JPH1129521A - ナフタレンジカルボン酸の製造法 - Google Patents

ナフタレンジカルボン酸の製造法

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JPH1129521A
JPH1129521A JP9186882A JP18688297A JPH1129521A JP H1129521 A JPH1129521 A JP H1129521A JP 9186882 A JP9186882 A JP 9186882A JP 18688297 A JP18688297 A JP 18688297A JP H1129521 A JPH1129521 A JP H1129521A
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naphthalenedicarboxylic acid
ndca
oxidation
acid
naphthalenedicarboxylate
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Kazuo Tanaka
一夫 田中
Hiroshi Machida
博 町田
Fumiya Arima
文哉 在間
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Mitsubishi Gas Chemical Co Inc
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Abstract

(57)【要約】 【課題】ナフタレンジカルボン酸の結晶粒径を改善し、
結晶分離を容易にする方法を提供する。 【解決手段】ジアルキルナフタレン及び/又はその酸化
誘導体を低級脂肪族カルボン酸を含む溶媒中で重金属酸
化触媒及び臭素から成る触媒の存在下に酸素含有ガスで
酸化してナフタレンジカルボン酸を製造するに際して、
触媒成分としてナフタレンジカルボン酸金属塩を固体状
で酸化反応器に導入する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はジアルキルナフタレ
ン及び/またはその酸化誘導体を酸化して、ナフタレン
カルボン酸(以下、NDCAと略称する)を製造する方
法に関し、詳しくは該製造法において生成されたNDC
Aの結晶粒径を改善する方法に関する。
【0002】
【従来の技術】NDCA及びそのエステルは高機能性ポ
リエステルの原料として有用な物質である。従来、ND
CAの製造方法としては、ジアルキルナフタレン及び/
またはその酸化誘導体をコバルト、マンガン、臭素等を
用いて低級脂肪族カルボン酸を含む溶媒中、分子状酸素
により酸化する方法が多数提案されている。しかしなが
ら、いずれの方法においても、得られる粗NDCAの結
晶粒径が小さく、しかも反応溶媒に対するNDCAの溶
解度が非常に小さいため、テレフタル酸製造プロセスの
場合のように多段晶析を行なってもNDCAの粒径をあ
まり大きくできず、反応母液の分離工程あるいはそれに
続く洗浄工程における固液分離、特に工業的に有利な遠
心分離機による固液分離が極めて難しいという問題点が
ある。
【0003】このNDCAの結晶を大きくし分離性を向
上させるための方法としては、反応後のスラリーを20
〜100℃の温度で4時間以上保持して結晶を凝集させ
る方法が特開昭50−121255号に記載されてい
る。また酸化反応を特定の温度範囲(180〜220
℃)で行なうことによりNDCAの粒径が大きくなるこ
とが特開平6−65143号に示されている。特開平6
−293697号には、反応母液や洗浄濾液等に含まれ
るNDCAの微細結晶を再び酸化反応器に供給すること
により、微細結晶の粒径を固液分離に適する大きさまで
成長させることが提案されている。
【0004】酸化反応で生成したNDCAは、トリメリ
ット酸、6−ホルミル−2−ナフトエ酸等の有機不純物
及び酸化触媒のコバルト、マンガン等の重金属を含んで
おり、これらを除去し、精製しなければ高機能性ポリマ
ーの原料としての利用に適さない。しかしNDCAは前
述のように溶媒に対する溶解度が低く、さらに融点にお
いて分解するため、NDCAのままで精製を行なうこと
が困難である。そこでNDCAをメタノールでエステル
化してナフタレンジカルボン酸ジメチル(以下、NDC
Mと略称する。)とした後、蒸留または再結晶等により
精製する方法が特公昭57−35697号および特公昭
46−9697号等に記載されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】上記の如く酸化反応で
生成したNDCAは粒径が非常に小さく、結晶と溶媒の
分離が困難である。また必然的にNDCMの製造工程に
酸化触媒のコバルト、マンガンが持ち込まれることにな
るので、その回収が必要である。本発明者等の検討によ
れば、NDCA結晶の粒径を大きくする方法を記載した
特開昭50−121255号および特開平6−6514
3号の方法では、得られるNDCA結晶の形状は板状結
晶ないしは短冊状結晶及びそれらが凝集した結晶であ
り、その結晶は極めて破砕され易く、ポンプ等によるス
ラリーの輸送時に結晶が微細化するために、結晶の分離
は充分に行われなかった。また特開平6−293697
号の方法により、微細粒子を含有する反応母液を連続的
に酸化反応器に循環使用を繰り返すと、固液分離工程に
供給するスラリー中の微細結晶の比率が徐々に上昇して
固液分離が最終的に不能となった。本発明の目的は、ジ
アルキルナフタレン及び/またはその酸化誘導体を酸化
して生成するNDCAの結晶の分離を容易にする方法及
びNDCMの工程に持ち込まれる酸化触媒を回収して有
効に利用する方法を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者等はNDCAの
製造における上記のごとき課題を解決するために鋭意検
討した結果、ジアルキルナフタレン及び/またはその酸
化誘導体を酸化するに際し、ナフタレンジカルボン酸金
属塩をスラリー状で酸化反応器に供給することにより、
反応で生成するNDCAの結晶が、球状で大きく成長
し、かつ嵩比重も大きくなり、固液分離が容易で輸送し
易い結晶が得られること、またNDCAのエステル化工
程においてNDCAに同伴するトリメリット酸金属塩が
ナフタレンジカルボン酸金属塩に変化し、これを分離し
てスラリー状で酸化反応器に供給するようにすれば、該
金属塩が触媒成分として有効に回収されることを見出
し、本発明に到達した。
【0007】即ち本発明は、ジアルキルナフタレン及び
/又はその酸化誘導体を低級脂肪族カルボン酸を含む溶
媒中で重金属酸化触媒及び臭素からなる触媒の存在下に
酸素含有ガスで酸化してナフタレンジカルボン酸を製造
するに際して、触媒成分としてナフタレンジカルボン酸
金属塩を固体状で酸化反応器に導入することを特徴とす
る結晶粒径を改善するナフタレンジカルボン酸の製造法
および、該方法において、酸化触媒を含んだナフタレン
ジカルボン酸をエステル化し、得られたエステルからナ
フタレンジカルボン酸金属塩を回収し、酸化反応に循環
使用する方法である。
【0008】
【発明の実施の形態】以下、本発明を詳細に説明する。
本発明で酸化原料として用いるジアルキルナフタレンと
しては、ジメチルナフタレン、ジエチルナフタレン、ジ
イソプロピルナフタレン等が挙げられる。またその酸化
誘導体としては、ホルミルナフトエ酸、アセチルナフト
エ酸のごとき前記ジアルキルナフタレンの酸化中間体あ
るいはメチルアセチルナフタレン、メチルブチリルナフ
タレンのごときアルキルアシルナフタレンあるいはジア
シルナフタレン等が挙げられる。これらのジアルキルナ
フタレン又はその酸化誘導体うち、特に2,6−体が工
業的に有用である。
【0009】酸化反応においては溶媒に用いられる低級
脂肪族カルボン酸としては、炭素数1〜5個の脂肪族モ
ノカルボン酸、すなわちギ酸、酢酸、プロピオン酸、酪
酸等あるいはこれらの混合物が溶媒の低級脂肪族カルボ
ン酸として使用されるが、酢酸、プロピオン酸が好まし
く、特に酢酸が好ましい。溶媒には水が含有されていて
も良く、その含有量は20重量%以下である。溶媒の使
用量はジアルキルナフタレン及びその酸化誘導体に対し
て、通常1〜12重量倍、好ましくは2〜10重量倍で
ある。
【0010】酸化反応で使用される重金属酸化触媒に
は、コバルト化合物、マンガン化合物及び臭素化合物が
用いられる。必要に応じてこれに鉄、セリウム、ニッケ
ル等の重金属化合物を添加しても良い。これらのコバル
ト、マンガン、鉄、セリウム、ニッケル化合物として
は、有機酸塩、ハロゲン化物、炭酸塩等が例示される。
金属触媒の使用量は、コバルト及びマンガンを含む重金
属成分の合計量が酸化原料のジアルキルナフタレン及び
その酸化誘導体に対する原子比で、0.02〜0.5、
好ましくは0.05〜0.3となるように添加する。酸
化触媒中のマンガンとコバルトの原子比は20:1〜
1:1である。
【0011】酸化反応で使用される臭素化合物としては
反応系で溶解し、臭素イオンを発生するものであれば如
何なるものでも良く、臭化水素、臭化ナトリウム、及び
臭化コバルト等の無機臭化物、テトラブロモエタン等の
有機臭化物が例示される。特に臭化水素、臭化コバルト
が好ましい。また臭素については酸化原料に対する原子
比で0.01〜0.3、好ましくは0.02〜0.15
となるように添加する。
【0012】本発明は以上のジアルキルナフタレン等の
酸化反応の触媒として、固体状のナフタレンジカルボン
酸金属塩を用いることが特徴である。ナフタレンジカル
ボン酸金属塩としては、ナフタレンジカルボン酸コバル
ト、ナフタレンジカルボン酸マンガン、ナフタレンジカ
ルボン酸セリウム、ナフタレンジカルボン酸ニッケルな
どが例示できる。これらのナフタレンジカルボン酸金属
塩は固体状で酢酸等の溶媒中でスラリーとして供給され
る。
【0013】本発明において用いられるナフタレンジカ
ルボン酸金属塩には、ナフタレンジカルボン酸をエステ
ル化する際に回収されたものが好適である。すなわち、
ジアルキルナフタレン及びまたはその酸化誘導体を酸化
してNDCAを得る場合、トリメリット酸が副生し、溶
媒中の重金属との錯塩を形成する。得られたトリメリッ
ト酸金属塩はNDCAと分離し難く、エステル化工程に
持ち込まれることになる。このNDCAがメタノールで
エステル化される過程でトリメリット酸金属塩は、ナフ
タレンジカルボン酸金属塩に変換し、不溶性物質として
濾過分離あるいは沈降分離される。得られるナフタレン
ジカルボン酸金属塩の粒径は2〜5μと小さいが、酸化
反応において該ナフタレンジカルボン酸金属塩を用いる
ことにより、NDCAの結晶の粒度分布が均一となり、
また酸化反応にの触媒としても有効に作用する。
【0014】なお、ナフタレンジカルボン酸金属塩は単
独もしくは他の有機酸塩、ハロゲン化物、炭酸塩との併
用しても良い。併用する場合には、酢酸金属塩、臭化金
属を酢酸等の溶媒に溶解して好適に用いられる。ナフタ
レンジカルボン酸金属塩の使用量は酸化原料のジアルキ
ルナフタレン及び/またはその酸化誘導体に対し、0.
2〜30重量%、好ましくは0.5〜20重量%の割合
で添加する。添加量が少ないと粒径改善の効果があまり
なく、添加量が多すぎてもむしろ悪化する。
【0015】酸化反応に供される酸素含有ガスとして
は、酸素ガス、酸素を窒素、アルゴン等の不活性ガスと
混合したガスが挙げられるが、空気が最も一般的であ
る。酸化反応器としては撹拌槽や気泡塔などが用いられ
るが、反応器内の撹拌を充分に行なうために撹拌槽が好
適に使用される。反応の形式としては半回分式または連
続式が好適に用いられる。半回分式では酸化反応を完結
させるために、原料の供給を停止した後5〜60分間、
酸素含有ガスの供給を継続することが望ましい。連続式
では反応収率を高める為に複数の反応器を直列に設ける
ことが望ましい。
【0016】酸化反応の温度は180〜240℃、好ま
しくは190〜230℃である。温度が低いと中間体が
多くなり、純度が低下する。温度が高過ぎると、溶媒の
低級脂肪族カルボン酸の燃焼損失が大きくなり、またN
DCAの収量も低下する。酸化反応では酸素含有ガスを
反応器に連続的に供給し、反応後のガスは圧力が5〜4
0kg/cm2 G 、好ましくは10〜30kg/cm2 G と
なるように連続的に反応器から抜き出される。
【0017】反応器には還流冷却器を設け、排ガスに同
伴される多量の溶媒及び酸化反応で生成する水を凝縮さ
せる。凝縮した溶媒及び水は通常反応器に還流される
が、反応器内の水分濃度を調整するために、その一部を
反応系外に抜き出すことも行なわれる。反応器からの排
ガス中の酸素濃度は0.1〜8容量%、好ましくは1〜
5容量%である。
【0018】酸化反応で生成したNDCA結晶は固液分
離機により溶媒と分離される。分離機の形式としては遠
心沈降機、遠心濾過機、真空濾過機等が挙げられる。こ
れらの分離機で分離可能な最小結晶粒径はデカンター型
の遠心沈降機で通常5μm 以上、遠心濾過機や真空濾過
機では10〜20μm 以上であるが、本発明により固体
状のナフタレンジカルボン酸金属塩を導入することによ
って得られるNDCA結晶は15μm 以上なので、これ
らのいずれの形式の分離機にも適した粒径の結晶であ
る。
【0019】固液分離機により分離された粗NDCA結
晶は通常、メタノールを用いてエステル化される。エス
テル化の反応温度は190〜320℃、好ましくは23
0〜300℃であり、反応圧力は2〜40kg/cm2 G
、好ましくは10〜30kg/cm2 G である。エステ
ル化工程の触媒としては、三酸化モリブデン等のモリブ
デン化合物を用いられるが、温度240℃以上の高温で
反応を実施する場合は無触媒でエステル化が行われる。
硫酸等の鉱酸を触媒として使用することは酸化触媒金属
を可溶性に変えるため好ましくない。
【0020】前述の如く酸化反応において生成したトリ
メリット酸金属塩は、NDCAのエステル化の過程でト
リメリット酸トリメチルエステルとナフタレンジカルボ
ン酸金属塩に変換される。エステル化されたNDCMは
有機溶媒に溶解して再結晶および/または蒸留により分
離精製されるが、この際ナフタレンジカルボン酸金属塩
が不溶物として分離され、本発明の方法によりジアルキ
ルナフタレン等の酸化反応に供される。得られたナフタ
レンジカルボン酸金属塩は、トリメリット酸を殆ど含ま
ず、NDCM及び2,6-ナフタレンジカルボン酸モノメチ
ルエステルを不純物として若干含むだけであり、酸化反
応の触媒として有効に作用すると共に、粗NDCAの結
晶の平均粒径が大きくなり、該結晶の分離が容易とな
る。
【0021】
【実施例】次に実施例によって本発明を具体的に説明す
る。なお本発明はこれらの実施例により制限されるもの
ではない。実施例及び比較例に示したNDCA収率の定
義及び結晶粒径の測定法は次の通りである。 NDCA収率 ナフタレンジカルボン酸金属塩をNDCMから回収する
場合、ナフタレンジカルボン酸金属塩に含まれるNDC
M、NDCA及びナフタレンジカルボン酸モノメチルエ
ステル(以下、この3成分を合わせてNDCA分とす
る。)を収率の計算から除外し、モル比で計算した。
即ち、NDCA収率(%)=[(生成物中のNDCA分) -(添加物
中のNDCA分)]/(DMN 供給量)×100となる。 結晶粒径の測定法 レーザー回折式粒度分布測定装置を使用し、粒径の累積
分布の50%値をその結晶の平均粒径とし、微小結晶の
割合として10μm 以下の比率を求めた。
【0022】参考例1 (1) 酸化反応 還流冷却器付きのガス排出管、ガス吹き込み管、原料連
続送液ポンプ及び撹拌器を有するチタン製オートクレー
ブに、酢酸コバルト4水塩、酢酸マンガン4水塩、47
重量%臭化水素水溶液、氷酢酸および水を混合し、コバ
ルト濃度0.10重量%、マンガン濃度0.60重量
%、臭素濃度0.50重量%、水分濃度3重量%の触媒
液を仕込んだ。2,6−ジメチルナフタレン6kg/
h、前記濃度の触媒液を24kg/hで供給し、圧力2
0kg/cm2 G 、温度210℃で空気により酸化反応を
行い、液面が一定になるように連続的に抜き出した。連
続反応で得た反応生成物をデカンター型遠心分離機で固
液分離し、得られた粗NDCAの組成は表1に示す。
【0023】
【表1】粗NDCA組成 重量% 2,6-NDCA 94.8 2-ホルミル-6- ナフトエ酸 0.29 トリメリット酸 2.4 コバルト 0.098 マンガン 0.93
【0024】(2) エステル化反応 撹拌機付きの6Lステンレス製オートクレーブに上記酸
化反応で得た粗NDCAを1.2kg仕込み、更に予め
前記NDCAをエステル化反応で得た粗NDCMを3.
6kg仕込み、温度285℃で加熱した。メタノールを
1.06kg/hの流量で供給し、エステル化反応を行
い、圧力が15kg/cm2 G になるよう調節し、過剰の
メタノールと反応生成水を抜き出し、約3時間エステル
化反応を実施した。得られた粗エステルの組成を表2に
示す。
【0025】
【表2】粗エステル組成 重量% 2,6-NDCM 89.3 2,6-NDCAモノメチル 1.9 2,6-NDCA 3.8 2-ホルミル-6- ナフトエ酸メチル 0.13 トリメリット酸トリメチル 2.3 コバルト 0.088 マンガン 0.83
【0026】(3) 粗エステルの溶解及びNDCA金属塩
の分離 上記で得られたNDCM800gとオルソキシレン40
00gを濾過器を備えたオートクレーブに仕込み120
℃に加熱し、窒素で1kg/cm2 G に加圧し、濾過器で
濾過した。濾過終了後、フィルターで捕集された不溶性
物質を120℃に加熱したオルソキシレン400gで洗
浄した。フィルターで捕集された不溶性物質を乾燥し、
得られた不溶性物質(NDCA金属塩)の組成を表3に
示す。NDCA金属塩には原料NDCA中に含有されて
いたコバルト及びマンガンの98重量%以上が含まれお
り、トリメリット酸が殆ど含んでいない。
【0027】
【表3】不溶性物質 (NDCA金属塩) 組成 重量% コバルト 1.68 マンガン 15.8 NDCA 71.8 2,6-NDCAモノメチル 1.7 NDCM 1.4 トリメリット酸 0.16
【0028】実施例1 参考例1で得られたNDCA金属塩2.09g、酢酸コ
バルト4水塩、47重量%臭化水素水溶液、氷酢酸およ
び水で、マンガン濃度3000ppm、コバルト濃度5
00ppm、臭素濃度3000ppm、水濃度3重量%
となるように調整し、110gをオートクレーブに仕込
んだ。この溶液はスラリー状であった。2,6−ジメチ
ルナフタレン50g/h及び酢酸マンガン4水塩、酢酸
コバルト4水塩、47重量%臭化水素水溶液、氷酢酸、
水で、マンガン濃度3000ppm、コバルト濃度50
0ppm、臭素濃度3000ppm、水濃度3重量%と
するように調整した触媒液を250g/hで、45分間
供給し、18kg/cm2 G 、200℃で空気により酸化
反応を行った。排気ガス中の酸素濃度は3容量% であっ
た。45分後原料および触媒液の供給を停止し、6分
間、後酸化反応後、反応生成物を取出し、固液分離し
た。得られたNDCA結晶の純度は94.7重量%、平
均粒径は20μmであり、10μm以下の比率は10%
で濾過性に優れていた。NDCA収率は92.3%であ
った。
【0029】比較例1 参考例1で得られたNDCA金属塩を用いず、酢酸コバ
ルト4水塩、酢酸マンガン4水塩で触媒液を調製して、
実施例1と同じ条件で酸化反応を行った。得られたND
CA結晶の純度は95.2重量%、平均粒径は10μm
であり、10μm以下の比率は49%で、微細な結晶の
割合が多く濾過性が悪かった。NDCA収率は92.4
%であった。
【0030】実施例2 実施例1のNDCA金属塩を0.80gとし、不足金属
分を酢酸コバルト4水塩、酢酸コバルト4水塩を補充
し、同様の条件で酸化反応を行なった。得られたNDC
A結晶の純度は94.6重量%、平均粒径は17μmで
あり、10μm以下の比率は16%で、微細な結晶の割
合が少なく濾過性が良かった。NDCA収率は92.4
%であった。
【0031】実施例3 実施例1のNDCA金属塩を1.45gとし、不足金属
分を酢酸コバルト4水塩、酢酸コバルト4水塩を補充
し、同様の条件で酸化反応を行なった。得られたNDC
A結晶の純度は94.8重量%、平均粒径は27μm
で、10μm以下の比率は18%であり、微細な結晶の
割合が少なく濾過性が良かった。NDCA収率は92.
5%であった。
【0032】比較例2 実施例3のNDCA金属塩1.45gを20gの50%
酢酸水溶液で、80℃、30分間撹拌し、触媒成分コバ
ルト、マンガンを抽出した抽出液を使用した以外、実施
例3と同じ条件で酸化反応を行なった。コバルト、マン
ガンの抽出率はコバルトが96.4%、マンガンが9
8.7%であった。得られたNDCA結晶の純度は9
4.5重量%、平均粒径は12μmで、10μm以下の
比率は45%であり、微細な結晶の割合が多く、濾過性
が悪かった。NDCA収率は92.5%であった。
【0033】実施例4 参考例1で得られたNDCA金属塩、酢酸、酢酸コバル
ト4水塩、酢酸マンガン4水塩、47重量%臭化水素水
溶液及び水を混合し、コバルト濃度0.1重量%、マン
ガン濃度0.6重量%、臭素濃度0.5重量%、水分濃
度3重量%とし、NDCA金属塩の触媒液に占める割合
を1.25重量%とするよう調整し、触媒液720g/
h、純度99.4重量%の2,6−ジメチルナフタレン
120g/hで供給し、滞留時間60分となるように連
続的に抜き出し、210℃、20kg/cm2 G で空気に
よる酸化反応を行った。得られた反応混合物を固液分離
した所、NDCA結晶の純度は95.5重量%、平均粒
径は25μmで、10μm以下の比率は15%であり、
微細な結晶の割合が少なく、濾過性が良かった。NDC
A収率は92.5%であった。
【0034】比較例3 実施例4と同じ条件で、NDCA金属塩の代わりに酢酸
コバルト4水塩、酢酸マンガン4水塩を使用し、触媒液
を均一に溶解し、空気による酸化を行った。得られたN
DCA結晶の純度は95.7重量%、平均粒径は12μ
mで、10μm以下の比率は43%であり、微細な結晶
の割合が多く、濾過性が悪かった。NDCA収率は9
2.5%であった。
【0035】
【発明の効果】以上の実施例からも明らかなように、本
発明の方法により触媒成分としてナフタレンジカルボン
酸金属塩を固体状で酸化反応器に導入することにより、
濾過性の良好な粒径の大きなNDCAの結晶が得られ
る。また本発明の方法ではナフタレンジカルボン酸金属
塩にエステル工程からを回収したものを利用できるの
で、ナフタレンジカルボン酸を工業的に有利に製造でき
る。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】ジアルキルナフタレン及び/又はその酸化
    誘導体を低級脂肪族カルボン酸を含む溶媒中で重金属酸
    化触媒及び臭素から成る触媒の存在下に酸素含有ガスで
    酸化してナフタレンジカルボン酸を製造するに際して、
    触媒成分としてナフタレンジカルボン酸金属塩を固体状
    で酸化反応器に導入することを特徴とするナフタレンジ
    カルボン酸の製造法。
  2. 【請求項2】酸化触媒を含んだナフタレンジカルボン酸
    をエステル化し、得られたエステルからナフタレンジカ
    ルボン酸金属塩を回収し、酸化反応に循環使用する請求
    項1に記載のナフタレンジカルボン酸の製造法。
  3. 【請求項3】ナフタレンジカルボン酸金属塩が、ナフタ
    レンジカルボン酸コバルト、ナフレンジカルボン酸マン
    ガン、ナフタレンジカルボン酸セリウム及びナフタレン
    ジカルボン酸ニッケルから選ばれる少なくとも一種より
    なる請求項1に記載のナフタレンジカルボン酸の製造
    法。
  4. 【請求項4】ジアルキルナフタレン及び/又はその酸化
    誘導体の総重量に対して、0.5〜20重量%のナフタ
    レンジカルボン酸金属塩を導入する請求項1に記載のナ
    フタレンジカルボン酸の製造法。
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