JPH11302532A - 抗菌性ポリウレタン樹脂 - Google Patents

抗菌性ポリウレタン樹脂

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JPH11302532A
JPH11302532A JP11565798A JP11565798A JPH11302532A JP H11302532 A JPH11302532 A JP H11302532A JP 11565798 A JP11565798 A JP 11565798A JP 11565798 A JP11565798 A JP 11565798A JP H11302532 A JPH11302532 A JP H11302532A
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antibacterial
polyurethane resin
tea
gallate
resin
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JP11565798A
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Hiroshi Okamoto
弘 岡本
Shinichi Inoue
眞一 井上
Hiroki Miyamatsu
宏樹 宮松
Takami Yoshida
貴美 吉田
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Erubu KK
Original Assignee
Erubu KK
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Abstract

(57)【要約】 【課題】安全で効果の高い抗菌性ポリウレタン樹脂を提
供する。 【解決手段】この抗菌性ポリウレタン樹脂は、ポリオー
ルおよび有機イソシアネートを含む樹脂原料を用いて製
造されたポリウレタン樹脂よりなるマトリックスと該マ
トリックス中に分散保持された0.25重量%以上の非
ガレート系茶カテキン類とからなる。非ガレート系カテ
キン類を0.25重量%以上含有しているので高い抗菌
性を示す。また、この抗菌性ポリウレタン樹脂は消臭性
をもつ。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は抗菌性ポリウレタン
樹脂に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、幾種類かの抗菌性ポリウレタ
ンフォームが開発されている。抗菌性ポリウレタンフォ
ームとしては、例えば、特開平1-161053号には金属イオ
ンの無機系抗菌剤が分散保持された軟質ポリウレタンフ
ォームが、特開平1-311168号にはN-(フルオロジクロロ
メチルチオ)-フタルイミドと2-ベンズイミダゾールカル
バミン酸低級アルキルエステルまたは/および2-(4- チ
アゾリル)-ベンズイミダゾールを含有するポリウレタン
フォームが、特開平3-231964号にはキトサンを分散して
含有するポリウレタンフォームが、特開平6-122764号に
は微粉末化した抗菌・抗カビ材や微粉末化した消臭剤を
含有するポリウレタンフォームなどが知られている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明は人体に対して
安全なかつ抗菌特性の高い抗菌性ポリウレタン樹脂を提
供することを課題とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者は、日常飲用に
使用する茶の薬効について研究を重ね、非ガレート系茶
カテキン類に高い抗菌作用があることを見出した。そし
て、ポリウレタン樹脂に抗菌剤として配合することによ
り、高いポリウレタン樹脂が付与できることを確認し、
本発明を完成したものである。
【0005】すなわち、本発明の抗菌性ポリウレタン樹
脂は、ポリオールおよび有機イソシアネートを含む樹脂
原料を用いて製造されたポリウレタン樹脂よりなるマト
リックスと該マトリックス中に分散保持された0.25
重量%以上の非ガレート系茶カテキン類とからなること
を特徴とする。本発明の抗菌性ポリウレタン樹脂は、茶
の成分を抗菌剤としているため人体に対して安全であ
る。また、その茶成分の非ガレート系茶カテキン類を抗
菌剤としているため抗菌作用が強い。
【0006】
【発明の実施の形態】本発明の抗菌性ポリウレタン樹脂
は、ポリウレタン樹脂中に抗菌剤である非ガレート系茶
カテキン類を0.25重量%(以下、%は特に明記しな
い場合重量%を意味する。)以上含有するものである。
ポリウレタン樹脂は、従来よりウレタン樹脂として知ら
れているものである。このポリウレタン樹脂はマトリッ
クスとしての形態がフォーム状の多孔質体でも、気孔の
ないバルク状であってもよい。
【0007】ポリウレタン樹脂は従来と同様にポリオー
ルとイソシアネートを含む樹脂原料を混合することによ
りポリオールとイソシアネートを反応させて得ることが
できる。樹脂原料にはポリオールとイソシアネート以外
に、触媒、発泡剤、その他の添加剤を従来のポリウレタ
ン樹脂の製造原料と同様に使用できる。
【0008】本発明の抗菌性ポリウレタン樹脂はマトリ
ックスを形成するポリオール、イソシアネートの他に、
水、触媒としてのアミン、有機スズ化合物およびシリコ
ーンの混合物等に抗菌剤である非ガレート系茶カテキン
類を配合して重合させる通常の方法で製造することがで
きる。ポリオールは、公知の硬質用、半軟質用、軟質用
を問わず、使用できる。また、イソシアネートも比較的
低温で重合してポリウレタンを形成する2官能性、3官
能性のものが利用できるが特に限定させるものではな
い。
【0009】また、これらの樹脂は従来の公知の製造方
法を適宜使用できる。たとえば、連続法、不連続法は問
わないし、主原料の反応段階においてワンショット法、
プレポリマー法等を問わない。なお、ポリウレタン樹脂
は発泡性および非発泡性のものも使用できる。茶カテキ
ン類としては、図1に示す、(-)-エピガロカテキン((-)
-EGC) および(-)-エピカテキン((-)-EC)と、それぞれの
ガレート体である(-)-エピガロカテキンガレート((-)・
EGCg) および(-)-エピカテキンガレート((-)- ECg)の四
種のカテキンが知られている。本発明では(-)-エピガロ
カテキン((-)-EGC) および(-)-エピカテキン((-)-EC)を
非ガレート系茶カテキン類と称する。そしてこの非ガレ
ート系茶カテキン類を抗菌剤として使用する。
【0010】エピガロカテキン((-)-EGC) および(-)-エ
ピカテキン((-)-EC)を化学的に純粋に取り出すには、現
状では膨大な費用と時間がかかり容易ではない。然し商
業的には茶粉末や、茶葉から抽出した抽出物が産業上利
用可能なものとして存在する。例えば、茶をそのまま用
いたものでは、茶粉末(市販の深蒸し茶を微粉末にした
もの)、抽出物としては(株)伊藤園のテアフラン30
と、60と、90などがあり、実際には本発明ではこれら抗
菌剤を使用できる。これらの抗菌剤中の茶カテキン(四
種類のカテキン)の含有率を表1に示す。
【0011】
【表1】
【0012】数値は抗菌剤を100%とした時の各カテ
キン類の含有率を%で示す。 (抗菌活性)茶カテキンの抗菌活性はさまざまな抗菌試
験をもとに求められ、非ガレート系茶カテキン類含有物
はガレート系茶カテキン類含有物と比較してずばぬけた
抗菌活性を有している。例えば、一般的に繊維に関する
抗菌活性は増減値差1.6以上で活性があるとされてい
るが、この数値を基準として抗菌性を考えたとすると、
測定結果から非ガレート系茶カテキン類を0.25%、
好ましくは0.4%以上含有しているポリウレタン樹脂
が抗菌活性が強い。とりわけ非ガレート系茶カテキン類
を0.4%以上含有するポリウレタン樹脂は非常に高い
抗菌性を示す。
【0013】
【実施例】以下、実施例を用いて本発明を説明する。本
発明の実施例として茶粉末と、テアフラン30と、テア
フラン60と、テアフラン90とを含むポリウレタン樹
脂を作製した。 実施例1 (軟質発泡ポリウレタン樹脂の作製)3官能ポリオール
(分子量約3000のポリプロピレングリコール)10
0重量部、水6.5重量部、第3級アミン(トリエチル
アミン)0.1重量部、有機金属スズ化合物0.15重
量部、軟材10重量部とに表2に示される抗菌剤を十分
に混合した。これらの混合された混合液にジイソシアネ
ート(トリレンジイソシアネート)75重量部を室温に
て添加し、素早く混合し、その混合物をただちに、恒温
乾燥機に入れて30℃に保ってあった横と縦がそれぞれ
230mm、高さ170mmの容器に入れ、そのまま反
応を進め、発泡した抗菌性ポリウレタン樹脂とした。そ
の後これらの発泡した抗菌性ポリウレタン樹脂を、さら
に90℃にて測定した恒温槽内にて15〜30分放置す
ることにより作製された。
【0014】
【表2】 なお、配合量は樹脂及び抗菌剤を含む抗菌性ポリウレタ
ン樹脂を100%としたときの抗菌剤の%を示す。 (抗菌性の評価) (一部改良細菌増殖抑制試験)37℃保存菌の黄色葡萄
状球菌(Staphylococus aureus IFO 12732) の1白金耳
を普通ブイヨン倍地に接種し、37℃で8時間振とう
(100rpm) 培養した。得られた培養菌液を10倍に希釈
した後に、リン酸緩衝溶液(PBS) で10倍に希釈した普
通ブイヨン倍地でさらに10倍に希釈して、試験菌液と
した。この試験菌液の希釈時菌数は1×106 個であ
る。
【0015】ここで、普通ブイヨン倍地とは、牛肉エキ
ス50g、ペプトン10.0g、塩化ナトリウム5.0
gを蒸留水1000mlに溶かした溶液をいう。また、
リン酸緩衝溶液(PBS) とは、リン酸二水素カリウム34
gに蒸留水500mlを加え、4%水酸化ナトリウム水
溶液175mlでpHを7.2に調整した後、蒸留水で
11000mlに定容し、これをオートクレープ121
℃、15分間高圧蒸気滅菌したものをいう。
【0016】次に、高圧蒸気滅菌した50ml容ねじ口
三角フラスコに0.0075±0.002g(このサン
プル量は菌液200ml中に試料が十分に浸る量を予め
把握して求めた値である)になるように裁断した発泡ポ
リウレタン試料をいれ、さらに試験菌液を0.2ml摂
取して入れた。このようにして得られた試験フラスコを
37℃で18時間静置培養した。
【0017】その後、PBSを20ml加え試験管ミキ
サーで5秒×5回振とうして菌を分散させ、10倍段階
希釈系列により希釈後、コロニーカウント法により菌数
を測定した。また、試験開始時の菌数は、発泡ポリウレ
タン樹脂の試料に接種した後ただちにPBSに菌を分散
させ、同様にコロニーカウント法により菌数を測定し
た。
【0018】抗菌活性の評価方法は、各試料で測定され
たコロニー数より、 生菌数=コロニー数×20×希釈倍数として生菌数を求
めた。 増減値差は次の式により求められた。 増減値差=(log B- log A)- (log C- log A) ここでAは接種菌数、Bは標準綿布を用いた無加工布の
生菌数、Cは各試料の生菌数を示す。 (抗菌試験1)表2に示される試料No.1、No.
2、No.3およびNo.4のポリウレタン樹脂に一部
改良細菌増殖抑制試験法を施し、抗菌性を調べた。ここ
で、接種菌数(A)は1.1 ×105 個であって、この対数
値log Aは5.0となる。また、標準綿布を用いた無加
工布の生菌数(B)は、1.7×107 個であって、こ
の対数値log Bは7.2である。各試料の生菌数を
(C)とし、各試料の増減値差を表3に示した。
【0019】
【表3】 増減値差1.6を基準とし、その値より上にあるものを
○、下にあるものを×とした。また、特に大きな増減値
差(5以上)を示すものを◎とした。
【0020】抗菌活性効果とは、コントロールの増減値
差に対する試料の増減値差の比の自然数である。表3よ
り、No.1の茶粉末と、No.2のテアフラン30
と、No.3のテアフラン60を3.5%添加したポリ
ウレタン樹脂において菌数が減少し、とりわけ、No.
2およびNo.3が著しい減少を示している。
【0021】布を構成する繊維の抗菌性に関しては、一
般に増減値差が1.6以上あれば抗菌性があるといわれ
ていることから、この数値を基準として抗菌性を考えた
とすると、No.1の茶粉末はかろうじて抗菌性を示し
ている程度であるが、No.2のテアフラン30とN
o.3のテアフラン60は茶粉末に比べ104 倍と非常
に高い抗菌性を示している。しかし、テアフラン90は
抗菌性は認められない。これら抗菌試験の結果、非ガレ
ート系茶カテキン類を0.25%以上含有する茶あるい
は茶抽出物に抗菌活性があり、それを用いることによ
り、ポリウレタンフォームに抗菌性を付与することが可
能であることが立証された。 実施例2 (熱処理をした抗菌剤を用いた発泡ポリウレタン樹脂の
作製)あらかじめ、用意した抗菌剤のテアフラン30を
200℃に設定した恒温乾燥機に30分間入れ、熱処理
をした。あとは前記の発泡ポリウレタン樹脂の作製に従
い、ウレタンフォームを作製した。
【0022】
【表4】 (抗菌剤の評価)前記の一部改良細菌増殖抑制試験にて
抗菌試験を行った。
【0023】
【表5】 増減値差1.6を基準とし、その値より上にあるものを
○、下にあるものを×とした。また、特に大きな増減値
差(5以上)を示すものを◎とした。
【0024】抗菌活性効果とは、コントロールの増減値
差に対する試料の増減値差の比の自然数である。表5か
ら、非ガレート系茶カテキン類は200℃位までは熱的
に安定であり、抗菌性を保持することが明らかとなっ
た。 実施例3 (硬質ポリウレタン樹脂の作製)ポリエーテルポリオー
ル100重量部、難燃剤10.0重量部、整泡剤2.0
0重量部、触媒1.00重量部、水3.00重量部およ
び表6に示される抗菌剤とからなるポリオール成分を十
分に混合し、25℃に調温した。この混合液に25℃に
調温されたイソシアネート成分(クールドMD1)192.
07重量部を素早く加え、十分に攪拌をした後に型に流
し込んで形成された。
【0025】ここで、ポリオール成分とイソシアネート
成分の攪拌は、最高速で10秒の攪拌条件でなされた。
また、攪拌後の成形型への流し込みは、壁面部の攪拌不
良部分を流し込むまないために、樹脂全量を流し込まな
かった。さらに、流し込みはクリームタイム以前に終了
させる。このため、樹脂の反応性は低く設定されてい
る。なお、反応性について、室温15℃での反応プロフ
ァイルは、クリームタイム35±2秒、ゲルタイム12
0±5秒、タックフリータイム190±10秒、ライズ
タイム170±10秒とした。
【0026】作製されたポリウレタン樹脂は、反応性が
低く設定されているため若干セル荒れが発生している。
また、作製されたポリウレタン樹脂の密度は、50kg/m
3 となるように製造された。
【0027】
【表6】 (抗菌性の評価)黄色葡萄状球菌(Staphylococus aure
us ATCC 6538P)を用いて、繊維製品新機能評価評議会の
統一試験方法マニュアルによる試験方法で抗菌性試験を
行い、抗菌性を調査した。
【0028】この試験では、接種菌数(A)は2.3×
104 個であって、この対数値logAは4.4となる。
標準綿布を用いた無加工布の無加工布菌数(B)は、
1.1×107 個であって、この対数値log Bは7.0
となる。各試料の生菌数を(C)とし、各試料の硬質ポ
リウレタン樹脂についての静菌活性値を表7に示した。
ここで、測定に用いた試料重量は0.05gであった。
【0029】なお、静菌活性値=log B- log Cであっ
た。
【0030】
【表7】 静菌活性値2.2を基準とし、その値より上にあるもの
を○、下にあるものを×とした。特に大きな静菌活性値
(5以上)を示すものを◎とした。
【0031】抗菌活性効果とは、コントロールの静菌活
性値に対する試料の静菌活性値の比の自然数である。表
7より、硬質ポリウレタン樹脂にテアフラン30を添加
したNo.6は、菌数が減少を示している。布を構成す
る繊維の抗菌性に関しては、一般に静菌活性値が2.2
以上あれば抗菌性があるといわれていることから、この
数値を基準として、抗菌性を考えたとすると、No.6
は非常に高い抗菌性を示している。このため、本発明の
抗菌性ポリウレタン樹脂は軟質発砲樹脂にも硬質発砲樹
脂にも用いられる。 実施例4 (非発泡性ポリウレタン樹脂の調整)ポリオール(分子
量2000のポリカプロラクトン)100重量部、ジイソシ
アネート(4.4-ジフェニルメタンジイソシアネート)3
7.5重量部、鎖延長剤(1.4-ブタレジオール)6.7
重量部、鎖延長剤(トリメチロールプロパン)2.5重
量部とに表8に示される抗菌剤を加え、60℃で約10
〜15分攪拌する。減圧下約5〜10分攪拌しながら脱
泡を行う。得られた粘調物を直ちに予熱しておいたドラ
ム成型機(φ=50mm)に入れ110〜160℃の温度
範囲で30分間程度加熱成型を行って約1mm厚のシ−
トを得、100℃で16時間加熱熟成し、さらに1周間
室温熟成し非発泡ポリウレタン樹脂が作製された。
【0032】
【表8】
【0033】
【表9】 静菌活性値2.2を基準とし、その値より上にあるもの
を○、下にあるものを×とした。特に大きな静菌活性値
(5以上)を示すものを◎とした。
【0034】抗菌活性効果とは、コントロールの静菌活
性値に対する試料の静菌活性値の比の自然数である。表
9より非発泡性ポリウレタン樹脂にテアフラン30を添
加したNo.7は菌数が減少している。布を構成する繊
維の抗菌性に関しては、一般に静菌活性値が2.2以上
あれば抗菌性があるといわれていることから、この数値
を基準として、抗菌性を考えたとすると、No.7は非
常に高い抗菌性を示している。これにより本発明の抗菌
性ポリウレタン樹脂は非発泡性ポリウレタン樹脂にも効
果があるのがわかる。 (消臭効果の評価)次に、本発明の抗菌性ポリウレタン樹
脂が消臭作用を奏することが確認された。その消臭試験
結果を次に説明する。なお、本発明の抗菌性ポリウレタ
ン樹脂として前記した実施例1のNo.2のウレタンフ
ォームをフィルタとして用いて試験した。
【0035】消臭試験1 測定対象物としてはシガレット(マイルドセブン)5本
を用いた。測定装置として図1に示した消臭試験用装置
を用いた。この装置は、1m×1m×1mのアクリル板
製容器内に吸煙機、攪拌ファン、およびフィルターを装
置した吸引ヘッドをセットしたものである。においセン
サーとしては新コスモス電気株式会社製の「XP−32
9」を用いた。
【0036】測定は、シガレット5本を吸煙機に装着し
て着火し、速やかに蓋をして容器を閉鎖する。5本のシ
ガレットのうち、最初の1本がフィルターに達した時点
で、吸煙機は停止させる。残りのシガレットは自然発煙
させる。また、攪拌ファンは連続運転させる。このよう
な環境下で、全てのシガレットの発煙が止まった時点及
びこの時点より、30分後、60分後のニオイ濃度を前
記したにおいセンサーを使ってその測定値を求めた。な
お、測定は5回実施した。測定結果を表10に示す。
【0037】
【表10】 また、比較のために抗菌剤を配合しないNo.2と同じ
ウレタンフォームをフィルタとして使用したコントロー
ルの試験結果を表11に示す。
【0038】
【表11】 さらにフイルタを全く使用しなかった時の測定値をブラ
ンクとして表12に示す。
【0039】
【表12】 表10と表11及び表12の数値を比較すると、表10
の本発明の抗菌性ポリウレタン樹脂を使用した場合のに
おいセンサの値は、表11及び表12の抗菌剤を含まな
いフィルタ及びフイルタを使用しないものに比較し、に
おいセンサの値は低い。特に30分経過後の値が顕著に
低くなっている。このことより本発明の抗菌性ポリウレ
タン樹脂はシガレットの消臭作用を奏することがわか
る。
【0040】消臭試験2 測定対象物としてはホルムアルデヒドとした。図2に示
す閉鎖環境を保持できる内容積300ccの蓋付きガラ
ス容器を準備し、その中にホルムアルデヒドを発生する
木片(濃度:0.51ppm)をあらかじめ入れてお
き、前記したのと同じポリウレタンフォーム供試体を1
回の試験に1枚ずつガラス容器に装着してから、速やか
に容器を閉鎖し、ガラス容器中で8時間経過したところ
で、ガス検知管を取り付け、ホルムアルデヒド濃度を検
知管で測定した。測定は3回行った。測定結果を表13
に示す。
【0041】
【表13】 なお、ブランクとしてポリウレタンフォームを用いない
状態の8時間後のホルムアルデヒド濃度の測定を実施し
た。その結果を表14に示す。
【0042】
【表14】 表13より明らかにように、本発明の抗菌性ポリウレタ
ン樹脂のウレタンフォームを用いることによりホルムア
ルデヒドの濃度が0.04〜0.08と極めて低くなっ
ている。これに対して、ブランクのものはホルムアルデ
ヒドの濃度が0.36〜0.42と高い。このようにカ
テキン30%を含有するウレタンフォームは強いホルム
アルデヒドの除去効果を示した。
【0043】
【発明の効果】本発明の抗菌性ポリウレタン樹脂は、緑
茶カテキンの成分である非ガレート系カテキン類を0.
25重量%以上含有しているので高い抗菌性を示す。本
発明の抗菌成分である緑茶カテキンの非ガレート系カテ
キン類は、加熱処理(200℃、30分)が施されても
抗菌性を示した。また、消臭試験の結果から本発明の抗
菌性ポリウレタン樹脂は消臭性をもちあわせていること
が明らかとなった。
【0044】本発明の抗菌性ポリウレタン樹脂は発泡樹
脂としても非発泡樹脂としても抗菌性を示した。説明す
るまでもなく茶自体は、飲用に供されるように高い安全
性を有する。従って、本発明の抗菌性ポリウレタン樹脂
は、人が触れる繊維製品、直接食物に触れる食器などに
用いても安全でありさらに抗菌性により衛生上の効果が
大きい。
【図面の簡単な説明】
【図1】シガレットの消臭試験に使用した測定装置の概
要を示す模式図である。
【図2】ホルムアルデヒドの消臭試験に使用した測定装
置の概要を示す模式図である。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】ポリオールおよび有機イソシアネートを含
    む樹脂原料を用いて製造されたポリウレタン樹脂よりな
    るマトリックスと該マトリックス中に分散保持された
    0.25重量%以上の非ガレート系茶カテキン類とから
    なることを特徴とする抗菌性ポリウレタン樹脂。
  2. 【請求項2】前記非ガレート系茶カテキン類は0.4重
    量%以上である請求項1記載の抗菌性ポリウレタン樹
    脂。
  3. 【請求項3】前記非ガレート系茶カテキン類は(-)-エピ
    ガロカテキンおよび(-)-エピカテキンの少なくとも1種
    である請求項1記載の抗菌性ポリウレタン樹脂。
JP11565798A 1998-04-24 1998-04-24 抗菌性ポリウレタン樹脂 Pending JPH11302532A (ja)

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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2001247781A (ja) * 1999-12-28 2001-09-11 Erubu:Kk 機能性成形物および機能性複合成形物
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