JPH11300496A - 粉末成形用金型 - Google Patents

粉末成形用金型

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JPH11300496A
JPH11300496A JP10813498A JP10813498A JPH11300496A JP H11300496 A JPH11300496 A JP H11300496A JP 10813498 A JP10813498 A JP 10813498A JP 10813498 A JP10813498 A JP 10813498A JP H11300496 A JPH11300496 A JP H11300496A
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cam
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powder
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Masaki Saito
藤 雅 基 斉
Takayuki Hirao
尾 隆 行 平
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    • B28WORKING CEMENT, CLAY, OR STONE
    • B28BSHAPING CLAY OR OTHER CERAMIC COMPOSITIONS; SHAPING SLAG; SHAPING MIXTURES CONTAINING CEMENTITIOUS MATERIAL, e.g. PLASTER
    • B28B3/00Producing shaped articles from the material by using presses; Presses specially adapted therefor
    • B28B3/02Producing shaped articles from the material by using presses; Presses specially adapted therefor wherein a ram exerts pressure on the material in a moulding space; Ram heads of special form
    • B28B3/08Producing shaped articles from the material by using presses; Presses specially adapted therefor wherein a ram exerts pressure on the material in a moulding space; Ram heads of special form with two or more rams per mould
    • B28B3/086The rams working in different directions

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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】 粉末成形する際に、アンダーカット部の偏
芯、真円度の低下、バリの発生を防止する。 【解決手段】 被成形体の輪郭の一部を画定する成形空
間を形成すると共に各々の端面10b,20bが所定間
隔をおいて対向するように配置される上ダイス10及び
下ダイス20と、両ダイスの対向する端面間に挟み込ま
れるように配置されかつ被成形体のアンダーカット部を
画定する型部分31b,32bが成形時に形空間10
a,20a内の所定位置まで進出し非成形時に成形空間
から後退するように端面に沿って往復動自在に配置され
た第1及び第2カムダイスプレート31 32からなる
カムダイス30とを備え、アンダーカット部を有する被
成形体成形用金型において、第1及び第2カムダイスプ
レートと下ダイスに位置決め面31e,32e,20c
を設け、成形時にカムダイスが成形空間内に進出したと
ころで当接して位置決めされるようにした。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、アンダーカット部
を有する部品を粉末成形するための粉末成形用金型に関
する。
【0002】
【従来の技術】粉末材料を加圧して全周にアンダーカッ
ト部を有する部品を成形する従来の粉末成形用金型とし
ては、例えば図9に示すものが存在する。この粉末成形
用金型は、粉末材料が充填されるダイ孔1a,2aを有
し、上下方向に分割されて所定間隔をおいて配置される
下ダイス1及び上ダイス2と、この下ダイス1及び上ダ
イス2の対向する端面1b,2b間に挟むように配置さ
れて水平方向において上記ダイ孔1a,2aに対し進退
移動させられる第1カムダイスプレート3L及び第2カ
ムダイスプレート3Rからなるカムダイス3と、このカ
ムダイス3すなわち第1カムダイスプレート3L及び第
2カムダイスプレート3Rをそれぞれ駆動する第1油圧
シリンダ4L及び第2油圧シリンダ4Rからなる駆動機
構4等を備えている。
【0003】そして、粉末材料の加圧成形を行なう場合
は、図9に示すように、第1及び第2油圧シリンダ4
L,4Rを作動させて下ダイス1と上ダイス2とに挟ま
れた第1及び第2カムダイスプレート3L,3Rをダイ
孔1a,2a内に向けて進出させ、それらの端部3L
a,3Rbを当接させた状態で粉末材料を供給し、上下
パンチ(不図示)によりこの供給された粉末材料に所定
の圧力を加えることになる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記従
来の粉末成形用金型においては、第1油圧シリンダ4L
の加圧力と第2油圧シリンダ4Rの加圧力との間に圧力
差が生じると、第1及び第2カムダイスプレート4L,
4Rのアンダーカット型部3Lb,3Rbの中心C
下ダイス1及び上ダイス2のそれぞれのダイ孔1a,2
bの中心線Cからずれることになる。従って、この状
態で成形処理が行なわれると、成形品は、その環状をな
すアンダーカット部の中心が柱状をなす本体の中心線か
らずれた不良品として得られることになる。
【0005】このような不良品の発生を防止するには、
第1及び第2カムダイスプレート3L,3Rを駆動する
第1油圧シリンダ4L及び第2油圧シリンダ4Rの取り
付け位置,作動圧力等を高精度に調節,コントロール等
する必要があり、その結果製造コストの増加等を招くこ
とになる。
【0006】本発明は、上記従来技術の問題点に鑑みて
成されたものであり、その目的とするところは、カムダ
イス3を駆動する駆動機構4の高精度なコントロール、
あるいは、カムダイス3の先端位置の微妙な調節を行な
うことなく、アンダーカット部の偏芯あるいはバリの発
生を容易に防止することのできる成形用金型を提供する
ことにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明に係る粉末成形用
金型は、請求項1に記載しているように、被成形体の輪
郭の少なくとも一部を画定する成形空間を形成すると共
に各々の端面が所定間隔をおいて対向するように配置さ
れる第1ダイス及び第2ダイスと、前記第1ダイス及び
第2ダイスの対向する端面間に挟み込まれるように配置
されかつ被成形体のアンダーカット部を画定する型部分
が成形時に前記成形空間内の所定位置まで進出し非成形
時に前記成形空間から後退するように前記端面に沿って
往復動自在に配置された複数のカムダイス分割体からな
るカムダイスと、前記複数のカムダイス分割体をそれぞ
れに駆動する駆動機構とを備え、前記成形空間に充填さ
れた被成形材料をパンチにより加圧してアンダーカット
部を有する被成形体を成形する粉末成形用金型であっ
て、前記第1ダイス及び第2ダイスの少なくとも一方及
び前記カムダイスに対して、前記カムダイスが、成形時
に前記所定位置まで進出した際に当接により位置決めさ
れる位置決め面を設けた、構成となっている。
【0008】また、請求項2に記載しているように、請
求項1に係る粉末成形用金型において、前記位置決め面
を設ける領域に、被成形材料が逃げ込める凹部を設け
た、構成となっている。
【0009】また、請求項3に記載しているように、請
求項1及び2に係る粉末成形用金型において、前記第2
ダイスは、前記第1ダイスに対して上下方向下側に配置
され、前記位置決め面は、前記カムダイス及び第2ダイ
スにおいて、前記カムダイスの往復動方向に垂直な面と
して形成され、前記カムダイスの位置決め面及び前記第
2ダイスの位置決め面の少なくとも一方の下方領域に、
被成形材料が逃げ込める凹部を設けた、構成となってい
る。
【0010】また、請求項4に記載しているように、請
求項1ないし3に係る粉末成形用金型において、前記第
2ダイスは、前記第1ダイスに対して上下方向下側に配
置され、前記位置決め面は、前記カムダイス及び第2ダ
イスにおいて、前記カムダイスの往復動方向に垂直な面
として形成され、前記カムダイスの位置決め面及び前記
第2ダイスの位置決め面の少なくとも一方に、被成形材
料が逃げ込める複数の凹部を設けた、構成となってい
る。
【0011】また、請求項5に記載しているように、請
求項1ないし4に係る粉末成形用金型において、前記第
2ダイスは、前記第1ダイスに対して上下方向下側に配
置され、前記位置決め面は、前記カムダイス及び第2ダ
イスにおいて、前記カムダイスの往復動方向に垂直な面
として形成され、前記カムダイスの位置決め面及び前記
第2ダイスの位置決め面の少なくとも一方の下方領域
に、被成形材料が逃げ込める第1凹部を設け、かつ、前
記カムダイスの位置決め面及び前記第2ダイスの位置決
め面の少なくとも一方に、被成形材料が逃げ込める複数
の第2凹部を設け、前記第1凹部は、外部に連通する貫
通孔として形成されており、前記第2凹部は、上下方向
に伸長して前記第1凹部に連通する長尺溝として形成さ
れている、構成となっている。
【0012】さらに、請求項6に記載しているように、
請求項1ないし5に係る粉末成形用金型において、前記
カムダイスを形成する複数のカムダイス分割体は、前記
位置決め面を境に、被成形体のアンダーカット部を画定
する型部分が形成された先端側に比べて駆動力が付与さ
れる後端側が肉厚に形成された、構成となっている。
【0013】
【発明の効果】本発明の請求項1に係る粉末成形用金型
によれば、被成形体のアンダーカット部を画定する型部
分をそれぞれ有するカムダイス(例えば、2分割構成の
場合、第1カムダイス半体及び第2カムダイス半体)が
成形時に成形空間の所定位置まで進出した際に当接によ
り位置決めされる位置決め面を設けたことから、これら
第1カムダイス半体及び第2カムダイス半体をそれぞれ
に駆動する駆動機構の駆動力を特に高精度に制御するこ
となく、前進させて位置決め面同士を当接させるだけ
で、アンダーカット部を画定する型部分を成形空間内の
所定位置に高精度に位置付けることができる。
【0014】これにより、高精度の制御あるいは位置の
微妙な調整を要することなく、アンダーカット部分がず
れずに所望の位置に位置付けられた被成形体を成形する
ことができ、又、カムダイスの合わせ面領域におけるバ
リの発生を抑制することができる。
【0015】本発明の請求項2に係る粉末成形用金型に
よれば、カムダイスを位置決めする位置決め面を設ける
領域に被成形材料が逃げ込める凹部を設けたことから、
成形時にこの位置決め面領域に被成形材料が入り込んだ
場合でも、この被成形材料を凹部に逃がすことで位置決
め面内への被成形材料の噛み込みが防止され、位置決め
面によりカムダイスを所定位置に確実に位置付けること
ができる。
【0016】本発明の請求項3に係る粉末成形用金型に
よれば、カムダイスが上側にある第1ダイスと下側にあ
る第2ダイスとにより上下方向から挟まれる状態で構成
される場合において、カムダイスを所定位置に位置決め
する位置決め面をカムダイス及び下側にある第2ダイス
に上下方向に伸びる垂直面として形成し、これら位置決
め面の少なくとも一方の下方領域に被成形材料が逃げ込
める凹部を設けたことから、成形時にこの位置決め面領
域に被成形材料が入り込んだ場合でも、この被成形材料
を自らの重力により位置決め面に沿って下方に落下さ
せ、下方領域に設けられた凹部に逃がすことができる。
これにより、位置決め面への被成形材料の噛み込みが防
止され、位置決め面によりカムダイスを所定位置に確実
に位置付けることができる。
【0017】本発明の請求項4に係る粉末成形用金型に
よれば、カムダイスが上側にある第1ダイスと下側にあ
る第2ダイスとにより上下方向から挟まれる状態で構成
される場合において、カムダイスを所定位置に位置決め
する位置決め面をカムダイス及び下側にある第2ダイス
に上下方向に伸びる垂直面として形成し、これら位置決
め面の少なくとも一方に被成形材料が逃げ込める複数の
凹部を設けたことから、成形時にこの位置決め面領域に
被成形材料が入り込んだ場合でも、位置決め面に形成さ
れた複数の凹部に被成形材料を逃がすことができる。こ
れにより、本来的に、位置決めの役割を受けもつ位置決
め面への被成形材料の噛み込みが防止され、位置決め面
によりカムダイスを所定位置に確実に位置付けることが
できる。
【0018】本発明の請求項5に係る粉末成形用金型に
よれば、カムダイスが上側にある第1ダイスと下側にあ
る第2ダイスとにより上下方向から挟まれる状態で構成
される場合において、カムダイスを所定位置に位置決め
する位置決め面をカムダイス及び下側にある第2ダイス
に上下方向に伸びる垂直面として形成し、これら位置決
め面の少なくとも一方の下方領域に被成形材料が逃げ込
めると共に外部に連通する貫通孔をなす第1凹部を設
け、さらに、位置決め面の少なくとも一方に被成形材料
が逃げ込めると共に上下方向に伸長して第1凹部に連通
する長尺溝をなす複数の第2凹部を設けたことから、成
形時にこの位置決め面両領域に被成形材料が入り込んだ
場合でも、この被成形材料を自らの重力により長尺溝を
なす第2凹部に沿って容易に下方に落下させ、下方領域
に設けられた貫通孔をなす第1凹部に逃がし、さらに、
エアブロー等の手段を用いてこの第1凹部に溜った被成
形材料を粉末成形用金型の外部に取り出すことができ
る。
【0019】これにより、位置決め面への被成形材料の
噛み込みがより一層防止され、位置決め面によりカムダ
イスを所定位置により一層確実に位置付けることができ
る。また、第1凹部に溜った被成形材料をエアブロー等
を用いて定期的に取り除くことにより、長期に亘る連続
成形が可能となる。
【0020】本発明の請求項6に係る粉末成形用金型に
よれば、カムダイスを形成する複数のカムダイス分割体
をそれぞれに駆動するための駆動機構による駆動力は、
位置決め面よりも後端側すなわちカムダイス分割体の肉
厚の部分だけで受け持つことになり、アンダーカット部
を画定する型部分すなわち先端側の肉薄部分に押圧力が
及ぶことはない。従って、被成形体のアンダーカット部
例えば環状溝の溝幅寸法に応じて、カムダイス分割体の
先端側をより薄くしても押圧力による変形等を生じるこ
とはなく、成形処理を連続して安定的に行なうことがで
きる。
【0021】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施例を添付図面
に基づいて説明する。
【0022】図1は、本発明に係る粉末成形用金型の一
実施例を示すものであり、この粉末成形用金型は、被成
形材料としての粉末材料を充填する円筒状のダイ孔10
aを有する第1ダイスとしての上ダイス10と、同様に
粉末材料を充填する円筒状のダイ孔20aを有する第2
ダイスとしての下ダイス20と、これら上ダイス10の
下側端面10bと下ダイス20の上側端面20bとの間
に挟み込まれるように配置されて水平方向に往復移動さ
せられるカムダイス分割体としての第1カムダイスプレ
ート31及び第2カムダイスプレート32からなるカム
ダイス30等を備えている。
【0023】上記上ダイスと下ダイス20とは、上下方
向において相対的に移動可能となっており、成形時にお
いては上下ダイス10,20をお互いに接近させて所定
間隔を形成し、これら上下ダイス10,20の対向する
下側端面10b及び上側端面20b間に第1及び第2カ
ムダイスプレート31,32を挟み込むように配置され
る。また、上ダイス10のダイ孔10aと下ダイス20
のダイ孔20aとは、被成形体の輪郭の少なくとも一
部、すなわち円柱形状をなす被成形体の外周面を画定す
る成形空間を形成している。
【0024】さらに、下ダイス20の上側端面20b
は、ダイ孔20aを挟んで径方向外側が低くなった段差
形状に形成されており、この段差部を境に背丈の高い上
側端面20b´と背丈の低い上側端面20b´´との2
段構成となっている。そして、この段差部は、上下方向
に伸長すると共に第1及び第2カムダイスプレート3
1,32の往復動方向に直交する垂直な面、すなわち、
第1及び第2カムダイスプレート31,32が当接して
位置決めされる位置決め面20cを形成している。
【0025】上記カムダイス30を構成する第1カムダ
イスプレート31と第2カムダイスプレート32とは、
略矩形形状をなし、お互いに対向する先端面31a,3
2aの略中央部には、被成形体のアンダーカット部すな
わち環状溝を画定する半円状の型部分31b,32bが
形成されている。また、上ダイス10の下側端面10b
と接する上面31c、32cは平坦に形成され、一方、
下ダイス20の上側端面20bと接する下面31d,3
2dは、先端側が薄く後端側が厚くなるような段差形状
に形成されており、この段差部を境に薄板部の下面31
d´,32d´と厚板部の下面31d´´,32d´´
とからなる2段構成となっている。そして、この段差部
は、成形時に第1カムダイスプレート31及び第2カム
ダイスプレート32が成形空間すなわちダイ孔10a,
20a内の所定位置まで進出した際に、下ダイス20の
位置決め面20cに各々当接してそれ以上の進出を禁止
するように位置決めする位置決め面31e,32eを形
成している。
【0026】さらに、第1カムダイスプレ−ト31と第
2カムダイスプレート32との後端側には、連結部材4
1,42をそれぞれ介して、駆動機構としての第1カム
ダイスシリンダ51及び第2カムダイスシリンダ52が
取り付けられており、この第1及び第2カムダイスシリ
ンダ51,52の押圧作動により、第1及び第2カムダ
イスプレート31,32がそれぞれ前進させられて、そ
の先端部領域がダイ孔10a,20a内に進出すると共
に各々の位置決め面31e,32eが下ダイス20の位
置決め面20cにそれぞれ当接して、それ以上の前進移
動が制限されるようになっている。
【0027】この際、位置決め面31e,32eが下ダ
イス20の位置決め面20cに当接するため、第1及び
第2カムダイスプレート31,32の厚板の部分だけで
第1及び第2カムダイスシリンダ51,52による押圧
力を受け持つことになり、先端側の薄板の部分に押圧力
が及ぶことはない。従って、被成形体のアンダーカット
部すなわち環状溝の溝幅寸法に応じて、第1及び第2カ
ムダイスプレート31,32の先端側をより薄くしても
押圧力による変形等を生じることはない。
【0028】また、第1及び第2カムダイスプレート3
1,32と下ダイス20との寸法関係については、得ら
れる被成形体のアンダーカット部(環状溝)の偏芯及び
第1及び第2カムダイスプレート31,32の先端面3
1a,32a間に発生する成形バリをできるだけ最小と
するために、図2に示すように、下ダイス20のダイ孔
20a中心線Cから下ダイス20の位置決め面20c
までの距離L(mm)と、第1及び第2カムダイスプ
レート31,32の先端面31a,32aから第1及び
第2カムダイスプレート31,32の位置決め面31
e,32eまでの距離L(mm)との関係が、次式
(1) L=L+0.01 …(1) の条件を満たすように、設定するのが好ましい。また、
第1及び第2カムダイスプレート31,32が成形時の
所定位置に向けて前進させられた状態で、先端面31
a,32a間の隙間が大き過ぎると、被成形体に生じる
成形バリの幅が大きくなるため、上記寸法L,L
製造公差を0.005mm以内とするのが好ましい。
【0029】また、上記第1及び第2カムダイスプレー
ト31,32の位置決め面31e,32e及び下ダイス
20の位置決め面20cの領域には、被成形材料として
の粉末材料が逃げ込める凹部が設けられている。すなわ
ち、図3に示すように、第1カムダイスプレート31の
位置決め面31eの下側領域は、紙面に垂直な方向にお
いて両端まで貫通するように肉抜きされた凹部31hと
して形成されており、又、下ダイス20の位置決め面2
0cの下側領域及び上側端面20b´´の一部は、同様
に紙面に垂直な方向において両端まで貫通するように肉
抜きされた凹部20hとして形成されている。上記凹部
31h及び凹部20hは、第1カムダイスプレート31
の位置決め面31eが下ダイス20の位置決め面に当接
した状態で、外部に連通する貫通孔の形状をなすと共に
粉末材料が逃げ込める第1凹部を形成している。
【0030】また、第1カムダイスプレート31の位置
決め面31e上には、上下方向に伸長して上記第1凹部
20h,31hに連通する長尺溝31iが複数配列して
形成されており、この複数の長尺溝31iは、粉末材料
が逃げ込める第2凹部を形成している。
【0031】上記凹部20h,31h及び長尺溝31i
を設けたことにより、成形時にこれら位置決め面31
e,20c領域に粉末材料が入り込んだ場合でも、この
粉末材料を長尺溝31iを通して下方に位置する凹部2
0h,31h内に落下させることができ、又、凹部20
h,31hは両端が開放した貫通孔を形成していること
から、一端側からエアブロー等を用いて、この凹部20
h,31h内に溜った粉末材料を取り除くことができ
る。
【0032】尚、凹部20hの底面を開放両端側に向け
て下り傾斜するような面に形成すれば、この凹部20
h,31hに落下した粉末材料を外部に向けて自然に滑
落させることができる。
【0033】尚、図3においては、第1カムダイスプレ
ート31と下ダイス20との関係のみを示したが、第2
カムダイスプレート32と下ダイス20との関係も同様
に構成されており、第2カムダイスプレート32には上
述同様の凹部32h,長尺溝32i(共に不図示)、下
ダイス20には上述同様の凹部20hが形成されてい
る。
【0034】上記構成においては、被成形材料としての
粉末材料が逃げ込める凹部として、第1及び第2カムダ
イスプレート31,32の位置決め面31e,32eの
下方領域に凹部31h,32h、又、下ダイス20の位
置決め面20cの下方領域に凹部20h,さらに、第1
及び第2カムダイスプレート31,32の位置決め面3
1e,32e上に凹部としての長尺溝31i,32iを
設けたが、いずれか1つの凹部を設ける構成を採用する
ことも可能である。
【0035】次に本発明に係る粉末成形用金型を用いた
成形処理手順について説明する。先ず、図4に示すよう
に、下ダイス20のダイ孔20aに下側第1パンチ61
及び下側第2パンチ62が挿嵌され、かつ、第1及び第
2カムダイスプレート31,32が第1及び第2カムダ
イスシリンダ51,52により前進駆動されて各々の位
置決め面31e,32eが下ダイス20の位置決め面2
0cにそれぞれ当接して位置決めされた状態で、上ダイ
ス10の上側端面にフィーダ70を配置する。
【0036】そして、上下ダイス10,20のダイ孔1
0a,20a等により画定される成形空間内に、粉末材
料Mを充填する。この際、この成形空間内に突出した第
1及び第1カムダイスプレート31,32の先端部の下
側に粉末材料Mが十分回わり込むように、下側第1及び
第2パンチ61,62に振動を加えつつ、オーバフィル
状態に充填する。
【0037】続いて、図5に示すように、フィーダ70
を後退させて、上側第1パンチ71及び上側第2パンチ
72を前進(降下)させて、上ダイス10のダイ孔10
a内に挿嵌し、上下方向から圧力を加えて加圧成形を開
始する。ここで、上側第1及び第2パンチ71,72と
下側第1及び第2パンチ61,62とにより加圧する場
合に、第1及び第2カムダイスプレート31,32の上
下面に圧力差を生じないように、すなわち、上下方向に
おいて第1及び第2カムダイスプレート31,32を中
心に圧力のニュートラルゾーンができるように加圧を行
なう。
【0038】また、この加圧時には約5ton/cm
の成形圧力が粉末材料に加わり、そのうちの数十パーセ
ントの側圧が成形中の粉末材料を介して第1及び第2カ
ムダイスプレート31,32の先端面31a,32a及
び型部分31b,32bの端面に作用し、これら第1及
び第2カムダイスプレート31,32をそれぞれ後退さ
せようとする。この後退を許すと、先端面31a,32
a間の隙間が大きくなって成形バリが発生すると共に、
成形されるアンダーカット部すなわち環状溝の真円度が
低下することになる。従って、第1及び第2カムダイス
プレート31,32を駆動する第1及び第2カムダイス
シリンダ51,52の駆動押圧力を上記加圧成形時の側
圧に負けない程度に大きくする必要がある。
【0039】そして、図6に示すような状態まで圧縮し
て所定の形状に成形されると、上側第1及び第2パンチ
71,72及び下側第1及び第2パンチ61,62によ
る加圧を終了し、図7に示すように、第1及び第2カム
ダイスシリンダ51,52を駆動させて、第1及び第2
カムダイスプレート31,32を成形空間(ダイ孔10
a,20a)から後退させる。
【0040】その後、図8に示すように、上ダイス10
を上方に向けて移動させると共に、被成形体M´を挟ん
だ状態で、下側第1及び第2パンチ61,62と上側第
1及び第2パンチ71,72とを下ダイス20に対して
相対的に上方に移動させて、下側第1及び第2パンチ6
1,62の上端面が、下ダイス20の上側端面20b´
と面一になるか、あるいは、それ以上に突出したところ
で停止させる。続いて、上側第1及び第2パンチ71,
72を若干上方に移動させた後、被成形体M´を金型か
ら取り出す。
【0041】以上のような手順によって粉末材料の成形
を行なえば、アンダーカット部である環状溝が偏芯した
りあるいは真円度が低下したりすることはなく、又、成
形バリの発生も最小に抑えられた所望の被成形体M´を
成形することができる。
【0042】尚、上記加圧成形時において、第1及び第
2カムダイスプレート31,32の後退を防止するため
に、公知の拘束手段を併せて採用することも可能であ
る。
【0043】以上述べた実施例においては、被成形材料
として粉末材料を適用する場合について説明したが、本
発明の粉末成形用金型はこれに限定されるものではな
く、樹脂材料等の粘流動性の被成形材料を適用すること
も可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明に係る粉末成形用金型の一実施例を示
すものであり、(a)は縦断面図、(b)は(a)中の
−E部における横断面図である。
【図2】 本発明に係る粉末成形用金型の一部拡大図で
あり、(a)は平面図、(b)は(a)中のE−E
部における縦断面図である。
【図3】 本発明に係る粉末成形用金型の一部を構成す
る被成形材料逃がし用の凹部を示すものであり、(a)
は縦断面図、(b)は(a)中のE−E部における
横断面図である。
【図4】 本発明に係る粉末成形用金型を用いて成形処
理を行なう場合の一工程図である。
【図5】 本発明に係る粉末成形用金型を用いて成形処
理を行なう場合の一工程図である。
【図6】 本発明に係る粉末成形用金型を用いて成形処
理を行なう場合の一工程図である。
【図7】 本発明に係る粉末成形用金型を用いて成形処
理を行なう場合の一工程図である。
【図8】 本発明に係る粉末成形用金型を用いて成形処
理を行なう場合の一工程図である。
【図9】 従来の粉末成形用金型を示すものであり、
(a)は縦断面図、(b)は(a)中のE−E部に
おける横断面図である。
【符号の説明】
10 上ダイス(第1ダイス) 10a ダイ孔(成形空間) 10b 下側端面 20 下ダイス(第2ダイス) 20a ダイ孔(成形空間) 20b,20b´,20b´´ 上側端面 20c 位置決め面 20h 凹部(第1凹部) 30 カムダイス 31 第1カムダイスプレート(カムダイス分割体) 31a 先端面 31b 型部分 31c 上面 31d,31d´,31d´´ 下面 31e 位置決め面 31h 凹部(第1凹部) 31i 長尺溝(第2凹部) 32 第2カムダイスプレート(カムダイス分割体) 32a 先端面 32b 型部分 32c 上面 32d,32d´,32d´´ 下面 32e 位置決め面 41,42 連結部材 51 第1カムダイスシリンダ(駆動機構) 52 第2カムダイスシリンダ(駆動機構) 61 下側第1パンチ 62 下側第2パンチ 70 フィーダ 71 上側第1パンチ 72 上側第2パンチ

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 被成形体の輪郭の少なくとも一部を画定
    する成形空間を形成すると共に各々の端面が所定間隔を
    おいて対向するように配置される第1ダイス及び第2ダ
    イスと、前記第1ダイス及び第2ダイスの対向する端面
    間に挟み込まれるように配置されかつ被成形体のアンダ
    ーカット部を画定する型部分が成形時に前記成形空間内
    の所定位置まで進出し非成形時に前記成形空間から後退
    するように前記端面に沿って往復動自在に配置された複
    数のカムダイス分割体からなるカムダイスと、前記複数
    のカムダイス分割体をそれぞれに駆動する駆動機構とを
    備え、前記成形空間に充填された被成形材料をパンチに
    より加圧してアンダーカット部を有する被成形体を成形
    する粉末成形用金型であって、 前記第1ダイス及び第2ダイスの少なくとも一方及び前
    記カムダイスに対して、前記カムダイスが、成形時に前
    記所定位置まで進出した際に当接により位置決めされる
    位置決め面を設けた、 ことを特徴とする粉末成形用金型。
  2. 【請求項2】 前記位置決め面を設ける領域に、被成形
    材料が逃げ込める凹部を設けた、ことを特徴とする請求
    項1記載の粉末成形用金型。
  3. 【請求項3】 前記第2ダイスは、前記第1ダイスに対
    して上下方向下側に配置され、 前記位置決め面は、前記カムダイス及び第2ダイスにお
    いて、前記カムダイスの往復動方向に垂直な面として形
    成され、 前記カムダイスの位置決め面及び前記第2ダイスの位置
    決め面の少なくとも一方の下方領域に、被成形材料が逃
    げ込める凹部を設けた、ことを特徴とする請求項1又は
    2記載の粉末成形用金型。
  4. 【請求項4】 前記第2ダイスは、前記第1ダイスに対
    して上下方向下側に配置され、 前記位置決め面は、前記カムダイス及び第2ダイスにお
    いて、前記カムダイスの往復動方向に垂直な面として形
    成され、 前記カムダイスの位置決め面及び前記第2ダイスの位置
    決め面の少なくとも一方に、被成形材料が逃げ込める複
    数の凹部を設けた、 ことを特徴とする請求項1ないし3いずれか1つに記載
    の粉末成形用金型。
  5. 【請求項5】 前記第2ダイスは、前記第1ダイスに対
    して上下方向下側に配置され、 前記位置決め面は、前記カムダイス及び第2ダイスにお
    いて、前記カムダイスの往復動方向に垂直な面として形
    成され、 前記カムダイスの位置決め面及び前記第2ダイスの位置
    決め面の少なくとも一方の下方領域に、被成形材料が逃
    げ込める第1凹部を設け、かつ、前記カムダイスの位置
    決め面及び前記第2ダイスの位置決め面の少なくとも一
    方に、被成形材料が逃げ込める複数の第2凹部を設け、 前記第1凹部は、外部に連通する貫通孔として形成され
    ており、前記第2凹部は、上下方向に伸長して前記第1
    凹部に連通する長尺溝として形成されている、ことを特
    徴とする請求項1ないし4いずれか1つに記載の粉末成
    形用金型。
  6. 【請求項6】 前記カムダイスを形成する複数のカムダ
    イス分割体は、前記位置決め面を境に、被成形体のアン
    ダーカット部を画定する型部分が形成された先端側に比
    べて駆動力が付与される後端側が肉厚に形成されてい
    る、ことを特徴とする請求項1ないし5いずれか1つに
    記載の粉末成形用金型。
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