JPH11293023A - スチレン系樹脂押出発泡体 - Google Patents

スチレン系樹脂押出発泡体

Info

Publication number
JPH11293023A
JPH11293023A JP10095749A JP9574998A JPH11293023A JP H11293023 A JPH11293023 A JP H11293023A JP 10095749 A JP10095749 A JP 10095749A JP 9574998 A JP9574998 A JP 9574998A JP H11293023 A JPH11293023 A JP H11293023A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
foam
styrene
aliphatic
monomer
olefin
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP10095749A
Other languages
English (en)
Inventor
Masamichi Kaneko
正道 金子
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Asahi Chemical Industry Co Ltd
Original Assignee
Asahi Chemical Industry Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Asahi Chemical Industry Co Ltd filed Critical Asahi Chemical Industry Co Ltd
Priority to JP10095749A priority Critical patent/JPH11293023A/ja
Publication of JPH11293023A publication Critical patent/JPH11293023A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Manufacture Of Porous Articles, And Recovery And Treatment Of Waste Products (AREA)
  • Extrusion Moulding Of Plastics Or The Like (AREA)
  • Addition Polymer Or Copolymer, Post-Treatments, Or Chemical Modifications (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 剛性と引張特性に優れ、しかも独立気泡率が
高く、発泡体の表面外観も良好なポリスチレン系押出発
泡体の提供。 【解決手段】 スチレン系モノマーと脂肪族α−オレフ
ィンとの擬似ランダムコポリマーであって、スチレン系
モノマーセグメントの含有量が50〜80重量%、脂肪
族α−オレフィンセグメントの含有量が20〜50重量
%である擬似ランダムコポリマーからなる、独立気泡率
が80%以上の押出発泡体。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はスチレン系押出発泡
体に関し、更に詳しくはスチレン系モノマーと脂肪族α
−オレフィンとの擬似ランダムコポリマーからなり、独
立気泡性の高い押出発泡体に関する。
【0002】
【従来の技術】ポリスチレン系樹脂、及びポリエチレン
系樹脂の押出発泡体は断熱材、緩衝剤等に汎用されてい
る。しかしポリスチレン系樹脂発泡体は、柔軟性、弾性
回復性、繰り返しの緩衝性に欠ける。一方ポリエチレン
系樹脂発泡体は、剛性、耐熱性、耐クリープ性に乏しい
しいため各々の特性に合致した特定の条件で使用されて
いる。従来、この両者の望ましい特性を兼備した発泡体
を求める試みもあった。特公昭60−1338号公報に
はポリスチレン系樹脂、及びポリエチレン系樹脂両者の
混合対象樹脂の組合せの性格を流動特性比、スチレン樹
脂含有割合の関係と、目標とする25%圧縮強度との関
係で規制した混合条件を示す製造方法が開示されてい
る。
【0003】特開昭62−174237号公報には水素
化されたスチレン−ブタジエンブロック共重合体を相溶
化剤として、ポリオレフィン樹脂とポリスチレン樹脂を
混合した樹脂の押出発泡体が開示されている。しかし、
上記したようなポリスチレン系樹脂とポリエチレン系樹
脂との混合樹脂では、両者の非相溶性により相互の界面
は接着一体化はしておらず、押出発泡させた発泡体では
衝撃破壊が発生しやすいという問題があった。
【0004】ポリオレフィン樹脂とポリスチレン樹脂の
相溶化剤として、水素化されたスチレン−ブタジエンブ
ロック共重合体を用いたポリオレフィン樹脂とポリスチ
レン樹脂混合樹脂を用いた場合でも、微細な混合が不十
分になりやすく、加熱溶融樹脂のセル膜形成段階でセル
膜破膜が発生しやすく、独立気泡率の高い押出発泡体は
得られないという問題があった。一方、スチレン系モノ
マーと脂肪族α−オレフィンとからなる擬似ランダムコ
ポリマーは特開平3−163088号公報、特開平7−
70223号公報に開示されている。また特表平9−5
12038号公報には該擬似ランダムコポリマーをスチ
レン系ポリマーとオレフィン系ポリマーとの相溶化剤と
して用いることが記載されている。しかし、上記擬似ラ
ンダムコポリマーの発泡体に関しては、剛性及び引張特
性に優れた押出発泡体については知られていない。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は上記した問題
を解決し、剛性と引張特性に優れ、しかも独立気泡率が
高く、発泡体の表面外観も良好なポリスチレン系押出発
泡体を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者は上記課題を達
成するために鋭意検討した結果、発泡体の基材樹脂とし
て、特定のスチレン系モノマーと脂肪族α−オレフィン
からなる擬似ランダムコポリマーを選択することによ
り、従来のスチレン、ブタジエンブロックコポリマーを
基材樹脂とした発泡体に比べて剛性及び引張特性に優れ
る押出発泡体が得られることを見出した。
【0007】すなわち、本発明は、スチレン系モノマー
と脂肪族α−オレフィンとの擬似ランダムコポリマーで
あって、スチレン系モノマーセグメントの含有量が50
〜80重量%、脂肪族α−オレフィンセグメントの含有
量が20〜50重量%である擬似ランダムコポリマーか
らなる、独立気泡率が80%以上のスチレン系樹脂押出
発泡体であり、更に、上記スチレン系モノマーがスチレ
ン、脂肪族α−オレフィンがエチレンである上記スチレ
ン系樹脂押出発泡体である。
【0008】以下、本発明の内容について詳細に説明す
る。まず、本発明で使用する擬似ランダムコポリマーに
ついて説明する。本発明で有用な擬似ランダムコポリマ
ーは、脂肪族α−オレフィンとスチレン系モノマーから
なる擬似ランダムコポリマーである。これらの擬似ラン
ダムコポリマーは米国特許出願第545403号に記述
されている。更に特開平3−163088号公報あるい
は特表平9−512038号公報にも以下のような記述
が見られる。即ち、脂肪族α−オレフィンとスチレン系
モノマーの重合触媒として拘束幾何形状をもつ配位錯体
を含む触媒を用いることより、例えばスチレンのように
比較的嵩高のあるいは障害されたモノマーを実質的にラ
ンダムに組み入れたコポリマーを製造することができ
る。α−オレフイン特にエチレンと、障害脂肪族ビニリ
デン化合物またはスチレン系モノマーとのコポリマーは
更に「擬似ランダム」として記述される。即ち、このコ
ポリマーはいづれかのモノマーのブロック重合部を持た
ず、障害脂肪族ビニリデン化合物またはスチレン系モノ
マーは尾部から尾部への挿入のみが許され、次の挿入モ
ノマーはオレフィンでなければならないというものであ
る。
【0009】エチレンとスチレンの擬似ランダムコポリ
マーを例にとって重合の機構を説明する。エチレン及び
スチレンの付加重合反応中、もし障害モノマーであるス
チレンが成長する重合体鎖中に挿入されるならば、挿入
される次のモノマーはエチレンであるか、又は逆の形で
挿入された障害モノマーでなければならないと考えられ
る。一方のエチレンは何時でも挿入できる。逆の障害モ
ノマーが付加した後、次に付加されるモノマーはエチレ
ンでなければならない。障害モノマーの付加は、既に付
加された障害置換基の立体障害によるものと考えられ
る。
【0010】従って、擬似ランダムコポリマーはポリマ
ー骨格上で置換されているすべてのフェニル、または嵩
高な障害性の基が2個以上のメチレン基によって分離さ
れているという特徴を持つ。本発明の障害モノマーを含
むポリマーは、例えば障害モノマーがスチレンの場合、
化1に示される一般式によって記述される。式中、j、
k、lは1以上の整数である。
【0011】
【化1】
【0012】該擬似ランダムコポリマーに配合されるス
チレン系モノマーとは、化2により示されるスチレン系
モノマーである。
【0013】
【化2】
【0014】化2において、R1は水素及び3個以下の
炭素を含むアルキル基からなる基の群から選ばれ、Ar
はフェニル基、又はハロゲン、Cが1〜4のアルキル及
びCが1〜4のハロアルキルからなる群から選ばれる1
〜5個の置換基により置換されているフェニル基であ
る。スチレン系モノマーの中で好ましいものは、常温で
液体である点と重合反応性の点からスチレン、α−メチ
ルスチレン、スチレンの低級アルキル−又はフェニル環
置換誘導体例えばオルト−、メタ−及びパラ−メチルス
チレン、又はこれらの混合物、並びに環ハロゲン化スチ
レンを含むものである。より好ましくは汎用性の高さの
点でスチレンである。
【0015】該擬似ランダムコポリマーに含まれる脂肪
族α−オレフィンは、2−18個の炭素原子を有する脂
肪族及びシクロ脂肪族α−オレフィンである。そして好
ましくは、2−8個の炭素原子を有するα−オレフィン
である。更に好ましくは、エチレン又はプロピレンであ
る。前記した「障害脂肪族ビニリデン化合物」は、式C
2=CG′R″〔R″は20個までの炭素の立体的に
嵩高な脂肪族置換分であり;Gはそれぞれの場合に独立
に水素またはメチルであり;G′はそれぞれの場合に独
立に水素またはメチルであり;あるいはG′とR″は一
緒になって環系を形成する〕に相当する付加重合性ビニ
リデンモノマーを意味している。立体的に嵩高いとはこ
の置換分をもつモノマーがエチレン重合に匹敵する速度
で標準チグラー・ナツタ重合触媒によって通常には付加
重合をなしえないことを意味している。
【0016】本発明の発泡性粒子では、ポリマー中に該
障害脂肪族ビニリデン化合物を含むことができる。好ま
しい障害脂肪族ビニリデン化合物は、重合反応性及びコ
ストの点からエチレン性不飽和をもつ炭素原子の1つが
第3級または第4級置換されているモノマーである。こ
のような置換分の例として環状脂肪族基、たとえばシク
ロヘキサン、シクロヘキセン;または環状アルキルまた
はそのアリール置換誘導体、第3級ブチル、ノルボルニ
ルなどがあげられる。最も好ましい障害脂肪族ビニリデ
ン化合物はシクロヘキサンおよび置換シクロヘキサンの
種々の異性体ビニル環置換誘導体、および5−エチリデ
ン−2−ノルボルネンである。
【0017】本発明の押出発泡体に用いる該擬似ランダ
ムコポリマーに配合されるスチレン系モノマーのセグメ
ントとは、ポリマー中に含まれるスチレン系モノマーで
構成される成分である。スチレン系モノマーのセグメン
トの含量(測定条件:ポリマーの赤外線吸収スペクトル
でのスチレン特性吸収の強度より測定する。)は、発泡
体の剛性を高める上で好ましくは、50〜80重量%、
更に好ましくは65〜80重量%である。また 該擬似
ランダムコポリマーに配合される脂肪族α−オレフィン
のセグメントとはポリマー中に含まれる脂肪族α−オレ
フィンで構成される成分である。脂肪族α−オレフィン
のセグメントの含量は、発泡体の引張特性を高め耐割れ
性を増進する上で好ましくは、20〜50重量%、更に
好ましくは20〜35重量%である。
【0018】本発明の押出発泡体に用いる該擬似ランダ
ムコポリマーの重量平均分子は、13000より大きい
ものが好ましい。またメルトインデックスは0.01−
100、更に好ましくは0.01−25そして最も好ま
しくは0.05−6(ASTMD−1238Proce
dureA、条件E)である。本発明の押出発泡体に用
いる脂肪族α−オレフィン、及びスチレン系モノマーか
らなる実質的に擬似ランダムなコポリマーは、3単位よ
り多いスチレンモノマーのブロックを含有しても良い
が、擬似ランダムの特性を保持できる点で、該ブロック
に含まれるスチレン系モノマーはスチレン系モノマー合
計の15重量%以下である。更に好ましくは、該擬似ラ
ンダムコポリマーは高度のイソタクティシティ又はジン
ジオタクティシティの何れかを特徴とするものではな
い。これは、実質的にランダムなコポリマーの13C−N
MRスペクトルにおいて、メソダイアド配列或いはラセ
ミダイアド配列の何れかを表す主鎖メチレン、及びメチ
ン炭素に相当するピーク領域が、主鎖メチレン及びメチ
ン炭素の仝ピーク領域の75%(領域比)を超えてはな
らないということである。
【0019】実質的に擬似ランダムなコポリマーの製造
中、高温度でのスチレン系モノマーのホモ重合により或
る量のアタクチックスチレン系ポリマーが形成される。
一般に重合温度が高くなればなるほど、形成されるホモ
ポリマーの量は増大する。スチレン系ホモポリマーの存
在は、一般に本発明の目的にとり有害ではなく許容でき
るものである。スチレン系ホモポリマーは所望により、
例えば好適な抽出剤、アセトン又はクロロホルムによる
抽出により分離できる。本発明の目的のためには、20
重量%以下、更に好ましくは15重量%より少ないスチ
レン系ホモポリマーが存在する。実質的に擬似ランダム
なコポリマーは、それらの物性が実質的に影響されない
ならば、当業者に周知のグラフト化、水素化、官能化又
は他の反応により変性することができる。またポリマー
をスルホン化又は塩素化し官能化された誘導体をもたら
すことができる。
【0020】該擬似ランダムコポリマーは、米国特許出
願第545403号に記載されているように製造でき
る。また疑似ランダムコポリマーを製造するための好適
な触媒及び方法の例は、米国特許出願第545403
号、547718号、702475号、876268
号、8003号、34434号、82197号、並びに
米国特許第5055438、5057475、5096
867、5064802、5132380及び5189
192号の各明細書に開示されているような金属配位錯
体であり、4族またはランタナイドを基材とする錯体が
好ましい。更に好ましくは、シクロペンタジエニルまた
は置換ペンタジエニル基であり金属原子と環構造を形成
する脱局在化η5結合基を含む錯体等である。好適な触
媒の具体例としては、(第3級ブチルアミド)ジメチル
(テトラメチル−η5 −シクロペンタジエニル)−シラ
ンチタンジクロライド、あるいは、(フェニルアミド)
ジメチル(テトラメチル)−η5 −シクロペンタジエニ
ルジシランチタンジクロライド〔(C5 Me4 )SiM
2 (N−フエニル)〕TiCl2 等である。
【0021】本発明においては、脂肪族α−オレフィン
とスチレン系モノマーからなる擬似ランダムコポリマー
はポリスチレン系ポリマーと混合して用いることができ
る。混合割合は、ポリスチレン系ポリマー発泡体の引張
特性を改善しつつ剛性を保持できる点から擬似ランダム
コポリマーが1〜99重量%、好ましくは10〜90重
量%、更に好ましくは30〜70重量%である。ここで
混合するポリスチレン系ポリマーとは、ポリスチレン、
ゴム変性高衝撃性ポリスチレン、少なくとも50重量%
以上のスチレン成分と他の重合可能なモノマーとの共重
合体樹脂である。共重合可能なモノマーとしてはメチル
スチレン、アクリロニトリル、アクリル酸もしくはメタ
クリル酸と1〜8個の炭素数を有するアルコールとのエ
ステル、マレイン酸、無水マレイン酸等である。
【0022】本発明において、脂肪族α−オレフィンと
スチレン系モノマーからなる擬似ランダムコポリマーを
用いた押出発泡体を得る方法は次の通りである。即ち、
押出機にポリマーを供給し溶融混練させ、押出機に取り
付けた有機発泡剤を注入してポリマーと混合し適正な発
泡温度まで冷却して、大気圧下に押出発泡させる方法で
ある。
【0023】本発明で用いられる発泡剤としては、常圧
における沸点が−30〜+100℃の範囲にある有機発
泡剤、例えばプロパン、ブタン、ペンタン、ヘキサン、
ヘプタン、石油エーテル等の脂肪族炭化水素及びシクロ
ペンタン、ジクロルヘキサン等の環状脂肪族炭化水素、
及び塩化メチル、塩化メチレン、塩化エチル、臭化メチ
ル、1.1.1.2テトラフルオロエタン、1.1ジフ
ルオロエタン、1クロロ1.1ジフルオロエタン、1.
1.1トリフルオロエタン、ジクロロジフルオロメタ
ン、1,2−ジクロロテトラフルオロエタン、モノクロ
ロトリフルオロエタン等のハロゲン化炭化水素類または
これらの混合物等を挙げることができる。これらのう
ち、ブタン、ペンタン等の炭化水素類、1.1.1.2
テトラフルオロエタン、1.1ジフルオロエタンはオゾ
ン層破壊係数がゼロである点で好ましく、とりわけブタ
ン、ペンタン等の炭化水素類はオゾン層破壊係数がゼロ
であり、かつ地球温暖化係数がゼロである点で更に好ま
しい。
【0024】本発明では、ポリマー1kgに対し発泡剤
を0.5〜3.0モル量を圧入させるのが好ましい。
0.5モル量未満では発泡が不十分であり、3.0モル
量を越えると発泡倍率が高くなりすぎて良好な発泡体が
得られない。また本発明で得られる発泡体の密度は、1
0〜200kg/m3 の範囲が好ましい。10kg/m
3 未満では圧縮強度性能が低下し、200kg/m3
越えると発泡体の加工が困難になる。
【0025】また、本発明においてはポリマーには必要
に応じて、通常使用される気泡核形成剤を添加すること
ができる。この気泡核形成剤としては例えばタルク、酸
化ケイ素のような無機微粉末やステアリン酸亜鉛、ステ
アリン酸カルシウムのような有機微粉末、クエン酸、炭
化水素ナトリウムのような加熱によりガスを発生する微
粉末等が用いられる。更にポリマー中には染顔料、滑
剤、充填剤、離型剤、可塑剤、帯電防止剤、発泡核剤、
紫外線安定剤等の添加剤を加えることができる。
【0026】発泡体の特性としては、発泡体の密度、圧
縮強度、引張破断伸度、独立気泡率等がある。発泡体の
密度は発泡体の質量を外形から求まる体積で除したもの
であり、密度が小さい程発泡体の軽量化が計られること
になる。圧縮強度は発泡体の剛性を示す指標となる。圧
縮強度が大きい程発泡体にかかる加重に対する変形度合
いが少ない。通常、押出発泡体では10%圧縮時の強度
を指標としている。引張特性は発泡体の破断伝播性の指
標となる。引張破断伸度が大きい程、衝撃破断への耐性
が大きい。独立気泡率は発泡体を構成する気泡の気泡膜
が破膜しておらず、気泡が隣の気泡と空気の出入りのな
い独立した気泡である部分の比率をいう。独立気泡率が
低下すると発泡体の圧縮強度が下がり、圧縮後の寸法回
復性も低下する。
【0027】
【発明の実施の形態】以下に実施例によりさらに詳細に
本発明を説明するが、本発明はこれらに限定されるもの
ではない。なお、実施例、比較例中の発泡体の性質は以
下のようにして測定し評価した。 (1)発泡体の密度 JIS K6767に従い測定した。 (2)発泡体の10%圧縮強度 JIS Z0234に準拠して測定し、以下のように評
価した。 記 号 10%圧縮強度値 ◎ 0.30 MPa以上 ○ 0.20 MPa以上 0.30MPa未満 △ 0.10 MPa以上 0.20MPa未満 × 0.10 MPa未満
【0028】(3)発泡体の引張破断伸度 JIS K6767に準拠して測定し、以下のように評
価した。 記 号 引張破断伸度値 ◎ 20% 以上 ○ 10% 以上 20%未満 △ 5% 以上 10%未満 × 5% 未満 (4)発泡体の独立気泡率 ASTM D2856に記載されているエアーピクノメ
ーター法により測定し以下のように評価した。 記 号 独立気泡率 ◎ 90 %以上 ○ 80 %以上 90 %未満 △ 70 %以上 80 %未満 × 70 %未満
【0029】(5)発泡体の外観 表面外観を観察し、以下のように評価した。 記 号 外観 ◎ 平滑でスキン面の毛羽立ち、白濁がない。 ○ 平滑でスキン面の毛羽立ちが無いが、局部的に白濁がある。 △ 平滑であるが、スキン面に毛羽立ちがあり、白濁部分も多い。 × 発泡体に凹凸があり、スキン面は毛羽立ちが激しく全体に白濁し ている。
【0030】
【実施例1】(1)擬似ランダムコポリマーの製造 撹拌機付きのステンレス製反応器に150mlの混合ア
ルカン溶媒(エクソン社製Isopar−E)、500
mlのスチレンモノマーおよび8mlの15%メチルア
ミノキサン−トルエン溶液を充てんした。反応器を温度
90℃に加熱し、更に反応器を1240kPa(180
psig)のエチレンで飽和させ、20μモルの(フェ
ニルアミド)ジメチル(テトラメチル)−η5−シクロ
ペンタジエニルジシランチタンジクロライド〔(C5
4)SiMe2(N−フエニル)〕TiCl2を加えて
重合を始めた。エチレンを1240kPa(180ps
ig)になるよう供給した。60分後に溶液反応器から
少量の酸化防止剤を含む容器に排出させ、得られたポリ
マーを真空下で乾燥した。13CのNMR分析(詳細条
件:スペクトルのケミカルシフト25、27、30、3
4、37、46ppm値、及びその強度比よりスチレン
に起因するCの存在割合を算出した)によればポリマー
中のスチレン成分は76重量%(46モル%)であっ
た。アイソタクチック、アタクチックまたはシンジオタ
クチックの系列は観察されなかった。
【0031】(2)押出発泡体の製造 上記で得られた擬似ランダムコポリマー(表1のRSE
1)を、口径65mmの押出機に連続的に60kg/h
rでタルク60g/hrと共に供給し溶融混練させた。
更に押出機の先端に取り付けた発泡剤注入口より、1.
1.1.2テトラフルオロエタンとブタン5対5モル比
からなる混合発泡剤を連続的に6kg/hrを圧入し用
入混練させた後、冷却装置で110℃まで冷却して口径
8mmの円孔オリフィスを付したダイスより大気中に押
出発泡させた。得られた発泡体は径が約60mmの円柱
状で、密度は35kg/m3であった。得られた発泡体
の性能は表2に示される通りであり、圧縮強度、引張伸
度、独立気泡率、外観とも優れたものであった。
【0032】
【実施例2】実施例1に示されるのと同様な方法で表1
に示される条件でRSE2のポリマーを製造した。RS
E2のポリマーを用い、実施例1と同様の方法で押出発
泡を行った。ただし、発泡剤注入量14kg/hrに増
やした。得られた発泡体の密度は25kg/m3であっ
た。発泡体の性能を表2に示す。
【0033】
【実施例3〜4】実施例1に示されるのと同様な方法で
表1に示される条件でRSE3、RSE4のポリマーを
製造した。RSE3、4を用い、実施例1と同様にして
発泡体を製造した。得られた発泡体の性能を表2に示
す。
【0034】
【実施例5】実施例1で得られたポリマーRSE1の3
0重量部をポリスチレン(旭化成工業製スタイロン68
0)70重量部とを溶融混練させたポリマーを用い、実
施例1で行ったのと同様にして発泡体を製造した。得ら
れた発泡体の性能を表2に示す。
【0035】
【実施例6】実施例1で得られたポリマーRSE1の7
0重量部とポリスチレン(旭化成工業製スタイロン68
0)30重量部とを溶融混練させたポリマーを用い、実
施例1で行ったのと同様にして発泡体を製造した。得ら
れた発泡体の性能を表2に示す。
【0036】
【比較例1】ポリスチレン(旭化成工業製スタイロン6
80)60重量部と水素添加したスチレンブタジエンブ
ロックコポリマー(旭化成工業製タフテックH105
2)40重量部を溶融混練させたポリマーを用い、実施
例1で行ったのと同様にして発泡体を製造した。得られ
た発泡体の性能はを表2に示されるように10%圧縮強
度が小さく剛性に劣り、ゴム成分が多いため気泡膜が破
膜されやすく独立気泡率が低下したものであり、外観も
劣るものであった。
【0037】
【比較例2】ポリスチレン(旭化成工業製スタイロン6
80)60重量部、ポリエチレン(旭化成工業製サンテ
ックQ902)30重量部、及び水素添加したスチレン
ブタジエンブロックコポリマー(旭化成工業製タフテッ
クH1052)10重量部を溶融混練させたポリマーを
用い、実施例1で行ったのと同様にして発泡体を製造し
た。得られた発泡体の性能は表2に示されるように、ミ
クロな分散とポリエチレン、ポリスチレン両樹脂の接着
が不十分なことにより引張特性や独立気泡率のやや劣る
ものであった。。
【0038】
【表1】
【0039】
【表2】
【0040】
【発明の効果】本発明によれば、剛性と引張特性に優
れ、しかも独立気泡率が高く、発泡体の表面外観も良好
なポリスチレン系樹脂押出発泡体を得ることができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI B29K 23:00 25:00 105:04 C08L 25:08

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 スチレン系モノマーと脂肪族α−オレフ
    ィンとの擬似ランダムコポリマーであって、スチレン系
    モノマーセグメントの含有量が50〜80重量%、脂肪
    族α−オレフィンセグメントの含有量が20〜50重量
    %である擬似ランダムコポリマーからなる、独立気泡率
    が80%以上のスチレン系樹脂押出発泡体。
  2. 【請求項2】スチレン系モノマーがスチレン、脂肪族α
    −オレフィンがエチレンである請求項1記載のスチレン
    系樹脂押出発泡体。
JP10095749A 1998-04-08 1998-04-08 スチレン系樹脂押出発泡体 Pending JPH11293023A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP10095749A JPH11293023A (ja) 1998-04-08 1998-04-08 スチレン系樹脂押出発泡体

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP10095749A JPH11293023A (ja) 1998-04-08 1998-04-08 スチレン系樹脂押出発泡体

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH11293023A true JPH11293023A (ja) 1999-10-26

Family

ID=14146157

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP10095749A Pending JPH11293023A (ja) 1998-04-08 1998-04-08 スチレン系樹脂押出発泡体

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH11293023A (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2002302566A (ja) * 2001-02-02 2002-10-18 Atofina ポリマーを発泡させるためのHFC−134a及びシクロペンタンを基材とする発泡剤

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2002302566A (ja) * 2001-02-02 2002-10-18 Atofina ポリマーを発泡させるためのHFC−134a及びシクロペンタンを基材とする発泡剤

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP4691182B2 (ja) クロス共重合化オレフィン−スチレン−ジエン共重合体、その製造方法及びその用途
TW522160B (en) Filled polymer compositions
JP5408832B2 (ja) マクロセル状音響発泡体の製造方法
TW572959B (en) A foamable polymer composition, a foam and a method of improving the abrasion resistance of a foam
JP4011962B2 (ja) ポリプロピレン系樹脂押出発泡シートの製造方法、製造された押出発泡シートおよび該発泡シートからなる成形体
JP2003532749A (ja) ハロゲン化難燃性組成物および発泡体およびそれらからの二次加工品
AU757026B2 (en) Process for producing extruded foam
US6087447A (en) Blends of substantially random interpolymers with vinyl or vinylidene aromatic polymers
EP0923616B1 (en) Blends containing an interpolymer of alpha-olefin
US6410649B1 (en) Resin composition
JP2002533478A (ja) アルファ−オレフィン/ビニリデン芳香族モノマーから作られたインターポリマー類と芳香族ポリエーテル類の熱可塑性ブレンド物
JP3918267B2 (ja) ポリオレフィン樹脂組成物、発泡用ポリオレフィン樹脂組成物および発泡体
JPH11293023A (ja) スチレン系樹脂押出発泡体
TW593474B (en) Acoustic foam with improved fire resistance
JP4226088B2 (ja) プロピレン系共重合体
JP3355816B2 (ja) 改質ポリプロピレンの製造法および成形品
JPH10273574A (ja) ゴム変成耐衝撃性ポリスチレン系樹脂組成物
JPH11293026A (ja) スチレン系発泡性粒子および発泡体
JP5043252B2 (ja) 改質ポリプロピレン組成物およびそれから得られる発泡体
JP2001139717A (ja) ポリプロピレン系樹脂組成物からなる発泡シートおよびそれよりなる成形体
JP2000119457A (ja) エラストマー組成物及びその成型品
JP4147619B2 (ja) ポリオレフィン系樹脂発泡体組成物
JPH06104738B2 (ja) 耐衝撃性ポリオレフインの製造方法
JPH07228646A (ja) ブロック共重合体の製造方法
JP2001253978A (ja) オレフィン系樹脂組成物