JPH11292880A - 新規のサキシトキシン誘導体およびその製造方法 - Google Patents
新規のサキシトキシン誘導体およびその製造方法Info
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- JPH11292880A JPH11292880A JP9179798A JP9179798A JPH11292880A JP H11292880 A JPH11292880 A JP H11292880A JP 9179798 A JP9179798 A JP 9179798A JP 9179798 A JP9179798 A JP 9179798A JP H11292880 A JPH11292880 A JP H11292880A
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Abstract
11位にチオール基をもつ有機化合物を置換導入するこ
とを特徴とするサキシトキシン誘導体の製造法を提供す
ること。 【解決手段】 式(I): 【化1】 (式中、R1はH、CONH2またはCONHSO3 -であり、R2はHま
たはOHであり、R3はHまたはOSO3 -であり、およびR4はH
またはOSO3 -であり、但し、R3またはR4のいずれかがOSO
3 -であり且つR3およびR4の両方が同時にOSO3 -ではな
い。)の麻痺性貝毒ゴニオトキシン類を、少なくとも1
個のチオール基をもつ有機化合物と中性条件下に加熱し
反応させて、式(I)の11位のOSO3 -基を前記チオール
基のイオウ原子を介して前記有機化合物で置換し、式
(I)中R3またはR4のいずれかが−S-(有機化合物)であ
り且つR3およびR4の両方が同時に−S-(有機化合物)では
ないサキシトキシン誘導体を製造する方法、並びに、こ
のようにして得られるサキシトキシン誘導体。
Description
であるゴニオトキシン類の11位にチオール基をもつ有
機化合物をそのイオウ原子を介して置換導入することを
特徴とするサキシトキシン誘導体の製造方法に関する。
本発明はまた、このような方法で得ることができるサキ
シトキシン誘導体に関する。
状を呈し、その原因毒はゴニオトキシン類およびサキシ
トキシン類であることが判明している[安元健、麻痺性
貝毒、食品衛生検査指針(理化学編、厚生省生活衛生局
監修)、第300−305頁、日本食品衛生協会、1991年]。
これらの原因毒は麻痺性貝毒と総称され、現在、イガ
イ、ハマグリ等の貝類に見出される貝毒としてゴニオト
キシン類、サキシトキシン類で20種以上が知られてい
る。
クする性質を有し且つ麻痺性であり、渦鞭毛藻という植
物プランクトンのうちの数種類がこの毒をもっており、
これを餌として食べた貝が毒をため込み毒化する。この
貝を食すると死亡率の高い食中毒を引き起こすため、水
産および食品衛生上大きな社会問題になっている。因み
に、麻痺性貝毒を0.5〜1.0μg経口摂取しただけで感覚
麻痺、悪心、下痢などの症状がでる。ヒトにおける致死
量は1〜3mgである。
発されてきた。たとえば、公定法であるマウスを用いた
致死活性測定法[安元健、前掲;J.F. Jellettら, Tox
icon,30(10):1143-1156 (1992); W. Horwitz, Paralyti
c shellfish poison. In “Official Methods of Analy
sis of the Association of Official Analytical Chem
ists" (Assoc. Official Anal. Chem., Washington D.
C.) pp. 881-882 (1990)]、高速液体クロマトグラフィ
ー法[Y. Oshimaら, Mycotoxins and Phycotoxins'88(S.
Natoriら編), pp. 319-326, Elsevier, Amsterdam (19
89));特開平9−133669号公報]、神経芽細胞を用いる方
法[K. Kogureら,Toxicin,26:191−197(1989)]、抗
体を用いる方法[F.S. Chuら,J. Agri. Food Chem.,
44:4043−4047(1996)]などが知られている。致死活
性測定法は、マウスに試験原液を腹腔内に注射し、注射
の終了した瞬間からマウスが典型的な麻痺性貝毒による
症状を示して死亡する際の最後のあえぎまでの時間(致
死時間)を秒単位で記録する方法である。高速液体クロ
マトグラフィー法は、麻痺性貝毒を含む試料を高速液体
クロマトグラフィーにかけて麻痺性貝毒を分離し、溶出
液に酸化剤を加えてアルカリ中で反応させた後、生じた
蛍光性物質の蛍光を測定する方法である。神経芽細胞を
用いる方法は、ウアバインまたはベラトリジンがマウス
神経芽細胞系においてナトリウム流入を促進し、これに
よって細胞が膨潤し形態学的剛直性を失うという性質を
利用するものであり、このアッセイ系に麻痺性貝毒を含
む試料を添加したときには細胞の丸まりと細胞死が著し
く抑制されることを利用した方法である。さらに、免疫
学的方法は、麻痺性貝毒に対する抗体を用いて、たとえ
ば酵素免疫測定法(たとえばELISA)等の方法で直接試
料中の麻痺性貝毒を定量する方法である。
ら(前掲)は抗サキシトキシン抗体/サキシトキシン−
西洋ワサビペルオキシダーゼ結合体または抗ネオサキシ
トキシン抗体/ネオサキシトキシン−西洋ワサビペルオ
キシダーゼ結合体を用いるELISAによって麻痺性貝毒の
全量を測定するアッセイ方法を開示している。抗体の調
製は、F.S. Chuら, J. Assoc. Off. Anal. Chem. 198
5,68:13−16およびF.S. Chuら, J. AOAC Int. 199
2,75:341−345に従って調製されているが、その手順
は、Johnsonら(1964、Proc.Soc.Exp.Biol.Med.,1
17,425)の方法に準じ、BSA、polylisineもしくはKeyho
le limpet(カサガイ)のヘモシアニンをホルムアルデヒ
ドを含む弱酸性水溶液中でサキシトキシンまたはネオサ
キシトキシンと反応させて得た結合体を、ウサギに皮下
注射してポリクローナル抗体を得ることによっている。
性測定法および神経芽細胞法においては、動物や細胞の
管理、検出感度、精度、特異性などの点で問題がある
し、高速液体クロマトグラフィー法においては、操作は
簡単で、精度も高いが、麻痺性貝毒の種類によって感度
が異なること、精製された外部標準の供給がないことな
どの欠点を有している。また、免疫学的方法において
は、抗体の反応性がサキシトキシン誘導体の種類によっ
て異なるなどの点で問題がある。したがって、麻痺性貝
毒を簡便に精度高く、しかも貝毒の種類によらず感度一
定に測定する方法の開発が望まれてきた。
は、潜在的にこのような要求に応えることができるサキ
シトキシン誘導体を容易に製造しうる方法を今回見出し
た。本発明の誘導体を用いるならば、個々のサキシトキ
シン誘導体に対する特異抗体を調製することができると
ともに、この抗体をカラム担体に結合するときには麻痺
性貝毒を分離、除去することも可能になる。従来、麻痺
性貝毒は複雑な構造をもつため、その構造に他の分子を
化学的に共有結合させた例は知られていなかった。
キシン類にチオール基をもつ有機化合物を作用させる
と、該化合物がそのイオウ原子を介してゴニオトキシン
類の11位のOSO3 -基と置換反応することを見出した。し
たがって、本発明は、式(I):
り、R2はHまたはOHであり、R3はHまたはOSO3 -であり、
およびR4はHまたはOSO3 -であり、但し、R3またはR4のい
ずれかがOSO3 -であり且つR3およびR4の両方が同時にOSO
3 -ではない。)の麻痺性貝毒ゴニオトキシン類を、少な
くとも1個のチオール基をもつ有機化合物と加熱し反応
させて、式(I)の11位のOSO3 -基を前記チオール基の
イオウ原子を介して前記有機化合物で置換し、式(I
I):
あり、R3はHまたは−S-(有機化合物)であり、およびR4
はHまたは−S-(有機化合物)であり、但し、R3またはR4
のいずれかが−S-(有機化合物)であり且つR3およびR4の
両方が同時に−S-(有機化合物)ではない。]のサキシト
キシン誘導体を得ることを含む、サキシトキシン誘導体
の製造方法を提供する。
物」とは、上記定義のゴニオトキシン類の11位のOSO3 -
基と置換反応しうるチオール基(または、もし同様の反
応を起こしうるならばジスルフィド基であってもよい)
をもつ任意の分子量の天然または非天然の有機化合物を
意味する。したがって、「−S−(有機化合物)」は、前
記有機化合物がゴニオトキシン類の11位のOSO3 -基と置
換反応した後の残基を示す。本発明はまた、式(II):
あり、R3はHまたは−S-(有機化合物)であり、およびR4
はHまたは−S-(有機化合物)であり、但し、R3またはR4
のいずれかが−S-(有機化合物)であり且つR3およびR4の
両方が同時に−S-(有機化合物)ではない。]のサキシト
キシン誘導体を提供する。
R3が であり、R4がHであるサキシトキシン誘導体を提供す
る。本発明の別の実施態様により、式(II)中、R3が−
S-CH2CH2OHであり、R4がHであるサキシトキシン誘導体
を提供する。
式(I)のゴニオトキシン類としては、たとえばカルバ
メート毒群のゴニオトキシン−1(R1がCONH2であり、R
2がOHであり、R3がHであり、R4がOSO3 -である)、ゴニ
オトキシン−2(R1がCONH2であり、R2がHであり、R3が
Hであり、R4がOSO3 -である)、ゴニオトキシン−3(R1
がCONH2であり、R2がHであり、R3がOSO3 -であり、R4がH
である)、およびゴニオトキシン−4(R1がCONH2であ
り、R2がOHであり、R3がOSO3 -であり、R4がHである);
脱カルバモイル毒群のデカルバモイルゴニオトキシン−
1(R1がHであり、R2がOHであり、R3がHであり、R4がOS
O3 -である)、デカルバモイルゴニオトキシン−2(R1
がHであり、R2がHであり、R3がHであり、R4がOSO3 -であ
る)、デカルバモイルゴニオトキシン−3(R1がHであ
り、R2がHであり、R3がOSO3 -であり、R4がHである)、
およびデカルバモイルゴニオトキシン−4(R1がHであ
り、R2がOHであり、R3がOSO3 -であり、R4がHである);
N−スルフィカルバモイル毒群のC1エピゴニオトキシン
−8(R1がCONHSO3 -であり、R2がHであり、R3がHであ
り、R4がOSO3 -である)、C2ゴニオトキシン−8(R1がC
ONHSO3 -であり、R2がHであり、R3がOSO3 -であり、R4がH
である)、C3トキシン(R1がCONHSO3 -であり、R2がOHで
あり、R3がHであり、R4がOSO3 -である)、およびC4トキ
シン(R1がCONHSO3 -であり、R2がOHであり、R3がOSO3 -
であり、R4がHである)、等を挙げることができる。こ
れらはいずれも麻痺性貝毒として同定されたものである
(安元健、前掲)が、天然においては実際9割以上がゴ
ニオトキシン類として見出されており、サキシトキシン
類は痕跡程度しか含まれていないようである。本発明に
おいては、サキシトキシン類似体が得られるが、11位の
構造を除いて基本的にはゴニオトキシン類と同等の構造
を有する。
つ有機化合物は、上記定義のとおり、ゴニオトキシン類
の11位のOSO3 -基と置換反応しうるチオール基(または
ジスルフィド基であってもよい)をもつ任意の分子量の
任意の有機化合物であり、上記反応性を有する限り化合
物の種類は問わない。一例を挙げれば、チオール基をも
つ有機化合物はメルカプトエタノール、システアミン
(cysteamine)、2−メルカプトプロピオン酸などの、
分子骨格の末端または内部にチオール基を有する化合物
である。このような化合物はまた、本発明の置換反応を
妨げない限り分子中に他の反応性基(たとえば、水酸
基、アミノ基、カルボキシル基など)を有することがで
きる。このような反応性基はたとえばタンパク性ハプテ
ン担体との結合に利用可能である。本化合物の他の例
は、分子骨格の末端または内部にシステイン残基をもつ
ペプチド(たとえば、グルタチオン)である。
プテンに属し、それ自体は抗原性をもたないが、抗原性
をもつタンパク質を担体として、これと共有結合した複
合体はハプテンに対する特異抗体を産生する抗原とな
る。ハプテン−タンパク質複合体を免疫注射するとハプ
テン部分は抗原決定基として認識され、抗ハプテン抗体
が産生されると考えられている。このとき、余分な抗原
決定基ができにくい選択的な結合方法でハプテン抗原を
作製する必要がある。ハプテンの部分構造に対する認識
は、ハプテンと担体であるタンパク質の結合部位付近で
は弱く、より離れた部分構造を認識しやすい。したがっ
て、タンパク質と結合する際には、ハプテン中の適切な
結合位置を選択することが大切である。
はそれ自体抗原性を有していないハプテンであるうえ
に、タンパク質と容易に結合できる官能基をもっていな
いため、ハプテン−タンパク質複合体を形成することが
困難であった。しかし、本発明に係る方法によってハプ
テンに官能基を導入することにより、免疫抗原として好
ましい複合体の形成が可能となる。
ン、ヘモシアニンなどである。ゴニオトキシン類または
サキシトキシン類を結合するためには、先ずこれらの分
子に後述する実施例2の手順でグルタチオンなどの上記
定義の有機化合物を導入した後、該有機化合物部分のア
ミノ基、カルボキシル基などの反応性基を利用して、担
体タンパク質とマレイミド法(T. Kitagawaら,J.Bioch
em.92:585-590,1982)やカルボジイミド法(D. Exley
ら,FEBS Lett.,91:162−165,1978)などで結合させ
ることができる。このように、本発明の方法を用いるこ
とにより、担体との結合位置を特定できるハプテン−タ
ンパク質複合体を得ることができる。
においては、チオール基をもつ有機化合物のSH基がその
電子供与性のためにゴニオトキシン類の11位の炭素原子
を求核的に攻撃し、その結果OSO3 -基が離脱し、該11位
の炭素原子に−S-(有機化合物)が結合すると考えられ
る。
応物質を加熱することによって起こる。一般にpH6.5〜
7.5、好ましくはpH7.0〜7.5の適切な緩衝液、たとえば
燐酸アンモニウム緩衝液、酢酸アンモニウム緩衝液等を
用いて反応を行うことができる。もちろん、本発明の目
的の反応が起こるならば、上記範囲外のpHも用いるこ
とができる。また、反応温度は、一般に室温〜約100
℃、好ましくは50℃〜80℃、より好ましくは約 70 ℃で
ある。反応条件は、一般にチオール基をもつ有機化合物
の種類によって変わり得るが、もし温度を高めるなど条
件をきつくする場合には生成物の一部はサキシトキシン
に変化することもありうる。
クロマトグラフィー、ゲルろ過クロマトグラフィー、イ
オン交換クロマトグラフィー、吸着クロマトグラフィ
ー、逆相分配クロマトグラフィー等の手段を単独でまた
は組合わせて実施し、精製することができる。生成物の
同定は、赤外分光法、質量分析法、NMR法、元素分析、
アミノ酸分析などの通常の測定法によって行うことがで
きる。
ス、ラット、ウサギ、ヤギ、等の哺乳動物に免疫するこ
とによって該誘導体に対するポリクローナルまたはモノ
クローナル抗体を作製することができる。通常、免疫原
溶液を等量のフロインド氏完全アジュバントまたは不完
全アジュバントと乳化混合し、動物に皮下注射した後、
2乃至4週間の間隔で同様の操作を行い数回免疫し、放
血して抗血清を得るか、あるいは、免疫後に脾臓を無菌
的に取り出し、脾臓細胞を調製した後、ミエローマ細胞
と融合し、ハイブリドーマをHAT培地等の選別用培地で
選別し、動物細胞培養用培地中で継代培養するか、また
はマウスもしくはラットの腹腔内に移植培養し腹水から
モノクローナル抗体を採取することができる。モノクロ
ーナル抗体の作製については、MilsteinとKholer,Natu
re256:495 (1976)、続生化学実験講座,免疫生化学研
究法(日本生化学会編)等に記載される方法を使用でき
る。
抗体またはモノクローナル抗体は、麻痺性貝毒を含むと
推定される食品等の検体中の貝毒を検出するために使用
することができる。検出は慣用の抗原抗体反応を用いて
行うことができ、固相法もしくは均質法、競合法もしく
は非競合法、サンドイッチ法などの方法を使用できる。
たとえば、サンドイッチ法を用いる場合には、過剰量の
標識化第二抗体を用いるが、標識としてペルオキシダー
ゼ、アルカリフォスファターゼ等の酵素、125I、32P等
の放射性同位体、FITC等の蛍光物質、アクリジニウム等
の化学発光物質を用いることができる。標識の種類に依
存して、ELISA等の酵素抗体法、ラジオイムノアッセ
イ、蛍光抗体法の使用が可能である。
対する抗体は、臭化シアン等で活性化されたデキストラ
ン樹脂(たとえばSephadexTM類)、アガロース樹脂(た
とえばBio−GelTM類)、等の樹脂に結合するときには、
問題の貝毒を分離除去するためのアフィニティーカラム
担体とすることができる。
に説明するが、本発明はこれらの実施例によって制限さ
れるものではない。なお、以下の実施例においては、大
船渡湾産ホタテガイの抽出物から活性炭、Bio−GelP−
2およびBio−Rex 70各カラムクロマトグラフィーで精製
した麻痺性貝毒[ゴニオトキシン−1およびゴニオトキ
シン−4の混合物(以下、GTX1,4と称する)]を出発物質
として用いた。
製 凍結乾燥したGTX1,4混合物(2mg)を10mMのメルカプト
エタノールを含む50mM燐酸アンモニウム緩衝液50mL(p
H7.4)に混合し、70℃、120分加熱還流した。氷冷後、
希酢酸でpHを6.5に調製し、Bio-Gel P-2カラム(Bio-R
ad Laboratories, Fine,5×10cm)に添加した。水1L
でカラムを洗浄し、燐酸および未反応のメルカプトエタ
ノールを除去した後、0.1Mの酢酸で溶出する画分を集め
凍結乾燥した。本画分は目的成分の他に反応中に生じた
ネオサキシトキシンおよび未反応のGTX1,4を含むため、
これらの除去を目的としてHEMA IEC BIO 1000CMカラム
(7.5×250mm, Alltech)および移動相として1%酢酸
(流速1.0ml/分)を用いるHPLCで精製し、HPLC上およびT
LC上単一な1.0mgの標題の複合体を得た。同定結果は以
下のとおりである。
t,J=11.7Hz,H2'a),3.96(1H,dd,10.6, 3.9Hz,H13a),3.85
(1H,t,J=9.8Hz,H13b),3.74(1H,brd,J=11.2Hz,H2'b),3.6
6(1H,brm,10b),3.54(1H,dd,J=9.28,4.16Hz,H6),3.36(1
H,brm,10a),3.20(1H,t,J=9.28Hz,11),2.87(1H,brt,J=1
1.7Hz,H1'a),2.22(1H,brd,J=13.9Hz,1'a)13 CNMR(DMSO):δ159.34,156.88,156.21,95.57,84.53,6
4.54,60.22,58.66,54.24,46.25,35.86,23.27 質量分析(HRFABMS) m/z374.1290(M+H-H2O)+(C12H2ON7SO
5の計算値374.1247)
3:1)を30mMの還元型グルタチオン(GluCysGly)(和
光純薬工業)を含む100mM燐酸アンモニウム緩衝液50mL(p
H7.4)に混合し、70℃で20分加熱還流した。氷冷後、希
酢酸でpHを6.5に調整した。実施例1の場合と同様に精
製し、2.9mgの標題の複合体を得た。同定結果は以下の
とおりである。
J=7.8,5.2Hz,Cysα),4.26(1H,brd, J=12.2Hz,H13a),4.1
9(1H,J=12.2Hz,H13b),4.13*(1H,d,J=11.2Hz),3.90(1H,b
rm),3.7-3.6(5H,m),2.96(1H,dd,J=13.9,5.2Hz,Cysβ),
2.76(1H,dd,J=13.4,7.8Hz),2.4(2H,brm,Gluγ),2.05(2
H,brm,Gluβ) (*帰属は未定である。) 質量分析(ESIMS) m/z621 (M+H)+
オトキシン類の11位にチオール基をもつ有機化合物をそ
のイオウ原子を介して置換導入することができ、これに
よって得られるサキシトキシン誘導体は該貝毒に特異的
な抗体の作製に有用である。
Claims (10)
- 【請求項1】 式(I): 【化1】 (式中、R1はH、CONH2またはCONHSO3 -であり、R2はHま
たはOHであり、R3はHまたはOSO3 -であり、およびR4はH
またはOSO3 -であり、但し、R3またはR4のいずれかがOSO
3 -であり且つR3およびR4の両方が同時にOSO3 -ではな
い。)の麻痺性貝毒ゴニオトキシン類を、少なくとも1
個のチオール基をもつ有機化合物と加熱し反応させて、
式(I)の11位のOSO3 -基を前記チオール基のイオウ原
子を介して前記有機化合物で置換し、式(II) 【化2】 [式中、R1およびR2は前記定義のとおりであり、R3はH
または−S-(有機化合物)であり、R4はHまたは−S-(有機
化合物)であり、但し、R3またはR4のいずれかが−S-(有
機化合物)であり且つR3およびR4の両方が同時に−S-(有
機化合物)ではない。]のサキシトキシン誘導体を得る
ことを含む、サキシトキシン誘導体の製造方法。 - 【請求項2】 チオール基をもつ有機化合物が、メルカ
プトエタノールまたはグルタチオンであることを特徴と
する請求項1に記載の方法。 - 【請求項3】 式(II)中、R3が であり、R4がHであることを特徴とする請求項1または
2に記載の方法。 - 【請求項4】 式(II)中、R3が−S-CH2CH2OHであり、
R4がHであることを特徴とする請求項1または2に記載
の方法。 - 【請求項5】 pH7.0〜7.5、50℃〜80℃で反応するこ
とを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の方法。 - 【請求項6】 式(II): 【化3】 [式中、R1およびR2は前記定義のとおりであり、R3はH
または−S-(有機化合物)であり、およびR4はHまたは−S
-(有機化合物)であり、但し、R3またはR4のいずれかが
−S-(有機化合物)であり且つR3およびR4の両方が同時に
−S-(有機化合物)ではない。]のサキシトキシン誘導体 - 【請求項7】 前記−S−(有機化合物)が、メルカプ
トエタノールまたはグルタチオンに由来することを特徴
とする請求項6に記載の誘導体。 - 【請求項8】 請求項1〜5のいずれかに記載の方法に
よって得られることを特徴とする請求項6または7に記
載の誘導体。 - 【請求項9】 R3が であり、R4がHであることを特徴とする請求項6〜8の
いずれかに記載の誘導体。 - 【請求項10】 R3が−S-CH2CH2OHであり、R4がHであ
ることを特徴とする、請求項6〜8のいずれかに記載の
誘導体。
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