解除信号出力手段から解除信号が出力される
    までは前記送風機を増速状態に保持するように構成され
    ている請求項1又は請求項2に記載の紡機のニューマ装
    置。
  4. 【請求項4】 前記解除信号出力手段は前記検出値が前
    記フィルタボックスの清掃がなされた状態における値に
    相当するリセット範囲内に連続して所定時間以上保持さ
    れた場合に解除信号を出力する請求項3に記載の紡機の
    ニューマ装置。
  5. 【請求項5】 前記検出手段は前記吸引ダクトに対して
    前記フィルタボックスから最も離れた位置に配設された
    吸引ノズルよりフィルタボックスから離れた位置に配設
    されている請求項1〜請求項4のいずれか一項に記載の
    紡機のニューマ装置。
  6. 【請求項6】 前記吸引ダクトは前記検出手段が設けら
    れた側の端部に着脱可能な蓋が設けられている請求項5
    に記載の紡機のニューマ装置。
  7. 【請求項7】 前記検出手段は圧力センサである請求項
    1〜請求項6のいずれか一項に記載の紡機のニューマ装
    置。
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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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CN1309890C (zh) * 2002-09-10 2007-04-11 株式会社丰田自动织机 纤维束集束装置和纺纱机
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CN103925520A (zh) * 2014-03-21 2014-07-16 吴江久美微纤织造有限公司 一种纺织用自清洁灯具
CN109112675A (zh) * 2018-08-09 2019-01-01 珠海励联纺织染工业有限公司 一种梳毛机弃边纱回收装置

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