JPH11294525A - 免震装置及びこれに用いる支持材 - Google Patents

免震装置及びこれに用いる支持材

Info

Publication number
JPH11294525A
JPH11294525A JP10841898A JP10841898A JPH11294525A JP H11294525 A JPH11294525 A JP H11294525A JP 10841898 A JP10841898 A JP 10841898A JP 10841898 A JP10841898 A JP 10841898A JP H11294525 A JPH11294525 A JP H11294525A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
seismic isolation
isolation device
rail
wheel
wheels
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP10841898A
Other languages
English (en)
Inventor
Masao Akimoto
将男 秋元
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Sanko Engineering Co Ltd
Original Assignee
Sanko Engineering Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Sanko Engineering Co Ltd filed Critical Sanko Engineering Co Ltd
Priority to JP10841898A priority Critical patent/JPH11294525A/ja
Publication of JPH11294525A publication Critical patent/JPH11294525A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Buildings Adapted To Withstand Abnormal External Influences (AREA)
  • Vibration Prevention Devices (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 車輪の組み合わせ構造が簡単で保守点検作業
が容易であり、設置面積が縮小されて、低コストで、幅
広く用いるのに好適な免震装置を得ること。 【解決手段】 支持体と被支持体間に介在して装着さ
れ、支持体上に固設され中央部が最低部分をなす凹状の
一対の第一レールと、第一レールに係合する一対の第一
車輪と該第一車輪を回動可能に嵌着する一対の第一車軸
と、第一車軸を支持する一対の第一支持材と、被支持体
に一対の第一レール間に位置して直角方向に固設され中
央部が最高部分をなす凹状の第二レールと、第二レール
に係合する第二車輪と該第二車輪を回動可能に嵌着する
第二車軸と、第二車軸を支持する第二支持材とを備え、
第一支持材が相対向して配置されて第二支持材により連
結され、各支持材には断面横略コ字形の対向部分に穿設
された略U字形の切欠部底部に各車軸が嵌入され、地震
動により各車輪が転動して免震可能とした免震装置。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、建築物、機械、器
物等に用いる地震動に対する転動体による免震装置及び
これに用いる支持材の改良に関する。
【0002】
【従来の技術】従来技術として、本発明者によって開発
された、支持体上に湾曲面の案内部材を取り付け、被支
持体を軸線回りに転動可能な転動体によって支持する構
造の免震装置があり(特公平6−74609号公報記
載)、これを実際に使用する場合には、4個又はその整
数倍の転動体を1ユニットとする免震装置を支持体と被
支持体間に被支持体の重量や形状に応じて複数個を並べ
て配設するものである。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】前記従来技術の免震装
置は、変位状態での復元力が被支持体の重量に比例し、
固有振動数は重量に無関係であり、長周期の地震動に対
しても有効に作用するものであるが、転動体の組み合わ
せ構造主として支持材は箱形に各構成部材を溶接して製
造するため工数を要し、多仕様な被支持体に対応した耐
荷重をもたせるためには個別生産をしなければならず、
外部から見えないデッドスペースがあり保守点検作業の
際に課題を有していた。又、多数の免震装置を配設する
場合には、それだけの設置面積を要し、転動体の数量も
増加して免震装置全体の設置面積と重量が増大するとい
う課題があった。これに対し本発明では、転動体支持構
造の免震作用の特性に加えて、転動体として車輪の組み
合わせ構造を簡素化し支持材をプレス加工を主体とし限
られた一部を溶接するのみの構成で、多仕様な被支持体
に対応した耐荷重に即応可能で、外部から見えないデッ
ドスペースが減少し保守点検作業が容易であり、免震装
置の設置面積が縮小されて重量も軽減され、低コストで
あって、OA機器、医療機器、美術品等の器物や一般住
宅等の建物についての低荷重用から、中低層のマンショ
ンやビル等の建物についての中荷重用まで、幅広く用い
るのに好適な免震装置及びこれに用いる支持材を得るこ
とを目的とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明は、前記目的を達
成するために、請求項1の発明にあっては、支持体と被
支持体間に介在して装着され、前記支持体又は被支持体
に固設され中央部が最低部分又は最高部分をなす凹状の
一対の第一レールと、前記第一レールに係合する一対の
第一車輪と該第一車輪を回動可能に嵌着する一対の第一
車軸と、前記第一車軸を支持する一対の第一支持材と、
前記被支持体又は支持体に前記第一レール間に位置して
直角方向に固設され中央部が最高部分又は最低部分をな
す凹状の第二レールと、前記第二レールに係合する第二
車輪と該第二車輪を回動可能に嵌着する第二車軸と、前
記第二車軸を支持する第二支持材とを備え、前記第一支
持材が相対向して配置されて前記第二支持材により連結
され、前記各支持材には断面横略コ字形の対向部分に穿
設された略U字形の切欠部底部に前記各車軸が嵌入さ
れ、地震動により前記各車輪が前記各レールに沿って一
方向及び/又はそれと直角方向に転動し前記被支持体を
揺動せしめて免震可能とした免震装置により解決した。
請求項2の発明にあっては、各支持材の断面横略コ字形
の対向部分に補強部材が掛渡されている請求項1に記載
の免震装置とすることができる。請求項3の発明にあっ
ては、第二レール、車輪、車軸及び支持材を一個とし、
第一レール、車輪、車軸及び支持材のそれぞれ2倍の耐
荷重を有する請求項1又は2に記載の免震装置とするこ
とができる。請求項4の発明にあっては、請求項3に記
載の免震装置の第一、第二各レール、車輪及び車軸を1
ユニットとして整数倍のユニットを組合わせ一体に支持
する支持材を有する免震装置とすることができる。請求
項5の発明にあっては、第二レール、車輪、車軸及び支
持材として、第一レール、車輪、車軸及び支持材を各一
対用いた請求項1又は2に記載の免震装置とすることが
できる。請求項6の発明にあっては、長方形板材の両短
辺の中央部に略U字形の切欠部を穿設し該板材の長辺方
向の中央部において断面横略コ字形に折曲げて形成され
ている請求項1〜5のいずれかに記載の免震装置に用い
る支持材により解決した。請求項7の発明にあっては、
断面横略コ字形の対向部分に補強部材が掛渡されて形成
されている請求項6に記載の支持材とすることができ
る。
【0005】本発明の免震装置に用いる構成要素のう
ち、共通するものについて説明する。支持体としては、
免震装置が固定できるものであればよく、例えば、床・
基礎又はこれらの上の定着物・固着物又は構造物等があ
る。レールの材質としては、金属、堅木、硬質プラスチ
ック、FRP、ガラス、セラミック等が用い得るが、最
も汎用されるのは炭素鋼又はステンレス鋼で、被支持体
の重量や使用条件によって材質及びサイズが選択され
る。レールの凹状の形状は、特に限定はないが所望のば
ね常数をうるため、例えば鉛直切断面を円弧、放物線、
双曲線、直線等の単独又は組み合わせで曲率一定又は可
変としたものが用いられ、復元力の特性としては、例え
ば特公平6−74609号公報記載のものが用いられ
る。車輪及び車軸の材質としては、金属、セラミック又
は硬質プラスチック等が用い得るが、最も汎用されるの
は炭素鋼又はステンレス鋼で、被支持体の重量や使用条
件によって材質及びサイズが選択される。又、車輪とし
ては、転がり軸受け又は無給油軸受け付きの既製品等を
用いることができる。支持材としては、プレス加工によ
る金属板材が用い得るが、最も簡易に用いられるのは鋼
板材のプレス曲げ加工品である。
【0006】
【発明の実施の形態】本発明の実施の形態を図面に基づ
き説明する。図1は、本発明の免震装置の第1例を示
し、被支持体及び上部レールを除いた部分の平面図であ
る。図2は、図1の免震装置の正面図で、下部レールを
中心で切断して示した。図3は、図1の免震装置の側面
図で、上部レールを中心で切断して示した。図4は、図
1の免震装置の支持材の展開図である。図5は、図1の
免震装置を用いた免震構造物の一例を示す(a)概略正
面図、(b)概略側面図、(c)被支持体を除いた部分
の概略平面図である。図6は、本発明の免震装置の第2
例を示し、被支持体及び上部レールを除いた部分の平面
図である。図7は、図6の免震装置のZ・Z矢視正面図
で、下部レールを中心で切断して示した。図8は、図6
の免震装置の側面図で、上部レールを中心で切断して示
した。図9は、本発明の免震装置の第3例を示し、被支
持体及び上部レールを除いた部分の平面図である。図1
0は、図9の免震装置の正面図で、下部レールを中心で
切断して示した。図11は、図9の免震装置の側面図
で、上部レールを中心で切断して示した。
【0007】図1〜図3において、本発明の第1例の免
震装置1は、支持体2と被支持体3間に介在して装着さ
れ、支持体2上に固設された一対の下部第一レール4、
4と、第一レール4、4に係合する一対の下部第一車輪
5、5と、第一車輪5、5を嵌着する一対の第一車軸
6、6と、第一車軸6、6を支持する一対の第一支持材
7、7と、被支持体3下面に第一レール4、4と直角方
向に固設された1個の上部第二レール8と、第二レール
8に係合する1個の上部第二車輪9と、第二車輪9を嵌
着する1個の第二車軸10と、第二車軸10を支持する
1個の第二支持材11とを備えている。第一レール4、
4は中央部が最低レベルであって両端部に向って徐々に
高くなる凹状の形状として例えば円弧面に形成され、第
二レール8は中央部が最高レベルであって両端部に向っ
て徐々に低くなる凹状の形状として例えば円弧面に形成
されている。第一車輪5、5と第二車輪9には、両側に
フランジ12と21がそれぞれ形成され、各々第一レー
ル4、4と第二レール8に係合して脱輪を防止してい
る。第二車輪9、第二車軸10及び第二支持材11はそ
れぞれ第一車輪5、第一車軸6及び第一支持材7各1個
の2倍の耐荷重を有しており、従ってそのサイズが第一
車輪5等より大きくなっている。又、第一レール4と第
二レール8とは、それぞれ第一車輪5と第二車輪9との
サイズ及び耐荷重に見合った形状及び大きさとされてい
る。第一車軸6、6には軸受け13、13を介して第一
車輪5、5が、第二車軸10には軸受け131を介して
第二車輪9がそれぞれ嵌着されて回動可能とされてい
る。
【0008】図4も参照して、第一支持材7と第二支持
材11の構成を説明する。ここで、第一支持材7と第二
支持材11とは実質的に相似形であるので、第一支持材
7について詳細説明し、第二支持材11については対応
する符号に1を付加えた符号によって括弧内に記して説
明する。第一支持材7(第二支持材11)は、プレス加
工により鋼製の長方形板材14を用いてその両短辺の中
央部に略U字形の切欠部15(151)を穿設し、その
四隅に小孔16(161)を穿設し、その長辺方向の中
央部を横切る2本の平行な折曲線17、17に沿って横
断面略コ字形に折曲形成したもので、その開口部の間隔
を一定に保持し補強のために2ヶ所の相対向部分に穿設
された小孔16、16(161、161)に2本の棒鋼
の補強部材18、18(181、181)がそれぞれ掛
渡され溶接により固着した構成とされている。補強部材
としては、棒鋼に限らずパイプ、形材、板材等を溶接し
たり、ねじ付ボルトをナット締めしたりする構成として
もよい。又、板材14として厚い材料を用いた場合や、
支持材として比較的軽量の耐荷重に用いる場合には、補
強部材を省略してもよい。図2、3を参照して第一支持
材7、7は、切欠部15が逆U字形の向きで相対向して
平行に配置され、その間に第二支持材11が切欠部15
1の向きをU字形にして直交して配置され、第一支持材
7、7の対向面中央部と第二支持材11の側面とを当接
して溶接により固着されている。第一車軸6は、その中
央部に第一車輪5が嵌着されて第一支持材7の切欠部1
5の底部に嵌入され、第一支持材7からの両突出部に一
対の座金19、19が嵌合されて第一支持材7の外面に
当接され、一対のスナップリング20、20により固定
されてその軸方向移動が防止される。第二車輪9が嵌着
された第二車軸10についても同様にして補強部材18
1、座金191及びスナップリング201により第二支
持材11に定着されている。免震装置1は、一対の下部
第一車輪5、5と1個の上部第二車輪9とからなる3車
輪の組合わせを最小単位の1ユニットとして少なくとも
3ユニットの任意ユニット数を選択して後述するように
配設して用いるが、大きな横方向加速度に対する補強の
ため例えば形鋼又はパイプ等の連結部材41を隣接する
各ユニットの第二支持材11間に掛渡すのが好ましい。
ここで、連結部材41を用いずに1個の第二車輪9及び
第二レール8の幅を広目にとることによっても同じ補強
効果が得られる。
【0009】図5において、前記免震装置1を4ユニッ
ト用いた免震構造物40は、箱形の被支持体22の四隅
部に4ユニットの免震装置1を配設したものであり、支
持体23上に一対の第一レール4、4の4組合計8本
が、被支持体22の対向両側面に沿って固設され、被支
持体22の下面に4個の第二レール8がそれぞれ4組で
第一レール4、4の長手方向中央部で直交するように固
設され、第一レール4と第二レール8の間に第一車輪
5、第二車輪9、第一支持材7、第二支持材11等が前
記した通り装着され、連結部材41を隣接する各ユニッ
トの第二車輪9の第二支持材11間に掛渡している。
【0010】図6〜図8について、本発明の第2例の免
震装置24を説明する。免震装置24は4ユニットから
なり、支持体25と被支持体26間に介在して装着さ
れ、1列に2ユニットづつ2列に各隣接して並べて方形
をなし、その縦横の各中心線に対して対称に配設されて
いる。この免震装置24は、支持体25上に一方向に固
設された一対の下部第一レール27、27が4組合計8
本と、第一レール27、27にそれぞれ係合する一対の
下部第一車輪28、28が4組が合計8個と、第一車輪
28を1個だけ嵌着する短尺の第一車軸29が4本と、
第一車輪28を2個嵌着する長尺の第一車軸30が2本
と、被支持体26下面に4組の下部第一レール27、2
7とそれぞれ直角方向に固設された4本の上部第二レー
ル31と、第二レール31にそれぞれ係合する4個の上
部第二車輪32と、第二車輪32を2個づつ嵌着する2
本の長尺の第二車軸33と、各車軸29、30、33を
一体となって支持する支持材34とを備えている。各構
成要素は、図1〜図3において説明した免震装置1と同
様なものは説明を省略し、特異なものについてのみ説明
する。第一車輪28と第二車輪32は、それぞれ片側に
フランジ35、36が形成されて第一レール27と第二
レール31からの脱輪が防止されている。1区分の車輪
の配置は、一対の第一車輪28、28のフランジ35面
が間隔をおいて背中合わせに相対向するように位置し、
第二車輪32のフランジ36面が一対の第一車輪28、
28の転動面側に反背中合わせに相対向するように位置
している。支持材34は、プレス加工による鋼板材の溶
接により作られ、前記免震装置1の各支持材7、11と
実質的に同一構造のものを前記各車輪が配置可能なよう
に組合わせて4ユニットを一体化したものである。各車
軸の支持材への固定は、各車軸29、30、33の端部
の円周面に溝を設けて細長の押え板37を嵌め込み、支
持材34に押え板37をボルト等の固着具により固着す
ることによってなされている。ここで第1例の免震装置
1と同様に、第二車輪32、第二車軸32、33及び第
二レール31はそれぞれ第一車輪28、第一車軸30及
び第一レール27各1個の2倍の耐荷重をもつように大
きくとられている。免震装置24は、第一車輪28を8
個と第二車輪32を4個とを組合わせて最小単位として
用いることが可能であるが、複数の任意数を選択し配設
して用いるてもよく、免震装置1の連結部材41のよう
な大きな横方向加速度に対する補強は特に必要としな
い。
【0011】図9〜図11について、本発明の第3例の
免震装置42を説明する。免震装置42の構成要素は、
前記した第1例の免震装置1の構成部材と同様のもので
上部及び下部各構成部材共同一のものを用いているもの
の、上部と下部を区別するために下部の各構成部材は第
1例の免震装置1と同一符号を付し、上部の各構成部材
は下部の各構成部材の符号にダッシュ′を付して区別し
できるようにし、免震装置1と同様な構成は詳細説明を
省略する。支持体2上に固設された一対の下部第一レー
ル4、4、一対の下部第一車輪5、5と、一対の第一車
軸6、6と、一対の第一支持材7、7とは前記した免震
装置1と同様である。被支持体3下面に第一レール4、
4と直角方向に固設された一対の上部第二レール4′、
4′と、第二レール4′、4′に係合する一対の上部第
二車輪5′、5′と、第二車輪5′、5′を嵌着する一
対の第二車軸6′、6′と、第二車軸6′、6′を支持
する一対の第二支持材7′、7′とを備え、対応する上
下部の各構成部材は同一のものを用いて単純化を計って
いる。第一支持材7、7は、切欠部15が逆U字形の向
きで相対向して平行に配置され、その間に第二支持材
7′、7′が切欠部15′の向きをU字形にして直交し
て配置され、第一支持材7、7の対向面両端部と第二支
持材7′、7′の側面とを平行に当接して溶接により固
着されている。第二支持材7′は、プレス加工により断
面横コ字形に折曲形成され開口部の補強のために2ヶ所
の相対向部分に穿設された小孔16′、16′に2本の
補強部材18′、18′が溶接により固着されている。
免震装置42は、一対の下部第一車輪5、5と一対の上
部第二車輪5′、5′とからなる4車輪の組合わせを最
小単位の1ユニットだけでも用いることも可能である。
しかし、少なくとも3ユニットの任意ユニット数を選択
し配設して用いるのが好ましく、免震装置1の連結部材
41のような大きな横方向加速度に対する補強は必要と
しない。
【0012】次に、免震装置1の地震動発生時の作動に
ついて図5を参照して説明する。免震装置1を4ユニッ
ト用いた免震構造物40において、常時は各免震装置1
の第一車輪5は第一レール4の中央部が凹状の最低レベ
ル位置にあり、第二車輪9は第二レール8の中央部が凹
状の最高レベル位置にあって、被支持体22は安定した
状態で支持体23上方に静止している。図5(c)に示
す左右方向Xの地震動が発生すると、第一車輪5が第一
レール4の凹状面を転動して左右に揺動し、被支持体2
2は第一レール4の最低レベル位置からの変位に応じた
復元力を受け、それに加えて摩擦力によって免震作用が
働くこととなる。前後方向Yの地震動が発生した場合
は、第二車輪9が第二レール8の凹状面を転動して前後
に揺動し、前記左右方向Xと同様に免震作用が働く。通
常の左右方向Xと前後方向Yの地震動が複合されて発生
する場合には、被支持体22はそれぞれの方向の地震動
に対応して合成された位置まで揺動し免震作用が働く。
【0013】前記した免震装置1は、一対の第一車輪5
を支持体側に、1個の第二車輪9を被支持体側に配設す
るものであるが、これに限定されず上下転倒して一対の
第一車輪5を被支持体側に、1個の第二車輪9を支持体
側に配設しても使用可能である。又、ユニット数につい
ては少なくとも3個あればよく、被支持体の形状、重
量、設置場所等に応じて任意に選定することができる。
この免震装置1では、従来の1ユニット当たり4車輪か
ら3車輪へと車輪数が減少して構造が単純化するため、
外部から見えないデッドスペースがなくなり保守点検作
業が容易であり、免震装置の設置面積が縮小されて重量
も軽減される。加えて、従来は多様な被支持体の条件に
対し予め車輪、車軸、支持材又はこれらの半製品を準備
しておくのが困難であったのが、本発明では耐荷重を2
倍づつ、例えば25Kg、50Kg、100Kg、20
0Kg400Kg・・・・とシリーズで車輪、車軸、支
持材又はこれらの半製品を予め在庫しておけば、被支持
体の仕様条件に対し、隣り合わせものを組合わせて容易
に対応することができるので、コストダウンと納期の短
縮化が可能である。
【0014】免震装置24の地震動発生時の作動につい
て図6〜8を参照して説明する。常時は8個の第一車輪
28は支持体25上に固設された下部第一レール27の
中央部が凹状の最低レベル位置にあり、4個の第二車輪
32は被支持体26下面に固設された第二レール31の
中央部が凹状の最高レベル位置にあって、被支持体26
は安定した状態で支持体25上方に静止している。左右
方向の地震動が発生すると、第一車輪28が第一レール
27の凹状面を転動して左右に揺動し、被支持体26は
第一レール27の最低レベル位置からの変位に応じた復
元力を受け、それに加えて摩擦力によって免震作用が働
くこととなる。前後方向の地震動が発生した場合は、第
二車輪32が第二レール31の凹状面を転動して前後に
揺動し免震作用が働き、通常の左右方向と前後方向の地
震動が複合されて発生する場合には、被支持体26はそ
れぞれの方向の地震動に対応して合成された位置まで揺
動し免震作用が働く。免震装置24は比較的中荷重用向
きで、免震装置1と同様予め車輪、車軸、支持材又はこ
れらの半製品を耐荷重をシリーズで予め在庫しておけ
ば、被支持体の仕様条件に対し組合わせて容易に対応す
ることができるので、コストダウンと納期の短縮化が可
能である。
【0015】免震装置42の地震動発生時の作動につい
て図9〜11を参照して説明する。常時は免震装置42
の第一車輪5は第一レール4の中央部が凹状の最低レベ
ル位置にあり、第二車輪車輪5′は第二レール4′の中
央部が凹状の最高レベル位置にあって、被支持体3は安
定した状態で支持体2上方に静止している。左右方向の
地震動が発生すると、前記免震装置1と同様に一対の第
一車輪5が第一レール4の凹状面を転動して左右に揺動
し免震作用が働き、前後方向の地震動が発生した場合に
は、一対の第二車輪5′が第二レール4′の凹状面を転
動して前後に揺動し免震作用が働く。通常の左右方向と
前後方向の地震動が複合されて発生する場合には、被支
持体3はそれぞれの方向の地震動に対応して合成された
位置まで揺動し免震作用が働く。免震装置42は、第一
車輪を支持体側に、第二車輪を被支持体側に配設するも
のであるが、上下転倒して配設しても使用可能である。
免震装置42は、予め簡易な構造の車輪、車軸、支持材
を被支持体の仕様条件に対し組合わせて容易に対応する
ことができるので、コストダウンと納期の短縮化が可能
である。又免震装置1、24、42共、支持材がプレス
加工による金属板材を用い得るので簡易な構造で既製品
の車輪との組合わせによる規格化が可能であってコスト
ダウンが計れる。
【0016】
【発明の効果】本発明の免震装置によれば、転動体支持
構造の免震作用の特性に加えて、転動体として車輪の組
み合わせ構造を簡素化し支持材をプレス加工を主体とし
限られた一部を溶接するのみの構成で、多仕様な被支持
体に対応した耐荷重に即応可能で、免震装置の設置面積
が縮小されて重量も軽減され、低コストであって、OA
機器、医療機器、美術品等の器物や一般住宅等の建物に
ついての低荷重用から、中低層のマンションやビル等の
建物についての中荷重用まで、幅広く用いるのに好適で
ある。又、一対の小車輪と1個の大車輪とからなる3車
輪の組合わせを最小単位の1ユニットとすることによ
り、耐荷重2倍づつの車輪、車軸、支持材又はこれらの
半製品を予め在庫しておけば、被支持体の仕様条件に対
し、隣り合わせものを組合わせて容易に対応することが
できるので、コストダウンと納期の短縮化が可能であ
り、外部から見えないデッドスペースが減少し保守点検
作業が容易である。又本発明の免震装置に用いる支持材
によれば、、長方形板材の折り曲げ加工による簡単な構
造からなるので、制作が容易で低コストであり、既製品
の車輪との組合わせによる規格化が可能であって免震装
置の組立てや部品の在庫管理が容易なものとなる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の免震装置の第1例を示し、被支持体及
び上部レールを除いた部分の平面図である。
【図2】図1の免震装置の正面図で、下部レールを中心
で切断して示した。
【図3】図1の免震装置の側面図で、上部レールを中心
で切断して示した。
【図4】図1の免震装置の支持材の展開図である。
【図5】図1の免震装置を用いた免震構造物の一例を示
す(a)概略正面図、(b)概略側面図、(c)被支持
体を除いた部分の概略平面図である。
【図6】本発明の免震装置の第2例を示し、被支持体及
び上部レールを除いた部分の平面図である。
【図7】図6の免震装置のZ・Z矢視正面図で、下部レ
ールを中心で切断して示した。
【図8】図6の免震装置の側面図で、上部レールを中心
で切断して示した。
【図9】本発明の免震装置の第3例を示し、被支持体及
び上部レールを除いた部分の平面図である。
【図10】図9の免震装置の正面図で、下部レールを中
心で切断して示した。
【図11】図9の免震装置の側面図で、上部レールを中
心で切断して示した。
【符号の説明】
1、24、42 免震装置 2、23、25 支持体 3、22、26 被支持体 4、27 第一レール 5、28 第一車輪 6、29、30 第一車軸 7 第一支持材 8、31、4′ 第二レール 9、32、5′ 第二車輪 10、33、6′ 第二車軸 11、7′ 第二支持材 12、21、35、36 フランジ 13、13′、131 軸受け 14 長方形板材 15、15′、151 切欠部 16、16′、161 小孔 17 折曲線 18、18′、181 補強部材 19、19′ 座金 20、20′ スナップリング 34 支持材 37 押え板 40 免震構造物 41 連結部材 X 左右方向 Y 前後方向

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 支持体と被支持体間に介在して装着さ
    れ、前記支持体又は被支持体に固設され中央部が最低部
    分又は最高部分をなす凹状の一対の第一レールと、前記
    第一レールに係合する一対の第一車輪と該第一車輪を回
    動可能に嵌着する一対の第一車軸と、前記第一車軸を支
    持する一対の第一支持材と、前記被支持体又は支持体に
    前記第一レール間に位置して直角方向に固設され中央部
    が最高部分又は最低部分をなす凹状の第二レールと、前
    記第二レールに係合する第二車輪と該第二車輪を回動可
    能に嵌着する第二車軸と、前記第二車軸を支持する第二
    支持材とを備え、前記第一支持材が相対向して配置され
    て前記第二支持材により連結され、前記各支持材には断
    面横略コ字形の対向部分に穿設された略U字形の切欠部
    底部に前記各車軸が嵌入され、地震動により前記各車輪
    が前記各レールに沿って一方向及び/又はそれと直角方
    向に転動し前記被支持体を揺動せしめて免震可能とした
    ことを特徴とする免震装置。
  2. 【請求項2】 各支持材の断面横略コ字形の対向部分に
    補強部材が掛渡されていることを特徴とする請求項1に
    記載の免震装置。
  3. 【請求項3】 第二レール、車輪、車軸及び支持材を一
    個とし、第一レール、車輪、車軸及び支持材のそれぞれ
    2倍の耐荷重を有することを特徴とする請求項1又は2
    に記載の免震装置。
  4. 【請求項4】 請求項3に記載の免震装置の第一、第二
    各レール、車輪及び車軸を1ユニットとして整数倍のユ
    ニットを組合わせ一体に支持する支持材を有することを
    特徴とする免震装置。
  5. 【請求項5】 第二レール、車輪、車軸及び支持材とし
    て、第一レール、車輪、車軸及び支持材を各一対用いた
    ことを特徴とする請求項1又は2に記載の免震装置。
  6. 【請求項6】 長方形板材の両短辺の中央部に略U字形
    の切欠部を穿設し該板材の長辺方向の中央部において断
    面横略コ字形に折曲げて形成されていることを特徴とす
    る請求項1〜5のいずれかに記載の免震装置に用いる支
    持材。
  7. 【請求項7】 断面横略コ字形の対向部分に補強部材が
    掛渡されて形成されていることを特徴とする請求項6に
    記載の支持材。
JP10841898A 1998-04-06 1998-04-06 免震装置及びこれに用いる支持材 Pending JPH11294525A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP10841898A JPH11294525A (ja) 1998-04-06 1998-04-06 免震装置及びこれに用いる支持材

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP10841898A JPH11294525A (ja) 1998-04-06 1998-04-06 免震装置及びこれに用いる支持材

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH11294525A true JPH11294525A (ja) 1999-10-29

Family

ID=14484270

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP10841898A Pending JPH11294525A (ja) 1998-04-06 1998-04-06 免震装置及びこれに用いる支持材

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH11294525A (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US7188820B2 (en) * 2003-07-31 2007-03-13 Hitachi Kizai, Inc. Vibration damping floor structure
CN114321713A (zh) * 2021-12-29 2022-04-12 华能伊敏煤电有限责任公司汇流河热电分公司 一种支撑重型压力容器的滑动支撑装置

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US7188820B2 (en) * 2003-07-31 2007-03-13 Hitachi Kizai, Inc. Vibration damping floor structure
CN114321713A (zh) * 2021-12-29 2022-04-12 华能伊敏煤电有限责任公司汇流河热电分公司 一种支撑重型压力容器的滑动支撑装置
CN114321713B (zh) * 2021-12-29 2023-07-11 华能伊敏煤电有限责任公司汇流河热电分公司 一种支撑重型压力容器的滑动支撑装置

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JPH1172140A (ja) 免震装置
JP3156990U (ja) 軽量建造物用免震装置及び軽量建造物免震構造
JP3659694B2 (ja) 2重筒型制振煙突
JPH11294525A (ja) 免震装置及びこれに用いる支持材
JP2009214950A (ja) クレーンの免震支持構造
JP3131831B2 (ja) 免震装置
TW201500625A (zh) 防震地板構造
JPH11247925A (ja) 免震台
US5083730A (en) Traverse for support structures in industrial use
JP2000046108A (ja) 免震装置
JP3337127B2 (ja) 免震装置
JP3323804B2 (ja) 免震装置用レール
US7188820B2 (en) Vibration damping floor structure
JP2000193023A (ja) 2軸付ガイドユニット
KR100431353B1 (ko) 철 골조용 형강 구조
JP3131829B2 (ja) 免震装置
JP3394766B2 (ja) 免震装置
JP5160342B2 (ja) 台車システム及び台車用の床フレーム
JP5705183B2 (ja) 免震床構造
JP2001074092A (ja) 免震装置
JPH1182618A (ja) 免震装置
JP3069524B2 (ja) 免震装置
JP2837374B2 (ja) パレット・サポーター
JP6084794B2 (ja) 免震床構造
JP5574505B2 (ja) 免震床構造