JPH11301453A - 制動力制御装置 - Google Patents
制動力制御装置Info
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- JPH11301453A JPH11301453A JP10109390A JP10939098A JPH11301453A JP H11301453 A JPH11301453 A JP H11301453A JP 10109390 A JP10109390 A JP 10109390A JP 10939098 A JP10939098 A JP 10939098A JP H11301453 A JPH11301453 A JP H11301453A
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Abstract
圧を圧を行う場合に、リザーバが満杯となったときに制
動力過多となることを回避する。 【解決手段】モータジェネレータMGの電気的制動力目
標値BFに応じた目標減圧量ΔPから、リザーバ32に
回収される減圧流量ΔQを算出し、これを積算してリザ
ーバ32の現在の貯留量QNOW を算出する。この貯留量
QNOW とリザーバ32の貯留可能量QMAX とをもとに、
作動流体圧のさらなる減圧が可能かを判断し、不可能で
あるときには、前回の電気的制動力目標値BF(n−
1)を今回の電気的制動力目標値BFとして設定し、こ
の電気的制動力目標値BFを達成するようにモータジェ
ネレータMGを回生駆動させる。
Description
モータジェネレータとを併設した,いわゆるパラレルハ
イブリッド車両やモータジェネレータだけを原動機とす
る電動車両等にあって、例えば制動時にモータジェネレ
ータを回生作動させるときに、各車輪の制動用シリンダ
への作動流体圧による制動力を制御する制動力制御装置
に関するものである。
えば特開平9−216554号公報に記載されたもの等
がある。
のエンジン自動車に採用されているように、油圧ブレー
キに油圧を印加することにより車輪を制動すると共に、
本来電動機としてのモータジェネレータを発電機として
使用し、つまり回生作動させて、制動力の一部をモータ
ジェネレータの回生トルクで得て、このモータジェネレ
ータで回生された電力をバッテリに充電するようにして
いる。
せるときには、作動流体圧の回生協調制御が行われる。
この回生協調制御とは、ブレーキペダルの踏込み量を例
えばマスタシリンダ圧で検出し、このマスタシリンダ圧
に相当する制動力から前記モータジェネレータの回生ト
ルクによる制動力を減じた分が、流体圧制動手段として
各車輪に設けられている制動用シリンダで発揮されるよ
うに、主として作動流体圧を減圧制御するものである。
マスタシリンダと制動用シリンダとを遮断する切換弁
と、この切換弁と制動用シリンダとの間で作動流体をリ
ザーバに排出してブースト発生油圧を減圧する比例液圧
制御弁とを設け、マスタシリンダと制動用シリンダとの
間を前記切換弁により遮断した状態で、比例液圧制御弁
を制御して、制動用シリンダへの作動流体をリザーバに
排出しブースト圧を減圧することによって、制動用シリ
ンダへ作用する作動流体圧を減圧するようにしている。
来の制動力制御装置では、制動用シリンダへの作動流体
を、回生協調制御に伴って減圧すべき減圧量に応じてリ
ザーバに排出しブースト圧を減圧するようになっている
ため、リザーバが満杯になると、それ以上貯留すること
ができないから、いくら比例液圧制御弁を制御して減圧
を行おうとしても、作動流体圧を減圧することができな
い。
に対して、モータジェネレータの回生トルクによる制動
力に相当する分の減圧を行うことができないため、回生
トルクによる制動力が付与される前輪側が制動力過多の
状態となる。
いれば問題ないが、貯留可能量が大きいということはす
なわち、リザーバが大きくなり、つまりユニットの大型
化につながるから、好ましくない。
目してなされたものであり、回生協調制御における作動
流体圧の減圧に伴って作動流体をリザーバに貯留するよ
うにした場合に、的確な回生協調制御を行うことの可能
な制動力制御装置を提供することを目的としている。
に、本発明の請求項1に係る制動力制御装置は、所定輪
に対して電気的な制動力を付与する電気的制動手段と、
各車輪の制動用シリンダへの作動流体圧によって当該車
輪に制動力を付与する流体圧制動手段と、作動流体を貯
留するリザーバと、前記制動用シリンダへの作動流体を
前記リザーバに排出する制御弁と、前記電気的制動手段
の電気的制動力が付与されているときに前記制御弁を制
御して前記電気的制動力相当の前記制動用シリンダへの
作動流体圧を減圧する作動流体圧制御手段と、を備えた
制動力制御装置であって、前記作動流体圧制御手段は、
前記リザーバの貯留量を検出する貯留量検出手段と、当
該貯留量検出手段で検出した貯留量に応じて前記電気的
制動手段が付与する電気的制動力を制限する電気的制動
力制限手段と、を備えることを特徴としている。
による電気的制動力が付与されているときにはこの電気
的制動力相当の作動流体圧が、制動用シリンダへの作動
流体圧から減圧されて、電気的制動力を付与する前後で
総制動力が変化しないように制御される。前記作動流体
圧の減圧は、制動用シリンダへの作動流体圧を制御弁を
介して作動流体を貯留するリザーバに排出することによ
って行われ、電気的制動手段による電気的制動力相当の
減圧を行うように制御弁を制御することによって、所望
の減圧が行われる。
量検出手段によりリザーバの現在の貯留量を検出してい
る。そして、例えば検出した貯留量に基づいて、リザー
バの貯留量が、リザーバで貯留可能な貯留可能量を越え
ると予測される場合には、電気的制動手段が付与する電
気的制動力を制限する。よって、リザーバの貯留量か
ら、電気的制動力に相当する減圧を行うことができない
と予測されるときには、電気的制動力が制限されるか
ら、電気的制動力が付与される車輪が制動力過多傾向と
なることが回避される。
前記貯留量検出手段は、前記リザーバへの作動流体の排
出量を積算して前記貯留量を検出するようになっている
ことを特徴としている。
は、リザーバの貯留量に応じて電気的制動手段が付与す
る電気的制動力を制限するようにしたから、電気的制動
力相当の減圧を確実に行うことができ、電気的制動力が
付与される車輪が制動力過多傾向となることを回避する
ことができる。
装置は、リザーバへの作動流体の排出量を積算してリザ
ーバの貯留量を検出するようにしたから、前記貯留量を
容易に検出することができる。
に基づいて説明する。図1は、本発明による制動力制御
装置を、いわゆるFFタイプのパラレルハイブリッド車
両に適用した一例である。
ジンEGは電磁パウダークラッチ等のクラッチCLを介
して、変速機T/Mに接続されているが、その接続途中
に、例えば3相誘導モータ/発電機等で構成される交流
式のモータジェネレータMGが介挿されている。そし
て、変速機T/Mの出力軸が、駆動輪(前輪)WFL,W
FRに接続されている。したがって、前左右輪WFL,WFR
はエンジンEGでも、力行されるモータジェネレータM
Gでも駆動可能であり、逆にモータジェネレータMGを
回生作動すれば、前左右輪WFL,WFRには回生制動トル
ク,つまり電気的制動力が作用し、同時にそのときモー
タジェネレータMGで回生される電力は図示されないバ
ッテリに充電される。また、前記クラッチCLは、いわ
ゆる走行クラッチとしての役割以外に、例えばエンジン
EGのトルクを所要としない場合には、エンジンEGを
停止し且つクラッチCLを切断して当該エンジンEGと
駆動系との繋がりを遮断するのにも用いられる。
WRRには、それぞれ制動用シリンダとしてのホイールシ
リンダ1FL〜1RRが取り付けられ、これらホイール
シリンダ1FL〜1RRへの供給圧は、後述のブレーキ
コントロールユニット9により制御されるブレーキアク
チュエータユニット10によって調整されるようになっ
ている。
に、ステップモータをアクチュエータとしてそのステッ
プ数に応じた回転角により開度が調整される電子制御ス
ロットルバルブを備えており、この電子制御スロットル
バルブはエンジンコントロールユニット37によって制
御されるようになっている。このエンジンコントロール
ユニット37はマイクロンピュータ等を含んで構成さ
れ、後述のモータジェネレータコントロールユニット3
8からのエンジンEGの始動及び停止を指令する指令信
号に応じて、前記エンジンEGを駆動するようになって
いる。
ット38はマイクロコンピュータ等を含んで構成され、
アクセルペダルに設けられた図示しないアクセル操作量
センサからのアクセル操作量信号,エンジンEGに設け
られた図示しない回転数センサからのエンジン回転数,
変速機T/Mの実変速比,車速等に基づき、前記モータ
ジェネレータMG,クラッチCL及びエンジンEGの制
御を行うようになっている。
ン制御マップ等を参照し、アクセルペダル操作量信号か
らアクセルペダルが踏み込み状態であると判断した場合
には、現在の車両の走行状態がモータジェネレータMG
のみで走行するモータ走行領域であるか、或いはエンジ
ンEGのみで走行するエンジン走行領域であるか、通常
走行はエンジンEGのみで行い加速時にはモータジェネ
レータMGを使用するハイブリッド走行領域であるかを
判断し、判定された走行領域に応じてエンジンEG,モ
ータジェネレータMG,クラッチCLの制御を行う。
ニット38では、アクセルペダルが開放状態であると判
断した場合には、車速が零であれば、停車中であると判
断してクラッチCLを開放状態とする。また、車速が零
でなければ、後述のブレーキコントロールユニット9か
らのモータジェネレータMGの電気的制動力目標値BF
に基づいて、この電気的制動力目標値BF相当の電気的
制動力を付与するようにモータジェネレータMGを発電
機として作動させていわゆる回生制動状態に制御する。
ロールユニット39により制御されるようになってい
る。この変速機コントロールユニット39はマイクロコ
ンピュータ等を含んで構成され、例えば車速,エンジン
回転数,アクセルペダル操作量に基づいて設定される目
標変速比と、変速機T/Mの入力回転数と出力回転数と
に基づいて算出した変速比とが一致するように変速機T
/Mの変速制御を行い、前記目標変速比は、例えば予め
設定した変速パターン制御マップに基づいて設定し、車
速が低下するほど変速比が大きくなり、また、アクセル
ペダル操作量が増加するほど変速比が大きくなり、ま
た、エンジン回転数が増加するほど変速比が大きくなる
ように変速比を制御するようになっている。
ット10の一例を示したものであり、このブレーキアク
チュエータユニット10は、四輪全てへの作動流体圧を
マスタシリンダから切り離して増減圧制御する四輪統括
制御用アクチュエータユニット5,各車輪のロック傾向
を回避して制動距離の確保と舵取効果とを両立するため
のアンチロックブレーキ制御用アクチュエータユニット
6,及び前輪への作動流体圧のみを主として減圧方向に
制御する前輪制御用アクチュエータユニット7を備えて
構成される。
ダル3の踏込み量に応じた同等の作動流体圧を二系統に
出力可能であって、基本的に前左輪のホイールシリンダ
(以下、単に前左ホイールシリンダとも記す)1FLと
後右輪のホイールシリンダ(後右ホイールシリンダ)1
RRとはマスタシリンダ2の一方の系統に接続され、前
右輪のホイールシリンダ(前右ホイールシリンダ)1F
Rと後左輪のホイールシリンダ(後左ホイールシリン
ダ)1RLとがマスタシリンダ2の他方の系統に接続さ
れて、所謂X配管形式を構成している。このX配管形式
の優位性は、周知のように、何れか一方の配管系統に異
常が生じても、残る他方の配管系統によって前輪側と後
輪側,車両左方側と右方側とで制動力をバランスし、も
って車両安定性を確保できる点にある。なお、ブレーキ
ペダル3とマスタシリンダ2との間にはブースター4が
介装されているが、その構造などの詳細については後述
する。
ロックブレーキ制御用アクチュエータユニット6の構造
から各ホイールシリンダ1FL〜1RR側の構成につい
て説明する。このアンチロックブレーキ制御用アクチュ
エータユニット6内の圧力制御バルブ構造は、従来既存
の還流タイプのものと同様であり、例えば前記マスタシ
リンダ2からの一方の系統を二つに分岐すると共に、他
方の系統も二つに分岐し、夫々の分岐先にアンチロック
ブレーキ制御用増圧制御バルブ51FL〜51RRを介
して各ホイールシリンダ1FL〜1RRを接続する。こ
れらの増圧制御バルブ51FL〜51RRは常時開の二
位置切換ソレノイドバルブからなる。なお、各増圧制御
バルブ51FL〜51RRには、各ホイールシリンダ1
FL〜1RRからマスタシリンダ2側への作動流体の還
流だけを許容するチェックバルブ52FL〜52RRを
バイパス接続する。
圧制御バルブ51FL〜51RRの下流側には、常時閉
の二位置切換ソレノイドバルブからなるアンチロックブ
レーキ制御用減圧制御バルブ53FL〜53RRを接続
し、その出力側を各系統毎に共通のリザーバ54P,5
4Sとポンプ55P,55Sとに分岐接続し、ダンパ5
6P,56Sを介して各ポンプ55P,55Sの吐出側
を前記マスタシリンダ2の各系統に接続する。
エータユニット6は、車輪速度センサからの車輪速度信
号等に基づいて前記ブレーキコントロールユニット9を
構成するABSコントローラ9aによって制御される。
すなわち、図示しない車輪速センサの検出信号に基づい
て各車輪速度と車体速度との関係を監視し、例えばその
スリップ率が所定値以上となって各車輪がロックしそう
になると、前記増圧制御バルブ51FL〜51RR及び
減圧制御バルブ53FL〜53RRを動作させ、作動流
体圧を減圧,保持,増圧に制御し車輪のロックを防止す
る。
ンチロックブレーキ制御用増圧制御バルブ51FL,5
1FRの各下流側と前左右ホイールシリンダ1FL,1
FRとの間に前輪制御用アクチュエータユニット7を介
装している。この前輪制御用アクチュエータユニット7
は、前記前左右輪アンチロックブレーキ制御用増圧制御
バルブ51FL,51FRの各下流側と前左右ホイール
シリンダ1FL,1FRとの間に介装された常時開の二
位置切換ソレノイドバルブからなる前左右輪減圧制御用
切換バルブ41FL,41FRと、これにバイパス接続
されて前左右ホイールシリンダ1FL,1FRからマス
タシリンダ2側への還流のみを許容するチェックバルブ
42FL,42FRと、さらにこれにバイパス接続され
て実質的に前左右ホイールシリンダ1FL,1FRへの
作動流体圧を減圧可能なプロポーショニングバルブ43
FL,43FRとからなる。ちなみに、前記プロポーシ
ョニングバルブ43FL,43FRの出力圧は、マスタ
シリンダ2側の入力圧に対して、それが比較的低いとき
には、当該入力圧の増圧勾配よりも小さな増圧勾配で少
しずつ増圧し、当該入力圧が所定値以上になると、当該
入力圧の増圧勾配と同じ増圧勾配で増圧するようなもの
が適用される。
は、主として前記ブレーキコントロールユニット9を構
成する回生制動コントローラ9bによって制御される。
すなわち、モータジェネレータを回生作動させるときに
は、前記前左右輪減圧制御用切換バルブ41FL,41
FRを閉作動させて、プロポーショニングバルブ43F
L,43FRによって前左右ホイールシリンダ1FL,
1FRの作動流体圧をマスタシリンダ2側の供給圧より
も減圧制御する。つまり、本実施の形態の車両はFFタ
イプであって、エンジンもモータジェネレータも前輪に
しか接続されていない。従って、モータジェネレータに
よる回生トルクも前輪にのみ付与されるので、この回生
トルクによる制動力分だけ前左右ホイールシリンダ1F
L,1FRの作動流体圧を減圧する必要がある。逆に言
えば、モータジェネレータによる回生トルクが前輪にの
み付与される場合に、四輪全てのホイールシリンダの作
動流体圧を減圧してしまったのでは、前輪側の制動力が
後輪側のそれより大きくなって、例えばアンチロックブ
レーキ制御が早期に開始されてしまうなどの問題が発生
する。そこで、本実施の形態では回生トルクによる制動
力分だけプロポーショニングバルブ43FL,43FR
によって前左右ホイールシリンダ1FL,1FRの作動
流体圧を減圧するのである。ただし、モータジェネレー
タによる回生トルクは、例えば車速によって変化する。
本実施の形態では、例えば中高速時に発生可能な,比較
的安定しているが小さい回生トルク分だけプロポーショ
ニングバルブで減圧できるようにした。
ユニット5の前に、前記ブースター4及び当該ブースタ
ー4への作動流体圧力源について説明する。本実施形態
のようなハイブリッド車両では、エンジンが停止される
こともあるので、ブースター4への作動流体圧力源とし
て電動ポンプ11を用いる。この電動ポンプ11でメイ
ンリザーバ8内の作動流体を吸入し、チェックバルブ1
2を通過して吐出する。この電動ポンプ11の吐出側に
アキュームレータ13を接続し、更にブースター4の入
力側に接続する。前記アキュームレータ13の上流側と
下流側とには夫々圧力スイッチ14,15を配設してお
き、どちらが低くなっても電動ポンプ11が作動するよ
うにすることで、アキュームレータ13内の作動流体
圧,つまりブースター4への供給流体圧を所定値以上に
維持することができる。
ものと同様である。即ち、図3に示す(図はブレーキペ
ダル3を踏込んだ状態)ようにブレーキペダル3の踏込
みがない状態では、インプットシャフト71が図示右方
に後退しており、その結果、スチールボール72はスプ
リング74によってバルブシート73に押付けられるの
で、ピストン75の外周から取入れられている前記アキ
ュームレータ13からの作動流体圧は、当該ピストン7
5内部のシリンダ室76内に流入できず、当該ピストン
75を押圧する力は発生しない。なお、前記シリンダ室
76は、ブースタボディ70の内側にも連通している。
また、ピストン75にはマスタシリンダ2に連結される
ロッド77が延設されている。また、図中の符号78,
79は、ブレーキペダル3の踏込みがない状態で、ピス
トン75及びロッド77を図示右方に後退させるための
リターンスプリングである。
ると、バルブシート73との間に介装されているスプリ
ング80の弾性力に抗してインプットシャフト71が図
示左方に移動され、その先端部がスプリング74の弾性
力に抗してホルダ82ごとスチールボール72を図示左
方に移動し、もってスチールボール72がバルブシート
73から離間する。すると、インプットシャフト71と
バルブシート73との隙間から当該インプットシャフト
71に穿設されたポート81を通って、前記アキューム
レータ13からの作動流体圧がピストン75内のシリン
ダ室76内に流入し、これがバルブシート73ごとピス
トン75を図示左方に押圧するから、ロッド77はマス
タシリンダ2側に移動されて当該マスタシリンダ2内の
作動流体圧が増圧する。勿論、この後、インプットシャ
フト71によってもバルブシート73ごとピストン75
は左方に押圧されることはあるが、必ず作動流体圧によ
るピストン押圧の方が先になされるので、ブレーキペダ
ル3の踏力は小さくても大きな推進力を得ることがで
き、これによってマスタシリンダ2内の作動流体圧は倍
増(ブースト)される。
込んだ状態で当該ブレーキペダル3の踏込みを停止する
と、スプリング80の弾性力によってバルブシート73
とインプットシャフト71とが離間し、状態としてはバ
ルブシート73に対してインプットシャフト71が相対
的に図示右方に後退され(但し、インプットシャフト7
1はスチールボール72に当接している)、これによっ
て前記スチールボール72がスプリング74の弾性力に
よって再びバルブシート73に押付けられるので、両者
の隙間が閉塞されて前記シリンダ室76内の作動流体圧
が封入され、その封入圧によってピストン75及びロッ
ド77をマスタシリンダ2側に移動した状態に維持する
補助力が得られる。
から足を離すと、フリーになったインプットシャフト7
1が前記スプリング80によって更に図示右方に後退さ
れ、スチールボール72はバルブシート73に当接した
まま、スチールボール72とインプットシャフト71と
が離間する。すると、シリンダ室75内の作動流体圧
は、インプットシャフト71とバルブシート73との隙
間から、当該インプットシャフト71の先端部から穿設
されている流路83,インプットシャフトガイド84に
形成された流路85,86,ブースターボディ70に形
成された流路87を通ってメインリザーバ8に還流す
る。
は、ブレーキペダル3の踏込み開始から常時、前記アキ
ュームレータ13からの作動流体圧がシリンダ室76内
に流入して昇圧する。そこで、本実施形態では、このシ
リンダ室76内の作動流体圧を、ブレーキペダル3の踏
込みと共に昇圧し且つマスタシリンダ2の作動流体圧と
は異なる流体圧源からの作動流体圧として取出すための
流路88をバルブボディ70に形成した。ここから取出
された作動流体圧は、後述する四輪統括制御用アクチュ
エータユニット5に取込まれて、回生時の制動力制御に
利用される。
ユニット5の全体構成について説明する。まず、前記マ
スタシリンダ2からの二系統の作動流体圧の各系統に、
前記ブースター4から取出した作動流体圧をパイロット
圧とする二位置切換パイロットバルブからなる回生切換
バルブ21P,21Sが介装されている。この二位置切
換パイロットバルブからなる回生切換バルブ21P,2
1SのPポートはマスタシリンダ2の各系統の出力側に
接続され、同じくそのAポートが前記アンチロックブレ
ーキ制御用増圧制御バルブ51FL〜51RRに分岐さ
れ、そのBポートは一種のアキュームレータからなるス
トロークシミュレータ22P,22Sに接続されてい
る。そして、前記回生切換バルブ21P,21Sは、パ
イロット圧のないノーマル状態で、前記PポートとAポ
ートとを連通すると共にチェックバルブ20P,20S
によってBポートからPポート及びAポートへの還流の
みを許容する。また、パイロット圧による切換状態で
は、Aポートを遮断し、PポートとBポートとを連通す
る。ちなみに、前記ストロークシミュレータ22P,2
2Sのリターンスプリングには、前記ブースター4やマ
スタシリンダ2で発生する作動流体圧反力と等価なバネ
定数のものが使用されており、余剰の作動流体はメイン
リザーバ8に還元される。また、各回生切換バルブ21
P,21Sの上流側と下流側とには、夫々圧力センサ2
3P,23S及び圧力センサ24P,24Sが設けられ
ている。
系統は、常時閉の電磁二位置切換バルブからなるフェー
ルセーフバルブ25を介して前記回生切換バルブ21
P,21Sのパイロット圧として分岐供給される。ま
た、このフェールセーフバルブ25には、ブースター4
側への還流のみを許容するチェックバルブ26と、常時
閉の二位置切換パイロットバルブからなるバイパスバル
ブ27とを並列にバイパス接続し、当該バイパスバルブ
27のパイロット圧は前記フェールセーフバルブ25の
下流圧(又はバイパスバルブ27自身の下流圧)とす
る。これにより、原則的にフェールセーフバルブ25を
開状態とすると、その下流圧,即ちバイパスバルブ27
のパイロット圧が増圧するので当該バイパスバルブ27
も開状態となり、ブースター4からの作動流体圧が低い
状態でフェールセーフバルブ25を閉状態とすると、そ
の下流圧,即ちバイパスバルブ27のパイロット圧が減
圧するので当該バイパスバルブ27も閉状態となる。
回生切換バルブ21P,21Sとの間にはオリフィス2
8を介装し、このオリフィス28に、回生切換バルブ2
1P,21S(のパイロット圧)への流入だけを許容す
るチェックバルブ29をバイパス接続する。なお、これ
らのオリフィス28とチェックバルブ29とは、図面で
は分岐上流側に代表して一つずつ設けているが、分岐下
流側に、夫々一つずつ,つまり各回生切換バルブ21
P,21Sごとに介装するようにしてもよい。
流側又はバイパスバルブ27の下流側には、常時開の二
位置切換ソレノイドバルブからなる四輪統括制御用増圧
制御バルブ30と、常時閉の二位置切換ソレノイドバル
ブからなる四輪統括制御用減圧制御バルブ31と、四輪
統括制御用リザーバ32とが直列に接続され、さらに当
該リザーバ32のリターン分をメインリザーバ8に還流
する。そして、前記四輪統括制御用増圧制御バルブ30
と四輪統括制御用減圧制御バルブ31との間を圧力制御
シリンダ16の入力ポートに接続する。なお、前記四輪
統括制御用増圧制御バルブ30には、前記圧力制御シリ
ンダ16からの還流のみを許容するチェックバルブ33
と、所定圧力以上で当該増圧制御バルブ30の上流側作
動流体圧をリリーフするリリーフバルブ34とを並列に
バイパス接続する。また、前記四輪統括制御用減圧制御
バルブ31には、前記四輪統括制御用リザーバ32から
の還流のみを許容するチェックバルブ35をバイパス接
続する。また、必要に応じて圧力制御シリンダ16の入
力作動流体圧を検出するための圧力センサ36を取付け
てもよい。
状,つまり少なくとも入力側の受圧面積も出力側の受圧
面積も等しいピストン17P,17Sを内装するシリン
ダ部18P,18Sを、一つのシリンダボディ内に対向
して配設したものであり、各シリンダ部18P,18S
の出力ポートは、前記回生切換バルブ21P,21Sよ
り下流側で夫々前記マスタシリンダ2からの各系統に接
続されている。もちろん、各シリンダ部18P,18S
のリターンスプリング19P,19Sも、バネ定数を始
めとする同等の仕様のものが用いられている。つまり、
入力される作動流体圧に対して、二つのシリンダ部18
P,18Sから同じ作動流体圧をマスタシリンダ2から
の前記二つの各系統に出力することができる。また、前
記各ピストン17P,17Sの入力側の受圧面積と出力
側の受圧面積との所謂受圧面積比は、マスタシリンダ2
の出力圧と前記ブースター4から取出した作動流体圧と
の比に一致又はほぼ一致してある。
ト5は、主として前記ブレーキコントロールユニット9
を構成する前述の回生制動コントローラ9bによって制
御される。すなわち、制動力制御装置として何らの異常
も検出されないときには、前記フェールセーフバルブ2
5を開いておき、アンチロックブレーキ制御が行われて
いない状態でブレーキペダル3が踏込まれると、ブース
ター4から取出している作動流体圧が増圧されるので、
前記フェールセーフバルブ25の下流圧をパイロット圧
とするバイパスバルブ27も切換えられて開かれる。ま
た、このフェールセーフバルブ25の下流圧は、チェッ
クバルブ29を通って前記回生切換バルブ21P,21
Sにもパイロット圧として供給されるから、当該回生切
換バルブ21P,21Sは切換状態となり、それより下
流側,つまりホイールシリンダ1FL〜1RR側は遮断
され、マスタシリンダ2の各系統は前記ストロークシミ
ュレータ22P,22Sに接続される。従って、マスタ
シリンダ2の各系統の作動流体圧はストロークシミュレ
ータ22P,22S内のピストンを作動するが、そのリ
ターンスプリングがマスタシリンダ2やブースター4内
の反力と同等の反力を発生するので、運転者はブレーキ
ペダル3の踏込みに違和感を感じない。
等からモータジェネレータによる回生トルクを求めるこ
とができるから、それによる前左右輪の制動力を算出し
ておき、マスタシリンダ側の圧力センサ23P,23S
で検出した作動流体圧から、当該作動流体圧が各ホイー
ルシリンダ1FL〜1RRに供給されたときの制動力を
算出し、両者の差分値からなる制動力とホイールシリン
ダ側の圧力センサ24P,24Sで検出した作動流体圧
に応じた制動力とが一致するように、前記圧力制御シリ
ンダ16からの出力圧を制御する。ここで、前記圧力制
御シリンダ16は、前記X配管された二つの系統に同等
の作動流体圧を供給することができるから、それらを同
じように増減圧制御するためには、当該圧力制御シリン
ダ16への入力圧を増減圧制御すればよい。このとき、
圧力制御シリンダ16の出力圧と入力圧との比は、前記
二つのシリンダ部18P,18Sのピストン17P,1
7Sの受圧面積比の逆比であるから、要求される作動流
体圧,つまり出力圧の増減圧量に対する入力圧の増減圧
量が設定される。そして、この入力圧の増減圧量に応じ
て、前記四輪統括制御用増圧制御バルブ30と四輪統括
制御用減圧バルブ31とを開閉制御すればよい。なお、
前記四輪統括制御用減圧バルブ31によって減圧された
分の作動流体圧は前記四輪統括制御用リザーバ32に原
則的に貯留される。
イド駆動のものであるときには、ソレノイドを駆動する
ための電気的構造が必要になるし、前述のようなブレー
キペダル3の踏込みによる回生作動時間が長くなると、
例えばそのソレノイドの励磁時間が長くなって発熱量が
大きくなったり、エネルギー損が大きくなったりすると
いう問題が発生するが、本実施形態では、回生切換バル
ブ21P,21Sを駆動するために、ブレーキペダル3
の踏込み中に常時発生するブースター4内の作動流体圧
をパイロット圧として用いているので、構造が簡潔にな
ると共に余分な発熱量やエネルギー損を抑制防止するこ
とができる。
ダル3の踏込み時にあって、当該ブレーキペダル3を少
しだけ戻してブースター4から取出している作動流体圧
が減圧しようとしても、前記回生切換バルブ21P,2
1Sへのパイロット圧は前記オリフィス28を通ってゆ
っくりとしか減圧しないので、当該回生切換バルブ21
P,21Sが誤ってノーマル位置に戻るのを抑制防止
し、回生協調制御を継続することができる。一方、ブレ
ーキペダル3の踏込み時には、ブースター4から取出し
た作動流体圧は、オリフィス28を通らずにチェックバ
ルブ29側から回生切換バルブ21P,21のパイロッ
ト圧として流入するので、必要な応答性を確保すること
ができる。
ら足を離すと、前述のようにブースター4から取出して
いる作動流体圧も減圧するので、前記回生切換バルブ2
1P,21Sのパイロット圧も前記オリフィス28を通
ってゆっくりと減圧し、当該回生切換バルブ21P,2
1Sはノーマル位置に戻ってマスタシリンダ2が再びホ
イールシリンダ1FL〜1RR側に接続される。また、
前記四輪統括制御用リザーバ32内の作動流体は前記チ
ェックバルブ35を通って、圧力制御シリンダ16内の
作動流体と共にチェックバルブ33,チェックバルブ2
6を通ってブースター4に還流する。
にアンチロックブレーキ制御を開始すべき状況となる
と、回生作動が中止され、合わせて制動力の回生協調制
御も中止される。
態で異常が検出されると、前記フェールセーフバルブ2
5を閉状態とすれば、次にブレーキペダル3が踏込まれ
てもバイパスバルブ27も閉状態に維持されるのでブー
スター4内の作動流体圧はそれより下流側に供給され
ず、回生切換バルブ21P,21Sはマスタシリンダ2
とホイールシリンダ1FL〜1RRとを連通状態に維持
してフェールセーフ機能が得られる。
れた状態で異常が検出されると、前記と同様にフェール
セーフバルブ25が即座に閉状態とされる。しかしなが
ら、このときにはフェールセーフバルブ25を閉状態と
しても、当該フェールセーフバルブ25の下流圧,つま
りチェックバルブ26のブースター4側の作動流体圧が
高いので、回生切換バルブ21P,21Sのパイロット
圧が封入されて減圧せず、当該回生切換バルブ21P,
21Sはマスタシリンダ2からの作動流体系統を遮断し
たままになる。しかしながら、このときには封入された
回生切換バルブ21P,21Sのパイロット圧,即ちフ
ェールセーフバルブ25の下流圧が前記バイパスバルブ
27のパイロット圧として作用するので、当該バイパス
バルブ27は開状態に維持される。従って、同様のフェ
ールセーフ対策として、四輪統括用増圧制御バルブ30
は開状態に,四輪統括用減圧制御バルブ31は閉状態に
維持されるから、ブースター4から取出した作動流体圧
は圧力制御シリンダ16を通って前記二つの系統に供給
され続けるので、少なくともブレーキペダル3から足を
離すまでは、当該作動流体圧による制動を維持すること
ができる。そして、前記圧力制御シリンダ16の二つの
シリンダ部18P,18Sのピストン17P,17Sの
受圧面積比を、マスタシリンダ2の出力圧とブースター
4から取出す作動流体圧の比に設定しているので、この
ときに得られる圧力制御シリンダ16からの作動流体圧
はマスタシリンダ2からのそれと同等となり、制動力を
安定させ、違和感が生じることもない。
ダ16の二つのシリンダ部18P,18Sのピストン1
7P,17Sの受圧面積比を、マスタシリンダ2の出力
圧とブースター4から取出す作動流体圧の比に設定する
ことにより、圧力制御シリンダ16からの作動流体圧が
マスタシリンダ2からのそれと同等となることから、ア
ンチロックブレーキ制御用アクチュエータユニットより
下流側の制御態様を、マスタシリンダ2からの作動流体
圧に対するそれと共用化して制御を容易にすることがで
きる。
車輪のスリップ状態を検出して前記アンチロックブレー
キ制御用アクチュエータユニット6を制御し、ホイール
シリンダ1FL〜1RRへの作動流体圧を調整して車輪
のスリップ率が基準スリップ率と一致するように制御す
るABSコントローラ9aと、このABSコントローラ
9aの作動状況及び前記モータジェネレータコントロー
ルユニット38の作動状況に応じて四輪統括制御用アク
チュエータユニット5及び前輪制御用アクチュエータユ
ニット7を制御して、ホイールシリンダ1FL〜1RR
への作動流体圧を調整するいわゆる回生協調制御を行う
回生制動コントローラ9bとから構成されている。そし
て、これらABSコントローラ9a及び回生制動コント
ローラ9bは、それぞれマイクロコンピュータ等を含ん
で構成され、また、前記エンジンコントロールユニット
37,モータジェネレータコントロールユニット38,
変速機コントロールユニット39は相互通信を行いなが
ら制御を行うようになっている。
うにしてホイールシリンダ1FL〜1RRへの作動流体
圧を制御すると共に、何れかの車輪のスリップ率が所定
値以上となり、該当するホイールシリンダ1FL〜1R
Rへの作動流体圧を減圧する減圧制御を開始したとき
に、ABS作動フラグFABS をFABS =1に設定してモ
ータジェネレータコントロールユニット38及び回生制
動コントローラ9bに出力する。
図示しないエネルギ回収量算出マップ及びバッテリ充電
状態から、モータジェネレータMGで発生可能な電気的
制動力目標値BFを検出する。そして、この電気的制動
力目標値BFに相当する作動流体圧の目標減圧量ΔPを
検出する。そして、四輪統括制御用リザーバ32の現在
の貯留量QNOW と四輪統括制御用リザーバ32の貯留可
能量QMAX とから四輪統括制御用リザーバ32への作動
流体の排出が可能であるかを判定し、排出が可能でない
場合には、予め保持している前回の電気的制動力目標値
BF(n−1)を今回の電気的制動力目標値BFとして
モータジェネレータコントロールユニット38に通知す
る。
しない回生協調減圧処理を実行し、モータジェネレータ
MGを発電機として駆動した際に生じる電気的制動力相
当の作動流体圧分を減圧するように、前述のようにして
算出した電気的制動力目標値BFに応じて、前記前輪制
御用アクチュエータユニット7及び四輪統括制御用アク
チュエータユニット5を適宜駆動制御する。つまり、モ
ータジェネレータMGを発電機として作動させたために
車両に付与される電気的制動力分を、ホイールシリンダ
1FL〜1RRへの作動流体圧を減圧することによる制
動力減少分によって相殺し、電気的制動力を付与する前
後で総制動力が増加しないようにしている。
ABSコントローラ9aからABS作動フラグFABS を
入力し、ABS作動フラグがFABS =1であり、アンチ
ロックブレーキ制御処理による作動流体圧の減圧制御が
開始されたことを検出したときには、四輪統括制御用ア
クチュエータユニット5及び前輪制御用アクチュエータ
ユニット7により各ホイールシリンダ1FL〜1RRへ
の作動流体圧を減圧する回生協調減圧を停止する。
る、モータジェネレータMGの電気的制動力目標値BF
及び回生協調減圧による目標減圧量ΔPを設定する回生
制御処理の一例を示すフローチャートである。この処理
はモータジェネレータMGが回生作動されているときに
実行される処理であって、例えば予め設定した所定周期
で実行される。
ップを検索すること等により、車速VSPや図示しないバ
ッテリの充電状態SOCから、前記モータジェネレータ
MGで発生可能な電気的制動力目標値BFを算出し、例
えばこの電気的制動力目標値BFに、所定の比例係数を
乗じる等して、電気的制動力目標値BFに応じた目標減
圧量ΔPを算出する。次に、ステップS2に移行して、
前回処理実行時に検出して所定の記憶領域に格納してい
る四輪統括制御用リザーバ32の現在の貯留量QNOW と
四輪統括制御用リザーバ32の貯留可能量QMAX とをも
とに、さらなる作動流体圧の減圧が可能であるか否かを
判定する。例えば、貯留可能量QMAX と貯留量QNOW と
の差が予め設定した基準値以内であるか否か等に基づき
判定する。
はステップS3に移行し、そうでない場合には後述のス
テップS6に移行する。前記ステップS3では、ステッ
プS1で算出した電気的制動力目標値BFをモータジェ
ネレータコントロールユニット38に通知すると共に、
ステップS1で算出した目標減圧量ΔPを所定の記憶領
域に格納する。
量ΔPを実現するために実際に四輪統括制御用リザーバ
32に排出すべき減圧流量ΔQを算出する。これは、例
えば目標減圧量ΔPと前回の目標減圧量ΔP(n−1)
との差に基づいて設定する。また、回生協調減圧は四輪
統括制御用アクチュエータユニット5及び前輪制御用ア
クチュエータユニット7で行うから、前輪制御用アクチ
ュエータユニット7及び四輪統括制御用アクチュエータ
ユニット5の何れにより回生協調減圧を行うのかに基づ
いて、目標減圧量ΔPを実現するために実際に四輪統括
制御用リザーバ32に排出すべき減圧流量ΔQを算出す
る。
S4で算出した減圧流量ΔQを貯留量QNOW を加算し、
これを新たな現在の貯留量QNOW として設定する。そし
て処理を終了する。
1で算出した電気的制動力目標値BFが、前回の電気的
制動力目標値BF(n−1)よりも大きいか否かに基づ
き、電気的制動力目標値BFの増加であるのか否かを判
定し、電気的制動力目標値BFの増加である場合には、
ステップS7に移行し、そうでない場合にはそのままス
テップS8に移行する。
力目標値BF(n−1)を今回の電気的制動力目標値B
Fとして設定し、また、前回の目標減圧量ΔPを今回の
目標減圧量ΔPとして設定する。そして、ステップS8
に移行する。
値BFをモータジェネレータコントロールユニット38
に通知すると共に、目標減圧量ΔPを所定の記憶領域に
格納し、処理を終了する。
今、走行中の車両において運転者がブレーキペダル3を
踏み込み、モータジェネレータコントロールユニット3
8によってモータジェネレータMGが回生作動可能状態
となると、これに伴って、図4の演算処理が開始され
る。
ップを検索すること等により、図示しない車輪速センサ
の検出値等に基づき検出した車速VSPや、図示しないバ
ッテリの充電状態SOCから、前記モータジェネレータ
MGで発生可能な電気的制動力目標値BFを算出し、ま
た、この電気的制動力目標値BFに応じた目標減圧量Δ
Pを算出する。
輪統括制御用リザーバ32の貯留量は少ないから、ステ
ップS2からS3に移行して、電気的制動力目標値BF
をモータジェネレータコントロールユニット38に通知
し、また、目標減圧量ΔPを所定の記憶領域に更新記憶
する。次いでステップS4に移行して、例えば目標減圧
量ΔPと前回の目標減圧量ΔP(n−1)とに基づき四
輪統括制御用リザーバ32への実際の減圧流量ΔQを算
出し、これを貯留量QNOW に加算して新たな貯留量Q
NOW を算出しこれを所定の記憶領域に更新記憶する(ス
テップS5)。
38では、電気的制動力目標値BFが通知されると、モ
ータジェネレータMGを回生作動させて、その電気的制
動力が電気的制動力目標値BFとなるように駆動する。
また、回生制動コントローラ9bでは、図示しない回生
協調減圧処理を実行して、前記記憶領域に格納された目
標減圧量ΔPをもとに、四輪統括制御用アクチュエータ
ユニット5及び前輪制御用アクチュエータユニット7に
よる作動流体圧の減圧量が、目標減圧量ΔPとなるよう
に、四輪統括制御用アクチュエータユニット5及び前輪
制御用アクチュエータユニット7を適宜駆動する。
が、目標減圧量ΔPに相当する制動力の減少分によって
相殺されて、電気的制動力の付与の前後で前輪に作用す
る総制動力は変動しない。
込みが行われると、車速VSP等に基づき電気的制動力目
標値BFが算出され、これに基づき目標減圧量ΔPが算
出される。そして、四輪統括制御用リザーバ32の現在
の貯留量QNOW に基づき、さらなる作動流体圧の減圧が
可能であると判断される間は、算出した電気的制動力目
標値BFがそのままモータジェネレータコントロールユ
ニット38に通知される。モータジェネレータMGは、
電気的制動力目標値BFを達成すべく回生作動され、ま
た、回生制動コントローラ9bでは目標減圧量ΔPにし
たがって四輪統括制御用アクチュエータユニット5及び
前輪制御用アクチュエータユニット7を駆動して目標減
圧量ΔPを達成するように回生協調減圧を行う。この状
態では、四輪統括制御用リザーバ32は空きがあるか
ら、目標減圧量ΔPに応じた減圧を行うことができ、電
気的制動力の付与の前後で前輪に作用する総制動力は変
動しない。
るとかアンチロックブレーキ制御が開始されると、回生
制動コントローラ9bでは、前記回生制御処理を終了
し、また回生協調減圧処理を終了して四輪統括制御用ア
クチュエータユニット5及び前輪制御用アクチュエータ
ユニット7による回生協調減圧を中止する。また、モー
タジェネレータコントロールユニット38でも、モータ
ジェネレータMGの回生作動を中止する。これによっ
て、アンチロックブレーキ制御による変化量を除いて、
前輪への総制動力は変動しない。
四輪統括制御用リザーバ32の貯留量QNOW が増加し
て、貯留可能量QMAX と同等となったときには、図4の
ステップS2の処理で減圧不可能と判断されて、ステッ
プS2からステップS6に移行する。そして、電気的制
動力目標値BFが前回値よりも増加する場合、つまり、
作動流体圧をさらに減圧する必要があり、四輪統括制御
用リザーバ32に作動流体をさらに排出する必要がある
場合には、ステップS6からステップS7に移行して、
予め保持している前回の電気的制動力目標値BF(n−
1)を今回の電気的制動力目標値BFとして更新設定
し、これをモータジェネレータコントロールユニット3
8に通知する。また、前回の目標減圧量ΔP(n−1)
を今回の目標減圧量ΔPとして更新設定する。
38では、通知された電気的制動力目標値BFにしたが
ってモータジェネレータMGを回生作動させるから、モ
ータジェネレータFGによって付与される電気的制動力
は変化せずに前回値と同等となる。一方、回生制動コン
トローラ9bでは、目標減圧量ΔPが変化しないから、
作動流体圧のさらなる減圧は行わず現在の作動流体圧を
保持する。よって、モータジェネレータMGにより付与
される電気的制動力に相当する減圧が行われることにな
るから、前輪への総制動力は変動しない。
量QNOW がその貯留可能量QMAX と同等となった状態
で、電気的制動力目標値BFが前回値よりも増加しない
場合、つまり、作動流体圧をさらに行う必要がなく、四
輪統括制御用リザーバ32への作動流体を排出する必要
がないときには、ステップS2からステップS6を経て
ステップS8に移行して、ステップS1の処理で車速V
SP等に基づいて設定した電気的制動力目標値BFをモー
タジェネレータコントロールユニット38に通知する。
よって、この電気的制動力目標値BFを達成するように
モータジェネレータMGが回生作動される。
定された目標減圧量ΔPにしたがって回生協調減圧処理
を実行し、作動流体圧の減圧量が目標減圧量ΔPとなる
ように、四輪統括制御用アクチュエータユニット5及び
前輪制御用アクチュエータユニット7を制御する。この
場合、目標減圧量ΔPの増加となるから、例えば四輪統
括制御用アクチュエータユニット5において、四輪統括
制御用増圧制御バルブ30を開状態、四輪統括制御用減
圧バルブ31を閉状態に制御して、圧力制御シリンダ1
6への作動流体圧を増圧させる。よって、モータジェネ
レータMGが付与する電気的制動力に相当する作動流体
圧の減圧が行われることになるから、前輪の総制動力は
変動しない。
ペダル3から足を離すと、ブースター4から取出してい
る作動流体圧も減圧するので、前記四輪統括制御用リザ
ーバ32内の作動流体は前記チェックバルブ35を通っ
て、圧力制御シリンダ16内の作動流体と共にチェック
バルブ33,チェックバルブ26を通ってブースター4
に還流する。
れたときには、この四輪統括制御用リザーバ32内の作
動流体の貯留量QNOW は零であり、四輪統括制御用リザ
ーバ32への作動流体の排出が可能であるから、ステッ
プS2からステップS3に移行して、車速VSP等に基づ
いて設定した電気的制動力目標値BFを達成すべくモー
タジェネレータMGが駆動され、また、これに相当する
減圧を行うように四輪統括制御用アクチュエータユニッ
ト5及び前輪制御用アクチュエータユニット7が駆動制
御される。
の現在の貯留量QNOW を検出し、この貯留量QNOW と、
四輪統括制御用リザーバ32の貯留可能量QMAX とか
ら、四輪統括制御用リザーバ32へのさらなる作動流体
の排出が不可能であると判断したとき、つまり、作動流
体圧の減圧が不可能であると判断したときには、モータ
ジェネレータMGにより付与される電気的制動力を前回
値に維持し、作動流体圧のさらなる減圧を行わないよう
にしたから、電気的制動力相当の減圧を確実に行うこと
ができる。よって、作動流体を四輪統括制御用リザーバ
32に排出することにより、作動流体圧を減圧させるよ
うにした場合、四輪統括制御用リザーバ32の貯留量が
満杯になると、それ以上の貯留を行うことができず作動
流体圧の減圧を行うことができないため、電気的制動力
相当の回生協調減圧を行うことができずに前輪の制動力
過多となって、例えばアンチロックブレーキ制御処理に
おいてその早期作動等を引き起こす場合があるが、上記
実施の形態では、確実に回生協調減圧を行うことが可能
な範囲でモータジェネレータMGを回生作動させるよう
にしたから、制動力過多となることを回避し、的確なア
ンチロックブレーキ制御処理を行うことができる。
る減圧が不可能であると判定した場合には、前回の電気
的制動力目標値BF(n−1)を今回の電気的制動力目
標値BFとして設定するようにした場合について説明し
たが、例えば、貯留量QNOW<貯留可能量QMAX である
ときには、これら貯留量QNOW と貯留可能量QMAX との
差に応じた流量を減圧することにより実現可能な目標減
圧量ΔP及び電気的制動力目標値BFを算出し、これに
応じて回生協調減圧及びモータジェネレータMGの回生
作動を行うようにしてもよい。
を積算して四輪統括制御用リザーバ32の現在の貯留量
を検出するようにした場合について説明したが、これに
限らず、例えば、四輪統括制御用リザーバ32に流量セ
ンサを設け、四輪統括制御用リザーバ32の貯留量が予
め設定した貯留量を越えたときに、減圧不可能と判断す
るようにしてもよい。
ブレーキ制御用アクチュエータユニットを併設した場合
について説明したが、必要に応じて設定すればよい。ま
た、上記実施の形態では、前記回生協調制御処理を回生
制動コントローラ9bで実行するようにした場合につい
て説明したが、例えばモータジェネレータコントロール
ユニット38で実行して、目標減圧量ΔPを回生制動コ
ントローラ9bに通知するようにしてもよい。
ジェネレータMG及びモータジェネレータコントロール
ユニット38が電気的制動手段に対応し、ホイールシリ
ンダ1FL〜1RRが流体圧制動手段に対応し、四輪統
括制御用リザーバ32がリザーバに対応し、四輪統括制
御用増圧制御バルブ30及び四輪統括制御用減圧制御バ
ルブ32が制御弁に対応し、図4の回生協調制御処理が
作動流体圧制御手段に対応し、図4のステップS5の処
理が貯留量検出手段に対応し、図4のステップS7の処
理が電気的制動力制限手段に対応している。
ド車両の概略構成図である。
を示す流体圧回路図である。
処理手順の一例を示すフローチャートである。
Claims (2)
- 【請求項1】 所定輪に対して電気的な制動力を付与す
る電気的制動手段と、各車輪の制動用シリンダへの作動
流体圧によって当該車輪に制動力を付与する流体圧制動
手段と、作動流体を貯留するリザーバと、前記制動用シ
リンダへの作動流体を前記リザーバに排出する制御弁
と、前記電気的制動手段の電気的制動力が付与されてい
るときに前記制御弁を制御して前記電気的制動力相当の
前記制動用シリンダへの作動流体圧を減圧する作動流体
圧制御手段と、を備えた制動力制御装置であって、 前記作動流体圧制御手段は、前記リザーバの貯留量を検
出する貯留量検出手段と、当該貯留量検出手段で検出し
た貯留量に応じて前記電気的制動手段が付与する電気的
制動力を制限する電気的制動力制限手段と、を備えるこ
とを特徴とする制動力制御装置。 - 【請求項2】 前記貯留量検出手段は、前記リザーバへ
の作動流体の排出量を積算して前記貯留量を検出するよ
うになっていることを特徴とする請求項1記載の制動力
制御装置。
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JP10939098A JP3758360B2 (ja) | 1998-04-20 | 1998-04-20 | 制動力制御装置 |
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JP10939098A JP3758360B2 (ja) | 1998-04-20 | 1998-04-20 | 制動力制御装置 |
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Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2020037391A (ja) * | 2018-07-30 | 2020-03-12 | ロベルト・ボッシュ・ゲゼルシャフト・ミト・ベシュレンクテル・ハフツングRobert Bosch Gmbh | ブレーキシステムを作動させるための方法およびブレーキシステム |
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1998
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JP2020037391A (ja) * | 2018-07-30 | 2020-03-12 | ロベルト・ボッシュ・ゲゼルシャフト・ミト・ベシュレンクテル・ハフツングRobert Bosch Gmbh | ブレーキシステムを作動させるための方法およびブレーキシステム |
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