JPH11302676A - トラクションドライブ用流体 - Google Patents

トラクションドライブ用流体

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JPH11302676A
JPH11302676A JP11583398A JP11583398A JPH11302676A JP H11302676 A JPH11302676 A JP H11302676A JP 11583398 A JP11583398 A JP 11583398A JP 11583398 A JP11583398 A JP 11583398A JP H11302676 A JPH11302676 A JP H11302676A
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JP
Japan
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dicyclohexyl
traction drive
viscosity
traction
weight
Prior art date
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Pending
Application number
JP11583398A
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English (en)
Inventor
Hirokazu Saito
宏和 斎藤
Kohei Matsuo
浩平 松尾
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Eneos Corp
Original Assignee
Japan Energy Corp
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Publication date
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Publication of JPH11302676A publication Critical patent/JPH11302676A/ja
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 高トラクション係数と低温流動性を両立させ
た、トラクションドライブ用流体を提供する。 【解決手段】 下記(A),(B),(C)からなり、
(A)と(C)の合計量を100重量部とした時に
(A)が20〜50重量部、(B)が1〜10重量部で
あるトラクションドライブ用流体を用いることにより、
前記課題を解決できる。 (A)アルキル基の炭素数が5〜20のアルキルベンゼ
ン、数平均分子量100〜1000のイソパラフィン系
炭化水素油から選ばれる1種以上 (B)ポリメタクリレート (C)分子中に2つのシクロヘキサン環をもつ脂環式化
合物

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、トラクションドラ
イブ用流体に係わり、特には、トラクション係数を維持
しつつ、低温流動性に優れたトラクションドライブ用流
体に関する。
【0002】
【従来の技術】ころがりすべり摩擦を利用した動力伝達
機構には、フリクションドライブとトラクションドライ
ブがある。フリクションドライブは、接触する固体間の
摩擦力により動力を伝達するが、トラクションドライブ
は、動力を伝達する転動面間に油膜を形成させ、その油
膜を介して力を伝える機構である。動力伝達を効率良く
行うためには、高い接触圧力下で流動性を失い硬化する
性質を有する液体(トラクションドライブ用流体)を用
いる必要がある。この硬化する性質が、剪断に対する抵
抗力となり、動力伝達の効率を向上させる。動力伝達の
効率を一般にトラクション係数と呼ぶ。
【0003】近年は、トラクションドライブ装置の高性
能化や小型軽量化の研究が進み、トラクションドライブ
用流体も高性能のものが要求されている。また、自動車
用トラクションドライブ装置には、トラクションドライ
ブ本体の他に、トルクコンバータ、油圧機構、湿式クラ
ッチなどが含まれている。これらを潤滑するトラクショ
ンドライブ用流体には、動力伝達容量に直接関係するト
ラクション特性に加えて、粘度特性、摩擦特性、耐摩耗
性などといった、様々な性質が求められている。つま
り、自動車は様々な環境で使用されるため、気温の変化
などがあった場合でも一定の油圧を供給できること、極
寒地条件であっても十分な始動性を有すること(低温流
動性に優れること)、装置のころがり疲労損傷を防ぐた
めに高い温度であっても粘度が低くなり過ぎないこと等
である。
【0004】トラクションドライブ用流体は、これまで
も種々提案されている。自動車向けにトラクション係数
の高いものとしては、米国モンサント社の商品名である
サントトラックなどに代表されるような、合成ナフテン
と呼ばれる脂環式化合物が有名である。しかし、これら
の化合物は粘度指数が低く、広い温度範囲で使用される
自動車向けとしては粘度特性の面から適切ではない。特
に、低温粘度が非常に高くなるため、低温時の始動性の
面で課題があった。
【0005】一方、工業用として実用化されているもの
の中には、ハード型(分岐型)アルキルベンゼンやポリ
ブテン等、低温流動性に優れたものもある。しかし、こ
れらはトラクション係数が合成ナフテンより低く、自動
車に用いられるような小型のトラクションドライブ装置
では、充分な動力伝達は難しい。
【0006】一般に、これまでに報告されているトラク
ションドライブ用流体は、トラクション特性を重視して
いる場合が多い。例えば、特許第2652436号公報
には、分岐を有する炭素数8〜16のオレフィンの重合
体及び/又はその水添物からなるトラクションドライブ
流体を開示している。このものは、トラクション特性は
優れているものの、粘度が高めであり、自動車用トラク
ションドライブ装置に使用するには課題を有している。
また、特開平9−176665号公報及び特開平10−
25489号公報には、2つのシクロヘキシル環を有
し、少なくとも1つのシクロヘキシル環が炭素数5以上
のアルキル側鎖を有する化合物を主成分とするトラクシ
ョンドライブ流体が開示されている。しかし、低温側の
粘度特性とトラクション係数の両立という面ではやはり
課題を残していた。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、前記の問題
点を解決するためになされたものである。つまり、本発
明の目的は、高トラクション係数と低温流動性を両立さ
せた、優れたトラクションドライブ用流体を提供するこ
とにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、高いトラ
クション係数を有し、さらに優れた粘度温度特性、低温
流動性を有するトラクションドライブ用流体を開発すべ
く鋭意研究した。その結果、下記(A),(B),
(C)からなり、(A)と(C)の合計を100重量部
としたときに(A)が20〜50重量部、(B)が1〜
10重量部であるトラクションドライブ用流体が、所期
の目的を満足することを見出した。 (A)アルキル基の炭素数が5〜20のアルキルベンゼ
ン、数平均分子量100〜1000のイソパラフィン系
炭化水素油から選ばれる1種以上 (B)ポリメタクリレート (C)分子中に2つのシクロヘキサン環をもつ脂環式化
合物
【0009】前記(C)の脂環式化合物は、高いトラク
ション係数を有するが低温における粘度が高い。一方、
前記(A)はトラクション係数が比較的低いが、低温流
動性に優れる。この両者を混合することで、トラクショ
ン係数を高い値に維持しつつ、しかも低温流動性を向上
させることができることを見出した。さらに、前記
(B)のポリマーを粘度指数向上剤として混合すると、
低温流動性を悪化させずに、高温での粘度を上昇させ、
必要な油膜保持性能を持った、優れたトラクションドラ
イブ用流体が得られることを見出し、本発明を完成させ
た。
【0010】前記の分子中に2つのシクロヘキサン環を
もつ脂環式化合物は、1,2−ジシクロヘキシルプロパ
ン、1,2−ジシクロヘキシル−2−メチルプロパン、
1,2−ジシクロヘキシル−2−メチルプロパン、2,
3−ジシクロヘキシルブタン、2,3−ジシクロヘキシ
ル−2−メチルブタン、2,3−ジシクロヘキシル−
2,3−ジメチルブタン、1,3−ジシクロヘキシルブ
タン、1,3−ジシクロヘキシル−3−メチルブタン、
2,4−ジシクロヘキシルペンタン、2,4−ジシクロ
ヘキシル−2−メチルペンタン、2,4−ジシクロヘキ
シル−2,4−ジメチルペンタン、1,3−ジシクロヘ
キシル−2−メチルブタン、2,4−ジシクロヘキシル
−2,3−ジメチルブタン、2,4−ジシクロヘキシル
−2,3−ジメチルペンタンなどから選ばれる1種以
上、前記のイソパラフィンは、ポリイソブチレン、水素
化ポリイソブチレン、水素化ポリブテンなどから選ばれ
る1種以上である。最終的な物理的性状は、40℃にお
ける動粘度が15〜30mm/s、100℃における
動粘度が3.5〜7.0mm/s、粘度指数が100
〜200である。また、−40℃におけるブルックフィ
ールド粘度が、30,000〜60,000mPa・s
である。
【0011】
【発明の実施の形態】分子中に2つのシクロヘキサン環
をもつ脂環式化合物の好ましい例としては、1,2−ジ
シクロヘキシルプロパン、1,2−ジシクロヘキシル−
2−メチルプロパン、1,2−ジシクロヘキシル−2−
メチルプロパン、2,3−ジシクロヘキシルブタン、
2,3−ジシクロヘキシル−2−メチルブタン、2,3
−ジシクロヘキシル−2,3−ジメチルブタン、1,3
−ジシクロヘキシルブタン、1,3−ジシクロヘキシル
−3−メチルブタン、2,4−ジシクロヘキシルペンタ
ン、2,4−ジシクロヘキシル−2−メチルペンタン、
2,4−ジシクロヘキシル−2,4−ジメチルペンタ
ン、1,3−ジシクロヘキシル−2−メチルブタン、
2,4−ジシクロヘキシル−2,3−ジメチルブタン、
2,4−ジシクロヘキシル−2,3−ジメチルペンタン
などがあげられる。中でも、性能や原料の入手性などの
面から特に2,4−ジシクロヘキシル−2−メチルペン
タンが好ましい。これらは、α−アルキルスチレンを二
量化させ、さらに水素化することで得ることができる。
二量化の条件、および水素化の条件等は、公知の方法が
使用でき、例えば、米国特許第3925217号公報に
開示されている方法を用いることができる。
【0012】イソパラフィン系炭化水素油は、α−オレ
フィンなどの重合体、或はこの水素化物を用いることが
できる。重合の原料としては、炭素数が3以上のオレフ
ィンであればよく、特にブテン、ブチレンなどの2〜7
量体が好ましい。また、これらのオレフィンは単独で重
合させても、共重合体の形でも良い。最終的に得られる
ものが、数平均分子量100〜1000であれば好適に
使用できる。数平均分子量が100を切った場合、或は
1000を超えた場合は、所定の動粘度が得られなくな
ることがある。
【0013】アルキルベンゼンについても、公知の方法
で製造したものが利用できる。例えば、プロピレンの2
〜6量体を、フッ化水素、硫酸、塩化アルミニウム等の
触媒を用いてベンゼン、トルエン、キシレン等と反応さ
せることにより得ることができる。反応条件は、種々の
要因が絡むために特定することは難しいが、例えば塩化
アルミニウムを触媒として用いる場合、反応温度が20
〜150℃、反応圧力が2×10〜1.1×10
aの範囲が好適に使用できる。最終的に、蒸留等により
アルキル基の炭素数が5〜20のものを分離し、本発明
の潤滑油の成分として使用する。アルキル基の炭素数が
この範囲を外れると、所定の動粘度、トラクション係数
が得られなくなることがある。
【0014】前記アルキルベンゼン、イソパラフィン系
炭化水素から選ばれる1種以上の添加量であるが、分子
中に2つのシクロヘキサン環をもつ脂環式化合物との合
計量を100重量部とした時に、20〜50重量部、好
ましくは30〜40重量部である。20重量部を切る
と、トラクション係数は高くなるものの、−40℃にお
けるブルックフィールド粘度が高くなり過ぎて、充分な
低温流動性が得られないことがある。また、50重量部
を超えると、低温流動性は向上するが、高温での粘度、
またはトラクション係数のいずれかが低くなり、所定の
性能が得られないことがある。
【0015】ポリメタクリレートは、分散型のものが好
適に使用できる。このようなポリマーは、アルキルメタ
クリレートモノマーと、極性モノマーとの共重合で得る
ことができる。極性モノマーとしては、ジエチルアミノ
エチルメタクリレート、2−メチル−5−ビニルピロリ
ドン、N−ビニルピロリドン、モルホリノエチルメタク
リレートから選ばれる1種以上が好適に使用できる。ア
ルキルメタクリレートモノマーと、極性モノマーとのモ
ル比であるが、分散効果が極大となる80:20〜9
5:5の範囲のものが好ましい。また、ポリマーの分子
量であるが、剪断安定性などの点から、数平均分子量1
0000〜100000の範囲のものが好適に使用でき
る。このポリメタクリレートは、必要に応じて鉱油に希
釈されたものを用いても良い。
【0016】ポリメタクリレートの添加量であるが、前
記アルキルベンゼン、イソパラフィン系炭化水素から選
ばれる1種以上と、分子中に2つのシクロヘキサン環を
もつ脂環式化合物との合計量を100重量部とした時
に、1〜10重量部、好ましくは2〜7重量部、より好
ましくは2〜5重量部である。1重量部を切ると、10
0℃における動粘度が低下し、油膜保持性能が不足する
場合がある。また、10重量部を超えると、低温流動性
が悪化しかつトラクション係数が低下するため、所定の
トラクション係数が得られなくなることがある。
【0017】以上の構成成分を混合して得られるトラク
ションドライブ用流体は、40℃における動粘度が15
〜30mm/s、100℃における動粘度が3.5〜
7.0mm/s、粘度指数が100〜200、−40
℃におけるブルックフィールド粘度が、30,000〜
60,000mPa・s程度の値を示す。これらの値の
より好ましい範囲は、40℃における動粘度が18〜2
5mm/s、100℃における動粘度が4.0〜6.
0mm/s、粘度指数が120〜200、−40℃に
おけるブルックフィールド粘度が、35,000〜5
6,000mPa・sである。
【0018】これらの粘度特性は、低温流動性とトラク
ション係数を両立させるために必要となる。これが、上
記の範囲を外れるようになると、自動車用のトラクショ
ンドライブ用流体として使用することが難しくなる。
【0019】以上述べてきたように、分子中に2つのシ
クロヘキサン環をもつ脂環式化合物は、トラクション特
性に優れている。これに、アルキル基の炭素数が5〜2
0のアルキルベンゼン、数平均分子量100〜1000
のイソパラフィン系炭化水素油から選ばれる1種以上を
加えることにより、トラクション係数をあまり下げず
に、低温流動性を著しく向上させることができる。さら
にポリメタクリレートを加えることにより、広範囲の温
度領域で適切な粘度を示すとともに、低温流動性に優れ
たトラクションドライブ用流体が得られる。
【0020】本発明のトラクションドライブ用流体は、
このような構成成分とすることで、自動車用に適する物
理性状を得ることができたものである。これにより、低
温流動性とトラクション係数を両立させたトラクション
ドライブ用流体とすることができる。
【0021】本発明のトラクションドライブ用流体に
は、以上の添加剤の他に、本発明の目的が損なわれない
範囲で、従来から潤滑油に用いられている摩擦調整剤、
摩耗防止剤、極圧剤、無灰系分散剤、金属系清浄剤、酸
化防止剤、防錆剤、金属不活性剤、消泡剤などを適宜添
加することができる。
【0022】摩擦調整剤としては脂肪族アミン、脂肪族
アミド、脂肪族イミド、アルコール、エステル、リン酸
エステルアミン塩、亜リン酸エステルアミン塩等が、摩
耗防止剤としてはリン酸エステル、ジアルキルジチオリ
ン酸亜鉛等が、極圧剤としては硫化オレフィン、硫化油
脂等が、無灰系分散剤としてはアルケニルコハク酸イミ
ド、アルケニルコハク酸エステル等が、金属系清浄剤と
してはアルカリ土類金属スルフォネート、フェネート等
が、防錆剤としてはアルケニルコハク酸エステルまたは
その部分エステルなどが、消泡剤としてはシリコン化合
物、エステル系消泡剤等、を挙げることができる。
【0023】酸化防止剤としては、リン系酸化防止剤、
フェノール系酸化防止剤、アミン系酸化防止剤を単独
で、或は混合して使用する。酸化防止剤の添加量は潤滑
油全量基準で0.1〜3.0質量%程度である。0.1
質量%を切ると、酸化防止能力が不足する場合がある。
また、3.0質量%を超えた場合は、酸化分解生成物の
濃度が高くなることによるスラッジ生成を引き起こした
り、摩擦係数の低下を招いたりすることがあり好ましく
ない。
【0024】リン系酸化防止剤としては、ビス(2,4
−ジ−t−ブチルフェニル)ペンタエリスリトールジホ
スファイト、フェニルジイソデシルホスフィト、ジフェ
ニルジイソオクチルホスファイト、ジフェニルジイソデ
シルホスファイト、トリフェニルホスファイト、トリス
ノニルフェニルホスファイト、トリス−ジ−ノニルフェ
ニルホスファイト、トリス−(2,4−ジ−t−ブチル
フェニル)ホスファイト、ジステアリル−ペンタエリス
リトールジホスファイト、ビス(ノニルフェニル)ペン
タエリスリトールジホスファイト、4,4’−イソプロ
ピリデンジフェノールアルキルホスファイト、4,4’
−ブチリデンビス(3−メチル−6−t−ブチルフェニ
ルジ−トリデシルホスファイト)、1,1,3−トリス
(2−メチル−4−ジ−トリデシルホスファイト−5−
t−ブチルフェニル)ブタン、テトラキス(2,4−ジ
−t−ブチルフェニル)−4,4’−ビスフェニレンジ
ホスファイト、3,4,5,6−ジベンゾ−1,2−オ
キサホスファン−2−オキシド、トリラウリルトリチオ
ホスファイト、トリス(イソデシル)フォスファイト、
トリス(トリデシル)フォスファイト、フェニルジ(ト
リデシル)フォスファイト、ジフェニルトリデシルフォ
スファイト、フェニル−ビスフェノールAペンタエリス
リトールジフォスファイト、3,5−ジ−t−ブチル−
4−ヒドロキシベンジルフォスフォン酸ジエチルエステ
ル等を挙げることができ、これらの1種或いは2種以上
が使用できる。
【0025】これらの中でも、アリールホスファイト、
特には1つのアリール基が少なくとも1つ以上、好まし
くは2つのアルキル基を有することが、加水分解安定性
の点から好ましく、トリス−(2,4−ジ−t−ブチル
フェニル)ホスファイト、トリスノニルフェニルホスフ
ァイト、トリス−(モノ&ジ混合ノニルフェニル)ホス
ファイトなどが好適に使用できる。また、特に工業用グ
レードの試薬を用いる場合であるが、炭化水素基が1〜
2個のものが混入することは避けられない。しかし、基
油への溶解性が問題にならない範囲であれば、そのまま
使用できる。
【0026】本発明に使用できるフェノール系酸化防止
剤としては、たとえば2,6−ジ−t−ブチルフェノー
ル、2−t−ブチル−4−メトキシフェノール、2,4
−ジメチル−6−t−ブチルフェノール、2,4−ジエ
チル−6−t−ブチルフェノール、2,6−ジ−t−ブ
チル−p−クレゾール、2,6−ジ−t−ブチル−4−
エチルフェノール、2,6−ジ−t−ブチル−4−ヒド
ロキシメチルフェノール、2,6−ジ−t−ブチル−4
−(N,N−ジメチルアミノメチル)フェノール、n−
オクタデシル−β−(4’−ヒドロキシ3’,5−ジ―
t−ブチルフェニル)プロピオネート、2,4−(n−
オクチルチオ)−6−(4−ヒドロキシ3’,5’−ジ
−t−ブチルアニリノ)−1,3,5−トリアジン、ス
チレン化フェノール、スチレン化クレゾール、トコフェ
ノール、2−t−ブチル−6−(3’−t−ブチル−
5’−メチル−2’−ヒドロキシベンジル)−4−メチ
ルフェニルアクリレート、2,2’−メチレンビス(4
−メチル−6−t−ブチルフェノール)、2,2’−メ
チレンビス(4−エチル−6−t−ブチルフェノー
ル)、2,2’−メチレンビス(4−メチル−6−シク
ロヘキシルフェノール)、2,2’−ジヒドロキシ−
3,3’−ジ(α−メチルシクロヘキシル)−5,5’
−ジメチルジフェニルメタン、2,2’−エチリデン−
ビス(2,4−ジ−t−ブチルフェノール)、2,2’
−ブチリデン−ビス(4−メチル−6−t−ブチルフェ
ノール)、4,4’−メチレンビス(2,6−ジ−t−
ブチルフェノール)、4,4’−ブチリデンビス(3−
メチル−6−t−ブチルフェノール)、1,6−ヘキサ
ンジオールビス[3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−
ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、トリエチレン
グリコール−ビス−3−(−t−ブチル−4−ヒドロキ
シ−5−メチルフェニル)プロピオネート、N,N’−
ビス−[3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキ
シフェニル)プロピオニル]ヒドラジン、N,N’−ヘ
キサメチレンビス−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒ
ドロキシ)ヒドロシンナミド、2,2’−チオビス(4
−メチル−6−t−ブチルフェノール)、4,4’−チ
オビス(3−メチル−6−t−ブチルフェノール)、
2,2−チオジエチレンビス−[3(3,5−ジ−t−
ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、
ビス[2−t−ブチル−4−メチル−6−(3−t−ブ
チル−5−メチル−2−ヒドロキシベンジル)フェニ
ル]テレフタレート、1,1,3−トリス(2−メチル
−4−ヒドロキシ−5−t−ブチルフェニル)ブタン、
1,3,5−トリメチル−2,4,6−トリス(3,5
−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)ベンゼ
ン、トリス(3,5−ジ−t−4−ヒドロキシベンジ
ル)イソシアヌレート、1,3,5−トリス(4−t−
ブチル−3−ヒドロキシ−2,6−ジメチルベンジル)
イソシアヌレート、テトラキス[メチレン−3−
(3’,5’−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニ
ル)プロピオネート]メタン、カルシウム(3,5−ジ
−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジルモノエチルホス
フォネート)、没食子酸プロピル、没食子酸オクチル、
没食子酸ラウリル、2,4,6−トリ−t−ブチルフェ
ノール、2,5−ジ−t−ブチルヒドロキノン、2,5
−ジ−t−アミルヒドロキノン、1,1,3−トリス−
(2−メチル−4−ヒドロキシ−5−t−ブチルフェニ
ル)ブタン、1,3,5−トリメチル−2,4,6−ト
リス−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベン
ジル)ベンゼン、3,9−ビス[2−{3−(3−t−
ブチル−4−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)プロピ
オニルオキシ}−1,1−ジメチルエチル]−2,8,
10−テトラオキサスピロ[5,5]ウンデカン等を挙
げることができ、これらの1種或いは2種以上が使用で
きる。
【0027】これらのなかでも、入手の容易さ、潤滑油
への使用実績の点で、2,6−ジ−t−ブチル−p−ク
レゾール、2,2’−メチレンビス(4−メチル−6−
t−ブチルフェノール)、2,2’−メチレンビス(4
−エチル−6−t−ブチル−4−エチルフェノール)、
4,4’−メチレンビス(2,6−ジ−t−ブチルフェ
ノール)などが好ましい。
【0028】アミン系酸化防止剤としては、たとえば
p,p’−ジオクチルジフェニルアミン、N−フェニル
−N’−イソプロピル−p−フェニレンジアミン、ポリ
2,2,4−トリメチル−1,2−ジヒドロキノリン、
6−エトキシ−2,2,4−トリメチル−1,2−ジヒ
ドロキノリン、チオジフェニルアミン、4−アミノ−p
−ジフェニルアミン、等を挙げることができ、これらの
1種或いは2種以上が使用できる。
【0029】また、金属不活性化剤としては、たとえば
ベンゾトリアゾール、トリルトリアゾール、炭素数2〜
10の炭化水素基を有するベンゾトリアゾール誘導体、
ベンゾイミダゾール、炭素数2〜20炭化水素基を有す
るイミダゾール誘導体、炭素数2〜20炭化水素基を有
するチアゾール誘導体、2−メルカプトベンゾチアゾー
ル等を挙げることができ、これらの1種或いは2種以上
を用いることができる。
【0030】これらの添加剤は、それぞれコンポーネン
トで添加しても良いが、これらの混合物として販売され
ているパッケージを用いても良い。
【0031】以下、本発明を詳細に説明する。
【実施例】以下、実施例および比較例により本発明を具
体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定され
るものではない。
【0032】(試験方法)実施例および比較例で得たト
ラクションドライブ用流体の評価は、下記の方法で行な
った。
【0033】トラクション係数:四円筒式摩擦試験機を
用いて駆動軸回転数2,400rpm(5.0m/s)、すべ
り率2.2%、法線荷重360kg、試験油温度110℃
において測定した、法線荷重に対する伝達された接線力
の比で表示した。
【0034】BF(ブルックフィールド)粘度:AST
M D 2983に従って、−40℃のBF粘度を測定
した。
【0035】(実施例1〜7) 表1に示す配合組成の
トラクションドライブ用流体を作製した。表中のアルキ
ルベンゼンは、アルキル基が分岐型で炭素数が10〜1
4のもの、ポリイソブチレンAは、数平均分子量が30
0のものである。ポリメタクリレートは、窒素系分散型
で数平均分子量が約53000のものである。ポリメタ
クリレートの添加量は、希釈油(約40質量%)を含む
値である。
【0036】実施例1〜4の流体は、高温において適切
な粘度を保ち、しかも低温流動性に優れていることが分
かる。実施例2は、実施例1と比べるとトラクション係
数は低いが、より低温流動性に優れている。実施例5〜
6の流体は、湿式クラッチ性能を加味したものである。
実施例1、2に比較してトラクション係数が低いもの
の、湿式クラッチ性能に優れ、自動車用トラクションド
ライブ用流体として適している。
【0037】(比較例1〜5) 実施例と同様にして、
表1に示す配合組成のトラクションドライブ用流体を作
製した。比較例1、2は、アルキルベンゼン或はイソパ
ラフィン系炭化水素である水素化ポリイソブチレンの含
有量が少な過ぎるため、低温粘度が高い値となった。ま
た、比較例3、4は、ポリメタクリレートを添加してい
ないため、100℃の動粘度が低過ぎる値となった。比
較例5は、イソパラフィン炭化水素として数平均分子量
が2500のポリイソブチレンBを用いた場合である
が、低温粘度が高い値となった。
【0038】
【表1】
【0039】このように、2つのシクロヘキサン環をも
つ脂環式化合物に、(A)アルキル基の炭素数が5〜2
0のアルキルベンゼン、数平均分子量100〜1000
のイソパラフィン系炭化水素油から選ばれる1種以上、
(B)ポリメタクリレート、を適切に組みあわせること
で初めて所定の性能が得られることが分かる。
【0040】
【発明の効果】本発明のトラクションドライブ用流体
は、優れた粘度特性、低温流動性を有するとともに、高
いトラクション係数を持ち、特に自動車用に使用した時
優れた性能を発揮できる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI C10N 30:08 40:04

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下記(A),(B),(C)からなり、
    (A)と(C)の合計を100重量部としたときに、
    (A)が20〜50重量部、(B)が1〜10重量部で
    あることを特徴とするトラクションドライブ用流体。 (A)アルキル基の炭素数が5〜20のアルキルベンゼ
    ン、数平均分子量100〜1000のイソパラフィン系
    炭化水素油から選ばれる1種以上 (B)ポリメタクリレート (C)分子中に2つのシクロヘキサン環をもつ脂環式化
    合物
  2. 【請求項2】 40℃における動粘度が15〜30mm
    /s、100℃における動粘度が3.5〜7.0mm
    /s、粘度指数が100〜200であることを特徴と
    する請求項1に記載のトラクションドライブ用流体。
  3. 【請求項3】 −40℃におけるブルックフィールド粘
    度が、30,000〜60,000mPa・sであるこ
    とを特徴とする請求項1、2いずれか一つの請求項に記
    載のトラクションドライブ用流体。
  4. 【請求項4】 前記の分子中に2つのシクロヘキサン環
    をもつ脂環式化合物が、1,2−ジシクロヘキシルプロ
    パン、1,2−ジシクロヘキシル−2−メチルプロパ
    ン、1,2−ジシクロヘキシル−2−メチルプロパン、
    2,3−ジシクロヘキシルブタン、2,3−ジシクロヘ
    キシル−2−メチルブタン、2,3−ジシクロヘキシル
    −2,3−ジメチルブタン、1,3−ジシクロヘキシル
    ブタン、1,3−ジシクロヘキシル−3−メチルブタ
    ン、2,4−ジシクロヘキシルペンタン、2,4−ジシ
    クロヘキシル−2−メチルペンタン、2,4−ジシクロ
    ヘキシル−2,4−ジメチルペンタン、1,3−ジシク
    ロヘキシル−2−メチルブタン、2,4−ジシクロヘキ
    シル−2,3−ジメチルブタン、2,4−ジシクロヘキ
    シル−2,3−ジメチルペンタンから選ばれる1種以上
    である請求項1〜3いずれか一つの請求項に記載のトラ
    クションドライブ用流体。
  5. 【請求項5】 前記のイソパラフィンが、ブテン、ブチ
    レンの重合物、ブテン、ブチレンの重合物の水素化物か
    ら選ばれる1種以上である請求項1〜4いずれか一つの
    請求項に記載のトラクションドライブ用流体。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
NL1016055C2 (nl) * 2000-08-30 2002-03-01 Dsm Nv Thermoplastisch elastomeer met verbeterde eigenschappen.
JP2003193085A (ja) * 2001-12-27 2003-07-09 Nippon Oil Corp 自動車用変速機油組成物
JP4986201B2 (ja) * 1999-11-09 2012-07-25 ザ ルブリゾル コーポレイション トラクション流体組成物

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NL1016055C2 (nl) * 2000-08-30 2002-03-01 Dsm Nv Thermoplastisch elastomeer met verbeterde eigenschappen.
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