JPH11293378A - 加熱炉炉床部材用Cr基合金 - Google Patents

加熱炉炉床部材用Cr基合金

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JPH11293378A
JPH11293378A JP10246598A JP10246598A JPH11293378A JP H11293378 A JPH11293378 A JP H11293378A JP 10246598 A JP10246598 A JP 10246598A JP 10246598 A JP10246598 A JP 10246598A JP H11293378 A JPH11293378 A JP H11293378A
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JP
Japan
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alloy
creep resistance
heating furnace
resistance
oxidation resistance
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Application number
JP10246598A
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English (en)
Inventor
Kazuhito Ichinose
一仁 一之瀬
Koichi Yamagishi
浩一 山岸
Yoshiaki Ito
嘉朗 伊藤
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Sumitomo Metal Mining Co Ltd
Original Assignee
Sumitomo Metal Mining Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 鋳造性、並びに1300℃以上における高温
圧縮強度、耐クリープ性および耐酸化性に優れた加熱炉
炉床用Cr基合金を提供する。 【解決手段】 第1発明は、Crを50〜80重量%含
み、残部が実質的にNiからなる。第2発明は、Crを
50〜80重量%、並びにTi、Mn、MoおよびWか
らなる群から選ばれた少なくとも1種を10重量%以下
含み、残部が実質的にNiからなる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、加熱炉炉床部材用
に好適なCr基合金に関し、より詳しくは、鋳造性、並
びに1300℃以上における高温圧縮強度、耐クリープ
性および耐酸化性に優れた加熱炉炉床部材用Cr基合金
に関する。
【0002】
【従来の技術】熱間圧延、熱間鍛造などの熱間塑性加工
を行うため、スラブやビレットのような鋼片などに大気
中で加熱処理を行う。加熱処理の際、被加熱材を加熱炉
の端から装入し、炉内移送中に所要温度で加熱して、他
端から抽出する。被加熱材は、駆動する水冷可動レール
に担持しながら移送される。水冷可動レールには、水冷
スキッドパイプの周面頂部に、スキッドパイプ軸方向に
一定間隔をおいて、スキッドボタンが取り付けてある。
そのため、スキッドボタンは、酸化性雰囲気で、被加熱
材から種々の荷重を受ける。
【0003】このようなわけでスキッドボタンなどの加
熱炉炉床部材には、耐久性および安定性、具体的には高
温圧縮強度、耐クリープ性および耐酸化性といった特性
の優れた材料が要求される。ここで、高温圧縮強度およ
び耐クリープ性は、高温において受ける荷重に対する変
形抵抗を意味し、高温圧縮強度は高温における一定の圧
縮力に対する変形速度を指標とし、耐クリープ性は高温
における一定の引張力による変形(伸び)のため破断に
至るまでの時間を指標とする。また、耐酸化性は高温の
酸化性雰囲気に対する酸化抵抗を意味し、高温大気中に
おける酸化速度を指標とする。
【0004】ところで、上記においてスキッドパイプを
水冷するのは、加熱炉内の熱影響を緩和して、変形抵抗
を保持させるとともに、表面の酸化損傷を防止するため
である。スキッドパイプを水冷するため、スキッドボタ
ンに担持される被加熱材は、スキッドボタンとの接触面
を介して局部冷却され、スキッドマークと呼ばれる低温
部がそこに発生する。このスキッドマークは、製品寸
法、表面性状、加熱炉燃料コスト、生産性などに悪影響
を及ぼすので、スキッドマークの低減は加熱炉の重要課
題の一つである。
【0005】しかるに、近年では、加熱炉操業効率の向
上などを目的として加熱炉内温度が1300℃以上の高
温操業が一般化し、そのために加熱炉炉床部材に対する
加熱炉内の熱影響がより厳しくなっている。これに対し
て上記スキッドパイプの水冷をさらに強化することは、
上記スキッドマーク低減という重要課題をさらに難しく
することになり、好ましくない。つまり、上記高温圧縮
強度、耐クリープ性および耐酸化性といった加熱炉炉床
部材の特性に対する要求がより厳しくなっている。
【0006】従来、加熱炉炉床部材には、Cr、Coお
よびNiを含む合金鋼(例えば、27Cr−40Co−
17Ni−Fe、30Cr−10Co−25Ni−Fe
など)が使用されてきた。しかし、上記合金鋼は、上記
特性がよくない。なお、上記例示において、元素記号の
前の数は該元素の含有量(重量%)を示す。
【0007】そこで、セラミックスの使用も検討される
ようになっている。しかし、セラミックスは、高温圧縮
強度および耐酸化性は非常に優れているが、高価格とい
う問題を抱えているので、広く実用されるまでには至っ
ていない。
【0008】このようなわけで、最近では、高温圧縮強
度および耐クリープ性が最も優れているCrを非常に多
く含むCr基合金が開発されている。そしてこのCr基
合金の中には、セラミックスに匹敵する高温圧縮強度を
有するものもある。しかし、上記Cr基合金は、Crの
延性脆性遷移温度が高いために、溶解後鋳造した際に、
鋳造割れを起しやすい。つまり、鋳造性が悪い(生産性
が悪い)。また、耐酸化性が最も悪いCrを非常に多く
含むので、耐酸化性についても使用中酸化による消耗が
著しい。従って、上記Cr基合金には、コスト面および
特性面で改善すべき余地がまだ多く残っている。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、上記
事情に鑑み、鋳造性、並びに1300℃以上における高
温圧縮強度、耐クリープ性および耐酸化性に優れた加熱
炉炉床部材用Cr基合金を提供することにある。なお、
以下では、1300℃以上における高温圧縮強度、耐ク
リープ性および耐酸化性を、それぞれ圧縮強度、耐クリ
ープ性、耐酸化性と単にいう。
【0010】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、第1発明は、Crを50〜80重量%含み、残部が
Niおよび不可避不純物からなる加熱炉炉床部材用Cr
基合金である。また、第2発明は、Crを50〜80重
量%、並びにTi、Mn、MoおよびWからなる群から
選ばれた少なくとも1種(以下、単に「Ti等」とい
う)を10重量%以下含み、残部がNiおよび不可避不
純物からなる。
【0011】
【発明の実施の形態】第1発明および第2発明におい
て、Niは、Crの鋳造性および耐酸化性を改善する。
それは、Niが、(1)Crの延性脆性遷移温度を下げ
る、(2)CoやFeのような添加元素が脆いσ相(金
属間化合物)を生成させるのと違って、(α+γ)二相
組織とし、σ相析出に起因する脆化を防ぐ、(3)蒸気
圧の高いCr酸化物被膜の形成を抑制し、母材との密着
性が非常に良好なNi酸化物被膜を形成するからであ
る。
【0012】Cr含有量が50重量%未満では、Ni含
有量が多くなって耐酸化性は向上するものの、圧縮強度
および耐クリープ性の低下が著しく実用にならない。一
方、80重量%を超えると、Ni含有量が少なくなって
上記Niの作用が十分でない。特に鋳造性が低下し、ひ
いては生産性低下・コスト高を引き起す。
【0013】第2発明において、Ti等は、添加量の増
大につれて第1発明の合金(Cr−Ni)の耐クリープ
性を改善し、特に1重量%以上で著しく改善する。そし
て、純Crと同等か、もしくはわずかに低い程度にまで
耐クリープ性を高めることができる。
【0014】Ti等の含有量が10重量%を超えると、
耐クリープ性および耐酸化性の低下が著しくなる。
【0015】
【実施例】[実施例1〜5、比較例1〜6、従来例1]
高周波溶解炉で大気中で溶製した溶湯を砂型鋳型に鋳造
することにより、種々の組成を有するCr基合金(実施
例、比較例)および合金鋼(従来例)を調製した。これ
らのCr基合金および合金鋼を化学組成分析に供すると
ともに、鋳造性試験、高温圧縮試験、耐クリープ性試験
および耐酸化性試験に供した。各試験方法は次の通りで
ある。
【0016】(1)鋳造性試験 面削した供試合金全表面の鋳造割れの有無を肉眼で観察
した。この際、全表面に鋳造割れが全く見られない場合
に「○」、少しでも見られる場合に「×」とした。
【0017】(2)高温圧縮試験 機械加工により作製した試験片(30mm径、50mm
長さ)を試験天秤の固定台上に置き、1350℃に加熱
保持した状態で30MPaの垂直加重を試験天秤に加え
た。試験時間は50時間とした。試験後、試験片の試験
前長さ(L0 (=約50mm))と試験後長さ(L)と
を測定し、次式(数1)により圧縮変形速度(D)を求
めた。
【0018】
【数1】D(%/hr)=2(L0 −L)/L0
【0019】(3)耐クリープ性試験 機械加工により作製した試験片(6mm径、80mm長
さ)を1200℃に加熱保持し、10MPaの引張応力
を加え、破断に至までの時間を測定した。
【0020】(4)耐酸化性試験 機械加工により作製した試験片(8mm径、50mm長
さ)を大気中で1350℃で100時間加熱保持した。
試験後、試験片表面の酸化スケールを除去して試験後の
試験片重量を測定し、試験前後の試験片重量の変化から
酸化減量(g/m2 /hr)を求めた。
【0021】得られた結果を表1に示す。
【0022】
【表1】
【0023】実施例1〜5は、従来のスキッドボタン材
料である従来例1(高Co耐熱合金鋼)より格段に優れ
た圧縮強度、耐クリープ性および耐酸化性をバランスよ
く有しており、鋳造性も優れている。
【0024】実施例2〜5は、実施例1にさらにTi、
Mn、MoまたはWを10重量%添加したものである。
これらはいずれも、耐クリープ性が実施例1より著しく
向上している。
【0025】比較例1は、Cr含有量が少なすぎる(N
i含有量が多すぎる)ため、鋳造性および耐酸化性は優
れているが、圧縮強度および耐クリープ性の低下が著し
い。また、比較例2は、Cr含有量が多すぎる(Ni含
有量が少なすぎる)ため、圧縮強度、耐クリープ性およ
び耐酸化性は優れているが、鋳造性が悪い。
【0026】比較例3〜6は、実施例1にさらにTi、
Mn、MoまたはWを15重量%添加したものである。
これらはいずれも、鋳造性は優れているものの、耐クリ
ープ性が著しく低下している。また、比較例5、6はい
ずれも、耐酸化性も著しく低下している。
【0027】[実施例6〜19]Crの組成を50重量
%とした以外は実施例1〜5と同様にして試験を行った
(実施例6〜10)。また、Crの組成を80重量%と
した以外は実施例1〜5と同様にして試験を行った(実
施例11〜15)。さらに、Ti、Mn、MoおよびW
の組成を各々10重量%から1重量%に変えた以外は実
施例2〜5と同様にして試験を行った(実施例16〜1
9)。
【0028】その結果、いずれの実施例においても鋳造
性が優れていた。また、これらの実施例において、圧縮
強度、耐クリープ性および耐酸化性は、実施例1〜5
(表1)と同程度であった。
【0029】
【発明の効果】以上から、本発明の加熱炉炉床用Cr基
合金は、次の効果を有することが分かる。すなわち、
(1)優れた圧縮強度、耐クリープ性および耐酸化性を
バランスよく兼ね備えているので、加熱炉高温操業に十
分対応することが可能である。(2)製造の際には、溶
製が容易であるばかりでなく、鋳造割れを起こすことな
く鋳造可能である(優れた鋳造性を有する)ので、本発
明のCr基合金を生産性よく安価に広く実用に供するこ
とができる。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 Crを50〜80重量%含み、残部がN
    iおよび不可避不純物からなる加熱炉炉床部材用Cr基
    合金。
  2. 【請求項2】 Crを50〜80重量%、並びにTi、
    Mn、MoおよびWからなる群から選ばれた少なくとも
    1種を10重量%以下含み、残部がNiおよび不可避不
    純物からなる加熱炉炉床部材用Cr基合金。
  3. 【請求項3】 Ti、Mn、MoおよびWからなる群か
    ら選ばれた少なくとも1種を1重量%以上含む請求項2
    に記載の加熱炉炉床部材用Cr基合金。
JP10246598A 1998-04-14 1998-04-14 加熱炉炉床部材用Cr基合金 Pending JPH11293378A (ja)

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Effective date: 20040713