JPH11298108A - 回路基板およびそれを用いた電子装置 - Google Patents

回路基板およびそれを用いた電子装置

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JPH11298108A
JPH11298108A JP10101154A JP10115498A JPH11298108A JP H11298108 A JPH11298108 A JP H11298108A JP 10101154 A JP10101154 A JP 10101154A JP 10115498 A JP10115498 A JP 10115498A JP H11298108 A JPH11298108 A JP H11298108A
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dielectric
circuit board
ground electrode
main surface
constant
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JP10101154A
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Tsutomu Iegi
勉 家木
Yutaka Sasaki
豊 佐々木
Yoshikazu Yagi
芳和 八木
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Murata Manufacturing Co Ltd
Original Assignee
Murata Manufacturing Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 集中定数素子の寄生成分の低減と分布定数素
子の小型化、さらには低価格化を同時に実現できる回路
基板およびそれを用いた電子装置を提供する。 【解決手段】 低誘電率の誘電体層21aと高誘電率の
21bを、一方主面側を低誘電率の誘電体層、他方主面
側を高誘電率の誘電体層にして積層して誘電体基板22
を形成し、その一方主面に第1の接地電極23を形成
し、誘電体層21aと21bの層間に第1の接地電極2
3と接続して第2の接地電極24を形成する。そして、
誘電体基板22の他方主面に、第1の接地電極23と対
向して集中定数素子26、分布定数素子27を、第2の
接地電極24と対向して分布定数素子28を形成する。 【効果】 集中定数素子の寄生成分の低減とマイクロス
トリップ線路からなる分布定数素子の小型化、回路設計
の自由度の向上、さらには回路基板自身の小型化、低価
格化を同時に実現することができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、回路基板およびそ
れを用いた電子装置、特に高周波帯で用いられる回路基
板およびそれを用いた電子装置に関する。
【0002】
【従来の技術】近年の通信機器における使用周波数の高
周波化にともなって、そのRF段などの高周波帯で使用
される回路基板のさらなる小型化、低価格化が求められ
ている。
【0003】図11に、従来の回路基板の断面図を示
す。図11において、回路基板1は、誘電体基板2の一
方主面の全面に接地電極3を形成し、誘電体基板2の他
方主面に回路素子として特性インピーダンスの高いマイ
クロストリップ線路による分布定数素子4、特性インピ
ーダンスの低いマイクロストリップ線路による分布定数
素子5、集中定数素子6を形成して構成している。ここ
で、分布定数素子4は、特性インピーダンスを高くする
ために、その幅を狭く形成し、逆に分布定数素子5は、
特性インピーダンスを低くするために、その幅を広く形
成している。また、集中定数素子6は、たとえば幅の狭
い電極をミアンダ状に形成してなるインダクタンス素子
や、あるいは櫛形電極を対にして形成した容量素子など
である。
【0004】また、図12に、従来の別の回路基板の断
面図を示す。図12において、回路基板10は、2つの
高誘電率の誘電体層11aおよび11bと低誘電率の誘
電体層11cを順に重ねて誘電体基板12を形成し、そ
の一方主面の全面に第1の接地電極13を形成し、誘電
体層11bと11cの層間のほぼ全面に第2の接地電極
14を形成し、誘電体基板12の他方主面に集中定数素
子16、17を形成し、誘電体層11aと11bの層間
に分布定数素子18を形成して構成している。ここで、
第1の接地電極13と第2の接地電極14はスルーホー
ル15で接続されている。また、集中定数素子16や1
7は、図11の集中定数素子6と同様のインダクタンス
素子や容量素子である。また、分布定数素子18はトリ
プレート型のストリップ線路からなる素子である。そし
て、集中定数素子17と分布定数素子18はスルーホー
ル19で接続されている。
【0005】このようにして、1つの回路基板に分布定
数素子や集中定数素子を混在させて形成して、1つの機
能を実現している。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】図11の回路基板1に
おいて、分布定数素子4と5の大きさは、波長短縮率の
影響が大きいため誘電体基板2の誘電率に依存する。そ
して、回路基板1の小型化のために分布定数素子4や5
を小さくしようと思えば、誘電体基板2の誘電率を高く
する必要がある。そして、その場合には同じサイズのま
までは集中定数素子4や5のインピーダンスが低下する
ため、線路の幅を狭くする必要がある。しかしながら、
元々特性インピーダンスを高くするために幅を狭く形成
している分布定数素子4は、その線路の幅をさらに狭く
する必要があり、一定以上に幅の狭い線路を作成する場
合に寸法精度の高い線路の形成が困難になるという問題
がある。また、状況によっては目的の線路幅が実現可能
な線路幅より狭くなって、目的の特性インピーダンスを
実現できなくなるという問題もある。さらには、集中定
数素子6に関しては、接地電極3との間の寄生容量が増
加して、素子としての特性が劣化してしまうという問題
もある。
【0007】また、図12の回路基板10においては、
上記の問題点に対する対策の意味もあって、集中定数素
子16、17を低誘電率の誘電体層11cの上に形成
し、分布定数素子18を高誘電率の誘電体層11a、1
1bで挟まれたトリプレート構造で形成している。しか
しながら、この場合は分布定数素子と集中定数素子を形
成する面が異なるために、両者の接続のたびにスルーホ
ール19を設ける必要があり、製造コストがかかり高価
格になるという問題がある。また、スルーホール19に
よる寄生の容量成分やインダクタンス成分が回路基板の
高周波特性に悪影響を与えて設計通りの機能を果たさな
いという問題もある。さらには、トリプレート構造にす
ることによって分布定数素子を厚膜印刷を用いて形成す
る必要が生じ、高い寸法精度を実現することが難しくな
るという問題もある。
【0008】本発明は上記の問題点を解決することを目
的とするもので、集中定数素子の寄生成分の低減と分布
定数素子の小型化、さらには低価格化を同時に実現でき
る回路基板およびそれを用いた電子装置を提供する。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明の回路基板は、複数の誘電体層を積層してな
る誘電体基板と、該誘電体基板の一方主面に形成された
第1の接地電極と、前記複数の誘電体層の層間に前記第
1の接地電極と接続して形成された第2の接地電極と、
前記誘電体基板の他方主面に、前記第1および第2の接
地電極のいずれか一方もしくは両方と対向して形成され
た回路素子を有することを特徴とする。
【0010】また、本発明の回路基板は、前記誘電体基
板の他方主面と前記第2の接地電極を形成した層間との
間の誘電体層を誘電体膜で形成したことを特徴とする。
【0011】また、本発明の回路基板は、前記誘電体層
の誘電率を、前記第2の接地電極を形成した層間より一
方主面側を低誘電率、他方主面側を高誘電率とすること
を特徴とする。
【0012】また、本発明の回路基板は、前記回路素子
を、薄膜電極で形成したことを特徴とする。
【0013】また、本発明の回路基板は、前記回路素子
が、前記誘電体基板の他方主面に形成された電極と前記
複数の誘電体層の層間に形成された電極の中からいくつ
かを組み合わせてなることを特徴とする。
【0014】また、本発明の電子装置は、上記の回路基
板を用いて構成したことを特徴とする。
【0015】このように構成することにより、本発明の
回路基板においては、集中定数素子の寄生成分の低減と
分布定数素子の小型化、さらには回路基板自身の小型化
と低価格化を同時に実現することができる。
【0016】また、本発明の電子装置においては小型化
と低価格化を実現することができる。
【0017】
【発明の実施の形態】図1に、本発明の回路基板の一実
施例の断面図を示す。図1において、回路基板20は、
例えば比誘電率が10程度の低誘電率のセラミックから
なる誘電体層21aと、例えば比誘電率が100程度の
高誘電率のセラミックからなる誘電体層21bを重ねて
誘電体基板22を形成し、その一方主面の全面に第1の
接地電極23を形成し、誘電体層21aと21bの層間
の一部に第2の接地電極24を形成し、誘電体基板22
の他方主面に回路素子として集中定数素子26、マイク
ロストリップ線路からなる分布定数素子27、28を形
成して構成している。そして、第1の接地電極23と第
2の接地電極24はスルーホール25で接続されてい
る。ここで、集中定数素子26と分布定数素子27は誘
電体層21aと21bの両方を隔てて第1の接地電極2
3と対向して形成されている。また、分布定数素子28
は誘電体層21bのみを隔てて第2の接地電極24と対
向して形成されている。
【0018】このように構成された回路基板20におい
て、誘電体基板22の他方主面に形成された回路素子で
ある集中定数素子26、分布定数素子27、28を除い
た部分は、セラミックシートに厚膜印刷で電極を形成し
たものを重ねて一体成形したものである。また、残りの
回路素子である集中定数素子26、分布定数素子27、
28は、たとえば焼成した誘電体基板22の他方主面を
鏡面研磨して、その上にフォトリソグラフィーを用いた
薄膜プロセスによって電極を形成したものである。
【0019】ここで、図2に集中定数素子26の構成を
示す。図2において、集中定数素子26は櫛形電極対2
6aと入力側線路26b、出力側線路26cからなる容
量素子である。
【0020】また、図3に、集中定数素子の別の例の構
成を示す。図3において、集中定数素子29は幅の狭い
ミアンダ状の線路29aと入力側線路29b、出力側線
路29cからなるインダクタンス素子である。
【0021】図1に戻り、回路基板20において、集中
定数素子26と分布定数素子27は、誘電体層21aと
21bの両方を隔てて第1の接地電極23と対向して形
成されているため、集中定数素子26および分布定数素
子27と第1の接地電極23との間隔は誘電体層21a
と21bを合わせた厚み分となる。また、その間にある
誘電体も、低誘電率の誘電体層21aと高誘電率の誘電
体層21bが重なったものであるため、その実効的な誘
電率は両者の間の値を持つ。そのために、集中定数素子
26においては、第1の接地電極23との間に形成され
る寄生容量は高誘電率の誘電体のみで形成された回路基
板に比較して小さくなる。また、分布定数素子27にお
いても同様に、第1の接地電極23との間に形成される
分布容量(回路素子の電極の一定面積当たりの接地電極
との間の容量)は高誘電率の誘電体のみで形成された回
路基板に比較して小さくなる。
【0022】一方、マイクロストリップ線路からなる分
布定数素子28は誘電体層21bのみを隔てて第2の接
地電極24と対向して形成されているため、分布定数素
子28と第2の接地電極24との間隔は誘電体層21b
の厚み分となる。そして、その間にある誘電体は高誘電
率の誘電体層21bのみであるため、実効的な誘電率も
誘電体層21bの誘電率と同じである。そのため、分布
定数素子28と第2の接地電極24との間に形成される
分布容量は、分布定数素子27と第1の接地電極23と
の間に形成される分布容量に比較して大きくなる。
【0023】その結果、誘電体基板22の他方主面に形
成されていて、しかも同じ線路幅であっても、分布定数
素子27の特性インピーダンスは高くなり、分布定数素
子28の特性インピーダンスは低くなる。また、分布定
数素子27の波長短縮率は小さく、分布定数素子28の
波長短縮率は大きくなる。
【0024】このように回路基板を構成することによ
り、集中定数素子に関しては寄生容量を小さくして使用
することができ、高周波特性の劣化を防止することがで
きる。また、マイクロストリップ線路からなる分布定数
素子に関しては、その必要な特性インピーダンスの値に
よって形成する場所を変えたり、あるいはそれと対向し
ている第2の接地電極の形成位置を変えたりすることに
よって、必要に応じて線路の波長短縮率を変えることが
でき、また、同じ幅の線路を高い特性インピーダンスと
低い特性インピーダンスの両方で利用することができ
る。これによって回路設計の自由度を大きくすることが
でき、回路基板自身の小型化を図ることができる。ま
た、部分的に実効的な誘電率の高い部分や低い部分を作
ることができるため、基板の誘電率を高くしたために、
線路幅が狭くなりすぎて高特性インピーダンスの線路が
作成できないというような問題を回避することができ
る。さらには、各回路素子を回路基板の主として他方主
面のみに形成するために、薄膜プロセスによって回路素
子の電極を形成することが容易になり、高い寸法精度を
実現することができる。
【0025】図4に、本発明の回路基板の別の実施例の
断面図を示す。図4で、図1と同一もしくは同等の部分
には同じ記号を付し、その説明は省略する。
【0026】図4において、回路基板30は、例えば比
誘電率が10程度の低誘電率のセラミックからなる誘電
体層31aに、例えば比誘電率が100程度の高誘電率
の薄い誘電体膜31bを重ねて誘電体基板32を形成し
ている。すなわち、セラミックの誘電体層21bに代え
て、誘電体膜31bを用いた点のみが回路基板20とは
異なっている。
【0027】このように構成した回路基板30において
は、誘電体膜31bを薄く形成できるため、分布定数素
子28と第2の接地電極24との間の間隔を小さくする
ことができ、第2の接地電極24との間に形成される分
布容量をさらに大きくできる。これによって、分布定数
素子28の線路幅を同じ特性インピーダンスにおいてさ
らに狭くすることができ、高密度配線が可能になる。ま
た、第2の接地電極24を形成していない領域において
は、低誘電率の層に比べて高誘電率の層が相対的に非常
に薄いため、誘電体基板32の実効的な誘電率が低誘電
率の誘電体層31aの誘電率とほぼ等しくなる。これに
よって、集中定数素子26においては寄生容量をより小
さくすることができ、また分布定数素子27において
は、さらに線路幅を狭くして、高い特性インピーダンス
の線路を形成することができる。
【0028】図5に、本発明のさらに別の実施例の断面
図を示す。図5で、図1と同一もしくは同等の部分には
同じ記号を付し、その説明は省略する。
【0029】図5においては、集中定数素子26に代え
て回路素子として集中定数素子41が設けられている。
集中定数素子41は、誘電体層21aと21bの層間に
形成された電極と、誘電体基板22の他方主面に形成さ
れた電極とを組み合わせて形成されている。
【0030】ここで、図6に集中定数素子41の構成を
示す。図6において、集中定数素子41は互いに対向し
て形成された面状電極41aと面状電極41b、面状電
極41aに接続された入力側線路41c、面状電極41
bに接続された出力側線路41dからなるMIM構造
(Metal Insulator Metal、2つ
の電極を1つの絶縁層を介して対向させる構造)の容量
素子である。ここで、面状電極41aと入力側線路41
cは誘電体基板22の他方主面に、面状電極41bと出
力側電極41dは誘電体層21aと21bの層間に形成
されている。
【0031】また、図7に、集中定数素子の別の例の構
成を示す。図7において、集中定数素子42は幅の狭い
スパイラル状の線路42aと直線状の線路42b、線路
42aの他端と線路42bの一端を接続するスルーホー
ル42c、線路42bの他端を誘電体基板22の他方主
面まで導くスルーホール42d、線路42aの一端に接
続された入力側線路42e、スルーホール42dに接続
された出力側線路42fからなるインダクタンス素子で
ある。ここで、線路41aと入力側線路42e、出力側
線路42fは誘電体基板22の他方主面に、線路42b
は誘電体層21aと21bの層間に形成されている。
【0032】図5に戻り、このように、集中定数素子4
1を誘電体基板の他方主面に形成した電極だけでなく、
複数の誘電体層の層間に形成した電極との組み合わせに
よって形成したものであっても、あるいは複数の誘電体
層の層間に形成した電極のみで形成したものであって
も、回路基板20と同様の作用効果を奏するとともに、
集中定数素子の容量値やインダクタンス値の設定範囲を
より広くすることもできるものである。
【0033】図8に、本発明のさらに別の実施例の断面
図を示す。図8において、回路基板50は、例えば比誘
電率が10程度の低誘電率のセラミックからなる誘電体
層51aと、例えば比誘電率が100程度の高誘電率の
セラミックからなる誘電体層51b、51cを順に重ね
て誘電体基板52を形成し、その一方主面の全面に第1
の接地電極53を形成し、誘電体層51aと51bの層
間の一部に第2の接地電極54を形成し、誘電体層51
bと51cの層間の一部に同じく第2の接地電極55を
形成し、誘電体基板52の他方主面に回路素子として集
中定数素子57、マイクロストリップ線路からなる分布
定数素子58、59、60を形成して構成している。そ
して、第1の接地電極53と第2の接地電極54および
55とはスルーホール56で接続されている。ここで、
集中定数素子57と分布定数素子58は第1の接地電極
53と対向して形成されている。また、分布定数素子5
9は第2の接地電極54と対向して形成されている。ま
た、分布定数素子60は同じく第2の接地電極55と対
向して形成されている。
【0034】このように構成された回路基板50におい
て、誘電体基板52の他方主面に形成された回路素子で
ある集中定数素子57、分布定数素子58、59、60
を除いた部分は、セラミックシートに厚膜印刷で電極を
形成したものを重ねて一体成形したもので、残りの回路
素子である集中定数素子57、分布定数素子58、5
9、60は、たとえば焼成した誘電体基板52の他方主
面を鏡面研磨して、その上にフォトリソグラフィーを用
いた薄膜プロセスによって電極を形成したものである。
【0035】回路基板50において、図1に示した回路
基板20との違いは、第2の接地電極を2通りの異なる
誘電体層の層間にそれぞれ形成して、第2の接地電極
と、誘電体基板52の他方主面に第2の接地電極と対向
して形成する回路素子との間隔が2通りになるように構
成したことである。これによって、たとえば分布定数素
子59と60の線路幅が同じであっても、第2の接地電
極54、55との間隔の違いによって分布容量が異なる
ため、分布定数素子59の方が分布定数素子60より特
性インピーダンスが高くなる。
【0036】このように、誘電体層を3層にして、第2
の接地電極を2通りの異なる誘電体層の層間にそれぞれ
形成することによって、誘電体基板の他方主面に形成す
る回路素子の設計の自由度をさらに大きくすることがで
きる。
【0037】なお、回路基板50においては、誘電体層
を3層にして、第2の接地電極を2通りある異なる誘電
体層の層間にそれぞれ形成したが、誘電体層の数や第2
の接地電極を形成する層間の数はこれに限られるもので
はなく、それ以上いくつあっても構わないものである。
【0038】なお、上記の各実施例においては誘電体層
を、誘電体膜とした部分を除いてセラミックで構成した
が、必ずしもセラミックに限るものではなく、樹脂や半
導体で構成したものであっても同様の作用効果を奏する
ものである。
【0039】また、分布定数素子や集中定数素子を薄膜
プロセスを用いて形成するものについて説明したが、こ
れも必ずしも薄膜に限るものではなく、厚膜で形成した
ものであっても良く、その場合も回路素子の電極の寸法
精度を除いては同様の作用効果を奏するものである。
【0040】また、誘電体基板の第2の接地電極を形成
した層間より一方主面側の誘電体層を低誘電率の誘電体
で構成し、他方主面側の誘電体層を高誘電率の誘電体で
構成しているが、これも必ずしも限定されるものではな
く、各誘電体層を同じ誘電率の誘電体からなるとして
も、あるいは逆に誘電体基板の第2の接地電極を形成し
た層間より一方主面側の誘電体層を高誘電率の誘電体か
らなるとし、他方主面側の誘電体層を低誘電率の誘電体
からなるとしてもかまわないものである。この場合は、
波長短縮率の違いを使い分けることはほとんどできなく
なるが、同じ幅の線路を高特性インピーダンスと低特性
インピーダンスで使い分けたり、集中定数素子の寄生容
量を小さくすることに関しては同様の作用効果を奏する
ものである。
【0041】また、上記の各実施例において、接地電極
同士の接続や回路素子の接続にスルーホールを用いてい
るが、これはビアホールを用いても構わないものであ
る。
【0042】図9に、本発明の回路基板20を用いて構
成した電子装置の一実施例を示す。図9で、図1と同一
もしくは同等の部分には同じ記号を付し、その説明は省
略する。
【0043】図9において、電子装置70は、回路基板
20の誘電体基板22の他方主面に、図1に示した回路
素子に加えて、第1の接地電極23と第2の接地電極2
4の両方に対向する回路素子である分布定数素子71を
形成し、さらに2つのIC72を搭載し、誘電体基板2
2の他方主面全体を覆うカバー73を設けて構成してい
る。ここで、図10に、電子装置70の回路のブロック
図を示す。図10において、電子装置70の入力端子8
1はフィルタ82、アンプ83、フィルタ84を順に介
してミキサ86に接続されている。また、局部発振器8
5もミキサ86に接続されている。そして、ミキサ86
の出力はフィルタ87とアンプ88を介して出力端子8
9に接続されている。電子装置70はこのように構成さ
れることによってダウンコンバータとして機能する。
【0044】このように、本発明の回路基板20を用い
て電子装置70を構成することにより、回路基板20に
形成される回路素子の小型化、高周波特性の改善と設計
の自由度の向上による回路基板の小型化、低価格化を図
ることができる。また、それによって電子装置70自身
の小型化と低価格化を図ることができる。
【0045】なお、上記の実施例においては、回路基板
20を用いて電子装置70を構成しているが、図4、
5、8に示した回路基板30、40、50を用いて電子
装置を構成しても同様の作用効果を奏するものである。
【0046】また、本発明の回路基板を用いた電子装置
はダウンコンバータに限るものではなく、フィルタやア
ンプ、ミキサ、発振器などの個別の電子装置であっても
良く、これら以外の電子装置であっても構わないもので
ある。
【0047】
【発明の効果】本発明の回路基板によれば、複数のセラ
ミックなどの誘電体からなる誘電体層を、特に一方主面
側を低誘電率の誘電体層、他方主面側を高誘電率の誘電
体層にして積層して誘電体基板を形成し、その一方主面
に第1の接地電極を形成し、複数の誘電体層の層間に第
1の接地電極と接続して第2の接地電極を形成し、誘電
体基板の他方主面に、第1および第2の接地電極のいず
れか一方もしくは両方と対向して回路素子を形成するこ
とによって、回路素子の中の集中定数素子の寄生成分の
低減とマイクロストリップ線路からなる分布定数素子の
小型化、回路設計の自由度の向上、さらには回路基板自
身の小型化、低価格化を同時に実現することができる。
【0048】また、誘電体基板の他方主面と第2の接地
電極を形成した層間との間の誘電体層を誘電体膜とする
ことによって、第2の接地電極と対向して形成された分
布定数素子の線路幅を細くすることができ、この結果、
高密度配線が可能になる。また、第1の接地電極と対向
して形成されたマイクロストリップ線路からなる分布定
数素子においては、より高い特性インピーダンスの線路
の形成も可能になる。
【0049】また、誘電体基板の他方主面の回路素子を
薄膜電極で形成することによって、回路素子を高い寸法
精度で形成することができる。
【0050】また、本発明の電子装置によれば、回路基
板の小型化と低価格化に基づいて小型化と低価格化を図
ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の回路基板の一実施例を示す断面図であ
る。
【図2】図1の回路基板に形成した集中定数素子の例を
示す平面図である。
【図3】図1の回路基板に形成した集中定数素子の別の
例を示す平面図である。
【図4】本発明の回路基板の別の実施例を示す断面図で
ある。
【図5】本発明の回路基板のさらに別の実施例を示す断
面図である。
【図6】図5の回路基板に形成した集中定数素子の例を
示す平面図である。
【図7】図5の回路基板に形成した集中定数素子の別の
例を示す平面図である。
【図8】本発明の回路基板のさらに別の実施例を示す断
面図である。
【図9】本発明の電子装置の一実施例を示す断面図であ
る。
【図10】図9の電子装置の回路のブロック図である。
【図11】従来の回路基板を示す断面図である。
【図12】従来の別の回路基板を示す断面図である。
【符号の説明】
20、30、40、50…回路基板 21a、31a、51a…低誘電率の誘電体層 21b、51b、51c…高誘電率の誘電体層 22、32…誘電体基板 23、53…第1の接地電極 24、54、55…第2の接地電極 25、56…スルーホール 26、41、57…集中定数素子(回路素子) 27、28、58、59、60…分布定数素子(回路素
子) 70…電子装置

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 複数の誘電体層を積層してなる誘電体基
    板と、該誘電体基板の一方主面に形成された第1の接地
    電極と、前記複数の誘電体層の層間に前記第1の接地電
    極と接続して形成された第2の接地電極と、 前記誘電体基板の他方主面に、前記第1および第2の接
    地電極のいずれか一方もしくは両方と対向して形成され
    た回路素子を有することを特徴とする回路基板。
  2. 【請求項2】 前記誘電体基板の他方主面と前記第2の
    接地電極を形成した層間との間の誘電体層を誘電体膜で
    形成したことを特徴とする、請求項1または2に記載の
    回路基板。
  3. 【請求項3】 前記誘電体層の誘電率を、前記第2の接
    地電極を形成した層間より一方主面側を低誘電率、他方
    主面側を高誘電率とすることを特徴とする、請求項1ま
    たは2に記載の回路基板。
  4. 【請求項4】 前記回路素子を、薄膜電極で形成したこ
    とを特徴とする、請求項1ないし3のいずれかに記載の
    回路基板。
  5. 【請求項5】 前記回路素子は、前記誘電体基板の他方
    主面に形成された電極と前記複数の誘電体層の層間に形
    成された電極の中からいくつかを組み合わせてなること
    を特徴とする、請求項1ないし4のいずれかに記載の回
    路基板。
  6. 【請求項6】 請求項1ないし5のいずれかに記載の回
    路基板を用いて構成したことを特徴とする電子装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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