JPH11292930A - 共重合樹脂 - Google Patents

共重合樹脂

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JPH11292930A
JPH11292930A JP9877398A JP9877398A JPH11292930A JP H11292930 A JPH11292930 A JP H11292930A JP 9877398 A JP9877398 A JP 9877398A JP 9877398 A JP9877398 A JP 9877398A JP H11292930 A JPH11292930 A JP H11292930A
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JP
Japan
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mol
group
meth
general formula
copolymer resin
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JP9877398A
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English (en)
Inventor
Kenji Ueda
健治 植田
Satoshi Shioda
聡 塩田
Tomoaki Mukoyama
智明 向山
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Dai Nippon Printing Co Ltd
Inctec Inc
Original Assignee
Dai Nippon Printing Co Ltd
Inctec Inc
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 本発明は、カルボキシル基等のアルカリ可溶
性基や(メタ)アクリロイル基等のラジカル重合性基の
含有量の制御可能な新規な共重合樹脂の提供にあり、カ
ラーフィルタ保護膜形成用として適したものである。 【解決手段】 本発明の共重合樹脂は、下記一般式
(1)、(2)で示される構成単位が、そのカルボキシ
ル基または水酸基を介して(メタ)アクリロイルアルキ
ルイソシアネート化合物とそれぞれ一部が反応した生成
物を構成単位とし、下記一般式(1)に由来する構成単
位を5モル%〜55モル%、下記一般式(2)に由来す
る構成単位を5モル%〜95モル%含有し、(メタ)ア
クリロイル基を5モル%〜95モル%含み、酸価が5m
gKOH/g〜400mgKOH/gであり、かつポリ
スチレン換算重量平均分子量が10,000〜1,00
0,000である。 【化1】 (式中、Rは水素、または炭素数1〜5のアルキル基、
1 は炭素数2〜4のアルキレン基を表わす。)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、新規な共重合樹脂に関
し、特に、カラーフィルタ保護膜形成用に適したアルカ
リ現像型光硬化性共重合樹脂に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、フラットディスプレーとして、カ
ラーの液晶表示装置が注目されている。一般に、カラー
液晶表示装置は、カラーフィルタと対向電極基板とを対
向させ、その間隙部(1〜10μm)に液晶層を形成し
た構造である。カラーフィルタは、透明基板上にブラッ
クマトリックスと複数の色(通常、赤(R)、緑
(G)、青(B)の3原色)からなる着色層、または、
最近ではカラーホログラムを備え、この上に保護膜と透
明電極が順に積層された構造である。そして、各色の着
色層R、G、Bのそれぞれの画素やカラーホログラムに
対応する部分の液晶層の光透過率を制御することにより
カラー画像を得るように構成されている。
【0003】このようなカラーフィルタを構成する保護
膜は、カラーフィルタが着色層からなる場合には、その
保護とカラーフィルタの平坦化の役割を果たしている。
一般に、カラー液晶表示装置では、カラーフィルタの透
明基板表面のうねりに起因するギャップムラ、R、G、
B画素間でのギャップムラあるいはR、G、Bの各画素
内でのギャップムラが存在して透明電極の平坦性が損な
われるという問題があり、色ムラ、コントラストムラが
生じ、画像品質の低下を来すことになる。特に、STN
方式のカラー液晶表示装置では、平坦性が画像品質に大
きな影響を与えるため、保護膜の平坦化の機能は極めて
需要である。
【0004】また、保護膜は、カラーフィルタと対向電
極基板との接着性が重要であるが、カラーフィルタと対
向電極基板とを接着した後の表示品質検査で不良と判断
された場合のカラーフィルタの再利用適性を考慮する
と、透明基板上の着色層を被覆する特定領域にのみ形成
することが好ましい。このため、保護膜形成は、硬化す
べき部分をマスクによって限定することが容易な光硬化
性の樹脂を用いて行われている。
【0005】また、従来の保護膜形成用の樹脂は、露光
後の現像において有機溶剤を使用するものであり、取り
扱いおよび廃液処理の点で煩雑であり、経済性、安定性
に欠けるものであり、このような問題を解決するため
に、光硬化性樹脂に酸性基を導入し、露光後の現像をア
ルカリ現像とすることを可能とした光硬化性樹脂が開発
されている。
【0006】そして、このようなアルカリ可溶性光硬化
性樹脂として、例えば重量平均分子量が約2,000の
o−クレゾールノボラックエポキシアクリレート等が知
られているが、アルカリ可溶性を規定するカルボン酸
基、また、硬化性を規定するアクリロイル基をモノマー
単位として有することから樹脂中におけるカルボン酸基
やアクリロイル基の割合が一定となるものである。
【0007】また、一般にアクリロイル基等のラジカル
反応性基を導入する方法として、例えばウレタンアクリ
レートの調製方法としては、ジオール類にジイソシアネ
ートを反応させて、ジイソシアネート基を過剰とするこ
とで反応物の末端にイソシアネート基を残し、このイソ
シアネート基を2−ヒドロキシルエチルメタクリレート
とを反応させ、末端にメタクロイル基等のラジカル重合
性基を導入する方法が知られているが、導入されるメタ
クロイル基は原理的には両末端にしか導入されない。さ
らに、(メタ)アクリロイル基を2個以上有する化合物
を一部含有させてラジカル重合させる方法も考えられる
が、ラジカル反応性基の含有量を制御することはでき
ず、ゲル化等の問題もある。
【0008】このように、従来の光硬化性樹脂において
は、カルボキシル基等のアルカリ可溶性基や(メタ)ア
クリロイル基等のラジカル重合性基を、その硬化性、ア
ルカリ可溶性等を考慮して制御することは困難であっ
た。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、アルカリ可
溶性基や(メタ)アクリロイル基等のラジカル重合性基
の含有量の制御可能な新規な共重合樹脂の提供を課題と
し、特に、カラーフィルタ保護膜形成用として適した共
重合樹脂の提供を課題とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明の新規な共重合樹
脂は、下記一般式(1)、(2)で示される構成単位
が、そのカルボキシル基または水酸基を介して(メタ)
アクリロイルアルキルイソシアネート化合物とそれぞれ
一部が反応した生成物を構成単位とし、下記一般式
(1)に由来する構成単位を5モル%〜55モル%、下
記一般式(2)に由来する構成単位を5モル%〜95モ
ル%含有し、(メタ)アクリロイル基を5モル%〜95
モル%含み、酸価が5mgKOH/g〜400mgKO
H/gであり、かつポリスチレン換算重量平均分子量が
10,000〜1,000,000であることを特徴と
する。
【0011】
【化3】
【0012】(式中、Rは水素、または炭素数1〜5の
アルキル基、R1 は炭素数2〜4のアルキレン基を表わ
す。) 上記の共重合樹脂が、共重合成分として、さらに、下記
一般式(3)で示される構成単位を0モル%〜75モル
%、下記一般式(4)で示される構成単位を0モル%〜
75モル%含有することを特徴とする。
【0013】
【化4】
【0014】(式中、Rは水素、または炭素数1〜5の
アルキル基、R2 は芳香族炭素環、R3 はアルキル基、
またはアラルキル基を表わす。)
【0015】
【発明の実施の形態】以下、本発明の新規な共重合樹脂
について説明する。上記一般式(1)〜(4)で示され
る共重合成分におけるRは水素、または炭素数1〜5の
アルキル基であり、アルキル基としては、メチル基、エ
チル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル
基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチ
ル基、n−ペンチル基等が例示される。
【0016】一般式(1)で示される共重合成分は、ア
ルカリ現像性に寄与する成分であり、この構造単位を導
入するために使用される単量体としては、アクリル酸、
メタクリル酸、2−カルボキシ−1−ブテン、2−カル
ボキシ−1−ペンテン、2−カルボキシ−1−ヘキセ
ン、2−カルボキシ−1−ヘプテン等が例示される。こ
の一般式(1)で示される共重合成分は、アルカリ可溶
性を目的として含有させる共重合成分であり、その含有
量は共重合樹脂に要求されるアルカリ可溶性の程度によ
り調整される。そして、一般式(1)で示される共重合
成分の含有量は5モル%〜55モル%、好ましくは10
モル%〜25モル%とされる。
【0017】また、一般式(2)で示される共重合成分
は、基本的には(メタ)アクリロイル基が導入される成
分であり、R1 としてはエチレン基、プロピレン基、ブ
チレン基等である。この構造単位を導入するために使用
される単量体としては、具体的には、2−ヒドロキシエ
チルアクリレート、2−ヒドロキシエチルメタクリレー
ト、2−ヒドロキシプロピルアクリレート、2−ヒドロ
キシプロピルメタクリレート、4−ヒドロキシブチルア
クリレート、4−ヒドロキシブチルメタクリレート等が
例示される。この一般式(1)で示される共重合成分
は、水酸基を介して(メタ)アクリロイルアルキルイソ
シアネート化合物と反応し、(メタ)アクリロイル基が
導入される共重合成分であり、その含有量は共重合樹脂
に要求される光重合性の程度により調整される。そし
て、一般式(2)で示される共重合成分の含有量は5モ
ル%〜95モル%、好ましくは10モル%〜50モル%
とされる。
【0018】本発明の共重合樹脂は、上記の一般式
(1)で示される共重合成分と一般式(2)で示される
共重合成分とを含有することを特徴とするが、他の共重
合成分としては、一般式(3)、一般式(4)で示され
る共重合成分が挙げられる。
【0019】一般式(3)で示される共重合成分は、本
発明の共重合樹脂をカラーフィルタ保護膜等の塗膜形成
用とする際に、共重合樹脂に塗膜性を付与する成分であ
り、R2 としては、フェニル基、ナフチル基等の芳香族
環が例示される。この構造単位を導入するために使用さ
れる単量体としては、例えば、スチレン、α−メチルス
チレンであり、また、その芳香族環は塩素、臭素等のハ
ロゲン原子、メチル基、エチル基等のアルキル基、アミ
ノ基、ジアルキルアミノ基等のアミノ基、シアノ基、カ
ルボキシル基、スルフォン酸基、燐酸基等で置換されて
いてもよい。そして、一般式(3)で示される共重合成
分の含有量は0モル%〜75モル%、好ましくは5モル
%〜50モル%とされる。
【0020】更に、一般式(4)で示される共重合成分
は、本発明の共重合樹脂をアルカリ現像型カラーフィル
タ保護膜形成用とする際に、アルカリ現像性を抑制する
成分であり、R3 としては、炭素数1〜12のアルキル
基、ベンジル基、フェニルエチル基等のアラルキル基が
例示される。この構造単位を導入するために使用される
単量体としては、例えば、(メタ)アクリル酸メチル、
(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸ブチ
ル、(メタ)アクリル酸−2−エチルヘキシル、(メ
タ)アクリル酸フェニル、(メタ)アクリル酸シクロヘ
キシル、(メタ)アクリル酸ジシクロペンタニル、(メ
タ)アクリル酸ジシクロペンタニルオキシエチル、(メ
タ)アクリル酸イソボニル、(メタ)アクリル酸ベンジ
ル、(メタ)アクリル酸フェニルエチル等の(メタ)ア
クリル酸のエテスル類が例示される。そして、一般式
(4)で示される共重合成分の含有量は0モル%〜75
モル%、好ましくは5モル%〜50モル%とされる。
【0021】一般式(1)〜一般式(4)の構造単位を
導入するために使用される単量体は、それぞれ例示した
ものを単独でも、また混合して使用してもよい。
【0022】一般式(1)〜一般式(4)の構造単位を
有する特定の重合体を製造するために用いられる重合用
溶媒としては、水酸基、アミノ基等の活性水素を有しな
い溶媒が好ましく、例えばテトラヒドロフラン等のエー
テル類;ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエ
チレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコ
ールメチルエチルエーテル等のグリコールエーテル類、
メチルセロソルブアセテート等のセロソルブエステル類
やプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテー
ト、酢酸−3−メトキシブチル等が挙げられ、芳香族炭
化水素類、ケトン類、エステル類等も用いることができ
る。
【0023】重合開始剤としては、一般的にラジカル重
合開始剤として知られているものを使用することがで
き、その具体例としては、2,2’−アゾビスイソブチ
ロニトリル、2,2’−アゾビス−(2,4−ジメチル
バレロニトリル)、2,2’−アゾビス−(4−メトキ
シ−2,4−ジメチルバレロニトリル)等のアゾ化合
物;ベンゾイルペルオキシド、ラウロイルペルオキシ
ド、tert−ブチルペルオキシピバレート、1,1’
−ビス−(tert−ブチルペルオキシ)シクロヘキサ
ン等の有機過酸化物;および過酸化水素が挙げられる。
ラジカル重合開始剤として過酸化物を使用する場合に
は、これと還元剤とを組み合わせてレドックス型重合開
始剤として使用してもよい。
【0024】一般式(1)〜一般式(4)の構造単位を
有する特定の重合体の製造においては、重量平均分子量
を調節するために、分子量調節剤を使用することがで
き、例えば、クロロホルム、四臭化炭素等のハロゲン化
炭化水素類;n−ヘキシルメルカプタン、n−オクチル
メルカプタン、n−ドデシルメルカプタン、tert−
ドデシルメルカプタン、チオグリコール酸等のメルカプ
タン類;ジメチルキサントゲンジスルフィド、ジイソプ
ロピルキサントゲンジスルフィド等のキサントゲン類;
ターピノーレン、α−メチルスチレンダイマー等が挙げ
られる。
【0025】一般式(1)〜一般式(4)の構造単位を
有する特定の重合体は、一般式(1)〜一般式(4)の
単量体のランダム共重合体およびブロック共重合体のい
ずれであってよい。
【0026】ランダム共重合体の場合には、各単量体、
触媒からなる配合組成物を、溶剤を入れた重合槽中に8
0〜110℃の温度条件で2〜5時間かけて滴下し、熟
成させることにより重合させることができる。
【0027】一般式(1)〜一般式(4)の構造単位を
有する特定の重合体のポリスチレン換算重量平均分子量
(以下、単に「重量平均分子量」または「Mw」とい
う。)が10,000〜1,000,000の範囲のも
のとされ、酸価が5mgKOH/g〜400mgKOH
/g、水酸基価が5mgKOH/g〜400mgKOH
/gのものである。
【0028】本発明の共重合樹脂は、上記した一般式
(1)〜一般式(4)の構造単位を有する特定の重合体
に(メタ)アクリロイル含有イソシアネート化合物を反
応させることにより得られる。
【0029】(メタ)アクリロイルアルキルイソシアネ
ート化合物としては、(メタ)アクリロイル基が炭素数
2〜6のアルキレン基を介してイソシアネート基(−N
CO)と結合したもので、具体的には2−アクリロイル
エチルイソシアネート、2−メタクリロイルエチルイソ
シアネート等が例示される。2−メタクリロイルエチル
イソシアネートは、昭和電工(株)製「カレンズMO
I」等で市販されている。
【0030】一般式(1)〜一般式(4)で示される構
造単位を有する共重合体と(メタ)アクリロイルアルキ
ルイソシアネート化合物との反応は、イソシアネート化
合物を少量の触媒の存在下、共重合体溶液中に滴下する
ことにより行なわれる。触媒としてはラウリン酸ジブチ
ル錫等が挙げられ、また、p−メトキシフェノール、ヒ
ドロキノン、ナフチルアミン、tert−ブチルカテコー
ル、2,3−ジ−tert−ブチルp−クレゾール等の重合
禁止剤が必要に応じて使用される。
【0031】(メタ)アクリロイルアルキルイソシアネ
ート化合物は、一般式(1)〜一般式(4)の構造単位
を有する特定の重合体における一般式(2)の構造単位
とは付加しウレタン結合により結合し、また、一般式
(1)の構造単位とは、その一部が炭酸ガスを放出して
アミド結合により結合する。
【0032】すなわち、一般式(1)、一般式(2)で
示される構造単位を有する共重合体と(メタ)アクリロ
イルアルキルイソシアネート化合物との反応生成物は、
下記一般式(5)で示される。
【0033】
【化5】
【0034】(式中、R、R1 は一般式(1)〜(4)
と同義であり、R′は炭素数2〜6のアルキレン基、a
1 +a2 は、一般式(1)のaと、また、b1 +b
2 は、一般式(2)のbとそれぞれ同義である。) (メタ)アクリロイルアルキルイソシアネート化合物
は、一般式(2)の構造単位における水酸基との反応が
一般式(1)の構造単位におけるカルボキシル基との反
応に比して20倍近くの反応速度を有する。そのため、
(メタ)アクリロイル基は一般式(2)の構造単位に主
として導入され、また、一般式(1)の構造単位にはそ
のカルボキシル基に一部(メタ)アクリロイル基が導入
されるとしても、ほとんどのカルボキシル基が残存する
こととなる。
【0035】そして、一般式(2)に由来する構成単位
の5モル%〜95モル%のうち、b1 は0モル%〜10
モル%、b2 は5モル%〜95モル%とでき、また、一
般式(1)に由来する構成単位の5モル%〜55モル%
のうち、a1 は5モル%〜55モル%、a2 は0モル%
〜10モル%とでき、(メタ)アクリロイル基の導入量
を調整することができる。
【0036】カラーフィルタ保護膜形成用に適し、ま
た、アルカリ可溶性と光硬化性の観点から、本発明の共
重合樹脂においては、重量平均分子量が10,000〜
1,000,000、好ましくは20,000〜10
0,000の範囲のものとされるのが好ましい。重量平
均分子量が10,000より小さいと現像性が良すぎて
パターン露光時のパターン形状を制御しにくく、また、
パターンが作製できる場合も最終的な膜厚が減る(膜減
り)等の問題があり、また、1,000,000より大
きいとレジスト化した時の粘度が高くなりすぎ塗工適性
が低下する、また、現像性が悪くなりパターンが抜けに
くくなるなどの問題がある。
【0037】また、(メタ)アクリロイル基の導入量
は、5モル%〜95モル%、好ましくは10モル%〜5
0モル%とするとよく、導入量が5モル%よりも少ない
と光硬化性が低く、塗膜密着性、レジスト特性の改善効
果が小さい。
【0038】また、共重合樹脂の酸価は5mgKOH/
g〜400mgKOH/g、好ましくは、10mgKO
H/g〜200mgKOH/gとするとよく、酸価はア
ルカリ現像性と関係しており、酸価が低すぎると現像性
が悪い、また、基板及びカラーフィルタ樹脂上への密着
性が乏しい等の問題がある。また、酸価が高すぎると現
像性が良すぎてパターン露光時のパターン形状を制御し
にくい等の問題がある。また、共重合樹脂において、一
般式(2)における水酸基は、必ずしも残す必要はな
く、水酸基価0mgKOH/g〜200mgKOH/g
とできるが、残す場合には、溶剤に対する溶解性を調節
するのに有効である。
【0039】本発明の共重合樹脂は、カラーフィルタ保
護膜形成用樹脂として適したものとできる。カラーフィ
ルタは、透明基板に所定のパターンで形成された着色層
およびブラックマトリックスと、着色層を覆うように形
成された保護膜を備え、保護膜上に液晶駆動用の透明電
極が形成されている。着色層は赤色パターン、緑色パタ
ーンおよび青色パターンがモザイク型、ストライプ型、
トライアングル型、4画素配置型等の所望の形態で配列
されてなり、ブラックマトリックスは各着色パターンの
間および着色層形成領域の外側の所定領域に設けられて
いる。
【0040】着色層は、染色基材を塗布し、フォトマス
クを介して露光・現像して形成したパターンを染色する
染色法、感光性レジスト内に予め着色顔料を分散させて
おき、フォトマスクを介して露光・現像する顔料分散法
等、いずれの方法を用いて形成してもよい。ブラックマ
トリックスは、染色法、顔料分散法、印刷法、電着法の
いずれを用いても形成することができ、また、クロム蒸
着等により形成してもよい。
【0041】保護膜は、少なくとも本発明の共重合樹
脂、2官能以上の多官能光重合性アクリレートモノマ
ー、および開始剤、必要に応じて溶媒を混合してなる樹
脂配合物からなり、着色層とブラックマトリックスが形
成された透明基板上に塗布し、その後、所定のフォトマ
スクを介して露光し、現像して形成される。
【0042】本発明の共重合樹脂は、樹脂配合物中に固
形分比5〜50重量%の範囲で含有されることが好まし
い。
【0043】2官能以上の多官能光重合性アクリレート
モノマーとしては、1,4−ブタンジオールジアクリレ
ート、ジエチレングリコールジアクリレート、ネオペン
チルグリコールジアクリレート、ペンタエリスリトール
トリアクリレート、トリメチロールプロパントリアクリ
レート、ペンタエリスリトールアクリレートおよびジペ
ンタエリスリトールヘキサアクリレート等を挙げること
ができる。このアクリレートモノマーは、樹脂配合物中
に固形分比5〜50重量%の範囲で含有されることが好
ましい。
【0044】開始剤としては、ベンゾフェノン、あるい
は、イルガキュアー184、イルガキュアー369、イ
ルガキュアー651、イルガキュアー907(いずれも
チバガ・スペシャルティー・ケミカルズ社商品名)、ダ
ロキュアー(メルク社商品名)等を挙げることができ
る。このような開始剤は、樹脂配合物中に固形分比1〜
15重量%の範囲で含有されることが好ましい。
【0045】保護膜の形成は、本発明の共重合樹脂と、
2官能以上の多官能光重合性アクリレートモノマーと、
開始剤とを必要により溶媒中に混合してなる樹脂配合物
を、スピンコーター、ロールコーター、スプレイ、印刷
等の方法により塗布して行うことができる。
【0046】樹脂配合物中の固形分濃度は5〜85重量
%の範囲が好ましい。また、スピンコーターを使用する
場合、回転数は500〜1500回/分の範囲内で設定
することが好ましい。
【0047】そして、樹脂配合物の塗布膜に対する露光
はフォトマスクを介して紫外線を照射することにより行
える。また、露光後の現像は、アルカリ現像される。
【0048】本発明では、樹脂配合物に、さらにシラン
カップリング剤を添加してもよい。使用するシランカッ
プリング剤としては、ビニルシラン、アクリルシラン、
エポキシシラン、アミノシラン等を挙げることができ
る。より具体的には、ビニルシランとして、ビニルトリ
クロルシラン、ビニルトリス(β−メトキシエトキシ)
シラン、ビニルトリエトキシシラン、ビニルトリメトキ
シシラン等を使用することができる。また、アクリルシ
ランとしては、γ−メタクリロキシプロピルトリメトキ
シシラン、γ−メタクリロキシプロピルメチルジメトキ
シシラン等を挙げることができる。エポキシシランとし
ては、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチル
トリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリメ
トキシシラン、γ−グリシドキシプロピルメチルジエト
シキシラン等を挙げることができる。さらに、アミノシ
ランとしては、N−β−(アミノエチル)−γ−アミノ
プロピルトリメトキシシラン、N−β−(アミノエチ
ル)−γ−アミノプロピルメチルジトリメトキシシラ
ン、γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、N−フェ
ニル−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン等を使用
することができる。その他のシランカップリング剤とし
て、γ−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、γ−
クロロプロピルトリメトキシシラン、γ−クロロプロピ
ルメチルジメトキシシラン、γ−クロロプロピルメチル
ジメトキシシラン、γ−クロロプロピルメチルジエトキ
シシラン等を使用することができる。
【0049】また、本発明では、樹脂配合物中にエポキ
シ樹脂を添加することができる。このエポキシ樹脂は、
露光、現像後に存在する未反応の酸性基と反応し、これ
によって保護膜に耐アルカリ性を付与するためのもので
ある。使用するエポキシ樹脂としては、フェノールノボ
ラック型のエポキシ樹脂、クレゾールノボラック型のエ
ポキシ樹脂等を挙げることができる。このようなエポキ
シ樹脂は、樹脂配合物中に固形分比5〜60重量%の範
囲で含有される。エポキシ樹脂の含有量が5重量%未満
では、保護膜に十分な耐アルカリ性を付与することがで
きず、一方、エポキシ樹脂の含有量が60重量%を超え
ると、光硬化に供しないエポキシ樹脂量が多くなりす
ぎ、樹脂配合物の保存安定性、現像適性が低下するので
好ましくない。
【0050】保護膜上の透明電極は、酸化インジウムス
ズ(ITO)、酸化亜鉛(ZnO)、酸化スズ(Sn
O)等、およびその合金等を用いて、スパッタリング
法、真空蒸着法、CVD法等の一般的な成膜方法により
形成され、必要に応じてフォトレジストを用いたエッチ
ングにより所定のパターンとしたものである。この透明
電極の厚みは20〜500nm程度、好ましくは100
〜300nm程度とすることができる。
【0051】
【実施例】次に、実施例を挙げて本発明を更に詳細に説
明する。
【0052】 (実施例1) 組成 ・ベンジルメタクリレート ・・・ 264g(15モル%) ・スチレン ・・・ 385g(37モル%) ・アクリル酸 ・・・ 216g(30モル%) ・2−ヒドロキシエチルメタクリレート ・・・ 234g(18モル%) をアゾビスイソブチロニトリル5gと共に650gの酢
酸−3−メトキシブチルに溶解した溶液を、酢酸−3−
メトキシブチル1000gを入れた重合槽中に、100
℃で、6時間かけて滴下し、重合させ重合体溶液を得
た。
【0053】この重合体溶液の固形分は40重量%、粘
度は1050mPa・s(30℃、B型粘度計)であ
り、重合体の酸価は152mgKOH/g、水酸基価は
90mgKOH/g、重量平均分子量はポリスチレン換
算で37,000であった。
【0054】得られた共重合体は、スチレン単位15モ
ル%、ベンジルメタクリレート単位37モル%、アクリ
ル酸単位30モル%、2−ヒドロキシエチルメタクリレ
ート単位18モル%からなるものである。
【0055】次に、得られた重合体溶液に、組成 ・2−メタクロイルエチルイソシアネート ・・・・ 270g ・ラウリン酸ジブチル錫 ・・・・ 1g ・酢酸−3−メトキシブチル ・・・・ 2230g の混合物を5時間かけて滴下した。
【0056】反応の進行はIR(赤外線吸収スペクト
ル)によりモニターしつつ、2200cm-1のイソシア
ネート基によるピークが消失した時点とした。
【0057】得られた反応溶液の固形分は26重量%、
粘度は500mPa・s(30℃、B型粘度計)であ
り、重合体は、酸価は120mgKOH/g、水酸基価
は5mgKOH/g、重量平均分子量はポリスチレン換
算で45,000であり、また(メタ)アクリロイル基
を17モル%含有していた。
【0058】
【発明の効果】本発明は、アルカリ可溶性基や(メタ)
アクリロイル基等のラジカル重合性基の含有量の制御可
能な新規な共重合樹脂の提供するものであり、特に、カ
ラーフィルタ保護膜形成用として適した共重合樹脂であ
る。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 向山 智明 神奈川県横浜市緑区青砥町450番地 ザ・ インクテック株式会社内

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下記一般式(1)、(2)で示される構
    成単位が、そのカルボキシル基または水酸基を介して
    (メタ)アクリロイルアルキルイソシアネート化合物と
    それぞれ一部が反応した生成物を構成単位とし、下記一
    般式(1)に由来する構成単位を5モル%〜55モル
    %、下記一般式(2)に由来する構成単位を5モル%〜
    95モル%含有し、(メタ)アクリロイル基を5モル%
    〜95モル%含み、酸価が5mgKOH/g〜400m
    gKOH/gであり、かつポリスチレン換算重量平均分
    子量が10,000〜1,000,000であることを
    特徴とする共重合樹脂。 【化1】 (式中、Rは水素、または炭素数1〜5のアルキル基、
    1 は炭素数2〜4のアルキレン基を表わす。)
  2. 【請求項2】 共重合樹脂が、共重合成分として、さら
    に、下記一般式(3)で示される構成単位を0モル%〜
    75モル%、下記一般式(4)で示される構成単位を0
    モル%〜75モル%含有することを特徴とする請求項1
    記載の共重合樹脂。 【化2】 (式中、Rは水素、または炭素数1〜5のアルキル基、
    2 は芳香族炭素環、R3 はアルキル基、またはアラル
    キル基を表わす。)
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