JPH11295056A - 位置検出方法、位置合わせ方法、および露光方法 - Google Patents

位置検出方法、位置合わせ方法、および露光方法

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JPH11295056A
JPH11295056A JP10104389A JP10438998A JPH11295056A JP H11295056 A JPH11295056 A JP H11295056A JP 10104389 A JP10104389 A JP 10104389A JP 10438998 A JP10438998 A JP 10438998A JP H11295056 A JPH11295056 A JP H11295056A
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Shinichi Nakajima
伸一 中島
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Nikon Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】本発明は、離散的な位置検出信号に基づいて被
検出対象物の位置を検出する位置検出方法、当該位置検
出方法を用いた位置合わせ方法、および、露光方法に関
し、より高精度に位置を検出することのできる位置検出
方法、位置合わせ方法、および、露光方法を提供するこ
とを目的とする。 【解決手段】 アライメントセンサ31、32によって
検出されたウェハ12のアライメントマークの位置を検
出するための離散的に得られた位置検出信号を所定のモ
デル関数でフィッティングすることにより複数のフィッ
ティング関数を求め、所定の評価基準に対する複数のフ
ィッティング関数のそれぞれの評価値を算出し、評価値
に基づいて、複数のフィッティング関数から所定のフィ
ッティング関数を選択し、所定のフィッティング関数に
基づいて、ウェハ12のアライメントマークの位置を検
出するようにする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、離散的な位置検出
信号に基づいて被検出対象物の位置を検出する位置検出
方法、当該位置検出方法を用いて基板に形成されたマー
クの位置を検出して位置合わせする位置合わせ方法、お
よび、当該位置合わせ方法を用いてレチクルと感光基板
とを位置合わせして、レチクルのパターンの像を感光基
板に転写する露光方法に関する。
【0002】
【従来の技術】半導体装置、液晶表示装置等を製造する
際のフォトリソグラフィ工程においては、露光装置を用
いてフォトマスクやレチクル(以下、レチクルという)
に形成された微細なパターンの像をフォトレジスト等の
感光剤を塗布した半導体ウェハやガラスプレート等の感
光基板(以下、ウェハという)上に転写することが行わ
れる。例えば、ステップ・アンド・リピート方式の露光
装置では、レチクルとウェハとを高精度に位置合わせ
(アライメント)することにより、レチクルのパターン
の像がウェハ上に既に形成されているパターンに高精度
に重なるようにして、レチクルのパターンの像をウェハ
に転写している。
【0003】レチクルとウェハとのアライメントにおい
ては、レチクル上のアライメントマークの位置を検出す
ると共に、ウェハ上のアライメントマークの位置を検出
し、これら検出結果に基づいて、レチクルのパターンの
像がウェハのショット領域のパターンに重なるようにウ
ェハステージを移動させる。
【0004】レチクルの位置合わせを行うアライメント
センサとしては、アライメント用の光をレチクル上に形
成されたアライメントマークに照射し、CCDカメラ等
で撮像して得られたアライメントマークの画像データを
画像処理してマーク位置を計測するVRA(Visual Ret
icle Alignment)方式等がある。
【0005】また、ウェハの位置合わせを行うアライメ
ントセンサとしては、レーザ光をウェハ上のドット列状
のアライメントマークに照射して、当該マークからの回
折光または散乱光を光電センサ等で受光し、光電センサ
によって得られた信号を処理してマーク位置を検出する
LSA(Laser Step Alignment)方式、ハロゲンランプ
等を光源とする波長帯域幅の広い光をウェハ上のアライ
メントマークに照射し、CCDカメラ等で撮像したアラ
イメントマークの画像データを画像処理してマーク位置
を計測するFIA(Field Image Alignment)方式、あ
るいは、ウェハ上の回折格子状のアライメントマークに
周波数を僅かに変えたレーザ光を2方向から照射し、こ
れによって発生した2つの回折光を干渉させて、その位
相からアライメントマークの位置を計測するLIA(La
ser Interferometric Alignment)方式等がある。
【0006】上記したLSA方式、FIA方式のアライ
メントセンサにおいては、アライメントマークの位置を
検出するための位置検出信号として、1次元のマーク波
形を含む信号、または2次元のマークの画像を含む信号
が得られる。1次元のマーク波形を含む信号からマーク
の位置を検出するための処理方法としては、エッジ検出
法、相関法などがある。
【0007】相関法としては、例えばFIA方式のアラ
イメントセンサで得られた信号に対し、予め用意したマ
ーク波形の基準信号(テンプレート)をピクセル単位等
の所定の間隔ずつずらしながら相関関数(以下、マッチ
ング関数)を検出する正規化相互相関法や、マークが1
次元方向に対称な形状である場合において、アライメン
トセンサで得られた信号を所定の折り返し位置で分割
し、一方の信号を折り返した後、折り返し位置をずらし
ながら2つの信号の相関を検出してマッチング関数を求
める折り返し自己相関法等がある。これらの方法によ
り、マッチング関数を検出し、当該マッチング関数に基
づいてマーク位置を検出する。例えば、マッチング関数
の極値(極大または極小)の位置をマーク位置とする。
【0008】また、2次元の信号からマーク位置を検出
する場合は、2次元の信号をX方向、Y方向へ射影して
1次元の信号とし、これら1次元の信号に対して上記と
同様の方法をとるか、あるいは、予めマークの2次元の
基準信号を用意し、この基準信号とアライメントセンサ
で得られた信号とのマッチング関数を計算し、このマッ
チング関数に基づいて、マーク位置を検出する。
【0009】上述のマッチング関数は、位置を表す軸
と、信号間の相関度を表す軸とで表される関数であり、
離散的な関数である。したがって、位置方向に関して
は、例えば、FIA方式であればピクセル単位等の所定
の間隔毎に値を有する関数となっている。このようなマ
ッチング関数からマーク位置を検出する場合には、マッ
チング関数の極大または極小となる点を探して、当該点
に対応する位置を検出すればよい。ただし、このマーク
位置の検出方法は、マーク位置を検出する分解能が所定
の間隔でよい場合、または、後に統計的な処理を行って
分解能を高めることができる場合に有効である。
【0010】近年では、ウェハ上に形成されるパターン
の線幅が微細化する傾向にあるので、アライメントに高
い精度が要求されるようになってきており、上述の所定
の間隔よりも細かい分解能が要求される。そこで、マッ
チング関数を補間したり、マッチング関数にフィットす
る(適合する)連続的な関数(以下、フィッティング関
数という)を求めることが行われる。フィッティング関
数は、フィッティング関数の次数、パラメータ数等の形
式を規定する関数(以下、モデル関数という)をマッチ
ング関数にフィッティングさせることによって求められ
る。フィッティング関数を求める最も単純な方法は、極
値を持つ最も単純な2次関数のモデル関数をマッチング
関数にフィッティングさせることである。このように、
フィッティング関数を求めた後には、解析的に極値を求
めることができ、所定の間隔よりも細かい分解能で位置
を検出することができる。
【0011】ところで、露光装置においては、レチクル
に形成されたパターンの像を正確にウェハに形成された
パターンに転写する必要があり、レチクルのパターンの
像が投影レンズによって結像される焦点位置にウェハ表
面を合わせる必要がある。このために、投影レンズの焦
点位置を検出する必要が生じている。また、投影レンズ
だけでなくウェハまたはレチクル用のアライメントセン
サの光学系においても、CCDカメラ等の光学素子にマ
ークの像を適切に結像させる焦点位置を検出する必要が
生じている。これは、位置を検出するためのマークが光
学系の焦点位置からはずれていると、テレセントリック
の影響を受けて位置ずれが発生したり、像がぼやけてし
まってマークの位置検出の精度を悪化させてしまうため
である。
【0012】アライメントセンサの焦点位置の検出は、
例えば、焦点位置で極大値をとるコントラストのような
光学像の特徴量を計測することによって行う。ここで、
アライメントセンサの焦点位置を検出する例を簡単に説
明する。アライメントセンサの焦点位置を計測する際
は、アライメントセンサの光学系の光軸方向に駆動可能
なステージにより、焦点位置計測用のマークの位置を光
学系の光軸方向に所定のサンプリング間隔で移動させ、
各位置においてCCDカメラ等でマークを撮像して特徴
量を測定し、光軸方向の位置と特徴量との関数を求め
る。次いで、求められた関数を2次関数等のモデル関数
でフィッティングして連続的なフィッティング関数を求
め、当該フィッティング関数を解析して特徴量の極大と
なる点を求めることにより、当該点の光軸方向の位置を
検出する。この光軸方向の位置がアライメントセンサの
焦点位置である。なお、焦点位置計測用のマークとし
て、例えば、ライン・アンド・スペースで形成された周
期パターンのマークを用いた場合には、マークのコント
ラストやマークの周期のフーリエ成分を特徴量として用
いることができる。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】上述のように、離散的
なマッチング関数や離散的な位置と特徴量との関数等
(以下、離散的関数という)を、モデル関数でフィッテ
ィングして、フィッティング関数を求める場合において
は、フィッティング関数の形式を規定するモデル関数を
予め設定しておく必要がある。このモデル関数をどのよ
うに設定するかが、離散的関数から適切なフィッティン
グ関数を求めるために重要である。
【0014】モデル関数が離散的関数と大きく異なる形
状の場合には、モデル関数によって求められたフィッテ
ィング関数と離散的関数との間のフィッティング誤差が
大きくなり、フィッティング関数によって検出される位
置の誤差が大きくなる問題が生じる。例えば、上記した
位置と特徴量との関数は、実際には焦点位置の前後で非
対称な関数であるが、この関数を2次関数のモデル関数
でフィッティングすると極値に関して対称なフィッティ
ング関数となってしまう。このため、フィッティング関
数の極値の位置が実際の焦点位置からはずれたものとな
り、この極値より求められる焦点位置には大きな誤差が
含まれてしまう。
【0015】一般的には、モデル関数の次数を3次、4
次と高くすることにより、モデル関数をより忠実に離散
的関数にフィッティングさせることができる。しかしな
がら、離散的関数に忠実にフィットさせてしまうと、離
散的関数に含まれている計測誤差等から生じるランダム
ノイズにまでフィッティング関数が追従してしまうこと
になり、かえって位置検出の精度が悪くなる問題が生じ
る。また、モデル関数の次数を高くすることにより、フ
ィッティングのための計算処理量が増大し、計算処理に
長時間かかる問題がある。
【0016】本発明の目的は、離散的に得られた位置検
出信号をより適切なモデル関数でフィットさせて、より
高精度に位置を検出することのできる位置検出方法、お
よび、より高精度に基板のマークの位置合わせを行うこ
とのできる位置合わせ方法、より高精度に感光基板およ
びレチクルの位置合わせを行うことのできる露光方法を
提供することにある。
【0017】
【課題を解決するための手段】上記目的は、所定の位置
を検出するために所定のサンプリング間隔で離散的に得
られた位置検出信号を所定のモデル関数でフィッティン
グすることにより複数のフィッティング関数を求め、所
定の評価基準に対する複数のフィッティング関数のそれ
ぞれの評価値を算出し、評価値に基づいて、複数のフィ
ッティング関数から所定のフィッティング関数を選択
し、所定のフィッティング関数に基づいて、所定の位置
を検出することを特徴とする位置検出方法によって達成
される。また、本発明の位置検出方法において、所定の
評価基準はAIC(赤池情報量基準)であり、所定のフ
ィッティング関数は、複数のフィッティング関数のうち
評価値が最も小さいフィッティング関数が選択されるこ
とを特徴とする。また、本発明の位置検出方法におい
て、所定の位置は、所定のフィッティング関数の極値か
ら求めることを特徴とする。
【0018】また、本発明の位置検出方法において、所
定のフィッティング関数は、複数のフィッティング関数
のうち評価値が最も小さい方から少なくとも2つのフィ
ッティング関数が選択され、所定の位置は、選択された
所定のフィッティング関数のそれぞれの極値に対して、
選択された所定のフィッティング関数のそれぞれの評価
値に基づいた重み付けを行い、重み付けされた極値から
求めることを特徴とする。また、本発明の位置検出方法
において、フィッティング関数は、位置検出信号に対す
るテンプレートマッチングによるマッチング関数を求め
た後、マッチング関数に対して最小自乗法を用いたカー
ブフィッティングにより求められ、カーブフィッティン
グは、マッチング関数の極値近傍に対して行うことを特
徴とする。また、本発明の位置検出方法において、上述
した所定の位置は、所定の光学系の焦点位置であること
を特徴とする。
【0019】また、上記目的は、基板に形成された位置
合わせ用のマークの位置を検出して、パターンの像を所
定領域に位置合わせする位置合わせ方法において、本発
明の位置検出方法を用いてマークの位置合わせを行うこ
とを特徴とする位置合わせ方法によって達成される。ま
た、上記目的は、レチクルのパターンの像を感光基板に
転写する露光方法において、レチクルと感光基板とを、
本発明の位置合わせ方法を用いて位置合わせすることを
特徴とする露光方法によって達成される。
【0020】
【発明の実施の形態】本発明の第1の実施の形態による
位置検出方法、位置合わせ方法、および露光方法を図1
および図2を用いて説明する。まず、本実施の形態によ
る位置検出方法、位置合わせ方法および露光方法を実施
する投影露光装置の概略の構成を図1を用いて説明す
る。図1において、投影露光装置の設置面に垂直にZ軸
をとり、Z軸に垂直な面内で互いに直交するX軸、Y軸
をとるものとする。図1において、超高圧水銀ランプ
や、エキシマレーザ等の光源1から射出された露光光
は、反射鏡4で反射されて波長選択フィルタ5に入射す
る。波長選択フィルタ5は、露光に必要な波長の光のみ
を通過させる。波長選択フィルタ5を通過した露光光は
フライアイインテグレータ6によって均一な強度分布の
光束に調整されてレチクルブラインド7に到達する。レ
チクルブラインド7は、ブラインド駆動系18により開
口Sの大きさを変化させて露光光によるレチクル10上
の照明範囲を調整する。
【0021】レチクルブラインド7の開口Sを通過した
露光光は反射鏡8で反射されてレンズ系9に入射し、レ
チクルブラインド7の開口Sの像がレンズ系9によって
レチクル10上に結像され、レチクル10の所望範囲が
照度均一に照明される。レチクル10の照明範囲に存在
するショットパターン又はアライメントマークの像は、
レジストが塗付されたウェハ12上に投影光学系11を
介して結像され、これによりウェハ12の所定のショッ
ト領域にレチクル10のパターン像が転写される。
【0022】ウェハ12はステージ13上に真空吸着さ
れて保持されている。ステージ13は、X方向、Y方向
へ移動可能な一対のブロックを重ね合せた周知の構造を
有しており、モータ等のステージ駆動手段21によって
X方向、Y方向に駆動するようになっている。また、ス
テージ13は、Z方向にも駆動するようになっている。
これにより、ウェハ12上のショット領域の位置が投影
光学系11の結像面と重なるようにステージ13の高さ
を調整することができる。
【0023】ステージ13の近傍には、ステージ13の
X方向とY方向との位置を測定するレーザ干渉系20等
が備えられ、ステージ13の周辺部には、レーザ干渉系
20等からのビームを反射するための移動鏡14等が固
定されている。なお、図1では、X方向の位置を計測す
るレーザ干渉系20および対応する移動鏡14のみを示
し、Y方向の位置を計測するレーザ干渉系および対応す
る移動鏡は図示を省略している。レーザ干渉系20等に
よる測定値はステージ制御系36に出力される。ステー
ジ制御系36は、レーザ干渉系20からの測定値に基づ
いて、ステージ駆動手段21を制御する。ステージ制御
系36は、主制御系37によって制御される。ステージ
13上には、ウェハ12の表面と同じ高さの表面を有す
る基準マーク部材33が固定されており、基準マーク部
材33の表面には、後述するアライメントセンサ31、
32の基準位置等を検出するための基準マークが形成さ
れている。
【0024】本投影露光装置は、レチクル10とウェハ
12との位置合わせを行うためのアライメントセンサと
して、レチクル・アライメントセンサ31とウェハ・ア
ライメントセンサ32とを有している。レチクル・アラ
イメントセンサ31は、レチクル10の+Z方向側に備
えられており、レチクル10に形成されたアライメント
マークと、基準マーク部材33上の基準マーク又はウェ
ハ12上のアライメントマークとを投影光学系11を介
して検出するTTR(スルー・ザ・レチクル)方式のア
ライメントセンサである。
【0025】レチクル・アライメントセンサ31のアラ
イメント方式としては、He−Neレーザ等を使用し
て、レーザ光をマークに照射して、当該マークからの回
折光または散乱光を光電センサ等で受光し、光電センサ
等によって得られたマークの位置に関する信号(位置検
出信号)を検出するLSA方式、回折格子状のマーク
に、周波数を僅かに変えたHe−Neレーザ等によるレ
ーザ光を2方向から照射し、これによって発生した2つ
の回折光を干渉させて、その位相を検出するLIA方
式、または、露光光をマークに照射し、CCD(撮像素
子)等で撮像して位置検出信号を検出する露光光アライ
メント方式等を適用できる。
【0026】例えば、KrF(フッ化クリプトン)、A
rF(フッ化アルゴン)エキシマレーザが露光光として
用いられる場合には、投影光学系11は露光光の波長近
傍の光に対して色収差が調整されているので、露光光の
波長と大きく異なるHe−Neレーザに対しては色収差
の影響が発生してしまう。このため、この場合において
は、露光光を用いる露光光アライメント方式が好まし
い。露光光アライメント方式においては、オフセットを
考慮する必要がなく、投影光学系11の光軸とアライメ
ントセンサの光学系の光軸とのずれ量、いわゆるベース
ラインを管理する必要もない。レチクル・アライメント
センサ31によって検出された位置検出信号等の情報
は、アライメント制御系35に出力される。
【0027】ウェハ・アライメントセンサ32は、投影
光学系11の光軸とほぼ平行なビームを−Z方向側に照
射できるように投影光学系11の近傍に備えられ、基準
マーク部材33上の基準マーク又はウェハ12上のアラ
イメントマークの位置を検出するオフ・アクシス方式の
アライメントセンサである。
【0028】ウェハ・アライメントセンサ32のアライ
メント方式としては、ハロゲンランプ等を光源とする波
長帯域幅の広い光をマークに照射し、CCD等で撮像し
て位置検出信号を検出するFIA方式、He−Neレー
ザ等を使用してレーザ光をマークに照射し、当該マーク
からの回折光または散乱光を光電センサ等で受光し、光
電センサ等によって得られた位置検出信号を検出するL
SA方式、回折格子状のマークに、周波数を僅かに変え
たHe−Neレーザ等によるレーザ光を2方向から照射
し、これによって発生した2つの回折光を干渉させて、
その位相からマークの位置を計測するLIA方式、また
は、露光光をマークに照射し、CCD等で撮像して位置
検出信号を検出する露光光アライメント方式等を適用で
きる。ウェハ・アライメントセンサ32によって検出さ
れた位置検出信号等の情報は、アライメント制御系35
に出力される。
【0029】アライメント制御系35は、レチクル・ア
ライメントセンサ31、ウェハ・アライメントセンサ3
2を制御すると共に、例えば、レチクル・アライメント
センサ31、ウェハ・アライメントセンサ32によって
検出された位置検出信号等の情報に基づいて、マークの
位置を検出するマーク位置検出処理を行う。このマーク
位置検出処理については、後程説明する。また、アライ
メント制御系35は、アライメント時においては、ウェ
ハ12上に形成されたアライメントマークの位置に基づ
いて、ウェハ12の所定のショット領域の位置を特定す
る。次いで、当該ショット領域に前工程で形成されてい
るパターンと、レチクル10上のパターンとを位置合わ
せするために必要なステージ13の移動量を求め、主制
御系37に出力する。主制御系37は、ステージ制御系
36およびアライメント制御系35を制御する。例え
ば、主制御系37は、アライメント制御系35から入力
された移動量に従って、ステージ制御系36によりステ
ージ13を移動させて、ウェハ12の所定のショット領
域のパターンと、レチクル10上のパターンとを位置合
わせする。
【0030】次に、本実施の形態による位置検出方法、
位置合わせ方法および露光方法を実施する投影露光装置
の動作を図2を用いて説明する。まず、FIA方式のウ
ェハ・アライメントセンサ32によってウェハ12上の
アライメントマークに関する位置検出信号を検出する動
作を説明する。なお、この動作の前には、主制御系37
は、ステージ駆動系36によりステージ13を駆動させ
て、ウェハ12のアライメントマークをウェハ・アライ
メントセンサ32の視野内に追い込んでいる。ここで、
図2(a)は、シリコン(Si)ウェハ12上に形成さ
れたAl(アルミニウム)層をパターニングして形成し
たX方向の位置検出用のアライメントマークを示し、図
2(b)は、当該アライメントマークをA−A線で切断
した断面であってAl層全面にレジストが塗布されてい
る状態を示している。図2に示すように、本アライメン
トマークは、上面の長手方向がY方向を向いた矩形の凹
状部aを、所定の間隔で複数有しているライン・アンド
・スペースパターンである。
【0031】ウェハ・アライメントセンサ32は、ハロ
ゲンランプ等を光源とする波長帯域幅の広い光をウェハ
12上のアライメントマークに照射し、アライメントマ
ーク近傍からの反射光をCCDで撮像する。CCDに
は、アライメントマークの像と共に、ウェハ・アライメ
ントセンサ32内に予め設けられている指標板の像が結
像される。この指標板は、センサ視野内における位置の
指標となるものである。次いで、CCDは、所定の1方
向のピクセルの列を走査して、アライメントマークと指
標板との像が含まれた位置検出信号をアライメント制御
系35に出力する。
【0032】図2(c)は、位置検出信号を示してお
り、横軸は走査方向の位置を示し、縦軸は位置検出信号
の強度を示している。図2(c)中の×印は、CCDの
ピクセルから実際に出力された位置検出信号を示し、実
線は、走査方向に連続的に得られたと仮定した場合の位
置検出信号を示している。実際にCCDにより検出され
る位置検出信号は、CCDのピクセル毎に出力されるた
めに、走査方向にピクセル間隔で並ぶ離散的な信号とな
っている。この位置検出信号には、アライメントマーク
に対応する波形bが含まれている。
【0033】次に、アライメント制御系35が位置検出
信号からマークの位置を検出するマーク位置検出処理を
説明する。このマーク位置検出処理には、大別すると、
位置検出信号と基準信号とのマッチング関数を検出する
マッチング処理と、マッチング関数に複数種類のモデル
関数をフィッティングさせて複数のフィッティング関数
を求めるフィッティング処理と、複数のフィッティング
関数から最も尤もらしいフィッティング関数を選択する
AIC処理と、選択されたフィッティング関数を用いて
マーク位置を検出するマーク位置検出処理とがある。
【0034】まず、マッチング処理について説明する。
アライメント制御系35は、位置検出信号に対して正規
化相互相関法によってマッチング関数を検出する。すな
わち、予め設定された基準信号と、ウェハ・アライメン
トセンサ32から入力された位置検出信号とのたたみ込
み積分をとりながらスキャンしてマッチング関数を検出
する。得られたマッチング関数は、基準信号と位置検出
信号が最も一致する位置でピークを持つ。
【0035】図2(d)は、アライメントマークの凹状
部aに対応する基準信号を示している。図2(d)中の
×印は、たたみ込み積分に使用する離散的な基準信号を
示している。図2(e)は、走査方向に得られた位置検
出信号と、図2(d)に示す基準信号とのマッチング関
数を示しており、横軸は、走査方向のマッチングの基準
位置を表し、縦軸はその位置におけるマッチングの度合
いを表している。図2(e)中の×印は、所定のピクセ
ルを基準として実際に得られるマッチングの度合いを示
し、実線は、走査方向に連続的にマッチングをしたと仮
定した場合のマッチング関数を示している。図2(e)
では、アライメントマークの凹状部aに対応する位置に
おいて、マッチング関数がピークとなる。ここで、上記
した処理においては、実際に得られるマッチング関数
は、図2(e)の×印に示すように、ピクセル単位の離
散的な関数であるため、実線で示される極値を得ること
ができない。そこで、離散的なマッチング関数に連続的
なモデル関数をフィッティングさせるフィッティング処
理が行われる。
【0036】フィッティング処理では、まず、アライメ
ント制御系35はマッチング関数の極値(最大値または
最小値)の近傍、すなわち、ピクセル単位のマッチング
関数の中において、極値のピクセルを検出し、このピク
セルの近傍に対して、所定の形式のモデル関数をマッチ
ング関数にフィッティングさせて連続的なフィッティン
グ関数を求める。モデル関数をマッチング関数にフィッ
ティングする場合には、極値近傍のどの範囲のサンプリ
ングデータに対してフィッティングするかにより、デー
タ処理量が異なり、後述するAICに影響をもたらすの
で、位置計測精度、計算速度の観点から、最適なフィッ
ティング範囲を決定し、その範囲についてフィッティン
グすることが好ましい。
【0037】モデル関数をフィッティングさせる方法と
しては、例えば、最小自乗法が用いられている。得られ
たフィッティング関数を解析することにより、極値の位
置、すなわち、アライメントマークの凹状部aの位置を
ピクセルサイズ以下の細かい分解能で特定することがで
き、複数の凹状部aの位置を特定することにより、アラ
イメントマークの位置を検出することができる。
【0038】本実施の形態では、モデル関数の1つとし
て、以下に示す式(1)を用いている。 f(x) = c+cx+cx ・・・(1) 式(1)は、2次関数であるので極値の近傍を十分に近
似しきれない場合がある。例えば、アライメントマーク
に対応する位置検出信号が走査方向について非対称であ
る場合には、マッチング関数は非対称となるが、2次関
数をフィッティングさせてしまうと、極値近傍において
左右対称のフィッティング関数となってしまい、十分な
近似ができない。
【0039】この点を考慮すると、極値近傍において非
対称のフィッティング関数にすることのできるモデル関
数、例えば、3次以上の奇数次の項を有するモデル関数
が必要となる。そこで、本実施の形態では、以下に示す
式(2)もモデル関数として用いている。 g(x) = c+cx+cx+cx ・・・(2) この式(2)によると、式(1)よりもパラメータが一
つ増えているので、基本的には、式(1)よりも適切に
フィッティング関数を求めることができる。しかしなが
ら、式(1)または式(2)のいずれのモデル関数を使
った方がより正確なフィッティング関数を求めることが
できるかは、状況によって異なってしまう。そこで、本
実施の形態においては、いずれのモデル関数から求めら
れたフィッティング関数が最も適しているかを以下のA
IC処理で判断する。
【0040】まず、AIC(赤池情報量基準)について
簡単に説明する。なお、詳しくは、情報量統計学(共立
出版株式会社発行)に記載してある。AICとは、現実
モデルを表す関数と、推定モデル(または理論モデル)
を表す関数との相違を定量化したものであり、以下に示
す式(3)によって表される。 AIC = -2×MLL+2×(パラメータ数) ・・・(3) ここで、MLLは最大対数尤度である。パラメータ数は、
モデル関数の推定するパラメータ数である。例えば、式
(1)であれば3であり、式(2)であれば4である。
【0041】AICは、推定モデルを表す関数(本実施
の形態では、フィッティング関数)の適正の度合いに比
例する量の対数に対応しており、AICの絶対値自身に
は意味が無く、AICが小さいほど推定モデルを表す関
数が現実モデルを表す関数に適していることを意味して
いる。例えば、第1推定モデルを表す関数のAICが1
00、第2推定モデルを表す関数のAICが104であ
る場合には、第1推定モデルを表す関数の方が、第2推
定モデルを表す関数に比して、exp(4)倍現実モデ
ルを表す関数として適していることを意味している。一
般に、パラメータ数が増えれば現実の現象をより少ない
誤差でモデル化することが可能であり、パラメータ数が
増えれば、最大対数尤度MLLは大きくなってAICを減
少させる。また、式(1)の第2項はパラメータ数であ
るのでパラメータが増えればAICを増加させる。定性
的に、AICという量は、現実に得られたデータが、デ
ータを説明するモデルの複雑さを支持するに十分かどう
かを判定するための基準となる。
【0042】モデル関数式(1)を例にとって、最大対
数尤度MLLを説明する。計測結果にはノイズがはいって
おり、このノイズをεとすると、式(1)は、 f(x) = c+cx+cx+ε ・・・(4) と表せる。ここで、ノイズは、ランダムノイズであっ
て、正規分布すると仮定できるので、式(4)の尤度L
は、 L = (2πσ)−n/2 exp{(-1/2σ)Σ(y-c+cx+cx )} ・・・(5) となる。なお、尤度Lは、パラメータc、c、c
の関数であり、尤度Lが最大となるときのパラメータを
もつモデル関数が、計測結果をもっとも忠実に表現して
いるといえる。尤度Lを最大にするパラメータをみつけ
ることは、ノイズεが正規分布する場合においては、最
小自乗法を行うことと等価である。最大対数尤度MLL
は、最大の値をとる尤度Lの対数をとったものである。
【0043】アライメント制御系35は、式(1)のモ
デル関数をフィッティングすることにより得られたフィ
ッティング関数のパラメータを式(5)に代入して尤度
Lを算出する。最小自乗法によって得られたパラメータ
が尤度Lに代入されるので、算出される尤度Lは最大であ
る。次いで、アライメント制御系35は、得られた尤度
Lの対数をとって、最大対数尤度MLLを算出し、式(3)
にパラメータ数と共に代入して、AICを算出する。ま
た、アライメント制御系35は、式(2)のモデル関数
をフィッティングすることによって得られたフィッティ
ング関数についても、上記と同様にして、AICを算出
する。次いで、アライメント制御系35は、得られた2
つのAICを比較して、AICが小さい方のフィッティ
ング関数を選択する。これによって、より適しているフ
ィッティング関数が選択される。
【0044】マーク位置検出処理では、AIC処理によ
って選択されたフィッティング関数を解析して、極値の
位置、すなわち、アライメントマークの凹状部aの位置
を特定し、アライメントマークの他の凹状部aの位置も
同様に特定する。次いで、これら複数の凹状部aの位置
に基づいて、アライメントマークの位置を特定する。こ
れにより、アライメントマークの凹状部aの位置をピク
セルサイズ以下の細かい分解能で特定することができ、
アライメントマークの位置をピクセルサイズ以下の細か
い分解能で特定することができる。そして、この際に使
用するフィッティング関数は、複数のフィッティング関
数の中で最も適しているフィッティング関数であるの
で、より高精度な位置検出を行うことができる。
【0045】上記したようにウェハ12のアライメント
マークの位置を検出した後には、アライメント制御系3
5は、検出したアライメントマークの位置に基づいて、
ウェハ12の所定のショット領域を特定し、当該ショッ
ト領域に前工程で形成されているパターンと、レチクル
10上のパターンとを位置合わせするために必要なステ
ージ13の移動量を求め、主制御系37に出力する。主
制御系37は、アライメント制御系35から入力された
移動量に従って、ステージ制御系36によりステージ1
3を移動させて、ウェハ12の所定のショット領域のパ
ターンと、レチクル10上のパターンとを位置合わせす
る。これによると、ウェハ12上のアライメントマーク
の位置が高精度に検出されているので、ウェハ12の所
定のショット領域も高精度に特定することができ、当該
ショット領域のパターンとレチクル10のパターンとを
高精度に位置合わせできる。なお、この後に、光源1か
ら露光光が射出され、反射鏡4、波長選択フィルタ5、
フライアイインテグレータ6、レチクルブラインド7等
を介して、レチクル10が照明され、レチクル10のシ
ョットパターン等が投影光学系11を介してウェハ12
上の所定のショット領域のパターンに正確に重ね合わさ
れて転写される。
【0046】次に、本発明の第2の実施の形態による位
置検出方法、位置合わせ方法および露光方法を図3を用
いて説明する。本実施の形態による位置検出方法、位置
合わせ方法および露光方法を実施する投影露光装置は、
図1で説明した第1の実施の形態の投影露光装置のアラ
イメント制御系35および主制御系37の機能が異なる
以外はほぼ同様な構成をしているので、同様な機能を有
する構成要素については説明を省略する。アライメント
制御系35は、アライメントセンサ31、32の光学系
の焦点位置を検出する焦点位置検出処理を行う。主制御
系37は、アライメント制御系35による焦点位置検出
処理を制御すると共に、焦点位置検出処理に伴うステー
ジ13の移動をステージ制御系36により実行させる。
【0047】さて、本実施の形態による位置検出方法、
位置合わせ方法および露光方法を実施する投影露光装置
の動作を図3を用いて説明する。ここでは、FIA方式
のウェハ・アライメントセンサ32の光学系の焦点位置
を検出する焦点位置検出処理を例にとって説明する。な
お、この処理を行う前には、主制御系37は、ステージ
駆動系36によりステージ13を駆動させて、基準マー
ク部材33の焦点位置検出用の基準マークをウェハ・ア
ライメントセンサ32の視野内に追い込んでいる。この
時点におけるステージ13は、ウェハ・アライメントセ
ンサ32の焦点位置であると予想される位置の近傍に基
板マーク部材33の表面がくるような位置にあることが
好ましい。基準マーク部材35の焦点位置検出用の基準
マークは、上記した図2(a)、(b)に示すアライメ
ントマークと同様な形状となっている。なお、焦点検出
用の基準マークとしては、アライメントマークと異なる
焦点位置検出のみを行うマークを用いてもよく、また、
アライメントセンサのキャリブレーション用のマークを
用いてもよい。
【0048】アライメント制御系35は、FIA方式の
アライメントセンサ32のCCDによって撮像された基
準マークを含んだ画像信号を受け取り、当該画像信号の
コントラストを検出し、このコントラストをステージ1
3のZ方向の位置と対応付けて記憶する。図3(a)
は、画像信号の一本の走査線による画像信号を示してお
り、横軸は走査方向の位置を表し、縦軸は各位置での光
強度を表す。同図に示す画像信号の場合には、コントラ
ストは、コントラスト=(MAX-MIN)/(MAX+MIN)とし
て表される。図3(a)中の×印は、ピクセルから実際
に得られる光強度を示し、実線は、走査方向に連続的に
光強度を検出したと仮定した場合の画像信号を示してい
る。
【0049】次いで、主制御系37がステージ制御系3
6によりステージ13をZ方向に所定の間隔移動させ、
アライメント制御系35は、上記と同様にコントラスト
を検出し、当該コントラストとZ方向の位置とを対応付
けて記憶する。このようにして、ステージ13のZ方向
の位置と、対応するコントラストとの組を複数記憶す
る。これによって、ステージ13のZ軸方向の位置とコ
ントラストの離散的な関数(焦点検出用の位置検出信
号:以下、焦点位置関数という)が得られる。図3
(b)は焦点位置関数を示しており、横軸はステージの
Z軸方向の位置を表し、縦軸はコントラストを表してい
る。図3(b)中の×印は、実際に検出されたコントラ
ストのデータを示し、実線は、連続的にコントラストを
検出したと仮定した場合の関数を示している。
【0050】次いで、アライメント制御系35は、上記
第1の実施形態のフィッティング処理と同様な処理によ
って、焦点位置関数に複数のモデル関数をフィッティン
グさせてそれぞれのフィッティング関数を求める。これ
らフィッティング関数によると、コントラストを実際に
は検出していない位置、すなわちピクセル間におけるコ
ントラストを特定することができる。次いで、アライメ
ント制御系35は、上記第1の実施形態のAIC処理と
と同様な処理によって、複数のフィッティング関数から
最も理想的なフィッティング関数を選択する。これによ
って、複数のフィッティング関数の中で最も適している
フィッティング関数を選択できる。
【0051】次いで、アライメント制御系35は、選択
したフィッティング関数の極大点を解析し、極大点にお
けるステージ13のZ方向の位置を検出する。この検出
された位置は、基準マーク部材33の表面がウェハ・ア
ライメントセンサ32の光学系の焦点位置と一致したと
きのステージ13のZ方向の位置である。また、ウェハ
12の表面のZ方向の位置と基準マーク部材33の表面
のZ方向の位置とが同じZ方向の位置なので、上記検出
された位置は、ウェハ12の表面とウェハ・アライメン
トセンサ32の光学系の焦点位置とが一致するステージ
13のZ方向の位置でもある。このようにして、ウェハ
12の表面とウェハ・アライメントセンサ32の光学系
の焦点位置とが一致するステージ13のZ方向の位置を
高精度に検出することができる。
【0052】そして、ウェハ12の表面とウェハ・アラ
イメントセンサ32の光学系の焦点位置とが一致するス
テージ13のZ方向の位置を検出した後に、主制御系3
7がステージ制御系36に指令を与えてステージ13を
駆動させ、前記Z方向の位置にステージ13を移動させ
て、ウェハ12のアライメントマークがウェハ・アライ
メントセンサ32の視野内に入るようにする。このよう
な動作によりウェハ・アライメントセンサ32は、より
高精度にアライメントマークの位置を検出することがで
きるようになる。この後に、従来から知られている方法
によって、アライメントマークの位置が検出され、この
アライメントマークの位置に基づいて、ウェハ12の所
定のショット領域が特定され、当該ショット領域に前工
程で形成されているパターンと、レチクル10上のパタ
ーンとの位置合わせが行われる。
【0053】本発明は、上記実施の形態に限らず種々の
変形が可能である。例えば、上記実施の形態において
は、相関法によりマッチング関数を求めるようにしてい
たが、マークがマーク位置に関して反転対称である場合
には、以下の自己相関法によって求めるようにしてもよ
い。すなわち、位置検出信号の所定の点を原点にとり、
原点より右側の信号をそのままにし、左側の信号を左右
反転させ、これら2つの信号の所定の範囲について相関
を計算する。次いで、原点をずらして同様な計算を行っ
てマッチング関数を求めるようにしてもよい。このマッ
チング関数は、反転対称な点の位置において極値を持
つ。
【0054】また、上記実施の形態では、AIC処理に
おいて、複数のフィッティング関数から1つのフィッテ
ィング関数を選択するようにしていたが、AICは、経
験的に、2以上の差が有意であるといわれており、有意
差がない場合には、より適しているフィッティング関数
を正確に検出できない可能性がある。そこで、このよう
な場合には、それぞれのフィッティング関数に対して極
値を求め、それぞれの極値に、例えば、exp(-AIC)に比
例する規格化した重み付けを行って平均をとり、この得
られた結果に基づいて、位置を検出するようにしてもよ
い。
【0055】また、上記実施の形態では、1次元の位置
検出信号について本発明を説明していたが、本発明はこ
れに限られず、2次元の位置検出信号に対しても適用で
きる。 例えば、正規化相互相関法により2次元の位置
検出信号からマッチング関数を求める場合には、予め2
次元の基準信号を用意し、当該基準信号と同サイズの2
次元の信号を位置検出信号から取り出し、これらの信号
間の正規化相関を計算するという処理を、位置検出信号
から取り出す信号の位置を2次元的にずらしながら繰り
返し行えばよい。また、マッチング関数にフィッティン
グさせるモデル関数は、以下の式(6)に示すように、
xの項のほかに、yの項も加えればよい。 f(x) = c00 + c10x + c20x+ c01y + c02y + c11xy ・・・(6) 但し、 cmnはフィッティングによって決まる係数であ
る。同様にして、他のモデル関数についても、yの項を
加えればよい。なお、モデル関数でのxとyとの次数を
同じにする必要はない。そして、上記と同様にして、複
数のモデル関数により求められたフィッティング関数に
ついてAICを計算し、AICに基づいて、より適した
フィッティング関数を選択し、選択したフィッティング
関数を解析することにより、位置を検出すればよい。
【0056】また、上記実施の形態では、モデル関数と
してべき多項式を用いていたが、本発明はこれに限られ
ず、例えば、ガウシアン、ローレンチアンなどの関数を
モデル関数として用いることができる。モデル関数は、
少ないパラメータで、且つ、実データを適切に表現でき
る関数であることが理想である。また、上記実施の形態
では、2つのモデル関数により求められたフィッティン
グ関数から、より適しているフィッティング関数を選択
するようにしていたが、本発明はこれに限られず、3つ
以上のモデル関数によって求められたフィッティング関
数から最も適しているフィッティング関数を選択するよ
うにしてもよい。
【0057】また、上記実施の形態では、FIA方式の
ウェハ・アライメントセンサから出力される位置検出信
号について本発明を適用していたが、本発明はこれに限
られず、FIA方式のレチクル・アライメントセンサか
ら出力される位置検出信号に対しても本発明を適用でき
る。また、アライメントセンサのアライメント方式は、
FIA方式に限られず、LSA方式、露光光アライメン
ト方式であってもよい。また、アライメントセンサから
の位置検出信号のみに限られず、他の離散的な位置検出
信号に対して本発明を適用できる。また、上記実施の形
態では、複数のフィッティング関数から最も適した関数
を選択する評価値としてAICを用いていたが、本発明
はこれに限られず、他の評価値を用いるようにしてもよ
い。
【0058】
【発明の効果】以上の通り、本発明によれば、離散的に
得られた位置検出信号をより適切なモデル関数でフィッ
トさせて、より高精度に位置を検出できる。また、より
高精度に基板のマークの位置合わせを行うことができ
る。また、より高精度に感光基板およびレチクルの位置
合わせを行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態による位置検出方
法、位置合わせ方法および露光方法を実施する投影露光
装置の概略の構成を示す図である。
【図2】本発明の第1の実施の形態におけるマーク位置
検出処理を説明する図である。
【図3】本発明の第2の実施の形態におけるアライメン
トセンサの焦点位置検出処理を説明する図である。
【符号の説明】
1 光源 4 反射鏡 5 波長選択フィルタ 6 フライアイインテグレータ 7 レチクルブラインド 10 レチクル 11 投影光学系 12 ウェハ 13 ステージ 20 レーザ干渉系 21 ステージ駆動手段 31 レチクル・アライメントセンサ 32 ウェハ・アライメントセンサ 35 アライメント制御系 36 ステージ制御系 37 主制御系

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】所定の位置を検出するために所定のサンプ
    リング間隔で離散的に得られた位置検出信号を所定のモ
    デル関数でフィッティングすることにより複数のフィッ
    ティング関数を求め、 所定の評価基準に対する前記複数のフィッティング関数
    のそれぞれの評価値を算出し、 前記評価値に基づいて、前記複数のフィッティング関数
    から所定のフィッティング関数を選択し、 前記所定のフィッティング関数に基づいて、前記所定の
    位置を検出することを特徴とする位置検出方法。
  2. 【請求項2】請求項1記載の位置検出方法において、 前記所定の評価基準はAIC(赤池情報量基準)であ
    り、 前記所定のフィッティング関数は、前記複数のフィッテ
    ィング関数のうち前記評価値が最も小さいフィッティン
    グ関数が選択されることを特徴とする位置検出方法。
  3. 【請求項3】請求項1または2に記載の位置検出方法に
    おいて、 前記所定の位置は、前記所定のフィッティング関数の極
    値から求めることを特徴とする位置検出方法。
  4. 【請求項4】請求項1記載の位置検出方法において、 前記所定のフィッティング関数は、前記複数のフィッテ
    ィング関数のうち前記評価値が最も小さい方から少なく
    とも2つのフィッティング関数が選択され、 前記所定の位置は、選択された前記所定のフィッティン
    グ関数のそれぞれの極値に対して、選択された前記所定
    のフィッティング関数のそれぞれの前記評価値に基づい
    た重み付けを行い、前記重み付けされた極値から求める
    ことを特徴とする位置検出方法。
  5. 【請求項5】請求項1乃至4のいずれかに記載の位置検
    出方法において、 前記フィッティング関数は、前記位置検出信号に対する
    テンプレートマッチングによるマッチング関数を求めた
    後、前記マッチング関数に対して最小自乗法を用いたカ
    ーブフィッティングにより求められ、 前記カーブフィッティングは、前記マッチング関数の極
    値近傍に対して行うことを特徴とする位置検出方法。
  6. 【請求項6】請求項1乃至5のいずれかに記載の位置検
    出方法において、 前記所定の位置は、所定の光学系の焦点位置であること
    を特徴とする位置検出方法。
  7. 【請求項7】基板に形成された位置合わせ用のマークの
    位置を検出して、パターンの像を所定領域に位置合わせ
    する位置合わせ方法において、 請求項1乃至5のいずれかに記載された位置検出方法を
    用いて前記マークの位置合わせを行うことを特徴とする
    位置合わせ方法。
  8. 【請求項8】レチクルのパターンの像を感光基板に転写
    する露光方法において、 前記レチクルと前記感光基板とを、請求項7記載の位置
    合わせ方法を用いて位置合わせすることを特徴とする露
    光方法。
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