JPH11292679A - 結晶成長方法 - Google Patents
結晶成長方法Info
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- JPH11292679A JPH11292679A JP9174298A JP9174298A JPH11292679A JP H11292679 A JPH11292679 A JP H11292679A JP 9174298 A JP9174298 A JP 9174298A JP 9174298 A JP9174298 A JP 9174298A JP H11292679 A JPH11292679 A JP H11292679A
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 溶液成長法でバルク結晶を容易に成長させる
ことのできる結晶成長方法を提供する。 【解決手段】 高温側の容器3内で溶質原料9が飽和す
るまで溶解した溶媒4を、GaAs単結晶の成長点に連
続的に供給させることにより、低温側の容器6内で溶液
成長法でバルク結晶を容易に成長させることができる。
このとき、溶媒4を低温側の容器6と高温側の容器3と
の間で循環させ、結晶成長で消耗した原料を途中で補う
ことにより、少ない溶媒を有効に利用して、連続的に結
晶成長を行わせることができる。
ことのできる結晶成長方法を提供する。 【解決手段】 高温側の容器3内で溶質原料9が飽和す
るまで溶解した溶媒4を、GaAs単結晶の成長点に連
続的に供給させることにより、低温側の容器6内で溶液
成長法でバルク結晶を容易に成長させることができる。
このとき、溶媒4を低温側の容器6と高温側の容器3と
の間で循環させ、結晶成長で消耗した原料を途中で補う
ことにより、少ない溶媒を有効に利用して、連続的に結
晶成長を行わせることができる。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、溶液を冷却して過
飽和になった溶質原料の結晶を成長させる結晶成長方法
に関する。
飽和になった溶質原料の結晶を成長させる結晶成長方法
に関する。
【0002】
【従来の技術】溶液を用いた結晶成長方法は、LPE(L
iquid Phase Epitaxy)法や、フラックス法として、広く
用いられている。
iquid Phase Epitaxy)法や、フラックス法として、広く
用いられている。
【0003】例えばAlGaAs混晶結晶をLPE法で
成長させる場合、溶媒としてGaを用い、これを800
℃程度に加熱して原料となるAlとGaAsとを溶解さ
せる。溶解させるAlとGaAsとの割合は、成長させ
たい結晶の混晶比から決められ、その分量は成長温度に
おける飽和溶解量かそれ以上になるように設定される。
成長させる場合、溶媒としてGaを用い、これを800
℃程度に加熱して原料となるAlとGaAsとを溶解さ
せる。溶解させるAlとGaAsとの割合は、成長させ
たい結晶の混晶比から決められ、その分量は成長温度に
おける飽和溶解量かそれ以上になるように設定される。
【0004】次に、原料を溶解させたGaをGaAsの
単結晶基板表面に接触させ、Gaの温度を下げる。Ga
の温度が下がると、過飽和になった原料がGaAs基板
上に析出し、AlGaAsがエピタキシャル成長する。
この結晶成長方法は、LED(発光ダイオード)用エピ
タキシャル結晶の製造に利用されている。
単結晶基板表面に接触させ、Gaの温度を下げる。Ga
の温度が下がると、過飽和になった原料がGaAs基板
上に析出し、AlGaAsがエピタキシャル成長する。
この結晶成長方法は、LED(発光ダイオード)用エピ
タキシャル結晶の製造に利用されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】上述のように溶液を用
いた結晶成長方法は、混晶結晶を作製しやすいため、化
合物半導体のエピタキシャル結晶の成長に広く用いられ
ている。
いた結晶成長方法は、混晶結晶を作製しやすいため、化
合物半導体のエピタキシャル結晶の成長に広く用いられ
ている。
【0006】しかしながら、成長できる結晶は薄膜に限
られており、バルク結晶の成長は困難であった。これは
LPE法では溶媒に対する化合物半導体原料の飽和溶解
度が全般的に小さいことと、結晶成長の際に実質的に成
長にかかわることのできる溶質原料が、成長時間内に溶
媒中で拡散して基板に到達できる範囲内に依存するもの
に限られているためである。
られており、バルク結晶の成長は困難であった。これは
LPE法では溶媒に対する化合物半導体原料の飽和溶解
度が全般的に小さいことと、結晶成長の際に実質的に成
長にかかわることのできる溶質原料が、成長時間内に溶
媒中で拡散して基板に到達できる範囲内に依存するもの
に限られているためである。
【0007】また、LEC法を利用した結晶成長でも、
Alの偏析の問題から、組成の均一な大型バルク結晶を
成長させることは困難であった。
Alの偏析の問題から、組成の均一な大型バルク結晶を
成長させることは困難であった。
【0008】そこで、本発明の目的は、上記課題を解決
し、溶液成長法でバルク結晶を容易に成長させることの
できる結晶成長方法を提供することにある。
し、溶液成長法でバルク結晶を容易に成長させることの
できる結晶成長方法を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に本発明は、溶液を冷却して過飽和になった溶質原料の
結晶を成長させる方法において、溶媒を満たした2つの
容器を連通させ、かつ各容器間に温度差を設け、高温側
の容器内に飽和溶解量よりも多量の溶質原料を溶かして
原料溶液を作製し、低温側の容器を、原料溶液が溶質原
料を析出するときの温度に設定すると共に、各容器間の
溶媒を循環させ、低温側の容器内で目的とする溶質原料
の結晶を連続的に成長させるものである。
に本発明は、溶液を冷却して過飽和になった溶質原料の
結晶を成長させる方法において、溶媒を満たした2つの
容器を連通させ、かつ各容器間に温度差を設け、高温側
の容器内に飽和溶解量よりも多量の溶質原料を溶かして
原料溶液を作製し、低温側の容器を、原料溶液が溶質原
料を析出するときの温度に設定すると共に、各容器間の
溶媒を循環させ、低温側の容器内で目的とする溶質原料
の結晶を連続的に成長させるものである。
【0010】上記構成に加え本発明の結晶成長方法は、
熱対流を駆動力として溶媒を各容器間で循環させるよう
にしてもよい。
熱対流を駆動力として溶媒を各容器間で循環させるよう
にしてもよい。
【0011】上記構成に加え本発明の結晶成長方法は、
外部動力を用いて、溶媒を各容器間で強制的に循環させ
るようにしてもよい。
外部動力を用いて、溶媒を各容器間で強制的に循環させ
るようにしてもよい。
【0012】上記構成に加え本発明の結晶成長方法は、
溶質原料を析出させる低温側の容器内に、予め種結晶を
配置しておいてもよい。
溶質原料を析出させる低温側の容器内に、予め種結晶を
配置しておいてもよい。
【0013】上記構成に加え本発明の結晶成長方法は、
溶媒の循環にかかる経路を溶質原料の析出温度以上に加
熱しておいてもよい。
溶媒の循環にかかる経路を溶質原料の析出温度以上に加
熱しておいてもよい。
【0014】上記構成に加え本発明の結晶成長方法は、
高温側の容器中に配した溶質原料が、未溶解の状態で低
温側の容器中に移動するのを防止する手段を用いてもよ
い。
高温側の容器中に配した溶質原料が、未溶解の状態で低
温側の容器中に移動するのを防止する手段を用いてもよ
い。
【0015】上記構成に加え本発明の結晶成長方法は、
高温側の容器中に、溶質原料を連続的に供給するように
してもよい。
高温側の容器中に、溶質原料を連続的に供給するように
してもよい。
【0016】本発明によれば、高温側の容器内で溶質原
料が飽和するまで溶解した溶媒を、結晶の成長点に連続
的に供給させることにより、低温側の容器内で溶液成長
法でバルク結晶を容易に成長させることができる。この
とき、溶媒を低温側の容器と高温側の容器との間で循環
させ、結晶成長で消耗した原料を途中で補うことによ
り、少ない溶媒を有効に利用して、連続的に結晶成長を
行わせることができる。
料が飽和するまで溶解した溶媒を、結晶の成長点に連続
的に供給させることにより、低温側の容器内で溶液成長
法でバルク結晶を容易に成長させることができる。この
とき、溶媒を低温側の容器と高温側の容器との間で循環
させ、結晶成長で消耗した原料を途中で補うことによ
り、少ない溶媒を有効に利用して、連続的に結晶成長を
行わせることができる。
【0017】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を添付
図面に基づいて詳述する。なお、数字を挙げて説明する
が、限定されるものではない。
図面に基づいて詳述する。なお、数字を挙げて説明する
が、限定されるものではない。
【0018】図1は本発明の結晶成長方法を適用した装
置の一実施の形態を示す概念図である。本実施の形態で
はGaAs結晶を成長させる場合について説明する。
置の一実施の形態を示す概念図である。本実施の形態で
はGaAs結晶を成長させる場合について説明する。
【0019】内径φ100mm、高さ300mmの円筒
型抵抗加熱炉(ヒータ)1の内部には、内径φ80mm
の石英管2が設けられており、石英管2の内部を水素ガ
スで置換できるようになっている。石英管2内の上側に
は高純度グラファイト製、直径φ60mm、高さ50m
mの原料溶解容器3が配置され、原料溶解容器3の下側
には原料溶解容器3と同様の形状の結晶成長容器6が配
置されている。原料溶解容器3と結晶成長容器6との間
は直径φ15mm、長さ50mmの鉛直な2本の連結管
(パイプ)P1、P2で連通しており、溶媒4の循環路
が形成されている。一方のパイプP2内にはグラファイ
ト製のピストン5が挿入されており、ピストン5は容器
3の蓋を貫通するロッドで支持されている。各容器3、
6中に収容された溶媒4は、外部動力を用いてピストン
5を上下動させることにより、パイプP1、P2内を通
じて各容器3、6間を強制的に循環するようになってい
る。容器6の底部には、直径φ50mmのGaAs単結
晶が種結晶8として配置されている。容器6の外側に
は、容器底部の対向する位置に種結晶8を冷却するため
の水冷コイル10が配置されている。
型抵抗加熱炉(ヒータ)1の内部には、内径φ80mm
の石英管2が設けられており、石英管2の内部を水素ガ
スで置換できるようになっている。石英管2内の上側に
は高純度グラファイト製、直径φ60mm、高さ50m
mの原料溶解容器3が配置され、原料溶解容器3の下側
には原料溶解容器3と同様の形状の結晶成長容器6が配
置されている。原料溶解容器3と結晶成長容器6との間
は直径φ15mm、長さ50mmの鉛直な2本の連結管
(パイプ)P1、P2で連通しており、溶媒4の循環路
が形成されている。一方のパイプP2内にはグラファイ
ト製のピストン5が挿入されており、ピストン5は容器
3の蓋を貫通するロッドで支持されている。各容器3、
6中に収容された溶媒4は、外部動力を用いてピストン
5を上下動させることにより、パイプP1、P2内を通
じて各容器3、6間を強制的に循環するようになってい
る。容器6の底部には、直径φ50mmのGaAs単結
晶が種結晶8として配置されている。容器6の外側に
は、容器底部の対向する位置に種結晶8を冷却するため
の水冷コイル10が配置されている。
【0020】容器3、6内には溶媒4としてGaが収納
され、高温側の容器3内には、溶質原料9としてGaA
s多結晶75gが収納されている。溶媒4より軽い原料
のGaAs多結晶は、溶媒4の表面に浮いているため、
ピストン5を上下動させても、未溶解のGaAs多結晶
が低温側の容器6内に送られることはない。溶媒4の温
度は、高温側の容器3内部で800℃になるようにヒー
タ1の温度が制御されている。低温側の容器6に配置さ
れた種結晶8の表面近傍の温度は、水冷コイル10の冷
却効果で795℃にまで低下するようになっている。
され、高温側の容器3内には、溶質原料9としてGaA
s多結晶75gが収納されている。溶媒4より軽い原料
のGaAs多結晶は、溶媒4の表面に浮いているため、
ピストン5を上下動させても、未溶解のGaAs多結晶
が低温側の容器6内に送られることはない。溶媒4の温
度は、高温側の容器3内部で800℃になるようにヒー
タ1の温度が制御されている。低温側の容器6に配置さ
れた種結晶8の表面近傍の温度は、水冷コイル10の冷
却効果で795℃にまで低下するようになっている。
【0021】このような温度条件で、ピストン5を上下
動させて容器3、6内の溶媒4を循環しながら30時間
保持した後、水冷コイル10に冷却水を流して容器6ご
とGaAsの種結晶8を冷却し、種結晶8を取り出した
ところ、種結晶8の表面にGaAsの単結晶7が厚さ
1.8mmにわたって成長していることが確認された。
動させて容器3、6内の溶媒4を循環しながら30時間
保持した後、水冷コイル10に冷却水を流して容器6ご
とGaAsの種結晶8を冷却し、種結晶8を取り出した
ところ、種結晶8の表面にGaAsの単結晶7が厚さ
1.8mmにわたって成長していることが確認された。
【0022】本実施の形態ではGaAlAs混晶バルク
結晶を成長させる場合について説明する。
結晶を成長させる場合について説明する。
【0023】水冷ステンレスチャンバ11の内部に、高
純度pBN製、直径φ60mm、高さ50mmの原料溶
解容器3a及び結晶成長容器6aが配置されている。各
容器3a、6aの間は直径φ15mm、長さ50mmの
2本のグラファイト製パイプP1、P2で連通されてお
り、溶媒4の循環路が形成されている。各容器3a、6
aの外側には、独立に温度制御可能なグラファイトヒー
タ1a、1bがそれぞれ配置されている。容器3a、6
a間を接続するパイプP1、P2のうちの一方のパイプ
P1には、誘導加熱方式の連結管加熱ヒータ13が設け
られており、溶媒4の循環にかかる経路を溶質原料9の
析出温度以上に加熱することができるようになってい
る。容器6aの底部には、直径φ50mmのGaAs単
結晶が種結晶8aとして配置されている。
純度pBN製、直径φ60mm、高さ50mmの原料溶
解容器3a及び結晶成長容器6aが配置されている。各
容器3a、6aの間は直径φ15mm、長さ50mmの
2本のグラファイト製パイプP1、P2で連通されてお
り、溶媒4の循環路が形成されている。各容器3a、6
aの外側には、独立に温度制御可能なグラファイトヒー
タ1a、1bがそれぞれ配置されている。容器3a、6
a間を接続するパイプP1、P2のうちの一方のパイプ
P1には、誘導加熱方式の連結管加熱ヒータ13が設け
られており、溶媒4の循環にかかる経路を溶質原料9の
析出温度以上に加熱することができるようになってい
る。容器6aの底部には、直径φ50mmのGaAs単
結晶が種結晶8aとして配置されている。
【0024】各容器3a、6a内には、溶媒4としてG
aが収納され、容器3a内には溶質原料9としてGaA
s多結晶60gが収納されている。溶媒4の温度は、容
器3a内部で890℃、容器6a内部で885℃になる
ようにヒータ1bの温度が制御されるようになってい
る。連結管加熱ヒータ13の温度が895℃に加熱さ
れ、各容器3a、6a内の溶媒4が熱対流を駆動力とし
て容器3a、6a間を循環するようになっている。
aが収納され、容器3a内には溶質原料9としてGaA
s多結晶60gが収納されている。溶媒4の温度は、容
器3a内部で890℃、容器6a内部で885℃になる
ようにヒータ1bの温度が制御されるようになってい
る。連結管加熱ヒータ13の温度が895℃に加熱さ
れ、各容器3a、6a内の溶媒4が熱対流を駆動力とし
て容器3a、6a間を循環するようになっている。
【0025】このような温度条件で24時間放置して結
晶成長を行った。結晶成長作業中には、原料投入口12
を通じて、高純度金属アルミニウムを、容器3a中に7
mg/minの割合で連続的に投入し続けた。24時間
が経過した後、容器6aを徐々に冷却し、室温まで温度
が低下したときに種結晶8aを取り出したところ、種結
晶8aの表面に、Al混晶比0.6のAlGaAsの単
結晶7aが厚さ1.5mmにわたって成長していること
が確認された。
晶成長を行った。結晶成長作業中には、原料投入口12
を通じて、高純度金属アルミニウムを、容器3a中に7
mg/minの割合で連続的に投入し続けた。24時間
が経過した後、容器6aを徐々に冷却し、室温まで温度
が低下したときに種結晶8aを取り出したところ、種結
晶8aの表面に、Al混晶比0.6のAlGaAsの単
結晶7aが厚さ1.5mmにわたって成長していること
が確認された。
【0026】図3は本発明の結晶成長方法を適用した装
置の他の実施の形態を示す概念図である。本実施の形態
ではGaAlAsバルク混晶結晶を成長させる場合につ
いて説明する。
置の他の実施の形態を示す概念図である。本実施の形態
ではGaAlAsバルク混晶結晶を成長させる場合につ
いて説明する。
【0027】多段ヒータで構成された内径φ200m
m、長さ500mmの円筒型抵抗加熱炉(ヒータ)1c
の内部に、内径φ180mmの石英管2が通されてお
り、内部を水素ガスで置換できるようになっている。石
英管2の内部には高純度グラファイト製、一辺100m
m、高さ120mmの角型原料溶解容器3b及び結晶成
長容器6bが配置されている。各容器3b、6bの間は
2本の水平なパイプP1、P2で連通されており、溶媒
4の循環路が形成されている。一方のパイプP2にはグ
ラファイト製のスクリュー15が挿入されており、この
スクリュー15は容器3bの外部からロッドを介して外
部動力で回転させることができるようになっている。各
容器3b、6b中に収容された溶媒4は、スクリュー1
5の回転により、パイプP1、P2内を通じて各容器3
b、6b間を強制的に循環するようになっている。
m、長さ500mmの円筒型抵抗加熱炉(ヒータ)1c
の内部に、内径φ180mmの石英管2が通されてお
り、内部を水素ガスで置換できるようになっている。石
英管2の内部には高純度グラファイト製、一辺100m
m、高さ120mmの角型原料溶解容器3b及び結晶成
長容器6bが配置されている。各容器3b、6bの間は
2本の水平なパイプP1、P2で連通されており、溶媒
4の循環路が形成されている。一方のパイプP2にはグ
ラファイト製のスクリュー15が挿入されており、この
スクリュー15は容器3bの外部からロッドを介して外
部動力で回転させることができるようになっている。各
容器3b、6b中に収容された溶媒4は、スクリュー1
5の回転により、パイプP1、P2内を通じて各容器3
b、6b間を強制的に循環するようになっている。
【0028】容器6bの内壁には、直径φ50mmのG
aAs単結晶が種結晶8bとして取り付けられている。
aAs単結晶が種結晶8bとして取り付けられている。
【0029】各容器3b、6b内には、溶媒4としてG
aが収納され、容器3b内には、溶質原料9としてGa
As多結晶60gが収納されている。原料となるGaA
s多結晶は、未溶解の状態で結晶成長容器6側に送られ
ることのないよう、原料溶解容器3中に設けられた網か
ご16の内部に収納されている。溶媒4の温度は、容器
3b及びパイプP1、P2の領域で900℃に、容器6
b側で895℃になるようにヒータ1cの温度バランス
が制御されるようになっている。
aが収納され、容器3b内には、溶質原料9としてGa
As多結晶60gが収納されている。原料となるGaA
s多結晶は、未溶解の状態で結晶成長容器6側に送られ
ることのないよう、原料溶解容器3中に設けられた網か
ご16の内部に収納されている。溶媒4の温度は、容器
3b及びパイプP1、P2の領域で900℃に、容器6
b側で895℃になるようにヒータ1cの温度バランス
が制御されるようになっている。
【0030】このような温度条件でスクリュー15を回
転させながら30時間保持し、結晶成長作業中には、原
料投入口12を通じて高純度金属アルミニウムを、容器
3b中に7mg/minの割合で連続的に投入し続け
た。30時間が経過した後、容器6bを徐々に冷却し、
室温まで温度が低下したときに、種結晶8bを取り出し
たところ、種結晶8bの表面にAl混晶比0.6のAl
GaAsの単結晶7bが厚さ1.8mmにわたって成長
していることが確認された。
転させながら30時間保持し、結晶成長作業中には、原
料投入口12を通じて高純度金属アルミニウムを、容器
3b中に7mg/minの割合で連続的に投入し続け
た。30時間が経過した後、容器6bを徐々に冷却し、
室温まで温度が低下したときに、種結晶8bを取り出し
たところ、種結晶8bの表面にAl混晶比0.6のAl
GaAsの単結晶7bが厚さ1.8mmにわたって成長
していることが確認された。
【0031】次に、本発明の結晶成長方法の他の実施の
形態として、図2に示した装置を用いてGaNのバルク
結晶を成長させる場合について説明する。
形態として、図2に示した装置を用いてGaNのバルク
結晶を成長させる場合について説明する。
【0032】各容器3a、6a内には溶媒4としてGa
が収容されており、容器3a内には、溶質原料9として
金属Gaとアンモニアとを高温で反応させて作製したG
aNの粉末200gが収容されている。容器6aの底部
に配置される種結晶8には、直径φ50mmのサファイ
アの単結晶基板が用いられる。溶媒4の温度は、容器3
a内部で1000℃、容器6a内部で650℃になるよ
うにヒータ1a、1bの温度がそれぞれ制御されてい
る。さらに、連結管加熱ヒータ13の温度が1050℃
に加熱され、各容器3a、6a内の溶媒4が熱対流によ
り容器3a、6a間を循環するようになっている。
が収容されており、容器3a内には、溶質原料9として
金属Gaとアンモニアとを高温で反応させて作製したG
aNの粉末200gが収容されている。容器6aの底部
に配置される種結晶8には、直径φ50mmのサファイ
アの単結晶基板が用いられる。溶媒4の温度は、容器3
a内部で1000℃、容器6a内部で650℃になるよ
うにヒータ1a、1bの温度がそれぞれ制御されてい
る。さらに、連結管加熱ヒータ13の温度が1050℃
に加熱され、各容器3a、6a内の溶媒4が熱対流によ
り容器3a、6a間を循環するようになっている。
【0033】このような温度条件で72時間放置して結
晶成長を行った。72時間経過後、容器6aを冷却し、
室温まで温度が低下したときに種結晶8cを取り出した
ところ、種結晶8の表面にGaNの単結晶7cが厚さ2
mmにわたって成長しているのが確認された。
晶成長を行った。72時間経過後、容器6aを冷却し、
室温まで温度が低下したときに種結晶8cを取り出した
ところ、種結晶8の表面にGaNの単結晶7cが厚さ2
mmにわたって成長しているのが確認された。
【0034】次に最適条件の根拠について述べる。
【0035】原料投入口12は、成長結晶中のシード〜
テール間での偏析が問題となるような、ドーパントの投
入や混晶の構成元素の供給に利用すると有効である。こ
のときの原料の投入速度は、溶質原料の溶解速度や輸送
速度等を含めた結晶成長装置ごとに決まる原料の取り込
み効率も考慮した、実行的な偏析係数で決定されるべき
ものであり、一義的には決められない。
テール間での偏析が問題となるような、ドーパントの投
入や混晶の構成元素の供給に利用すると有効である。こ
のときの原料の投入速度は、溶質原料の溶解速度や輸送
速度等を含めた結晶成長装置ごとに決まる原料の取り込
み効率も考慮した、実行的な偏析係数で決定されるべき
ものであり、一義的には決められない。
【0036】次に、溶媒を容器間で循環させる方法とし
ては、上述した実施の形態で述べたものの他に、液送ポ
ンプを利用したり、上下方向に配置した容器3、6に不
活性ガスの気泡をパイプP1(P2)中を介して送り込
むことで溶媒を循環させる等の方法が挙げられる。
ては、上述した実施の形態で述べたものの他に、液送ポ
ンプを利用したり、上下方向に配置した容器3、6に不
活性ガスの気泡をパイプP1(P2)中を介して送り込
むことで溶媒を循環させる等の方法が挙げられる。
【0037】上述した実施の形態では、アンドープ結晶
の成長例を述べたが、本発明の結晶成長方法は、ドープ
結晶の成長にも利用が可能である。このとき、上述した
ようにドーパントの偏析を考慮して、原材料投入口を活
用すると効果的である。
の成長例を述べたが、本発明の結晶成長方法は、ドープ
結晶の成長にも利用が可能である。このとき、上述した
ようにドーパントの偏析を考慮して、原材料投入口を活
用すると効果的である。
【0038】溶媒や溶質原料が分解、揮散する性質を有
する場合には、成長雰囲気中に揮散成分を封じ込めた
り、溶媒表面にB2 O3 等の液体封止剤を浮かべ、さら
に成長雰囲気を加圧する等の変形が考えられる。
する場合には、成長雰囲気中に揮散成分を封じ込めた
り、溶媒表面にB2 O3 等の液体封止剤を浮かべ、さら
に成長雰囲気を加圧する等の変形が考えられる。
【0039】結晶成長容器中に配置される種結晶は容器
6(6a、6b)の内壁に固定されているが、独立した
支持棒に支持し、その支持棒を容器6(6a、6b)内
で回転させてもよい。また、各容器内の溶媒を攪拌する
ための手段を設けてもよい。
6(6a、6b)の内壁に固定されているが、独立した
支持棒に支持し、その支持棒を容器6(6a、6b)内
で回転させてもよい。また、各容器内の溶媒を攪拌する
ための手段を設けてもよい。
【0040】多元系の化合物結晶を成長させる際には、
成長結晶と原料結晶とは必ずしも同じである必要はな
い。例えば、超伝導結晶の成長で知られているように、
溶媒にBa3 Cu5 O8 を、原料結晶にY2 BaCuO
5 を用い、YBa2 Cu3 O7- X の結晶を成長させる等
の応用が可能である。
成長結晶と原料結晶とは必ずしも同じである必要はな
い。例えば、超伝導結晶の成長で知られているように、
溶媒にBa3 Cu5 O8 を、原料結晶にY2 BaCuO
5 を用い、YBa2 Cu3 O7- X の結晶を成長させる等
の応用が可能である。
【0041】以上において本発明によれば、簡便な装置
で、従来はバルク結晶の成長が非常に困難であった材料
の結晶成長が可能となる。すなわち、 (1) AlGaAsのように偏析が問題となる混晶のバル
ク結晶が成長可能となる。
で、従来はバルク結晶の成長が非常に困難であった材料
の結晶成長が可能となる。すなわち、 (1) AlGaAsのように偏析が問題となる混晶のバル
ク結晶が成長可能となる。
【0042】(2) GaNのように、融液の作製が困難
で、かつ溶媒に対する溶解度も小さい材料のバルク結晶
の成長が可能となる。
で、かつ溶媒に対する溶解度も小さい材料のバルク結晶
の成長が可能となる。
【0043】
【発明の効果】以上要するに本発明によれば、次のよう
な優れた効果を発揮する。
な優れた効果を発揮する。
【0044】溶質原料が飽和するまで溶解した溶媒を、
結晶の成長点に連続的に供給させることにより、溶液成
長法でバルク結晶を容易に成長させることのできる結晶
成長方法の提供を実現できる。
結晶の成長点に連続的に供給させることにより、溶液成
長法でバルク結晶を容易に成長させることのできる結晶
成長方法の提供を実現できる。
【図1】本発明の結晶成長方法を適用した装置の一実施
の形態を示す概念図である。
の形態を示す概念図である。
【図2】本発明の結晶成長方法を適用した装置の他の実
施の形態を示す概念図である。
施の形態を示す概念図である。
【図3】本発明の結晶成長方法を適用した装置の他の実
施の形態を示す概念図である。
施の形態を示す概念図である。
1、1a、1b、1c 円筒型抵抗加熱炉(ヒータ) 3、3a、3b 容器(原料溶解容器) 4 溶媒 5 ピストン 6、6a、6b 容器(結晶成長容器) 7、7a、7b、7c 単結晶 8、8a、8b、8c 種結晶 9 溶質原料 10 水冷コイル 12 原料投入口 13 連結管加熱ヒータ 15 スクリュー
Claims (7)
- 【請求項1】 溶液を冷却して過飽和になった溶質原料
の結晶を成長させる方法において、溶媒を満たした2つ
の容器を連通させ、かつ各容器間に温度差を設け、高温
側の容器内に飽和溶解量よりも多量の溶質原料を溶かし
て原料溶液を作製し、低温側の容器を、上記原料溶液が
溶質原料を析出するときの温度に設定すると共に、各容
器間の溶媒を循環させ、低温側の容器内で目的とする溶
質原料の結晶を連続的に成長させることを特徴とする結
晶成長方法。 - 【請求項2】 熱対流を駆動力として上記溶媒を各容器
間で循環させる請求項1に記載の結晶成長方法。 - 【請求項3】 外部動力を用いて、上記溶媒を各容器間
で強制的に循環させる請求項1に記載の結晶成長方法。 - 【請求項4】 溶質原料を析出させる低温側の容器内
に、予め種結晶を配置しておく請求項1に記載の結晶成
長方法。 - 【請求項5】 上記溶媒の循環にかかる経路を溶質原料
の析出温度以上に加熱しておく請求項1に記載の結晶成
長方法。 - 【請求項6】 高温側の容器中に配した溶質原料が、未
溶解の状態で低温側の容器中に移動するのを防止する手
段を用いた請求項1に記載の結晶成長方法。 - 【請求項7】 高温側の容器中に、溶質原料を連続的に
供給する請求項1に記載の結晶成長方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP9174298A JPH11292679A (ja) | 1998-04-03 | 1998-04-03 | 結晶成長方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP9174298A JPH11292679A (ja) | 1998-04-03 | 1998-04-03 | 結晶成長方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH11292679A true JPH11292679A (ja) | 1999-10-26 |
Family
ID=14034992
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP9174298A Pending JPH11292679A (ja) | 1998-04-03 | 1998-04-03 | 結晶成長方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH11292679A (ja) |
Cited By (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2005095681A1 (ja) * | 2004-03-31 | 2005-10-13 | Matsushita Electric Industrial Co., Ltd. | Iii族元素窒化物結晶の製造方法、それに用いる製造装置、およびそれらにより得られた半導体素子 |
WO2008117564A1 (ja) * | 2007-03-27 | 2008-10-02 | Ngk Insulators, Ltd. | 窒化物単結晶の製造方法 |
JP2009227539A (ja) * | 2008-03-25 | 2009-10-08 | Ngk Insulators Ltd | 窒化物単結晶の製造方法 |
JP2011190126A (ja) * | 2010-03-12 | 2011-09-29 | Ngk Insulators Ltd | 窒化物結晶の製造方法および装置 |
WO2012086856A1 (ko) * | 2010-12-21 | 2012-06-28 | (주)티피에스 | 단결정 사파이어 잉곳 성장장치 |
-
1998
- 1998-04-03 JP JP9174298A patent/JPH11292679A/ja active Pending
Cited By (8)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
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US7794539B2 (en) | 2004-03-31 | 2010-09-14 | Panasonic Corporation | Method for producing III group element nitride crystal, production apparatus for use therein, and semiconductor element produced thereby |
WO2008117564A1 (ja) * | 2007-03-27 | 2008-10-02 | Ngk Insulators, Ltd. | 窒化物単結晶の製造方法 |
JP5235864B2 (ja) * | 2007-03-27 | 2013-07-10 | 日本碍子株式会社 | 窒化物単結晶の製造方法 |
US8506705B2 (en) | 2007-03-27 | 2013-08-13 | Ngk Insulators, Ltd. | Method for manufacturing nitride single crystal |
JP2009227539A (ja) * | 2008-03-25 | 2009-10-08 | Ngk Insulators Ltd | 窒化物単結晶の製造方法 |
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