JP2005105316A - 金型 - Google Patents
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Abstract
【課題】 簡単な構成で、容易に且つ精度良く所望の肉厚の製品を成形することができる金型を提供する。
【解決手段】 金型は、ダイアセンブリと一対のパンチとを備え、少なくとも一方のパンチがインナーパンチとミドルパンチ5およびコアロッド7とアウターパンチとを同心状に配設されてなるもので、ミドルパンチ5が、周方向に断続しその間にコアロッド7が配置される製品成形部10と、略円筒状の基礎部11とに分割して成形されている。ミドルパンチ5の製品成形部10と基礎部11との分割位置は製品である歯車Wの抜き出しストロークに基づいて決定されている。コアロッド7は、製品成形部10の間で担持されるよう製品成形部10と対応する長さに成形され、ミドルパンチ5の基礎部11に摺動可能に組み付けられたピン12によって可動可能とされている。
【選択図】 図1
【解決手段】 金型は、ダイアセンブリと一対のパンチとを備え、少なくとも一方のパンチがインナーパンチとミドルパンチ5およびコアロッド7とアウターパンチとを同心状に配設されてなるもので、ミドルパンチ5が、周方向に断続しその間にコアロッド7が配置される製品成形部10と、略円筒状の基礎部11とに分割して成形されている。ミドルパンチ5の製品成形部10と基礎部11との分割位置は製品である歯車Wの抜き出しストロークに基づいて決定されている。コアロッド7は、製品成形部10の間で担持されるよう製品成形部10と対応する長さに成形され、ミドルパンチ5の基礎部11に摺動可能に組み付けられたピン12によって可動可能とされている。
【選択図】 図1
Description
本発明は、金型に関し、さらに詳しくは、ダイアセンブリと、相対向して近接・離間可能に配設された一対のパンチとを備え、少なくとも一方のパンチがインナーパンチとミドルパンチおよびコアロッドとアウターパンチとを同心状に配設されてなる金型に関するものである。
例えば、燒結部品を製造するにあたっては、その材料となる粉末を粉末成形用の金型の賦形空間内に充填してパンチを近接させることにより所定形状の圧紛体である製品を成形し、この製品を燒結する。そして、製品として歯車を金型で成形する場合、歯形を賦形するダイス(ダイアセンブリともいう)と、所定形状の中心軸孔を賦形するセンタロッドと、歯車の両側面をそれぞれ賦形する一対のパンチとを備え、少なくとも一方のパンチが同心状に配置された複数のものからなる金型が知られている(例えば、特許文献1)。
図8および図9に示すように、外周に歯形W1が賦形されるフランジW3と、中心軸孔W2のボスW4と、フランジW3およびボスW4間のウエブW5を有するような歯車Wを成形する金型の場合には、図1に参照されるように、少なくとも一方のパンチ(以下の説明ではロアパンチLP)が、その歯車Wの側面におけるフランジW3を賦形するアウターパンチ3と、ボスW4を賦形するインナーパンチ4と、ウエブW5を賦形するミドルパンチ5と、を同心状に配設されてなるものがある。さらに、ウエブW5の肉厚が周方向で断続的に異なるような歯車を成形しようとする場合、すなわち、ウエブW5の少なくとも一方の面が周方向に断続的な凹部W52(図8に示した例では3箇所)を有する歯車Wを成形しようとする場合の従来の一般的な技術としては、周方向に一定の肉厚のウエブW5を有する歯車Wを成形した後に、ウエブW5に切削などの機械加工を施すことにより、凹部W52を賦形していた。
このような従来の一般的な技術では機械加工のための工程が多くなることから、近年では、機械加工を必要とすることなく一工程で凹部も含めて製品を成形するため、成形しようとするウエブW5の肉厚の部分W51と交互に配置される凹部W52との形状に応じて、図10〜図12に従来の技術として示すように、ミドルパンチ5’がウエブW5の肉厚の部分W51を賦形するよう周方向に断続的に配置されるの柱形状部50を有しており、コアロッド7’が成形しようとするウエブW5の凹部W52に応じて柱形状部50の間に配置された金型が知られている。そして、この金型におけるコアロッド7’は、材料となる粉末を金型内で適切な圧力で加圧して凹部を成形するために、ミドルパンチ5’の先端よりも突出した状態とされており、その突出量が成形圧によってミドルパンチ5’の先端に対して設定された突出量となるまで(すなわち、肉厚の部分W51に対する凹部W52の設定された段差と同等となるまで)相対的に後退移動するよう可動可能に取付けられている。
このような従来のミドルパンチ5’およびコアロッド7’の構成を図10〜図12に基づいて、以下にさらに詳しく説明する。図に示した例では、歯車WのウエブW5に肉厚の部分W51と肉薄の凹部w52とを周方向に交互にそれぞれ3箇所づつ成形するために、ミドルパンチ5’は、円筒状の基部51から肉厚の部分W51を賦形するための軸方向に延びる3つの柱形状部50が周方向に等間隔で形成され、基部51の柱形状部50の間と対応する位置には凹部52が形成されている。また、3つのコアロッド7’は、ミドルパンチ5’の各柱形状部50の間および基部51の凹部52によって担持されるよう成形されている。コアロッド7’は、その両端がミドルパンチ5’の柱形状部50の先端および基部51から所定量突出し得るような軸方向長さを有している。
なお、図8および図9に示した歯車Wでは、外周のフランジW3からウエブW5の各肉厚の部分W51に亘ってキー部W6が凹設されるため、これと対応してミドルパンチ5’の柱形状部50の先端外周面にも溝10a’が形成されている。そして、この溝10a’は一般にワイヤーカットによって形成されるため、柱形状部50の中間部には、ワイヤー電極の先端を逃がすための逃げ部10b’が溝10a’と連続して凹設されている。
しかしながら、図1に参照されるような金型では、センタロッド2やアッパーパンチUPおよびロアパンチLPの各パンチ3、4、5をそれぞれ軸方向に駆動させるために、金型全体の高さが高くなり、したがって、センタロッド2やアッパーパンチUPおよびロアパンチLPの各パンチ3、4、5の軸方向の長さも長くなる傾向にある。上記従来のミドルパンチ5’では、基部51から柱形状部50が軸方に長く延びるように成形されたものであったために剛性が低く、成形時の荷重が加わることによって倒れ込みやねじれによる歪が発生し、周方向に隣接するコアロッド7’や、径方向に隣接するインナーパンチ4あるいはアウターパンチ3とも強く擦れて焼付き、所謂カジリが発生するという問題があった。そして、カジリが発生した金型では製品に不良が発生するため、歩留りが悪化するという問題や、型寿命が短くなり、型を交換するための段替え工数も増大するため、製品の製造コストを低減させることができないなどの問題があった。また、従来のミドルパンチ5’にあっては、上述したように溝10a’をワイヤカットによって形成するために逃げ部10b’を柱形状部50に形成する必要があることから、そのための工程数が多くなり、しかも、柱形状部50の剛性をさらに低下させるなどの問題があった。
本発明は、上述した問題に鑑みてなされたもので、簡単な構成で、容易に且つ精度良く所望の肉厚の製品を成形することができる金型を提供することを目的とする。
請求項1に係る金型の発明は、上記目的を達成するため、ダイアセンブリと、相対向して近接・離間可能に配設された一対のパンチとを備え、少なくとも一方のパンチがインナーパンチとミドルパンチおよびコアロッドとアウターパンチとを同心状に配設されてなる金型であって、前記ミドルパンチを、製品成形部と基礎部とに分割して成形したことを特徴とするものである。
請求項2に係る金型の発明は、上記目的を達成するため、請求項1に記載の発明において、分割位置が、製品の抜き出しストロークに基づいて決定されていることを特徴とするものである。
請求項3に係る金型の発明は、上記目的を達成するため、請求項1または2に記載の発明において、前記コアロッドが、前記ミドルパンチの基礎部に摺動可能に組み付けられたピンによって前記ミドルパンチに可動可能に取付けられていることを特徴とするものである。
請求項2に係る金型の発明は、上記目的を達成するため、請求項1に記載の発明において、分割位置が、製品の抜き出しストロークに基づいて決定されていることを特徴とするものである。
請求項3に係る金型の発明は、上記目的を達成するため、請求項1または2に記載の発明において、前記コアロッドが、前記ミドルパンチの基礎部に摺動可能に組み付けられたピンによって前記ミドルパンチに可動可能に取付けられていることを特徴とするものである。
請求項1の発明では、ミドルパンチが、製品の端面を所定形状に賦形するための製品成形部と、この製品成形部を保持する基礎部とに分割して成形されていることにより、製品成形部の軸方向長さが短くなることことからその剛性が向上するため、製品の端面が所定形状に精度良く容易に成形され、また、カジリの発生が防止されることからミドルパンチの寿命が延びてその交換頻度が低減する。製品成形部と基礎部は着脱可能に結合させることにより、必要ある場合には製品成形部のみが容易に交換される。
請求項2の発明では、請求項1の発明において、製品抜き出しストロークに基づいてミドルパンチの製品成形部と基礎部との分割位置を適切に決定することにより、製品取出し時のミドルパンチのストロークが確実に確保されると共に、高い剛性が確保されることによりカジリが発生することがない。
請求項3の発明では、請求項1または2の発明において、前記コアロッドが、前記ミドルパンチの基礎部に摺動可能に組み付けられたピンによって前記ミドルパンチに可動可能に取付けられていることにより、基礎部に取付けられた製品成形部に担持されるべく製品成形部と対応して軸方向長さが短く成形されるためにその剛性が向上し、しかも、基礎部に組み付けられたピンによって製品成形部に対して摺動して所定量突出するような前進と設定された突出量となるまでの後退とが可能となることから、安定して適切な圧力で凹部が賦形される。
なお、本発明の金型は、さらに、製品成形部に対してコアロッドを前進移動させて突出するように付勢する付勢手段と、製品規制手段に対するコアロッドの突出量が所定となるようにその前進移動を規制する前進移動規制手段と、製品規制手段に対してコアロッドが設定された突出量となるようにその後退移動を規制する後退移動規制手段と、を備えることが望ましい。
請求項2の発明では、請求項1の発明において、製品抜き出しストロークに基づいてミドルパンチの製品成形部と基礎部との分割位置を適切に決定することにより、製品取出し時のミドルパンチのストロークが確実に確保されると共に、高い剛性が確保されることによりカジリが発生することがない。
請求項3の発明では、請求項1または2の発明において、前記コアロッドが、前記ミドルパンチの基礎部に摺動可能に組み付けられたピンによって前記ミドルパンチに可動可能に取付けられていることにより、基礎部に取付けられた製品成形部に担持されるべく製品成形部と対応して軸方向長さが短く成形されるためにその剛性が向上し、しかも、基礎部に組み付けられたピンによって製品成形部に対して摺動して所定量突出するような前進と設定された突出量となるまでの後退とが可能となることから、安定して適切な圧力で凹部が賦形される。
なお、本発明の金型は、さらに、製品成形部に対してコアロッドを前進移動させて突出するように付勢する付勢手段と、製品規制手段に対するコアロッドの突出量が所定となるようにその前進移動を規制する前進移動規制手段と、製品規制手段に対してコアロッドが設定された突出量となるようにその後退移動を規制する後退移動規制手段と、を備えることが望ましい。
請求項1の発明によれば、ミドルパンチを、製品成形部と基礎部とに分割して成形したという簡単な構成で、剛性の高い製品成形部を容易に成形することができるため、容易に精度良く所望の形状に賦形された製品を成形することができる金型を提供することができる。
請求項2の発明によれば、請求項1の発明において、分割位置を製品の抜き出しストロークに基づいて決定することにより、製品取出し時におけるミドルパンチのストロークを確実に確保することができ、しかも、高い精度と高い剛性で製品成形部が形成される。
請求項3の発明によれば、請求項1または2の発明において、コアロッドが、ミドルパンチの基礎部に摺動可能に組み付けられたピンによって前記ミドルパンチに可動可能に取付けられていることにより、コアロッドの全長が製品成形部と対応して短くなることからその剛性を向上させることができ、周方向に異なる肉厚の製品を精度良く、適切な圧力で成形することができる。
請求項2の発明によれば、請求項1の発明において、分割位置を製品の抜き出しストロークに基づいて決定することにより、製品取出し時におけるミドルパンチのストロークを確実に確保することができ、しかも、高い精度と高い剛性で製品成形部が形成される。
請求項3の発明によれば、請求項1または2の発明において、コアロッドが、ミドルパンチの基礎部に摺動可能に組み付けられたピンによって前記ミドルパンチに可動可能に取付けられていることにより、コアロッドの全長が製品成形部と対応して短くなることからその剛性を向上させることができ、周方向に異なる肉厚の製品を精度良く、適切な圧力で成形することができる。
本発明の金型の最良の形態を、製品が図8および図9に示したような形状の燒結部品となる歯車である場合により、図1〜図7に基づいて詳細に説明する。なお、図において、同一符号は同様の部分または相当する部分に付すものとする。
本発明の金型は、概略、製品の外形を賦形するダイス(以下の説明では、ダイアセンブリという)1と、製品の中心孔の内形を賦形するセンタロッド2と、相対向して近接・離間可能に配設された製品の端面を賦形する一対のパンチUP、LPとを備え、少なくとも一方のパンチ(この実施の形態ではロアパンチLP)がアウターパンチ3とミドルパンチ5およびコアロッド7とインナーパンチ4とを同心状に配設してなるもので、ミドルパンチ5が、周方向に断続しその間にコアロッド7が配置される製品成形部10と、略円筒状の基礎部11とに分割して成形されている。そして、ミドルパンチ5の製品成形部10と基礎部11との分割位置は製品である歯車Wの抜き出しストロークに基づいて決定されている。さらに、コアロッド7は、製品成形部10の間で担持されるよう製品成形部10と対応する長さに成形され、ミドルパンチ5の基礎部11に摺動可能に組み付けられたピン12によって可動可能とされている。
本発明の金型は、概略、製品の外形を賦形するダイス(以下の説明では、ダイアセンブリという)1と、製品の中心孔の内形を賦形するセンタロッド2と、相対向して近接・離間可能に配設された製品の端面を賦形する一対のパンチUP、LPとを備え、少なくとも一方のパンチ(この実施の形態ではロアパンチLP)がアウターパンチ3とミドルパンチ5およびコアロッド7とインナーパンチ4とを同心状に配設してなるもので、ミドルパンチ5が、周方向に断続しその間にコアロッド7が配置される製品成形部10と、略円筒状の基礎部11とに分割して成形されている。そして、ミドルパンチ5の製品成形部10と基礎部11との分割位置は製品である歯車Wの抜き出しストロークに基づいて決定されている。さらに、コアロッド7は、製品成形部10の間で担持されるよう製品成形部10と対応する長さに成形され、ミドルパンチ5の基礎部11に摺動可能に組み付けられたピン12によって可動可能とされている。
図1および図9に示すように、ダイアセンブリ1の内周には、歯車Wの外周に歯W1を賦形するための歯賦形部が形成されている。センタロッド2の外周の先端近傍には歯車Wの中心軸孔W2の内周を賦形するための内周賦形部が形成されている。ダイアセンブリ1の内周の中心にセンタロッド2が配置され、ダイアセンブリ1の内周とセンタロッド2との径方向の間には、内側からインナーパンチ4とミドルパンチ5およびコアロッド7とアウターパンチ3とが順次外嵌されてなるロアパンチLPが配設されている。インナーパンチ4の先端面は、歯車Wの中心軸孔W2の周囲のボスW4を賦形し、また、アウターパンチ3の先端面は、歯車Wの外周の歯形W1が形成されるフランジW3を賦形する。アウターパンチ3には、歯車Wのキー部W6を成形するためにダイアセンブリ1に設けられるキー部成形入子6が嵌合されるスリット3aが形成されている(図9)。
ダイアセンブリ1の上方には、アッパーパンチUPが配設されている。アッパーパンチUPは、図9に示した歯車WのウエブW5の上面を賦形するもので、その中心にはセンタロッド2の先端が嵌合される凹部UPaが形成されている。アッパーパンチUPは、必要に応じてロアパンチLPと同様に、同心状に配置されたアッパーインナーパンチとアッパーミドルパンチとアッパーアウターパンチとなどにより構成することもできる。
センタロッド2と、インナーパンチ4、ミドルパンチ5、コアロッド7、アウターパンチ3からなるロアパンチLPと、アッパーパンチUPは、それぞれラムに結合されて所定のタイミングでダイアセンブリ1に対して相対的に軸方向(図1および図9では上下方向)にそれぞれ移動することが可能となっている。
ダイアセンブリ1の上方には、アッパーパンチUPが配設されている。アッパーパンチUPは、図9に示した歯車WのウエブW5の上面を賦形するもので、その中心にはセンタロッド2の先端が嵌合される凹部UPaが形成されている。アッパーパンチUPは、必要に応じてロアパンチLPと同様に、同心状に配置されたアッパーインナーパンチとアッパーミドルパンチとアッパーアウターパンチとなどにより構成することもできる。
センタロッド2と、インナーパンチ4、ミドルパンチ5、コアロッド7、アウターパンチ3からなるロアパンチLPと、アッパーパンチUPは、それぞれラムに結合されて所定のタイミングでダイアセンブリ1に対して相対的に軸方向(図1および図9では上下方向)にそれぞれ移動することが可能となっている。
図2〜図5に示すように、ミドルパンチ5は、歯車WのウエブW5の3箇所の肉圧の部分W51をそれぞれ賦形する3つ(この実施の形態の場合)の製品成形部10と、単一の基礎部11とにより分割して構成されている。
各製品成形部10は、歯車WのウエブW5の肉厚の部分W51とそれぞれ対応する円弧状に成形されてなるもので、その外周面には歯車Wのキー部W6を成形するためにダイアセンブリ1に設けられるキー部成形入子6が嵌合される溝10aがアウターパンチ3のスリット3aと対応して形成されている。なお、溝10aは、従来の技術と同様にワイヤカットによって形成されるが、本発明では製品成形部10を基礎部11とは別に成形するため、従来の技術のように(図10および図12を参照)ワイヤー電極の先端を逃がすための逃げ部10b’を溝10a’と連続して凹設する必要はなく、製品成形部10の全長にわたって容易に形成することができる。製品成形部10の軸方向の長さ(基礎部11との分割位置)は、アウターパンチ3のスリット3aと共に溝10aにダイアセンブリ1に設けられるキー部成形入子6が嵌合された状態で、突出するように軸方向に相対的に摺動して成形された歯車Wをダイアセンブリ1から抜き出すことができるように、必要なストロークに応じて決定される。ここで、分割位置を決定するためのフローチャートを図6に示す。分割位置を決定するに際しては、スタート(STEP100)後、最初に、製品である歯車Wの取り出し(抜き出し)時の移動量を確定し(STEP200)、図7に示したように加工精度と加工長さの相関関係を確定し(STEP300)、STEP200に基づいて分割位置(すなわち製品成形部10の長さ)を設定し(STEP400)、製品成形部10を80mmに成形するときの加工精度が型の要求される加工精度内であるか否かを判断し(STEP500)、製品成形部10の加工精度が型要求加工精度を満たさない場合(STEP500でNの場合)には、STEP400に戻り、製品成形部10の加工精度が型要求加工精度を満たさない、すなわち型要求加工精度内である場合(STEP500でYの場合)にはその長さの分割位置に決定して終了する。例えば、歯車Wをダイアセンブリ1から抜き出すために必要なストローク(最大移動距離)が80mmであると確定し(STEP200)、また、金型として要求される加工精度は0.02mmであると仮定する。図7は、機械により加工する長さに対して加工できる精度の一例を示したもので、このなかで製品成形部10を成形するために機械加工を施すときの加工長さが80mmであるときの加工精度は0.01mmであるとする(STEP300)。次いで、STEP200の結果から、製品成形部10を成形する長さを80mmと設定する(STEP400)。このような場合には、製品成形部10の長さを80mmに成形するときの加工精度は0.01mmであり、この数値は型要求加工精度0.02mm以内であることから、必要なストローク量で設定された分割位置(製品成形部10の長さ)で機械加工することにより、その型要求加工精度を満足させることができる。図5からも明らかなように、ミドルパンチ5の全長の大部分は基礎部11によって占められており、製品成形部10の軸方向の長さは、従来の技術における柱形状部10’と比較してきわめて短く成形され、そのため、ワイヤカットによって形成される溝10aの成形精度も高いものとなる。この実施の形態では、歯車WのウエブW5の肉厚の部分W51の表面に凸部W51aを賦形するため、各製品成形部10の先端面には、凹部10b(図3)が形成されている。また、各製品成形部10の基端面(基礎部11と接する面)には、めねじ孔10c(図5)が形成されている。
基礎部11は、略円筒状に成形されてなるもので、歯車WのウエブW5と対応する大きさの上端面を有している。図4に示すように、基礎部11には、取付けられる各製品成形部10のめねじ穴10cの位置と対応して、そのめねじ孔10cに締結するボルト13を挿通するためのボルト孔11aが形成されている。ボルト穴11aの下方からボルト13の軸部を挿通してめねじ孔10cに螺合することにより、各製品成形部10は基礎部11に対して所定の位置に着脱可能に取付けられる。さらに、基礎部11には、以下に説明するコアロッド7を突出させるように押圧するピン12を摺動可能に挿通するためのピン孔11bが形成されている。
各製品成形部10は、歯車WのウエブW5の肉厚の部分W51とそれぞれ対応する円弧状に成形されてなるもので、その外周面には歯車Wのキー部W6を成形するためにダイアセンブリ1に設けられるキー部成形入子6が嵌合される溝10aがアウターパンチ3のスリット3aと対応して形成されている。なお、溝10aは、従来の技術と同様にワイヤカットによって形成されるが、本発明では製品成形部10を基礎部11とは別に成形するため、従来の技術のように(図10および図12を参照)ワイヤー電極の先端を逃がすための逃げ部10b’を溝10a’と連続して凹設する必要はなく、製品成形部10の全長にわたって容易に形成することができる。製品成形部10の軸方向の長さ(基礎部11との分割位置)は、アウターパンチ3のスリット3aと共に溝10aにダイアセンブリ1に設けられるキー部成形入子6が嵌合された状態で、突出するように軸方向に相対的に摺動して成形された歯車Wをダイアセンブリ1から抜き出すことができるように、必要なストロークに応じて決定される。ここで、分割位置を決定するためのフローチャートを図6に示す。分割位置を決定するに際しては、スタート(STEP100)後、最初に、製品である歯車Wの取り出し(抜き出し)時の移動量を確定し(STEP200)、図7に示したように加工精度と加工長さの相関関係を確定し(STEP300)、STEP200に基づいて分割位置(すなわち製品成形部10の長さ)を設定し(STEP400)、製品成形部10を80mmに成形するときの加工精度が型の要求される加工精度内であるか否かを判断し(STEP500)、製品成形部10の加工精度が型要求加工精度を満たさない場合(STEP500でNの場合)には、STEP400に戻り、製品成形部10の加工精度が型要求加工精度を満たさない、すなわち型要求加工精度内である場合(STEP500でYの場合)にはその長さの分割位置に決定して終了する。例えば、歯車Wをダイアセンブリ1から抜き出すために必要なストローク(最大移動距離)が80mmであると確定し(STEP200)、また、金型として要求される加工精度は0.02mmであると仮定する。図7は、機械により加工する長さに対して加工できる精度の一例を示したもので、このなかで製品成形部10を成形するために機械加工を施すときの加工長さが80mmであるときの加工精度は0.01mmであるとする(STEP300)。次いで、STEP200の結果から、製品成形部10を成形する長さを80mmと設定する(STEP400)。このような場合には、製品成形部10の長さを80mmに成形するときの加工精度は0.01mmであり、この数値は型要求加工精度0.02mm以内であることから、必要なストローク量で設定された分割位置(製品成形部10の長さ)で機械加工することにより、その型要求加工精度を満足させることができる。図5からも明らかなように、ミドルパンチ5の全長の大部分は基礎部11によって占められており、製品成形部10の軸方向の長さは、従来の技術における柱形状部10’と比較してきわめて短く成形され、そのため、ワイヤカットによって形成される溝10aの成形精度も高いものとなる。この実施の形態では、歯車WのウエブW5の肉厚の部分W51の表面に凸部W51aを賦形するため、各製品成形部10の先端面には、凹部10b(図3)が形成されている。また、各製品成形部10の基端面(基礎部11と接する面)には、めねじ孔10c(図5)が形成されている。
基礎部11は、略円筒状に成形されてなるもので、歯車WのウエブW5と対応する大きさの上端面を有している。図4に示すように、基礎部11には、取付けられる各製品成形部10のめねじ穴10cの位置と対応して、そのめねじ孔10cに締結するボルト13を挿通するためのボルト孔11aが形成されている。ボルト穴11aの下方からボルト13の軸部を挿通してめねじ孔10cに螺合することにより、各製品成形部10は基礎部11に対して所定の位置に着脱可能に取付けられる。さらに、基礎部11には、以下に説明するコアロッド7を突出させるように押圧するピン12を摺動可能に挿通するためのピン孔11bが形成されている。
基礎部11の先端面に取付けられた3つの製品成形部10の間には、それぞれコアロッド7が軸方向に前進・後退移動するよう摺動可能に配置され担持される。そして、金型として組立てられたときには、コアロッド7は、径方向に隣接するインナーパンチ4とアウターパンチ3との間に挟持された状態となる。コアロッド7は、歯車WのウエブW5の凹部W52とそれぞれ対応する円弧状に成形されてなる。
基礎部11のピン孔11bは、コアロッド7の配置位置と対応して形成されており、その先端側(図5における上側)開口部にはピン12のヘッドを収容することが可能な拡径部が形成されている。ピン孔11bに挿通されたピン12のヘッドの端面は、コアロッド7の下端面に当接され、また、基端側(図5における下側)は、スペーサ14との間にスプリング15が介装されたプレート16に当接されている。そのため、コアロッド7は、前進移動して製品成形部に対して突出するよう付勢されている。換言すれば、基礎部11に組み付けられたピン12は、スプリング15によってコアロッド7を突出させるように付勢する付勢手段を構成する。なお、この実施の形態では、ピン12を介してスプリング15によりコアロッド7を突出させるよう付勢したが、コアロッド7を突出させるための付勢手段として、例えば、コアロッド7とミドルパンチ5の基礎部11との間にスプリングを介装してもよく、また、ピン12の後端にエアシリンダなどを接続してもよい。
各製品成形部10のコアロッド7と接する側面には、段部10dが形成されており、各コアロッド7の製品成形部10と接する側面には段部10dに係止される係止部7dが形成されている。段部10dと係止部7dは、スプリング15とピン12よって突出するよう付勢されるコアロッド7の前進を規制する前進移動規制手段を構成する。
コアロッド7は、アッパーパンチUPとロアパンチLPが相対的に近接されて成形空間内に充填された成形材料を加圧するときの成形圧力によってスプリング15とピン12の付勢に抗して後退移動され、その後端面(図では下端面)が基礎部11の先端面に当接する。換言すれば、コアロッド7の後端面と基礎部11の先端面は、コアロッド7の後退移動を規制する後退移動規制手段を構成する。
コアロッド7は、アッパーパンチUPとロアパンチLPが相対的に近接されて成形空間内に充填された成形材料を加圧するときの成形圧力によってスプリング15とピン12の付勢に抗して後退移動され、その後端面(図では下端面)が基礎部11の先端面に当接する。換言すれば、コアロッド7の後端面と基礎部11の先端面は、コアロッド7の後退移動を規制する後退移動規制手段を構成する。
この実施の形態におけるコアロッド7は、製品成形部10の間に担持されて、係止部7dが段部10dに係止された状態で製品成形部10の先端面よりも所定量突出し、且つ、後退移動することによりその後端面が基礎部11の先端面に接した状態で先端面が製品成形部10の先端面から設定された長さ(ウエブW5の凹部W52の深さ)だけ突出するように、製品成形部10と対応する長さに成形されている。したがって、本発明におけるコアロッド7の全長は、従来の技術におけるコアロッド7’と比較して、きわめて短くなっている。
以上説明した構成により、コアロッド7は、その係止部7aが段部10dに係止された状態を前進限としてスプリング15の付勢力によって製品成形部10の先端面よりも所定量突出するよう付勢され、また、その下端面がミドルパンチ5の基礎部11の先端面に当接する状態を後退限として成形圧によってスプリング15の付勢力に抗して後退し、その先端面が製品成形部10の先端面から設定された量だけ突出することが可能となっている。
なお、本発明の金型は、従来の技術で説明したような凹部52をミドルパンチ5の基礎部11に形成し、従来の技術で使用していた長さのコアロッド7’を凹部52と製品成形部10の間に嵌挿した構成とする場合も含まれる。
本発明は、図8および図9に示したような歯車を成形するためのものに限定されることはなく、他の形状の製品を成形するための金型にも適用することができる。また、本発明は、粉末成形用の金型に限定されることなく、例えば鍛造など、他の用途の金型にも適用することができる。
1:ダイアセンブリ(ダイス)、 2:センタロッド、 UP:アッパーパンチ、 LP:ロアパンチ、 3:アウターパンチ、 4:インナーパンチ、5:ミドルパンチ、 7:コアロッド、 10:製品成形部、 11:基礎部、 12:ピン、 15:スプリング
Claims (3)
- ダイアセンブリと、相対向して近接・離間可能に配設された一対のパンチとを備え、少なくとも一方のパンチがインナーパンチとミドルパンチおよびコアロッドとアウターパンチとを同心状に配設されてなる金型であって、
前記ミドルパンチを、製品成形部と基礎部とに分割して成形したことを特徴とする金型。 - 分割位置が、製品の抜き出しストロークに基づいて決定されていることを特徴とする請求項1に記載の金型。
- 前記コアロッドが、前記ミドルパンチの基礎部に摺動可能に組み付けられたピンによって前記ミドルパンチに可動可能に取付けられていることを特徴とする請求項1または2に記載の金型。
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