JP3815046B2 - インクジェットヘッドの駆動方法及びその装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、静電アクチュエータを利用したインクジェットヘッドの駆動方法及びその装置に係り、特に、周囲の温度変化の如何にかかわらず、安定した量のインクをノズルから吐出させることができるようにするインクジェットヘッドの駆動方法及びその装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年のプリントのカラー化に伴って、鮮明なプリント画像が得られるインクジェットヘッドを用いたプリンタの需要が急速に高まった。
【0003】
このインクジェットヘッドには、インクを飛翔させる方式として、バブルジェット方式、PZD(圧電素子)方式などが一般的に知られており、製品化されている。
【0004】
近年では、半導体の製造工程と同様の工程で製造することができ、また、小形化が容易であるなどの特徴を持つ静電アクチュエータを利用したインクジェットヘッドが注目されつつある。
【0005】
この静電アクチュエータを利用したインクジェットヘッドは、インクを加圧する加圧室内に設けた振動板とその振動板に対向した設けた駆動電極との間に電圧を印加して振動板を変形(振動板を駆動電極側に吸引し接触させる)させ、その変形によって加圧室にインクを流入させ、急激にその電圧をOFFしたときに振動板が元の形状に戻る時の復元力を利用して加圧室からインクを外部に飛翔させるように構成したものである。
【0006】
この静電アクチュエータを利用したインクジェットヘッドの詳細は、「A LOW POWER,SMALL,ELECTROSTATICALLY−DRIVEN COMMERCIAL INKJETHEAD」(セイコーエプソン株式会社)に記載されている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、このような構成のインクジェットヘッドは、非常に小型であるので、インクの吐出状態が周囲の環境変化(ヘッドの残留電荷の存在、周囲の温度変化)の影響を受けやすいという欠点がある。
【0008】
たとえば、特開平8−72237号公報に記載されている発明では、静電気力で振動板を変形させインクを飛翔させる静電アクチュエータを利用したインクジェット記録装置の駆動回路において、個別電極と電界を印加するための端子とを短絡させる動作安定スイッチを設け、この動作安定スイッチは、ヘッドの非動作時に前記端子が短絡状態になるように制御され、電圧印加終了後の駆動電極の蓄積電荷を除去して、安定したインク吐出動作が行なえるようにしている。
【0009】
また、周囲の温度変化もインクの吐出状態の安定性に以下のような影響を与えると考えられる。
従来は、加圧室内に設けた振動板とその振動板に対向した設けた駆動電極との間に一定の周期の電圧パルスを与え、これに伴って振動を繰り返す振動板の作用で加圧室のインクを飛翔させていた。したがって、この振動周期が速い場合や、インクの粘度が高い場合には、供給室から加圧室にインクが十分充填されないうちにインクの飛翔が始まる場合があり、インクの吐出量が履歴により変動してしまったり、飛翔後のインクの揺れが残っているときに次の飛翔に備えるという過程が繰り返され、ドット径がばらつくという問題が発生する。ところが、現時点ではこのような問題を解決する具体的な技術はない。
【0010】
このインクの吐出状態の安定性は、プリントの品質に大きな影響を与えるので、静電アクチュエータを利用したインクジェットヘッドを駆動する場合には、周囲の環境変化にかかわらずいかに安定したインク吐出動作を確保できるかが重要である。
【0011】
本発明は、このような従来の問題に鑑みてなされたものであり、周囲の温度変化の如何にかかわらず、安定した量のインクをノズルから吐出させることができるようにするインクジェットヘッドの駆動方法及びその装置の提供を目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するための本発明は、次のように構成される。
請求項1に記載の発明は、ノズルと、前記ノズルに連通する加圧室と、前記加圧室にインクを供給する供給室と、前記加圧室に設けられた振動板と、前記振動板に対向して設けられた駆動電極とから構成されるインクジェットヘッドの駆動方法であって、前記振動板と前記駆動電極との間に電圧を印加して前記振動板を静電気力によって変形させ、前記供給室から前記加圧室にインクが流れ込むのに十分な時間をおいて前記電圧の印加を止め、前記ノズルから液滴状のインクを吐出させることを特徴とするインクジェットヘッドの駆動方法である。
【0013】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載のインクジェットヘッドの駆動方法において、前記供給室から前記加圧室にインクが流れ込むのに十分な時間は、10μsec〜250μsecに設定されることを特徴とする。
【0014】
請求項3に記載の発明は、請求項2に記載のインクジェットヘッドの駆動方法において、前記供給室から前記加圧室にインクが流れ込むのに十分な時間は、周囲温度が10℃未満であれば100μsec〜250μsecに設定され、周囲温度が10℃以上であれば10μsec〜100μsecに設定されることを特徴とする。
【0015】
請求項4に記載の発明は、ノズルと、前記ノズルに連通する加圧室と、前記加圧室にインクを供給する供給室と、前記加圧室に設けられた振動板と、前記振動板に対向して設けられた駆動電極とから構成され、前記振動板を静電気力によって駆動電極側に変形させ、前記ノズルから液滴状のインクを吐出させるインクジェットヘッドに適用される駆動装置であって、前記振動板と前記駆動電極との間に電圧を印加する振動板駆動手段と、前記振動板の駆動電極側への変形を検出する検出手段と、当該検出手段によって前記振動板の変形が検出された後、前記供給室から前記加圧室にインクが流れ込むのに十分な時間をおいて前記振動板駆動手段による電圧の印加を停止させる停止手段とを有することを特徴とするインクジェットヘッドの駆動装置。
【0016】
請求項5に記載の発明は、請求項4に記載のインクジェットヘッドの駆動装置において、前記インクジェットヘッドの周囲温度を検出する温度センサがさらに設けられ、前記停止手段は、前記温度センサによって検出される周囲温度に応じて、前記供給室から前記加圧室にインクが流れ込むのに十分な時間として設定される時間を変化させることを特徴とする。
【0017】
請求項6に記載の発明は、請求項4又は請求項5に記載のインクジェットヘッドの駆動装置において、前記停止手段は、前記検出手段が前記振動板の変形を検出した時から時間カウントを開始する一方、前記供給室から前記加圧室にインクが流れ込むのに十分な時間として設定された時間が計時された時に前記振動板駆動手段による電圧の印加を停止させることを特徴とする。
【0018】
請求項7に記載の発明は、請求項4乃至請求項6のいずれか1項に記載のインクジェットヘッドの駆動装置において、前記供給室から前記加圧室にインクが流れ込むのに十分な時間は、10μsec〜250μsecに設定されることを特徴とする。
【0019】
請求項8に記載の発明は、請求項5に記載のインクジェットヘッドの駆動装置において、前記供給室から前記加圧室にインクが流れ込むのに十分な時間は、前記温度センサによて検出される周囲温度が10℃未満であれば100μsec〜250μsecに設定され、検出される周囲温度が10℃以上であれば10μsec〜100μsecに設定されることを特徴とする。
【0020】
【発明の実施の形態】
本発明は、静電アクチュエータに設けられた2つの電極(振動板に設けられている電極と駆動電極)間に電圧を印加するインクジェットヘッドの駆動装置であって、2つの電極が静電気力で吸引されたことを検出し、検出後、所定の時間(インク供給室から加圧室にインクが流れ込むのに必要な時間)経過後に、この2つの電極に印加する電圧をOFFするようにし、また、その所定の時間を周囲温度に応じて変化させることを要旨とするものである。
【0021】
以下、図面を参照しつつ、本発明の実施の形態であるインクジェットヘッドの駆動装置について説明する。
図1は、本発明のインクジェットヘッドの駆動装置を搭載するインクジェットプリンタの概略構成を説明するための斜視図である。
【0022】
インクジェットプリンタ1は、用紙やOHPシートなどの記録媒体である記録シート2に印字するものであって、インクジェットヘッド走査系と記録シート送り系とから構成される。
【0023】
インクジェットヘッド走査系は、インクジェット方式のプリントヘッドを単色、あるいは複数色(例えば3色、4色、または7色など)分含むヘッドユニット3と、ヘッドユニット3を保持するキャリッジ4と、キャリッジ4を記録シート2の記録面に平行に往復移動させるためのスキャンシャフト5及びガイド軸6と、キャリッジ4をガイド軸6に沿って往復駆動するパルスモータ7と、パルスモータ7の回転をキャリッジ4の往復運動に変えるためのアイドルプーリ8、タイミングベルト9とから構成される。
【0024】
また、記録シート送り系は、記録シート2を搬送経路に沿って案内するガイド板を兼ねるプラテン10と、プラテン10との間の記録シート2を押さえて浮きを防止する紙押さえ板11と、記録シート2を排出するための排出ローラ12、排紙押さえローラ13と、ヘッドユニット3のインクを吐出するノズル面を洗浄しインク吐出不良を良好な状態に回復させるメンテナンス装置14と、記録シート2を手動で搬送するための紙送りノブ15とから構成される。
【0025】
記録シート2は、図示しない手差しあるいはカットシートフィーダ等の給紙装置によって、ヘッドユニット3とプラテン10とが対向する記録部へ送り込まれる。この際、図示しない紙送りローラの回転量が制御され、記録部への搬送が制御される。
【0026】
ヘッドユニット3のプリントヘッドには、インク飛翔用のエネルギ発生源として静電アクチュエータが用いられる。静電アクチュエータは、対向して設けられた振動板と電極との間に働く静電気力(クーロン力)を利用して振動板を急峻に変位させる。この変位は、インクで満たされた加圧室の容積を変化させる。この加圧室の容積の変化により、加圧室に設けられたノズルからインクが吐出され、記録シート2への記録が行なわれる。
【0027】
キャリッジ4は、パルスモータ7、アイドルプーリ8、タイミングベルト9により、記録シート2を横方向に走査(主走査)し、キャリッジ4に取り付けられたヘッドユニット3は1ライン分の画像を記録する。1ライン分の記録が終わるごとに、記録シート2は縦方向に送られ(副走査)、次のラインへの記録がされる。
【0028】
このようにして記録シート2に画像が記録され、記録部を通過した記録シート2は、その搬送方向下流側に配置された排出ローラ12とこれに一定の圧力で接する排紙押さえローラ13とによって排出される。
【0029】
図2は、図1に示したヘッドユニット3の1色分のプリントヘッド31を含むキャリッジ4周辺の構成を説明するための斜視図である。
【0030】
キャリッジ4周辺には、インクを収容し通気口404を有するインクカートリッジ403と、インクカートリッジ403を収納するケーシング401、ケーシング蓋405と、インクカートリッジ403を着脱可能にしつつインクをプリントヘッド31に供給するインク供給管402と、ケーシング蓋405を閉じた際ケーシング401にケーシング蓋405を固定するためのフック406、蓋止め407と、インクカートリッジ403を収納する向き(矢印D3の向き)とは反対の向きにインクカートリッジ403を付勢しつつインクカートリッジ403をケーシング蓋405との間でケーシング401内に保持する押さえバネ408とが設けられる。
【0031】
このような構成のキャリッジ4がスキャン方向(矢印D1の向き)に移動することによって記録シート2は主走査されることになる。また、記録シート2が送られることによって副走査方向(矢印D2の向き)に印字されることになる。
【0032】
[実施の形態1]
図3は、本実施の形態1におけるインクジェットヘッドの構造を示す断面図である。
このインクジェットヘッド31は、図示側面側に設けられているノズル54、ノズル54からインクを吐出させるためにその内圧を可変する振動板55を備えた加圧室51、加圧室51へインクを供給するためにインクを蓄えておくインク供給室52、インク供給室52内のインクを加圧室51へ導くインレット53、および振動板55に設けられた第1電極56と対向する位置に空間71により隔てられた第2電極である駆動電極72を有している。
【0033】
第1電極56と駆動電極72との間の空間71は、本実施形態1では0.3μmとしている。また、振動板55に設けられている第1電極56は、後述するようにホウ素を拡散することによって形成した不純物導電層である。この第1電極56は、本実施の形態1ではアースされており、また、駆動電極72は配線80によって、後述する振動板駆動制御回路からの電圧が印加されるようになっている。
【0034】
また、この空間71のノズル側には発光素子75が設けられると共に、この空間71の発光素子75に対向する側には受光素子(フォトダイオード)76が設けられ、この発光素子75及び受光素子76によって振動板55の変形状態が検出されるようになっている。この発光素子75及び受光素子76によって検出手段が構成される。この発光素子75と受光素子76は、後述する検出回路に接続される。
【0035】
このように構成されたインクジェットヘッド31の第1電極56と駆動電極72との間に電圧を印加すると、両電極間に発生する静電気力によって、図4に示すように振動板55が駆動電極72側に引き付けられて実線の状態から点線の状態のように撓む。このように振動板55が撓むと、加圧室51の容積が増加し、インク供給室52内のインクがインレット53を通り加圧室51内に流入することになる。この状態をインクが加圧室51に十分に流れ込むまで維持し(本発明ではこの時間を確保している)、電圧の印加を止めると、振動板55の形状が元の形状に復元し、このときの復元力によって加圧室51内に圧力を加えることでインク液滴がノズル54から吐出する。
【0036】
なお、本実施の形態1では、振動板55に形成した第1電極56をアースさせているので、駆動電圧として、駆動電極72に+の電位を印加している。この駆動電圧により振動板55に作用する力Fは、F=1/2・{εr ε0 S(V/d)2 }により算出される。
【0037】
ただし、式中、εr は第1電極56と第2電極(駆動電極)72との間の比誘電率、ε0 は真空の比誘電率、Sは電極の面積、Vは駆動電圧、dは第1電極56と第2電極(駆動電極)72間の距離である。
【0038】
次に、前述したインクジェットヘッドの製造方法について簡単に説明する。 上記本実施の形態1において用いたインクジェットヘッド31は、いわゆる半導体装置製造プロセスやマイクロマシーン製造プロセスなどを利用して製造させるものであり、その方法は様々であるが、ここでは、その一例について説明する。なお、ここで説明した製造方法以外の方法により製造されたインクジェットヘッドであっても本発明による駆動装置によって駆動できることは言うまでもない。
【0039】
図3に示したインクジェットヘッド31は、3つの構成要素からなり、この図を参照すれば、加圧室51、インク供給室52、インレット53、ノズル54、および振動板55からなるチャネルプレート50と、このチャネルプレート50の図示上側を覆う天板60と、チャネルプレート50に設けられている振動板55の対向する位置に空間71を設けて駆動電極72を配置するためのガラス基板70とからなる。
【0040】
まず、チャネルプレート50の形成について説明する。
チャネルプレート50の形成には、予め200μm程度にラッピングしたシリコン基板を使用して、図5Aに示すように、シリコン基板100の全面に、熱酸化法により酸化膜101を形成する。そして、シリコン基板100の図示上側表面の酸化膜101に、公知のフォトリソグラフィーおよびドライエッチングによって、加圧室51、インク供給室52、インレット53およびノズル54の形状を規定するための開口を設け、図5Bに示すように、エッチングマスク101aとする。
【0041】
次に、パターニングされた酸化膜101により形成されたエッチングマスク101aを有するシリコン基板100をKOH溶液により異方性エッチングする。ここで使用したシリコン基板100は、基板表面が(110)面または(100)面を有するものである。このKOH溶液による異方性エッチングは、シリコン基板の(111)面が露出することにより自動的にエッチングが停止するため、前記エッチングマスク101aの形成時において、ノズル54やインレット53となる部分の開口の大きさを調整することにより、これらの部分におけるエッチング深さを所望の深さとすることができる。また、加圧室51およびインク供給室52の深さは、これらの部分の開口の大きさと共に、エッチング時間を調整することで、振動板55となる部分の厚さが6.5μm程度となるようにする。このKOH溶液によるエッチングによって、加圧室51、インク供給室52の側壁部分は(111)面が露出することにより、適度なテーパが形成される。その後、エッチングマスクとして使用した酸化膜は除去する。
【0042】
このようにして、図5C、および図6に示すように、加圧室51、インク供給室52、インレット53、ノズル54、さらに振動板55がシリコン基板100に形成される。ここで形成したチャネルプレート50には図6に示されているように、複数の加圧室と複数のノズルが形成されていて、1つのヘッドから複数のインク液滴を吐出させることができるようになっている。なお、図6は加圧室51、インク供給室52、インレット53、ノズル54などが形成されたシリコン基板表面の平面図であり、図5は、図6のA−A線に沿った断面を工程順に示した図面である。
【0043】
そして、このシリコン基板100の裏面側に、振動板55とこの振動板55部分に形成される第1電極56と電気的なコンタクトをとるための部分(不図示)が開口したレジストパターンをフォトリソグラフィーにより形成し、振動板55とコンタクト部分にホウ素をイオン注入して、図5Cに示したように、第1電極56およびコンタクトラインとなる不純物拡散層を形成する。その後、熱酸化工程により、シリコン基板100の全面に酸化膜を形成することで、振動板55の表面(シリコン基板の裏面側)に絶縁膜57を形成する。この絶縁膜57は、駆動電極72との短絡を防止するためである。
【0044】
次に、駆動電極72を設けたガラス基板70の形成について説明する。このガラス基板70には、ホウケイ酸ガラス基板を使用して、図3に示した状態に接合されたときに、チャネルプレート50の振動板55が位置する部分に所定の深さの凹部をエッチングにより形成し、この凹部内とこの凹部から連なるコンタクトラインを形成するためにITO膜を成膜して、リフトオフにより、凹部内に駆動電極72、ガラス基板表面にこの駆動電極72と接続されるコンタクトラインを形成する。このとき、複数の加圧室とノズルを有するヘッドの場合には、各加圧室ごとに駆動電極とそれぞれのコンタクトラインを形成する。
【0045】
その後、電極が形成された面全面にSiFH膜を約2μm成膜する。このSiFH膜は、パターン化せず、基板全面に設けて保護膜とするもので、これにより、周囲の湿度の影響による駆動電極の劣化を防止する。
【0046】
前記凹部を形成する際の深さは、駆動電極72を形成したときに、空間71における第1電極56(絶縁膜表面)から対向する駆動電極72(SiFH膜表面)までの間隔が0.1〜1μm、好ましくはより低い駆動電圧で駆動することができるように、0.1〜0.5μmとなるようにする。本実施形態1では、上述した通り、空間71は0.3μmとなるように、凹部を形成している。
【0047】
なお、この空間71は、ガラス基板70に凹部を形成する代わりに、前記したシリコン基板100の振動板55部分をシリコン基板100の裏面(図示下側)からエッチングにより空間71が形成される分だけ掘り込んでも良い。この場合、ガラス基板70には凹部を形成することなく、駆動電極72およびそのコンタクトラインをITOにより形成する。
【0048】
次に、天板60は、同じくホウケイ酸ガラス基板を使用して、加圧室52上部にインクカセットからのインクを導入させるためのインク供給口を形成したものである。
【0049】
以上のようにそれぞれ形成したチャネルプレート50、ガラス基板70および天板60を図3に示したようなサンドイッチ構造となるように、受光素子76も含めて陽極接合し、振動板55に形成した不純物拡散層によるコンタクトラインと、ガラス基板70に形成したコンタクトラインと、受光素子76に至るコンタクトラインにそれぞれ配線を接続して、インクジェットヘッドが完成する。
【0050】
なお、本実施の形態1においては、チャネルプレート50の材料として、シリコンを用いたが、これ以外に、ガラス、セラミックス、金属、樹脂、感光性樹脂等、加圧室51の基本的な形状を形成することができる材料を用いることも可能である。
【0051】
次に、本実施の形態1において使用したインクについて説明する。
本実施形態で使用したインクの組成は、下記表1に示すようなもので、黒(K)、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、およびシアン(C)の4色のインクを使用しており、表に示す通り、染料により各色調整したものであるが、染料に代わり顔料を用いたものであっても良い。
【0052】
なお、このインクの粘度は、20℃で2.0CPである。また、実施の形態2にもこれと同様のインクを用いている。
【0053】
【表1】
【0054】
図7は、インクジェットプリンタ1の動作を制御する制御系のブロック図である。この図では、特にインクジェットヘッド走査系の動作制御に関する部分を記載してある。
【0055】
図中のプリンタ制御手段90は、インクジェットプリンタ1の動作を総括的に制御する手段である。
電源制御手段91は、プリンタ制御手段90及び後述する振動板駆動制御回路93に電力を供給する手段である。
【0056】
パルスモータ7は、プリントヘッド3(図1参照)をガイド軸6に沿って往復駆動させるモータであり、このパルスモータ7の動作はヘッド駆動制御回路92によって制御される。ヘッド駆動制御回路92は、プリンタ制御手段90の指令によってその動作が制御される。
【0057】
インクジェットヘッド31は、上記のように構成(図3参照)されているヘッドであり、このヘッド31を構成する駆動電極72には振動板駆動制御回路93からのパルス状の電圧が印加される。このパルス状の電圧が印加されている間は前述の振動板55(図3及び図4参照)が駆動電極72側に引かれるように変形し、電圧が印加されなくなると振動板55が元に戻ってインクを飛翔させる。
【0058】
振動板駆動制御回路93には、電源制御手段91から振動板駆動用の電力が供給される。この振動板駆動制御回路93は、プリンタ制御手段90からのプリント信号に基づいて駆動電極72に印加するパルス状の電圧を生成する。なお、この手段の詳細は後述する。
【0059】
センサ94は、インクジェットヘッド31の振動板55が駆動電極72に引き付けられて変形した状態であることを検出するものであり、この変形を、前述のように発光素子75と受光素子76を用いて光学的に検出したり、振動板55と駆動電極72との接触を電気的に検出したりする。
【0060】
本実施の形態では、振動板55の変形状態を光学的に検出するものを主に説明するが、上記のように振動板55と駆動電極72との接触による導通状態を電気的に検出するようにしても良い。この場合には、振動板55と駆動電極72とが導通状態であることを検出する外部回路が必要となるが、ヘッド自体に光学的センサを取り付ける必要がないので、ヘッドの構造を簡単にすることができる。
【0061】
計時手段95は、センサ94によって振動板の変形が検出された場合にここから出力される信号に基づいて時間カウントを開始し、一定時間経過の後に振動板駆動制御回路93に電圧オフ信号を出力するものである。したがって、振動板駆動制御回路93からはこの電圧オフ信号が出力されるまで駆動電極72に電圧が印加されることになる。
【0062】
なお、この計時手段95には周囲温度を検出(間接的にはインクの温度)する温度センサ96が接続されているが、計時手段95は、この温度センサ96によって検出される温度に応じて、設定される時間を変化させることができるようになっている。したがって、インクの粘度に応じた適正な時間、振動板55を駆動電極72側に吸引させておくことができる。
【0063】
本実施の形態では、温度センサ96によって検出された温度が10℃未満である場合には、設定する時間を100μsec〜250μsecの間で検出温度に応じて変化させるようにしてあり、検出された温度が10℃以上である場合には、設定する時間を10μsec〜100μsecの間で検出温度に応じて変化させるようにしてある。
【0064】
このように、検出される温度によって時間を変化させるのは、振動板55が図4に示すように変形した場合に、インク供給室52から加圧室51にインクが流れ込むのに必要な時間を確保するためである。したがって、一般的にインクの粘度は温度が低い程大きいので、温度が低くなるにしたがって設定される時間が長くなるようにしてあり、温度が高くなるにしたがって設定される時間が短くなるようにしてある。
【0065】
また、10℃未満である場合に250μsecという上限値を設定したのは、これ以上長くしても効果はほとんど変わらないばかりではなく、逆に印字速度が遅くなるという欠点が現れるからである。そして、10℃以上である場合に、設定する時間を10μsecという下限値を設定したのは、温度が高くてもこれ以下の時間ではインクを十分に吸引することができなくなり、この設定する時間がもっと短い場合となんら変わらなくなってしまうからである。
【0066】
なお、検出温度と設定する時間との関係は、インクの粘度対検出温度との関係に応じて最適な関数を算出し、その関数に基づいて決定すればよい。
【0067】
また、本実施の形態では10℃を境に設定する時間幅を変えているが、これは、周囲温度が10℃よりも低くなるとインクの粘度が指数関数的に上昇し、インクが流れに難くなることを考慮したからである。
【0068】
図8は、発光素子75と受光素子76によって振動板55の変形状態を検出するための検出回路を示した図である。
この検出回路は、受光素子(フォトダイオード)76からの信号に基づいて、0Vの電圧と5Vの電圧を出力するように構成してある回路である。
【0069】
図3に示してあるように、第1電極56と駆動電極72との間に電圧が印加されていない状態(非駆動時)では、発光素子75からの光が受光素子76によって受光されるので、受光素子76から一定の電圧の信号が出力され続ける。このため、オペアンプ78からは一定の電圧が出力されるが、NOT回路79の作用によって0Vの電圧が検出回路から出力されることになる。
【0070】
一方、第1電極56と駆動電極72との間に電圧が印加され(駆動時)、図4に示すように振動板55が駆動電極72側に引き付けられると、発光素子75と受光素子76との光路を形成していた空間71が狭くなるか遮断されるので、受光素子76の受光量が減り、これに伴って受光素子76から出力される電圧が減少する。このため、オペアンプ78からは0Vの電圧が出力されるが、NOT回路79の作用によって5Vの電圧が検出回路から出力されることになる。この検出回路から出力される電圧は、図7の計時手段95に出力される。計時手段95はこの電圧を入力している間、時間カウントをし、10μsec〜250μsecの間で設定されている所定の時間経過後に振動板駆動制御回路93に電圧オフ信号を出力する。
【0071】
図9は、図7に示した振動板駆動制御回路93の具体的な回路を示す図である。
図中の制御回路931は、プリンタ制御手段90からのプリント信号を受けて、そのいずれかの出力端子から電圧を出力するものである。また、計時手段95から出力される電圧オフ信号を受けるまでは、その電圧を0にしないように動作する回路である。
【0072】
制御回路931には、4つのスイッチングトランジスタ932〜935が設けられているが、個々のスイッチングトランジスタには、制御回路931から個別に駆動電圧が出力される。これらのスイッチングトランジスタのスイッチング動作により、第1電極56と駆動電極72との間に電圧が印加されることになる。なお、ここで第1電極56と駆動電極72との間に印加される電圧は、両電極を接触させるのに必要な電圧が20Vであったので、これよりも大きい22Vに設定した。
【0073】
本実施の形態1におけるインクジェットヘッドの駆動回路は、以上のように構成されているが、次に、その具体的な動作について説明する。
【0074】
まず、図7のプリンタ制御手段90からプリント信号が出力されると、図9の制御回路931から駆動電圧が出力され、図3の第1電極56がアースされる一方、駆動電極72に22Vの電圧が印加される。これに伴って両電極56,72間に働く静電気力によって振動板55が図4のように駆動電極72側に引かれ、振動板55が駆動電極72に接触する。この振動板55の変形に伴い、インクがインク供給室52からインレット53を介して加圧室51に流れ込むことになる。
【0075】
一方、発光素子75と受光素子76によって構成されるセンサ94は、振動板55の変形状態を受光量の減少によって検出し、計時手段95に信号を出力する。計時手段95は、温度センサ96の検出温度に応じて10μsec〜250μsecの間で時間を設定しているので、センサ94からの信号を受けると共に時間カウントを開始し、設定された時間のカウントが終了すると、振動板駆動制御回路93に電圧オフ信号を出力する。なお、設定される時間は、周囲温度に応じてインク供給室52から加圧室51にインクが流れ込むのに十分な時間であるから、加圧室51にはインクが十分に充填された状態になっている。
【0076】
つぎに、この電圧オフ信号を受けた制御回路931は、駆動電圧の出力を止める。このため、両電極56,72間には静電気力が働かなくなり、振動板55は、自己の復元力で急激に元の状態にもどり、このときの加圧室51の容積変化に伴ってインクがノズル54から飛翔する。
そして、次の飛翔に備え、同様の動作を繰り返す。
【0077】
[実施の形態2]
本実施の形態2は、インクジェットヘッドの構造が前述した実施の形態1において示した図3の構造と異なるのみであり、駆動装置の構成は実施の形態1と同様である。
【0078】
図10は、本実施の形態2において使用したインクジェットヘッドの構成を示す断面図である。
【0079】
このインクジェットヘッド32は、インク液滴を吐出させるノズルの位置を図示上側に設けた以外は、その他の基本的な構成は実施の形態1において使用したインクジェットヘッド31と同様である。すなわち、このインクジェットヘッド32は、図示上側に設けられているノズル58、ノズル58からインクを吐出させるためにその内圧を可変する振動板55を備えた加圧室51、加圧室51へインクを供給するためにインクを蓄えておくインク供給室52、インク供給室52内のインクを加圧室へ導くインレット53、および振動板55に対向する位置に空間71により隔てられた駆動電極72からなる。
【0080】
そして、実施の形態1同様に、振動板55には、ホウ素を拡散することによって形成した第1電極56が形成されていて、この第1電極56および第2電極である駆動電極72との間に電圧を印加することにより、振動板55を変形して、加圧室51内の圧力を変えることでインク液滴をノズル58から吐出させている。この第1電極56は、本実施の形態1ではアースされており、また、駆動電極72は配線80によって、実施の形態1に示したものと同様の振動板駆動制御回路からの電圧が印加されるようになっている。
【0081】
また、この空間71のノズル側には発光素子75が設けられると共に、この空間71の発光素子75に対向する側には受光素子(フォトダイオード)76が設けられ、この発光素子75及び受光素子76によって振動板55の変形状態が検出されるようになっている。
【0082】
なお、このようなインクジェットヘッド32の製造は、天板60(厚さ約150μm)にノズル58を公知のNi電鋳法で形成し、また、ガラス基板70側からインク供給口90を形成した以外は、前述したインクジェットヘッド31の製造と同様である。
【0083】
このインクジェットヘッド32は実際の使用時においては、ノズル58を下向きにし、記録紙上に下打ち印字するように使用される。
【0084】
このように、ノズル58の位置を図示上側、すなわち、振動板55と対向する位置に設けたことにより、振動板55の変形による加圧室51内のインク水頭圧(圧力)がインク吐出方向と同じ方向となるため、インク吐出の際の手助けとなり前述した実施の形態1の構造より、少ない振動板55の変形量で、同じ吐出速度を得ることができる。また、このように振動板55と対向する位置にノズル58を設けたことにより、1つのヘッドに複数のノズルを設けた場合、各ノズルにかかる圧力が均等となる。
【0085】
このヘッドの場合、第1電極56と駆動電極72との間に印加される電圧は、両電極を接触させるのに必要な電圧が18V(実施の形態1よりも小さい)であったので、20Vに設定でき、実施の形態1の場合よりも駆動電圧を下げることができた。
【0086】
このインクジェットヘッド32を、前述の実施の形態1において説明した駆動装置で駆動すると、インク液滴を吐出させる場合、各ノズルにかかる圧力がより均一にできるので、飛翔させるインクのドット径のバラツキを小さくすることができることになり、また、駆動電圧も下げることができる。
【0087】
以上のように、本発明の駆動装置によれば、駆動電極に電圧が印加された後に周囲温度に応じて設定された時間だけその電圧を保持するようにしているので、振動板55はインクの粘度に応じた時間駆動電極55側に吸引されていることになり、加圧室51には常に十分な量のインクを充填でき、かつ、各加圧室のインクの吸い込み量のムラも小さくなる。
【0088】
また、振動板55を吸引してすぐに解放する制御の場合には、インクレット53を介して加圧室51にまだインクが流れ込んでいる状態でインクを飛翔させることが起こり、その印字の前に行なったインクの飛翔履歴、すなわち印字パターンによりインクの飛翔に悪影響が出るが、本発明では、インクが加圧室51に流れ込むために必要な時間はインクを飛翔させないようにしているので、この悪影響を完全に排除することができる。
【0089】
【発明の効果】
以上のように構成された本発明によれば、次のような効果を奏する。
請求項1に記載の発明では、駆動電極に電圧を印加した後、供給室から加圧室にインクが流れ込むのに十分な時間をおいてノズルから液滴状のインクを吐出させるようにしたので、加圧室には常に十分な量のインクを充填でき、かつ、各加圧室のインクの吸い込み量のムラも小さくでき、安定した量のインクをノズルから吐出させることができるようになる。
【0090】
請求項2又は請求項3に記載の発明では、駆動電極に電圧を印加した後、周囲温度に応じて10μsec〜250μsecの間で設定される時間だけその電圧を保持するようにしたので、周囲温度の変動にかかわらず加圧室には常に十分な量のインクを充填でき、かつ、各加圧室のインクの吸い込み量のムラも小さくでき、安定した量のインクをノズルから吐出させることができるようになる。
【0091】
請求項4に記載の発明では、振動板駆動手段により駆動電極に電圧を印加した後、検出手段で振動板の駆動電極側への変形が検出されてから、供給室から加圧室にインクが流れ込むのに十分な時間をおいて振動板駆動手段による電圧の印加を停止させるようにしたので、加圧室には常に十分な量のインクを充填でき、かつ、各加圧室のインクの吸い込み量のムラも小さくでき、安定した量のインクをノズルから吐出させることができるようになる。
【0092】
請求項5から請求項7に記載の発明では、駆動電極に電圧を印加した後、温度センサによって検出される周囲温度に応じて10μsec〜250μsecの間で設定される時間だけその電圧を保持するようにしたので、周囲温度の変動にかかわらず加圧室には常に十分な量のインクを充填でき、かつ、各加圧室のインクの吸い込み量のムラも小さくでき、安定した量のインクをノズルから吐出させることができるようになる。
【0093】
請求項8に記載の発明では、温度センサによって検出される周囲温度が10℃を境に設定される時間の幅を変えているので、インクの粘度に応じたより細かい時間設定をすることができ、さらに安定した量のインクをノズルから吐出させることができるようになる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 インクジェットプリンタの概略構成を説明するための斜視図である。
【図2】 図1に示したヘッドユニットの1色分のプリントヘッドを含むキャリッジ周辺の構成を説明するための斜視図である。
【図3】 本実施の形態1におけるインクジェットヘッドの構造を示す断面図である。
【図4】 図3に示した振動板の動作説明に供する図である。
【図5】 図3に示したチャネルプレートの形成工程の説明に供する図である。
【図6】 チャネルプレートの上面図である。
【図7】 インクジェットプリンタの動作を制御する制御系のブロック図である。
【図8】 発光素子と受光素子によって振動板の変形状態を検出するための検出回路を示した図である。
【図9】 図7に示した振動板駆動制御回路の具体的な回路を示す図である。
【図10】 本実施の形態2において使用したインクジェットヘッドの構成を示す断面図である。
【符号の説明】
31…インクジェットヘッド、
51…加圧室、
52…インク供給室、
54,58…ノズル、
55…振動板、
56…第1電極、
71…空間、
72…駆動電極、
75…発光素子、
76…受光素子。
Claims (8)
- ノズルと、前記ノズルに連通する加圧室と、前記加圧室にインクを供給する供給室と、
前記加圧室に設けられた振動板と、前記振動板に対向して設けられた駆動電極とから構成されるインクジェットヘッドの駆動方法であって、
前記振動板と前記駆動電極との間に電圧を印加して前記振動板を静電気力によって変形させ、
前記振動板の駆動電極側への変形を検出し、
前記振動板の変形が検出された後、前記供給室から前記加圧室にインクが流れ込むのに十分な時間をおいて前記電圧の印加を止め、前記ノズルから液滴状のインクを吐出させることを特徴とするインクジェットヘッドの駆動方法。 - 前記供給室から前記加圧室にインクが流れ込むのに十分な時間は、10μsec〜250μsecに設定されることを特徴とする請求項1に記載のインクジェットヘッドの駆動方法。
- 前記供給室から前記加圧室にインクが流れ込むのに十分な時間は、周囲温度が10℃未満であれば100μsec〜250μsecに設定され、周囲温度が10℃以上であれば10μsec〜100μsecに設定されることを特徴とする請求項2に記載のインクジェットヘッドの駆動方法。
- ノズルと、前記ノズルに連通する加圧室と、前記加圧室にインクを供給する供給室と、前記加圧室に設けられた振動板と、前記振動板に対向して設けられた駆動電極とから構成され、前記振動板を静電気力によって駆動電極側に変形させ、前記ノズルから液滴状のインクを吐出させるインクジェットヘッドに適用される駆動装置であって、
前記振動板と前記駆動電極との間に電圧を印加する振動板駆動手段と、
前記振動板の駆動電極側への変形を検出する検出手段と、
当該検出手段によって前記振動板の変形が検出された後、前記供給室から前記加圧室にインクが流れ込むのに十分な時間をおいて前記振動板駆動手段による電圧の印加を停止させる停止手段とを有することを特徴とするインクジェットヘッドの駆動装置。 - 前記インクジェットヘッドの周囲温度を検出する温度センサがさらに設けられ、
前記停止手段は、前記温度センサによって検出される周囲温度に応じて、前記供給室から前記加圧室にインクが流れ込むのに十分な時間として設定される時間を変化させる機能をさらに有することを特徴とする請求項4に記載のインクジェットヘッドの駆動装置。 - 前記停止手段は、前記検出手段が前記振動板の変形を検出した時から時間カウントを開始する一方、前記供給室から前記加圧室にインクが流れ込むのに十分な時間として設定された時間が計時された時に前記振動板駆動手段による電圧の印加を停止させることを特徴とする請求項4又は請求項5に記載のインクジェットヘッドの駆動装置。
- 前記供給室から前記加圧室にインクが流れ込むのに十分な時間は、10μsec〜250μsecに設定されることを特徴とする請求項4乃至請求項6のいずれか1項に記載のインクジェットヘッドの駆動装置。
- 前記供給室から前記加圧室にインクが流れ込むのに十分な時間は、前記温度センサによって検出される周囲温度が10℃未満であれば100μsec〜250μsecに設定され、検出される周囲温度が10℃以上であれば10μsec〜100μsecに設定されることを特徴とする請求項5に記載のインクジェットヘッドの駆動装置。
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