JPH11302230A - クロロホルメート類の製造方法 - Google Patents

クロロホルメート類の製造方法

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JPH11302230A
JPH11302230A JP10823498A JP10823498A JPH11302230A JP H11302230 A JPH11302230 A JP H11302230A JP 10823498 A JP10823498 A JP 10823498A JP 10823498 A JP10823498 A JP 10823498A JP H11302230 A JPH11302230 A JP H11302230A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
alcohol
phosgene
molecular sieve
chloroformates
reaction
Prior art date
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Pending
Application number
JP10823498A
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English (en)
Inventor
Shigeru Handa
滋 半田
Yoshitomo Kashiyama
佳朋 樫山
Ryutaro Takei
龍太郎 武居
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Asahi Penn Chemical Co Ltd
Original Assignee
Asahi Penn Chemical Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】着色が少ない高品質のクロロホルメート類の製
造方法の提供。 【解決手段】置換または非置換の炭素数1〜30の1価
〜4価の脂肪族または脂環族アルコールとホスゲンとの
反応によりクロロホルメート類を製造する方法におい
て、アルコールをモレキュラーシーブにより処理した後
に、アルコールとホスゲンを反応させることを特徴とす
る、クロロホルメート類を製造する方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はクロロホルメート類
の製造方法に関し、原料となるアルコールを予めモレキ
ュラーシーブにより処理することを特徴とする、着色の
少ない高品質な製品を製造する方法に関する。
【0002】
【従来の技術】クロロホルメート類は、Friedel-Crafts
反応により容易にカルボキシル基を導入することができ
る化合物であり、工業的には、重合開始剤などに使用さ
れる過酸化物の原料として有用な化合物である。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】一般に、クロロホルメ
ート類は対応するアルコールを過剰のホスゲンと反応さ
せることにより製造することができ、反応後過剰のホス
ゲンおよび副生成物である塩化水素を除去する工程(以
下、脱ガス工程と称す)を経て、製品を得ることができ
る。
【0004】ところが、脱ガス工程を経た後の製品(以
下、粗製品と称す)は一般に着色していることが多く、
次工程に問題を与えている。
【0005】これを解決するために、原料のアルコール
や粗製品を蒸留したり、粗製品を活性炭にて処理して脱
色する方法が知られている。しかし、蒸留工程はコスト
や時間がかかるばかりでなく、特に粗製品の蒸留におい
ては、クロロホルメート類が分解して純度低下を招くお
それがあった。また、活性炭による処理は活性炭に吸着
されている水分を完全に除去することは困難なので、活
性炭による処理れにクロロホルメート類が加水分解さ
れ、やはり純度低下や収量低下を招くおそれがあった。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明はかかる問題点を
解決しようとするものであり、コストや時間のかかる蒸
留工程や、純分・収量低下のおそれのある活性炭処理工
程を必要することなく、着色が少なく、高品質のクロロ
ホルメート類を高収率で製造する方法を提供するもので
ある。
【0007】本発明はすなわち、置換または非置換の炭
素数1〜30の1価〜4価の脂肪族または脂環族アルコ
ールとホスゲンとの反応によりクロロホルメート類を製
造する方法において、アルコールをモレキュラーシーブ
により処理した後に、アルコールとホスゲンを反応させ
ることを特徴とする、クロロホルメート類を製造する方
法である。
【0008】
【発明の実施の形態】本発明にて使用される置換または
非置換の炭素数1〜30の1価〜4価の脂肪族または脂
環族アルコールは1級または2級であることが好まし
い。
【0009】1価または2価がより好ましく、1価が特
に好ましい。
【0010】炭素数は1〜20が好ましく、1〜15が
特に好ましい。主鎖は直鎖でも、また分岐があってもよ
い。
【0011】また置換基を有していてもよく、このよう
な置換基としてはアルコキシ基などが挙げられる。アル
コキシ基としては炭素数10以下が好ましく、炭素数5
以下が好ましい。エトキシ基、メトキシ基が特に好まし
い。置換基の数は2個以下であることが好ましく、1個
以下であることがより好ましい。
【0012】好ましい脂肪族アルコールとしては具体的
には、メチルアルコール、エチルアルコール、プロピル
アルコール、イソプロピルアルコール、n−ブチルアル
コール、イソブチルアルコール、s−ブチルアルコー
ル、n−ペンチルアルコール、イソペンチルアルコー
ル、n−ヘキシルアルコール、n−ヘプチルアルコー
ル、n−オクチルアルコール、2−オクチルアルコー
ル、2−エチルヘキシルアルコール、n−ノニルアルコ
ール、n−デシルアルコール、n−ウンデシルアルコー
ル、n−ドデシルアルコール、n−トリデシルアルコー
ル、n−n−テトラデシルアルコール、n−ペンタデシ
ルアルコール、n−ヘキサデシルアルコール、n−ヘプ
タデシルアルコール、n−オクタデシルアルコール、n
−ノナデシルアルコール、n−エイコシルアルコール、
n−ヘキサコシルアルコール等の1価のアルコール、エ
チレングリコール、プロピレングリコールなどの2価の
アルコール、エチレングリコールモノメチルエーテル、
エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリ
コールモノn−ブチルエーテル、プロピレングリコール
モノメチルエーテル、3−メトキシ−1−ブチルアルコ
ールなどのアルコキシ基を置換基として有するアルコー
ルなどが挙げられる。
【0013】好ましい脂環族アルコールとしてはシクロ
ペンチルアルコール、シクロヘキシルアルコール、メチ
ルシクロヘキシルアルコールなどの脂環族アルコール、
などが挙げられる。
【0014】本発明で使用するモレキュラーシーブとは
分子ふるい吸着剤であり、細孔径0.3〜1.5nmの
ものが好ましい。Linde社製のモレキュラーシーブ
4A、モレキュラーシーブ5A、モレキュラーシーブ1
3Xなどが挙げられる。
【0015】モレキュラーシーブの使用量は、用いる脂
肪族アルコールの種類・製法・純度・水分含量等にも依
存するが、脂肪族アルコールに対し、3〜50重量%が
好ましく、5〜30重量%が特に好ましい。少なすぎる
場合にはその効果が少なく、また多すぎる場合には経済
的に不利である。
【0016】処理の方法はバッチ法でも流通法でも可能
であり、その選択は所有設備・安全性・脂肪族アルコー
ルの使用量等を考慮して決定すればよい。一般的には脂
肪族アルコールの使用量が少ない場合には前者が、使用
量が多い場合には後者が好まれる。
【0017】流通法は、例えば充填塔にモレキュラーシ
ーブを充填させた充填塔に脂肪族アルコールを流通させ
る方法などにより行われる。
【0018】脂肪族アルコールとホスゲンとの反応にお
いて、脂肪族アルコールとホスゲンの割合は脂肪族アル
コールの水酸基1モルに対してホスゲンを1〜5倍モル
使用することが好ましく、1〜3倍モル使用することが
特に好ましい。ホスゲンの使用量が少ない場合、ジアル
キルカーボネートが副生するので好ましくなく、ホスゲ
ンの使用量が多すぎると経済的に好ましくない。
【0019】反応の際に溶媒は使用しても、また使用し
なくてもよい。原料の脂肪族アルコールが反応温度にお
いて液体である場合には、一般に使用しなくても良好な
結果が得られるが、固体である場合には溶媒を用いた方
が均一な反応が行われるので、脂肪族アルコール2分子
がホスゲンと反応して生成するジアルキル カーボネー
トの副生が抑制できるので有利である。
【0020】ホスゲンはガス状で、あるいは液状で反応
器に導入することが好ましい。反応圧力は、通常常圧付
近が用いられるが、−0.08〜+0.3MPaが好ま
しく、−0.05〜+0.2MPaがさらに好ましい。
【0021】毒性のきわめて高いホスゲンを使用する反
応であるので、高すぎる反応圧力は設備製造コストが高
くなり、安全性にも問題が生じるので好ましくない。
【0022】反応温度は採用される反応圧力にも依存す
るが、−30〜+80℃が好ましく、−10〜+50℃
が特に好ましい。あまりに低すぎる場合には反応速度が
遅いので、好ましくない。またあまりに高すぎる場合に
はジアルキル カーボネートの副生が多くなったり、低
沸点化合物であるホスゲン(常圧で8℃)の利用効率の
低下の問題点があるので好ましくない。
【0023】クロロホルメート化の反応の終了後、過剰
のホスゲンおよび副生した塩化水素を除去することが好
ましい。たとえば、窒素等の不活性ガスを吹き込んだ
り、ホスゲンの沸点以上に加熱することにより、除去す
る方法が挙げられる。また、溶媒を使用した場合には、
必要に応じて、エバポレーションや蒸留等の操作によ
り、溶媒を除去できる。
【0024】本発明においてはこのようにして、さら
に、減圧蒸留等の方法による精製操作を施さなくても、
着色が少なく高品質のクロロホルメート類を製造するこ
とが可能である。
【0025】本発明の機構は明白ではないが、ごく微量
の色素またはクロロホルメート化反応の際に色素に変わ
りうる物質がモレキュラーシーブにより吸着除去される
ため、着色が少ないクロロホルメート類が得られるもの
と考えられる。
【0026】
【実施例】以下に実施例(例1〜2)および比較例(例
3〜4)を以て本発明を具体的に説明する。
【0027】(例1)1リットルのフラスコに500m
Lのs−ブチルアルコールとモレキュラーシーブ13X
(細孔径1.5nm)50gを仕込み、常温にて15時
間撹拌した後、モレキュラーシーブ粉を除去するため濾
過した。得られたs−ブチルアルコールの370g
(5.0モル)を1リットルのフラスコに仕込み、10
℃を保つよう冷却しながら、ガス状のホスゲン743g
(7.5モル)を常圧にて6時間を要して吹き込んだ
(クロロホルメート化反応)。その後、冷却を中止し、
窒素を吹き込みながら終夜常温まで温めた(脱ガス工
程)。残留しているホスゲンは0.1重量%以下であ
り、またガスクロマトグラフ分析によるs−ブチルクロ
ロホルメート純分は99.3面積%であった。色度はA
PHAスケールで15であった。収量962g(7.0
5モル)、収率96%であった。
【0028】(例2)例1と同様にして3−メトキシ−
1−ブチルアルコール500mLをモレキュラーシーブ
13xの50gにて処理した後、濾過を行った。得られ
た3−メトキシ−1−ブチルアルコールの416g
(4.0モル)にガス状のホスゲンの594g(6.0
モル)を吹き込みクロロホルメート化反応を行った。反
応後は例1と同様に脱ガス工程を行い、642g(3.
86モル)の製品を得た。収率96%であった。残留ホ
スゲンは0.1重量%以下であり、3−メトキシ−1−
ブチルクロロホルメート純分は97.2面積%であっ
た。色度はAPHAスケールで30であった。
【0029】(例3)s−ブチルアルコールをモレキュ
ラーシーブ13xで処理しないこと以外は例1と同様に
してクロロホルメート化反応・脱ガス工程を行った。収
量956g(7.0モル)、収率93%、s−ブチルク
ロロホルメート純分は99.3面積%であり、例1とほ
ぼ同等の結果であったが、色度はAPHAスケールで5
0であった。
【0030】(例4)3−メトキシ−1−ブチルアルコ
ールをモレキュラーシーブ13xで処理しないこと以外
は例2と同様にしてクロロホルメート化反応・脱ガス工
程を行った。収量640g(3.84モル)、収率96
%、3−メトキシ−1−ブチルクロロホルメート純分は
97.1面積%であり、例2とほぼ同等の結果であった
が、色度はAPHAスケールで70であった。
【0031】
【発明の効果】本発明の方法によれば、着色が少ない高
品質のクロロホルメート類を高収率で製造することが可
能である。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】置換または非置換の炭素数1〜30の1価
    〜4価の脂肪族または脂環族アルコールとホスゲンとの
    反応によりクロロホルメート類を製造する方法におい
    て、アルコールをモレキュラーシーブにより処理した後
    に、アルコールとホスゲンを反応させることを特徴とす
    る、クロロホルメート類を製造する方法。
JP10823498A 1998-04-17 1998-04-17 クロロホルメート類の製造方法 Pending JPH11302230A (ja)

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN113402389A (zh) * 2020-03-17 2021-09-17 上海祖玥新材料科技有限公司 一种使用异丙醇与光气反应合成氯甲酸异丙酯的制备方法

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