JP3602737B2 - 粉末成形金型 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は粉末成形金型に関し、より詳しくは特に、密度が均一な成形品を成形することができるとともに、ユニット化された粉末成形金型に関する。
【0002】
【発明が解決しようとする課題】
従来より、粉末樹脂あるいは粉末金属を金型のキャビティに充填した後、加圧して成形体を成形する粉末成形方法が行われている。この粉末成形方法は、金型に充填された粉末を上パンチにより加圧するものであるため、上パンチに接触する側の粉末は移動して押し固められるが、ダイスの底側の粉末はほとんど移動しない。このため、上パンチに接触する側の粉末は密度が高くなるが、反対側のダイスの底側の粉末は密度が低くなり、焼成後、場合によっては成形体が反ったり、歪んだりすることがあり、さらに成形体にクラックが入ったり、巣が入るという問題があった。
【0003】
一方、金型のキャビティに樹脂などからなる粉末を充填するとき、充填された粉末の中に空隙ができることが多々ある。このような場合、巣の入った成形品になるか、充填不足として寸法不良・外形不良の成形品になる。また、たとえば、キャビティの直径が2〜3mm程度と非常に小さい場合、粉末の充填が非常に困難であり、不良率が高くなるという問題があった。
【0004】
また、成形体の側面に穴を設ける必要があるとき、ダイスの側壁部を貫通する孔にピンを通して、キャビティ内にピンの先端を突出させた後、そのキャビティ内に粉末を充填する。そして、プレスにより上パンチを押し出して、粉末を押圧するのであるが、このとき、上述したように、上パンチに接触する側の粉末はダイスの底側へ移動させられるため、粉末の移動に伴なってキャビティ内に突出させられたピンの先端は押し曲げられたり、折れてしまったりする。このため、粉末成形方法によって成形された成形品の側壁部に横穴などを設ける必要があるときは、成形後に機械加工を施すことにより設けていた。しかし、この方法では、工数が増えてしまい、製造コストが増加するだけでなく、成形とは別工程で加工を施すものであるため、製品毎にバラツキが生じ、しかも不良品が発生するなどの問題があった。
【0005】
さらに、今日、多品種小ロットの生産が要求されており、そのなかで、生産性を向上させるためには、段取り替えすなわち金型交換のスピード化が求められている。その一方で、製品精度は高くなり、成形装置に金型を取り付けた後の調整作業が複雑化し、非常に時間の要するものであった。このため、製品の製造時間よりも段取り替えに要する時間の方が長くなる場合があり、装置の稼働率の低下と製造コストの高騰を招いていた。しかも、近年、金型の形状・構造等が微細化しただけでなく、クリアランスが小さくなる等、要求される精度が高くなってきた。このため、成形装置に金型をセットする作業は熟練を要するだけでなく、成形装置の金型取付けベース上の限られた空間で作業を行うのは、極限状態にあるといっても過言ではなかった。
【0006】
そこで、本発明者は均一な密度を有する成形体を製造することができ、また、成形体の成形と同時に、成形体の側壁に穴を開けることができ、さらに金型のユニット交換を可能とする粉末成形金型を得るために鋭意研究を重ねた結果、本発明に至った。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明に係る粉末成形金型の要旨とするところは、筒状のダイスを着脱可能に支持するダイプレートと、該ダイスの軸方向に稼動させられ、ダイスの一端に挿入させられる1又は複数のパンチをそれぞれ個別に支持する第1プレート群と、該ダイスの軸方向に稼動させられ、ダイスの他の一端に挿入させられる1又は複数のパンチ及び/又はコアをそれぞれ個別に支持する第2プレート群と、前記ダイプレートと第1プレート群との間及びダイプレートと第2プレート群との間それぞれの間隔を規制するブロックと、前記ダイプレートと第1プレート群との間及びダイプレートと第2プレート群との間のそれぞれの間隔を離隔接近させる方向に付勢する付勢手段とを備えることにある。
【0008】
また、本発明に係る粉末成形金型の要旨とするところは、筒状のダイスを着脱可能に支持するダイプレートと、該ダイスの軸方向に稼動させられ、ダイスの一端に挿入させられる1又は複数のパンチをそれぞれ個別に支持する第1プレート群と、該ダイスの軸方向に稼動させられ、ダイスの他の一端に挿入させられる1又は複数のパンチ及び/又はコアをそれぞれ個別に支持する第2プレート群と、前記ダイプレートと第1プレート群との間及びダイプレートと第2プレート群との間のそれぞれの間隔を規制するブロックと、粉末成形装置の金型取付けベースに固定される取付けプレートと、該取付けプレートに立設され、ダイプレートなどをガイドする1又は複数のガイドポストと、該ガイドポストの他端に取り付けられ、粉末成形装置のプレス部が通過し得る孔を備えた支持プレートとを備え、ユニット化されていることにある。
【0009】
更に、かかる粉末成形金型において、前記筒状のダイスの側壁部を貫通する孔を設け、該孔に挿通させられるコアと、該コアをダイスが形成するキャビティから出し入れするシリンダをダイプレートに備えることにある。
【0010】
また、かかる粉末成形金型において、前記ダイス又はダイスに充填される粉末に、微振動を与える振動発生手段を備えることにある。
【0011】
【発明の実施の形態】
次に、本発明に係る粉末成形金型の実施の形態を図面に基づいて詳しく説明する。
【0012】
図1に示すように、筒状のダイス10を支持するダイプレート12と、そのダイス10の軸方向に稼動させられ、ダイス10の上端に挿入させられる1の上パンチ14を支持する第1プレート16と、ダイス10の軸方向に稼動させられ、ダイス10の下端に挿入させられる複数の下パンチ18,20と下コア22をそれぞれ個別に支持する第2プレート24,26,28の群とを少なくとも備えるとともに、ダイプレート12と第1プレート16との間、及びダイプレート12と第2プレート24、第2プレート24と26、第2プレート26と28との間に、それぞれの間隔を規制するブロック30,32,34,36を備えて粉末成形金型38が構成されている。ここで、下パンチ18,20と下コア22は同心上に形成され、筒状の下パンチ18の内径部に筒状の下パンチ20が挿入され、更にその下パンチ20の内径部に中実棒状の下コア22が挿入されている。そして、これら下パンチ18,20と下コア22の相対的な位置関係で、成形品すなわちキャビティ40の形状が定まるようにされている。一方、上パンチ14の先端部には筒状のダイス10に挿入されると共に、その中央部には下コア22の先端部が挿入されるように開口部42が形成されている。
【0013】
そして、このダイプレート12と第1プレート16との間、及びダイプレート12と第2プレート24、第2プレート24と第2プレート26、第2プレート26と第2プレート28との間に、それぞれの間隔を離隔させる方向に付勢するコントロールシリンダ44,46,48,50を備え、それらの間隔及び間隔が狭まる速度を調整するように構成されている。さらに、この粉末成形金型38には、ダイス10の側壁部52を貫通する孔54を設け、その孔54に挿通させられるコア56と、そのコア56をダイス10が形成するキャビティ40から出し入れするシリンダ58をダイプレート12に備えている。
【0014】
そして更に、粉末成形金型38は、図示を省略する粉末成形装置の金型取付けベースに固定される取付けプレートを兼ねた第2プレート28と、その第2(取付け)プレート28に立設され、ダイプレート12などをガイドする複数のガイドポスト60と、そのガイドポスト60の他端に取り付けられ、粉末成形装置のプレス部62が通過し得る孔64を備えた支持プレート66とを備えて、ユニット化されて構成されている。ここで、ダイプレート12は通常、ガイドポスト60に対してスライドしないように固定されているのに対し、第1プレート16及び第2プレート24,26はガイドポスト60に沿ってスライドするようにされている。
【0015】
したがって、支持プレート66及びダイプレート12はガイドポスト60により位置が変動しないように固定され、第2(取付け)プレート28は粉末成形装置の金型取付けベースに固定されるため、これらはいずれも位置が変動しない。また、第2プレート28に固定されている下コア22も同様に、位置が変動することはない。一方、第1プレート16はコントロールシリンダ44によりダイプレート12に対して上下させられ、また、第2プレート24はコントロールシリンダ46によりダイプレート12に対して上下させられ、更に、第2プレート26はコントロールシリンダ48により第2プレート24に対して上下させられることになる。なお、このとき、コントロールシリンダ50は必ずしも必要としないが、第2プレート26をコントロールシリンダ50により作動させるときは、コントロールシリンダ48を必ずしも必要としない。
【0016】
以上の構成に係る粉末成形金型38は、成形品の寸法調整機構や成形品を金型から取り出すための機構などの必要な機構を全て備え、粉末樹脂をプレスする加圧力を外部から導入すれば、直ちに成形品を成形できる構成とされている。したがって、粉末成形金型38は粉末成形装置の外部で組み立てられ、パンチとダイスの芯出しや寸法調整などが予めなされた後、粉末成形装置の金型取付けベースに金型38の第2プレート28が固定される。
【0017】
次いで、図1に示すように、第1プレート16をコントロールシリンダ44により上へ押し上げるとともに、下パンチ18と下パンチ20をそれぞれダイス10の所定位置に対して充填された粉末樹脂などの圧縮量を考慮して、所定量だけ下がった位置に設定する。一方、横コア56をシリンダ58によりダイス10の側壁部52から所定量だけ突き出しておく。そしてその後、これらダイス10、下パンチ18,20などによって形成されたキャビティ内に粉末樹脂68を充填する。
【0018】
次いで、図2に示すように、粉末成形装置のプレス部62を作動させ、第1プレート16を押圧させて上パンチ14をダイス10に徐々に挿入するとともに、コントロールシリンダ46の押圧力を排除すると同時にコントロールシリンダ50を作動させて第2プレート26とブロック34を介して第2プレート24を上方向に押し上げ、下パンチ18,20をダイス10の下方から押し上げる。そして、第1プレート16がブロック30と接触した時、プレス部62は停止し、ダイス10と上パンチ14との位置関係が定まる。また、一方の第2プレート24,26が押し上げられてブロック32とダイプレート12とが接触した時、コントロールシリンダ50は停止し、ダイス10と下パンチ18,20との位置関係が定まる。この加圧・圧縮操作において、コントロールシリンダ44,46,48を適宜調整して、ダイス10に対して上パンチ14と下パンチ18,20をほぼ均等な速度で接近させ、充填された粉末樹脂68を両側からほぼ均等に加圧するように設定される。特に、上パンチ14の加圧面がダイス10の中の粉末樹脂68と接触したとき、下パンチ18,20からも加圧を開始するように構成されるのが好ましい。したがって、粉末樹脂68はダイス10の軸方向に沿う1方向に流動することはなく、ダイス10の側壁部52から突出される横コア56を折り曲げたり、切断したりすることはない。粉末樹脂68は加圧力のみによって、あるいはその後、必要に応じて加熱されて、粉末樹脂68は一体化され、成形体70が形成される。なお、加圧力は成形体70全体にほぼ均等に作用しているため、いわゆる巣が入ることもない。
【0019】
次に、図3に示すように、粉末成形装置のプレス部62が引き上げられるとともにコントロールシリンダ44が作動させられ、第1プレート16がダイス10から引き離される。次いで、横コア56の先端がシリンダ58の作動により、形成された成形体70により引き抜かれる。その後、図4に示すように、寸法設定用のブロック30,32,34,36の内、ブロック34を他の寸法のものと取り替えた後、コントロールシリンダ50を作動させて第2プレート26を押し上げ、下パンチ20によって成形体70をダイス10から押し出して、取り出される。
【0020】
以上の構成に係る粉末成形金型38は装置のベースへの取付けプレートである第2プレート28の上に全ての金型部品が組み立てられ、且つ構成されているため、装置の外部で空間的制約を受けないで粉末成形金型38を組み立てて、ユニット交換をすることができる。したがって、品種替えなどの段取り替えにおいて、前回生産終了時の金型セットをそのまま使用したり、あるいは、他の品種の生産中に金型をセットしておくことができ、装置の停止時間を最小限に抑えることができ、しかも金型取付け作業は熟練を必要とはしない。また、金型10内の粉末樹脂68を両側からほぼ均等に押圧することができるため、製造時に横コア56などを用いて横孔を開ける場合に、その横コア56などを折り曲げることはなくなるため、製造中に横コア56の破損に伴う金型の交換や修理を必要としないので、生産性が向上する。しかも、金型10内の粉末樹脂68を両側からほぼ均等に押圧するため、成形体70の各部の密度がほぼ一定のものがえられる。
【0021】
以上、本発明に係る粉末成形金型について詳述したが、本発明は上述の実施形態に限定されるものではない。
【0022】
たとえば、先の実施形態では、ダイプレート12をガイドポスト60に対して固定させることとしていたが、加圧成形時、特に上パンチ14がダイス10の中の粉末樹脂68の表面と接触した時、ガイドポスト60への固定を解除して、ダイプレート12が軸方向に自由に動くことができるようにするのが好ましい。このように、ダイプレート12すなわちダイス10が軸方向に自由に動くことができるようにすることで、上パンチによる加圧力が下パンチからの反力として作用するため、ダイス10に充填された粉末樹脂68は両側からほぼ均等に加圧されることになる。この場合、下パンチからのコントロールシリンダなどによる積極的な加圧力を必要としない。ただし、コントロールシリンダなどによって、ダイスの中心位置が変動しないようにされるのが望ましい。
【0023】
また、前述の実施形態においては、下パンチ18,20と下コア22を備えていたが、成形品に貫通孔を形成しない場合には、下コア22を必要としない。さらに、成形品に段差がない場合には、下パンチは1つで構成することができる。また、成形品の前後に段差がある場合には、下パンチだけでなく、上パンチについても複数で構成することができる。この場合、複数の上パンチとそれらを個別に支持する第1プレート群から構成し、前述の第2プレート群と同様の構造とすることができる。
【0024】
さらに、横コア56とそれを駆動させるシリンダ58の構成についても、1カ所のみならず、複数箇所に配設することは可能であり、孔の大きさや形状、深さ、角度など、任意に設定することが可能である。
【0025】
また、図5に示すように、粉末樹脂68を充填する初期状態において、第2プレート24と26との間隔よりも、その間に配置されるブロック72の長さを短く設定することにより、加圧・圧縮工程で、下パンチ18に対して下パンチ20を移動させることができる。したがって、下パンチ18と20との間にある圧縮力が充分に行き渡らない箇所における粉末樹脂68を、下パンチ20からの加圧力により充分に圧縮することができる。
【0026】
さらに、コントロールシリンダは図面上では同一平面に1カ所のみ描いているが、プレートを平行移動させるためには、少なくとも2カ所以上設けるのが好ましい。また、プレートの動きを規制するブロックを配置する箇所についても、同様に少なくとも2カ所以上設けるのが好ましい。これらコントロールシリンダやブロックは各プレートの間に必ず配設する必要はなく、必要に応じて適宜配設すれば足りるものである。
【0027】
また、たとえば、図6に示すように、コントロールシリンダ74,76は取付けプレートである第2プレート28を基準に取り付けられるのも好ましい。この場合、第2プレート28と第2プレート26との間には前述通り、両者の間にコントロールシリンダ74が取り付けられるが、第2プレート28と第2プレート24との間には、第2プレート26に設けられた孔78を通してコントロールシリンダ76が配設される。このように構成すれば、コントロールシリンダ74,76の制御が、他のコントロールシリンダの影響を受けることがないため、容易となる。
【0028】
コントロールシリンダは必要とするストロークを得るため、多段式のシリンダを用いることができる。また、コントロールシリンダに代えて、その1部又は全部を圧縮コイルバネなどで構成することも可能であり、その他、各プレートをダイプレートに付勢することができる各種の付勢手段を採用することができる。
【0029】
次に、本発明に係る粉末成形金型のキャビティ内に粉末樹脂などを充填するには、自動あるいは手動のいずれを問わず、樹脂などの粉末がキャビティ上部の開口部から供給され且つその中に入れられる。このとき、キャビティの形状によっては、奥まで粉末が容易に入らず、下(底)側に空隙ができやすい。そこで、ダイス又はダイスに充填される粉末に、微振動を与える振動発生手段を備えるのが好ましい。この振動発生手段が超音波などを照射してダイスや粉末を直接振動させるものである場合は、任意の箇所に配設される。また、振動発生手段がたとえば偏心軸を回転させたり、あるいは電磁ソレノイドを利用して鉄心を往復動させたりして、ダイス又はダイプレ−トを振動させるものである場合には、ダイスを支持するダイプレ−トに振動発生手段が配設される。このように、ダイス及び/又は粉末に微振動を付与しながら、ダイスに粉末を供給することにより、粉末は順次キャビティの底側から充填され、また、その充填速度も向上する。
【0030】
この振動発生手段による振動の付与は、粉末の供給時だけでもよいが、ダイス及び/又はキャビティ内に充填された粉末に微振動を付与しながら、押圧して成形するように構成することも可能である。成形時に振動させる場合、上パンチがダイスのキャビティ内に嵌合させられた後、振動を開始するのが好ましい。振動させながら加圧することにより、低い加圧力でキャビティ内の角部などの隅々にまで粉末が行き渡り、欠けなどのない成形品が得られる。
【0031】
さらに、キャビティに樹脂粉末を供給し、あるいは樹脂粉末を振動させてキャビティに供給するとき、粉末同士が接触・摩擦して静電気が発生することにより、却ってキャビティ内に密に粉末を供給できなくなる恐れがある。このような場合は、樹脂粉末に発生した静電気の極性とは逆極性のイオンなどを吹き付けながら、樹脂粉末を供給するのが好ましい。なお、樹脂粉末に発生した極性が不明の場合は、正負のイオンなどが混在したガスを吹き付けてもよい。
【0032】
また、本発明は粉末樹脂のみならず、粉末金属(粉末冶金)などについても適用し得るものであり、その他、本発明は筒状のダイスの両端から挿入された第1パンチ(群)と第2パンチ(群)を相対的に接近させて、ダイスが形成するキャビティ内に充填された粉末を両側からほぼ均等に押圧して成形することができる粉末成形金型であればよいなど、その趣旨を逸脱しない範囲内で、当業者の知識に基づき種々なる改良、修正、変形を加えた態様で実施し得るものである。
【0033】
【発明の効果】
本発明に係る粉末成形金型は、筒状のダイスの両端から挿入された第1パンチと第2パンチを相対的に接近させて、ダイスが形成するキャビティ内に充填された粉末を両側からほぼ均等に押圧して成形することとしているため、キャビティ内の粉末が1方向に押し流されることがなく、横穴を一体成形する場合において、それを成形するためのコアが折れ曲がるなどのトラブルが生ずることはない。また、粉末は両側からほぼ均等に押圧されるため、成形品の密度に疎密が生ずることもない。したがって、焼成後、成形品が反ったり、歪んだりすることはなく、また、成形品にクラックや巣が入ることもない。
【0034】
さらに、本発明に係る粉末成形金型は、粉末を加圧して成形することができる加圧力を有していないが、その他の製品の寸法調整機構や製品排出機構を備えているため、予め成形装置の外部で金型を組み立て、微調整を行った後、成形装置に組み込むことができる。したがって、複雑且つ微細な金型であっても、何らの制約もなく組み立て・取付けが可能となり、さらに、品種交換などの段取り替えが早くできるだけでなく、成形装置への取付け後の調整作業がほとんど不要となり、装置の稼働率が向上し、製造コストが低下する。
【0035】
また、本発明に係る粉末成形金型において、微振動を付与しながら粉末をキャビティに供給し、充填することにより、粉末の充填が迅速且つキャビティ内の隅々にまでなされる。したがって、生産性が向上するだけでなく、成形品に欠けなどが生じることはなく、品質が向上し且つ安定する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る粉末成形金型の1実施形態を示す断面説明図である。
【図2】図1に示す粉末成形金型の加圧工程を示す断面説明図である。
【図3】図1に示す粉末成形金型の型開き工程を示す断面説明図である。
【図4】図1に示す粉末成形金型の製品取り出し工程を示す断面説明図である。
【図5】本発明に係る粉末成形金型の他の実施形態を示す断面説明図である。
【図6】本発明に係る粉末成形金型の更に他の実施形態を示す断面説明図である。
【符号の説明】
10:ダイス
12:ダイプレート
14:上パンチ
16:第1プレート
18,20:下パンチ
22:下コア
24,26,28:第2プレート
30,32,34,36,72:ブロック
38:粉末成形金型
40:キャビティ
44,46,48,50,74,76:コントロールシリンダ
56:コア
58:シリンダ
60:ガイドポスト
62:プレス部
66:支持プレート
68:粉末樹脂
70:成形品

Claims (4)

  1. 筒状のダイスを着脱可能に支持するダイプレートと、
    該ダイスの軸方向に稼動させられ、ダイスの一端に挿入させられる1又は複数のパンチをそれぞれ個別に支持する第1プレート群と、
    該ダイスの軸方向に稼動させられ、ダイスの他の一端に挿入させられる1又は複数のパンチ及び/又はコアをそれぞれ個別に支持する第2プレート群と
    前記ダイプレートと第1プレート群との間及びダイプレートと第2プレート群との間それぞれの間隔を規制するブロックと、
    前記ダイプレートと第1プレート群との間及びダイプレートと第2プレート群との間のそれぞれの間隔を離隔接近させる方向に付勢する付勢手段とを備えることを特徴とする粉末成形金型。
  2. 筒状のダイスを着脱可能に支持するダイプレートと、
    該ダイスの軸方向に稼動させられ、ダイスの一端に挿入させられる1又は複数のパンチをそれぞれ個別に支持する第1プレート群と、
    該ダイスの軸方向に稼動させられ、ダイスの他の一端に挿入させられる1又は複数のパンチ及び/又はコアをそれぞれ個別に支持する第2プレート群と、
    前記ダイプレートと第1プレート群との間及びダイプレートと第2プレート群との間のそれぞれの間隔を規制するブロックと、
    粉末成形装置の金型取付けベースに固定される取付けプレートと、
    該取付けプレートに立設され、ダイプレートなどをガイドする1又は複数のガイドポストと、
    該ガイドポストの他端に取り付けられ、粉末成形装置のプレス部が通過し得る孔を備えた支持プレートとを備え、ユニット化されていることを特徴とする粉末成形金型。
  3. 前記筒状のダイスの側壁部を貫通する孔を設け、該孔に挿通させられるコアと、該コアをダイスが形成するキャビティから出し入れするシリンダをダイプレートに備えることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載する粉末成形金型。
  4. 前記ダイス又はダイスに充填される粉末に、微振動を与える振動発生手段を備えることを特徴とする請求項1乃至請求項3の何れかに記載の粉末成形金型。
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