JPH11298991A - 低域補正回路、ステレオパワーアンプの低域補正方法、及びデジタルオーディオ機器 - Google Patents

低域補正回路、ステレオパワーアンプの低域補正方法、及びデジタルオーディオ機器

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JPH11298991A
JPH11298991A JP10489098A JP10489098A JPH11298991A JP H11298991 A JPH11298991 A JP H11298991A JP 10489098 A JP10489098 A JP 10489098A JP 10489098 A JP10489098 A JP 10489098A JP H11298991 A JPH11298991 A JP H11298991A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 ステレオパワーアンプにおいて、少ない外付
け部品数及び端子数で低域成分の補正を好適に実現でき
る低域補正回路を提供する。 【解決手段】 第1の入力信号増幅し、その出力を第1
のカップリングコンデンサを介して第1の負荷に供給す
る第1のパワーアンプと、第2の入力信号を増幅し、そ
の出力を第2のカップリングコンデンサを介して第2の
負荷に供給する第2のパワーアンプとに接続され、前記
第1および第2のパワーアンプにおける周波数特性の低
域成分を補正する低域補正回路において、前記第1およ
び第2のパワーアンプの出力を合成して取り出す混合回
路と、前記混合回路から出力された合成信号の低域成分
を抽出する低域フィルタと、前記低域フィルタの出力を
反転して前記第1および第2のパワーアンプへフィード
バックする反転回路とを備えた。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ステレオパワーア
ンプにおける周波数特性の低域成分を補正する低域補正
回路及びステレオパワーアンプの低域補正方法と、この
低域補正回路を含むステレオパワーアンプを搭載したオ
ーディオ機器に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、CD(コンパクト・ディスク)や
MD(ミニ・ディスク)などのデジタルオーディオ機器
の開発が盛んに行われ、この種のデジタルオーディオ機
器は、ハイファイ(HIFI:High Fideli
ty=高忠実度)を重要視している。
【0003】人間の耳が聞える周波数というのは20H
zから20kHz程度となっており、従来のカセットテ
ープなどのアナログ的なオーディオ機器では、その周波
数特性においてフラットな帯域が元々狭く、ハイファイ
の観点からは余り問題になっていなかった。しかし、オ
ーディオ機器がデジタルに移行してからは、高音質の再
生音を得ることが可能になり、忠実にソース(音源)を
再現するハイファイ指向が現状となっている。
【0004】このようにデジタルオーディオの機器はハ
イファイを重視しており、これを実現するためにはステ
レオパワーアンプの周波数特性が20Hzから20kH
zまでフラットであることが必要である。
【0005】通常、ステレオの場合は、左チャンネルと
右チャンネルからソース信号が入力され、パワーアンプ
を介して出力される。このパワーアンプの出力形態に
は、パワーアンプの出力とヘッドフォンやスピーカーな
どの負荷とを大容量コンデンサで接続するC−カップル
方式というものがある。
【0006】図6は、従来のC−カップル方式パワーア
ンプの回路図である。
【0007】このパワーアンプは、オペアンプ101で
構成され、その非反転端子には入力信号Vinが印加さ
れ、反転端子にはゲイン設定用の抵抗R1,R2が接続
されている。そして、オペアンプ101の出力端子10
0に出力された信号Voutは、大容量の出力カップリ
ングコンデンサC1で直流分がカットされ、スピーカな
どの負荷102を鳴らすようになっている。
【0008】このパワーアンプ101自体の周波数特性
は、20Hzから20kHzまでフラットな状態になっ
ているが、コンデンサC1と負荷102でハイパスフィ
ルタ(HPF)を構成しているため、負荷102から見
た周波数特性が図7に示すように低域でロスする。
【0009】この周波数特性を20Hzの低域までフラ
ットにするためには、カップリングコンデンサC1の容
量値を大きくする必要がある。仮に、スピーカーの負荷
が16Ωの時に、20Hzまでフラットにするコンデン
サC1の容量値Cは、 C=1/(2πRf)=1/(2π・16Ω・20H
z)=497μF の大容量となる。
【0010】このように、20Hz程度の低域のカット
オフ周波数をできるだけ低い方に設定するには、コンデ
ンサC1の容量値を大きくする必要があった。
【0011】この大容量コンデンサーは部品形状的にも
大きく、特にポータブルオーディオ機器では、小型・薄
型化やコスト面の問題から大容量のコンデンサを使用で
きない傾向にある。この大容量のコンデンサとしては、
例えば、100μF、220μF、330μF、470
μF、1000μFのものが考えられるが、部品の大き
さや値段は容量値が大きくなるに従って増大するため、
小型化が重要なポータブルオーディオ機器においては、
コスト面も考慮して、使用する容量値として100μ
F、220μF程度にならざるを得ない。
【0012】このように、十分な容量値を選択すること
ができないため、その分、低域でロスする問題は解消さ
れない。
【0013】そこで、従来では、図8に示すような低域
補正回路を用いている。
【0014】図8は、従来の低域補正回路を用いたステ
レオパワーアンプ(C−カップル方式)の構成を示す回
路図である。
【0015】このステレオパワーアンプは、図6と同一
構成のパワーアンプが左右の両チャンネルにそれぞれ設
けられている。すなわち、図8中の101,102はオ
ペアンプであり、R1L,R1Rはゲイン設定用の抵抗であ
る。また、C1L,C1Rは出力カップリングコンデンサで
あり、102,202は負荷である。左チャンネル及び
右チャンネル用の入力信号VinL,VinRは、それ
ぞれオペアンプ101,201の非反転端子に印加され
る。
【0016】そして、低域補正するために、従来の単純
な帰還系(抵抗R2L,R2R)に対して、周波数特性を持
つような帰還ループ(低域補正回路110,210)が
パラレルに接続されている。低域補正回路110は、抵
抗R3Lと外付けコンデンサC2Lで構成され、同様に低域
補正回路210は、抵抗R3Rと外付けコンデンサC2Rで
構成されている。
【0017】このように、2つのパワーアンプ(ステレ
オ)に対して、それぞれ前記低域補正回路110と21
0を付加することで、パワーアンプの周波数特性を低域
(20Hz)までフラットにすることを実現している。
以下に、その原理を説明する。
【0018】図6に示したパワーアンプの周波数特性
は、前述したように出力カップリングコンデンサと負荷
によるフィルタ特性により図7に示すものとなる。
【0019】一方、図8に示した低域補正回路110ま
たは210の伝達関数を求めると、
【数1】 となり、この伝達関数による周波数特性は図9(a)に
示すようになる。
【0020】ここで、図7と図9(a)に示した周波数
特性を合成すると、図9(b)に示すものとなり、低域
(20Hz)までフラットに補正される。
【0021】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記図
8に示した従来のステレオパワーアンプでは、左右の両
チャンネルのパワーアンプ個々に低域補正を行なってい
るため、その補正回路が2系統必要になる(低域補正回
路110,210)。すなわち、抵抗R3L,R3Rと外付
けコンデンサC2L,C2Rが追加される。その結果、この
ステレオパワーアンプをIC化する場合は、外付け部品
として出力カップリングコンデンサC1L,C2Rの他にコ
ンデンサが2個(C2L,C2R)必要となり、さらに出力
端子100,200の他に低域補正回路用の端子が2個
(111,211)が必要となる。そのため、セットの
省部品化の観点と限られたICのピン数の観点から、特
にポータブルオーディオ機器においてはスペース面及び
コスト面ともに不利となる、という問題があった。
【0022】本発明は、上述の如き従来の問題点を解決
するためになされたもので、その目的は、ステレオパワ
ーアンプにおいて、少ない外付け部品数及び端子数で低
域成分の補正を好適に実現できる低域補正回路及びステ
レオパワーアンプの低域補正方法を提供することであ
る。またその他の目的は、この低域補正回路を含むステ
レオパワーアンプを搭載したオーディオ機器を提供する
ことである。
【0023】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、第1の発明の特徴は、第1の入力信号増幅し、その
出力を第1のカップリングコンデンサを介して第1の負
荷に供給する第1のパワーアンプと、第2の入力信号を
増幅し、その出力を第2のカップリングコンデンサを介
して第2の負荷に供給する第2のパワーアンプとに接続
され、前記第1および第2のパワーアンプにおける周波
数特性の低域成分を補正する低域補正回路において、前
記第1および第2のパワーアンプの出力を合成して取り
出す混合回路と、前記混合回路から出力された合成信号
の低域成分を抽出する低域フィルタと、前記低域フィル
タの出力を反転して前記第1および第2のパワーアンプ
へフィードバックする反転回路とを備えたことにある。
【0024】この第1の発明によれば、ステレオパワー
アンプにおいて、低域補正が一系統で実現される。
【0025】第2の発明の特徴は、上記第1の発明にお
いて、前記低域フィルタと前記反転回路との間に、発振
防止用のアッテネータを接続したことにある。
【0026】この第2の発明によれば、帰還系が安定化
する。
【0027】第3の発明の特徴は、上記第1または第2
の発明において、前記第1のパワーアンプは、非反転入
力端子に第1の入力信号が印加された第1のオペアンプ
と、前記第1のオペアンプの反転入力端子と出力端子と
の間に接続された第1の抵抗と、前記第1のオペアンプ
の反転入力端子に接続された第2の抵抗とで構成し、前
記第2のパワーアンプは、非反転入力端子に第2の入力
信号が印加された第2のオペアンプと、前記第2のオペ
アンプの反転入力端子と出力端子との間に接続された第
3の抵抗と、前記第2のオペアンプの反転入力端子に接
続された第4の抵抗とで構成し、前記第1と第2のオペ
アンプの反転入力端子を前記第2及び第4の抵抗を介し
て接続し、この第2と第4の抵抗の接続点に前記反転回
路の出力端子を接続したことにある。
【0028】この第3の発明によれば、ステレオパワー
アンプにおいて、負帰還が的確に機能する。
【0029】第4の発明の特徴は、第1の入力信号増幅
し、その出力を第1のカップリングコンデンサを介して
第1の負荷に供給する第1のパワーアンプと、第2の入
力信号を増幅し、その出力を第2のカップリングコンデ
ンサを介して第2の負荷に供給する第2のパワーアンプ
とを有するステレオパワーアンプを用意し、前記第1お
よび第2のパワーアンプにおける前記第1および第2の
パワーアンプの出力を合成して取り出し、その合成信号
の低域成分を抽出し、抽出された低域成分を反転して前
記第1および第2のパワーアンプへフィードバックする
ことにある。
【0030】この第4の発明によれば、上記第1の発明
と同等の作用を呈する。
【0031】第5の発明の特徴は、第1および第2のデ
ジタルオーディオ信号をそれぞれ再生する再成部と、前
記再生部の出力信号をアナログ信号に変換するD/A変
換部と、前記D/A変換部の出力である第1および第2
のアナログオーディオ信号を増幅する第1および第2の
パワーアンプを有するステレオパワーアンプと、前記第
1および第2のパワーアンプの出力側にそれぞれ第1及
び第2のカップリングコンデンサを介して接続された音
声出力器とを備えたデジタルオーディオ機器において、
前記ステレオパワーアンプ部は、前記第1および第2の
パワーアンプの出力を合成して取り出す混合回路と、前
記混合回路から出力された合成信号の低域成分を抽出す
る低域フィルタと、前記低域フィルタの出力を反転して
前記第1および第2のパワーアンプへフィードバックす
る反転回路とを備えたことにある。
【0032】この第5の発明によれば、ステレオパワー
アンプ部において上記第1の発明と同等の作用を呈す
る。
【0033】
【発明の実施の形態】以下、本発明に係わる低域補正回
路、ステレオパワーアンプの低域補正方法、及びオーデ
ィオ機器の実施形態について説明する。
【0034】図1は、本発明の実施形態に係るステレオ
パワーアンプ(C−カップル方式)の構成を示すブロッ
ク図であり、図2は、本発明の低域補正方法の原理を示
す模式図である。また、図3は、図1に示したステレオ
パワーアンプの具体例を示す回路図である。
【0035】まず、図2を参照して、本発明の低域補正
方法の原理について説明する。
【0036】ステレオ再生では、ステレオ音場におい
て、楽器その他のソース(音源)の位置が想定できるよ
うになり(音像定位)、リスニングポジション(聴取位
置)によって、この音像定位や臨場感が異なるものにな
る。
【0037】ソースとして音楽の場合では、例えばドラ
ム、ベース、キーボード、ギターの各楽器を所定のリス
ニングポジションに配置し、各楽器の音域のバランスを
とっている。例えば、図2に示すように、ギターはリス
ニングポジションのレフト(L)部分に、キーボードは
ライト(R)部分にそれぞれ定位し、ドラム及びベース
の低音楽器45は、リスニングポジションのセンター
(C)部分に定位していることが多い。
【0038】このように低域成分がリスニングポジショ
ンのセンターに定位していることに着目すれば、モノラ
ルでの処理が可能になる。
【0039】要するに、本実施形態は、ステレオパワー
アンプにおいて、オーディオ信号の低域成分(ドラム、
ベースなどの低音楽器)がリスニングポジションのセン
ターに定位することを利用して、右チャンネル及び左チ
ャンネルに対してモノラルによる一系統処理を行うもの
である。
【0040】次に、本実施形態の構成及び動作を具体的
に説明する。
【0041】図1に示すステレオパワーアンプにおい
て、11,21はそれぞれ左チャンネル用と右チャンネ
ル用のパワーアンプの主体を成すオペアンプであり、そ
の非反転端子(+)にはそれぞれ左チャンネル及び右チ
ャンネル用の入力信号VinL,VinRが印加され
る。オペアンプ11,12の出力端子10,20からは
出力信号VoutL,VoutRが、それぞれ外付けの
カップリングコンデンサC1L,C1Rを介してスピーカ等
の負荷12,22に供給されるようになっている。
【0042】左チャンネル用パワーアンプは、前記オペ
アンプ11と、オペアンプ11の反転入力端子(−)に
接続された抵抗R1Lと、その反転入力端子(−)と出力
端子10との間に接続された帰還抵抗R2Lとで構成さ
れ、同様に、右チャンネル用パワーアンプは、前記オペ
アンプ21、抵抗R1R及び帰還抵抗R2Rで構成されてい
る。ここで、抵抗R1Lと抵抗R2Lによって左チャンネル
用パワーアンプのゲインが設定され、同様に抵抗R1Rと
抵抗R2Rによって右チャンネル用パワーアンプのゲイン
が設定される。
【0043】オペアンプ11と12の反転入力端子は、
抵抗R1Rと抵抗R1Lを介して接続され、この接続点(V
nf)とオペアンプ11,12の出力端子10,20と
の間の帰還ループには、本実施形態の低域補正回路40
が接続されている。
【0044】低域補正回路40は、ミキシング(MI
X)回路41、ローパスフィルタ(LPF)42、アッ
テネータ(ATT)43、及び反転回路44を備え、ロ
ーパスフィルタ(LPF)42には端子30を介して外
付けコンデンサC2が接続されている。
【0045】ミキシング回路41は、図3に示す抵抗R
5LとR5Rで構成され、左チャンネル成分と右チャンネル
成分を合成して、センター(C)の成分を取り出す機能
がある。ローパスフィルタ42は、図3に示す抵抗R4
と外付けコンデンサC2で構成され、ミキシング回路4
1の出力の低域成分だけを抽出する。さらに、帰還系と
して安定を図るためにアッテネータ43(図3の抵抗R
3)が挿入され、反転回路44を介して、両パワーアン
プへ負帰還がなされている。
【0046】この負帰還ループによって、オペアンプ1
1,12に加えられる入力信号VinL,VinRの波
形が出力波形と相似するように自動的に調整されて、従
来と同様の周波数特性を得ることができる。
【0047】本実施形態の伝達関数を求めると、
【数2】
【数3】 ここで、
【数4】 とおくと、前記の(1)式と(2)式とにより、
【数5】 となる。
【0048】この伝達関数の式において、式を掛け算で
分けているのは、ゲイン成分(左の項)と周波数依存性
を持つ部分(右の項)である。。なお、式中のVinは
左または右チャンネルの入力VinL,VinRに相当
し、Voutは左または右チャンネルの出力Vout
L,VoutRに相当する。また、R1は抵抗R1Lまた
はR1Rの抵抗値に相当し、R2は抵抗R2LまたはR2Rの
抵抗値に相当する。
【0049】この伝達関数による周波数特性は、図4
(b)のP2に示すように、20Hz程度までフラット
であるが、20Hzを越えるとゲインが下がり、さらに
折り返しが入って再びフラットになる。この周波数特性
P2と、低域補正回路40がない状態の周波数特性(図
4(a)のP1)と合成する。つまり、周波数特性P1
の傾きに対して、同じ傾きの単純にゲインを持ち上げた
周波数特性P2を加算することにより、図4(c)に示
すように、従来と同様に低域までフラットな周波数特性
P3が得られる。
【0050】このように、本実施形態では、ステレオパ
ワーアンプにおいて、低域補正回路を一系統で実現した
ので、従来回路(図8)で低域補正回路用に2個必要で
あった外付コンデンサ(C2)が1個で済み、さらにこ
れに伴って外付コンデンサ接続用の端子が、従来回路よ
りも1個削減されて端子30の1個だけで済むようにな
る。
【0051】図5は、図1の低域補正回路を含むパワー
アンプICを搭載したオーディオ機器(CDプレーヤ
ー)のシステム構成の一例を示すブロック図である。
【0052】このCDプレーヤーにおいて、ピックアッ
プ52は、スピンドルモータ51で回転するCD50の
半径方向に移動可能であり、CD50の情報記録面に対
してレーザ光を照射してその反射光を光電変換する。ピ
ックアップ52から出力されたCD50からのソース信
号は非常に微小な“1”,“0”のデジタル信号であ
り、ヘッドアンプIC54は、この信号を処理可能な信
号に増幅する。
【0053】信号処理LSI55は、ヘッドアンプから
受け取った“1”,“0”のシリアルな信号から音楽成
分や、モータ51を駆動するドライバIC53に送るた
めのトラッキング制御用の信号などを抽出し、その中か
ら音楽成分だけの信号をD/Aコンバータ56へ送る。
また、上記のヘッドアンプIC54、信号処理LSI5
5及びD/Aコンバータ56は、マイコン60によって
コントロールされる。
【0054】D/Aコンバータ56でアナログ信号に変
換されたソース信号は、ボリューム61,62を介し
て、上記実施形態のステレオパワーアンプを有するパワ
ーアンプIC63で増幅される。その際、上述した方法
で周波数特性の低域補正が行なわれる。パワーアンプI
C63から出力されたアナログソース信号は、その直流
分がカップリングコンデンサ64,65でカットされ、
スピーカ66,67へ送られ、スピーカ66,67が鳴
動する。
【0055】パワーアンプIC63においては、上記実
施形態のステレオパワーアンプを用いているので、上述
したように、従来回路で低域補正回路用に2個必要であ
った外付コンデンサが1個で済み、さらにこれに伴って
外付コンデンサ接続用の端子(ピン)が1本削減され
る。これにより、オーディオ機器の省部品化、薄型・小
型化及び低コスト化に大きく貢献することができる。
【0056】
【発明の効果】以上詳細に説明したように、本発明によ
れば、ステレオパワーアンプにおいて、低域補正を一系
統で実現することができるので、従来回路で低域補正回
路用に2個必要であった外付コンデンサが1個で済み、
さらにこれに伴って外付コンデンサ接続用の端子が従来
回路よりも1個削減される。これにより、オーディオ機
器の省部品化、薄型・小型化及び低コスト化に大きく貢
献し、特にピン数の限られるICにおいては非常に有効
となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態に係るステレオパワーアンプ
(C−カップル方式)の構成を示すブロック図である。
【図2】本発明の低域補正方法の原理を示す模式図であ
る。
【図3】図1に示したステレオパワーアンプの具体例を
示す回路図である。
【図4】実施形態の周波数特性を示す図である。
【図5】図1の低域補正回路を含むオーディオ機器のシ
ステム構成の一例を示すブロック図である。
【図6】従来のC−カップル方式パワーアンプの回路図
である。
【図7】図6の回路の周波数特性を示す図である。
【図8】従来の低域補正回路を用いたステレオパワーア
ンプの構成を示す回路図である。
【図9】図8の回路の周波数特性を示す図である。
【符号の説明】
10,20 出力端子 11,21 オペアンプ(パワーアンプ) C1L,C1R カップリングコンデンサ 12,22 負荷 30 低域補正回路用の端子 R1L 第2の抵抗 R2L 帰還抵抗(第1の抵抗) R1R 第4の抵抗 R2R 帰還抵抗(第3の抵抗) 40 低域補正回路 41 ミキシング(MIX)回路 42 ローパスフィルタ(LPF) 43 アッテネータ(ATT) 44 反転回路 C2 低域補正回路の外付けコンデンサ VinL,VinR 入力信号 VoutL,VoutR 出力信号

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 第1の入力信号増幅し、その出力を第1
    のカップリングコンデンサを介して第1の負荷に供給す
    る第1のパワーアンプと、第2の入力信号を増幅し、そ
    の出力を第2のカップリングコンデンサを介して第2の
    負荷に供給する第2のパワーアンプとに接続され、前記
    第1および第2のパワーアンプにおける周波数特性の低
    域成分を補正する低域補正回路において、 前記第1および第2のパワーアンプの出力を合成して取
    り出す混合回路と、 前記混合回路から出力された合成信号の低域成分を抽出
    する低域フィルタと、 前記低域フィルタの出力を反転して前記第1および第2
    のパワーアンプへフィードバックする反転回路とを備え
    たことを特徴とする低域補正回路。
  2. 【請求項2】 前記低域フィルタと前記反転回路との間
    に、発振防止用のアッテネータを接続したことを特徴と
    する請求項1記載の低域補正回路。
  3. 【請求項3】 前記第1のパワーアンプは、非反転入力
    端子に第1の入力信号が印加された第1のオペアンプ
    と、前記第1のオペアンプの反転入力端子と出力端子と
    の間に接続された第1の抵抗と、前記第1のオペアンプ
    の反転入力端子に接続された第2の抵抗とで構成し、 前記第2のパワーアンプは、非反転入力端子に第2の入
    力信号が印加された第2のオペアンプと、前記第2のオ
    ペアンプの反転入力端子と出力端子との間に接続された
    第3の抵抗と、前記第2のオペアンプの反転入力端子に
    接続された第4の抵抗とで構成し、 前記第1と第2のオペアンプの反転入力端子を前記第2
    及び第4の抵抗を介して接続し、この第2と第4の抵抗
    の接続点に前記反転回路の出力端子を接続したことを特
    徴とする請求項1または請求項2記載の低域補正回路。
  4. 【請求項4】 第1の入力信号増幅し、その出力を第1
    のカップリングコンデンサを介して第1の負荷に供給す
    る第1のパワーアンプと、第2の入力信号を増幅し、そ
    の出力を第2のカップリングコンデンサを介して第2の
    負荷に供給する第2のパワーアンプとを有するステレオ
    パワーアンプを用意し、 前記第1および第2のパワーアンプにおける前記第1お
    よび第2のパワーアンプの出力を合成して取り出し、 その合成信号の低域成分を抽出し、 抽出された低域成分を反転して前記第1および第2のパ
    ワーアンプへフィードバックすることを特徴とするステ
    レオパワーアンプの低域補正方法。
  5. 【請求項5】 第1および第2のデジタルオーディオ信
    号をそれぞれ再生する再成部と、前記再生部の出力信号
    をアナログ信号に変換するD/A変換部と、前記D/A
    変換部の出力である第1および第2のアナログオーディ
    オ信号を増幅する第1および第2のパワーアンプを有す
    るステレオパワーアンプと、前記第1および第2のパワ
    ーアンプの出力側にそれぞれ第1及び第2のカップリン
    グコンデンサを介して接続された音声出力器とを備えた
    デジタルオーディオ機器において、 前記ステレオパワーアンプ部は、 前記第1および第2のパワーアンプの出力を合成して取
    り出す混合回路と、 前記混合回路から出力された合成信号の低域成分を抽出
    する低域フィルタと、 前記低域フィルタの出力を反転して前記第1および第2
    のパワーアンプへフィードバックする反転回路とを備え
    たことを特徴とするデジタルオーディオ機器。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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