JPH11293850A - 定着部材付鉄筋及びその製造方法 - Google Patents

定着部材付鉄筋及びその製造方法

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JPH11293850A
JPH11293850A JP10114286A JP11428698A JPH11293850A JP H11293850 A JPH11293850 A JP H11293850A JP 10114286 A JP10114286 A JP 10114286A JP 11428698 A JP11428698 A JP 11428698A JP H11293850 A JPH11293850 A JP H11293850A
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洋一 松原
Tsukasa Maenozono
司 前之園
Hiroshi Kobayashi
宏 小林
Kyohiko Terada
教彦 寺田
Toshiyuki Shioya
俊幸 塩屋
Hideyo Shiokawa
英世 塩川
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 鉄筋の端部の定着部をコンパクトにすると共
に低コストで製造可能とする。 【解決手段】 板状の定着部材3に貫通穴5を形成する
と共にその穴5にテーパを形成し、鉄筋2の一端を赤熱
状態として挿入した後、圧縮力を加えて増肉させ、穴5
内面に嵌合した増肉部2bと穴5の外側に隣接したふく
らみ部2cを形成して定着部材3を強固に固定し、鉄筋
2に定着部材3を取り付けた構成の定着部4とする。こ
の構成の定着部材付鉄筋は、製造が容易で低コストであ
り、しかも定着部材が従来の鉄筋端部をU字状に曲げて
形成した定着部よりもコンパクトである。また、定着部
材の鉄筋に対する連結強度が大きいため、強度の大きい
鉄筋コンクリート構造を作ることができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、鉄筋コンクリート
構造、プレキャスト鉄筋コンクリート構造等に用いられ
る鉄筋に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、鉄筋コンクリート構造に用いる鉄
筋は、その端部をU字状或いはL字状等に曲げて定着部
としており、この定着部によって他の鉄筋やコンクリー
トに対して定着していた。また、この代わりに、鉄筋と
してねじ鉄筋を用い、それにねじ付定着板をねじ込んで
おき、ねじ鉄筋に対してねじ付定着板を所望位置にセッ
トした後、そのねじ鉄筋とねじ付定着板の間にモルタル
等の充填材を注入して固定する構成のものも知られてい
た(例えば、特許第2662150号公報参照)。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、これら
の従来の構造にはいずれにも問題があった。すなわち、
端部をU字状或いはL字状等に曲げた構造の鉄筋は、U
字状或いはL字状等の部分がかさばるため、狭い場所で
の施工が困難であり、また、鉄筋端部の曲げ加工が困難
でコスト高となるという問題があった。更に、強大な地
震等の際にはU字状或いはL字状等の部分が伸びて抜け
てしまうことがあるという問題もあった。一方、ねじ付
定着板を用いたものでは、製造コストが高く、しかも、
ねじ付定着板をねじ付鉄筋に固定する際、両者の間に確
実にモルタル等の充填材を注入しなければならず、作業
性が悪いという問題もあった。
【0004】本発明は、上述の問題点に鑑みて為された
もので、他の鉄筋やコンクリート等に定着するための定
着部をコンパクトな構造とし、現場での施工を容易とす
ると共に低コストで製造可能な、且つ定着強度の大きい
定着部材付鉄筋及びその製造方法を提供することを目的
とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明は、鉄筋を他の鉄
筋やコンクリートに定着させるための定着部の構造とし
て、鉄筋に定着部材を取り付けた構成を採用し、しか
も、その取付構造として、定着部材に鉄筋を通す穴を設
け、その穴内に鉄筋を通し、少なくともその穴内に挿入
された部分を増肉加工することで前記定着部材に嵌合、
固定する構成を採用したものである。本発明はこの構成
により、定着部材の外形寸法をあまり大きくしなくても
定着部材が広い面積を有しているので、他の部材に対し
て大きい強度で定着でき、従来の鉄筋端部をU字状或い
はL字状等に曲げて構成した定着部よりもコンパクトに
でき、現場での施工や取り扱いが容易となる。また、製
造に当たっては、定着部材に形成した穴内に、鉄筋の軸
線方向の一部領域を赤熱状態に加熱して挿入し、その赤
熱状態の部分に軸線方向の圧縮力を加えて増肉させ、前
記定着部材の穴に嵌合させるという簡単な方法で製造可
能であり、低コストで製造できる。更に、鉄筋を増肉さ
せて定着部材に嵌合させているので連結強度が大きく、
特に、定着部材の穴内面に凹凸やテーパを設けるとか、
定着部材に隣接した鉄筋にふくらみ部を形成すると連結
強度が一層大きくなり、且つ鉄筋自体も増肉によって強
度が大きくなるので、定着部の強度も大きくなり、本発
明の定着部材付鉄筋を用いることで強度の大きいコンク
リート構造体を形成できる。
【0006】
【発明の実施の形態】以下、本発明を詳細に説明する。
本発明の定着部材付鉄筋は、鉄筋を通す穴を備えた定着
部材と、その定着部材の穴に嵌合した鉄筋とを備え、該
鉄筋が、少なくとも前記穴内に挿入された部分を増肉加
工することで前記定着部材に嵌合していることを特徴と
する。
【0007】本発明に使用する鉄筋は、増肉加工可能な
ものであれば任意であり、従来使用されている任意のも
のを用いることができる。定着部材は、それを取り付け
る鉄筋の外径よりも大きい寸法を有し、他の鉄筋やコン
クリート等に対する所定の定着強度を有するものであれ
ばよく、例えば、鋼板等の板材が使用される。定着部材
を板材で構成する場合、その外形は円形、四角形等任意
であり、その外形寸法及び厚さは使用場所に応じて適宜
設定すればよい。通常、板材で構成される定着部材の外
形寸法(定着部材が円形の場合は外径、正四角形の場合
は1辺の長さ)は、鉄筋径dに対して2〜5倍程度に設
定することが好ましく、また、その厚さは鉄筋径dに対
して0.5〜2倍程度に設定することが好ましい。上記
定着部材は、厚鋼板を裁断して簡単に調製できる。ま
た、外形が円形の定着部材の場合には、厚肉の継目無鋼
管を輪切りしたものを定着部材とすることができる。こ
のように厚肉の継目無鋼管を輪切りにして定着部材とす
ると、厚鋼板を裁断する場合よりも更に高能率且つ高歩
留りで調製できる。更に、板材や継目無鋼管を輪切りに
したものの代わりに、ナットを定着部材として用いるこ
とも可能である。ナットは各種サイズのものが規格品と
して大量に製造されているので、これを用いることでコ
ストダウンを図ることができる。定着部材の材質は、鉄
筋の材質に左右されることなく任意に選定可能であり、
例えば、通常の鋼材(SS材)、高張力鋼等を使用しう
る。
【0008】鉄筋に対する定着部材の取付位置は、通常
は鉄筋の端部であり、鉄筋の両端に定着部材をそれぞれ
取り付けて定着部を形成してもよいし、鉄筋の一端のみ
に定着部材を取り付けて定着部を形成してもよい。な
お、鉄筋の一端のみに定着部材を取り付けて定着部を形
成する場合、他端は真っ直ぐなままとしてもよいし、従
来と同様な構成の定着部(例えば、鉄筋端部のU字状に
曲げた構成の定着部)としてもよい。更に、鉄筋に対す
る定着部材の取付位置は、鉄筋端部に限らず、必要に応
じ中間位置としてもよい。
【0009】定着部材に形成する穴は、増肉加工前の鉄
筋を容易に挿入しうる大きさのものであればよく、具体
的には、鉄筋径10〜51mmに対し、前記穴の最小径
が鉄筋外径よりも0.5mm程度以上大きいものが好ま
しい。また、穴径の上限は、鉄筋の増肉加工率を勘案し
て定める。一般に、鋼材を赤熱状態として増肉加工する
場合、増肉加工を容易に行うためには、増肉後寸法/元
寸法の比率を2倍以下に、更には1.5倍以下に留める
ことが好ましく、このため前記穴の径は、鉄筋径の2倍
以下に、更には1.5倍以下にすることが好ましい。
【0010】定着部材に形成する穴は単にストレートな
円筒状のものでもよいが、鉄筋に対する軸線方向の固定
を確実とする上から、内径が軸線方向に異なる領域が形
成されるよう、穴内面に凹凸やテーパを設けることが好
ましい。このような凹凸やテーパを設けておくと、増肉
加工した鉄筋の外径が軸線方向に異なることとなり、こ
のため、穴内の鉄筋が軸線方向に移動しにくく、鉄筋に
作用する軸線方向の力を確実に定着部材に伝達できる。
穴内面に形成する凹凸としては、例えば、環状の溝或い
は突起、内ねじ等を挙げることができる。穴内面に形成
する凹凸やテーパの大きさや方向は、鉄筋に作用する力
の大きさや方向に応じて必要とされる鉄筋と定着部材と
の軸線方向の連結強度を考慮して適宜定めればよい。
【0011】本発明の定着部材付鉄筋は、鉄筋を定着部
材の穴内に通し、増肉加工して前記穴に嵌合させ、固定
したものであるが、その増肉加工の際、定着部材の穴の
間口に隣接した部分の鉄筋を、穴の間口の内径よりも大
きい外径となるように増肉させてふくらみ部を形成する
ことが推奨される。このようなふくらみ部を形成する
と、そのふくらみ部を定着部材の穴内に移動させる方向
の力を確実に定着部材に伝達でき、従って、鉄筋の定着
部材に対する軸線方向の連結強度を大きくできる利点が
得られる。なお、ふくらみ部は鉄筋に作用する力を定着
部材に確実に伝達するように設けるものであるので、そ
の外径はふくらみ部に隣接した穴の間口に引っ掛かる程
度の大きさでよく、外径寸法は多少ばらついても差し支
えない。
【0012】鉄筋に形成するふくらみ部は、定着部材の
両側に設けてもよいし、片側のみに設けてもよく、鉄筋
に作用する力の方向や、穴内面と鉄筋との嵌合による連
結強度等を考慮して定めればよい。例えば、定着部材に
固定している鉄筋に大きい引張力(鉄筋を定着部材から
引き抜く方向の力)及び大きい圧縮力(鉄筋を定着部材
に押し込む方向の力)が作用し、穴内面と鉄筋との嵌合
のみでは連結強度が不足し、定着部材に対して鉄筋が軸
線方向の両方向に動く恐れがある時には、鉄筋を、端部
が穴から突出するように挿入して増肉加工を行い、定着
部材の両側にふくらみ部を設けることが好ましい。ま
た、定着部材に形成した穴に1方向のみのテーパを設
け、鉄筋を穴の小径側に移動させる力に対しては大きい
連結強度を発揮するが、反対方向には連結強度が小さく
なる場合には、穴の小径側の間口に隣接した鉄筋の部分
のみにふくらみ部を設ける構成とすればよい。この構成
により、定着部材の穴に1方向のみのテーパを設けた場
合において、鉄筋に作用する軸線方向の両方向の力を確
実に定着部材に伝達できる。
【0013】本発明の定着部材付鉄筋は、定着部材に形
成した穴内に、鉄筋の軸線方向の一部領域を赤熱状態に
加熱して挿入し、その赤熱状態の部分に軸線方向の圧縮
力を加えて増肉させ、前記定着部材の穴に嵌合させるこ
とにより製造される。ここで、定着部材に穴を形成する
には、ドリル、ガス炎、レーザ等を用いた公知の技法を
用いればよい。また、穴開け加工後の内面の表面仕上げ
等は必要ない。一方、鉄筋も、通常の鉄筋をそのまま使
用でき、事前の表面処理は必要ない。
【0014】鉄筋の赤熱領域は、当然増肉加工を施すべ
き領域とするものであり、増肉による長さの減少を見込
んで最終的に形成される増肉部の長さよりも長くする。
鉄筋の加熱手段としては、特に限定されるものではない
が誘導加熱が好ましい。誘導加熱を利用すると、鉄筋を
局部的に急速加熱することができ、処理時間を短くでき
る。加熱温度は、塑性変形抵抗がきわめて小さくなる赤
熱状態となる温度以上とするが、物性変化を抑制する上
からは低いことが好ましい。これらを勘案して通常は、
800〜1000°C程度に設定される。赤熱領域の温
度は、通常は全体がほぼ一定となるようにするが、必要
に応じ適当な温度分布を設けてもよい。例えば、大きい
増肉率が要求される部分は他の部分に比べてより高い温
度とするというような温度分布を設けてもよい。
【0015】赤熱部分を増肉させるには、油圧プレス等
によって鉄筋に軸線方向の圧縮力を作用させればよい。
この際、定着部材の穴内に挿入されている鉄筋部分で
は、圧縮力よって増肉した部分が前記穴の内面で規制さ
れるまで増肉させることで、穴内面に嵌合させることが
できる。一方、穴の外側にふくらみ部を形成する場合、
そのふくらみ部を適当な外型で規制する構成としてもよ
いが、ふくらみ部の外径は前記機能が果せる概略の寸法
が確保されていれば良いので、通常は、外型を使用しな
くてよい。ふくらみ部の外径は、加熱温度、加える圧縮
力、加熱長さ等の調整によって適度に調整できる。
【0016】本発明の定着部材付鉄筋は上記したよう
に、定着部材に形成した穴内に、鉄筋の軸線方向の一部
領域を赤熱状態に加熱して挿入し、その赤熱状態の部分
に軸線方向の圧縮力を加えて増肉させるという2工程で
実施でき、作業性が良く、しかも熟練をあまり必要とし
ないことから工場或いは建築現場での大量生産が可能で
ある。このため、安価に製造可能である。一般に、二つ
の鋼材を接合するには溶接が使用されており、定着部材
を鉄筋に接合する場合にも溶接を利用することが考えら
れるが、本発明では、溶接を用いた場合に比べても以下
のような利点を有している。すなわち、溶接に比べて熟
練を要せず且つ加工時間が短いので、低コストで製造で
きる。更には、溶融させないので熟練工によらずとも、
品質が安定するとともに、加工後の熱処理が不要であ
り、この点からも低コストとなる。
【0017】
【実施例】以下、図面に示す本発明の好適な実施例を説
明する。図1は本発明の第一の実施例による定着部材付
鉄筋1を示すものである。この実施例の定着部材付鉄筋
1は、鉄筋2の両端に鋼板で作られた定着部材3をそれ
ぞれ取り付けて定着部4とした構成のものである。ここ
で使用している定着部材3は、図1(c)に示すよう
に、その中央に貫通した穴5を備えており、その穴5に
は一端からほぼ全長に渡ってテーパが形成されている。
鉄筋2は、その端面2aが定着部材3の一方の面3a
(穴5の大径側が位置する面)と同一面上に位置するよ
うに穴5内に挿入されており、且つ、増肉加工によって
穴5の内面に嵌合するように形成された増肉部2bと、
穴5の小径側の間口に隣接して形成されたふくらみ部2
cを備えている。このように、鉄筋2の端部にテーパ面
に嵌合する増肉部2bとその外側のふくらみ部2cを設
けたことにより、鉄筋2に矢印Aで示す引張力が作用し
ても、或いは矢印Bで示す圧縮力が作用しても、その力
を定着部材3に確実に伝達して定着部材3で受けさせる
ことができ、換言すれば、鉄筋2は定着部材3に対して
軸線方向に大きい連結強度で固定されている。かくし
て、この定着部材付鉄筋1を用いた鉄筋コンクリート構
造では、鉄筋2に作用する引張力及び圧縮力を定着部材
3で確実に受けて支えることができ、強度の大きい構造
体を形成できる。
【0018】図2はこの定着部材付鉄筋1を製造する工
程を示すものである。図2(a)に示すように、まず、
中央に所定形状の穴5を形成した定着部材3を、穴5の
大径側を下にして受台6の上に置き、その穴5の上方に
鉄筋2を位置させ、その下端部分を誘導コイル7で赤熱
状態に加熱する(加熱領域をハッチングで示す)。な
お、穴5の最小径Dは鉄筋2を容易に挿入させることが
できるよう鉄筋径dよりも適度に大きく設定されてい
る。次に、図2(b)に示すように、鉄筋2の赤熱状態
の下端部分を穴5内に挿入し、プレス(図示せず)によ
って鉄筋2に下向きの加圧力Pを加え、赤熱領域に圧縮
力を作用させる。これにより、鉄筋2の赤熱領域が増肉
し、穴5の内面に嵌合した増肉部2bが形成されると共
に穴5の外側にふくらみ部2cが形成され、図1に示す
定着部材付鉄筋1が製造される。
【0019】図3は本発明の第二の実施例による定着部
材付鉄筋11の定着部14を示すものである。この実施
例の定着部材付鉄筋11も、鉄筋12の一端に鋼板で作
られた定着部材13を取り付けて定着部14とした構成
のものであるが、ここで使用している定着部材13はそ
の中央に設けている穴15の中央部分に断面が略V字状
の溝からなる凹部15aを有しており、鉄筋12はその
凹部15a内に嵌合した増肉部12bを備えている。こ
の実施例では、定着部材13の穴15に形成された断面
が略V字状の凹部15aと鉄筋12の増肉部12bの嵌
合により、鉄筋12の軸線方向の引張力及び圧縮力が定
着部材13に確実に伝達される構成となっている。な
お、この定着部材付鉄筋11は、図2に示す工程で同様
に製造できる。
【0020】図4は本発明の第三の実施例による定着部
材付鉄筋21を示すものである。この実施例の定着部材
付鉄筋21も、鉄筋22の一端に鋼板で作られた定着部
材23を取り付けて定着部24とした構成のものである
が、ここで使用している定着部材23は、図5(a)か
ら良く分かるように、その中央に設けている穴25の中
央部分を円筒状内面25aとし、その両側に外側に拡大
したテーパ面25b、25cを形成している。そして、
図4において鉄筋22は、その先端が穴25から少し突
出するように挿入されており、増肉加工によって穴25
内面に嵌合するように形成された増肉部22aと定着部
材23の両側に形成されたふくらみ部22b、22cを
備えている。この実施例では、定着部材23の穴25の
内面(テーパ面25b、25cを含む)と鉄筋22の増
肉部22aとの嵌合、及び、定着部材23の穴の表裏両
側間口の周縁部と鉄筋22に形成したふくらみ部22
b、22cとの係合により、鉄筋22の軸線方向の引張
力及び圧縮力が定着部材23に確実に伝達される構成と
なっている。
【0021】図4に示す定着部材付鉄筋21を製造する
には、図5(a)に示すように、まず、中央に所定形状
の穴25を形成した定着部材23を受台26の上にスペ
ーサ27によって適当な間隔をあけて置き、その穴25
の上方で鉄筋22を誘導コイル28で赤熱状態に加熱
し、次いで、図5(b)に示すように、鉄筋22の下端
部分を穴25内に挿入し、プレス(図示せず)によって
鉄筋22に下向きの加圧力Pを加え、赤熱領域に圧縮力
を作用させる。これにより、穴25の内面に嵌合した増
肉部22aが形成されると共に穴25の両側に隣接して
ふくらみ部22b、22cが形成され、図4に示す定着
部材付鉄筋21が製造される。
【0022】なお、定着部材23に形成する穴25とし
ては、図4、図5に示すように両端にテーパ面を形成し
たものに限らず、図3に示す穴15のように中央に凹部
を形成したものでもよく、更には、図6に示すように、
単に円筒状の穴25Aとしたものでもよい。図6に示す
定着部材付鉄筋21Aでは、円筒状の穴25Aを用いて
いるので、その穴25A内に位置する増肉部22Aaと
穴25A内面との嵌合のみでは、鉄筋21Aに作用する
軸線方向の力を定着部材23Aに対して確実に伝達する
のは困難となるが、定着部材23Aの両側にふくらみ部
22Ab、22Acを形成して定着部材23Aをはさん
でいるので、鉄筋22Aに作用する軸線方向の引張力及
び圧縮力を定着部材23Aに確実に伝達することができ
る。
【0023】図7は本発明の第四の実施例による定着部
材付鉄筋31を示すものである。この実施例の定着部材
付鉄筋31は、鉄筋32の一端に定着部34を構成する
ように取り付ける定着部材33として、大量生産されて
いる規格品のナットを用いたものである。すなわち、こ
の定着部材付鉄筋31は、ナットからなる定着部材33
のねじ穴35内に、赤熱状態に加熱した鉄筋32を挿入
し、増肉加工してねじ穴35内面の内ねじに嵌合する増
肉部32aを形成したものである。この構成では、増肉
部32aの外面が定着部材33の内ねじに噛み合うこと
により、鉄筋32に作用する軸線方向の引張力及び圧縮
力を定着部材33に確実に伝達することができる。
【0024】なお、図1〜図7に示したような、鉄筋の
軸線方向には鉄筋と穴内面との摩擦力以外の係止力が作
用するケースにあっては、穴内面とその中の鉄筋増肉部
との嵌合をゆるくし、定着部材を鉄筋に対して回転可能
とする構成としてもよい。このように定着部材を鉄筋に
対して回転可能としておくと、角形の定着部材を用いた
場合などで、定着部材付鉄筋の現場施工の際に定着部材
を回転させることができ、施工が容易となる場合があ
る。なお、穴とその中の鉄筋増肉部との嵌合をゆるくす
る方法としては、圧縮力又は加圧時間を調製し、或い
は、増肉加工によって増肉部を形成する鉄筋部分の加熱
温度を、ふくらみ部を形成する鉄筋部分よりも低く設定
し、同一の圧縮力を加えてもあまり増肉しないようにし
ておけばよい。
【0025】
【発明の効果】以上に説明したように、本発明の定着部
材付鉄筋は、定着部材に形成した穴内に鉄筋を挿入し、
増肉加工することで前記定着部材に嵌合し、定着部とし
たものであるので、従来用いられていた端部をU字状或
いはL字状等に曲げた鉄筋構造よりもコンパクトとな
り、現場での施工や取り扱いが容易となり、しかも、製
造が容易で大量生産に適しており、低コストで製造でき
るという効果を有している。
【0026】ここで、定着部材に形成した穴に凹凸やテ
ーパを形成するとか、鉄筋の前記穴の間口に隣接した部
分にふくらみ部を形成しておくと、鉄筋に軸線方向に作
用する引張力や圧縮力を確実に定着部材に伝達でき、換
言すれば、鉄筋と定着部材との軸線方向の連結強度をき
わめて大きくでき、本発明の定着部材付鉄筋を用いるこ
とにより、強度のきわめて大きい鉄筋コンクリート構造
或いはプレキャスト鉄筋コンクリート構造を作ることが
できるという効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第一の実施例による定着部材付鉄筋を
示すもので、(a)は概略平面図、(b)は概略端面
図、(c)は定着部の概略断面図
【図2】(a)、(b)は、図1の定着部材付鉄筋を製
造する工程を示すもので、鉄筋を側面図で示す概略断面
【図3】本発明の第二の実施例による定着部材付鉄筋の
定着部を示す概略断面図
【図4】本発明の第三の実施例による定着部材付鉄筋の
定着部を示す概略断面図
【図5】(a)、(b)は、図4の定着部材付鉄筋を製
造する工程を示すもので、鉄筋を側面図で示す概略断面
【図6】図4に示す実施例の変形例を示す概略断面図
【図7】本発明の第四の実施例による定着部材付鉄筋の
定着部を示す概略断面図
【符号の説明】
1、11、21、21A、31 定着部材付鉄筋 2、12、22、22A、32 鉄筋 2b、12b、22a、22Aa、32a 増肉部 2c、22b 22c、22Ab、22Ac ふくらみ
部 3、13、23、23A、33 定着部材 4、14、24、24A、34 定着部 5、15、25、25A、35 穴
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 小林 宏 神奈川県川崎市川崎区殿町二丁目17番8号 第一高周波工業株式会社内 (72)発明者 寺田 教彦 東京都中央区築地一丁目13番10号 第一高 周波工業株式会社内 (72)発明者 塩屋 俊幸 東京都港区芝浦一丁目2番3号 清水建設 株式会社内 (72)発明者 塩川 英世 東京都港区芝浦一丁目2番3号 清水建設 株式会社内

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 鉄筋を通す穴を備えた定着部材と、その
    定着部材の穴に嵌合した鉄筋とを備え、該鉄筋が、少な
    くとも前記穴内に挿入された部分を増肉加工することで
    前記定着部材に嵌合していることを特徴とする定着部材
    付鉄筋。
  2. 【請求項2】 前記定着部材の穴の内面に凹凸若しくは
    テーパが形成されていることを特徴とする請求項1記載
    の定着部材付鉄筋。
  3. 【請求項3】 前記鉄筋の、前記定着部材に隣接した部
    分に、前記穴端部の内径よりも大径のふくらみ部が増肉
    加工によって形成されていることを特徴とする請求項1
    又は2記載の定着部材付鉄筋。
  4. 【請求項4】 前記穴を備えた定着部材が、継目無鋼管
    を輪切りにしたものである、請求項1から3のいずれか
    1項に記載の定着部材付鉄筋。
  5. 【請求項5】 定着部材に形成した穴内に、鉄筋の軸線
    方向の一部領域を赤熱状態に加熱して挿入し、その赤熱
    状態の部分に軸線方向の圧縮力を加えて増肉させ、前記
    定着部材の穴に嵌合させることを特徴とする定着部材付
    鉄筋の製造方法。
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