JPH11300955A - インクジェットヘッドの駆動装置およびインクジェット式記録装置 - Google Patents

インクジェットヘッドの駆動装置およびインクジェット式記録装置

Info

Publication number
JPH11300955A
JPH11300955A JP11670798A JP11670798A JPH11300955A JP H11300955 A JPH11300955 A JP H11300955A JP 11670798 A JP11670798 A JP 11670798A JP 11670798 A JP11670798 A JP 11670798A JP H11300955 A JPH11300955 A JP H11300955A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
voltage
ink
electrode
nozzle
drive
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP11670798A
Other languages
English (en)
Other versions
JP4163285B2 (ja
Inventor
Hideo Yasutomi
英雄 保富
Nan Tono
楠 東野
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Minolta Co Ltd
Original Assignee
Minolta Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Minolta Co Ltd filed Critical Minolta Co Ltd
Priority to JP11670798A priority Critical patent/JP4163285B2/ja
Priority to US09/295,644 priority patent/US6371599B1/en
Publication of JPH11300955A publication Critical patent/JPH11300955A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4163285B2 publication Critical patent/JP4163285B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Classifications

    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B41PRINTING; LINING MACHINES; TYPEWRITERS; STAMPS
    • B41JTYPEWRITERS; SELECTIVE PRINTING MECHANISMS, i.e. MECHANISMS PRINTING OTHERWISE THAN FROM A FORME; CORRECTION OF TYPOGRAPHICAL ERRORS
    • B41J2/00Typewriters or selective printing mechanisms characterised by the printing or marking process for which they are designed
    • B41J2/005Typewriters or selective printing mechanisms characterised by the printing or marking process for which they are designed characterised by bringing liquid or particles selectively into contact with a printing material
    • B41J2/01Ink jet
    • B41J2/135Nozzles
    • B41J2/14Structure thereof only for on-demand ink jet heads
    • B41J2/14314Structure of ink jet print heads with electrostatically actuated membrane

Landscapes

  • Particle Formation And Scattering Control In Inkjet Printers (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 静電アクチュエータ式のインクジェットヘッ
ドの駆動装置において、電極に残留する電荷の影響を少
なくして良好な画像を得ることが可能な駆動装置を提供
する。 【解決手段】 ノズルと、ノズルに連通した加圧室と、
加圧室内の圧力を変えるための振動板と、振動板に設け
られた第1電極と、第1電極と対向する位置に空間を隔
てて設けられた第2電極と、を有し、第1および第2電
極間に電圧を印加することにより振動板を変形させるこ
とで、加圧室内のインクをノズルから液滴として吐出さ
せるインクジェットヘッドを駆動するための駆動装置で
あって、第1および第2電極間に、インクを吐出させる
ための駆動電圧を印加する直前に、インクが吐出しない
程度の予備電圧を印加することにより、ヘッドの駆動履
歴によらず、駆動電圧時において、常に一定量の電荷が
残留しているようにしたことを特徴とするインクジェッ
トヘッドの駆動装置。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、静電アクチュエー
タを利用したインクジェットヘッドの駆動装置およびこ
のインクジェットヘッドとその駆動装置とを設けたイン
クジェット式記録装置に関する。
【0002】
【従来の技術】インクジェット式の記録装置に用いられ
るインクジェットヘッドの形態の一つに、静電アクチュ
エータを利用したものがある。
【0003】このような静電アクチュエータを利用した
インクジェットヘッドは、インクが吐出されるノズルと
連通した加圧室内にインクを導き、この加圧室内に設け
られている振動板を一つの電極(第1電極と称する)と
して、この第1電極と対向する位置にごく僅かな空間を
設けて第2電極を配設し、第1電極と第2電極との間に
電圧を印加することにより、第1および第2電極間に生
じる静電気力によって振動板を変形させて加圧室内の圧
力を変化させ、加圧室内に充填されたインクをノズルか
ら液滴として吐出、飛翔させ、記録媒体上にこのインク
液滴を着弾させて画像形成に用いているものである。
【0004】このような静電アクチュエータを利用した
インクジェットヘッドの駆動装置は、基本的には、第1
および第2電極間に電圧を印加するものであり、この電
圧の印加により、振動板が加圧室を広げる方向に変形
し、そして、駆動装置が印加していた電圧を急激に遮断
することで、振動板が元に戻ることにより加圧室内の圧
力が高くなって、インク液滴がノズルから突出する。
【0005】このような駆動装置による駆動において、
以前から、電圧印加後、第1および第2電極間に電荷が
残留し、これにより画像むらが発生するといった問題が
あった。これは、インクジェットヘッドからインク液滴
を吐出させる際に連続的にインクジェットヘッドを動作
させて印字する場合と、連続的に印字せずに非動作時間
が長くなる場合とで、電極に残留した電荷量が異なるた
め、駆動電圧を印加による振動板の変形量に違いがでて
しまい、インクの吐出量や吐出速度が変わって、画像に
むらができてしまうものである。
【0006】このような現象を防止するための最も単純
な方法としては、インクジェットヘッドの振動板に設け
た第1電極を直接アースすることにより電圧の印加を遮
断した後に残留する電荷を逃がす方法がある。
【0007】また、特開平8−72237号公報には、
非動作中のインクジェットヘッドの第1および第2電極
間を短絡させて、非動作中のインクジェットヘッド周辺
の電極への電圧の印加やその他の電気的ノイズによる影
響を防止するための技術が開示されている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】ところが、インクジェ
ット式の記録装置におけるインクジェットヘッドの動作
周期、すなわち、ある印字動作から次の印字動作までの
期間を考えた場合、電極をアースしたり、また、非動作
中に第1、第2電極間を短絡させただけでは、インクジ
ェットヘッドの動作周期内で完全に残留電荷を消去仕切
れないことが分かってきた。
【0009】これは、インクジェットヘッドの構造、特
に振動板を動作させるための電極部分の構造に由来する
ものである。静電アクチュエータを利用したインクジェ
ットヘッドの振動板は、半導体装置製造プロセスを利用
したマイククロマシーン技術により製作するため、振動
板と振動板に設けられた第1電極はシリコン基板から形
成されており、さらに、第1電極の表面には、第2電極
と直接接触した場合でも第1、第2電極間が短絡しない
ように絶縁膜が形成されている。このため、振動板部分
には半導体内に生じる空乏層や絶縁膜などによる静電容
量が存在し、この部分に、動作中に印加した電圧によっ
て残留電荷が蓄積される。そして、この残留電荷を消去
するためには、振動板部分の静電容量を放電させる必要
があり、この放電にかかる時間は、静電容量の時定数に
よって決まるため、例えば絶縁膜として酸化膜を形成し
た場合には、その比誘電率が比較的高く、概算で、1.
014secもの時間が必要となる(この時間Tは、T
=εRC、(ただし、ε=4、R=1×1010、C=1×
10-12 により算出))。
【0010】現在多くのインクジェット式のプリンタ
(静電アクチュエータを利用したもの限らず)において
は、1つのインクジェットヘッドにおいて連続的に印字
させる場合、その動作間隔は、長いものでも250〜5
00μsec程度であり、上記のような残留電荷の消去
にかかる時間よりはるかに短く、連続的に印字を行う場
合には、残留電荷を完全に消去することができない。
【0011】したがって、ある印字から次の印字までの
間隔が短い場合とそれが長い場合とで、電極に蓄積され
ている残留電荷の度合いが異なるため、駆動電圧を印加
したときの振動板の変形量が違って来て、そのためにイ
ンク吐出量が変わり、印字した画素ごとに濃度やドット
の大きさが変わってしまい、再現した画像にむらができ
るなどの問題は、完全に解決するまでに至っていないの
である。
【0012】このような現象は、前記公報の技術のよう
に、非動作中において第1、第2電極間を短絡させたと
しても同様であり、連続印字する場合の非動作時間では
残留電荷が完全に抜け切れないため、非動作時間の長さ
によって、電極に残留している電荷の度合いが異なるた
め、残留電荷に起因した画質劣化の問題は解決できな
い。
【0013】そこで、本発明の第1の目的は、第1電極
および/または第2電極での残留電荷による画質劣化を
防止することができるインクジェットヘッドの駆動装置
を提供することである。また、本発明の第2の目的は、
上記のようなインクジェットヘッドの駆動装置を設けた
インクジェット式の記録装置を提供することである。
【0014】
【課題を解決するための手段】本発明の目的は、下記す
る手段により達成される。
【0015】(1)ノズルと、該ノズルに連通した加圧
室と、該加圧室内の圧力を変えるための振動板と、該振
動板に設けられた第1電極と、該第1電極と対向する位
置に空間を隔てて設けられた第2電極と、を有し、前記
第1および第2電極間に電圧を印加することにより前記
振動板を変形させることで、前記加圧室内のインクを前
記ノズルから液滴として吐出させるインクジェットヘッ
ドを駆動するための駆動装置であって、前記第1および
第2電極間に、前記ノズルから前記インクを吐出させる
ための駆動電圧を印加する駆動電圧印加手段と、前記駆
動電圧とは別に、前記第1および第2電極間に、前記ノ
ズルから前記インクが吐出しない程度の予備電圧を印加
する予備電圧印加手段と、を有することを特徴とするイ
ンクジェットヘッドの駆動装置。
【0016】(2)前記予備電圧印加手段は、前記予備
電圧を、前記駆動電圧より絶対値が低く、かつ、前記駆
動電圧印加より所定時間前に印加することを特徴とする
インクジェットヘッドの駆動装置。
【0017】(3)前記所定時間は、10〜250μs
ecであることを特徴とするインクジェットヘッドの駆
動装置。
【0018】(4)前記駆動装置は、さらに、前記イン
クジェットヘッド周囲の湿度を測定する湿度測定手段を
有し、前記予備電圧印加手段が、前記湿度測定手段が測
定した湿度に基づき前記所定時間を決定することを特徴
とするインクジェットヘッドの駆動装置。
【0019】(5)ノズルと、該ノズルに連通した加圧
室と、該加圧室内の圧力を変えるための振動板と、該振
動板に設けられた第1電極と、該第1電極と対向する位
置に空間を隔てて設けられた第2電極と、前記第1およ
び第2電極間に、前記ノズルから前記加圧室内に蓄えら
れたインクを吐出させるために前記振動板を変形させる
駆動電圧を印加する駆動電圧印加手段と、前記駆動電圧
とは別に、前記第1および第2電極間に、前記ノズルか
ら前記インクが吐出しない程度の予備電圧を印加する予
備電圧印加手段と、を有することを特徴とするインクジ
ェット式記録装置。
【0020】(6)前記予備電圧印加手段は、前記予備
電圧を、前記駆動電圧より絶対値が低く、かつ、前記駆
動電圧印加より所定時間前に印加することを特徴とする
インクジェット式記録装置。
【0021】(7)前記所定時間は、10〜250μs
ecであることを特徴とするインクジェット式記録装
置。
【0022】(8)前記インクジェット式記録装置は、
さらに、湿度を測定する湿度測定手段を有し、前記予備
電圧印加手段が、前記湿度測定手段が測定した湿度に基
づき前記所定時間を決定することを特徴とするインクジ
ェット式記録装置。
【0023】
【発明の実施の形態】以下、添付した図面を参照して、
本発明の一実施の形態を説明する。
【0024】実施形態1 図1は、本実施形態1において使用したインクジェット
ヘッドの構造を示す断面図である。
【0025】このインクジェットヘッド31は、図示側
面側に設けられているノズル54、ノズル54からイン
クを吐出させるためにその内圧を可変する振動板55を
備えた加圧室51、加圧室51へインクを供給するため
にインクを蓄えておくインク供給室52、インク供給室
52内のインクを加圧室51へ導くインレット53、お
よび振動板55に設けられた第1電極56と対向する位
置に空間71により隔てられた第2電極である駆動電極
72からなる。
【0026】第1電極56と駆動電極72との間の空間
71は、本実施形態1では0.3μmとしている。ま
た、振動板55に設けられている第1電極56は、後述
するようにホウ素を拡散することによって形成した不純
物導電層である。駆動電極72は配線80によって、後
述する駆動回路からの電圧が印加されるようになってい
る。
【0027】そして、この第1電極56および駆動電極
72との間に電圧を印加することにより、振動板55を
変形して、加圧室51内の圧力を変えることでインク液
滴をノズル54から吐出させている。
【0028】図2は、インク液滴を吐出させる際の振動
板55の動きを示す図面である。インク液滴の吐出は、
まず、後述する駆動回路の制御により、駆動電圧を印加
する直前、所定時間以内に、インクが突出することのな
い程度の電圧(これを予備電圧と称する)を第1電極5
6と駆動電極72の間に印加する。その後、第1電極5
6と駆動電極72との間にインクを吐出させるために、
駆動電圧を印加して、図2Aに示すように、駆動電圧を
印加したことによって生じる静電気力によって振動板5
5を駆動電極72側に引き付ける。これにより、図示点
線で示すように振動板55が駆動電極72側に撓み変形
する。このときインク供給室52内のインクがインレッ
ト53を通り加圧室51内に流入する。なお、本実施形
態1では、振動板55に形成した第1電極56をアース
されるようにしているので、駆動電圧は、駆動電極72
に+の電位を印加している。この駆動電圧により振動板
55に作用する力F1は、F1=1/2・{εrεoS
(V/d)2 }(ただし式中、εrは第1電極および第
2電極(駆動電極)間の比誘電率、εoは真空の比誘電
率、Sは電極の面積、Vは電圧、dは第1電極および第
2電極(駆動電極)間の長さである)により算出され
る。
【0029】そして、前記駆動電圧を急激に遮断するこ
とで、図2Bに示すように、振動板55自体の回復力に
よって、振動板55が元に位置に戻ることにより、急激
に加圧室51内部が加圧されて、インク液滴がノズル5
4から吐出する。
【0030】このように、インク液滴吐出のための駆動
電圧の印加に先立ち、一定の電圧を予備電圧として印加
することで、第1電極56には、駆動電圧の印加前に、
常に一定の電荷量が電極に蓄積されて、かつ、その電荷
量は、ある印字から次の印字までの非動作時間が異なる
場合でも同じとなる。このため、インクジェットヘッド
の動作履歴によらず、吐出させるインク液滴の量や吐出
速度を同じにすることができる。したがって、印字され
るドットの濃度や大きさがインクジェットヘッドの動作
状態によって変わることなく良好な画像を再現すること
ができるようになる。
【0031】次に、このような振動板55の変形動作を
制御する駆動回路について説明する。
【0032】図3は、駆動回路の構成を示す回路ブロッ
ク図である。
【0033】この駆動回路200は、インクジェットヘ
ッドの振動板55を動作させるために駆動電極72に印
加する電圧パルスを作り出す駆動電圧印加手段、および
この駆動電圧の印加の直前に駆動電極72に予備電圧で
あるプレパルスを印加する予備電圧印加手段として機能
する。
【0034】この駆動回路200の構成は、図3に示す
ように、駆動回路全体の制御、および前記した予備電圧
と駆動電圧の印加タイミングを制御している制御回路2
01と、予備電圧であるプレパルスを発生するプレパル
ス発生回路202と、オペアンプやトランジスタ、抵抗
などにより、既存の増幅回路として構成された印加電圧
増幅回路203よりなる。ここで、コンデンサとして図
示したものが、第1電極56および駆動電極72であ
る。
【0035】この駆動回路200の動作を図4に示す各
部の出力波形を参照して説明する。まず、制御回路20
1では、IN端子に、インクドットを記録媒体に印字する
ための信号であるプリント制御信号が入力されると、こ
のプリント制御信号のパルスを検出して、プレパルス発
生回路202に対してプレパルスを発生するように指示
する。これにより図4Aに示すように、予め決められた
定電圧のプレパスルが発生され、そのまま駆動電極72
に印加される。
【0036】また、プリント制御信号のパルスを検出し
た制御回路201では、内蔵されているタイマーを動作
させて、一定時間経過後、駆動信号パルスを発生し、こ
の駆動振動パルスが増幅回路203により増幅されて、
図4Bに示すような波形の駆動電圧パルスが駆動電極7
2に印加される。このとき印加される駆動電圧パルスは
図4Bに示したように、徐々に立ち上がり、急激に立ち
下がるようなパルスとしている。これにより、立ち上が
りのときには、徐々に駆動電極72に電圧が印加され
て、加圧室51内へのインクの流入がスムーズになる。
一方、立ち下がりにおいては、急激に電圧が遮断される
ことで、振動板が急激に元に戻り、加圧室51内の圧力
が急に高くなるようにしてインク液滴の突出速度を向上
させる。
【0037】このような駆動電圧パルスは、基本波形と
してこのようなパルス波形と相似した駆動信号パルスを
制御回路201内で作り出し、これを増幅回路203に
よって増幅することで、駆動電極72に印加している。
【0038】これにより、1つのドットを印字する際に
駆動電極72に印加される電圧は、図4Cに示すよう
に、始めにプレパルスが印加され、その後所定時間後に
駆動電圧パルスが印加されることになる。
【0039】なお、上記プレパルスの印加は、インクジ
ェットヘッドの構造にもよるが、例えば1つのインクジ
ェットヘッドにおいて複数のノズルが形成されて、複数
のドットを一度に印字できるように構成されたインクジ
ェットヘッドの場合には、インクジェットヘッド31の
電極構造として、振動板55側に設けた第1電極56
は、全てのノズル54に対して共通とし、駆動電極72
のみ各ノズル54に対応して独立となっている。そこ
で、予備電圧であるプレパルスの印加は、実際に印字す
るノズルに関わりなく、各ノズルに対応した全ての駆動
電極72に印加するようにしている。したがって、特定
のノズルについては、印字を実行しないとき(駆動電圧
を印加しない)でも、予備電圧が印加されることにな
る。
【0040】このように印字の有無に関わらず、全ての
駆動電極に予備電圧を印加することで、駆動電圧の印加
量(印加する電圧値)の決定に際しては、予備電圧印加
後、その予備電圧による残留電荷量を元に決定すること
で、インクジェットヘッドの非動作時間の長さに関わり
なく、常に一定のドットを印字することができる。本実
施形態1では、予備電圧として+5V、駆動電圧として
は振動板55が駆動電極72に接触するのに必要な電圧
が20Vであるので、余裕を見て+22V印加するよう
にしている。
【0041】また、予備電圧印加後、駆動電圧を印加す
るまでの所定時間は、本実施形態1では、常に一定の時
間となるようにしている。この所定時間は、インクジェ
ットヘッドの構造、特に、空間71や電極の大きさによ
っても異なるが、予備電圧印加後、この予備電圧によっ
て残留する電荷が完全に消えない程度の時間とし、例え
ば10〜250μsec程度が好ましい。これは、10
μsec未満の場合には、蓄積された電荷量が高くなり
過ぎ、駆動電圧印加時の振動板の変位量が過多になりド
ット径が大きくなり過ぎるために好ましくない。一方、
250μsecを越える場合には、蓄積された電荷量が
低くなり過ぎ、また、あまり長い時間とした場合にはプ
リンタとしてこの駆動装置を用いた場合には、変位量が
過少になり、ドット径が小さくなり過ぎるため好ましく
ない。すなわち、所定時間を10〜250μsecに保
つことで振動板の変位量のばらつき(ドット径のばらつ
き)に繋がらないような電荷の蓄積量を制御することが
できる。またこれは、駆動履歴をなくす効果がある。な
お、本実施形態1では、この所定時間を図4Cに示され
ているように50μsecとしている。
【0042】次に、前述したインクジェットヘッドの製
造方法について簡単に説明する。
【0043】上記本実施形態1において用いたインクジ
ェットヘッド31は、いわゆる半導体装置製造プロセス
やマイクロマシーン製造プロセスなどを利用して製造さ
れるものであり、その方法は様々であるが、ここでは、
その一例について説明する。なお、ここで説明した製造
方法以外の方法により製造されたインクジェットヘッド
であっても本発明による駆動装置によって駆動できるこ
とは言うまでもない。
【0044】図1に示したインクジェットヘッド31
は、3つの構成要素からなり、図1を参照すれば、加圧
室51、インク供給室52、インレット53、ノズル5
4、および振動板55からなるチャネルプレート50
と、このチャネルプレート50の図示上側を覆う天板6
0と、チャネルプレート50に設けられている振動板5
5の対向する位置に空間71を設けて駆動電極72を配
置するためのガラス基板70とからなる。
【0045】まず、チャネルプレート50の形成につい
て説明する。チャネルプレート50の形成には、予め1
00μm程度にラッピングしたシリコン基板を使用し
て、図5Aに示すように、シリコン基板100の全面
に、熱酸化法により酸化膜101を形成する。そして、
シリコン基板100の図示上側表面の酸化膜101に、
公知のフォトリソグラフィーおよびドライエッチングに
よって、加圧室51、インク供給室52、インレット5
3およびノズル54の形状を規定するための開口を設
け、図5Bに示すように、エッチングマスク101aと
する。
【0046】次に、パターニングされた酸化膜101に
より形成されたエッチングマスク101aを有するシリ
コン基板100をKOH溶液により異方性エッチングす
る。ここで使用したシリコン基板100は、基板表面が
(110)面または(100)面を有するものである。
このKOH溶液による異方性エッチングは、シリコン基
板の(111)面が露出することにより自動的にエッチ
ングが停止するため、前記エッチングマスク101aの
形成時において、ノズル54やインレット53となる部
分の開口の大きさを調整することにより、これらの部分
におけるエッチング深さを所望の深さとすることができ
る。また、加圧室51およびインク供給室52の深さ
は、これらの部分の開口の大きさと共に、エッチング時
間を調整することで、振動板55となる部分の厚さが
6.5μm程度となるようにする。このKOH溶液によ
るエッチングによって、加圧室51、インク供給室52
の側壁部分は(111)面が露出することにより、適度
なテーパが形成される。その後、エッチングマスクとし
て使用した酸化膜は除去する。
【0047】このようにして、図5C、および図6に示
すように、加圧室51、インク供給室52、インレット
53、ノズル54、さらに振動板55がシリコン基板1
00に形成される。ここで形成したチャネルプレート5
0には図6に示されているように、複数の加圧室と複数
のノズルが形成されていて、1つのヘッドから複数のイ
ンク液滴を吐出させることができるようになっている。
なお、図6は加圧室51、インク供給室52、インレッ
ト53、ノズル54などが形成されたシリコン基板表面
の平面図であり、図5は、図6のA−A線に沿った断面
を工程順に示した図面である。
【0048】そして、このシリコン基板100の裏面側
に、振動板55とこの振動板55部分に形成される第1
電極56と電気的なコンタクトをとるための部分(不図
示)が開口したレジストパターンをフォトリソグラフィ
ーにより形成し、振動板55とコンタクト部分にホウ素
をイオン注入して、図5Cに示したように、第1電極5
6およびコンタクトラインとなる不純物拡散層を形成す
る。その後、熱酸化工程により、シリコン基板100の
全面に酸化膜を形成することで、振動板55の表面(シ
リコン基板の裏面側)に絶縁膜57を形成する。この絶
縁膜57は、駆動電極72との短絡を防止するためであ
る。
【0049】次に、駆動電極72を設けたガラス基板7
0の形成について説明する。このガラス基板70には、
ホウケイ酸ガラス基板を使用して、図1に示した状態に
接合されたときに、チャネルプレート50の振動板55
が位置する部分に所定の深さの凹部をエッチングにより
形成し、この凹部内とこの凹部から連なるコンタクトラ
インを形成するためにITO膜を成膜して、リフトオフ
により、凹部内に駆動電極72、ガラス基板表面にこの
駆動電極72と接続されるコンタクトラインを形成す
る。このとき、複数の加圧室とノズルを有するヘッドの
場合には、各加圧室ごとに駆動電極とそれぞれのコンタ
クトラインを形成する。
【0050】その後、電極が形成された面全面にSiF
H膜を約1μm成膜する。このSiFH膜は、パターン
化せず、基板全面に設けて保護膜とするもので、これに
より、周囲の湿度の影響による駆動電極の劣化を防止す
る。
【0051】前記凹部を形成する際の深さは、駆動電極
72を形成したときに、空間71における第1電極56
(絶縁膜表面)から対向する駆動電極72(SiFH膜
表面)までの間隔が0.1〜1μm、好ましくはより低
い駆動電圧で駆動することができるように、0.1〜
0.5μmとなるようにする。本実施形態1では、上述
した通り、空間71は0.3μmとなるように、凹部を
形成している。
【0052】なお、この空間71は、ガラス基板70に
凹部を形成する代わりに、前記したシリコン基板100
の振動板55部分をシリコン基板100の裏面(図示下
側)からエッチングにより空間71が形成される分だけ
掘り込んでも良い。この場合、ガラス基板70には凹部
を形成することなく、駆動電極72およびそのコンタク
トラインをITOにより形成する。
【0053】次に、天板60は、同じくホウケイ酸ガラ
ス基板を使用して、加圧室52上部にインクカセットか
らのインクを導入させるためのインク供給口(不図示)
を形成したものである。
【0054】以上のようにそれぞれ形成したチャネルプ
レート50、ガラス基板70および天板60を図1に示
したようなサンドイッチ構造となるように、陽極接合
し、振動板55に形成した不純物拡散層によるコンタク
トラインと、ガラス基板70に形成したコンタクトライ
ンにそれぞれ配線を接続して、インクジェットヘッドが
完成する。
【0055】次に、本実施形態1において使用したイン
クについて説明する。本実施形態で使用したインクの組
成は、下記表1に示すようなもので、黒(K)、イエロ
ー(Y)、マゼンタ(M)、およびシアン(C)の4色
のインクを使用しており、表に示す通り、染料により各
色調整したものであるが、染料に代わり顔料を用いたも
のであっても良い。
【0056】
【表1】
【0057】実施形態2 本実施形態2は、前述した実施形態1において予備電圧
印加後、駆動電圧を印加するまでの所定時間をインクジ
ェットヘッド周囲の相対湿度に基づいて決定するように
したものである。なお、インクジェットヘッドの構成、
および駆動回路のうち湿度に基づく制御以外の部分の構
成などについては、実施形態1と同様であるので、ここ
では、これらの構成についての説明は省略する。
【0058】このように、インクジェットヘッド周囲の
湿度により所定時間を決定するのは、電極に蓄積された
電荷の消失速度がインクジェットヘッド周囲の湿度によ
って変わるためである。
【0059】このために、本実施形態2では、湿度セン
サをインクジェットヘッド近傍に設け、この湿度センサ
からの信号を元に、予備電圧印加後、駆動電圧を印加す
るまでの所定時間を決定することとし、ここでは、相対
湿度70%を境界として、相対湿度70%以上のときに
は、所定時間を10〜100μsecとし、一方、相対
湿度が70%未満のときには、所定時間を100〜25
0μsec、あるいは相対湿度が非常に低くなるような
場合には100〜500μsecとしている。
【0060】これは、相対湿度が70%以上のときに
は、湿度が高いために電極に蓄積された電荷が逃げやす
いので、所定時間を短くすることで、駆動電圧印加時に
おいて常に一定の電荷が蓄積された状態を保つようにし
たものである。ここで、10μsecより短い場合に
は、蓄積された電荷量が高くなり過ぎ、駆動電圧印加時
の振動板の変位量が過多になりドット径が大きくなり過
ぎるために好ましくない。またこれは、湿度の影響によ
らず、蓄積された電荷の放出は10μsec未満では、
飽和して変化しないためである。
【0061】一方、100μsecを越えて所定時間を
長くした場合には、湿度が高いために予備電圧の印加に
より蓄積された電荷が逃げ切ってしまい、予備電圧を印
加することにより常に一定の電荷が蓄積された状態を保
つことができなくなる。
【0062】また、相対湿度が70%未満のときには、
相対湿度が比較的低く、空気が乾燥しているために、電
極に蓄積された電荷が逃げ難いため、所定時間を長くと
り、予備電圧の印加によって蓄積された電荷をある程度
を逃がして常に一定の電荷が蓄積された状態で駆動電圧
を印加することができるようにしたものである。ここ
で、100μsecより短い場合には、相対湿度が低い
ために蓄積された電荷がほとんど残っており電極の電荷
量が高すぎて好ましくない。一方、500μsecを越
えて長くした場合には、蓄積された電荷量が低く、ま
た、あまり長い時間とした場合にはプリンタとしてこの
駆動装置を用いた場合には、変位量が過少になり、ドッ
ト径が小さくなり過ぎるため好ましくない。すなわち、
所定時間を湿度に応じて変更することで、振動板の変位
量のばらつき(ドット径のばらつき)に繋がらないよう
な電荷の蓄積量を制御することができるのである。また
これは、駆動履歴をなくす効果がある。
【0063】具体的には、図7に示す回路により、イン
クジェットヘッドの近傍に配設した湿度センサ211に
よりインクジェットヘッド周囲の相対湿度を検出して、
検出した湿度に応じた電圧を出力するようにし、この出
力電圧値から実施形態1において示した図2の制御回路
201内において、この出力電圧値が一定の値、ここで
は、相対湿度70%に対応した電圧値を越えたか否かに
より、相対湿度70%に対応した電圧値を越えていると
きには、所定時間を10〜100μsecとし、一方、
相対湿度が70%に対応した電圧値未満のときには、所
定時間を100〜500μsecとしている。
【0064】なお、湿度センサとしては、このようなア
ナログ回路のほか、デジタル湿度センサを使用しても良
い。
【0065】このように、湿度センサを設けて、インク
ジェットヘッド周囲の相対湿度により所定時間を決定す
ることで、インクジェットヘッド周囲の温度や湿度の変
化によるインク液滴の吐出量や吐出速度が変化すること
なく、これらを常に一定に保つことができ、周囲の環境
変化による画像むらの発生を抑えることが可能となる。
【0066】なお、本実施形態2では、上述のように相
対湿度70%を基準として所定時間を変えているが、こ
れに限らずより厳密に、例えば10%ごと、あるいは2
0%、30%ごとなど複数の基準を設けて、所定時間を
変更するようにしても良い。
【0067】実施形態3 本実施形態3は、インクジェットヘッドの構造が前述し
た実施形態1において示した図1の構造と異なるのみで
あり、駆動装置の構成は実施形態1または実施形態2と
同様である。
【0068】図8は、本実施形態3において使用したイ
ンクジェットヘッドの構成を示す断面図である。
【0069】このインクジェットヘッド32は、インク
液滴を吐出させるノズルの位置を図示上側に設けた以外
は、その他の基本的な構成は実施形態1において使用し
たインクジェットヘッド31と同様である。すなわち、
このインクジェットヘッド32は、図示上側に設けられ
ているノズル58、ノズル58からインクを吐出させる
ためにその内圧を可変する振動板55を備えた加圧室5
1、加圧室51へインクを供給するためにインクを蓄え
ておくインク供給室52、インク供給室52内のインク
を加圧室へ導くインレット53、および振動板55に対
向する位置に空間71により隔てられた駆動電極72か
らなる。そして、実施形態1同様に、振動板55には、
ホウ素を拡散することによって形成した第1電極56が
形成されていて、この第1電極56および第2電極であ
る駆動電極72との間に電圧を印加することにより、振
動板55を変形して、加圧室51内の圧力を変えること
でインク液滴をノズル58から吐出させている。このイ
ンクジェットヘッド32は実際の使用時においては、ノ
ズル58が下向きとなって使用される。
【0070】なお、このようなインクジェットヘッド3
2の製造は、天板60にノズル58を公知のNi電鋳法
で形成し、また、ガラス基板70側からインク供給口9
0を形成した以外は、前述したインクジェットヘッド3
1の製造と同様である。
【0071】このように、ノズル58の位置を図示上
側、すなわち、振動板55と対向する位置に設けたこと
により、振動板55の変形による加圧室51内のインク
水頭圧(圧力)がインク吐出方向と同じ方向となるた
め、インク吐出の際の手助けとなり前述した実施形態1
の構造より、少ない振動板55の変形量で、同じ吐出速
度を得ることができる。また、このように振動板55と
対向する位置にノズル58を設けたことにより、1つの
ヘッドに複数のノズルを設けた場合、各ノズルにかかる
圧力が均等となる。
【0072】このインクジェットヘッド32を、前述の
実施形態1または2において説明した駆動回路200と
同様の駆動回路によって、インク液滴を吐出させる場
合、駆動電圧は18Vで済む。したがって、このように
振動板55と対向する位置にノズルを設けることで、よ
り駆動電圧の絶対値を下げることが可能となる。
【0073】実施形態4 本実施形態4は、本発明のインクジェット式記録装置で
あって、上述した実施形態1のインクジェットヘッド
と、実施形態2のように湿度センサを設けた駆動回路と
を用いたインクジェットプリンタである。
【0074】図9は、インクジェットプリンタ1の概略
構成を説明するための斜視図である。
【0075】インクジェットプリンタ1は、用紙やOH
Pシートなどの記録媒体である記録シート2に印字する
ものであって、インクジェットヘッド走査系と記録シー
ト送り系とから構成される。
【0076】インクジェットヘッド走査系は、インクジ
ェット方式のプリントヘッドを7色分含むヘッドユニッ
ト3と、ヘッドユニット3を保持するキャリッジ4と、
キャリッジ4を記録シート2の記録面に平行に往復移動
させるためのスキャンシャフト5及びガイド軸6と、キ
ャリッジ4をガイド軸6に沿って往復駆動するパルスモ
ータ7と、パルスモータ7の回転をキャリッジ4の往復
運動に変えるためのアイドルプーリ8、タイミングベル
ト9とから構成される。
【0077】一方、記録シート送り系は、記録シート2
を搬送経路に沿って案内するガイド板を兼ねるプラテン
10と、プラテン10との間の記録シート2を押さえて
浮きを防止する紙押さえ板11と、記録シート2を排出
するための排出ローラ12、排紙押さえローラ13と、
ヘッドユニット3のインクを吐出するノズル面を洗浄し
インク吐出不良を良好な状態に回復させるメンテナンス
装置14と、記録シート2を手動で搬送するための紙送
りノブ15とから構成される。
【0078】記録シート2は、図示しない手差しあるい
はカットシートフィーダ等の給紙装置によって、ヘッド
ユニット3とプラテン10とが対向する記録部へ送り込
まれる。この際、図示しない紙送りローラの回転量が制
御され、記録部での搬送が制御される。紙送りローラは
図示しない紙送りモータにより駆動されている。
【0079】ヘッドユニット3のプリントヘッドには、
既に詳細に説明した実施形態1のインクジェットヘッド
31を用いており、このインクジェットヘッド31から
吐出したインク液滴が記録シート2に着弾して画像形成
が行われる。なお、プリントヘッドには、実施形態1の
インクジェットヘッド31に代えて、実施形態3のイン
クジェットヘッド32を用いても良い。
【0080】キャリッジ4は、パルスモータ7、アイド
ルプーリ8、タイミングベルト9により、記録シート2
を横方向に走査(主走査)し、キャリッジ4に取り付け
られたヘッドユニット3は1ライン分の画像を記録す
る。1ライン分の記録が終わるごとに、記録シート2は
縦方向に送られ(副走査)、次のラインへの記録がされ
る。
【0081】このようにして記録シート2に画像が記録
され、記録部を通過した記録シート2は、その搬送方向
下流側に配置された排出ローラ12とこれに一定の圧力
で接する排紙押さえローラ13とによって排出される。
【0082】図10は、図9に示したヘッドユニット3
の1色分のインクジェットヘッド31を含むキャリッジ
4周辺の構成を説明するための斜視図である。
【0083】キャリッジ4周辺には、インクを収容し通
気口404を有するインクカートリッジ403と、イン
クカートリッジ403を収納するケーシング401、ケ
ーシング蓋405と、インクカートリッジ403を着脱
可能にしつつインクをインクジェットヘッド31に供給
するインク供給管402と、ケーシング蓋405を閉じ
た際ケーシング401にケーシング蓋405を固定する
ためのフック406、蓋止め407と、インクカートリ
ッジ403を収納する向き(矢印D3の向き)とは反対
の向きにインクカートリッジ403を付勢しつつインク
カートリッジ403をケーシング蓋405との間でケー
シング401内に保持する押さえバネ408とが設けら
れる。
【0084】このような構成のキャリッジ4がスキャン
方向(矢印D1の向き)に移動することによって記録シ
ート2は主走査されることになる。また、記録シート2
が送られることによって副走査方向(矢印D2の向き)
に印字されることになる。
【0085】図11は、このインクジェットプリンタの
制御系の構成を示すブロック図である。
【0086】インクジェットプリンタの制御系は、各部
に対して必要な電圧の電力を供給する電源制御回路21
と、図示しないコンピュータなどからのプリントデータ
を受信して、記録シート上に画像形成を行う際に、各部
を制御するプリント制御回路22と、プリント制御回路
22からの信号によりインクジェットヘッド31を駆動
する駆動回路200と、プリント制御回路22からの信
号によりパルスモータ7や紙送りモータ(不図示)を駆
動する装置駆動制御回路23よりなる。
【0087】ここでプリンタ制御回路22は、図示しな
いコンピュータなどからのプリントデータを受信し、受
信したプリントデータにしたがった画像を記録シート2
上に再現するために、紙送りやプリンタヘッド3の送り
量を制御すると共に、これらの動きに合わせて、画像を
記録するためのインクをインクジェットヘッド31から
吐出させるためのプリント制御信号を駆動回路200に
対して出力する。
【0088】駆動回路200は、前述した実施形態2の
ように、図3に示した駆動回路200に湿度センサ21
1を設けて、相対湿度により予備電圧の印加から駆動電
圧印加までの所定時間を決定するようにしたものであ
る。この駆動回路200は、プリント制御回路22から
のプリント制御信号を受けると、実施形態1において説
明したように、駆動回路200内の制御回路201(図
3参照)がプレパルスを印加するするようにプレパルス
発生回路202(図3参照)を動作させ、駆動電極72
にプレパルス(予備電圧)を印加する。そして、湿度セ
ンサ211からの信号を元にインクジェットヘッド周囲
の相対湿度に応じた所定時間後、駆動電極72に駆動電
圧パルスを印加する。
【0089】なお、駆動回路200としては、実施形態
1に示した湿度センサを有しない駆動回路を用いても良
い。
【0090】このように、インクジェットプリンタに実
施形態1または3において説明したインクジェットヘッ
ド、および実施形態1または2の駆動回路を用いること
により、電極、特に振動板に設けられた第1電極に残留
する電荷量の変化に影響されない良好な画像を記録再現
することができる。
【0091】
【発明の効果】以上説明した本発明によれば、請求項ご
とに以下のような効果を奏する。
【0092】請求項1記載の本発明によれば、ノズルか
らインクを吐出させるために印加する駆動電圧の他に、
インクが吐出しない程度の予備電圧を印加することとし
たので、予備電圧の印加により第1および/または第2
電極に強制的に電荷を蓄積させて、残留電荷量を一定に
することができるようになり、インクジェットヘッドの
動作状態や履歴にかかわらず、インクの吐出量や吐出速
度を一定に保つことができる。
【0093】請求項2記載の本発明によれば、前記予備
電圧を、前記駆動電圧より絶対値が低く、かつ、前記駆
動電圧印加より所定時間前に印加することとしたので、
駆動電圧の印加時において、常に一定量の電荷を第1お
よび/または第2電極に残留させておくことができるよ
うになる。
【0094】請求項3記載の本発明によれば、前記所定
時間を10〜250μsecとしたので、前記予備電圧
の印加後、蓄積された電荷が消失する前に駆動電圧を印
加することができ、予め第1および/または第2電極に
ある程度電荷が蓄積された状態を元にして、駆動電圧の
印加量を決定することができるようになり、インクジェ
ットヘッドの動作状態や履歴によらず、何時でも同じ駆
動電圧の印加でインクの吐出量や吐出速度を一定に保つ
ことができる。
【0095】請求項4記載の本発明によれば、インクジ
ェットヘッドの近傍に湿度測定手段を設け、この湿度測
定手段により測定された相対湿度を元に前記所定時間を
決定することとしたので、インクジェットヘッド周囲の
相対湿度の変化によって第1および/または第2電極に
蓄積された残留電荷の消失速度が変化するような場合で
も、インクジェットヘッド周囲の相対湿度の変化に関わ
りなく、常に一定量の電荷が第1および/または第2電
極に残留した状態で駆動電圧を印加することができる。
したがって、インクジェットヘッド周囲の温度や湿度な
どの環境が変化した場合でもインクの吐出量や吐出速度
を一定に保つことができる。
【0096】請求項5記載の本発明によれば、ノズルか
らインクを吐出させるために印加する駆動電圧の他に、
インクが吐出しない程度の予備電圧を印加することとし
たので、予備電圧の印加により第1および/または第2
電極に強制的に電荷を蓄積させて、残留電荷量を一定に
することができるようになり、インクジェットヘッドの
動作状態や履歴にかかわらず、インクの吐出量や吐出速
度を一定に保つことができるようになり、良好な画像の
記録、再現が可能となる。
【0097】請求項6記載の本発明によれば、前記予備
電圧を、前記駆動電圧より絶対値が低く、かつ、前記駆
動電圧印加より所定時間前に印加することとしたので、
駆動電圧の印加時において、常に一定量の電荷を第1お
よび/または第2電極に残留させておくことができるよ
うになり、インクの吐出量や吐出速度を一定に保つこと
ができるようになり、良好な画像の記録、再現が可能と
なる。
【0098】請求項7記載の本発明によれば、前記所定
時間を10〜250μsecとしたので、前記予備電圧
の印加後、蓄積された電荷が消去する前に駆動電圧を印
加することができ、予め第1および/または第2電極に
ある程度電荷が蓄積された状態を元にして、駆動電圧の
印加量を決定することができるようになり、インクジェ
ットヘッドの動作状態や履歴によらず、何時でも同じ駆
動電圧の印加でインクの吐出量や吐出速度を一定に保つ
ことができるようになり、良好な画像の記録、再現が可
能となる。
【0099】請求項8記載の本発明によれば、インクジ
ェットヘッドの近傍に湿度測定手段を設け、この湿度測
定手段により測定された湿度を元に前記所定時間を決定
することとしたので、インクジェットヘッド周囲の相対
湿度の変化によって第1および/または第2電極に蓄積
された残留電荷の消失速度が変化するような場合でも、
インクジェットヘッド周囲の相対湿度の変化に関わりな
く、常に一定量の電荷が第1および/または第2電極に
残留した状態で駆動電圧を印加することができる。した
がって、インクジェットヘッド周囲の温度や湿度などの
環境が変化した場合でもインクの吐出量や吐出速度を一
定に保つことができるようになり、良好な画像の記録、
再現が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 実施形態1のインクジェットヘッドの構成を
示す断面図である。
【図2】 振動板の動きを説明するための図面である。
【図3】 本発明を適用した駆動回路の構成を示す回路
ブロック図である。
【図4】 出力波形を説明するための図面である。
【図5】 インクジェットヘッドの製造工程を示す断面
図である。
【図6】 インクジェットヘッド内のチャネルプレート
の平面図である
【図7】 実施形態2おける駆動回路に用いる湿度セン
サを示す回路図である。
【図8】 実施形態3のインクジェットヘッドの構成を
示す断面図である。
【図9】 インクジェットプリンタの概略構成を説明す
るための斜視図である。
【図10】 インクジェットプリンタのキャリッジ周辺
の構成を説明するための斜視図である。
【図11】 インクジェットプリンタの制御系の構成を
説明するためのブロック図である。
【符号の説明】
31…インクジェットヘッド、 51…加圧室、 52…インク供給室、 53…インレット、 54,58…ノズル、 55…振動板、 56…第1電極、 71…空間、 72…駆動電極、 200…駆動回路、 201…制御回路、 202…プレパルス発生回路、 203…印加電圧増幅回路、 211…湿度センサ。

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ノズルと、該ノズルに連通した加圧室
    と、該加圧室内の圧力を変えるための振動板と、該振動
    板に設けられた第1電極と、該第1電極と対向する位置
    に空間を隔てて設けられた第2電極と、を有し、前記第
    1および第2電極間に電圧を印加することにより前記振
    動板を変形させることで、前記加圧室内のインクを前記
    ノズルから液滴として吐出させるインクジェットヘッド
    を駆動するための駆動装置であって、 前記第1および第2電極間に、前記ノズルから前記イン
    クを吐出させるための駆動電圧を印加する駆動電圧印加
    手段と、 前記駆動電圧とは別に、前記第1および第2電極間に、
    前記ノズルから前記インクが吐出しない程度の予備電圧
    を印加する予備電圧印加手段と、を有することを特徴と
    するインクジェットヘッドの駆動装置。
  2. 【請求項2】 前記予備電圧印加手段は、前記予備電圧
    を、前記駆動電圧より絶対値が低く、かつ、前記駆動電
    圧印加より所定時間前に印加することを特徴とする請求
    項1記載のインクジェットヘッドの駆動装置。
  3. 【請求項3】 前記所定時間は、10〜250μsec
    であることを特徴とする請求項2記載のインクジェット
    ヘッドの駆動装置。
  4. 【請求項4】 前記駆動装置は、さらに、前記インクジ
    ェットヘッド周囲の湿度を測定する湿度測定手段を有
    し、 前記予備電圧印加手段が、前記湿度測定手段が測定した
    湿度に基づき前記所定時間を決定することを特徴とする
    請求項2記載のインクジェットヘッドの駆動装置。
  5. 【請求項5】 ノズルと、該ノズルに連通した加圧室
    と、該加圧室内の圧力を変えるための振動板と、該振動
    板に設けられた第1電極と、該第1電極と対向する位置
    に空間を隔てて設けられた第2電極と、前記第1および
    第2電極間に、前記ノズルから前記加圧室内に蓄えられ
    たインクを吐出させるために前記振動板を変形させる駆
    動電圧を印加する駆動電圧印加手段と、 前記駆動電圧とは別に、前記第1および第2電極間に、
    前記ノズルから前記インクが吐出しない程度の予備電圧
    を印加する予備電圧印加手段と、を有することを特徴と
    するインクジェット式記録装置。
  6. 【請求項6】 前記予備電圧印加手段は、前記予備電圧
    を、前記駆動電圧より絶対値が低く、かつ、前記駆動電
    圧印加より所定時間前に印加することを特徴とする請求
    項5記載のインクジェット式記録装置。
  7. 【請求項7】 前記所定時間は、10〜250μsec
    であることを特徴とする請求項6記載のインクジェット
    式記録装置。
  8. 【請求項8】 前記インクジェット式記録装置は、さら
    に、湿度を測定する湿度測定手段を有し、 前記予備電圧印加手段が、前記湿度測定手段が測定した
    湿度に基づき前記所定時間を決定することを特徴とする
    請求項6記載のインクジェット式記録装置。
JP11670798A 1998-04-27 1998-04-27 インクジェットヘッドの駆動装置およびインクジェット式記録装置 Expired - Fee Related JP4163285B2 (ja)

Priority Applications (2)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP11670798A JP4163285B2 (ja) 1998-04-27 1998-04-27 インクジェットヘッドの駆動装置およびインクジェット式記録装置
US09/295,644 US6371599B1 (en) 1998-04-27 1999-04-20 Ink jet recording apparatus and drive unit and method for ink jet head

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP11670798A JP4163285B2 (ja) 1998-04-27 1998-04-27 インクジェットヘッドの駆動装置およびインクジェット式記録装置

Related Child Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2005322623A Division JP2006056271A (ja) 2005-11-07 2005-11-07 インクジェットヘッドの駆動装置およびインクジェット式記録装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH11300955A true JPH11300955A (ja) 1999-11-02
JP4163285B2 JP4163285B2 (ja) 2008-10-08

Family

ID=14693841

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP11670798A Expired - Fee Related JP4163285B2 (ja) 1998-04-27 1998-04-27 インクジェットヘッドの駆動装置およびインクジェット式記録装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP4163285B2 (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US7300125B2 (en) 2003-08-14 2007-11-27 Brother Kogyo Kabushiki Kaisha Inkjet head printing device
JP2019111494A (ja) * 2017-12-25 2019-07-11 東レエンジニアリング株式会社 塗布装置および塗布方法

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US7300125B2 (en) 2003-08-14 2007-11-27 Brother Kogyo Kabushiki Kaisha Inkjet head printing device
JP2019111494A (ja) * 2017-12-25 2019-07-11 東レエンジニアリング株式会社 塗布装置および塗布方法

Also Published As

Publication number Publication date
JP4163285B2 (ja) 2008-10-08

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP3289624B2 (ja) インクジェットヘッドの駆動装置
JP2002211011A (ja) インクジェット記録装置及びプリンタドライバ
US8721053B2 (en) Liquid droplet discharge head and image forming apparatus including same
JP3271540B2 (ja) インクジェット記録装置
US6371599B1 (en) Ink jet recording apparatus and drive unit and method for ink jet head
JP2004058633A (ja) インクジェット式記録装置及びそのインク漏れ検出方法
JP4163285B2 (ja) インクジェットヘッドの駆動装置およびインクジェット式記録装置
JPH10296971A (ja) インクジェット記録装置
JP3465526B2 (ja) インクジェット記録装置およびその制御方法
JP3959837B2 (ja) インクジェットヘッド
JP2002127403A (ja) インクジェットプリントヘッドの作動方法
JP2006056271A (ja) インクジェットヘッドの駆動装置およびインクジェット式記録装置
JP4061702B2 (ja) インクジェットヘッドの駆動装置
JPH11309850A (ja) インクジェットヘッドとその駆動装置およびインクジェット式記録装置
JP3465523B2 (ja) インクジェット記録装置
JPH1199666A (ja) インクジェット記録装置
JP3726487B2 (ja) インクジェットヘッドの駆動装置およびインクジェット式記録装置
EP4105027A1 (en) Inkjet head
JPH10315454A (ja) 画像形成装置
JPH08252913A (ja) 液体噴射装置および液体噴射方法
JP3815046B2 (ja) インクジェットヘッドの駆動方法及びその装置
JP2892607B2 (ja) プリントヘッド
JPH10250068A (ja) インクジェット記録装置
JPH10217465A (ja) インクジェット記録装置
JPH10226066A (ja) インクジェット記録装置

Legal Events

Date Code Title Description
A711 Notification of change in applicant

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A712

Effective date: 20040423

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20050114

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20050125

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20050906

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20051107

A911 Transfer of reconsideration by examiner before appeal (zenchi)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A911

Effective date: 20051128

A912 Removal of reconsideration by examiner before appeal (zenchi)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A912

Effective date: 20051216

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20080626

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20080724

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110801

Year of fee payment: 3

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110801

Year of fee payment: 3

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120801

Year of fee payment: 4

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130801

Year of fee payment: 5

S531 Written request for registration of change of domicile

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313531

S533 Written request for registration of change of name

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313533

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees