JPH11294225A - 内燃機関の燃料噴射装置 - Google Patents

内燃機関の燃料噴射装置

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JPH11294225A
JPH11294225A JP9571598A JP9571598A JPH11294225A JP H11294225 A JPH11294225 A JP H11294225A JP 9571598 A JP9571598 A JP 9571598A JP 9571598 A JP9571598 A JP 9571598A JP H11294225 A JPH11294225 A JP H11294225A
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隆 福田
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徹 野田
Hisashi Aoyama
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剛 谷山
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Abstract

(57)【要約】 【課題】各気筒で共用する補助燃料噴射弁による燃料の
分配を、低温始動時及び高負荷時で良好に行わせる。 【解決手段】燃焼室内に臨ませて燃料噴射弁4a〜4d
を各気筒毎に設けると共に、コレクタ3部に、各気筒で
共用する補助燃料噴射弁9を設ける。そして、低温始動
時(特にクランキング開始直後)には、前記補助燃料噴
射弁9から吸入気流の下流側に向けて燃料を噴射させ、
もともとコレクタ3内に存在していた空気全体に燃料噴
霧を混合させる。一方、高負荷時には、前記補助燃料噴
射弁9から吸入気流の上流側に向けて燃料を噴射させ、
吸入気流の流通断面上の広い範囲に燃料を分散させる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、内燃機関の燃料噴
射装置に関し、詳しくは、各気筒に燃料を分配供給する
ための燃料供給手段を備えてなる燃料噴射装置に関す
る。
【0002】
【従来の技術】従来、燃焼室に開口する噴口を有し、燃
料を各気筒の燃焼室内に直接噴射するノズルを備える一
方、各気筒の吸気ポート部分に燃料を供給する燃料供給
手段を備え、少なくとも低負荷時に前記ノズルによって
燃料を供給し、高負荷時には前記燃料供給手段により燃
料を供給し、始動時及び始動後の暖機中には、前記ノズ
ルと燃料供給手段とを共に作動させ、かつ、前記燃料供
給手段による燃料噴射量の割合を徐々に減少させる構成
の燃料噴射装置が知られている(特開昭61−2503
54号公報参照)。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ところが、上記構成の
燃料噴射装置によると、燃焼室内に燃料を噴射する燃料
噴射弁と、吸気ポート部分に燃料を噴射する燃料噴射弁
とを各気筒毎に設ける必要があって、燃料噴射弁の設置
数が多く、コスト高になってしまうという問題がある。
【0004】また、始動中に吸気ポート部の燃料噴射弁
から燃料を噴射させる場合、噴射位置から吸気バルブま
での距離が短く、また、燃料が噴射される空間が狭いた
め、噴霧が壁流になり易く、特に低温時の良好な始動性
を得にくいという問題があった。一方、各気筒毎に燃料
噴射弁を備える一方、吸気コレクタ部に設けられて各気
筒に燃料を分配供給する補助燃料噴射弁を備える構成の
燃料噴射装置が知られている。
【0005】かかる構成の燃料噴射装置によれば、燃料
噴射弁の設置数を少なくでき、また、吸気コレクタ部に
燃料を噴射する構成であれば、充分な気化時間を確保で
き、更に、比較的広い空間に燃料を噴射させることにな
るから、噴霧が壁流となることを抑制できることにな
る。しかし、上記のように吸気コレクタに燃料を噴射さ
せる構成の場合、始動時と高負荷時との吸入気流の違い
によって、始動時と高負荷時との双方で各気筒に均一に
燃料を吸引させることが困難であるという問題があり、
低温始動性と高負荷性能とを両立させることが難しいと
いう問題があった。
【0006】本発明は上記問題点に鑑みなされたもので
あり、共用の燃料供給手段から燃料を各気筒へ分配する
構成の燃料噴射装置において、低温始動時と高負荷時と
の双方で前記燃料供給手段からの燃料の分配が良好に行
えるようにすることを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】そのため請求項1記載の
発明は、各気筒に接続する吸気通路が分岐形成され、一
端側から吸入空気が流入するコレクタを気筒列方向に延
設すると共に、前記コレクタの吸入空気流入側に配設さ
れ、始動時には少なくとも吸入気流に対する下流方向に
燃料を噴射し、所定の高負荷運転時には少なくとも吸入
気流に対する上流方向に燃料を噴射する燃料供給手段を
備える構成とした。
【0008】始動時、特にクランキング開始直後は、も
ともとコレクタ内に存在していた空気を各気筒が吸入す
ることになるので、コレクタ上流側から下流方向に燃料
噴射を行い、すなわち、もともとコレクタ内に存在して
いた空気全体に燃料噴霧を混合させることにより、良好
な始動性を得ることができる。この場合、下流方向への
噴射と同時に上流方向へも噴射を行うのはかまわない
が、上流方向へ噴射された燃料がクランキング時の非常
に遅い吸入気流に乗って各気筒に運ばれるまでには多少
の時間が必要となるため、良好な始動性を得るには下流
方向への噴射が重要となる。
【0009】一方、高負荷運転時は、吸入気流に対向す
るように上流方向へ噴射することにより、吸入気流の流
通断面上の広い範囲に燃料を分散させることが可能とな
り、吸入気流と燃料噴霧との混合が促進されて各気筒へ
の燃料分配性が良好となる。また、始動時,高負荷時の
いずれの場合でも、各気筒への燃料分配性をより向上さ
せるには、請求項2の発明に示すように、前記燃料供給
手段を、前記コレクタの最も上流側に開口する前記吸気
通路の開口位置よりも上流側に配設すると良い。
【0010】請求項3の発明では、前記燃料供給手段
が、吸入気流に対する上流方向に向かう噴口と、吸入気
流に対する下流方向に向かう噴口とを備えた燃料噴射弁
によって構成されるものとした。かかる構成によれば、
1つの燃料噴射弁によって始動時及び高負荷運転時に対
応した方向での噴射を行うことができる。
【0011】請求項4の発明では、前記燃料噴射弁を、
吸入気流に対する上流方向への噴射における噴射率が吸
入気流に対する下流方向への噴射における噴射率よりも
大きくなるように設定した。かかる構成によれば、コレ
クタ容積分の空気に対応した燃料を供給することができ
れば十分な下流方向への燃料噴射と、吸入空気量が多く
必要燃料量が多い高負荷運転時用の上流方向への燃料噴
射とを1つの燃料噴射弁によって合理的に行うことがで
きる。また、噴射率の設定を噴口の大きさで行う場合、
低噴射率とされる下流方向の噴口径は小さくなり、微粒
化の進んだ噴霧となるので、より始動性を向上させる効
果も期待できる。
【0012】請求項5の発明では、前記燃料噴射弁が、
同時に2方向に噴射する構成とした。かかる構成によれ
ば、非常に簡素な構成で始動性の向上と高負荷運転時の
燃料分配性の向上を図ることができる。なお、始動時に
上流方向へ噴射された燃料は、クランキング中期から吸
入気流に乗って各気筒に流入することになるので、下流
方向への噴射によって速やかに得られた初爆の後、確実
に機関を完爆へと導くことができる。
【0013】請求項6の発明では、前記燃料噴射弁が、
吸入気流に対する下流方向に噴射する状態と、吸入気流
に対する下流方向及び上流方向の双方に噴射する状態と
に切り換え可能に構成されるものとした。かかる構成に
よれば、始動時に供給する燃料を始動性向上に重要な下
流方向への噴射のみとすることができ、始動時の燃料消
費量を少なくすることができる。
【0014】請求項7の発明では、前記燃料噴射弁が、
電磁コイルの磁気吸引力によって弁体をリフトさせる構
成の噴射弁であって、前記磁気吸引力を少なくとも強弱
の2種類に切り換えて前記弁体のリフト量を切り換える
ことにより、吸入気流に対する下流方向に噴射する状態
と、吸入気流に対する下流方向及び上流方向の双方に噴
射する状態とに切り換え可能に構成されるものとした。
【0015】かかる構成によれば、弁体の磁気吸引力の
切り換えによって、吸入気流の下流方向のみへの噴射
と、下流方向及び上流方向への噴射とを、簡便に切り換
えられる。請求項8の発明では、前記燃料供給手段が、
噴射方向を吸入気流に対する上流方向に向けた第1の補
助燃料噴射弁と、噴射方向を吸入気流に対する下流方向
に向けた第2の補助燃料噴射弁と、から構成されるもの
とした。
【0016】かかる構成によれば、噴射方向が相反する
2つの燃料噴射弁を備えることで、吸入気流の上流方向
及び/又は下流方向への噴射を可能にでき、また、上流
方向と下流方向とでの噴射量制御が個別にかつ精度良く
行える。請求項9の発明では、前記燃料供給手段が、中
心軸に対して略直交する方向に噴射方向を有する補助燃
料噴射弁を前記中心軸回りに回転させて、噴射方向を吸
入気流に対する上流方向と下流方向とのいずれか一方に
切り換える構成とした。
【0017】かかる構成によれば、1つの燃料噴射弁に
よって、吸入気流の下流方向に向けた噴射と、上流方向
に向けた噴射とのいずれか一方を切り換えることができ
る。
【0018】
【発明の実施の形態】以下に、本発明の実施の形態を、
添付の図面に基づいて説明する。図1は、実施の形態に
おける車両用内燃機関のシステム構成を示す図である。
この図1において、機関1の各気筒(#1〜#4の4気
筒)には、スロットル弁2で流量が調整される吸入空気
が、気筒列方向に延設されるコレクタ3から各気筒毎の
吸気通路3a〜3dを介して分配供給される。
【0019】各気筒それぞれには、燃焼室内に直接燃料
を噴射する電磁式の燃料噴射弁4a〜4dが設けられる
と共に、燃焼室内の混合気を着火燃焼させる点火栓(図
示省略)が設けられている。前記燃料噴射弁4a〜4d
を制御するコントロールユニット5には、各種センサか
らの検出信号が入力される。前記各種のセンサとして
は、機関1の吸入空気流量Qaを検出するエアフローメ
ータ6、機関1の回転に同期して検出信号を出力する回
転センサ7(クランク角センサ)、機関1の冷却水温度
Twを検出する水温センサ8等が設けられている。尚、
前記回転センサ7からの検出信号に基づいて機関回転速
度Neが算出される。
【0020】前記コントロールユニット5は、前記検出
信号に基づいて燃焼方式及び目標空燃比を決定し、該決
定に従って燃料噴射量及び噴射時期を演算する。前記燃
焼方式としては、前記燃料噴射弁4a〜4dにより圧縮
行程で燃料噴射させることにより、点火栓周辺に可燃混
合気を層状に形成して行われる成層燃焼と、前記燃料噴
射弁4a〜4dにより吸気行程で燃料噴射させることに
よりシリンダ全体に略均一な空燃比の混合気を形成して
行われる均質燃焼とが、切り換え制御されるようになっ
ている。
【0021】また、本実施の形態における機関1には、
コレクタ3の分岐部よりも上流側、即ち、最も上流側に
位置する#1気筒の吸気通路3dのコレクタ3との接続
位置よりも上流側に、各気筒で共用する補助燃料噴射弁
9(燃料供給手段)を設けてあり、コントロールユニッ
ト5は、図2のフローチャートに示すようにして前記補
助燃料噴射弁9を制御する。
【0022】図2のフローチャートにおいて、S1で
は、機関回転速度Ne,吸入空気流量Qa,冷却水温度
Twなどを読み込む。S2では、現在の機関回転速度N
eが予め設定された基準速度NeL以上であるか否かに
基づいて、機関1が完爆状態であるか否かを判別する。
機関回転速度Neが基準速度NeL未満であって完爆に
至っていないと判断されるときには、S3へ進んで現在
の冷却水温度Twが予め設定された基準温度TwL以下
であるか否かを判別する。
【0023】S3で冷却水温度Twが基準温度TwLを
越えていると判断されたときには、通常の始動時であっ
て特に補助燃料噴射弁9を使用して燃料噴射を行わせな
くても良好な始動性が得られるため、S4へ進んで、前
記補助燃料噴射弁9を使用しない設定を行う。一方、S
3で、冷却水温度Twが基準温度TwL以下であると判
断される低温始動時であるときには、気化時間を充分確
保できる補助燃料噴射弁9による燃料噴射を行わせるべ
く、S5へ進んで、前記補助燃料噴射弁9を使用する設
定を行う。
【0024】また、次のS6では、前記S1で読み込ん
だ運転条件から、始動時噴射量を演算する。尚、前記始
動時噴射量は、燃料噴射弁4a〜4bで噴射させる燃料
量と、補助燃料噴射弁9で噴射させる燃料量との総和と
して演算される。更に、次のS7では、図3に示すテー
ブルを参照して、現在の冷却水温度Twでの補助燃料噴
射弁9の噴射割合を求める。そして、前記S6で演算し
た始動時噴射量のうちの前記噴射割合に相当する分を、
補助燃料噴射弁9で噴射させる燃料量として、残る燃料
量を燃料噴射弁4a〜4bで噴射させる燃料量とする。
【0025】また、S2で完爆状態であると判断された
ときには、S8へ進み、予め設定された高負荷運転領域
に該当しているか否かを判断する。具体的には、図4に
示すように、機関回転速度Ne毎に設定される機関負荷
の閾値よりも実際の機関負荷が大きいときに(図4に示
す斜線領域に該当するときに)、高負荷時であると判断
する。
【0026】S8で高負荷時でないと判断されたとき、
即ち、低・中負荷領域であるときには、S9へ進んで、
前記補助燃料噴射弁9を使用しない設定を行う。一方、
S8で高負荷時であると判断されたときには、S10へ進
んで、前記補助燃料噴射弁9を使用する設定を行う。そ
して、S11では、前記S6と同様にして燃料噴射量を演
算し、次のS12では、図5に示すように、そのときの機
関負荷が大きいときほど、補助燃料噴射弁9による噴射
割合を大きく設定を行い、前記S11で演算された燃料噴
射量のうちの前記噴射割合分を補助燃料噴射弁9から噴
射させ、残りを燃料噴射弁4a〜4bで噴射させるよう
にする。
【0027】ところで、前記補助燃料噴射弁9は、吸入
気流の上流方向と下流方向との2方向に噴射可能に構成
されている。図6は、前記補助燃料噴射弁9における噴
射特性の第1実施形態を示すものであり、低温始動時に
は吸入気流の下流方向にのみ燃料を噴射し、高負荷時に
は吸入気流の上流方向にのみ燃料を噴射させる。
【0028】即ち、始動時のクランキング開始直後は、
もともとコレクタ3内にあった空気を各気筒が吸入する
ので、良好な始動性を得るにはクランキング開始と同時
にコレクタ3内の空気全体に燃料噴霧を混ぜ込んでやる
必要があり、コレクタ3の上流側から下流方向に燃料噴
射を行うようにしている。一方、完爆後すなわち通常運
転に移行した後に補助燃料噴射弁9を使用する場合は、
補助燃料噴射弁9部を通過する吸入気流全体に燃料噴霧
を分散させれば、各気筒への燃料の分散が均一化できる
ので、吸入気流に対向するように上流方向へ燃料噴射を
行うようにしている。
【0029】ここで、噴口が吸入気流の下流方向に向け
られて設置される第1の補助燃料噴射弁と、噴口が吸入
気流の上流方向に向けられて設置される第2の補助燃料
噴射弁との2本によって補助燃料噴射弁9が構成される
ものとすれば、前記図6に示す噴射方向の切り換えが可
能である。また、中心軸に対して略直交する方向に噴射
方向を有する補助燃料噴射弁9を前記中心軸回りに回転
可能に支持し、モータ等のアクチュエータで回転駆動さ
せて、噴射方向を吸入気流に対する上流方向と下流方向
とのいずれか一方に切り換えられるようにしても良い。
【0030】図7は、前記第1の実施形態で用いること
が可能な補助燃料噴射弁9の構成を示す図である。図7
に示す補助燃料噴射弁9は、コネクタ21を介して通電制
御される電磁コイル22と、該電磁コイル22の磁気吸引力
によって弁座からリフトするニードル弁23と、該ニード
ル弁23を着座方向に付勢するコイルスプリング24とから
構成される一方、前記弁座に連続するノズル部25が軸方
向に延設されており、該ノズル部25の閉塞された先端部
に、軸方向に直交する方向に噴口26が開口されている。
【0031】かかる構成により、電磁コイル22への通電
によりニードル弁23がコイルスプリング24の閉弁付勢力
に抗してリフトすると、燃料が前記ノズル部25に流れ出
して噴口26から噴射される。補助燃料噴射弁9(燃料供
給手段)を、図7に示す燃料噴射弁を2本用いて構成す
る場合には、各補助燃料噴射弁の軸方向が吸入気流の方
向と直交する方向となり、かつ、2本の補助燃料噴射弁
が吸入気流の方向に沿って並べられるように固定すると
共に、一方の補助燃料噴射弁(上流側に介装させた第1
の補助燃料噴射弁)の噴口の向きが吸入気流の上流方向
を向き、他方の補助燃料噴射弁(下流側に介装された第
2補助燃料噴射弁)の噴口の向きが吸入気流の下流方向
に向くようにすれば良い。
【0032】また、補助燃料噴射弁9として、図7に示
す燃料噴射弁を1本だけ用いる構成とし、噴射方向の切
り換えを補助燃料噴射弁の回転によって実現させる場合
には、補助燃料噴射弁9の軸方向が吸入気流の方向と直
交する方向となり、かつ、少なくとも180 °の範囲で回
転可能となるように、吸気通路壁に対して支持し、モー
タと減速ギヤとの組み合わせなどからなるアクチュエー
タを用いて、前記補助燃料噴射弁9をその軸回りに回転
させて、噴射方向が、上流方向と下流方向とのいずれか
一方に切り換えられるようにすれば良い。
【0033】図8は、前記補助燃料噴射弁9における噴
射特性の第2実施形態を示すものであり、低温始動時と
高負荷時との双方で、吸入気流の上流方向と下流方向と
の両方に噴射させる構成としてある。上記のように、下
流方向に向けた噴射と上流方向に向けた噴射とを同時に
行わせることが可能な補助燃料噴射弁9としては、図9
に示すように、ノズル部25の先端に噴射方向が180 °異
なる2つの噴口26a,26bを形成し、該補助燃料噴射弁
9を、噴口26a,26bの一方が吸入気流の上流方向に向
き、他方が吸入気流の下流方向に向くように設置すれば
良い。
【0034】図9に示すような補助燃料噴射弁9を用い
て、低温始動時と高負荷時との双方で両方向への噴射を
行わせる構成であれば、補助燃料噴射弁9を1本の噴射
弁のみで構成し、かつ、回転機構などを設ける必要がな
く、構成を簡略化できる。図10は、前記補助燃料噴射弁
9における噴射特性の第3実施形態を示すものであり、
この場合も、第2の実施形態と同様に、低温始動時と高
負荷時との双方で、吸入気流の上流方向と下流方向との
両方に噴射させる構成となっているが、下流方向に噴射
される噴射量よりも、上流方向に噴射される燃料量の方
が多くなるように、前記図9に示した噴口26a,26bの
孔径比率を設定してある。
【0035】低温始動時における要求噴射量は、高負荷
時における要求噴射量よりも少ないため、専ら低温始動
時の始動性向上に寄与する下流方向に向けての燃料噴射
量を絞って霧化性能を高める一方、専ら高負荷時の燃料
分配に寄与する上流方向に向けての噴射量を多めにし
て、高負荷時の要求噴射量が確保できるようにするもの
である。
【0036】図11は、前記補助燃料噴射弁9における噴
射特性の第4実施形態を示すものであり、低温始動時に
は吸入気流の下流方向のみに噴射させるが、高負荷時に
は、吸入気流の下流方向と上流方向との双方に向けて噴
射させる構成としてある。上記のように、下流方向のみ
への噴射と、下流方向及び上流方向への噴射とを切り換
えられる補助燃料噴射弁9(燃料供給手段)として、噴
口を下流方向に向けた第1補助燃料噴射弁と噴口を上流
方向に向けた第2補助燃料噴射弁とを備える構成として
も良いが、図12に示すような構成の燃料噴射弁を用いれ
ば、1本で上記噴射方向の切り換えが可能になる。
【0037】図12に示す燃料噴射弁は、電磁コイル22と
して、第1コイル22aと第2コイル22bとの2つを備え
ており、この第1コイル22aと第2コイル22bとのいず
れか一方にのみ通電させたときに発生する磁気吸引力
と、両方のコイルに通電させたときに発生するより大き
な磁気吸引力との2段階に切り換えられるようになって
いる。
【0038】また、ニードル弁23を閉弁方向に付勢する
コイルスプリング24として、径の異なる第1コイルスプ
リング24aと第2コイルスプリング24bとの2つを、径
の小さな第2コイルスプリング24bが径の大きな第1コ
イルスプリング24aに内挿されるようにして設けてあ
る。ニードル弁23が着座している状態で、第1コイルス
プリング24aはニードル弁23とスプリングアジャスタ27
との間で圧縮されて閉弁方向の付勢力を発生する一方、
第2コイルスプリング24bは、その自由長が着座状態に
おけるニードル弁23とスプリングアジャスタ27との距離
よりも短く、負荷の加わらない状態となっている。
【0039】前記第2コイルスプリング24bの反ニード
ル弁23側には、円板状のストローク調整シム28が設けら
れており、該ストローク調整シム28が前記スプリングア
ジャスタ27に当接するようになるまでの間は、ニードル
弁23は第1コイルスプリング24aのみによって閉弁方向
の付勢力を受ける。従って、前記ストローク調整シム28
が前記スプリングアジャスタ27に当接するようになるま
でのストロークにおいては、第1コイルスプリング24a
のみの閉弁付勢力に抗するだけの磁気吸引力があれば良
いことになる。
【0040】一方、前記ストローク調整シム28が前記ス
プリングアジャスタ27に当接するようになると、第1コ
イルスプリング24aと第2コイルスプリング24bとの双
方から閉弁方向の付勢力を受けることになり、かかる閉
弁付勢力に抗してニードル弁23をリフトさせると、ニュ
ードル弁23の中央部がストッパ29に当接する位置までス
トロークすることになる。従って、ニュードル弁23の中
央部がストッパ29に当接する位置までストロークさせる
には、第1コイルスプリング24aと第2コイルスプリン
グ24bとの双方の閉弁付勢力に抗するだけの磁気吸引力
が必要となる。
【0041】尚、閉弁状態から前記ストローク調整シム
28が前記スプリングアジャスタ27に当接するようになる
までのストローク量をst1とし、閉弁状態からニュード
ル弁23の中央部がストッパ29に当接するようになるまで
のストローク量をst2とすると、st1<st2であり、図
12に示す隙間dはst2<dとなるようにして、ストロー
クに影響を与えないようにしてある。
【0042】前述のように、図12に示す噴射弁は、第1
コイル22aと第2コイル22bとの通電制御によって、磁
気吸引力を大小に切り換えられるようになっており、前
記ストローク調整シム28が前記スプリングアジャスタ27
に当接する位置までのストロークさせたいときに、前記
第1コイル22aと第2コイル22bのいずれか一方にのみ
通電させ、第1コイルスプリング24aの閉弁付勢力に抗
することはできるが両方のコイルスプリング24a,24b
の閉弁付勢力に抗してニードル弁23をリフトさせること
はできない比較的弱い磁気吸引力を発生させる。
【0043】一方、ニュードル弁23の中央部がストッパ
29に当接する位置までストロークさせたいときには、前
記第1コイル22aと第2コイル22bとの双方に通電さ
せ、両方のコイルスプリング24a,24bの閉弁付勢力に
抗してニードル弁23をリフトさせることが可能な比較的
大きな磁気吸引力を発生させる。また、図12に示す燃料
噴射弁のノズル部25には、吸入気流の上流方向と下流方
向との双方に噴射が行えるように、噴射方向が180 °異
なる2つの噴口26a,26bを開口させるが、下流方向に
向けられる噴口26aが、上流方向に向けられる噴口26b
よりもノズル部25において上流側に開口するようにして
ある。
【0044】そして、ノズル部25の燃料通路内の噴口26
aよりも下流側で噴口26bよりも上流側に、下流側に向
けて内径が拡大される段差部30を設け、該段差部30を介
して内径が拡大された部分に噴口26bを開口させると共
に、前記内径が拡大された部分に円板状のスプール弁31
(閉塞弁)を介装し、かつ、該スプール弁31を前記段差
部30に当接する方向(上流側)に向けて付勢するコイル
スプリング32を設けてある。
【0045】即ち、スプール弁31が燃料によって図12で
下方に押し下げられないと、噴口26bが閉塞された状態
となるため、燃料は下流方向に向けられた噴口26aのみ
から噴射され、スプール弁31が燃料によって図12で下方
に押し下げられると、噴口26aと共に噴口26bからも燃
料が噴射され、下流方向と上流方向への噴射が同時に行
われることになる。
【0046】前述のように、図12に示す燃料噴射弁は、
ニードル弁23のストロークが2段階に制御できるよう構
成されており、一方のコイルにのみ通電させて前記スト
ローク調整シム28が前記スプリングアジャスタ27に当接
する位置までのストロークさせたときには、リフト量が
比較的少ないためにノズル部25における燃料流量が少な
く、前記スプール弁31は噴口26bを閉塞した状態を保持
するが、両方のコイルに通電させてニュードル弁23の中
央部がストッパ29に当接する位置までストロークさせる
と、リフト量が大きくなってノズル部25における燃料流
量が大きくなり、係る大きな燃料流量によってスプール
弁31が押し下げられ、噴口26bからも燃料噴射が行われ
る状態となるようにしてある。
【0047】即ち、低温始動時であって、噴口26aから
の下流方向のみへの噴射を行わせたいときには、一方の
コイルにのみ通電させれば良く、高負荷時であって、両
方の噴口26a,26bから下流方向と上流方向との双方へ
噴射を行わせたいときに、両方のコイルに通電させれば
良いことになる。尚、図12に示す燃料噴射弁において、
噴口26a,26bの孔径を上流方向がより大きくなるよう
に異ならせても良く、また、噴口26a,26bの孔径を同
一にしても良い。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態における機関のシステム構成
図。
【図2】実施形態における補助燃料噴射弁の噴射制御の
様子を示すフローチャート。
【図3】実施形態における水温に応じた噴射割合の特性
を示す線図。
【図4】実施形態において補助燃料噴射弁による燃料噴
射を行わせる高負荷領域を示す線図。
【図5】実施形態における機関負荷に応じた噴射割合の
特性を示す線図。
【図6】補助燃料噴射弁の噴射特性の第1の実施形態を
示す状態図であり、(A)は低温始動時の噴射特性、
(B)は高負荷時の噴射特性を示す状態図。
【図7】前記第1の実施形態で用いる補助燃料噴射弁の
例を示す断面図。
【図8】補助燃料噴射弁の噴射特性の第2の実施形態を
示す状態図であり、(A)は低温始動時の噴射特性、
(B)は高負荷時の噴射特性を示す状態図。
【図9】前記第2の実施形態で用いる補助燃料噴射弁の
例を示す断面図。
【図10】補助燃料噴射弁の噴射特性の第3の実施形態を
示す状態図であり、(A)は低温始動時の噴射特性、
(B)は高負荷時の噴射特性を示す状態図。
【図11】補助燃料噴射弁の噴射特性の第4の実施形態を
示す状態図であり、(A)は低温始動時の噴射特性、
(B)は高負荷時の噴射特性を示す状態図。
【図12】前記第4の実施形態で用いる補助燃料噴射弁の
例を示す断面図。
【符号の説明】
1 内燃機関 2 スロットル弁 3 コレクタ 3a〜3d 吸気通路 4a〜4d 燃料噴射弁 5 コントロールユニット 6 エアフローメータ 7 回転センサ 8 水温センサ 9 補助燃料噴射弁 22 電磁コイル 23 ニードル弁 24 コイルスプリング 25 ノズル部 26 噴口
フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI F02M 69/04 F02M 69/04 Q (72)発明者 谷山 剛 神奈川県横浜市神奈川区宝町2番地 日産 自動車株式会社内

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】各気筒に接続する吸気通路が分岐形成さ
    れ、一端側から吸入空気が流入するコレクタを気筒列方
    向に延設すると共に、前記コレクタの吸入空気流入側に
    配設され、始動時には少なくとも吸入気流に対する下流
    方向に燃料を噴射し、所定の高負荷運転時には少なくと
    も吸入気流に対する上流方向に燃料を噴射する燃料供給
    手段を備えたことを特徴とする内燃機関の燃料噴射装
    置。
  2. 【請求項2】前記燃料供給手段が、前記コレクタの最も
    上流側に開口する前記吸気通路の開口位置よりも上流側
    に配設されることを特徴とする請求項1記載の内燃機関
    の燃料噴射装置。
  3. 【請求項3】前記燃料供給手段が、吸入気流に対する上
    流方向に向かう噴口と、吸入気流に対する下流方向に向
    かう噴口とを備えた燃料噴射弁によって構成されること
    を特徴とする請求項1又は2に記載の内燃機関の燃料噴
    射装置。
  4. 【請求項4】前記燃料噴射弁が、吸入気流に対する上流
    方向への噴射における噴射率が吸入気流に対する下流方
    向への噴射における噴射率よりも大きくなるように設定
    されることを特徴とする請求項3記載の内燃機関の燃料
    噴射装置。
  5. 【請求項5】前記燃料噴射弁が、同時に2方向に噴射す
    る燃料噴射弁であることを特徴とする請求項3又は4に
    記載の内燃機関の燃料噴射装置。
  6. 【請求項6】前記燃料噴射弁が、吸入気流に対する下流
    方向に噴射する状態と、吸入気流に対する下流方向及び
    上流方向の双方に噴射する状態とに切り換え可能に構成
    されることを特徴とする請求項3又は4に記載の内燃機
    関の燃料噴射装置。
  7. 【請求項7】前記燃料噴射弁が、電磁コイルの磁気吸引
    力によって弁体をリフトさせる構成の噴射弁であって、
    前記磁気吸引力を少なくとも強弱の2種類に切り換えて
    前記弁体のリフト量を切り換えることにより、吸入気流
    に対する下流方向に噴射する状態と、吸入気流に対する
    下流方向及び上流方向の双方に噴射する状態とに切り換
    え可能に構成されることを特徴とする請求項6記載の内
    燃機関の燃料噴射装置。
  8. 【請求項8】前記燃料供給手段が、噴射方向を吸入気流
    に対する上流方向に向けた第1の補助燃料噴射弁と、噴
    射方向を吸入気流に対する下流方向に向けた第2の補助
    燃料噴射弁と、から構成されることを特徴とする請求項
    1又は2に記載の内燃機関の燃料噴射装置。
  9. 【請求項9】前記燃料供給手段が、中心軸に対して略直
    交する方向に噴射方向を有する補助燃料噴射弁を前記中
    心軸回りに回転させて、噴射方向を吸入気流に対する上
    流方向と下流方向とのいずれか一方に切り換える構成で
    あることを特徴とする請求項1又は2に記載の内燃機関
    の燃料噴射装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2006226163A (ja) * 2005-02-16 2006-08-31 Toyota Motor Corp 内燃機関の制御装置
US7107955B2 (en) 2003-12-22 2006-09-19 Nippon Soken, Inc. Auxiliary fuel injection unit in internal combustion engine and control device for auxiliary fuel injection unit

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JP4591107B2 (ja) * 2005-02-16 2010-12-01 トヨタ自動車株式会社 内燃機関の制御装置

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