JPH11293237A - 冷凍源装置 - Google Patents

冷凍源装置

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JPH11293237A
JPH11293237A JP9332198A JP9332198A JPH11293237A JP H11293237 A JPH11293237 A JP H11293237A JP 9332198 A JP9332198 A JP 9332198A JP 9332198 A JP9332198 A JP 9332198A JP H11293237 A JPH11293237 A JP H11293237A
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cryogen
ice
temperature
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refrigeration
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Masao Umemoto
雅夫 梅本
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    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02EREDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
    • Y02E60/00Enabling technologies; Technologies with a potential or indirect contribution to GHG emissions mitigation
    • Y02E60/14Thermal energy storage

Abstract

(57)【要約】 【課題】 冷却または冷凍が可能となる低温を長時間に
わたって発生し、かつこれを保持できる冷凍源装置を提
供する。 【解決手段】 氷結固体と寒剤を直接接触させてなる冷
凍媒体を、冷凍源として、断熱容器内に収納してなる冷
凍源装置。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、氷結固体と寒剤
を用いた冷凍源装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来から冷蔵輸送には、蓄冷剤や保冷剤
が用いられている。これらは、水または塩の水溶液に炭
水化物等を加えたもので、徐々に放冷が行われ、長時間
にわたって保冷能をもつように工夫されている。しか
し、冷凍能力はない。
【0003】また、塩化ナトリウム、塩化カルシウム等
の10〜30%水溶液を氷結させたものが冷却浴として
用いられている。この冷却浴は、融解するまで、−10
〜−50℃の固有の温度を保つことが知られている。し
かし、この冷却浴の融解潜熱は大きくないため、長時間
の冷却力はない。その上、氷よりかなり低温である凝固
体を製造しなければならないという難点がある。さら
に、硝酸アンモニウム、硝酸カリウム等の寒剤を水に溶
かすか、氷に加えれば、冷却または冷凍が可能であるこ
とは知られている。しかし、この冷凍剤は、溶解時の吸
熱反応を利用するものであるため、寒剤が溶解した後
は、すぐに温度が上昇し長時間冷凍はできない。
【0004】以上のように、従来の冷凍剤は、いずれも
氷点下以下の低温を長時間保つことができない。
【0005】唯一、長時間冷凍能力をもつものとして
は、ドライアイスがある。現在のところ、冷凍輸送等に
おいて、これに代わりうる冷凍剤は提案されていない。
しかし、ドライアイスの製造には、特殊な製造設備が必
要であるという欠点と、製造源から−76℃のドライア
イスを各ユーザーの所に運搬しなければならないという
致命的な欠点がある。さらに、ドライアイスは、使用時
に適当な大きさに砕いて用いる必要があり、危険でもあ
る。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】この発明は、このよう
な技術的背景の下になされたもので、使用者が容易に製
造でき、取扱いが便利で、危険性がなく、冷却または冷
凍が可能となる低温を長時間にわたって発生し、かつこ
れを保持することができる冷凍源装置を提供することを
目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】この発明が提供する冷凍
源装置は、次の(1)〜(3)に記載のものである。 (1)氷結固体と寒剤を直接接触させてなる直接接触型
の冷凍媒体を冷凍源として断熱空間に収容してなる冷凍
源装置(以下、第1の冷凍源装置という。)。
【0008】(2)第1の冷凍源装置における寒剤に代
えて濃厚寒剤溶液を用いた冷凍源装置(以下、第2の冷
凍源装置という。)。
【0009】(3)氷結固体と寒剤溶液を熱伝導体を介
して間接接触させてなる間接接触型の冷凍媒体を、冷凍
源として有する冷凍源装置(以下、第3の冷凍源装置と
いう。)。
【0010】この発明において使用する寒剤としては、
塩酸塩、例えば塩化ナトリウム、塩化カリウム、塩化ア
ンモニウム等に代表されるもの、硝酸塩、例えば、硝酸
ナトリウム、硝酸カリウム、硝酸アンモニウム等に代表
されるもの、チオシアン酸塩、例えば、チオシアン酸ナ
トリウム、チオシアン酸カリウム、チオシアン酸アンモ
ニウム等に代表されるもの、さらに硫酸マグネシウム、
塩化カルシウム、塩化マグネシウム等のアルカリ土類の
硫酸塩または塩酸塩のn水塩、硫酸ナトリウム、硫酸カ
リウム、チオ硫酸ナトリウム、チオ硫酸カリウム等のn
水塩等を挙げることができる。ここで述べたn水塩を用
いる理由は、無水物は大きな融解熱を発生するからであ
る。無水塩であっても、あらかじめ濃厚な水溶液にして
おけば用いることができる。
【0011】これらの寒剤は、単独で用いるだけでな
く、混合して用いることもできる。特に、塩化ナトリウ
ムと硝酸アンモニウム、硝酸カリウム(ナトリウム)と
塩化アンモニウム、チオシアン酸アンモニウムと硝酸ナ
トリウム(カリウム)等の混合物はより低温を得やす
い。また、硝酸アンモニウムと尿素の組合せは、吸熱反
応が急速に進行するため、特に良好な結果が得られる。
【0012】この発明において使用する氷結固体として
は、家庭用の冷凍庫で容易に製造でき、融解潜熱の大き
いものであれば何でもよいが、それが最大の物質は水の
凝固体である氷であることから氷が最も良い。しかし、
尿素やポリエチレングリコール等の高分子などの少量の
物質が混合されていても、融解潜熱がそれほど減少しな
ければ、氷結固体に含めることができる。
【0013】混合寒剤のうち、硝酸アンモニウムと塩化
ナトリウム、チオシアン酸アンモニウムと硝酸カリウ
ム、チオシアン酸カリウムと硝酸カリウム、硝酸ナトリ
ウムと塩化アンモニウムの混合寒剤を使用する場合は、
それぞれ、塩化ナトリウム、硝酸カリウム、塩化アンモ
ニウムの割合は小さくてすむことから、氷結固体にこれ
らの塩を含ませておいても、融解潜熱に大きな減少は生
じない。
【0014】氷結固体と寒剤の割合は、低温維持時間と
寒剤の種類によって異なるが、基本的には、寒剤に固有
の到達温度所要量に依存する。通常はこの到達温度所要
量が寒剤量の目安となる。例えば、塩化アンモニウム
は、氷100gに対して25g加えることによって−1
6℃まで温度降下するので、25g用いればよい。しか
し、氷が融解するにしたがって、溶液が増加して寒剤の
溶解と氷の溶解が加速するため、低温維持はそれほど長
時間とはならない。そこで、その倍量の50gを加えて
おけば、時間が延長される。このように、相当の長時間
の低温維持を目的とする場合は、到達温度所要量の倍量
か、氷の約半量がおおよその目安となる。塩化アンモニ
ウム、塩化ナトリウム(カリウム)、塩化アンモニウム
と硝酸カリウム(ナトリウム)の組合せ、塩化ナトリウ
ムと硝酸アンモニウム(尿素を少量添加してもよい)の
組合せは、寒剤量が少量で済み、かつより低温が得られ
るので好ましい。
【0015】氷結固体と寒剤の直接接触は、例えば、次
のようにして実現する。
【0016】(1)氷結固体をあらかじめ作っておいて
袋に入れ(袋に水を入れて凍らせてもよい)そこへ寒剤
を直接接触するように入れる。
【0017】(2)袋の中で氷が作られ、その体積が膨
張すると、寒剤の入った袋が自動的に破れ、氷と寒剤と
が混ざるようなしくみにする。
【0018】(3)外からたたけば、寒剤の入った袋が
氷を入れた袋の中で破れ、氷と寒剤が混ざるようにす
る。
【0019】(4)氷結固体と寒剤を直接接触させて冷
凍媒体をつくる第4の方式として、図1に示す構造の媒
体容器を考案した。この媒体容器は、蓋2付きの容器1
である。
【0020】容器1には、雄ねじ3が45度間隔で設け
られ、開口部が筒状の突出口4となっいてる。蓋2に
は、前記雄ネジ3に螺合する雌ネジ5が45度間隔で設
けられている。蓋2の内部には、画壁2aで区画するこ
とによって寒剤収納部が形成されている。画壁2aに
は、前記突出口4に対応する位置に、同突出口4が挿入
される開口部2bが設けられている。蓋2の中には、開
口部2bに貼り付けた破れ易いアルミニウムの膜6で寒
剤8が封入される。突出口4と開口部2bと雄ねじ3と
雌ねじ5の位置関係は、突出口4を開口部2bに挿入し
て容器1に蓋2を被せ、20度くらい回すと、雄ねじ3
と雌のねじ5が係合する関係になっている。
【0021】冷凍媒体は、容器1に水を半分程度入れて
横にし、蓋2を半締めの状態で、家庭用冷凍庫等で冷却
し(−5〜−20℃)、水が氷7となったところで、容
器1を立ち上げて蓋2を締めてつくる。このとき、アル
ミニウムの膜6は突出口4によって突き破られ、寒剤8
が氷の横に落下するので、冷凍媒体をよく振って断熱箱
に入れ、輸送用等の冷凍源装置とする。
【0022】実験によれば、外袋の厚みが1mmのポリエ
チレン製ボトルを用い、硝酸アンモニウムを寒剤として
用いた場合、ボトル外壁の温度は、−7℃を示した。厚
みを減少させるとさらに低温となり、増加させるとより
高温となることから、冷凍源として有用なものとなるた
めには、厚みは2mm以内が望ましいと推定される。
【0023】氷結固体と寒剤の直接接触によって得られ
た冷凍媒体は、断熱容器(例えば、発泡スチロール製
等)等の断熱空間に入れて密閉した状態とする必要があ
る。この断熱容器に入れる理由は、単に外熱の遮断にあ
るのではなく、それが冷凍媒体に重要な作用をおよぼす
からである。すなわち、冷凍温度を長時間保持できるか
らである。
【0024】この発明において、断熱空間とは、断熱容
器の内空間をいい、断熱容器とは、熱伝導性の劣る材料
からなり、その内部に物を収容できる空間を有している
ものをいう。ここで、熱伝導性の劣る材料とは、熱伝導
率の小さい材質からなる物質をいい、具体的には、発泡
体、羊毛など古くから使われているものである。プラス
チックは、それ自体熱伝導率が小さく、それを発泡体と
したものはさらに小さい伝導率となり、かつ軽量である
ので、本発明に適している。空気の熱伝導率は最も小さ
いため、空気をはさんだ二重構造体も断熱容器を構成で
きる。その他、微細繊維、ガラスウール、紙、乾燥木材
(特に桐)、炭、綿、プラスチックチップ、微粉状ポリ
マーなども断熱容器の構成材料となりうる。
【0025】第2の冷凍源装置に置ける濃厚寒剤溶液と
は、寒剤を水に溶かしたものであるが、寒剤に固有の到
達温度所要量が必要量となる。
【0026】第3の冷凍源装置における熱伝導体には、
金属板、すなわち、銀、銅、金、鉄、アルミニウムなど
高熱伝導体の金属板の使用が不可欠で、厚みは数百ミク
ロン以下とすることが望ましい。上記高熱伝導体のう
ち、最も熱伝導率の低いアルミニウムからなる厚み20
0ミクロンの薄膜を使用し、片面側の0℃の氷と他面側
の硝酸アンモニウム30%液を間接接触させたところ、
−5℃の低温流体を得た。この実験から、氷の温度より
−10℃以上低い低温流体を得るには、銅、銀などの薄
膜を用いる必要があることが分かる。
【0027】
【作用】寒剤を氷と混合すると、氷点よりもずっと低い
温度が得られることはよく知られている。しかし、この
事実を冷凍源装置として利用し、これを冷凍輸送等の冷
凍源として応用した例はない。断熱空間内の氷と寒剤の
組合せが冷凍輸送等の冷凍源となるためには、次の
(1)〜(3)の条件が満たされなければならない。
【0028】(1)寒剤が氷に溶解する時の溶解熱がう
まく吸収されて、断熱空間において冷凍すべき物を温め
ないこと。
【0029】(2)冷凍温度を長時間保持できること。
【0030】(3)冷凍温度を継続して保持できるこ
と。
【0031】(1)については、氷と寒剤の組合せにお
いては、溶解熱はうまく氷の融解熱に使われ断熱空間に
放出されないため、他の物を冷凍しうるような低温が得
られる。すなわち、この組合せは、上記(1)の条件を
満たすことができる。
【0032】(2)については、氷と寒剤の組合せのみ
では、冷凍能力が数時間程度しかもたないことが知られ
ている。また、寒剤溶液を凍結させた低温固体を断熱容
器に入れた実験では、せいぜい10時間しかもたないこ
とがわかった。このように、(2)の条件を満足させる
ことは容易なことではない。しかし、寒剤と氷を直接接
触させた状態で袋に入れ、これを断熱容器に収納した場
合には、30時間という驚異的な長時間にわたって冷凍
温度を保持できることがわかった。
【0033】その理由の1つとしては、次のことが考え
られる。まず、最初の数時間における寒剤溶解による吸
熱反応により、断熱容器内の温度が氷点以下まで低下す
る。次に、これにより、寒剤の溶解速度と氷の融解速度
が低下する。その結果、氷が融解し終わるまでに極めて
長時間を要するようになるのではないかと考えられる。
【0034】ただし、この効果による低温保持時間は、
約20時間であり、上記30時間の説明はつかない。低
温保持時間がさらに10時間も長くなるのは、次にのべ
る冷凍温度を継続して保持できる効果がプラスされるた
めと考えられる。
【0035】さて、第1の冷凍源装置は、(3)の条件
も満たすことができる。すなわち、断熱容器内で、徐々
にではあるが、寒剤は溶解していくが、溶解し切った後
も、氷が残っている限り、氷点下の温度をかなり下回る
冷凍温度が継続して保持されていることがわかった。こ
の現象は、一見全く理解が困難と思われる。寒剤に関す
る過去のレポートによれば、低温は寒剤が溶解する時の
吸熱反応による結果であるとしており、寒剤が溶解して
しまった後は、温度は氷点である0℃に向かって上昇し
ていくはずであるからである。
【0036】しかし、発明者の実験によれば、氷が残っ
ている限り、寒剤が溶解して得られた寒剤溶液は、−7
〜−20℃といったかなり低い温度を継続して示した。
この事実は、寒剤と氷の組合せたが(3)の条件をも満
足することを意味する。前述した低温保持時間が30時
間と長時間になるのは、この効果によるやく10時間の
低温保持時間が加わるからである。
【0037】次に、発明者は寒剤溶液をいったん室温ま
で上昇させた後、0℃の氷と混ぜると、寒剤容液は−1
0℃程度となり、氷点よりかなり低い温度が得られるこ
とも見い出した。第2の冷凍源装置は、この事実を応用
したものである。
【0038】ただし、この濃厚寒剤溶液を利用する第2
の冷凍源装置は、固体の寒剤を用いる第1の冷凍源装置
に比較して、低温の持続時間がかなり劣るので、氷の量
を増やす必要がある。
【0039】次に、この原理を応用し、温度降下の大き
い寒剤を水に溶かした液と氷とを熱伝導体を介して接触
させると、寒剤溶液の温度は低下し、氷点下以下の低温
の液体が得られる。これが第3の冷凍源装置であり、こ
れによれば、得られた低温の寒剤溶液を利用して、他の
物を冷却することができる。
【0040】第3の冷凍源装置の特徴は、次の3点に要
約できる。
【0041】(1)低温の寒剤溶液は、氷点下よりもか
なり低い温度であり、かつ、流体であるため他の物とい
かようにも直接接触でき、よって冷却効果が大である。
【0042】(2)流体であるので、遠隔冷却と、循環
冷却が可能である。
【0043】(3)氷を夜間電力を利用して製造してお
き、昼にその氷を使用するようにすれば、省エネルギー
効果が得られる。
【0044】第3の冷凍源装置によれば、氷と寒剤溶液
を銅板、鉄板、銀板、金板、アルミニウム板といった最
良の熱伝導体を介して広い面積で接触させることによ
り、寒剤溶液を−10〜−25℃(断熱空間で接触さ
せ、かつ銅などの薄膜を用いた場合)まで冷却でき、こ
れを冷却に利用することができる。
【0045】上述したように、この効果によれば、例え
ば、寒剤溶液を良熱伝導体のパイプ等で循環させ、パイ
プに空気をふきつけ、冷却した気体を部屋に送り出し、
これを冷房することもできる。この装置は、氷を使用す
る場合に比較して、より低温体を利用しているため、冷
房能力のはるかに大きい、新しい冷房用クーラーを提供
できる。
【0046】
【発明の実施の形態】第1の冷凍源装置の実施の形態を
実施例1〜3によって説明する。
【0047】(実施例1)水300gを厚み200ミク
ロンの薄いビニール袋に入れ、この袋の中に寒剤として
硝酸アンモニウム75gと塩化ナトリウム75gを入れ
て氷とまぜ、袋を封止して冷凍媒体を作り、その媒体の
3分後の温度を測定したところ、−18〜−19℃であ
った。この冷凍媒体を発泡スチロール製の断熱箱(厚み
2cm、大きさ25cm(横)×15cm(縦)×15cm(高
さ)に入れて、媒体の温度を測定したところ、10時間
までは−20℃、その後15時間までは−15℃、その
後24時間までは−12℃であった。そして、24時間
後も氷約200gが残存しており、30時間の冷凍保存
が可能あることがわかった。この意味で、この実施例の
冷凍源装置は、ドライアイスをはるかにしのぐものであ
ることがわかった。
【0048】(実施例2)室温放置1時間でほぼ0℃と
なった氷に、その半分量の3種類の寒剤、すなわち、硝
酸アンモニウム(硝安)、硝酸アンモニウム(硝安)と
塩化ナトリウム(食塩)の1対1混合物及び塩化ナトリ
ウム(食塩)を加えたものを、それぞれビニール袋に封
入して冷凍媒体をつくり、その3分後の温度を測定し
た。
【0049】その結果、硝安を加えたものは−13℃、
硝安と食塩の混合物を加えたものは−20℃、食塩を加
えたものは−15℃となり、この3種類の寒剤の中で
は、硝安と食塩の組合せが、最も低温となった。また、
塩化アンモニウムを氷の半分量と、硝酸ナトリウムを塩
化アンモニウムの半分量加えたものは、−19℃となっ
た。各冷凍媒体を実施例1と同じ断熱箱に入れて、冷凍
媒体の外壁近くの温度を測定したところ、各冷凍媒体内
の温度より約8℃高いものの、冷凍に十分な低温であっ
た。
【0050】(実施例3)図1に示す蓋2付きの1リッ
トル容器1(厚み0.5mm、ポリエチレン製)を使用し
て下記の要領で冷凍媒体を作り、これを実施例1と同じ
断熱箱に入れて、その中の温度を測定した。
【0051】容器1は、雄ねじ3が設けられ、開口部が
筒状の突出口4となっている。蓋2は、前記雄ねじ3に
螺合する雌ねじ5が設けられている。蓋2の中には破れ
易いアルミニウムの膜6で寒剤である硝安と尿素8を封
入した。
【0052】冷凍媒体は、容器1に水を半分程度入れて
横にし、蓋2を半締めの状態で、冷却し、水が氷7とな
ったところで、容器1を立ち上げて蓋2を締めてつくっ
た。アルミニウムの膜6が突出口4によって突き破ら
れ、寒剤8が氷の横に落下したところで、冷凍媒体をよ
く振って断熱箱に入れた。ボトル外壁の温度を測定した
ところ、−15℃であった。
【0053】次に、第2の冷凍源装置の実施の形態を実
施例4、5によって説明する。
【0054】(実施例4)50gの氷を入れた極薄(厚
み100ミクロン以下)のポリエチレン袋の中に硝酸ア
ンモニウム(硝安)の50%水溶液25mlを入れて冷
凍媒体をつくり、硝安の水溶液の温度を測定したとこ
ろ、−4℃であった。この媒体を実施例1と同じ断熱箱
に入れ、その中の温度を測定したところ、約5時間、0
℃以下であった。
【0055】(実施例5)1リットルのポリエチレンボ
トル(肉厚1mm)に水850mlを入れ、−35℃の冷
凍庫で氷とした。
【0056】これを、しばらく室温に放置後、すなわ
ち、氷温度を0〜−5℃とした後、上部の空間部分に、
硝酸アンモニウム150gを入れて蓋をして冷凍媒体を
つくった。この冷凍媒体は、30分経過程度では、氷と
同程度の温度であり、冷凍力はなかった。
【0057】この媒体を実施例1と同じ断熱箱に、別の
凍った血清と一緒に入れておいた。その後、1時間経過
すると、硝酸アンモニウムが溶液化し始め、ボトルに霜
がつき始めるくらいに全体が冷え始め、2時間では約半
分が溶解し、液温は−15℃となり、血清は全く溶解す
ることはなかった。なお、スタートから30分経過くら
いまでは、血清はやや表面融解のきざしを見せたが、2
時間後では、再び完全凍結していた。
【0058】一般に、氷のみ、あるいは、氷と硝酸アン
モニウムを上述のような肉厚のボトルに入れた場合、全
く他の物を冷凍保存する能力はない。しかし、この実施
例の場合は、寒剤と氷を数時間、発泡スチロールの断熱
箱に入れたので、寒剤溶液と氷の両方が−15℃程度ま
で自己冷却し、全体として、−15℃となっていた。2
4時間後においても、氷はなお約半分が残り、寒剤溶液
の温度は−7℃で、一緒に入れておいた凍結血清は凍結
のままであった。氷が完全溶解するのに、38時間を要
した。
【0059】この実施例では、このようなメカニズムに
より、強力な冷凍媒体が1〜2時間で作られ、しかも自
己冷却した氷が融解しきるまで冷凍力を継続することが
わかった。なお、最初の1〜2時間は、冷凍能力はない
ので、別に氷をいっしょに入れておくなどの工夫を必要
とすると思われる。
【0060】次に、第3の冷凍源装置の実施例の形態を
実施例6によって説明する。
【0061】(実施例6)直径10cm、高さ17cmの有
底円筒形の発泡スチロール製断熱容器に水を7cm高まで
入れ、家庭用冷凍庫(−20℃)にて氷とした。水の表
面には、市販のアルミホイール(厚み約200ミクロ
ン)を深さ2cm、直径8cmの小皿状にして浮かべてお
き、氷ができるとともに、氷の表面にアルミ皿が乗って
いる状態とした。氷温度が上昇し、アルミ皿に水を入れ
ても氷とならないのを確認後、この皿に、硝酸アンモニ
ウム30%水溶液を3ml入れ、かきまぜながら温度を
測定した。温度は−5℃であった。
【0062】
【発明の効果】以上説明したように、この発明によれ
ば、上述のような構成としたので、冷凍が可能となる低
温を長時間にわたって発生し、かつこれを保持すること
ができるとともに、容易に製造することができ、取扱い
が便利で、危険性のない、冷凍源装置を得ることができ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】 実施例3の冷凍源装置を構成する冷凍媒体の
作成要領を示す図
【符号の説明】
1 容器 2 蓋 3 雄ねじ 4 突出口 5 雌ねじ 6 アルニミウムの膜

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 氷結固体と寒剤を直接接触させてなる直
    接接触型の冷凍媒体を冷凍源として断熱空間に収容して
    なる冷凍源装置。
  2. 【請求項2】 前記寒剤に代えて濃厚寒剤溶液を用いた
    請求項1記載の冷凍源装置。
  3. 【請求項3】 氷結固体と寒剤溶液を熱伝導体を介して
    間接接触させてなる間接接触型の冷凍媒体を冷凍源とし
    て有する冷凍源装置。
JP9332198A 1998-04-06 1998-04-06 冷凍源装置 Withdrawn JPH11293237A (ja)

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JP9332198A JPH11293237A (ja) 1998-04-06 1998-04-06 冷凍源装置

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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN113631204A (zh) * 2019-03-11 2021-11-09 救助科学技术有限责任公司 用于换热器的冷却单元
CN113631204B (zh) * 2019-03-11 2024-09-27 救助科学技术有限责任公司 用于换热器的冷却单元

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Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN113631204A (zh) * 2019-03-11 2021-11-09 救助科学技术有限责任公司 用于换热器的冷却单元
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