JPH11295989A - 非接触式二成分現像方法 - Google Patents

非接触式二成分現像方法

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JPH11295989A
JPH11295989A JP10475698A JP10475698A JPH11295989A JP H11295989 A JPH11295989 A JP H11295989A JP 10475698 A JP10475698 A JP 10475698A JP 10475698 A JP10475698 A JP 10475698A JP H11295989 A JPH11295989 A JP H11295989A
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toner
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acid
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JP10475698A
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English (en)
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Chikara Tsutsui
主税 筒井
Katsunobu Kurose
克宣 黒瀬
Masahiro Yasuno
政裕 安野
Minoru Nakamura
稔 中村
Hiroyuki Fukuda
洋幸 福田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Minolta Co Ltd
Original Assignee
Minolta Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 現像領域でのトナーの移動性もよく、感光体
カブリやキャリア付着もない、キメのよい画像が形成で
きる非接触二成分現像方法を提供する。 【解決手段】 トナーとキャリアとを含む現像剤を現像
剤搬送担持体表面上に0.5〜30mg/cm2の量で薄
層状態に制御して、現像剤搬送担持体と静電潜像担持体
とが対向する現像領域に搬送するとともに、現像剤搬送
担持体と静電潜像担持体との間に振動電界を作用させて
現像を行う方法において、平均円形度が平均円形度>
0.96、円形度標準偏差SDがSD<0.04、および
トナー表面形状性D/d50がD/d50≧0.40の
トナーを用いることを特徴とする二成分現像方法。トナ
ーの体積平均粒径が4〜10μmである上記二成分現像
方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、複写機やプリンタ
ー等の画像形成装置において、像担持体に形成された潜
像にトナーを供給して現像を行う現像方式に係り、特
に、トナーとキャリアとを含む二成分現像剤を現像剤搬
送部材上に供給し、この現像剤搬送部材上における現像
剤の量を規制部材によって規制した後、この現像剤搬送
部材によって上記現像剤を像担持体と対向する現像領域
に搬送し、この現像剤搬送部材から現像剤中のトナーを
像担持体に供給して現像を行う現像方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、複写機やプリンター等の画像
形成装置において、像担持体に形成された潜像にトナー
を供給して現像を行う現像方法としては、様々な方法が
知られていた。そしてこのような現像方法の代表的な一
つとして、トナーとキャリアを含む現像剤を、内部にマ
グネットローラが設けられた現像スリーブ等の現像剤搬
送部材上に供給し、この現像剤搬送部材上に供給された
現像剤を磁気ブラシの状態で像担持体側に搬送し、現像
剤搬送部材上における現像剤の量を規制部材により規制
した後、像担持体と対向する現像領域に導き、この現像
領域においてこの現像剤を磁気ブラシの状態で像担持体
の表面に接触させ、この現像剤中におけるトナーを現像
剤搬送部材から像担持体の潜像部分に供給して現像を行
うようにした現像方法が知られていた。
【0003】しかし、このように現像剤を磁気ブラシの
状態で像担持体に接触させて現像を行うようにした場
合、像担持体上に供給されたトナーが現像剤搬送部材上
における磁気ブラシによってかき取られて、像担持体上
に形成されたトナー像が乱れたりする等の問題があり、
特に、像担持体に複数色のトナーを順々に供給して多色
現像を行う場合においては、像担持体に先に供給された
色彩のトナーが、次の色彩のトナーを供給して現像する
際に、その磁気ブラシとの接触によりかき取られて画像
が乱されたり、また勝手に他の色彩のトナーが混ざりあ
ったりして、正確な色彩になった良好な多色現像が行え
なくなるという問題があった。
【0004】また近年においては、上記のように像担持
体上に形成されたトナー像が現像剤の磁気ブラシによっ
て乱されたりするのを防止するため、特開昭61−32
858号公報、特開昭62−182760号公報等に示
されるように、現像剤搬送部材上における現像剤の量を
規制部材によって規制する際に、現像剤搬送部材上にお
ける現像剤の層が薄くなるようにして、現像剤搬送部材
によりこの現像剤を像担持体と対向する現像領域に搬送
した際に、現像剤搬送部材上における現像剤が像担持体
と接触しないようにし、この状態で、現像領域に振動電
界を作用させて、現像剤中のトナーを現像剤搬送部材か
ら像担持体に飛着させて現像を行うようにしたものが開
発された。しかし、現像剤が像担持体と接触しないよう
に現像剤搬送部材上の現像剤の層を薄くすると、単位時
間当たりに供給される現像剤量が減少することによっ
て、形成される画像に濃度ムラが生じたり、画像のキメ
が悪くなるなどの不都合が発生した。
【0005】上述の問題は搬送部材上を搬送される現像
剤のトナー濃度(T/C)を高く設定することによって
解決することが考えれるが、実際に行ったところ、トナ
ーの帯電量のバラツキが大きくなり、現像剤搬送部材か
ら感光体へのトナーの移行あるいは感光体から紙などの
記録部材への転写がスムーズに行われなくなり、形成さ
れた画像上にカブリが発生した。これはトナー濃度(T
/C)を高く設定したことによって現像剤の流動性が低
下してトナーの帯電ムラが助長されたためと考えられ
る。
【0006】そこで、発明者らはトナーとして、不定形
に代えて球形トナーを用い、搬送部材上を搬送される現
像剤のかさ密度を向上させ、もって、トナー濃度(T/
C)を高くすることを試みた。球形トナーは不定形トナ
ーに比べてキャリアとの接触面積が少なく、流動性に優
れるため、現像剤の流動性を維持したままでかさ密度を
高くできると考えたためである。球形トナーの製造方法
としては、懸濁重合法や乳化重合法などによって湿式で
球形トナーを製造する方法(特開平1−257857号
公報)や粉砕トナーを熱処理することによって球形化す
る技術(特公平4−27897号公報)が提案されてい
る。
【0007】しかしながら、予想に反し、従来の球形化
されたトナーでは十分な耐久性および帯電の安定性が得
られず、特に高速システムへ対応するべく現像スピード
をアップされるに伴い、現像剤搬送部材上にトナー融着
によるフィルミングが発生したり、良好な現像が行えず
感光体上にカブリが発生したりして、耐久性および帯電
安定性が著しく低下した。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上述の問題
点に鑑みてなされたもので、低速領域だけでなく高速領
域においても、繰り返し複写による現像剤搬送部材のフ
ィルミングも発生せず、荷電安定性、耐環境性に優れた
非接触二成分現像方法を提供することを目的とする。ま
た、本発明は、現像領域でのトナーの移動性もよく、感
光体カブリやキャリア付着もない、キメのよい画像が形
成できる非接触二成分現像方法を提供することを目的と
する。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明は、トナーとキャ
リアとを含む現像剤を現像剤搬送担持体表面上に0.5
〜30mg/cm2の量で薄層状態に制御して、現像剤
搬送担持体と静電潜像担持体とが対向する現像領域に搬
送するとともに、現像剤搬送担持体と静電潜像担持体と
の間に振動電界を作用させて現像を行う方法において、
平均円形度が平均円形度>0.96、円形度標準偏差S
DがSD<0.04、およびトナー表面形状性D/d5
0がD/d50≧0.40のトナーを用いることを特徴
とする二成分現像方法に関する。また、本発明は好まし
くは、トナーの体積平均粒径が4〜10μmである上記
二成分現像方法に関する。
【0010】本発明のトナーは、近年要望の高い、高画
質、低消費(色材高充填型)および省エネルギー定着方
式に適した低軟化点のバインダー樹脂を主成分としてお
り、色材部数を高充填した小粒径トナーにおいても、ト
ナー担持体(キャリア、現像スリーブ、現像ローラー
等)、感光体、転写部材への付着性が極めて小さく、移
動性に優れるため、流動性および帯電の均一性が向上し
て、長期にわたって安定した耐久特性を有する。
【0011】
【発明の実施の形態】本発明の非接触二成分現像法は、
そのトナーに大きな特徴があり、平均円形度が平均円形
度>0.96、好ましくは平均円形度>0.965、円形
度標準偏差SDがSD<0.04、好ましくはSD<0.
035、およびトナー表面形状性D/d50がD/d5
0≧0.40、好ましくはD/d50≧0.45のトナー
を用いることにある。また、オイルレス定着用トナーの
場合は平均円形度が0.960以上、好ましくは0.96
5以上、且つ、円形度標準偏差SDが0.04以下、好
ましくは0.036以下およびトナー表面形状性D/d5
0が0.40以上、好ましくは0.45以上である。本発
明で使用するトナーはこのような特性を持つことによ
り、形状のばらつきが小さく、合一粒子のない、トナー
表面に割れのないトナー粒子として得られ、耐久中での
機械的ストレスにも強く、フィルミングも起こさず荷電
が安定している。また、トナーは体積平均粒径が4〜1
0μm、好ましくは5〜9μmである。
【0012】本明細書中、平均円形度、円形度標準偏差
SD、トナー表面形状性D/d50、および体積平均粒
径はそれぞれ以下の意味を有する。平均円形度とは、次
式:
【数1】 により算出される値の平均値であり、「粒子の投影面積
に等しい円の周囲長」および「粒子投影像の周囲長」は
フロー式粒子像分析装置(FPIA−1000またはF
PIA−2000;東亞医用電子株式会社製)を用いて
水分散系で測定を行って得られる値をもって示してい
る。1に近い程、真円に近いことを示している。このよ
うに平均円形度は、「粒子の投影面積に等しい円の周囲
長」および「粒子投影像の周囲長」から求められるた
め、当該値はトナー粒子の形状、すなわち粒子表面の凹
凸状態を正確に反映する指標となる。また、平均円形度
はトナー粒子(3000個)の平均値として得られる値で
あるため、本発明における平均円形度の信頼性は極めて
高い。なお、本明細書中において、平均円形度は上記装
置によって測定されなければならないというわけでな
く、原理的に上式に基づいて求めることができる装置で
あればいかなる装置によって測定されてもよい。
【0013】円形度の標準偏差とは円形度分布における
標準偏差を指し、当該値は上記フロー式粒子像分析装置
によって平均円形度と同時に得られる。当該値が小さい
ほどトナー粒子形状がそろっていることを意味する。
【0014】表面形状性とは、次式で表される特性を意
味する: D/d50、 但し D=6/(ρ・S) 〔式中、Dはトナーの形状を球と仮定した時のBET比
表面積からの換算粒径(μm);d50は粒径別相対重量
分布の50%相当粒径(μm);ρは真密度(g/cm
3);SはBET比表面積(m2/g)をそれぞれ表
す〕。
【0015】BET比表面積は、フローソーブ2300
型(島津製作所社製)で測定された値を用いているが、
同様の測定原理、方法で測定されるのであれば前記装置
で測定されなければならないということを意味しない。
【0016】粒径別相対重量分布(d50)は、コール
ターマルチサイザー(コールターカウンター社製)によ
り測定された値を用いているが、同様の測定原理、方法
で測定されるのであれば前記装置で測定されなければな
らないということを意味しない。
【0017】真密度(ρ)は、「空気比較式比重計」
(ベックマン社製)により測定された値を用いている
が、同様の測定原理、方法で測定されるのであれば前記
装置で測定されなければならないということを意味しな
い。
【0018】磁性トナーの場合は、粒子内部に磁性粉を
含有するので、磁性粉を含まないものに比べてD/d5
0の下限値は小さくなる。このD/d50は、トナー粒
子表面あるいは内部に細孔の存否を示す指標である。
【0019】体積平均粒径は、「コールターマルチサイ
ザー2」(コールターカウンター社製)を用いて測定す
ることができるが、同様の測定原理、方法で測定される
のであれば前記装置で測定されなければならないという
ことを意味しない。
【0020】本発明に於いて使用するトナーは、主成分
として、バインダー樹脂および着色剤を含んで構成され
ている。バインダー樹脂は、主成分として、酸価が2〜
50 KOHmg/g、好ましくは3〜30 KOHmg
/gのポリエステル系樹脂が使用される。この範囲の酸
価を有するポリエステル系樹脂を用いることによって、
カーボンブラックを含む各種着色剤や荷電制御剤の分散
性を向上させることができるとともに、十分な帯電量を
有するトナーとすることができる。酸価が2 KOHm
g/gより小さいと上述した効果が小さくなり、一方酸
価が50 KOHmg/gより大きいと環境変動、特に
湿度変動に対するトナー帯電量の安定性が損なわれる。
【0021】ポリエステル系樹脂としては、多価アルコ
ール成分と多価カルボン酸成分とを重縮合して得られる
ポリエステル樹脂を使用することができる。多価アルコ
ールとしては、2価アルコールおよび更に3価以上のア
ルコールを用いることができる。
【0022】多価アルコール成分のうち2価アルコール
成分としては、例えば、ポリオキシプロピレン(2,2)
−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、ポ
リオキシプロピレン(3,3)−2,2−ビス(4−ヒドロ
キシフェニル)プロパン、ポリオキシプロピレン(6)−
2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、ポリ
オキシエチレン(2,0)−2,2−ビス(4−ヒドロキシ
フェニル)プロパン等のビスフェノールAアルキレンオ
キサイド付加物、エチレングリコール、ジエチレングリ
コール、トリエチレングリコール、1,2−プロピレン
グリコール、1,3−プロピレングリコール、1,4−ブ
タンジオール、ネオペンチルグリコール、1,4−ブテ
ンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサ
ンジオール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、ジ
プロピレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリ
テトラメチレングリコール、ビスフェノールA、水素添
加ビスフェノールA等が挙げられる。
【0023】3価以上のアルコール成分としては、例え
ば、ソルビトール、1,2,3,6−ヘキサンテトロー
ル、1,4−ソルビタン、ペンタエリスリトール、ジペ
ンタエリスリトール、トリペンタエリスリトール、1,
2,4−ブタントリオール、1,2,5−ペンタントリオ
ール、グリセロール、2−メチルプロパントリオール、
2−メチル−1,2,4−ブタントリオール、トリメチロ
ールエタン、トリメチロールプロパン、1,3,5−トリ
ヒドロキシメチルベンゼン等が挙げられる。
【0024】また、多価カルボン酸成分のうち2価のカ
ルボン酸成分としては、例えば、マレイン酸、フマル
酸、シトラコン酸、イタコン酸、グルタコン酸、フタル
酸、イソフタル酸、テレフタル酸、シクロヘキサンジカ
ルボン酸、コハク酸、アジピン酸、セバチン酸、アゼラ
イン酸、マロン酸、n−ドデセニルコハク酸、イソドデ
セニルコハク酸、n−ドデシルコハク酸、イソドデシル
コハク酸、n−オクテニルコハク酸、イソオクテニルコ
ハク酸、n−オクチルコハク酸、イソオクチルコハク
酸、これらの酸の無水物あるいは低級アルキルエステル
が挙げられる。
【0025】3価以上のカルボン酸成分としては、例え
ば、1,2,4−ベンゼントリカルボン酸(トリメリット
酸)、1,2,5−ベンゼントリカルボン酸、2,5,7−
ナフタレントリカルボン酸、1,2,4−ナフタレントリ
カルボン酸、1,2,4−ブタントリカルボン酸、1,2,
5−ヘキサントリカルボン酸、1,3−ジカルボキシル
−2−メチル−2−メチレンカルボキシプロパン、1,
2,4−シクロヘキサントリカルボン酸、テトラ(メチレ
ンカルボキシル)メタン、1,2,7,8−オクタンテトラ
カルボン酸、ピロメリット酸、エンボール二量体酸、こ
れらの酸の無水物、低級アルキルエステル等が挙げられ
る。
【0026】また、本発明においてはポリエステル系樹
脂として、ポリエステル樹脂の原料モノマーと、ビニル
系樹脂の原料モノマーと、これら両方の樹脂の原料モノ
マーと反応するモノマーとの混合物を用い、同一容器中
でポリエステル樹脂を得る縮重合反応およびスチレン系
樹脂を得るラジカル重合反応を並行して行わせて得られ
た樹脂も好適に使用可能である。なお、両方の樹脂の原
料モノマーと反応するモノマーとは、換言すれば縮重合
反応およびラジカル重合反応の両反応に使用し得るモノ
マーである。即ち縮重合反応し得るカルボキシ基とラジ
カル重合反応し得るビニル基を有するモノマーであり、
例えばフマル酸、マレイン酸、アクリル酸、メタクリル
酸等が挙げられる。
【0027】ポリエステル樹脂の原料モノマーとしては
上述した多価アルコール成分および多価カルボン酸成分
が挙げられる。
【0028】またビニル系樹脂の原料モノマーとして
は、例えば、スチレン、o−メチルスチレン、m−メチル
スチレン、p−メチルスチレン、α−メチルスチレン、p
−エチルスチレン、2,4−ジメチルスチレン、p−tert
−ブチルスチレン、p−クロルスチレン等のスチレンま
たはスチレン誘導体;エチレン、プロピレン、ブチレ
ン、イソブチレン等のエチレン系不飽和モノオレフィン
類;メタクリル酸メチル、メタクリル酸n−プロピル、メ
タクリル酸イソプロピル、メタクリル酸n−ブチル、メ
タクリル酸イソブチル、メタクリル酸t−ブチル、メタ
クリル酸n−ペンチル、メタクリル酸イソペンチル、メ
タクリル酸ネオペンチル、メタクリル酸3−(メチル)ブ
チル、メタクリル酸ヘキシル、メタクリル酸オクチル、
メタクリル酸ノニル、メタクリル酸デシル、メタクリル
酸ウンデシル、メタクリル酸ドデシル等のメタクリル酸
アルキルエステル類;アクリル酸メチル、アクリル酸n-
プロピル、アクリル酸イソプロピル、アクリル酸n-ブ
チル、アクリル酸イソブチル、アクリル酸t−ブチル、
アクリル酸n-ペンチル、アクリル酸イソペンチル、ア
クリル酸ネオペンチル、アクリル酸3-(メチル)ブチ
ル、アクリル酸ヘキシル、アクリル酸オクチル、アクリ
ル酸ノニル、アクリル酸デシル、アクリル酸ウンデシ
ル、アクリル酸ドデシル等のアクリル酸アルキルエステ
ル類;アクリル酸、メタクリル酸、イタコン酸、マレイ
ン酸等の不飽和カルボン酸;アクリロニトリル、マレイ
ン酸エステル、イタコン酸エステル、塩化ビニル、酢酸
ビニル、安息香酸ビニル、ビニルメチルエチルケトン、
ビニルヘキシルケトン、ビニルメチルエーテル、ビニル
エチルエーテルおよびビニルイソブチルエーテル等が挙
げられる。
【0029】ビニル系樹脂の原料モノマーを重合させる
際の重合開始剤としては、例えば、2,2'-アゾビス
(2,4-ジメチルバレロニトリル)、2,2'-アゾビスイ
ソブチロニトリル、1,1'-アゾビス(シクロヘキサン-
1-カルボニトリル)、2,2'-アゾビス-4-メトキシ-
2,4-ジメチルバレロニトリル等のアゾ系またはジアゾ
系重合開始剤、ベンゾイルパーオキサイド、メチルエチ
ルケトンパーオキサイド、イソプロピルパーオキシカー
ボネート、ラウロイルパーオキサイド等の過酸化物系重
合開始剤等が挙げられる。
【0030】本発明において、特にオイルレス定着用ト
ナーとしての定着性を向上させ且つ耐オフセット性を向
上させるため、あるいは、透光性を必要とするフルカラ
ートナーにおいて画像の光沢性を制御する為にポリエス
テル系樹脂として軟化点の異なる2種類のポリエステル
系樹脂を使用することが好ましい。オイルレス定着用ト
ナーにおいて定着性を向上させるために軟化点が95〜
120℃の第1ポリエステル系樹脂を使用し、耐オフセ
ット性を向上させるために軟化点が130〜160℃の
第2ポリエステル系樹脂を使用する。この場合に第1ポ
リエステル樹脂の軟化点が95℃より低くなると耐オフ
セット性が低下したりドットの再現性が低下し、120
℃より高いと定着性向上の効果が不十分となる。また第
2ポリエステル系樹脂の軟化点が130℃より低いと耐
オフセット性向上の効果が不十分となり、160℃より
高くなると定着性が低下する。このような観点からより
好ましくは第1ポリエステル系樹脂の軟化点は100〜
115℃で、第2ポリエステル系樹脂の軟化点は135
〜155℃である。また第1および第2ポリエステル系
樹脂のガラス転移点は50〜75℃、好ましくは55〜
70℃とすること望ましい。これはガラス転移点が低い
とトナーの耐熱性が不十分となり、また高すぎると製造
時の粉砕性が低下し生産効率が低くなるためである。
【0031】第1ポリエステル系樹脂としては、上述し
た多価アルコール成分と多価カルボン酸成分を重縮合さ
せて得られたポリエステル樹脂、特に多価アルコール成
分としてビスフェノールAアルキレンオキサイド付加物
を主成分とし、多価カルボン酸成分としてテレフタル
酸、フマル酸、ドデセニルコハク酸、ベンセントリカル
ボン酸のみからなる群より選択される少なくとも1種を
主成分として用いて得られたポリエステル樹脂が好まし
い。
【0032】また、第2ポリエステル系樹脂としては、
ポリエステル樹脂の原料モノマーと、ビニル系樹脂の原
料モノマーと、両方の樹脂の原料モノマーと反応する両
反応性モノマーとの混合物を用い、同一容器中でポリエ
ステル樹脂を得る縮重合反応およびビニル系樹脂を得る
ラジカル重合反応を並行して行わせて得られたポリエス
テル系樹脂がワックスの分散性、トナーの強靭性、定着
性、耐オフセット性を向上させる観点から好ましい。第
2ポリエステル系樹脂中のビニル系樹脂の含有量は5〜
40重量%、好ましくは10〜35重量%とする。これ
はビニル系樹脂の含有量が5重量%より低いとトナーの
定着強度が低下し、40重量%を超えると耐オフセット
性やトナーの強靭性の低下、負の帯電レベルの低下等が
生じ易くなる。また、トナーにワックスを含有させた場
合にはビニル系樹脂の含有量が5重量%より低いとポリ
エチレンワックスの分散性が低下し、40重量%を超え
るとポリプロピレンワックスの分散性が低下する傾向が
ある。
【0033】第1ポリエステル系樹脂と第2ポリエステ
ル系樹脂との重量比は7:3〜2:8、好ましくは6:4
〜3:7とすることが好ましい。第1ポリエステル系樹
脂と第2ポリエステル系樹脂とをこのような範囲で使用
することにより、トナーとして定着時のつぶれによる広
がりが小さくドット再現性に優れており、さらに低温定
着性に優れ低速および高速の画像形成装置においても優
れた定着性を確保することができる。また、両面画像形
成時(定着機を2度通過時)にも優れたドット再現性を
維持することができる。第1ポリエステル系樹脂の割合
が上記範囲より少ない場合は、低温定着性が不十分とな
り幅広い定着性を確保できなくなる。また、第2ポリエ
ステル系樹脂の割合が上記範囲より少ない場合は、耐オ
フセット性が低下するとともに定着時のトナーのつぶれ
が大きくなりドット再現性が低下する傾向がある。
【0034】透光性が要求されるフルカラーは従来、分
子量分布のシャープなシャープメルトタイプの樹脂が使
用され、このような樹脂を使用することにより、光沢の
あるピクトリアル画像が再現された。しかしながら、近
年、通常のオフィスカラー等においては、光沢度を落と
した画像が要求されるケースも出てきている。このよう
な要求に対しては、例えば、樹脂の分子量分布を高分子
側に広げることにより達成できる。また、その具体的方
策の一つとして分子量の異なる2種以上組み合わせて用
いることにより達成でき、最終的に組み合わせてなる樹
脂物性が、ガラス転移温度50〜75℃、軟化点80〜
120℃、数平均分子量2500〜30000および重
量平均分子量/数平均分子量が2〜20であれば好適に
使用できる。光沢度を落として使用する場合には、重量
平均分子量/数平均分子量の値を4以上に設定し、溶融
粘度曲線を傾かせることにより、定着温度に対する光沢
度制御領域を広げることが可能となる。
【0035】その他、特にフルカラートナーにおいて
は、エポキシ系樹脂も好適に使用できる。本発明で使用
されるエポキシ樹脂としては、ビスフェノールAとエピ
クロルヒドリンとの重縮合物などが好適に使用できる。
例えば、エポミックR362、R364、R365、R
367、R369(以上 三井石油化学工業社製)、エポ
トートYD−011、YD−012、YD−014、Y
D−904、YD−017(以上 東都化成社製)、エピ
コート1002、1004、1007(以上 シエル化
学社製)等、市販のものも使用できる。
【0036】さらに、本発明のトナーには耐オフセット
性等の特性を向上させるためにワックスを含有させても
よい。このようなワックスとしてはポリエチレンワック
ス、ポリプロピレンワックス、カルナバワックス、ライ
スワックス、サゾールワックス、モンタン系エステルワ
ックス、フィッシャートロプシュワックス等を挙げるこ
とができる。このようにトナーにワックスを含有させる
場合は、その含有量をバインダー樹脂100重量部に対
して0.5〜5重量部とすることがフィルミング等の問
題を生じることなく添加による効果を得る上で好まし
い。
【0037】なお、耐オフセット性向上の観点からポリ
プロピレンワックスを含有させることが好ましく、また
スミア性(自動原稿送り時あるいは両面複写時に片面に
既に画像が形成された用紙の紙送りの際にローラで画像
が擦られて画像ににじみや汚れ等の画質低下を起こす現
象)を向上させる観点からはポリエチレンワックスを含
有させることが好ましい。上述した観点から特に好まし
いポリプロピレンワックスは160℃における溶融粘度
が50〜300cps、軟化点が130〜160℃および
酸価が1〜20KOHmg/gであるポリプロピレンワッ
クスであり、また特に好ましいポリエチレンワックス
は、160℃における溶融粘度が1000〜8000cp
sおよび軟化点が130〜150℃であるポリエチレン
ワックスである。即ち、上記溶融粘度、軟化点および酸
価を有するポリプロピレンワックスは上記バインダー樹
脂に対する分散性が優れており、遊離ワックスによる問
題を生じることなく耐オフセット性の向上を達成するこ
とができる。
【0038】特にポリエステル樹脂をバインダ樹脂とし
て使用する場合には、酸化型ワックスを使用することが
好ましい。酸化型ワックスとしては、ポリオレフィン系
の酸化型ワックス、カルナバワックス、モンタワック
ス、ライスワックス、フィッシャー・トロプシュワック
スが挙げられる。
【0039】ポリオレフィン系ワックスであるポリプロ
ピレン系ワックスとしては、低分子量のポリプロピレン
は硬度が小さいため、トナーの流動性を低下させる欠点
を持っており、この欠点を改良する為に、カルボン酸ま
たは酸無水物で変性したものが好ましい。特に、低分子
量ポリプロピレン系樹脂を(メタ)アクリル酸、マレイン
酸および無水マレイン酸からなる群より選ばれる1種以
上の酸モノマーで変性した変性ポリプロピレン樹脂が好
適に使用できる。該変性ポリプロピレンは、例えばポリ
プロピレン系樹脂に(メタ)アクリル酸、マレイン酸およ
び無水マレイン酸からなる群より選ばれる1種以上の酸
モノマーを過酸化物触媒存在下もしくは無触媒下でグラ
フトあるいは付加反応することにより得られる。変性ポ
リプロピレンを使用する場合には、酸価が0.5〜30
KOHmg/g好ましくは1〜20KOHmg/gである。
【0040】上記酸化型ポリプロピレンワックスとして
は、市販されているものでは、三洋化成工業社製のビス
コール200TS(軟化点140℃、酸価3.5)、ビス
コール100TS(軟化点140℃、酸価3.5)、ビス
コール110TS(軟化点140℃、酸価3.5)等が
使用できる。
【0041】酸化型ポリエチレンとして市販されている
ものでは、三洋化成工業社製のサンワックスE300
(軟化点103.5℃、酸価22)、サンワックスE2
50P(軟化点103.5℃、酸価19.5)、三井石油
化学工業社製のハイワックス4053E(軟化点145
℃、酸価25)、405MP(軟化点128℃、酸価
1.0)、310MP(軟化点122℃、酸価1.0)、
320MP(軟化点114℃、酸価1.0)、210M
P(軟化点118℃、酸価1.0)、220MP(軟化
点113℃、酸価1.0)、220MP(軟化点113
℃、酸価1.0)、4051E(軟化点120℃、酸価
12)、4052E(軟化点115℃、酸価20)、4
202E(軟化点107℃、酸価17)、2203A
(軟化点111℃、酸価30)等が使用できる。
【0042】カルナバワックスを使用する場合は、微結
晶のものが良く、酸価が0.5〜10KOHmg/g好
ましくは1〜6KOHmg/gのものである。
【0043】モンタンワックスは、一般的に鉱物より精
製されたモンタン系エステルワックスを指しカルナバワ
ックス同様微結晶であり、酸価が1〜20好ましくは3
〜15である。
【0044】ライスワックスは米ぬかワックスを空気酸
化したものであり、酸価が5〜30KOHmg/gであ
ることが好ましい。
【0045】フィッシャー・トロプシュワックスは、石
炭より合成石油を炭化水素合成法により製造する際、副
生するワックスで例えばサゾール社製の商品名「サゾー
ルワックス」として市販されているものである。またこ
れとは別に天然ガスを出発原料とするフィッシャー・ト
ロプシュワックスも低分子量成分が少なくトナーに用い
た場合の耐熱性に優れる為、好適に使用できる。
【0046】フィッシャー・トロプシュワックスの酸価
としては、0.5〜30KOHmg/gの物が使用で
き、サゾールワックスの中では、特に酸価が3〜30K
OHmg/gを有する酸化タイプのもの(商品名、サゾ
ールワックスA1、A2等)が好適に使用できる。ま
た、上記溶融粘度および軟化点を有するポリエチレンワ
ックスも上記バインダー樹脂に対する分散性が優れてお
り、遊離ワックスによる問題を生じることなく定着画像
表面の摩擦係数を低減させてスミア性の向上を達成する
ことができる。なお、ワックスの溶融粘度はブルックフ
ィールド型粘度計により測定した。
【0047】着色剤は、フルカラートナーの場合、公知
の顔料および染料を使用することができる。これらの例
としては、カーボンブラック、アニリンブルー、カルコ
イルブルー、クロムイエロー、ウルトラマリンブルー、
デュポンオイルレツド、キノリンイエロー、メチレンブ
ルークロリド、銅フタロシアニン、マラカイトグリーン
オキサレート、ランプブラック、ローズベンガル、C.
I.ピグメント・レッド48:1、C.I.ピグメント・
レッド122、C.I.ピグメント・レッド57:1、
C.I.ピグメント・レッド184、C.I.ピグメント・
イエロー97、C.I.ピグメント・イエロー12、C.
I.ピグメント・イエロー17、C.I.ソルベント・イ
エロー162、C.I.ピグメント・イエロー180、
C.I.ピグメント・イエロー185、C.I.ピグメント
・ブルー15:1、C.I.ピグメント・ブルー15:3
等を挙げることができる。
【0048】また、黒トナーには、各種カーボンブラッ
ク、活性炭、チタンブラックに加えることができる。
【0049】本発明のトナーには、目的に応じて帯電制
御剤や離型剤等の添加剤を結着樹脂中に添加して用いる
ことができる。例えば、帯電制御剤としては、フッ素系
界面活性剤、サリチル酸金属錯体、アゾ系金属化合物の
ような含金属染料、マレイン酸を単量体成分として含む
共重合体の如き高分子酸、第4級アクモニウム塩、ニグ
ロシン等のアジン系染料、カーボンブラック等を添加す
ることができる。
【0050】さらに、本発明のトナーは、表面改質前お
よび/またはトナー粒子を調製した後の流動性調整剤と
して各種有機/無機微粒子を添加することが好ましい。
無機の微粒子としては、炭化けい素、炭化ホウ素、炭化
チタン、炭化ジルコニウム、炭化ハフニウム、炭化バナ
ジウム、炭化タンタル、炭化ニオブ、炭化タングステ
ン、炭化クロム、炭化モリブデン、炭化カルシウム、ダ
イヤモンドカーボンラクタム等の各種炭化物、窒化ホウ
素、窒化チタン、窒化ジルコニウム等の各種窒化物、ホ
ウ化ジルコニウム等のホウ化物、酸化物、酸化チタン、
酸化カルシウム、酸化マグネシウム、酸化亜鉛、酸化
銅、酸化アルミニウム、シリカ、コロイダルシリカ等の
各種酸化物、チタン酸カルシウム、チタン酸マグネシウ
ム、チタン酸ストロンチウム等の各種チタン酸化合物、
二硫化モリブデン等の硫化物、フッ化マグネシウム、フ
ッ化炭素等のフッ化物、ステアリン酸アルミニウム、ス
テアリン酸カルシウム、ステアリン酸亜鉛、ステアリン
酸マグネシウム等の各種金属石鹸、滑石、ベントナイト
等の各種非磁性無機微粒子を単独であるいは組み合わせ
て用いることができる。特にシリカ、酸化チタン、アル
ミナ、酸化亜鉛等の無機微粒子においては、シランカッ
プリング剤、チタネート系カップリング剤、シリコーン
オイル、シリコーンワニス等の従来から使用されている
疎水化処理剤、さらにはフッ素系シランカップリング
剤、またはフッ素系シリコーンオイル、さらにアミノ基
や第4級アルミニウム塩基を有するカップリング剤、変
性シリコーンオイル等の処理剤で公知の方法で表面処理
されていることが好ましい。
【0051】有機微粒子としては乳化重合法、ソープフ
リー乳化重合法、非水分散重合法等の湿式重合法、気相
法等により造粒した、スチレン系、(メタ)アクリル系、
ベンゾグアナミン、メラミン、テフロン、シリコン、ポ
リエチレン、ポリプロピレン等の各種有機微粒子を用い
ることもできる。この有機微粒子はクリーニング助剤と
しての機能も有する。
【0052】チタン酸金属塩等の比較的大径の無機微粒
子ならびに各種有機微粒子は、疎水化処理してもしなく
ても良い。これら流動化剤の添加量は、熱処理前の添加
量として、現像剤粒子100重量部に対して、0.1〜
6重量部、好ましくは、0.5〜3重量部添加される。
また、熱処理後の外添処理は、現像剤粒子100重量部
に対して、0.1〜5重量部、好ましくは、0.5〜3重
量部添加されるが、熱処理前と熱処理後で適宜添加量を
調整して使用することが好ましい。
【0053】本発明のトナーを特徴付けるトナーの形態
である平均円形度、円形度標準偏差SD、およびトナー
表面形状性D/d50を上記所定の範囲に調整するため
のトナーの調製方法の例を以下に記載する。本発明のト
ナーは、上記したバインダー樹脂、着色剤、その他所望
の添加剤を、従来の方法で混合、混練、粉砕、分級し、
所望の粒径を有する粒子を得たのち、得られた粒子を瞬
間加熱処理(即ち、表面改質処理)に付す。
【0054】本発明において使用する瞬間的加熱処理
は、熱風中にトナー粒子を圧縮空気により分散噴霧する
ことにより、現像剤が熱により表面改質され、従来の方
法をもっても達成できなかった球形度とその均一性を達
成するものである。
【0055】瞬間的加熱処理を行なう装置の概略構成図
を図1および図2を用いて説明する。図1に示す如く、
熱風発生装置101にて調製された高温高圧エアー(熱
風)は導入管102を経て熱風噴射ノズル106より噴
射される。一方、トナー粒子105は定量供給器104
から所定量の加圧エアーによって導入管102'を経て
搬送され、前記熱風噴射ノズル106の周囲に設けられ
た試料噴射室107へ送り込まれる。
【0056】試料噴射室107は、図2に示す如く、中
空のドーナツ形状をしており、その内壁には複数の試料
噴射ノズル103が等間隔に配置されている。試料噴射
室107へ送り込まれたトナー粒子は、噴射室107で
拡散して均等に分散した状態となり、引き続き送り込ま
れてくるエアーの圧力によって複数の試料噴射ノズル1
03から熱風気流中へ噴射される。
【0057】また、試料噴射ノズル103の噴出流が熱
風気流を横切ることがないように試料噴射ノズル103
に所要の傾きを設けておくことが好ましい。具体的に
は、トナー噴出流が熱風気流にある程度沿うように噴射
することが好ましく、トナー噴出流と熱風気流の中心領
域の流れ方向なす角度が20〜40°、好ましくは25
〜35°が好ましい。40°よりも広いとトナー噴出流
が熱風気流を横切るように噴射されることになり、他の
ノズルから噴射されたトナー粒子と衝突してトナー粒子
の凝集が発生し、一方、20°よりも狭いと熱風中に取
り込まれないトナー粒子が発生し、トナー粒子の形状が
不均一となる。
【0058】また、試料噴射ノズル103は複数本必要
であり、少なくとも3本以上、4本以上が好ましい。複
数本の試料噴射ノズルを使用することによって熱風気流
中へのトナー粒子の均一な分散が可能となり、トナー粒
子1つ1つの加熱処理を確実に行うことができる。試料
噴射ノズルから噴出された状態としては、噴出時点で広
く拡散し、他のトナー粒子と衝突することなく熱風気流
全体へ分散されることが望ましい。
【0059】このようにして噴射されたトナー粒子は高
温の熱風と瞬間的に接触して均質に加熱処理される。こ
こで瞬間的とは、処理温度並びにトナー粒子の熱風気流
中での濃度により異なるが、必要なトナー粒子の改質
(加熱処理)が達成され、かつトナー粒子同士の凝集が発
生しない時間であり、通常2秒以下、好ましくは1秒以
下がよい。この瞬間的時間は、トナー粒子が試料噴射ノ
ズルから噴射され、導入管102"に導入されるまでの
トナー粒子の滞留時間として表わされる。この滞留時間
が2秒を越えると合一粒子が発生しやすくなる。
【0060】次いで、瞬間加熱されたトナー粒子は直ち
に冷却風導入部108から導入される冷風によって冷却
され、装置器壁へ付着したり粒子同士凝集したりするこ
となく導入管102"を経てサイクロン109により捕
集され、製品タンク111に貯まる。トナー粒子が捕集
された後の搬送エアーはさらにバグフィルター112を
通過して微粉が除去された後、ブロアー113を経て大
気中へ放出される。なお、サイクロン109は、冷却水
が流れている冷却ジャケットを設け、トナー粒子の凝集
を防止することが好ましい。
【0061】その他、瞬間的加熱処理を行うに重要な条
件としては、熱風風量、分散風量、分散濃度、処理温
度、冷却風温度、吸引風量、冷却水温度である。
【0062】熱風風量とは、熱風発生装置101により
供給される熱風の風量である。この熱風風量は、多くす
る方が熱処理の均一性、処理能力を向上させる意味で好
ましい。
【0063】分散風量とは、加圧エアーによって、導入
管102'に送り込まれる風量のことである。その他の
条件にもよるが、この分散風量は、押さえて熱処理した
方が、トナー粒子の分散状態が向上、安定する為好まし
い。
【0064】分散濃度とは、熱処理領域(具体的にはノ
ズル吐出領域)でのトナー粒子の分散濃度をいう。好適
な分散濃度はトナー粒子の比重によって異なり、分級濃
度を各トナー粒子の比重で割った値が、50〜300g
/m3、好ましくは50〜200g/m3で処理することが
好ましい。
【0065】処理温度とは、熱処理領域での温度をい
う。熱処理領域では中心から外側に向け温度勾配が実状
存在するが、この温度分布を低減して処理することが好
ましい。装置面からは、スタビライザー等により風を安
定化層流状態で供給する事が好ましい。分子量分布のシ
ャープなバインダ樹脂、例えば重量平均分子量/数平均
分子量が2〜20を有するバインダー樹脂を使用してな
る非磁性トナーにおいては、バインダー樹脂のガラス転
移点+100℃以上〜ガラス転移点+300℃のピーク
温度範囲で処理することが好ましい。より好ましくはバ
インダー樹脂のガラス転移点+120℃以上〜ガラス転
移点+250℃のピーク温度範囲で処理する。なお、ピ
ーク温度範囲とはトナーが熱風と接触する領域での最高
温度をいう。
【0066】分子量分布の比較的広いタイプのバインダ
ー樹脂、例えば重量平均分子量/数平均分子量が30〜
100を有するバインダー樹脂を使用してなる非磁性ト
ナーにおいては、バインダー樹脂のガラス転移点+10
0℃以上〜ガラス転移点+300℃のピーク温度範囲で
処理することが好ましい。さらに好ましくはバインダー
樹脂のガラス転移点+150℃以上〜ガラス転移点+2
80℃のピーク温度範囲で処理する。これは、トナーの
形状並びに表面の均一性を向上させる為には、バインダ
ー樹脂の高分子量領域の改質をも達成できるよう高めの
処理温度に設定する必要が生じる為である。しかしなが
ら、処理温度を高めに設定すると逆に合一粒子が発生し
やすくなる為、熱処理前の流動化処理を多めに設定す
る、処理時の分散濃度を低めに設定する等のチューニン
グが必要となる。
【0067】トナー粒子にワックスを添加すると合一粒
子が発生しやすくなる。そのため、熱処理前の流動化処
理(特に大粒径成分の流動化剤)を多めに設定する。処理
時の分散濃度を低めに設定する等のチューニングが形状
並びに形状のバラツキを押さえた均一なトナー粒子を得
る上で重要となる。この操作は分子量分布の比較的広い
タイプのバインダー樹脂を使用しているときや、球形度
を高めようとして、処理温度を高めに設定するときによ
り重要となる。
【0068】冷却風温度とは、冷却風導入部108から
導入される冷風の温度である。トナー粒子は瞬間的加熱
処理後、トナー粒子の凝集あるいは合一が発生しない温
度領域まで瞬時に冷却すべく、冷却風によりガラス転移
点以下の雰囲気下に戻すことが好ましい。この為、冷却
風の温度は、25℃以下、好ましくは15℃以下、さら
に好ましくは、10℃以下で冷却する。しかしながら、
必要以上に温度を下げると条件によっては結露が発生す
る可能性があり、逆に副作用が生じるので注意が必要で
ある。かかる瞬間的加熱処理では、次に示す装置内の冷
却水による冷却と併せて、バインダ樹脂が溶融状態にあ
る時間が非常に短い為、粒子相互および熱処理装置の器
壁への粒子付着がなくなる。この結果、連続性生産時の
安定性に優れ、製造装置の清掃頻度も極端に少なくで
き、また、収率を高く安定的に制御できる。
【0069】吸引風量はブロアー113により、処理さ
れたトナー粒子をサイクロンに搬送する為のエアーをい
う。この吸引風量は、多くする方が、トナー粒子の凝集
性を低減させる意味で好ましい。
【0070】冷却水温度とは、サイクロン109、11
4ならびに導入管102”に設けられている冷却ジャケ
ット内の冷却水の温度をいう。冷却水温度は、25℃以
下、好ましくは15℃以下、さらに好ましくは10℃以
下である。
【0071】球形度(円形度)が高く、かつ、形状のバラ
ツキを小さく押さえる為には、さらに以下の工夫を施す
ことが好ましい。
【0072】熱風気流中に供給するトナー粒子量を一
定に制御し、脈動等を発生させないこと。このために
は; (i)図1中115で使用されるテーブルフィーダーおよ
び振動フィーダー等を複数種組み合わせて使用して、定
量供給性を高める。テーブルフィーダーおよび振動フィ
ーダーを使用して、精度の高い定量供給を行うことがで
きれば、微粉砕あるいは分級工程を連結し、そのままオ
ンラインで熱処理工程にトナー粒子を供給することも可
能となる;
【0073】(ii)トナー粒子を圧縮空気で供給後、
熱風中に供給する前に、トナー粒子を試料供給室107
内で再分散させ、均一性を高める。例えば、二次エアー
により再分散させる、バッファ部を設けてトナー粒子の
分散状態を均一化する、または同軸二重管ノズル等で再
分散させる等の手段を採用する;
【0074】熱風気流中に噴霧供給した際のトナー粒
子の分散濃度を最適化かつ均一に制御すること。このた
めには;
【0075】(i)熱風気流中への供給は、全周方向から
均一に、かつ、高分散状態で投入する。より具体的には
分散ノズルから供給する場合には、スタビライザ等を有
するノズルを使用し、個々のノズルから分散されるトナ
ー粒子の分散均一性を向上させる;
【0076】(ii)熱風気流中のトナー粒子の分散濃度を
均一化する為、ノズル本数は、前記したように少なくと
も3本以上、好ましくは、4本以上とできる限り多く
し、かつ、全周方向に対して、対称形で配置する。36
0度全周領域に設けられたスリット部から均一にトナー
粒子を供給してもよい;
【0077】すべての粒子に対して、均一な熱エネル
ギーがかかる様、トナー粒子が処理される領域での熱風
の温度分布がなき様制御され、かつ、熱風が層流状態に
制御されていること。このためには;
【0078】(i)熱風を供給する熱源の温度バラツキを
低減すること; (ii)熱風供給前の直管部分をできる限り長くしたりす
る。または、熱風供給口付近に熱風を安定化させる為の
スタビライザを設けることも好ましい。さらに、図1に
例示した装置構成は、開放系であり、そのため外気と接
する方向に熱風が拡散する傾向にある為、熱風の供給口
を必要に応じて絞っても良い;
【0079】トナー粒子が熱処理中に均一分散状態が
保持できるだけの流動化処理されていること。このため
には; (i)トナー粒子の分散・流動性を確保する為、トナー粒
子の粒径の1/20以下、好ましくは、1/50以下各
種有機/無機微粒子を使用することが好ましい。特に、
一次粒子の平均径が20nm以下(BET比表面積が100m2
/g以上)の疎水化処理されてなる無機微粒子(特に疎水
性シリカ微粒子)が好ましい。添加量:トナー粒子100
重量部に対して、0.1〜6重量部、好ましくは、0.
3〜3重量部添加される;
【0080】(ii)分散・流動性を向上させる為の混合処
理は、トナー粒子表面に均一かつ強く固定化されない付
着した状態で存在することが好ましい;
【0081】トナー粒子表面が熱を受けた時点でもト
ナー粒子表面に各トナー粒子間のスペーサ効果が保持で
き軟化しない粒子がトナー粒子表面に存在させること。
このためには;
【0082】(i)上記で示した各種有機/無機微粒子
と比較して大き目の粒径を有し、かつ、処理温度で軟化
しない微粒子を添加することが好ましい。トナー粒子表
面の本粒子の存在により、熱を受け始めた後において
も、トナー粒子表面が完全な樹脂成分のみの表面とはな
らず、トナー粒子間においてスペーサ効果をもたらし、
トナー粒子同士の凝集・合一を防止する;
【0083】(ii)上記で示してなる流動化剤の内、大
径粒子としては、一次粒子の平均径が20nmより大き
く、好ましくは25nmより大きく、BET比表面積が
90m2/g以下、好ましくは70m2/g以下の粒子を
使用する。大径粒子の添加量はトナー粒子100重量部
に対して、0.05〜5重量部、好ましくは、0.3〜
3重量部添加される。
【0084】熱処理品の捕収は、熱を発生させないよ
う制御されてなること。このためには; (i)熱処理ならびに冷却されてなる粒子は、配管系(特に
アール部分)ならびに通常トナー粒子の捕収で使用され
ているサイクロンで発生する熱を押さえる為、チラーで
の冷却をすることが好ましい。
【0085】熱の処理に寄与できる樹脂成分が少な
く、また比較的比重の大きい磁性トナーの処理において
は、熱処理される空間を円筒状に囲い、実質的に処理さ
れる時間を増加させたり、複数回の処理を行うことが好
ましい。
【0086】上記の瞬間加熱処理前の粒径としては4〜
10μm、好ましくは5〜9μmである。この段階で得
られる粒子は瞬間加熱処理された後でも、その粒径分布
はほとんど変わらない。
【0087】分級工程は、本発明での瞬間加熱処理を施
した後、行ってもよい。この際、粉砕工程で使用する粉
砕装置として被粉砕粒子を球形化できる粉砕装置を用い
ることにより、この後で処理する瞬間的熱処理の制御が
行いやすくなる為好ましい。このような装置として、イ
ノマイザーシステム(ホソカワミクロン社製)、クリプト
ロンシステム(川崎重工業社製)等を挙げることができ
る。また、分級工程で使用する分級装置として被処理粒
子を球形化できる分級装置を用いることにより、円形度
等の制御が容易になる。このような分級装置としてティ
ープレックス型分級機(ホソカワ社製)等を挙げることが
できる。
【0088】また、本発明では、上記瞬間加熱処理は各
種現像剤の表面改質装置における各種処理と組み合わせ
てもよい。これら表面改質装置としては、ハイブリダイ
ゼーションシステム(奈良機械製作所社製)、クリプトロ
ンコスモスシリーズ(川崎重工業社製)、イノマイザーシ
ステム(ホソカワミクロン社製)等の高速気流中衝撃法を
応用した表面改質装置、メカノフュージョンシステム
(ホソカワミクロン社製)、メカノミル(岡田精工社製)等
の乾式メカノケミカル法を応用した表面改質装置、ティ
スバーコート(日清エンジニアリング社製)、コートマイ
ザー(フロイント産業社製)の湿式コーティング法を応用
した表面改質装置が使用でき、これらを適宜組み合わせ
て使用できる。
【0089】本発明により、瞬間的加熱処理を施すこと
により、混練−粉砕法で得られたトナー粒子の形状を球
状でかつ均一な形状に制御し、さらには、トナーの表面
に有する細孔を低減し、平滑性を上げることができる。
このことにより帯電の均一性ならびに画像性能に優れ、
また、現像剤中の特定の粒径・形状成分、また、特定の
帯電量を有するトナーから先に消費されるといった選択
現像が発生せず、長期にわって安定した画像性能を達成
するトナーを提供できる。
【0090】また、近年要求の高い、高画質、低消費
(色材高充填型)、省エネルギー定着方式に適した低軟化
点のバインダ樹脂を主成分とし、色材部数を高充填した
小粒径トナーにおいても、トナー担持体(キャリア,現像
スリーブ,現像ローラー等)、感光体、転写部材に対する
付着性が極めて小さく、流動性に優れ、帯電の均一性が
向上され、長期に渡って安定した耐久特性を有する。ま
た、磁性トナーにおいてはこのような瞬間加熱処理を施
すことにより、磁性粒子のバインダ樹脂が溶融されて球
状化されてなり、表面に露出している磁性粉がなくなる
と共に遊離の微粉が磁性粒子表面に固定化される。
【0091】以上のようにして得られたトナーはシリカ
等の流動化剤を外添して、現像剤として供される。
【0092】本発明で使用できるキャリアとしては特に
制限はなく、樹脂と磁性粉とを混合したバインダキャリ
アや磁性粉の周りに樹脂を被覆したコートキャリア等は
使用できるが、現像ローラ上のT/C(トナー濃度)の
許容幅が広く、トナースペントに対する耐久性などの面
を考慮するとバインダキャリアが好ましい。バインダキ
ャリアの粒径は、好ましくは体積平均粒径20〜70μ
mであり、磁気力は900〜3000ガウス(1000
Oeの磁場中)、好ましくは1800〜2800ガウ
スである。
【0093】バインダー樹脂としては、公知の合成樹脂
及び天然樹脂ならば如何なるものでも用いることができ
る。具体的には、スチレン系樹脂、アクリル系樹脂、オ
レフィン系樹脂、ジエン系樹脂、ポリエステル系樹脂、
ポリアミド系樹脂、エポキシ系樹脂、シリコーン系樹
脂、フェノール系樹脂、石油樹脂、ウレタン系樹脂等の
合成樹脂及び天然樹脂が挙げられる。この中でも、磁性
粒子の分散性に優れ、磁性粒子の充填量を増加させても
電気抵抗低下に影響の小さいポリエステル系樹脂が好ま
しい。
【0094】
【実施例】(1)ポリエステル樹脂Aの調製 温度計、ステンレス製撹拌棒、流下式コンデンサーおよ
び窒素導入管を取り付けたガラス製4つ口フラスコに、
ポリオキシプロピレン(2,2)−2,2−ビス(4−ヒド
ロキシフェニル)プロパン、ポリオキシエチレン(2,0)
−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパンおよ
びテレフタル酸をモル比4:6:9に調整して重合開始
剤(ジブチル錫オキシド)とともに入れた。これをマン
トルヒーター中において窒素雰囲気下にて、撹拌加熱し
ながら加熱することにより反応させた。そして、この反
応の進行は、酸価を測定することにより追跡した。所定
の酸価に達した時点で反応を終了させて室温まで冷却
し、ポリエステル樹脂を得た。得られたポリエステル樹
脂を1mm以下に粗砕したものを以下のトナーの製造で
用いた。なお、ここで得られたポリエステル樹脂Aの軟
化点(Tm)は110.3℃、ガラス転移点(Tg)は
68.5℃、酸価は3.3KOHmg/g、水酸価は28.1
KOHmg/g、数平均分子量(Mn)は3300、重量
平均分子量(Mw)/数平均分子量(Mn)は4.2で
あった。
【0095】(2)ポリエステルBの調製 1)ポリエステル系樹脂H(L体)の調製 温度計、撹拌器、流下式コンデンサーおよび窒素導入管
を取り付けたガラス製4つ口フラスコに、ポリオキシプ
ロピレン(2,2)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニ
ル)プロパン、ポリオキシエチレン(2,2)−2,2−ビ
ス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、イソドデセニル
無水コハク酸、テレフタル酸およびフマル酸を重量比8
2:77:16:32:30に調整して重合開始剤であるジ
ブチル錫オキサイドとともに入れた。これをマントルヒ
ーター中で窒素雰囲気下にて、220℃で撹拌しつつ反
応させた。得られたポリエステル系樹脂H(L体)の軟
化点は110℃、ガラス転移点は60℃、酸価は17.
5KOHmg/gであった。
【0096】2)ポリエステル系樹脂I(H体)のち スチレンおよび2−エチレンヘキシルアクリレートを重
量比17:3.2に調整し、重合開始剤であるジグミル
パーオキサイドとともに滴下ロートに入れた。一方、温
度計、撹拌器、流下式コンデンサーおよび窒素導入管を
取り付けたガラス製4つ口フラスコに、ポリオキシプロ
ピレン(2,2)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)
プロパン、ポリオキシエチレン(2,2)−2,2−ビス
(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、イソドデセニル無
水コハク酸、テレフタル酸、無水1,2,4−ベンゼント
リカルボン酸およびアクリル酸を重量比42:11:1
1:11:8:1に調整して重合開始剤であるジブチル
錫オキサイドとともに入れた。これをマントルヒーター
中で窒素雰囲気下にて、135℃で撹拌しつつ、滴下ロ
ートよりスチレン等を滴下した後、昇温して230℃で
反応させた。得られたポリエステル系樹脂I(H体)の
軟化点は150℃、ガラス転移点は62℃、酸価は2
4.5KOHmg/gであった。
【0097】(3)ポリエステル樹脂CおよびDの調製 ポリエステル樹脂Aの調製において、表1のモル比でア
ルコール成分および酸成分に変更する以外は同様に樹脂
CおよびDを得た。
【0098】
【表1】
【0099】以上のようにして調製したバインダー樹脂
のガラス転移点Tg、軟化点Tmおよび平均分子量は次
のようにして測定した。 〔樹脂のガラス転移点Tgの測定〕示差走査熱量計(DS
C-200:セイコー電子社製)を用いて、リファレンス
をアルミナとし、10mgの試料を昇温速度10℃/min
の条件で20〜120℃の間で測定し、メイン吸熱ピー
クのショルダー値をガラス転移点とした。
【0100】〔樹脂の軟化点Tmの測定〕フローテスタ
ー(CFT-500:島津製作所社製)を用い、ダイスの細
孔(径1mm、長さ1mm)、加圧20kg/cm2、昇温速
度6℃/minの条件下で1cm2の試料を溶融流出さ
せたときの流出開始点から流出終了点の高さの1/2に
相当する温度を軟化点とした。
【0101】〔分子量の測定〕数平均分子量および重量
平均分子量はゲルバーミエーションクロマトグラフィ
(807-IT型;日本分光工業社製)を用いて測定を
行い、カラムを40℃に保ち、キャリア溶媒としてテト
ラヒドロフラン20mlに溶解させ、この溶液0.5m
lを上記キャリア溶媒とともに導入して、ポリスチレン
換算により分子量を求めた。
【0102】〔酸価〕酸価は、10mgの試料をトルエ
ン50mlに溶解し、0.1%のブロムチモールブルー
とフェノールレッドの混合指示薬を用いて、予め標定さ
れたN/10の水酸化カリウム/アルコール溶液で滴定
し、N/10水酸化カリウム/アルコール溶液の消費量
から算出した値である。
【0103】〔キャリアの調製〕 (1)キャリアAの調製 ポリエステル系樹脂(花王社製:NE-1110)10
0重量部、磁性粒子(マグネタイト;EPT-100
0:戸田工業社製)700重量部およびカーボンブラッ
ク(モーガルL:キャボット社製)2重量部をヘンシェ
ルミキサーで十分混合し、二軸押出混練機でシリンダ部
180℃、シリンダヘッド部170℃に設定し、溶融混
練した。この混練物を冷却し、その後、ハンマーミルで
粗粉砕し、ジェット粉砕機で微粉砕、分級してキャリア
粒子を得た。この際、微粉砕ならびに分級条件を変える
ことにより、体積平均粒径35μmのキャリア粒径を得
た。
【0104】上記キャリア粒子の100重量部に対し
て、疎水性シリカ(TS-500:キャボジル社製)0.
1重量部と、疎水性シリカ(AEROSIL 90G:
日本エアロジル社製)のヘキサメチレンジシラザン処理
品;BET比表面積65m2/g、pH6.0;疎水化度
96%以上)0.3重量部を添加し、ヘンシェルミキサ
ー(周速40m/sec、60秒間)で混合処理した
後、サフュージングシステム(日本ニューマテック工業
社製)により300℃で加熱処理し、キャリア粒子Aを
得た。
【0105】(2)キャリアB(フェライトキャリア)
の調製 アクリル変性シリコーン樹脂(信越化学工業社製;「K
R9706」)20重量部をメチルエチルケトン400
mlに溶解してコーティング溶液を調製した。このコー
ティング溶液をスピラコータ(岡田精工社製)を用いて
平均粒径35μmのCu-Zn系フェライト粒子にスプ
レーして樹脂被覆を行い、次いで、180℃に加熱して
30分間被覆樹脂の硬化を行ってアクリル変性シリコー
ン樹脂被覆キャリアを作成した。キャリアバルクを取り
出し、粉砕機で解砕し、60μmの篩で分級し、更に磁
力選鉱を行い、低磁力成分を除去し、体積平均粒径35
μmの樹脂被覆フェライトキャリアBを得た。
【0106】 〔トナーの調製〕 マゼンタマスターバッチの調製 下記組成: ポリエステル樹脂A(Tg=68.5℃、Tm=110.3℃) 70重量部 マゼンタ顔料(C.I.ピグメントレッド184) 30重量部 よりなる組成物を加圧ニーダーに仕込み混練りした。得
られた混練物を冷却後フェザーミルにより粉砕し、マゼ
ンタ顔料マスターバッチを得た。
【0107】(1)トナー1の調製 樹脂製造例で得られたポリエステル樹脂A 100重量
部に対して、C.I.Pigment Red 184
(大日本インキ化学工業社製)4.0重量部含有相当の
マスターバッチと荷電制御剤としてサリチル酸の亜鉛錯
体(E84:オリエント化学工業社製) 2重量部、酸
化型低分子量ポリプロピレン(100TS:三洋化成工
業社製;軟化点140℃、酸価3.5)をヘンシェルミ
キサーで十分混合した後、混合物を2軸押出混練機
(「PCM−30」:池貝鉄工社製)の排出部を取り外
したものを使用して、溶融混練した後冷却した。得られ
た混練物を冷却プレスローラーで2mm厚に圧延し、冷
却ベルトで冷却した後、フェザーミルで粗粉砕した。そ
の後機械式粉砕機(KTM:川崎重工業社製)で平均粒
径10〜12μmまで粉砕し、更にジェット粉砕機(I
DS:日本ニューマチック工業社製)で平均粒径6.8
μmまで粉砕粗分級した後、微粉分級をローター型分級
機(ティーブレックス型分級機タイプ:100ATP:
ホソカワミクロン社製)を使用して、体積平均粒径(D
t)7.1μm、体積平均粒径の2倍(2D)以上の重量
%が0.1%、かつ体積平均粒径の1/3(D/3)以
下の個数が、3.2%のマゼンタトナー粒子12を得
た。
【0108】このトナー粒子100重量部に対して、疎
水性シリカ(「TS-500」;キャボジル社製)0.5
重量部と疎水性シリカ(「AEROSIL 90G」(日
本アエロジル社製)のヘキサメチレンジシラザン処理
品;BET比表面積 65m2/g、pH6.0、疎水化
度65%以上)1.0重量部を添加し、ヘンシェルミキ
サーで混合(周速40m/secで60秒間)した後、
図1に示す装置により、以下の条件で、200℃で熱処
理してトナー粒子1(体積平均粒径7.1μm)を得
た。
【0109】 〔表面改質処理の条件〕 現像剤供給部; テーブルフィーダー+振動フィーダー 分散ノズル ; 4本(全周に対して、各90度の対称形配置) 噴出角度 ; 30度 熱風風量 ; 800L/min 分散風量 ; 55L/min 吸引風量 ; −1200L/min 分散濃度 ; 100g/m3 処理温度 ; 200℃ 滞留時間 ; 0.5秒 冷却風温度 ; 15℃ 冷却水温度 ; 10℃
【0110】(2)トナー2 表面改質処理における熱処理温度を250℃として以外
は、トナー1の製造法と同様にしてトナー2(体積平均
粒径7.0μm)を調製した。
【0111】(3)トナー3 表面改質処理における熱処理温度を300℃として以外
は、トナー1の製造法と同様にしてトナー3(体積平均
粒径7.1μm)を調製した。
【0112】(4)トナー4の調製 顔料マスターバッチをカーボンブラックマスターバッチ
(市販品:「モーガルL」;キャボット社製)に変更す
る以外はトナー1の製造法と同様にしてトナー4(体積
平均粒径7.0μm)を得た。
【0113】(5)トナー5(オイルレス定着用黒トナ
ー)の調製 ポリエステル樹脂Lを40重量部、ポリエステル樹脂H
を60重量部、ポリエチレンワックス(800P;三井
石油化学工業社製;160℃における溶融粘度5400
cps;軟化点140℃)2重量部、ポリプロピレンワ
ックス(TS-200;三井化成工業社製;160℃に
おける溶融粘度120cps;軟化点145℃;酸価
3.5 KOHmg/g)2重量部、酸性カーボンブラッ
ク(モーガルL;キャボット社製;pH2.5;平均1
次粒径24nm)8重量部および下記式で示される負荷
電制御剤2重量部;
【化1】 をヘンシェルミキサーで十分混合し、2軸押出混練機で
溶融混練した後冷却し、その後、ハンマーミルで粗粉砕
し、更にジェット粉砕機微粉砕した後、分級して体積平
均粒径7.2μmのトナー粒子を得た。
【0114】トナー1の製造例において、熱処理前の流
動化処理の量を疎水性シリカ疎水性シリカ(「TS-5
00」;キャボジル社製)0.6重量部と疎水性シリカ
(「AEROSIL 90G」(日本アエロジル社製)の
ヘキサメチレンジシラザン処理品;BET比表面積 6
5m2/g、pH6.0、疎水化度65%以上)1.2重
量部と増量し、表面改質処理の条件として、処理温度を
270℃とする以外はトナー1と同様の方法、組成によ
りトナー5を得た。
【0115】(6)トナー6の調製 トナー2の製法において、微粉、分級条件を変え、トナ
ー粒子の体積平均粒径を違える以外、トナー2と同様の
方法、組成によりトナー6(体積平均粒径5.1μm)
を得た。
【0116】(7)トナー7の調製 トナー2において、ポリエステル樹脂をポリエステル樹
脂Cとポリエステル樹脂Dの20:80の重量割合でブ
レンドしたものに変更する以外は、同様の方法および組
成によりトナー粒子7(体積平均粒径7.2μm)を得
た。
【0117】(8)トナー8の調製 トナー7において顔料マスターバッチをカーボンブラッ
ク(モーガルL;キャボット社製)に変更する以外は同
様の方法、組成によりトナー8(体積平均粒径7.2μ
m)を得た。
【0118】(9)トナー9の調製 トナー12の100重量部に対して、疎水性シリカ
(「RX-200」:日本アエロジル社製;BET比表
面積140m2/g、pH7.0)1.0重量部を添加
し、ヘンシェルミキサーで混合(周速40m/secで
180秒間)した後、図1に示す装置を用いて、以下の
条件で熱処理温度300℃で表面処理を行いトナー9
(体積平均粒径8.4μm)を得た。 〔表面改質処理条件〕 現像剤供給部; テーブルフィーダー 分散ノズル ; 2本(全周に対して、対称形配置) 噴出角度 ; 45度 熱風風量 ; 620L/min 分散風量 ; 68L/min 吸引風量 ; −900L/min 分散濃度 ; 150g/m3 処理温度 ; 300℃ 滞留時間 ; 0.5秒 冷却風温度 ; 30℃ 冷却水温度 ; 20℃
【0119】(10)トナー10の調製 熱処理温度を150℃とする以外はトナー9の場合と同
様にしてトナー10(体積平均粒径7.1μm)を得
た。
【0120】(11)トナー11の調製 樹脂85重量部に対し、顔料部数が15重量部ならびに
次式
【化2】 で示されるホウ素化合物1重量部およびトルエン400
重量部を超音波ホモジナイザー(出力400μA)を用
いて30分間混合して溶解、分散させることにより着色
樹脂溶液を調製した。一方、分散安定剤として4重量部
の水酸化リン酸カルシウムを含有する水溶液1000重
量部にラウリル硫酸ナトリウム(和光純薬社製)0.1
重量部を溶解させることにより水性分散液を調製した。
上記水性分散液100重量部をTKオートホモミクサー
(特殊機化工業社製)により、4000rpmで撹拌し
ている中に上記着色樹脂溶液50重量部を滴下し、着色
樹脂溶液の液滴を水性分散液中に懸濁させた。この懸濁
液を60℃、100mmHgの条件下で5時間放置する
ことにより、液滴からトルエンを除去し、着色樹脂粒子
を析出させた。次いで濃硫酸により、水酸化リン酸カル
シウムを溶解したのち、濾過と水洗とを繰り返し行っ
た。この後、スラリー乾燥装置(「ディスパーコー
ト」;日清エンジニアリング社製)により、80℃で着
色剤粒子の乾燥を行い、マゼンタトナー粒子11(体積
平均粒径7.2μm)を得た。
【0121】(12)トナー12の調製 トナー1の表面改質処理しないものをトナー12とし
た。
【0122】(13)トナー13の調製 トナー4の熱処理前の100重量部に対して、疎水性シ
リカ(RX-200;日本アエロジル社製;BET比表
面積140m2/g、pH7)1重量部を添加し、ヘン
シェルミキサーで混合(周速40m/sec、180秒
間)した後、トナー9の熱処理条件でトナー13(体積
平均粒径7.9μm)を得た。
【0123】(14)トナー14の調製 スチレン60重量部、n−ブチルメタクリレート35重
量部、メタクリル酸5重量部、2-2アゾビス(2,4-
ジメチルバレロニトリル)0.5重量部、低分子量ポリプ
ロピレン(ビスコール660P;三洋化成工業社製)3
重量部、カーボンブラック(MA#8;三菱化学社製)
8重量部およびクロム錯体(アイゼンスピロンブラック
TRH;保土ケ谷化学工業社製)をサンドスターラーに
より混合して重合組成物を調製した。この重合組成物を
濃度3重量%のアラビアゴム水溶液中で撹拌機TKオー
トホモミクサー(特殊機化工業社製)を用いて回転数4
000rpmで撹拌しながら、60℃で6時間重合反応
させ、平均粒径6.8μmの球状粒子を得た。球状粒子
の濾過/水洗を3回繰り返した後、濾過物を35℃、3
0%RHの環境下にて風乾し、トナー粒子14を得た。
【0124】各トナー粒子100重量部に対して、疎水
性シリカR972(日本アエロジル社製)0.5重量部
およびチタン酸ストロンチウム粒子(平均粒径0.3μ
m)0.3重量部を添加し、ヘンシェルミキサーを用
い、周速度30m/secで180秒間混合処理を行っ
た。その後、円形振動篩器(目開き77μm)を用いて
分級した。
【0125】得られたトナー1〜14の特性値〔体積平
均粒径Dt、>2Dt(wt%)、<1/3Dt(pop
%)、円形度、SD値およびD/d50〕を表2に示し
た。
【表2】 ここで、>2Dt(wt%)は体積平均粒径の2倍以上
の粒径を有するものの含有割合、<1/3Dt(pop
%)は体積平均粒径の1/3以下の粒径を有するものの
含有割合をそれぞれ表す。
【0126】実施例 1〜13 各トナーとキャリアAまたはBを、表3に示す割合で混
合して得た二成分現像剤を用い、また表3に示した装置
間隔Dsで現像を行った。現像は図3に示す現像装置を
用いて行った。実施例1〜13の現像状態を初期P/C
(感光体)かぶり、初期MC付着、移動性、帯電安定性
およびキメについて評価し、その結果を表3に示した。
【0127】比較例1〜10 表3に示すトナーとキャリアの混合比T/Cおよび装置
間隔Dsにしたがって比較例1〜10の現像を実施し
た。現像結果を実施例1〜13とともに表3に記載し
た。
【0128】
【表3】
【0129】表3に於ける初期P/Cカブリ、初期MC
付着、移動性、帯電安定性およびキメの評価方法および
評価基準はそれぞれ次の通りである。〔初期P/Cカブ
リ〕カブリは耐環境性を加味して行った。 環境条件: H/H環境:30℃、85%RH、 L/L環境:10℃、15%RH。 C/W30%、10〜20枚印字後、白紙途中で止め、
止めた後、イメージングユニットを複写機CF-900
改造機(システム速度160mm/sec)から取り出
し、感光体のカブリを観察した。NN環境において3
0,000枚複写後も確認した。評価基準 ○:カブリがほとんど発生していない;、 △:若干カブリは発生したが実用上問題なし、 ×:カブリ発生。
【0130】〔MC付着〕キャリア付着の評価は耐環境
性を加味して行った。 環境条件: H/H環境:30℃、85%RH、 L/L環境:10℃、15%RH。 評価はC/W50%画像を目視で確認して、次の評価基
準でランク付けを行った。 ○:両環境ともキャリア付着が生じていない、 △:若干キャリア付着が生じているものの両環境とも実
用上問題なし、 ×:少なくとも一方の環境でキャリア付着がひどく、実
用上問題がある。
【0131】〔移動性〕C/W5%で5〜10枚通紙
後、現像バイアスを低バイアス〜高バイアス数段階に分
けて印加し、画像パターンはφ5のべた画像で印加途中
で停止し、PC(感光体)上の付着量を測定した。評価基準 ◎:PC上の付着量は極めて良好なレベル、 ○:PC上の付着量は適切なレベル、 △:PC上の付着量は実用上問題のないレベル、 ×:PC上付着量は少ない。
【0132】〔荷電安定性〕C/W比30%画像を複写
し、初期および30,000枚複写後において、帯電量
の測定を行い(NN環境)、両者の差に基づいて評価し
た。 評価基準 ○:初期と30,000枚複写後の帯電量差の絶対値が5μC/g以下、 ×: 〃 が5μC/gより大。 なお、帯電量〔μC/g〕を測定するに当たっては、図
4に示す装置を用いて測定した。まず、精密天秤で計量
した現像剤1gを導電性スリーブ1の表面全体に均一に
なるように載せるとともに、この導電性スリーブ1内に
設けられたマグネットロール2の回転数を1000rp
mにセットした。そして、バイアス電源3よりバイアス
電圧をトナーの帯電電位と逆に3kV印加し、30秒間
上記導電性スリーブ1を回転させ、この導電性スリーブ
1を停止させた時点での円筒電極4における電位Vmを
読み取るとともに、円筒電極4に付着したトナーの重量
を精密天秤で計量して、トナーの平均帯電量〔μC/
g〕を求めた。
【0133】〔キメ〕ハーフトーン画像で確認を行っ
た。評価基準 ○:画像のキメが細かい、 △:若干キメが粗くなっているものの実用上問題はない
レベル、 ×:画像のキメが粗い。
【0134】現像状態を評価するために使用した現像装
置の1例を図3に基づいて次に説明する。この現像装置
410においては、図3に示すように、その内部にトナ
ーTとキャリアとを含む現像剤401を収容させてお
り、この現像剤401を搬送させる現像剤搬送部材41
1として、複数の磁極N1、S1、N2、S2、N3を含有
するマグネットローラ411aが内周側に設けられた円
筒状の現像剤スリーブ411を用い、この現像スリーブ
411を現像領域において像担持体である感光体402
と適当な間隔Dsを介して対向するようにして、回転可
能に配置させている。
【0135】この現像スリーブ411を感光体402と
逆方向、すなわち現像スリーブ411と感光体402と
が対向する現像領域では現像スリーブ411と感光体4
02とが同方向に移動するように回転させ、この現像ス
リーブ411の回転に伴って現像装置410内に収容さ
れた現像剤401を、上記のマグネットローラ411a
による磁力作用により磁気ブラシの状態で感光体402
側に搬送させるようにしている。
【0136】上記の現像スリーブ411には現像バイア
ス電源412を接続させており、この現像バイアス電源
412から交流電圧或いは交流電圧に直流電圧を重畳さ
せた現像バイアス電圧を印加させて、現像領域に振動電
界を作用させるようにしている。
【0137】上記の現像スリーブ411と感光体402
とが対向する現像領域よりも現像剤401の搬送方向上
流側で、前記マグネットローラ411aの磁極N1と対向
する位置において、磁性ブレード413を現像スリーブ
411と所要間隔を介して設け、この磁性ブレード41
3によって現像スリーブ411上における現像剤401
の量を規制するようにしている。
【0138】この現像装置410においては、その上部
にトナーTを収容させたトナー収容部414を設けてお
り、現像スリーブ411から現像剤401中におけるト
ナーTを感光体402に供給して現像を行った結果、現
像装置410内における現像剤401中のトナー濃度が
低下した場合には、このトナー収容部414の下に設け
られたトナー補給ローラ415を回転させて、トナー収
容部414に収容されたトナーTを現像装置410内の
現像剤401に補給し、このように補給されたトナーT
を、現像装置410内に設けられた混合撹拌部材416
により現像剤401と混合撹拌して現像スリーブ411
に供給するようになっている。
【0139】また、上記のキャリアとトナーとを混合さ
せた現像剤においては、この現像剤中におけるトナーの
重量比が少ないと、十分な画像濃度が得られなくなった
り、トナーが過剰に帯電され帯電量が高くなりすぎ、十
分な現像が行えなくなる一方、トナーの重量比が多くな
りすぎると、トナーがキャリアによって十分に帯電され
ず、形成される画像にカブリ等が発生する。このため、
上記の現像剤としてはトナーの重量比が6〜20重量
%、好ましくは6〜15重量%より好ましくは6〜11
重量%のものを用いることが好ましい。
【0140】この現像装置410においては、上記のよ
うに現像スリーブ411と感光体402とが対向する現
像領域よりも現像剤401の搬送方向上流側に設けられ
た磁性ブレード413によって現像スリーブ411上に
おける現像剤401の量を規制し、現像剤401をこの
現像剤スリーブ411上で薄層状態にして感光体402
と対向する現像領域に搬送し、上記の現像バイアス電源
412から現像バイアス電圧を印加させて、この現像領
域に振動電界を作用させ、現像スリーブ411によって
搬送されてきた現像剤401中におけるトナーTを現像
スリーブ411から感光体402の潜像部分に供給して
現像を行うようになっている。
【0141】この現像剤搬送部材によって現像領域に搬
送させる現像剤はその量が少なすぎると、像担持体に供
給されるトナーが不足し、十分な画像濃度を有する画像
が得られなくなる。このため、現像剤搬送部材によって
現像領域に搬送させる現像剤の量を、0.5〜30mg/c
m2、好ましくは0.7〜10mg/cm2、より好ましくは1
〜7.5mg/cm2の範囲になるようにする。
【0142】また、現像を行うにあたって上記のように
現像領域における現像剤搬送部材と像担持体との間に振
動電界を作用させる場合、この振動電界が弱いと、トナ
ーが放出された後のキャリアにおける電荷の移動が悪
く、キャリアにカウンターチャージが残り、キャリアが
像担持体に付着しやすくなる一方、この振動電界が強く
なりすぎると、現像剤搬送部材と像担持体との間でリー
クが起こりやすくなるため、現像領域における現像剤搬
送部材と像担持体との間隔をDs、印加する交流電圧の
ピーク・ピーク値をYp−pとした場合に、振動電圧(Vp
−p/Ds)を3.5kV/mm≦Vp−p/Ds≦6.5kV/m
mになるようにすることが好ましい。
【0143】
【発明の効果】現像剤搬送担持体上の表面にトナーとキ
ャリアとを含む現像剤を0.5〜30mg/cm2の薄層
状態に制御して、現像剤を現像剤搬送担持体と静電潜像
担持体とが対向する現像領域に搬送させると共に、この
現像剤搬送担持体と静電潜像担持体との間に交流電界を
作用させて現像を行う現像方法において、本発明の二成
分現像方法によれば、トナーの帯電立ち上がり性、帯電
の安定性、耐環境性に優れ、トナーかぶり、キャリア付
着もなく、キメのよい画像を形成できる二成分現像方法
を提供することができ、また移動性が向上したためトナ
ー/キャリア混合比および現像剤搬送担持体と静電潜像
担持体との距離Dsの許容幅を拡大することができた。
【図面の簡単な説明】
【図1】 瞬間的加熱処理を行うための装置の概略構成
図。
【図2】 図1の装置における試料噴射室の概略水平断
面図。
【図3】 本発明の現像方法を実施する現像装置の1例
を示す概略構成図。
【図4】 帯電量を評価する装置の原理図。
【符号の説明】
101:熱風発生装置、 102、102′、102′′:導入管、 103:試料噴射ノズル、 104:滞留した粉体、 105:トナー粒子、 106:熱風噴射ノズル、 107:噴射室、 108:冷却風導入部、 109:サイクロン 111:製品タンク、 112:バグフィルター、 113:ブロアー、 114:サイクロン、 115:テーブルフィーダー、 401:現像剤、 402:感光体、 410:現像装置、 411:スリーブ、 411a:マグネットローラ、 412:バイアス電源、 413:磁気ブレード、 414:トナー収容部、 415:トナー補給ローラ、 416:混合撹拌部材、 T:トナー、 Ds:間隔。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 安野 政裕 大阪府大阪市中央区安土町二丁目3番13号 大阪国際ビル ミノルタ株式会社内 (72)発明者 中村 稔 大阪府大阪市中央区安土町二丁目3番13号 大阪国際ビル ミノルタ株式会社内 (72)発明者 福田 洋幸 大阪府大阪市中央区安土町二丁目3番13号 大阪国際ビル ミノルタ株式会社内

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 トナーとキャリアとを含む現像剤を現像
    剤搬送担持体表面上に0.5〜30mg/cm2の量で薄
    層状態に制御して、現像剤搬送担持体と静電潜像担持体
    とが対向する現像領域に搬送するとともに、現像剤搬送
    担持体と静電潜像担持体との間に振動電界を作用させて
    現像を行う方法において、平均円形度が平均円形度>
    0.96、円形度標準偏差SDがSD<0.04、および
    トナー表面形状性D/d50がD/d50≧0.40の
    トナーを用いることを特徴とする二成分現像方法。
  2. 【請求項2】 トナーの体積平均粒径が4〜10μmで
    ある請求項1記載の二成分現像方法。
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