JPH11292245A - シュート装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 閉塞と偏摩耗を防ぐことのできるシュート装
置を提供する。 【解決手段】 下方に傾斜した円筒状のシュート２から
水分を含んだ粉体原料１１を落下するためのシュート装
置１において、シュート２内に搬送羽根３を回転自在に
設け、その搬送羽根３の外周を、シュート２内面７と離
間するように形成してシュート２内面７に粉体原料１１
の付着層６を形成しつつ粉体原料１１を落下するように
したものである。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、粉砕機などへ粉体
原料を落下させて投下するためのシュート装置に関する
ものである。

【０００２】

【従来の技術】一般的に粉砕機などの機器へ粉体原料を
投入するシュートには、金属製のパイプ又は角形のもの
を用いている。このシュートは、水分を含む粉体や摩耗
性の高い粉体を投下するために使用されている。

【０００３】例えば、図４は、竪型ミル１０に設けられ
てセメントの原料である水砕スラグなどの粉体原料１１
を粉砕部１２に落下させるためのシュート１３を示した
ものである。

【０００４】この竪型ミル１０は、そのミルケーシング
１４内に供給された粉体原料１１を回転テーブル１７
と、回転テーブル１７に圧接されつつ回転テーブル１７
の回転に追従して回転する粉砕ローラ１８との間で磨り
潰し、磨り潰された粉砕物１９を回転テーブル１７の周
りから上方へ吹き出す熱ガス等で吹き上げ、分級機２０
で十分に磨り潰されたものだけを選り分けてミルケーシ
ング１４外に取り出すよう構成されている。

【０００５】シュート１３は、下部２１が傾斜されてお
り、ミルケーシング１４の側部を斜めに貫通して落下口
１５を粉砕部１２に向けている。シュート１３の上部２
２は略鉛直に起立されており、その内部には複数のロー
タリフィーダ２３が設けられて竪型ミル１０内を気密に
閉じるようになっている。

【０００６】粉体原料１１は、高炉で生成されたスラグ
（シリカ、マグネシウム、アルミニウム等を含む不純
物）を水で急冷して作られるものであり、１０〜１５％
の水分を含んでいる。

【０００７】

【発明が解決しようとする課題】ところで、水砕スラグ
１１は１０〜１５％の水分を含むため、シュート１３の
内面１６に付着しやすく、一旦シュート１３の内面１６
に付着すると大きく成長しやすい。そのため、シュート
１３を閉塞させやすいという課題があった。

【０００８】また、水砕スラグ１１は比較的硬いセラミ
ックの粉体であり、シュート１３は傾斜されるものであ
るため、シュート１３の内面は偏摩耗されやすい。この
ため、シュート１３は穴が穿きやすく、交換の難しいシ
ュート１３を定期的に交換しなければならないという課
題があった。

【０００９】そこで、本発明の目的は、上記課題を解決
し、閉塞と偏摩耗を防ぐことのできるシュート装置を提
供することにある。

【００１０】

【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に本発明は、下方に傾斜した円筒状のシュートから水分
を含んだ粉体原料を落下するためのシュート装置におい
て、シュート内に搬送羽根を回転自在に設け、その搬送
羽根の外周を、シュート内面と離間するように形成して
シュート内面に粉体原料の付着層を形成しつつ粉体原料
を落下するようにしたものである。

【００１１】また、上記搬送羽根を、回転軸にスクリュ
ー状の羽根を設けたものとするとよい。

【００１２】

【発明の実施の形態】本発明の好適実施の形態を添付図
面に基づいて詳述する。

【００１３】図１及び図２に示すように、シュート装置
１は、竪型ミルの破砕部に水砕スラグなどの粉体原料１
１を落下させるべくミルケーシングに傾斜して貫通され
るシュート２と、シュート２内に回転自在に設けられた
搬送羽根３とからなる。

【００１４】シュート２は、円筒状に形成され、水平面
に対して５０°〜６０°程度の角度で下方へ向けて傾斜
されている。

【００１５】搬送羽根３は、シュート２内の粉体原料１
１を落下させると共にシュート２の内面７に押し付ける
ためのものであり、回転軸４にスクリュー状の羽根５を
一体に設けてなるものである。搬送羽根３は、シュート
２内に同心状に配置されている。

【００１６】回転軸４は、シュート２の上流方向からシ
ュート２外に延出されて駆動装置（図示せず）に連結さ
れており、駆動装置が駆動されることにより回転される
ようになっている。

【００１７】羽根５は、外周がシュート２の内面７と離
間するようにシュート２の内径Ｄ１よりも小さな外径Ｄ
２に形成されており、回転されることによりシュート２
の内面７に粉体原料１１の付着層６を形成しつつ粉体原
料１１の落下を許容するようになっている。

【００１８】羽根５について更に説明すると、羽根５は
その外径Ｄ２を、シュート２内面７との間隙から付着層
６をゆっくりと滑落させることができる程度に小さく、
かつ、その滑落する粉体原料１１を補って付着層６を一
定の状態に保つことができる程度に大きく形成されてい
る。

【００１９】羽根５の外周端とシュート２内面７との間
隔は、粉体原料の含水分と性状とによって決まる。

【００２０】次に作用を述べる。

【００２１】まず、駆動装置を駆動し、搬送羽根３を回
転させる。

【００２２】シュート装置１内に粉体原料１１を送り込
む。シュート装置１内に設けられた搬送羽根３は、送り
込まれた粉体原料１１を下方へ送りつつ、シュート２の
内面７に押し付ける。シュート２の内面７には、全周に
亘って粉体原料１１が付着される。

【００２３】シュート２の内面７に付着した粉体原料１
１のうち、径方向中心側に張り出した粉体原料１１は、
即座に回転する羽根５に削り取られ強制的に移動させら
れる。このため、シュート２内に粉体原料１１が詰まる
のを防ぐことができ、シュート２の内面７には、羽根５
とシュート２内面７の間に形成される間隙と同じ厚さの
付着層６が形成される。

【００２４】付着層６は、水分による微小な付着力で形
成されるため、崩れやすく、常に崩壊しつつ継ぎ足され
ることで連続的に形成された状態で維持される。このた
め、シュート２の内面７は、付着層６によってカバーさ
れた状態となり、シュート２内を落下口へ向けて移動す
る粉体原料１１が直接シュート２の内面７に触れるのを
完全に防ぐことができ、シュート２の内面７が摩耗され
るのを防止することができ、困難であるシュート２の交
換をなくすことができ、メンテナンスを容易にできる。

【００２５】また、付着層６は、連続的に形成されなが
らシュート２の内面７に沿ってゆっくりと滑落する。こ
のため、付着層６に古い粉体原料１１が残こるのを防ぐ
ことができ、古い粉体原料１１がシュート２の内面７に
こびりつくのを防ぐことができる。

【００２６】そして、搬送羽根３は、一定の速さで回転
され、粉体原料１１を目的位置まで確実かつ定量的に送
ることができる。

【００２７】なお、搬送羽根３は、図示した回転軸４に
スクリュー状の羽根５を設けたものに限るものではな
く、例えば、回転軸４にリボン状の羽根を螺旋状に設け
たものや撹拌羽根を設けたものでもよく、要するに粉体
原料１１をシュート２の内面７に押し付けつつ落下投下
させることのできる形状に形成されたものであれば他の
形状のものであってもよい。

【００２８】

【発明の効果】以上要するに本発明によれば、次のよう
な優れた効果を奏する。

【００２９】（１）シュートが粉体原料によって閉塞さ
れるのを防ぐことができる。

【００３０】（２）シュートが偏摩耗されるのを防ぐこ
とができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の好適実施の形態を示すシュート装置の
側面図である。

【図２】図１のII−II線矢視断面図である。

【図３】従来の竪型ミルに設けられるシュートの側面図
である。

【符号の説明】

１ シュート装置 ２ シュート ３ 搬送羽根 ４ 回転軸 ５ 羽根 ６ 付着層 ７ 内面 １１ 粉体原料（水砕スラグ）

Claims (2)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 下方に傾斜した円筒状のシュートから水
   分を含んだ粉体原料を落下するためのシュート装置にお
   いて、シュート内に搬送羽根を回転自在に設け、その搬
   送羽根の外周を、シュート内面と離間するように形成し
   てシュート内面に粉体原料の付着層を形成しつつ粉体原
   料を落下するようにしたことを特徴とするシュート装
   置。
2. 【請求項２】 上記搬送羽根が回転軸にスクリュー状の
   羽根を設けたものである請求項１に記載のシュート装
   置。