JPH11300775A - リブ付中空成形品および被覆中空成形品の製造方法 - Google Patents

リブ付中空成形品および被覆中空成形品の製造方法

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JPH11300775A
JPH11300775A JP11355598A JP11355598A JPH11300775A JP H11300775 A JPH11300775 A JP H11300775A JP 11355598 A JP11355598 A JP 11355598A JP 11355598 A JP11355598 A JP 11355598A JP H11300775 A JPH11300775 A JP H11300775A
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resin
mold
molten resin
cavity
molded article
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JP11355598A
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Yasumasa Shibata
康雅 柴田
Nariyasu Harada
成康 原田
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Idemitsu Petrochemical Co Ltd
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Idemitsu Petrochemical Co Ltd
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    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B29WORKING OF PLASTICS; WORKING OF SUBSTANCES IN A PLASTIC STATE IN GENERAL
    • B29CSHAPING OR JOINING OF PLASTICS; SHAPING OF MATERIAL IN A PLASTIC STATE, NOT OTHERWISE PROVIDED FOR; AFTER-TREATMENT OF THE SHAPED PRODUCTS, e.g. REPAIRING
    • B29C45/00Injection moulding, i.e. forcing the required volume of moulding material through a nozzle into a closed mould; Apparatus therefor
    • B29C45/17Component parts, details or accessories; Auxiliary operations
    • B29C45/1703Introducing an auxiliary fluid into the mould
    • B29C45/1704Introducing an auxiliary fluid into the mould the fluid being introduced into the interior of the injected material which is still in a molten state, e.g. for producing hollow articles
    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B29WORKING OF PLASTICS; WORKING OF SUBSTANCES IN A PLASTIC STATE IN GENERAL
    • B29CSHAPING OR JOINING OF PLASTICS; SHAPING OF MATERIAL IN A PLASTIC STATE, NOT OTHERWISE PROVIDED FOR; AFTER-TREATMENT OF THE SHAPED PRODUCTS, e.g. REPAIRING
    • B29C45/00Injection moulding, i.e. forcing the required volume of moulding material through a nozzle into a closed mould; Apparatus therefor
    • B29C45/14Injection moulding, i.e. forcing the required volume of moulding material through a nozzle into a closed mould; Apparatus therefor incorporating preformed parts or layers, e.g. injection moulding around inserts or for coating articles

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Abstract

(57)【要約】 【課題】生産性を損なうことなく、外観品質、軽量性お
よび剛性が確保されるようになるリブ付中空成形品およ
び被覆中空成形品の製造方法の提供。 【解決手段】金型1に複数の凸部10を設け、この金型1
のキャビティ2に溶融樹脂30を一旦充満させた後、加圧
ガスの注入により溶融樹脂30の一部を排出し、その内部
に中空部16を形成する。冷却までの間、射出圧および注
入ガスの圧力が溶融樹脂30の表面部分を成形面へ押圧す
るので、良好な外観が確保される。また、凸部10に接す
る溶融樹脂30は、先行して冷却されるので、中空部16を
横断するリブ17となり、所望の強度および剛性が確保さ
れる。しかも、成形工程を増やす金属製のインサート等
が不要となり、中空成形品の製造効率が良好なものとな
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、内部に形成された
中空部を備え、この中空部を囲む側壁がリブで補強され
たリブ付中空成形品、および、このリブ付中空成形品の
表面部分に被覆用樹脂からなる被覆層を形成した被覆中
空成形品を製造するためのリブ付中空成形品および被覆
中空成形品の製造方法に関する。
【0002】
【背景技術】従来より、自動車のドアハンドルやアシス
トグリップ等の把手類として、充分な剛性を有する硬い
芯部分と、感触の良好な軟らかい表皮部分とを備えたも
のが利用されている。このような把手類を製造するにあ
たり、芯部分となる芯材を合成樹脂で射出成形した後、
この芯材を別の金型に設置し、この金型の内部に表皮部
分となる被覆用樹脂を射出し、芯材の表面を被覆するこ
とが行われている。なお、芯材となる合成樹脂をポリプ
ロピレン(以下、PPと略す)とし、被覆用樹脂をポリ
プロピレン系熱可塑性エラストマとすれば、オールオレ
フィン化され、成形品のリサイクルが可能となる。ここ
で、内部を中空にする、あるいは、表面部分は通常の樹
脂で形成し、内部を発泡樹脂で形成することにより、充
分な強度・剛性を確保しつつ、軽量化を図った成形品を
得ることができる。
【0003】このような強度・剛性および軽量化のすべ
てを確保した成形品を製造するために、以下に示すA)〜
B)のような製造方法が提案されている。 A)金型のキャビティに射出した溶融樹脂の内部にガスを
注入するにあたり、金型に複数のガス注入口を設け、こ
れらのガス注入口から同時にガス注入を行い、溶融樹脂
の内部に複数の中空部を形成し、これらの中空部の境界
に形成される樹脂の壁をリブとして利用し、成形品の剛
性が向上するようにした製造方法(特開平4-279313号公
報および特開平7-256679号公報)。 B)板状や十字形状の断面を有する金属製インサートを金
型のキャビティに装着した後、金型に溶融樹脂を射出す
るとともに、射出された溶融樹脂の内部にガスを注入す
ることにより、溶融樹脂の内部に中空部を形成し、剛性
の確保および軽量化の両方を達成するようにした製造方
法(特開平2-108510号公報)。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】上述の製造方法A)で
は、成形品のリブが形成された部分は肉厚が厚いので、
ガスを注入しても、ヒケが発生し、成形品の外観が損な
われるおそれがある。また、リブで全体的な剛性は確保
されているが、成形品は全体的に中空であり、周囲から
大きな圧力が加わると、リブのない部分が潰れることが
あるので、製造方法A)で得た成形品を被覆成形品の芯材
として利用しようとすると、被覆用樹脂を射出する際
に、金型内に設置した芯材が部分的に潰れ、肉厚が厚く
なり、ヒケが発生して被覆成形品の外観品質が損なわれ
るとともに、成形品の重量が重くなるという問題があ
る。ここで、芯材に形成されるリブの数を増やせば、周
囲からの大きな圧力に耐えられるようになるが、リブの
数を増やすには、ガスの注入口を多数設ける必要があ
り、金型の構造が複雑になる。しかも、ガス注入の跡が
芯材に多数形成され、被覆成形品の外観品質が損なわれ
るうえ、成形条件によっては、リブが形成される位置が
異なり、成形安定性や品質の均一性が損なわれるという
問題が発生する。製造方法B)では、インサート部材を金
型のキャビティに装着する工程が増え、その分だけ成形
のサイクルタイムが長くなるので、製造効率が損なわ
れ、成形品を大量生産する場合に生産性が良くないとい
う問題がある。また、樹脂成形においては、成形品を大
量に成形するにあたり、予め、ある程度の数のインサー
ト部材を作製しておき、金属製の部品として在庫してお
かなければならないので、在庫管理すべき部品・材料の
種類が増え、在庫管理が煩雑となる。そのうえ、インサ
ート部材は、成形品の軽量化にあたり、アルミニウム等
の軽量金属で形成する必要があり、コストを高くすると
いう問題もある。また、製造方法B)による軽量化は限界
に近づいており、現在以上に軽量化することが困難とな
っている。
【0005】本発明の目的は、生産性を損なうことな
く、外観品質、軽量性および強度・剛性が確保されるよ
うになるリブ付中空成形品および被覆中空成形品の製造
方法を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明の第1発明は、金
型のキャビティに射出された溶融樹脂の内部に加圧ガス
を注入することにより、内部に中空部が設けられるとと
もに、前記中空部を囲む側壁に補強用のリブが形成され
た成形品を製造するリブ付中空成形品の製造方法であっ
て、前記金型には、前記キャビティを挟んで対向してい
る一方の側面に基端が設けられるとともに、他方の側面
近傍まで先端が延びる凸部が設けられ、前記キャビティ
に前記溶融樹脂を一旦充満させた後、加圧ガスの注入に
より前記溶融樹脂の一部を前記キャビティから排出し、
前記溶融樹脂の内部に中空部を形成することを特徴とす
る。このような本第1発明では、溶融樹脂を金型のキャ
ビティに充満させるので、溶融樹脂の射出圧により、当
該溶融樹脂の表面部分が金型の成形面へ押圧され、当該
成形面に倣うようになり、金型の表面(成形面)に形成
された細かいリブやシボ等が確実に転写され、良好な外
観が確保される。しかも、ガス注入により、金型に充満
した溶融樹脂の一部を排出するにあたり、溶融樹脂が排
出される際の通路等に、溶融樹脂の流動を抑制する流動
抵抗を設けておけば、排出される溶融樹脂の排出速度が
抑えられ、中空部の形成時において中空部の形状を成形
品の形状に近づけることができ、軽量化が充分に図られ
るようになるうえ、ガス圧により、当該溶融樹脂の表面
部分が金型の成形面へ押圧され、この点からも、良好な
外観が確保される。また、金型の凸部に接する溶融樹脂
は、金型の表面(成形面)に接する溶融樹脂と同様に先
行して冷却されるので、ガスを注入して中空部を形成す
ると、成形品の内部には、凸部に沿って延びるととも
に、中空部を横断するリブが形成される。このリブによ
り、得られる成形品に充分な強度、剛性が付与されるよ
うになる。そのうえ、金型に設ける凸部の数を増やせ
ば、成形品に形成されるリブの数を増やすことができる
ので、必要数の凸部を設ければ、所望の強度および剛性
が確保されるようになるとともに、設計の自由度が拡大
される。従って、金属製等のインサートを用いることな
く、補強用のリブが形成され、このリブにより、所望の
強度および剛性が確保されるようになるので、成形工程
を増やす金属製のインサート等が不要となり、中空成形
品の製造効率が良好なものとなり、生産性が何ら阻害さ
れない。ここで、リブの数を増やすために、ガスの注入
口を増やす必要はないので、金型の構造が複雑になら
ず、かつ、ガス注入の跡も一つですみ、被覆成形品の外
観品質が損なわれることがない。
【0007】以上において、前記金型には、前記キャビ
ティから前記溶融樹脂を排出するための樹脂排出路と、
この樹脂排出路を開閉する開閉弁とが設けられており、
前記溶融樹脂の射出開始時には、前記開閉弁が閉鎖さ
れ、前記溶融樹脂で前記キャビティを充満させた後、前
記開閉弁が開放され、前記加圧ガスの注入が開始される
ことが望ましい。このようにすれば、樹脂排出路の断面
積を適宜設定することで、溶融樹脂の一部を排出するに
あたり必要となる、溶融樹脂の流動抵抗が適切に確保さ
れるようになり、加圧ガスの注入が開始されるまで、開
放弁を閉鎖しておけば、溶融樹脂の射出圧により得られ
た金型内の内圧が維持され、良好な外観が確実に確保さ
れるようになる。
【0008】また、前記金型には、前記キャビティから
排出された前記溶融樹脂を受けるスピルオーバー・キャ
ビティが前記キャビティとは別に設けられ、前記樹脂排
出路は、前記キャビティにおける前記溶融樹脂の流動末
端位置に開口され、前記スピルオーバー・キャビティ
は、前記樹脂排出路を介して前記キャビティに連通され
ることが好ましい。このようにすれば、流動末端位置か
ら溶融樹脂が排出されるようになるので、溶融樹脂をキ
ャビティへ導くゲートから溶融樹脂の流動末端まで延
び、所定容積となった中空部が確実に形成され、所期の
軽量化が確実に図れるようになる。しかも、キャビティ
から排出された溶融樹脂は、スピルオーバー・キャビテ
ィに収納されるので、成形品とならなかった樹脂の回収
が容易に行え、再利用が可能となって成形材料の無駄が
なくなる。
【0009】さらに、前記凸部の外形としては、柱状お
よび板状のいずれかを採用するのが好ましい。このよう
な柱状および板状の凸部を採用すれば、溶融樹脂の射出
時や、ガス注入時において、流動する溶融樹脂の流動抵
抗を最低限に抑制でき、金型に溶融樹脂が充満するまで
の時間や、中空部が完成するまでの時間が増大せず、成
形のサイクルタイムが著しく長くなることがなく、生産
性が損なわれない。また、柱状および板状の凸部は、そ
の延出方向を適宜設定することで、金型にアンダーカッ
トを形成しないので、金型の設計が容易となるうえ、成
形完了後に、金型からの成形品の取り出しが容易に行え
る。
【0010】本発明の第2発明は、表面に被覆用樹脂の
被覆層が形成されている被覆中空成形品の製造方法であ
って、内部に中空部が設けられるとともに、前記中空部
の対向する側壁を連結する凹状のリブが形成され、この
リブの内部の一端側が前記側壁に塞がれ、他端側が前記
側壁の外部に開口している合成樹脂製芯材を、金型のキ
ャビティに設置した後、前記被覆用樹脂からなる溶融樹
脂を前記金型内部へ射出することを特徴とする。このよ
うな本第2発明では、前述の第1発明で製造されたリブ
付中空成形品を芯材として利用することが可能となる。
これにより、強度、剛性が高く、軽い中空の芯材が得ら
れるうえ、この中空の芯材の内部には、被覆用樹脂の射
出圧に耐えうるのに必要な数のリブが形成されるように
なり、被覆用樹脂を射出する際に、金型内に設置した芯
材が潰れることがなくなり、被覆樹脂に過度の厚肉部が
生じることなく、ヒケの発生が未然に防止され、被覆中
空成形品の外観品質や軽量性が確保されるようになる。
【0011】以上において、前記金型の側壁には、前記
合成樹脂製芯材を位置決めするための突出部が設けら
れ、この突出部を、前記合成樹脂製芯材に設けられた前
記凹状のリブの内部に挿入し、前記突出部と前記リブの
開口との嵌合により、前記合成樹脂製芯材を前記金型の
所定位置に配置することが好ましい。このようにすれ
ば、合成樹脂製芯材の金型への装着が容易に行えるよう
になるうえ、合成樹脂製芯材が金型の所定位置に正確に
配置されるようになり、成形後の芯材の表面に被覆され
た被覆用樹脂の厚さが正確に所期の厚さとなり、被覆中
空成形品の寸法精度が向上する。
【0012】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の一形態を図
面に基づいて説明する。図1および図2には、本実施形
態に係る金型1が示されている。この金型1は、自動車
部品であるアシストグリップの芯材となる中空成形品を
成形するものである。なお、金型1は、図示しない射出
成形機に設置され、金型1の内部に当該射出成形機から
射出される溶融樹脂が充填されるようになっている。金
型1には、溶融樹脂を賦形するためのキャビティ2と、
前述の射出成形機のノズルに直接接続されるスプル3
と、このスプル3からキャビティ2まで延びるランナ4
と、キャビティ2に充填された溶融樹脂の内部に加圧ガ
スを注入するためのガス注入ピン5とが設けられてい
る。このうち、ガス注入ピン5は、溶融樹脂のキャビテ
ィ2への入口であるゲート6の近傍、もしくは、ゲート
6よりも下流側のキャビティ2内に設けられるものであ
る。また、金型1には、キャビティ2に充填された溶融
樹脂の一部を排出するための樹脂排出路7と、キャビテ
ィ2から排出された溶融樹脂を受けるスピルオーバー・
キャビティ8とが設けられている。
【0013】樹脂排出路7は、キャビティ2における溶
融樹脂の流動末端位置、もしくは、その近傍に開口され
たものである。樹脂排出路7の断面積は、溶融樹脂の一
部を排出するにあたり、溶融樹脂の流動抵抗が適切に確
保されるように、ランナ4よりも充分小さく設定されて
いる。樹脂排出路7の中間部分には、シャットオフ・ピ
ン9が樹脂排出路7に対して突没可能に設けられてい
る。このシャットオフ・ピン9は、樹脂排出路7を開閉
する開閉弁となっている。キャビティ2とスピルオーバ
ー・キャビティ8とは、金型1の内部に別個に設けられ
た空洞であり、樹脂排出路7により相互に連通可能とな
っている。キャビティ2は、最終的な成形品である自動
車のアシストグリップよりも表面に被覆される樹脂の厚
みだけ小さく形成されたものである。金型1のキャビテ
ィ2内には、柱状の凸部10が複数設けられている。各凸
部10は、このキャビティ2を挟んで対向している一方の
側面11に基端12が設けられるとともに、他方の側面13の
近傍まで先端14が延びたものとなっている。また、凸部
10の延出方向は、金型1の開閉方向と同じとなってい
る。なお、金型1には、最終成形品であるアシストグリ
ップを自動車に取り付けるために、当該アシストグリッ
プに設けられる被固定部となる金具、例えば、埋め込み
ナットや取り付けピン等を固定する固定機構(図示略)
が設けられている。この固定機構により、金具を成形品
に一体化させるインサート成形を行うことが可能となっ
ている。このような固定機構は、前述の凸部10の一部を
利用して構成することも可能である。
【0014】このような金型1を用いるとともに、本発
明に基づくガス注入射出成形を行うことにより、リブ付
中空成形品が成形される。例えば、図3に示されるよう
に、内部が中空となった被覆成形用芯材15が得られるよ
うになっている。この被覆成型用芯材15は、図の如く、
外観上の厚さ寸法が大きい厚肉部15A と、厚さ寸法が小
さい薄肉部15B とを有するものである。被覆成型用芯材
15の内部には、全体が連続している中空部16と、この中
空部16の対向する内側面を連結する複数のリブ17とが形
成されている。リブ17の内部は、空間となっており、そ
の一端側が芯材15の外部に開口されている。これによ
り、リブ17の内部は、芯材15の位置決めに利用される位
置決め孔18となっている。なお、位置決めのためには、
通常、これらの中の一部が用いられる。
【0015】なお、本実施形態では、金型1の他に、図
示していない前述の射出成形機、ガス注入ピンに加圧ガ
スを供給するガス供給装置、および、金型1で成形した
芯材に被覆用樹脂を被覆するための被覆成形用金型が用
いられる。以下に、これらの射出成形機、ガス供給装置
および被覆成形用金型について説明する。射出成形機
は、熱可塑性樹脂の射出成形を行う標準的な射出成形機
である。ここで、成形用の樹脂としては、ポリエチレ
ン、ポリプロピレン、ポリスチレン、ABS、ポリカー
ボネートおよびポリアミド等が採用できるが、ガス注入
射出成形を行うという観点から、成形の材料となる基材
は、ポリプロピレンおよびポリスチレンを採用するのが
好ましい。また、樹脂には、タルクや補強繊維等の添加
剤を混入してもよい。
【0016】ガス供給装置は、窒素等の不活性ガスおよ
び圧縮空気等の加圧ガスを発生する加圧ガス供給源と、
金型1へ注入された加圧ガスの圧力を制御する制御手段
と、加圧ガスを金型1へ導く供給ラインと、金型1に注
入した加圧ガスを排出する脱圧ラインとを備えたもので
ある。具体的には、加圧ガス供給源としては、窒素発生
装置および昇圧機を備えた装置、または、高圧窒素ボン
ベが採用できる。制御手段としては、金型1内に注入さ
れる加圧ガスの圧力を約3〜20MPa の範囲となるよう
に調節する圧力調節弁と、射出成形機が起動した後、ガ
ス注入を自動的に開始するための時限装置(タイマー)
と、ガス注入が完了した後、脱圧を自動的に開始するた
めの時限装置と、供給ラインおよび脱圧ラインの各ライ
ンに設けられるととに、当該ラインを開閉する電磁弁等
の自動開閉弁とを有するものが採用できる。
【0017】被覆成形用金型は、自動車部品であるアシ
ストグリップの表皮となる、軟質ポリ塩化ビニル樹脂や
熱可塑性エラストマ等の軟質樹脂を、金型1で成形した
芯材の表面に被覆成形するためのものである。この被覆
成形用金型には、当該被覆成形用金型の内部に設置した
芯材を固定するための固定手段と、ガス注入射出成形で
得られた芯材のガス注入跡を塞ぐ閉鎖手段が設けられて
いる。具体的には、被覆成形用金型の内側壁には、芯材
を位置決めするために、複数の突出部が設けられてい
る。この突出部は、金型1で形成された芯材15の位置決
め孔18(図3参照)に挿入されるものである。ここで、
突出部を位置決め孔18の奥まで嵌合することより、芯材
15が被覆成型用の金型の所定位置に固定されるようにな
っている。これにより、突出部は、芯材15を固定する固
定手段となっている。また、突出部の位置決め孔18への
嵌合により、芯材15が被覆成形用金型の所定位置に配置
されるようになっている。換言すれば、突出部および位
置決め孔18は、芯材15を被覆成形用金型の所定位置に配
置する位置決め手段となっている。
【0018】一方、芯材15には、図4に示されるよう
に、ガス注入射出成形時にガスを注入した際の跡である
開口19が形成されている。この開口19の周囲には、芯材
15の表面から立ち上がる立ち上がり部19A が形成されて
いる。ここで、開口19が被覆用樹脂で覆われる被覆部分
に形成されている芯材15を用いる場合、このような芯材
15が装着される被覆成型用金型20には、当該開口19を塞
ぐ閉鎖手段が設けられている。すなわち、金型20には、
キャビティ21の内側面である成形面22から先端が突出す
る円柱状のピン23が設けられている。このピン23の先端
部分には、端部側が階段状に縮径された栓部24が設けら
れている。栓部24は、芯材15の開口19の内部に挿入さ
れ、当該開口19を塞ぐ閉鎖手段となっている。栓部24の
外周面には、シール用のOリング25が装着され、このO
リング25は、栓部24の外周面に形成された溝26にはめ込
まれている。これにより、金型20内に被覆用樹脂を射出
しても、芯材15の中空部16内に被覆用樹脂が浸入できな
いようになっている。このような被覆成形用金型20の内
部に芯材15を固定した後、被覆用樹脂である軟質樹脂を
金型20の内部に射出することで、図5に示されるよう
に、表面に軟質樹脂の被覆層27が形成されるとともに、
中空部16を有するアシストグリップ28が成形されるよう
になっている。
【0019】次に、本実施形態における芯材15およびア
シストグリップ28の成形手順について説明する。まず、
金型1を装着した射出成形機に型締動作を行わせるとと
もに、シャットオフ・ピン9に樹脂排出路7を閉鎖さ
せ、この状態で、射出成形機から溶融樹脂を射出する。
これにより、図6(A)に示されるように、金型1のキ
ャビティ2を溶融樹脂30で充満させる。この際、溶融樹
脂30をキャビティ2に充満させることにより、キャビテ
ィ2内の溶融樹脂30には、射出圧による内部圧力が残
り、この内部圧力が溶融樹脂30の表面部分を金型1の成
形面に押圧して当該成形面に倣わせ、細かいリブやシボ
面等を確実に転写させ、成形品の外観を良好なものとす
る。
【0020】次に、キャビティ2が溶融樹脂30で充満し
てから所定時間が経過すると、加圧ガス供給ラインの自
動開閉弁が自動的に開き、加圧ガスの注入が開始され
る。加圧ガスの注入開始の直後、あるいは、注入開始後
5秒以内に、シャットオフ・ピン9が後退し、樹脂排出
路7が開いた状態となる。注入された加圧ガスは、溶融
樹脂30の一部を、すなわち、溶融樹脂30のうち、内側に
あるために冷却が進んでいない低粘度の高流動性部分を
キャビティ2からスピルオーバー・キャビティ8へ排出
する。これにより、図6(B)に示されるように、溶融
樹脂30の内部にスピルオーバー・キャビティ8まで到達
する中空部16が形成される。この際、凸部10の周囲の溶
融樹脂30は、当該凸部10に接触し、金型1の表面(成形
面)近傍の溶融樹脂30と同様に、早く冷却されるので、
凸部10の周囲から離れずに残り、リブ17を形成する。そ
して、金型1に充満した溶融樹脂30の一部を排出するに
あたり、溶融樹脂30の流動抵抗を確保するために、樹脂
排出路7の断面積は小さくしてあるので、溶融樹脂30の
排出速度が抑えられ、中空部16の形成時に、当該中空部
16の形状が成形品の形状に近づくようになる、すなわ
ち、肉厚が均一となるうえ、ガス圧により、溶融樹脂30
の表面部分が金型1の成形面に押圧され、成形品の良好
な外観が維持される。
【0021】また、成形品は、加圧ガスの注入タイミン
グを加減することにより、中空部16を包囲する外殻部30
A の厚さを調節することができる。具体的には、外殻部
30Aを厚くしたい場合には、加圧ガスの注入タイミング
を遅らせ、逆に、外殻部30Aを薄くしたい場合には、加
圧ガスの注入タイミングを早めればよい。なお、成形材
料としてタルク入りPPを採用してアシストグリップの
芯材を成形する場合には、加圧ガスの圧力を3〜20MP
a の範囲、好ましくは、5〜15MPa の範囲に設定し、
キャビティ2が溶融樹脂30で充満した直後から10秒後
以内に、ガス注入を開始することが望ましい。続いて、
溶融樹脂30の内部に形成した中空部16内に注入された加
圧ガスの圧力を所定時間保持した後、脱圧ラインの自動
開閉弁が自動的に開き、中空部16内の加圧ガスの圧力を
大気圧まで下げる。なお、タルク入りPPからなる溶融
樹脂30に、前述のような条件で、加圧ガスを注入する場
合、保持時間を5〜30秒の範囲に設定するのが好まし
い。そして、溶融樹脂30が充分冷却したとみなせる冷却
時間が経過した後、金型1を開くと、図3に示した芯材
15が取り出される。
【0022】上述のような手順で中空成形品が得られた
ら、この中空成形品を芯材として用いて被覆成形を行
う。すなわち、金型1で成形した芯材15には、スピルオ
ーバー・キャビティ8および樹脂排出路7に収納された
樹脂部分が付着しているので、この樹脂部分を芯材15か
ら切り離す。ここで、芯材15から樹脂部分を切り離す
と、その芯材15側の切り口は、芯材15の外部と中空部16
とを連通する開口となっている。この切り口が被覆用樹
脂の被覆部分に形成されている場合には、被覆用樹脂の
射出時に、切り口から中空部16内へ被覆用樹脂が浸入し
ないように、切り口の周縁同士を溶着して閉鎖しておく
か、予め被覆成形用金型20に圧着手段を設けておき、金
型20を型締めする際に、芯材15の切り口が自動的に閉鎖
されるようにしておく。次に、芯材15をキャビティ21内
に装着した金型20を型締めした状態で、射出成形機から
キャビティ21へ被覆用樹脂である軟質樹脂を射出させ、
芯材15を被覆する。そして、軟質樹脂が充分冷却したと
見なせる時間が経過した後、金型20を開放すると、図5
に示したように、芯材15の表面に、軟らかく感触の良い
被覆層27が形成されたアシストグリップ28が取り出され
る。なお、射出する軟質樹脂としては、環境安全性を考
慮すると、非架橋タイプのポリオレフィン系熱可塑性エ
ラストマを採用するのが好ましい。
【0023】前述のような本実施形態によれば、次のよ
うな効果がある。すなわち、溶融樹脂30を金型1のキャ
ビティ2に射出・充満させた後、ガスの注入を開始する
ようにしたので、溶融樹脂30の射出圧により、当該溶融
樹脂30の表面部分が金型1の成形面へ押圧され、溶融樹
脂30が金型1成形面に倣い、細かいリブやシボ面の転写
性が向上するようになり、成形品の外観品質を良好なも
のとできる。しかも、ガスを注入して溶融樹脂30を排出
するにあたり、溶融樹脂30の流動抵抗が適切に確保され
るように、樹脂排出路7の断面積を比較的小さく設定し
たので、排出される溶融樹脂30の排出速度が抑えられ、
中空部16の形成時に、当該中空部16の形状が成形品の形
状に近づくようになるうえ、ガス圧により、溶融樹脂30
の表面部分が金型1の成形面に押圧され、この点から
も、成形品の外観品質を良好なものとできるうえ、所定
の形状の中空部16を確実に形成できる。
【0024】また、金型1の対向する成形面の一方から
他方の近傍まで延びる凸部10を設け、金型1に射出され
た溶融樹脂30のうち凸部10に接する部分が、金型1の成
形面に接する溶融樹脂30と同様に先行して冷却されるよ
うにしたので、ガスの注入で中空部16を形成すると、凸
部10に接する溶融樹脂により、中空部16を横断するリブ
17が形成され、中空の成形品に充分な強度・剛性を付与
することでできる。そのうえ、金型1に設ける凸部10の
数を増やせば、成形品に形成されるリブ17の数を増やす
ことができるので、必要数の凸部10を設ければ、成形品
に所望の強度および剛性を確実に付与することができ
る。ここで、リブ17の数を増やすために、金型1に設け
るガス注入口を増やす必要はないので、金型1の構造が
複雑にならず、かつ、ガス注入の跡も一つですみ、被覆
成形品の外観品質が損なわれることがない。従って、金
属製等のインサートを用いることなく、補強用のリブ17
が形成され、このリブ17により、所望の強度および剛性
が確保されるようになるので、成形工程を増やす金属製
のインサート等が不要となり、中空成形品の製造効率が
良好なものとなり、生産性が何ら阻害されない。
【0025】さらに、樹脂排出路7を開閉する開閉弁と
してのシャットオフ・ピン9を設け、溶融樹脂10の射出
開始時に、シャットオフ・ピン9で樹脂排出路7を閉鎖
し、溶融樹脂30でキャビティ2を充満させた後、樹脂排
出路7を開放し、加圧ガスの注入を開始するようにした
ので、溶融樹脂10の射出圧により得られた金型1内の内
圧が維持され、成形面に設けられた細かいリブやシボ面
等が確実に成形品に転写されるようになり、優れた外観
品質を成形品に付与することができる。
【0026】また、キャビティ2から排出された溶融樹
脂30を受けるスピルオーバー・キャビティ8をキャビテ
ィ2とは別に設け、キャビティ2から排出された溶融樹
脂30がスピルオーバー・キャビティ8に収納されるよう
にしたので、成形品とならなかった樹脂の回収が容易に
行え、当該樹脂の再利用を図ることができ、成形材料の
無駄をなくすことができる。さらに、溶融樹脂30のキャ
ビティ2への入口であるゲート6の近傍、もしくは、ゲ
ート6下流直下のキャビティ2側面にガス注入ピン5を
設け、キャビティ2における溶融樹脂30の流動末端位置
もしくはその近傍に樹脂排出路7を開口したので、ゲー
ト6の近傍からスピルオーバー・キャビティ8まで到達
する、所定容積の中空部16が確実に形成されるようにな
り、溶融樹脂30の射出圧および中空部11内のガス圧によ
り優れた転写性が達成され、この優れた転写性により、
得られる中空成形品の外観品質を向上できる。
【0027】さらに、金型1の凸部10の外形を柱状とし
たので、溶融樹脂30の射出時や、ガス注入時において、
流動する溶融樹脂30の流動抵抗を最低限に抑制でき、金
型1に溶融樹脂が充満するまでの時間や、中空部16が完
成するまでの時間が増大せず、成形のサイクルタイムが
著しく長くなることがなく、生産性を損なうことがな
く、しかも、柱状の凸部10は、図2に示したように、金
型1の開閉方向に延びているので、金型1にアンダーカ
ットを形成せず、金型1の設計を容易にできるととも
に、金型1の構造を簡単にできるうえ、成形が完了した
成形品の金型1からの取り出しを容易に行うことができ
る。
【0028】また、複数の凸部10を備えた金型1でガス
注入射出成形を行うことにより、外観を損なうことな
く、複数のリブ17が芯材15に形成されるようにし、この
芯材15を被覆成形するようにしたので、芯材15は、複数
のリブ17により補強され、射出時に被覆用樹脂の射出圧
で潰れることがなくなり、得られる被覆中空成形品に優
れた外観品質を付与することができる。
【0029】さらに、被覆成形用金型20の側壁に芯材15
を位置決めするための突出部を設け、この突出部を、芯
材15のリブ17の内部に形成された位置決め孔18に挿入
し、金型20の突出部と芯材15の位置決め孔18との嵌合に
より、芯材15を金型20の所定位置に配置するようにした
ので、芯材15の金型20への装着が容易に行えるようにな
るうえ、芯材15が金型20の所定位置に正確に配置される
ようになり、成形後の芯材15の表面に被覆された被覆用
樹脂の厚さを正確に所期の厚さとでき、被覆中空成形品
の寸法精度を向上することができる。
【0030】また、表面部分の外殻部30A により良好な
外観を確保し、かつ、その内部の中空部16で軽量化が達
成され、しかも、複数のリブ17で高い強度・剛性が確保
されるようになるので、上述のような芯材15およびアシ
ストグリップ28を成形した成形手順で得られた中空成形
品および被覆中空成形品は、大量生産が容易なことか
ら、自動車の他の部品への適用により、自動車のコスト
ダウンが図れるとともに、自動車の軽量化が図れ、燃費
の向上にも貢献できる。
【0031】そのうえ、高剛性の芯材15が下地となるの
で、被覆用樹脂の被覆層は薄くても、被覆中空成形品の
軽量性および剛性はそのまま維持できるうえ、高価では
あるが優れた特性を有する被覆用樹脂を採用しても、そ
の使用量が抑えられるので、被覆層の優れた特性を確保
するとともにコストダウンを行うことができる。
【0032】また、前述の手順で被覆軽量成形品を成形
すれば、被覆用樹脂として、芯材となる軽量成形品と同
じものを採用する必要がないうえ、芯材が下地となるの
で、それ自体で形状を維持できない軟らかい樹脂等、様
々な樹脂が採用できるようになり、用途に応じた特性、
例えば、耐薬品性、耐摩耗性、硬さおよび軟らかさのい
ずれかに優れたもの、あるいは、添加剤による特殊処理
を施されたもの、特定の色に着色されたもの等が適宜選
択でき、各種の用途に最適な成形品を得ることができ
る。また、軽量成形品の外殻部30A の厚さは、加圧ガス
の注入タイミングを加減することにより、調節可能なの
で、必要となる剛性などに応じた厚さの外殻部30Aが得
られるようになり、この点からも、各種の用途に最適な
成形品を得ることができる。
【0033】
【実施例】次に、本発明の効果を具体的な実施例に基づ
いて説明する。 〔実施例〕本実施例は、前述の成形手順により、被覆軽
量成形品である自動車用のアシストグリップを成形する
実験である。本実施例では、前記実施形態の金型1でリ
ブ付中空成形品を成形し、このリブ付中空成形品を芯材
15として被覆成形用金型の内部に設置し、この被覆成形
用金型に被覆用樹脂を射出することで、アシストグリッ
プ28を得るものである。なお、リブ付中空成形品を成形
するにあたり、金型1内に溶融樹脂30を射出し、溶融樹
脂30でキャビティ2を充満し、次いで、溶融樹脂30の内
部に加圧ガスを注入し、溶融樹脂30の一部をキャビティ
2の外部に排出し、その内部に中空部16および複数のリ
ブ17が同時に形成されるようにする。これにより、高強
度・高剛性かつ軽量な成形品が得られるようにしてい
る。
【0034】本実施例の金型1は、図1で示したもので
あり、キャビティ2のゲート6近傍に設けられたガス注
入ピン5と、溶融樹脂30の流動末端位置に開口された樹
脂排出路7を介してキャビティ2と連通するスピルオー
バー・キャビティ8と、複数の凸部10とを備えている。
なお、図1には示されていないが、金型1は、成形品を
形成するキャビティ2を左右に二つ有する、いわゆる左
右二個取りとされたものである。本実施例の被覆成形用
金型は、金型1で成形した芯材をキャビティ内に固定す
る構造を有するものであり、金型1と同様に、成形品を
形成するキャビティを左右に二つ有する、いわゆる左右
二個取りとなっている。本実施例の芯材を成形する材料
としては、PP(出光石油化学株式会社製 商品名:TR
163; MI=20g/10分,230℃,2.16kg荷重)を採用す
る。また、被覆用樹脂としては、軟質塩化ビニル樹脂
(電気化学工業株式会社製商品名:MK-57353)を採用す
る。
【0035】〔比較例〕本比較例は、凸部10を省略した
金型に溶融樹脂を射出し、金型内の溶融樹脂にガスを注
入することで、前記実施例と同様の外観を有する中空成
形品を得る。そして、この中空成形品を芯材として被覆
成形を行って、前記実施例と同様のアシストグリップを
得ようとする実験である。なお、本比較例では、芯材を
成形するのに、凸部10を省略した以外は、前記実施例と
同様の金型1を採用する。また、被覆成形用金型ならび
に成形手順は、前記実施例と同様のものを採用する。た
だし、芯材となる軽量成形品を成形するにあたり、その
重量が前記実施例と同一となるように中空部の容積を加
減する。
【0036】〔共通射出条件〕実施例および比較例で
は、成形機として、射出成形機(三菱重工株式会社製:
650MGW、型締力650t)を採用する。また、中
空成形品の成形条件としては、以下のような数値を採用
する。 中空成形品の成形条件 溶融樹脂温度 ; 230℃ 金型温度 ; 45℃ 射出時間 ; 3.0秒間 冷却時間 ; 50秒間 中空成形におけるガス注入条件 金型へのガス注入圧力 ; 12MPa ガス注入タイミング ;射出開始から 3.5秒後 シャットオフ・ピン開タイミング;射出開始から 3.5秒後 ガス注入時間 ; 1.0秒間 ガス圧保持時間 ; 20秒間 ガス減圧時間 ; 5秒間 被覆中空成形品の成形条件としては、以下のような数値を採用する。 被覆中空軽量成形品の成形条件 溶融樹脂温度 ; 200℃ 金型温度 ; 45℃ 射出時間 ; 4.0秒間 保圧時間 ; 8.0秒間 冷却時間 ; 50秒間
【0037】〔実験結果〕前記実施例では、ヒケによる
表面の凹み等の不具合が一切発生せず、外観品質に優
れ、かつ、重量が軽く高強度・高剛性のアシストグリッ
プが得られた。これに対し、前記比較例では、芯材が中
空であり、内部にリブが全くなく、剛性が確保できない
ことから、被覆成形時に、被覆成形用金型に射出される
被覆用樹脂中空の圧力に抗しきれず、芯材の表面部分を
凹ましたり、芯材内部に被覆用樹脂が浸入しやすい。こ
のため、図7に示されるように、射出時に被覆用樹脂41
が芯材42の表面を部分的に凹ませ、ヒケによる凹み43が
形成されてしまった成形品44や、図8に示されるよう
に、被覆用樹脂45が芯材46の中空部47の内部に浸入する
とともに芯材46の一部分を潰した成形品48等の不良品が
発生し、不良率が著しく高かった。
【0038】以上、本発明について好適な実施形態を挙
げて説明したが、本発明は、この実施形態に限られるも
のでなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において種々
の改良並びに設計の変更が可能である。例えば、成形品
としてのアシストグリップの形状は、前記実施形態で示
したものに限らず、特開平7-256679号公報に示されるよ
うに、U字形状に折れ曲がった鞄の把手に類似した形状
のものでもよい。また、中空成形品の成形材料として
は、PPに限らず、ポリエチレン、ポリスチレン、AB
S、ポリカーボネートおよびポリアミド等の合成樹脂で
もよく、具体的な成形材料は実施に当たり適宜選択でき
る。さらに、前記実施形態では、溶融樹脂の射出が完了
した後に、ガスの注入を開始したが、溶融樹脂が充分に
冷えるまで、途絶えることなく、射出圧またはガス圧で
溶融樹脂を金型の成形面に押圧できれば、ガスの注入
は、溶融樹脂の射出中に開始してもよい。ただし、前記
実施形態のように、射出完了の後、ガスの注入を開始す
れば、ガス注入開始のタイミングを早めたり遅らせたり
することで、中空成形品の外殻部の厚さを調節できると
いう効果が得られる。
【0039】また、被覆用樹脂としては、軟質樹脂に限
らず、用途に応じた特性、例えば、耐薬品性、耐摩耗
性、硬さおよび軟らかさのいずれかに優れたもの、ある
いは、添加剤による特殊処理を施されたもの、特定の色
に着色されたもの等が適宜採用することができる。さら
に、中空成形品を形成する金型に設けられるリブ形成用
の凸部としては、柱状のものに限らず、板状のものや、
柱状および板状を組み合わせたものでもよく、溶融樹脂
の射出時やガスの注入時に、溶融樹脂の流動を妨げない
ものであれば、その形状は実施にあたり適宜選択でき
る。また、リブ付中空成形品としては、被覆軽量成形品
の芯材に限らず、把手、食器、家具、建築用資材および
家電製品のハウジング等、被覆成形を行わないで、それ
自体で製品や部品となる成形品でもよく、これらの成形
品に本発明を適用すれば、その優れた金型表面転写性に
より良好な外観を付与することができる。
【0040】
【発明の効果】以上のように、本発明によれば、生産性
を損なうことなく、軽量化および高強度・高剛性を確保
できるうえ、優れた外観品質を確保することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態に係る金型を示す断面図で
ある。
【図2】図1のII−II線における断面図である。
【図3】前記実施形態に係るリブ付中空成形品を示す断
面図である。
【図4】前記実施形態に係る被覆成型用金型の要部を示
す断面図である。
【図5】前記実施形態に係る被覆中空成形品を示す断面
図である。
【図6】前記実施形態に係る成形手順を説明するための
図である。
【図7】比較例に係る成形品を示す断面図である。
【図8】比較例に係る別の成形品を示す断面図である。
【符号の説明】
1 金型 2 キャビティ 7 樹脂排出路 8 スピルオーバー・キャビティ 9 開閉弁としてのシャットオフ・ピン 10 凸部 11,13 対向する側面 12 凸部の基端 14 凸部の先端 18 リブの開口である位置決め孔 15 リブ付中空成形品である芯材 16 中空部 17 リブ 27 被覆用樹脂層としての被覆層 28 被覆軽量成形品であるアシストグリップ 30 溶融樹脂
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI B29L 22:00

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】金型のキャビティに射出された溶融樹脂の
    内部に加圧ガスを注入することにより、内部に中空部が
    設けられるとともに、前記中空部を囲む側壁に補強用の
    リブが形成された成形品を製造するリブ付中空成形品の
    製造方法であって、 前記金型には、前記キャビティを挟んで対向している一
    方の側面に基端が設けられるとともに、他方の側面近傍
    まで先端が延びる凸部が設けられ、前記キャビティに前
    記溶融樹脂を一旦充満させた後、加圧ガスの注入により
    前記溶融樹脂の一部を前記キャビティから排出し、前記
    溶融樹脂の内部に中空部を形成することを特徴とするリ
    ブ付中空成形品の製造方法。
  2. 【請求項2】請求項1に記載のリブ付中空成形品の製造
    方法において、前記金型には、前記キャビティから前記
    溶融樹脂を排出するための樹脂排出路と、この樹脂排出
    路を開閉する開閉弁とが設けられており、前記溶融樹脂
    の射出開始時には、前記開閉弁が閉鎖され、前記溶融樹
    脂で前記キャビティを充満させた後、前記開閉弁が開放
    され、前記加圧ガスの注入が開始されることを特徴とす
    るリブ付中空成形品の製造方法。
  3. 【請求項3】請求項2に記載のリブ付中空成形品の製造
    方法において、前記金型には、前記キャビティから排出
    された前記溶融樹脂を受けるスピルオーバー・キャビテ
    ィが前記キャビティとは別に設けられ、前記樹脂排出路
    は、前記キャビティにおける前記溶融樹脂の流動末端位
    置に開口され、前記スピルオーバー・キャビティは、前
    記樹脂排出路を介して前記キャビティに連通されている
    ことを特徴とするリブ付中空成形品の製造方法。
  4. 【請求項4】請求項1ないし請求項3のいずれかに記載
    のリブ付中空成形品の製造方法において、前記凸部の外
    形が柱状および板状のいずれかであることを特徴とする
    リブ付中空成形品の製造方法。
  5. 【請求項5】表面に被覆用樹脂の被覆層が形成されてい
    る中空成形品を製造する被覆中空成形品の製造方法であ
    って、 内部に中空部が設けられるとともに、前記中空部の対向
    する側壁を連結する凹状のリブが形成され、このリブ
    は、その内部の一端側が前記側壁に塞がれ、他端側が前
    記側壁の外部に開口している、合成樹脂製芯材を金型の
    キャビティに設置した後、前記被覆用樹脂からなる溶融
    樹脂を前記金型内部へ射出することを特徴とする被覆中
    空成形品の製造方法。
  6. 【請求項6】請求項5に記載の被覆中空成形品の製造方
    法において、前記金型の側壁には、前記合成樹脂製芯材
    を位置決めするための突出部が設けられ、この突出部
    を、前記合成樹脂製芯材に設けられた前記凹状のリブの
    内部に挿入し、前記突出部と前記リブの開口との嵌合に
    より、前記合成樹脂製芯材を前記金型の所定位置に配置
    することを特徴とする被覆中空成形品の製造方法。
JP11355598A 1998-04-23 1998-04-23 リブ付中空成形品および被覆中空成形品の製造方法 Pending JPH11300775A (ja)

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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR101387394B1 (ko) * 2011-12-30 2014-04-22 연세대학교 산학협력단 복합재 중공구조물 제조방법 및 그 금형

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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR101387394B1 (ko) * 2011-12-30 2014-04-22 연세대학교 산학협력단 복합재 중공구조물 제조방법 및 그 금형

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