JPH11298070A - 半導体レーザモジュール - Google Patents

半導体レーザモジュール

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JPH11298070A
JPH11298070A JP9603798A JP9603798A JPH11298070A JP H11298070 A JPH11298070 A JP H11298070A JP 9603798 A JP9603798 A JP 9603798A JP 9603798 A JP9603798 A JP 9603798A JP H11298070 A JPH11298070 A JP H11298070A
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JP
Japan
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semiconductor laser
laser module
phase signal
phase
wiring portion
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JP9603798A
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English (en)
Inventor
Hideshi Tsumura
英志 津村
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Sumitomo Electric Industries Ltd
Original Assignee
Sumitomo Electric Industries Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 安定して動作する半導体レーザモジュールを
提供する。 【解決手段】 半導体レーザモジュール10は、半導体
レーザ12、半導体レーザを内包する金属製パッケージ
14、半導体レーザ12の駆動のために、位相が互いに
180゜異なる正相、逆相の2つの駆動信号を出力する
駆動回路15と駆動回路15から出力された駆動信号を
半導体レーザ12に供給するための配線パターンとが主
面上に設けられた基板16、基板16が搭載されるとと
もに金属製パッケージ14と2カ所A、Bで溶接された
リードフレーム18を備えて構成される。上記配線パタ
ーンのうち、正相の駆動信号を前記半導体レーザ12に
供給するための正相信号用配線部分50と、逆相の駆動
信号を半導体レーザ12に供給するための逆相信号用配
線部分56とが実質的に同一形状となっている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、半導体レーザ及び
半導体レーザ駆動回路を搭載した、半導体レーザモジュ
ールに関するものである。
【0002】
【従来の技術】光通信における発光モジュールなどとし
て、半導体レーザモジュールが広く用いられている。半
導体レーザモジュールは、通常、図8に示すようになっ
ている。すなわち、半導体レーザモジュール100は、
半導体レーザ102と、半導体レーザ102を内包する
金属製パッケージ104と、半導体レーザ102を駆動
するための駆動回路106と配線パターンとが主面上に
設けられた配線基板108と、配線基板108が搭載さ
れるとともに、金属製パッケージ104と電気的に接続
されたリードフレーム110とを備えて構成される。
【0003】駆動回路106は、半導体レーザ102の
駆動用の信号として、出力端子O1から特定の変調電流
(以下正相信号という)を出力し、出力端子O2からは
正相信号と位相が180゜異なる変調電流(以下逆相信
号という)を出力することができるようになっている。
【0004】駆動回路106の出力端子O1は、図8に
示すように、ボンディングワイヤ111、配線基板上1
08上に設けられた配線パターンのうちの正相信号用配
線部分112及びボンディングワイヤ114を介してア
ノード側リードピン116に接続されており、出力端子
O1から出力された正相信号は、正相信号用配線部分1
12、アノード側リードピン116及びボンディングワ
イヤ111、114、118を介して半導体レーザ10
2のアノードに供給される。また、駆動回路106の出
力端子O2は、ボンディングワイヤ120、配線基板1
08上に設けられた配線パターンのうちの逆相信号用配
線部分122及びボンディングワイヤ124を介してカ
ソード側リードピン126に接続されており、出力端子
O2から出力された逆相信号は、逆相信号用配線部分1
22、カソード側リードピン126及びボンディングワ
イヤ120、124、128を介して半導体レーザ10
2のカソードに供給される。従って、上記正相信号、逆
相信号により、半導体レーザ102の点灯・消灯が制御
される。
【0005】また、配線パターンのうち、正相信号用配
線部分112は、逆相信号用配線部分と比較して大面積
に形成されており、この正相信号用配線部分112と配
線基板108の裏面との間でコンデンサを形成してい
る。かかるコンデンサは、電源のバイパスコンデンサと
して機能し、駆動回路106に発生する高周波ノイズを
除去することが可能となる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】上記構成の半導体レー
ザは、正相信号用配線部分112を逆相信号用配線部分
と比較して大面積に形成しているため、低周波の駆動信
号を用いて制御する場合は効果的に高周波ノイズが除去
され、安定動作が可能となる。しかし、半導体レーザを
高周波の駆動信号を用いて制御する場合は、かかる大面
積の正相信号用配線部分112が、駆動回路から半導体
レーザへの信号伝達経路における寄生容量として作用
し、信号伝達特性を劣化させるという問題点があった。
【0007】そこで本発明は、上記問題点を解決し、高
周波の駆動信号に対しても信号伝達特性を劣化させるこ
となく、安定して動作する半導体レーザモジュールを提
供することを課題とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に、本発明の半導体レーザモジュールは、半導体レーザ
と、半導体レーザを内包する金属製パッケージと、半導
体レーザの駆動のために、位相が互いに180゜異なる
正相、逆相の2つの駆動信号を出力する駆動回路と駆動
回路から出力された駆動信号を半導体レーザに供給する
ための配線パターンとが主面上に設けられた基板と、基
板が搭載されるとともに金属製パッケージと電気的に接
続されたリードフレームとを備え、上記配線パターンの
うち、上記正相の駆動信号を半導体レーザに供給するた
めの正相信号用配線部分と上記逆相の駆動信号を半導体
レーザに供給するための逆相信号用配線部分とが実質的
に同一形状であることを特徴としている。
【0009】正相信号用配線部分と逆相信号用配線部分
とを実質的に同一の形状としたことにより、正相信号用
配線部分が有するインピーダンスと逆相信号用配線部分
が有するインピーダンスとが実質的に等しくなる。従っ
て、駆動回路から半導体レーザへの正相信号伝達経路の
インピーダンスと逆相信号伝達経路のインピーダンスと
をほぼ等しくすることができる。
【0010】本発明の半導体レーザモジュールは、正相
信号用配線部分と逆相信号用配線部分とが、半導体レー
ザの高周波特性を補償する素子を介して接続されている
ことを特徴とすることが好適である。
【0011】正相信号用配線部分と逆相信号用配線部分
とを、半導体レーザの高周波特性を補償する素子を介し
て接続することで、正相信号・逆相信号間に発生する遅
延時間を小さくすることができる。
【0012】本発明の半導体レーザモジュールは、上記
素子が抵抗とコンデンサとを直列接続した素子であるこ
とを特徴とすることが好適である。
【0013】上記素子を抵抗とコンデンサとから構成す
ることで、高周波特性を補償する素子の構成が簡単とな
る。
【0014】本発明の半導体レーザモジュールは、上記
素子が、抵抗とコンデンサとを一体形成した素子である
ことを特徴とすることが好適である。
【0015】上記素子を抵抗とコンデンサとを一体形成
することによって構成することで、上記素子を小型化で
きるとともに、コンデンサと抵抗とを接続する配線部分
が不要となる。
【0016】本発明の半導体レーザモジュールは、金属
製パッケージとリードフレームとが2カ所以上で溶接加
工されていることを特徴とすることが好適である。
【0017】金属製パッケージとリードフレームとを2
カ所以上で溶接加工することで、半導体レーザモジュー
ルの機械的強度が増すとともに、半導体レーザモジュー
ルが電気的にも安定する。
【0018】本発明の半導体レーザモジュールは、基板
がガラスセラミックからなる多層基板であることを特徴
とすることが好適である。
【0019】ガラスセラミックからなる多層基板を用い
ることで、高周波領域における配線基板のインピーダン
スの変動が防止される。
【0020】本発明の半導体レーザモジュールは、駆動
信号が1GHz以上の周波数成分を有することを特徴と
しても良い。
【0021】駆動信号が1GHz以上の周波数成分を有
する場合に、本発明の半導体レーザモジュールを用いる
ことが特に効果的である。
【0022】
【発明の実施の形態】本発明の第1の実施形態にかかる
半導体レーザモジュールを図面を用いて説明する。ま
ず、本実施形態にかかる半導体レーザモジュールの構成
について説明する。図1は、本実施形態にかかる半導体
レーザモジュールの構成図である。
【0023】半導体レーザモジュール10は、半導体レ
ーザ12と、半導体レーザ12を内包する金属製パッケ
ージ14と、半導体レーザ12を駆動するための駆動回
路15と配線パターンとが主面上に設けられた配線基板
16と、配線基板16が搭載されるとともに、金属製パ
ッケージ14と電気的に接続されたリードフレーム18
とを備えて構成される。以下、詳細に説明する。
【0024】金属製パッケージ14は、円筒形状を有す
る内側パッケージ20と、内側パッケージ14を内包す
るように設けられ、肉厚円筒形状を有する補強部材22
とを備えている。内側パッケージ20の上面中央部に
は、内側パッケージ20内に設けられた半導体レーザ1
2によって発せられたレーザ光を集光するための集光レ
ンズ24が設けられている。また、補強部材22の上部
には、光ファイバ先端のフェルールを受納するための金
属製スリーブ26が溶接されている。ここで、半導体レ
ーザ12から発せられた光を光ファイバに効率よく導く
ため、半導体レーザ12、集光レンズ24及び金属製ス
リーブ26のフェルール受納部は、光軸合わせがなされ
ている。
【0025】半導体レーザ12は、内側パッケージ20
に内包され、サブマウント26を介して内側パッケージ
20の下部に固定されている。また、内側パッケージ2
0の下部にはアノード側リードピン28とカソード側リ
ードピン30が設けられており、それぞれボンディング
ワイヤ32、34を介して半導体レーザ12のアノー
ド、カソードに接続されている。ここで、アノード側リ
ードピン28は内側パッケージ20と電気的に接続され
ている一方で、カソード側リードピン30は内側パッケ
ージ20と電気的に絶縁されている。
【0026】金属製パッケージ14は、補強部材22と
リードフレーム18を図1のA、Bの2カ所で溶接する
ことにより、リードフレーム18と電気的かつ機械的に
接続されている。従って、アノード側リードピン28、
金属製パッケージ14及びリードフレーム18は全て等
電位(接地電位)となり、半導体レーザ12の耐雑音特
性の向上に寄与している。
【0027】リードフレーム18の中央部の基板搭載ラ
ンド18a上には、ガラスセラミックからなる多層基板
である配線基板16が搭載されている。また、配線基板
16の主面上には、半導体レーザ12を駆動するため
に、位相が互いに180゜異なる正相、逆相の2つの駆
動信号を出力する駆動回路15と、駆動回路15から出
力された駆動信号を半導体レーザ12に供給するための
配線パターンとが設けられている。
【0028】駆動回路15は、図2に示すような構成と
なっている。すなわち、駆動回路15は、入力端子Iか
ら入力された入力信号(周期信号)を増幅し、増幅され
た入力信号及び当該増幅された入力信号の反転信号を出
力する増幅器38と、増幅器38から出力された信号に
よって駆動する差動アンプとから主に構成される。差動
アンプは、増幅器38によって増幅された入力信号がゲ
ートに入力されるFET40と、増幅器38から出力さ
れた反転信号がゲートに入力されるFET42とからな
り、FET40のソースとFET42のソースとは互い
に接続され、共通ソースとなっている。また、当該共通
ソースには、変調電流制御用FET44が接続されてお
り、この変調電流制御用FET44によって、FET4
0及びFET42に振り分ける総電流量が制御される。
上記構成により、FET40のドレイン側に接続された
出力端子O1からは特定の変調電流(以下正相信号とい
う)が出力され、FET42のドレイン側に接続された
出力端子O2からは正相信号と位相が180゜異なる変
調電流(以下逆相信号という)が出力されることにな
る。また、FET42のドレインと変調電流制御用FE
T44のソース間には、半導体レーザ12に対し、変調
電流に加えてバイアス電流(直流電流)を与えるための
バイアス電流制御用FET46が設けられている。バイ
アス電流制御用FET46により、半導体レーザ12が
駆動する閾値電流をバイアス電流として与えることで、
上記変調電流によってのみ半導体レーザ12の点灯・消
灯を制御することが可能となる。より具体的には、半導
体レーザ12のアノード側は接地電位となっていること
から、カソード側の電位が負となることで半導体レーザ
12が発光することになる。
【0029】駆動回路15の出力端子O1は、図1に示
すように、ボンディングワイヤ48、配線基板上16上
に設けられた配線パターンのうちの正相信号用配線部分
50及びボンディングワイヤ52を介してアノード側リ
ードピン28に接続されており、出力端子O1から出力
された正相信号は、正相信号用配線部分50、アノード
側リードピン28及びボンディングワイヤ32、48、
52を介して半導体レーザ12のアノードに供給され
る。また、駆動回路15の出力端子O2は、ボンディン
グワイヤ54、配線基板上16上に設けられた配線パタ
ーンのうちの逆相信号用配線部分56及びボンディング
ワイヤ58を介してカソード側リードピン30に接続さ
れており、出力端子O2から出力された逆相信号は、逆
相信号用配線部分56、カソード側リードピン30及び
ボンディングワイヤ34、54、58を介して半導体レ
ーザ12のカソードに供給される。
【0030】ここで配線パターンのうち、正相信号用配
線部分50と逆相信号用配線部分56は、どちらも長方
形で大きさが等しくなっており、実質的に同一の形状と
なっている。
【0031】また、逆相信号用配線部分56とリードフ
レーム18との間には、半導体レーザ12の高周波特性
を補償するための素子として、コンデンサ60と抵抗6
2とが直列に接続されている。さらに、配線基板16上
には、駆動回路15に発生する高周波ノイズを除去する
目的で、幅広配線パターン64が設けられ、ボンディン
グワイヤ66を介してリードフレーム18と接続されて
いる。
【0032】続いて、本実施形態にかかる半導体レーザ
モジュールの作用について説明する。図3は、ボンディ
ングワイヤ、配線パターン等のインピーダンス分を考慮
した半導体レーザモジュール10の等価回路である。
尚、図3中の四角形で表された各要素は、ボンディング
ワイヤ、配線パターン等のインピーダンス分を有する部
品を示しており、部分68は配線基板上のその他の部分
(本明細書で言及しない部分)のインピーダンス分をま
とめて表したものであり、コンデンサ70は配線基板1
6の寄生容量分を等価的に表したものである。また、本
実施形態にかかる半導体レーザモジュール10では、ボ
ンディングワイヤとして径が20〜150μm程度の細
い金線又はアルミ線等を用いているため、ボンディング
ワイヤの寄生インダクタンスは大きくても1nH/mm
程度である。
【0033】半導体レーザモジュール10は、正相信号
用配線部分50と逆相信号用配線部分56を実質的に同
一の形状としたことにより、正相信号用配線部分50が
有するインピーダンスと逆相信号用配線部分56が有す
るインピーダンスとが実質的に等しくなる。従って、駆
動回路15の出力端子O1と半導体レーザ12のアノー
ド間のインピーダンスと駆動回路15の出力端子O2と
半導体レーザ12のカソード間のインピーダンスとをほ
ぼ等しくすることができる。
【0034】また、半導体レーザモジュール10は、金
属製パッケージ14とリードフレーム18とを2カ所で
溶接することにより、機械的にも電気的に安定する。特
に、接地電位の安定性が極めて良くなる。
【0035】さらに、半導体レーザモジュール10は、
配線基板16としてガラスセラミックからなる多層基板
を用いていることにより、高周波領域における配線基板
16のインピーダンスの変動が防止される。
【0036】続いて、本実施形態にかかる半導体レーザ
モジュールの効果について説明する。半導体レーザモジ
ュール10は、正相信号用配線部分50と逆相信号用配
線部分56を実質的に同一の形状としたことにより、駆
動回路15の出力端子O1と半導体レーザ12のアノー
ド間のインピーダンスと駆動回路15の出力端子O2と
半導体レーザ12のカソード間のインピーダンスとをほ
ぼ等しくすることができる。従って、駆動回路15の出
力端子O1と半導体レーザ12のアノード間のインピー
ダンスと駆動回路15の出力端子O2と半導体レーザ1
2のカソード間のインピーダンスとの不整合に起因する
信号伝達特性の劣化、誤作動が防止され、安定動作が実
現する。
【0037】また、半導体レーザモジュール10は、金
属製パッケージ14とリードフレーム18とを2カ所で
溶接することにより、機械的にも電気的に安定する。そ
の結果、半導体レーザモジュールの機械的強度が大きく
なるとともに、接地電位の変動に起因する応答特性の劣
化(例えば、信号の立ち上がり時のオーバシュート、信
号立ち下がり時のアンダシュートなど)が防止され、極
めて良好な応答特性を得ることが可能となる。
【0038】さらに、半導体レーザモジュール10は、
配線基板16としてガラスセラミックからなる多層基板
を用いていることにより、高周波領域における配線基板
16のインピーダンスの変動が防止される。従って、配
線基板16のインピーダンスの変動に起因する信号伝達
特性の変動を防止することが可能となり、高周波領域に
おいても安定動作が実現する。
【0039】また、半導体レーザモジュール10は上記
構成となっていることより、1GHz以上の周波数成分
を有する駆動信号を用いる場合においても良好な信号伝
達特性を維持することができ、安定動作が実現する。
【0040】続いて、本発明の第2の実施形態にかかる
半導体レーザモジュールについて図面を用いて説明す
る。尚、第1の実施形態にかかる半導体レーザモジュー
ル10と同一の部分については説明を省略する。まず、
本実施形態にかかる半導体レーザモジュールの構成につ
いて説明する。図4は、本実施形態にかかる半導体レー
ザモジュールの構成図である。本実施形態にかかる半導
体レーザモジュール90が、第1の実施形態にかかる半
導体レーザモジュール10と構成上異なる点は、第1の
実施形態にかかる半導体レーザモジュール10は、半導
体レーザ12の高周波特性を補償するための素子とし
て、コンデンサ60と抵抗62とを、逆相信号用配線部
分56とリードフレーム18との間に接続していたが、
本実施形態にかかる半導体レーザモジュール90は、こ
れらのコンデンサ60と抵抗62とを、正相信号用配線
部分50と逆相信号用配線部分56との間に接続してい
る点である。また、コンデンサ60と抵抗62は一体形
成された一体型素子72となっている。
【0041】一体型素子72は、図5に示すように、一
体型素子72の基板となるダイキャップ74のおもて面
74a上に、おもて面74aの約半分の面積を有するお
もて面側電極76、おもて面側電極76に一端が接続さ
れる印刷抵抗78、印刷抵抗78の他端に接続される抵
抗用電極80が設けられ、ダイキャップ74の裏面に、
ほぼ裏面全体にわたる裏面側電極(図示せず)が設けら
れた構成となっている。上記構成により、印刷抵抗78
が抵抗62として作用し、また、おもて面側電極76と
裏面側電極とがコンデンサ60として作用することにな
る。また、配線基板16上においては、一体型素子72
の抵抗用電極80と逆相信号用配線部分56、一体型素
子72の裏面側電極と正相信号用配線部分50とがそれ
ぞれ電気的に接続されている。
【0042】続いて、本実施形態にかかる半導体レーザ
の作用及び効果について説明する。図6は、ボンディン
グワイヤ、配線パターン等のインピーダンス分を考慮し
た半導体レーザモジュール90の等価回路である。半導
体レーザモジュール90は、半導体レーザ12の高周波
特性を補償するための素子である、コンデンサ60と抵
抗62とを、正相信号用配線部分50と逆相信号用配線
部分56との間に接続したことにより、正相信号・逆相
信号間に発生する遅延時間を小さくできる。その結果、
半導体レーザ12の高周波特性の補償を効果的に行うこ
とができ、高周波領域における安定動作が実現する。
【0043】また、半導体レーザモジュール90は、半
導体レーザ12の高周波特性を補償するために、コンデ
ンサ60と抵抗62とを一体形成した一体型素子72を
用いている。よって、コンデンサ60および抵抗62を
小型化できるとともに、コンデンサ60と抵抗62とを
接続する配線部分が不要となる。その結果、コンデンサ
60および抵抗62の素子自身が有する寄生容量のみな
らず、コンデンサ60と抵抗62とを接続する配線部分
に起因する寄生容量を小さくでき、正確な周波数特性の
補償が可能となる。
【0044】上記第1、第2の実施形態にかかる半導体
レーザモジュール10、90において、正相信号用配線
部分50と逆相信号用配線部分56とは、互いに大きさ
が等しい長方形の形状を有していたが、実質的に同一形
状であれば、かかる形状でなくても良い。たとえは、L
字型やコの字型の形状であっても良い。また、正相信号
用配線部分50と逆相信号用配線部分56とは、実質的
に同一形状であれば、特定の直線に対して線対称な形
状、特定の点に対して点対称な形状とであっても良い。
【0045】また、上記第2の実施形態にかかる半導体
レーザモジュール90に用いる一体型素子は、図7に示
すような一体型素子82であっても良い。図7(a)
は、一体型素子82を一方の主面(おもて面)側からみ
た斜視図であり、図7(b)は、一体型素子82を他方
の主面(裏面)側からみた斜視図である。
【0046】一体型素子82の基板となるダイキャップ
84のおもて面84a上には、図7(a)に示すよう
に、おもて面74aの半分近い面積を有する第1のおも
て面側電極86、第1のおもて側電極86とほぼ同面積
を有する第2のおもて面側電極88、及び、一端が第1
のおもて面側電極86に接続され、他端が第2のおもて
面側電極88に接続された印刷抵抗78が設けられてい
る。また、図7(b)に示すように、ダイキャップ74
の裏面の、第1のおもて面側電極86、第2のおもて面
側電極88に対応する部位に、それぞれ第1の裏面側電
極94と第2の裏面側電極96とが設けられている。上
記構成により、印刷抵抗78が抵抗62として作用し、
また、第1のおもて面側電極86と第1の裏面側電極9
4、及び、第2のおもて面側電極88と第2の裏面側電
極96とがそれぞれコンデンサ60として作用すること
になる。また、配線基板16上においては、一体型素子
82の第1の裏面側電極94と正相信号用配線部分5
0、一体型素子82の第2の裏面側電極96と逆相信号
用配線部分56とがそれぞれ電気的に接続されている。
【0047】一体型素子82は、印刷抵抗78からみて
対称な構造となっているため、駆動回路15の出力端子
O1と半導体レーザ12のアノード間のインピーダンス
と駆動回路15の出力端子O2と半導体レーザ12のカ
ソード間のインピーダンスとの不整合をさらに小さくす
ることが可能となる。
【0048】
【発明の効果】本発明の半導体レーザモジュールは、正
相信号用配線部分と逆相信号用配線部分とを実質的に同
一の形状としたことにより、駆動回路から半導体レーザ
への正相信号伝達経路のインピーダンスと逆相信号伝達
経路のインピーダンスとをほぼ等しくすることができ
る。その結果、駆動回路から半導体レーザへの正相信号
伝達経路のインピーダンスと逆相信号伝達経路のインピ
ーダンスとの不整合に起因する信号伝達特性の劣化、誤
作動が防止され、安定動作が実現する。
【0049】また、半導体レーザモジュールは、金属製
パッケージとリードフレームとを2カ所以上で溶接する
ことにより、機械的にも電気的に安定する。その結果、
半導体レーザモジュールの機械的強度が大きくなるとと
もに、接地電位の変動に起因する応答特性の劣化が防止
され、極めて良好な応答特性を得ることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施形態にかかる半導体レーザ
モジュールの構成図である。
【図2】駆動回路の回路構成図である。
【図3】本発明の第1の実施形態にかかる半導体レーザ
モジュールの等価回路図である。
【図4】本発明の第2の実施形態にかかる半導体レーザ
モジュールの構成図である。
【図5】一体型素子の構成図である。
【図6】本発明の第2の実施形態にかかる半導体レーザ
モジュールの等価回路図である。
【図7】一体型素子の構成図である。
【図8】従来技術にかかる半導体レーザモジュールの構
成図である。
【符号の説明】
10、90…半導体レーザモジュール、12…半導体レ
ーザ、14…金属製パッケージ、15…駆動回路、16
…配線基板、18…リードフレーム、20…内側パッケ
ージ、22…補強部材、24…集光レンズ、26…サブ
マウント、28…アノード側リードピン、30…カソー
ド側リードピン、50…正相信号用配線部分、56…逆
相信号用配線部分、60…抵抗、62…コンデンサ、7
2、82…一体型素子

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 半導体レーザと、 前記半導体レーザを内包する金属製パッケージと、 前記半導体レーザの駆動のために、位相が互いに180
    ゜異なる正相、逆相の2つの駆動信号を出力する駆動回
    路と、前記駆動回路から出力された駆動信号を前記半導
    体レーザに供給するための配線パターンと、が主面上に
    設けられた基板と、 前記基板が搭載されるとともに、前記金属製パッケージ
    と電気的に接続されたリードフレームと、を備え、 前記配線パターンのうち、 前記正相の駆動信号を前記半導体レーザに供給するため
    の正相信号用配線部分と、前記逆相の駆動信号を前記半
    導体レーザに供給するための逆相信号用配線部分とが、
    実質的に同一形状であることを特徴とする半導体レーザ
    モジュール。
  2. 【請求項2】 前記正相信号用配線部分と前記逆相信号
    用配線部分とは、前記半導体レーザの高周波特性を補償
    する素子を介して接続されていることを特徴とする請求
    項1に記載の半導体レーザモジュール。
  3. 【請求項3】 前記素子は、 抵抗とコンデンサとを直列接続した素子であることを特
    徴とする請求項2に記載の半導体レーザモジュール。
  4. 【請求項4】 前記素子は、 抵抗とコンデンサとを一体形成した素子であることを特
    徴とする請求項3に記載の半導体レーザモジュール。
  5. 【請求項5】 前記金属製パッケージと前記リードフレ
    ームとは、 2カ所以上で溶接加工されていることを特徴とする請求
    項1〜4のいずれか1項に記載の半導体レーザモジュー
    ル。
  6. 【請求項6】 前記基板は、 ガラスセラミックからなる多層基板であることを特徴と
    する請求項1〜5のいずれか1項に記載の半導体レーザ
    モジュール。
  7. 【請求項7】 前記駆動信号は、 1GHz以上の周波数成分を有することを特徴とする請
    求項1〜6のいずれか1項に記載の半導体レーザモジュ
    ール。
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