JPH11296094A - プラズマデイスプレイの放熱方法 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 プラズマデイスプレイの高輝度化にともな
い、表示部本体の消費電力を増加させるため、表示部本
体の温度が上昇し、画面が割れるという課題があった。
従来はこれの課題解決のために表示部本体の裏面に放熱
フィンを実装していたが、十分な放熱効果を上げること
はできなかった。 【解決手段】 パネルと表示部本体との間に空間におい
て、仕切り板で分割したり、吸い込み口をできるでけ下
側になるように限定し、更に表示部本体の裏面に金属板
を貼り付けてヒートスポットができないように温度を均
一化することで冷却効率を高めた構造にしている。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、プラズマデイスプ
レイの表示部本体の裏面に回路基板を取り付けるための
パネルが存在する場合における放熱方法に関するもので
ある。

【０００２】

【従来の技術】従来のプラズマデイスプレイの表示部本
体の放熱方法としては、図６に示すものが一般的であ
る。

【０００３】図６において、１は表示部本体、２は放熱
フィンである。表示部本体１の裏面には放熱フィン２が
取り付けられている。そして、図６には示されていない
が、表示部本体１の背面側に表示部本体を駆動するため
の回路Ｐ板が設置されている。

【０００４】表示部本体１の熱は、自然空冷によって放
熱していた。すなわち、表示部本体１から発生した熱
は、放熱フィン２に伝わり空気中に熱を放射することに
よって冷却される。

【０００５】

【発明が解決しようとする課題】輝度を上げていくため
には、表示部本体の消費電力を増加させる必要がある。
上記従来のプラズマデイスプレイの表示部本体の放熱方
法では、消費電力の増加に伴って表示部本体の温度上昇
が著しくなり、表示部本体１の裏面に実装されている放
熱フィン２が、大型化するため大きな空間容積を必要と
し、セット全体の重量も重くなり、かつ放熱フィン２の
コストがかかっていた。又、表示部本体の材質はガラス
であるため、局部的に発光する画面の場合、その部分だ
け温度が上昇し、点灯していない部分との温度差により
割れが発生するので放熱フィン２を小型、軽量化するこ
とが難しい。

【０００６】今後益々大型化、高輝度化するプラズマデ
イスプレイにおいて、表示部本体の消費電力の上昇によ
る表示部本体の温度が上昇する傾向に従来の方法では冷
却できない可能性がある。

【０００７】

【課題を解決するための手段】前記課題を解決するため
に、本発明のプラズマデイスプレイの放熱方法は、ファ
ンによる強制空冷により、従来よりも冷却能力を向上さ
せたもので、表示部本体とパネルにおいて、隙間を確保
して、その間の空気を強制対流にすることによって表示
部本体を均一に冷却できるようにしたことを特徴とした
ものである。

【０００８】従来の放熱フィンによる自然空冷では、表
示部本体の消費電力が大きくなると、放熱フィンの形状
が大きいなるためセットの厚みが増加していたが、本発
明によれば、放熱フィンを無くして強制空冷にしたこと
により、セットの厚みを薄くすることができる。又、局
部的に点灯する画面による温度上昇に対しては表示部本
体の裏面に熱伝導性の良い金属板を貼り付けるとともに
空気の拡散作用により従来よりも効率的に均一化するこ
とができる。

【０００９】これにより放熱フィンも削減することがで
きるため、コストダウンを図れるとともに、セット全体
重量の軽量化と品質信頼性が向上し、高輝度及び大型化
を実現することができる。

【００１０】

【発明の実施の形態】本発明の請求項１及び請求項２に
記載の発明は、表示部本体とパネルにおいて隙間を設け
てその間を強制対流によって表示部本体を冷却できるよ
うにしたことを特徴とする。

【００１１】本発明の請求項３に記載の発明は請求項１
及び請求項２と同様に表示部本体とパネルにおいて隙間
を設けてその間を強制対流によって表示部本体を冷却す
る際に表示部本体の裏面に熱伝導性及び熱伝達率の高い
金属板を貼り付けることによって更に放熱の効率を向上
させるとともに局部的に温度が高くなる部分を無くして
全体的に温度を均一化することを特徴とする。

【００１２】本発明の請求項３、請求項４及び請求項５
に記載された内容は、請求項１及び請求項２と同様に表
示部本体とパネルにおいて隙間を設けてその間を強制対
流によって表示部本体をファンによって冷却する際に空
気の流れを促進するために、吸い込み口を限定し表示部
本体とパネルにおける隙間部分の流速を速くできるよう
にしたことを特徴とする。

【００１３】以下に、本発明の実施の形態におけるプラ
ズマデイスプレイの表示部本体の放熱方法について、図
面を用いて説明する。

【００１４】（実施の形態１）図１は、本発明の一実施
の形態におけるプラズマデイスプレイの表示部本体とパ
ネル及び回路Ｐ板の取り付け状態を示した斜視図を示
す。

【００１５】本発明の第１実施例によれば、プラズマデ
イスプレイの表示部本体１を駆動するための回路Ｐ板４
がパネル８に取り付けられた構造をしている。回路Ｐ板
４には表示部本体１を駆動するためのＩＣが実装されて
いる。図１に示されるように表示部本体１とパネル８と
の間に隙間を設けてこの間の空気の層をファン３で強制
的に引くことによって対流を起こして冷却する構造とな
っている。表示部本体１とパネル８との間に隙間の設定
については、内部の空気の流れができるだけ乱流領域に
近付けために、隙間＝Ｓとし、表示部本体１の縦方向の
長さ＝Ｌとすると、Ｓ＝１．２×１０―２Ｌから２．３
×１０―２Ｌとなるように選定した。パネル８におい
て、ファン３で強制的に引くために吐出口７を設けてあ
る。又、下側から外部の冷気を効率良く吸い込むために
吸込口６を設けて有る。

【００１６】吸込口６の形状については、表示部本体１
とパネル８との間に隙間部分の空気の流速を落とすと冷
却効率が悪くなるので吐出口７の開口面積の２倍とし
た。

【００１７】これらにより、表示部本体１を冷却するた
めの下から上への対流が発生し熱を奪うことが可能とな
る。従来は放熱フィン２による自然空冷であったため、
冷却効率が悪く、又表示部本体１が大型化及び高輝度化
すると放熱フィン２のサイズが大きくなり、特に高さが
大きくなるためセットの厚みを薄くすることができなか
った。

【００１８】しかし、本発明によれば表示部本体１とパ
ネル８との隙間を狭くしてもかえって十分な流速を得る
ことができるのでセットの厚みを薄くすることができ
る。

【００１９】（実施の形態２）図２は、本発明の一実施
の形態におけるプラズマデイスプレイの表示部本体とパ
ネルの断面図を示す。

【００２０】本発明の第２実施例によれば、プラズマデ
イスプレイの表示部本体１の裏面に熱伝導性が良いパテ
９を塗布し更にその上に薄い金属板１０を取り付けるこ
とによって、プラズマデイスプレイの表示部本体１にお
いて特定部分の発光による局部的な温度上昇の発生を防
止し表示部本体１を全体的に均一な温度にする役割を果
たす。

【００２１】更に、熱伝達率の向上により、表示部本体
１の熱を効率良く大気に放射することができる。

【００２２】（実施の形態３）図３は、本発明の一実施
の形態におけるプラズマデイスプレイの表示部本体とパ
ネルとの間にプレートを取り付けた場合の断面図を示
す。

【００２３】本発明の第３実施例によれば、プラズマデ
イスプレイの表示部本体１とパネル８との隙間において
ファン３による強制空冷の効率を向上させるために上下
にプレート１１を設置し、空気が出入りできないように
密閉することにより、吸込口６からのみ外から冷気が入
るようにした。

【００２４】これにより、外からの冷たい空気を下方か
ら取り入れて上方に流れる対流にすることによって、表
示部本体１を効率良く冷却することが可能となった。

【００２５】（実施の形態４）図４は、本発明の一実施
の形態におけるプラズマデイスプレイの表示部本体とパ
ネルとの間において上部のみ塞いだ状態の断面図を示
す。

【００２６】本発明の第４実施例によれば、プラズマデ
イスプレイの表示部本体１とパネル８との隙間において
ファン３による強制空冷の効率を向上させるために上側
を塞ぎ、更にパネル８の下側に設けていた吸込口６も廃
止して、外部からの冷気は下側からのみ入る構造にする
ことによって、表示部本体１を駆動するための回路Ｐ板
４から放熱される熱風の影響を低減することが可能とな
る。

【００２７】尚、表示部本体１とパネル８との隙間部分
の下側からセットの外側の外気をできるだけ多く吸い込
むことができるので効率の良い冷却が可能となる。

【００２８】（実施の形態５）図５は、本発明の一実施
の形態におけるプラズマデイスプレイの表示部本体とパ
ネルとの間において仕切り板を設置した状態の斜視図を
示す。

【００２９】本発明の第４実施例によれば、プラズマデ
イスプレイの表示部本体１とパネル８との隙間におい
て、ファン３による強制空冷の際、図５のように仕切り
板１２で複数の部屋（図５では３部屋に分割）に分離
し、分離された各部屋にファン３を設置することによっ
て、表示部本体１とパネル８との隙間の空気の流れを積
極的に下から上に変えている。

【００３０】分離することによって、隣接するファン３
の影響を相互に受けることなく、表示部本体１とパネル
８との隙間の空気層の流れに乱れを生じることが無くな
るので冷却効率が良くなる。

【００３１】

【発明の効果】以上のように本発明のプラズマデイスプ
レイの表示部本体の放熱方法によれば、従来使用してい
た放熱フィンを不要にし、コストダウンを図れるととも
に、軽量化することも可能となる。更に部品点数が減少
するため、品質信頼性が向上し、セットの厚みサイズを
縮小することができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の一実施の形態におけるプラズマデイス
プレイの放熱方法を示した斜視図

【図２】本発明の一実施の形態におけるプラズマデイス
プレイの放熱方法を示した断面図

【図３】本発明の一実施の形態におけるプラズマデイス
プレイとパネルの隙間部を示した断面図

【図４】本発明の一実施の形態における隙間部分にプレ
ートを設置した状態を示した断面図

【図５】本発明の一実施の形態におけるプラズマデイス
プレイの隙間部分に仕切り板を設置した状態を示した斜
視図

【図６】表示部本体に放熱フィンを設置した従来のプラ
ズマデイスプレイの斜視図

【符号の説明】

１ 表示部本体 ２ 放熱フィン ３ ファン ４ 回路Ｐ板 ５ ＩＣ ６ 吸込口 ７ 吐出口 ８ パネル ９ パテ １０ 金属板 １１ プレート １２ 仕切り板

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 木村 直明 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電器 産業株式会社内

Claims (6)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 プラズマデイスプレイにおいて、表示部
   本体を放熱するためにプラズマデイスプレイを制御する
   回路基板を取り付けるためのパネル部と前記表示部本体
   との間に空間を設けて強制的に冷却することを特徴とす
   るプラズマデイスプレイの放熱方法。
2. 【請求項２】 プラズマデイスプレイを制御する回路基
   板を取り付けるためのパネル部に吸い込み専用の穴を下
   側に設け、上側には吐出し専用の穴を設けてファンによ
   る強制空冷することを特徴とする請求項１記載のプラズ
   マデイスプレイの放熱方法。
3. 【請求項３】 プラズマデイスプレイの表示部本体を放
   熱するために裏面に熱伝導性の良いパテを塗布し、その
   上に金属の板をはりつけることによって表示部本体の温
   度が全体的に均一になるようにしたことを特徴とするプ
   ラズマデイスプレイの放熱方法。
4. 【請求項４】 プラズマデイスプレイの表示部本体を放
   熱するためにプラズマデイスプレイを制御する回路基板
   を取り付ける構造において、表示部本体と回路基板を取
   り付けるユニットとの間の空気が周囲と出入りできない
   ように密閉し、ファンによって強制的に空気を対流させ
   るための排出口と吸い込み口のみを有する構造にしたこ
   とを特徴とするプラズマデイスプレイの放熱方法。
5. 【請求項５】 プラズマデイスプレイの表示部本体を放
   熱するためにプラズマデイスプレイを制御する回路基板
   を取り付ける構造において、表示部本体と回路基板を取
   り付けるユニットとの間の空気が周囲と出入りできない
   ように密閉し、表示部本体と回路基板を取り付けるユニ
   ットとの間を下側のみ開放し、上側の側面にはファンに
   よる排出口を設置して対流が下から上へ流れる構造にし
   たことを特徴とするプラズマデイスプレイの放熱方法。
6. 【請求項６】 プラズマデイスプレイの表示部本体を放
   熱するためにプラズマデイスプレイを制御する回路基板
   を取り付ける構造において、表示部本体と回路基板を取
   り付けるユニットとの隙間を複数に分割できるように縦
   に壁を設けて空気の流れを限定し流速を速くできる構造
   にしたことを特徴とするプラズマデイスプレイの放熱方
   法。