JPH1129223A - 容器積重ね装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】多数の容器を積重ねる作業が能率的に行え、作
業の能率アップを図ることができる容器積重ね装置を提
供する。 【解決手段】積上げ機構を駆動して、第１コンベア上の
持上げ位置に搬送される育苗箱を持上げて上下２段に積
重ねる。積重ね機構を駆動して、上下２段に積重ねられ
た複数個の育苗箱を保持して持上げ位置から積重ね位置
に周回移動させ、第２コンベア上の積重ね位置に多数積
重ねる。多数の育苗箱を積重ねてなる箱群を第２コンベ
ア上の挾持位置に搬送した後、積載機構を駆動して、一
つの箱群を保持して水平移動させ、同機側部の積載位置
に走行移動された運搬台車に移載するので、多数の容器
を積重ねる作業及び運搬台車に移載する作業が能率的に
行える。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】この発明は、例えば、育苗
箱、コンテナ、段ボール箱等の容器を多数積重ねる作業
に用いられる容器積重ね装置に関する。

【０００２】

【従来の技術】従来、上述例のような多数の育苗箱を上
下段に積重ねて育苗用の運搬台車に積載する装置として
は、例えば、第１コンベアにより搬送される育苗箱を一
対の載置台で水平に保持して上方に持上げると共に、後
続の育苗箱を一対の載置台で保持して持上げ位置から積
重ね位置に周回移動させ、一対の載置台で保持した育苗
箱を第２コンベアに１段ずつ積重ねる。多数の育苗箱を
上下方向に積重ねて一つの箱群を構成した後、一つの箱
群を起立した状態に保持して運搬台車に積載する装置
（特公平８−２５６３５号）がある。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】しかし、上述した装置
は、第１コンベアにより搬送される多数の育苗箱を一対
の載置台で１個ずつ保持して持上げ、一対の載置台で保
持した育苗箱を１段ずつ積重ねて箱群を構成する構成で
あるので、育苗箱の積重ね作業に手間及び時間が掛かる
だけでなく、載置台の周回速度に同期して、第１コンベ
ア上の持上げ位置に対して育苗箱を１個ずつ搬送供給し
なければならず、育苗箱の搬送速度及び供給数が制限さ
れるため、作業能率が悪いという問題点を有している。

【０００４】また、装置前段の播種工程に於いて、播種
済みの育苗箱を作業者の手又は積重ね機で上下段に積重
ねて第１コンベアに移載する場合、播種工程と積重ね工
程とを直結する必要があるため、装置全体の搬送距離が
長くなり、装置の設置及びレイアウトが困難となる。且
つ、播種工程から供給される最後の育苗箱が積重ねられ
るまで、装置全体の作業を終了することができず、育苗
箱の搬送時間及び積重ね作業に要する時間が長くなると
いう問題点を有している。

【０００５】この発明は上記問題に鑑み、持上げ位置に
供給される複数の容器を容器保持手段で保持し、次に供
給される容器又は保持された容器を一対の載置台で持上
げて上下に積重ねた後、一対の載置台で保持した複数の
容器を積重ね位置に移動させて上下に積重ねるので、多
数の容器を積重ねる作業が能率的に行え、作業の能率ア
ップを図ることができる容器積重ね装置の提供を目的と
する。

【０００６】

【課題を解決するための手段】請求項１記載の発明は、
持上げ位置に供給される容器を一対の載置台により保持
し、一対の載置台で保持した容器を持上げ位置から積重
ね位置に移動して上下に積重ねる容器積重ね装置であっ
て、上記持上げ位置に、上記一対の載置台により持上げ
られる状態に複数の容器を上下に保持する容器保持手段
を設けた容器積重ね装置であることを特徴とする。

【０００７】請求項２記載の発明は、上記請求項１記載
の構成と併せて、上記容器保持手段を、上記持上げ位置
に供給される容器を持上げる持上げ手段と、該持上げ手
段により持上げられた容器を保持する保持手段とを設け
て構成した容器積重ね装置であることを特徴とする。

【０００８】請求項３記載の発明は、上記請求項１記載
の構成と併せて、上記容器保持手段を、上記持上げ位置
に供給される容器を保持する一対の容器保持部と、該容
器が上方に持上げられる方向に一対の容器保持部を移動
する移動手段を設けて構成した容器積重ね装置であるこ
とを特徴とする。

【０００９】

【作用】請求項１記載の容器積重ね装置は、持上げ位置
に供給される複数の容器を容器保持手段で上下に保持し
た後、次に供給される容器又は保持された容器を一対の
載置台で持上げて上下に積重ねる。上下に積重ねられた
複数の容器を一対の載置台で保持して持上げ位置から積
重ね位置に移動させ、一対の載置台により保持した複数
の容器を上下に順次積重ねるので、容器保持台の移動速
度よりも速い速度で多数の容器を持上げ位置に供給する
ことができる。且つ、１回の移動で複数の容器を一括し
て積重ねるので、多数の容器を積重ねるときに要する時
間を大幅に短縮することができる。

【００１０】請求項２記載の容器積重ね装置は、上記請
求項１記載の作用と併せて、持上げ位置に供給される容
器を持上げ手段で持上げ、その持上げられた容器を保持
手段で保持する。次に供給される容器を持上げ手段で持
上げ又は持上げられる容器を一対の載置台で保持して、
保持手段により保持された容器に積重ねると共に、上下
に積重ねられた複数の容器を一対の載置台で保持して積
重ね位置に移動させ、一対の載置台により保持した複数
の容器を順次積重ねるので、複数の容器を上下に積重ね
た状態のまま移動することができ、積重ね作業が容易に
行える。

【００１１】請求項３記載の容器積重ね装置は、上記請
求項１記載の作用と併せて、移動手段を駆動して、持上
げ位置に供給される容器を一対の容器保持部で保持して
持上げ、次に供給される容器を一対の容器保持部又は一
対の載置台で保持して持上げた後、上方に持上げられた
複数の容器を一対の載置台で保持して積重ね位置に移動
させ、一対の載置台により保持した複数の容器を順次積
重ねるので、容器の供給速度及び供給数が規制する必要
が無く、複数の容器を連続して持上げることができ、容
器の積上げ作業が能率的に行える。

【００１２】

【発明の効果】この発明によれば、持上げ位置に供給さ
れる複数の容器を容器保持手段で保持し、次に供給され
る容器又は保持された容器を一対の載置台で持上げて上
下に積重ねた後、一対の載置台で保持した複数の容器を
積重ね位置に移動して上下に積重ねるので、従来例のよ
うに多数の容器を１段ずつ積重ねるような手間及び作業
が省けると共に、容器の供給速度及び供給数が規制され
ず、載置台の移動速度よりも速い速度で多数の容器を持
上げ位置に供給することができる。且つ、１回の移動で
複数の容器を一括して積重ねるので、多数の容器を積重
ねる作業が能率的に行える。載置台の移動回数が少なく
て済むため、多数の容器を積重ねるときに要する時間を
大幅に短縮することができ、積重ね作業の能率アップを
図ることができる。

【００１３】しかも、持上げ位置に於いて、複数の容器
を上下に積重ねるので、従来例のような容器を積重ねる
工程又は機械を装置前段に設置する必要が無く、装置全
長及び搬送距離が短くなるため、容器の搬送時間及び積
重ね作業に要する時間を短縮することができ、装置の設
置及びレイアウトが容易に行える。さらに、持上げ手段
により持上げられた容器を一旦保持した後、次に供給さ
れる容器を持上げ又は一対の載置台で保持した容器を持
上げて、上下の容器を互いに合致するので、複数の容器
を上下に積重ねた状態のまま移動することができ、容器
の積重ね作業が正確且つ容易に行える。

【００１４】さらにまた、持上げ位置に供給される複数
の容器を一対の容器保持部により順次持上げるので、容
器の供給速度及び供給数が規制する必要が無く、複数の
容器を連続して持上げることができ、容器の積上げ作業
が能率的に行える。

【００１５】

【実施例】この発明の一実施例を以下図面に基づいて詳
述する。図面は容器の一例として、多数の育苗箱を上下
段に積重ねて育苗用の運搬台車に積載する作業に用いら
れる容器積重ね装置を示し、図１、図２、図３に於い
て、この容器積重ね装置１は、前工程（例えば、播種工
程）から供給される育苗箱ａ…を第１コンベア２上に設
定した持上げ位置ａに搬送し、同位置に配設した積上げ
機構３により複数個の育苗箱ａ…を持上げて上下段に積
重ねる。同位置側部に配設した積重ね機構４により上下
段に積重ねられた複数個の育苗箱ａ…を一括保持して持
上げ位置ｂから積重ね位置ｃに周回移動させ、第２コン
ベア５上に設定した積重ね位置ｃに順次積重ねる。複数
個の育苗箱ａ…を積重ねてなる箱群Ａを第２コンベア５
上に設定した挾持位置ｄに搬送すると共に、同位置に配
設した積載機構６により一つの箱群Ａを保持して水平移
動させ、同位置側部の積載位置ｅに走行移動された運搬
台車７に移載する構成である。

【００１６】上述した第１コンベア２は、前工程（例え
ば、播種工程）から供給される多数の育苗箱ａ…を送り
ベルト１０，１０間に載置して持上げ位置ｂに搬送す
る。送りベルト１０は、育苗箱ａの横幅よりも幅狭とな
る間隔に隔てて、送り側始端部及び送り側終端部に軸支
したドラムロール９，９間に２本平行して張架してい
る。始端側下部に配設した減速機付き送り用モータ１１
は、スプロケット１１ａ，１１ａ及び駆動チェーン１１
ｂを介して送りベルト１０，１０を送り方向に回転さ
せ、その送りベルト１０，１０間に載置された育苗箱ａ
を持上げ位置ｂに搬送する。且つ、終端側上部には、送
りベルト１０，１０間に載置された育苗箱ａ及び後述す
る持上げ台１８に載置された育苗箱ａの前端部と対向し
てストッパ１２を配設している。ストッパ１２は、送り
ベルト１０，１０により搬送される育苗箱ａを持上げ位
置ｂに停止させ、後述する持上げ台１８により持上げら
れる育苗箱ａを上下方向に整列される位置に規制する。

【００１７】前述した積上げ機構３は、図４、図５、図
６にも示すように、後述する持上げ台１８により持上げ
られる育苗箱ａを、持上げ位置ｂの上方両側部に配設し
た一対の受け板１３，１３で水平に支持する。受け板１
３は、育苗箱ａの両側角隅部が水平に支持される大きさ
及び形状に形成され、持上げ台１８により所定高さに持
上げられた育苗箱ａの両側角隅部と対向する高さ位置で
あって、その育苗箱ａの両側縁部が水平に支持される間
隔及び後述する載置台２０の周回動作が許容される間隔
に隔てて配設している。且つ、受け板１３の下端部を、
上方両側部に軸架した支軸１４に対して回動可能に枢着
し、持上げ台１８により持上げられた育苗箱ａの両側縁
部が水平に支持される閉角度と、育苗箱ａの持上げ動作
が許容される開角度とに開閉可能に設けている。且つ、
受け板１３の下端部と、同側下部に設けた係止部１５と
の間に張架したスプリング１６の弾性により、育苗箱ａ
の縁部に対して係止される方向に受け板１３を回動付勢
し、受け板１３の下端部を、同側下部に設けた規制部１
７に当接して、係止姿勢が維持される角度に回動規制し
ている。また、受け板１３を、例えば、空気圧、油圧等
の流体圧により作動されるアクチュエータ（図示省略）
で回動してもよい。

【００１８】持上げ台１８は、持上げ位置ｂの下部中央
であって、送りベルト１０，１０間に載置された育苗箱
ａの下面側中央部と対向して配設され、送りベルト１
０，１０により搬送される育苗箱ａを上述した受け板１
３，１３で支持される高さに持上げる。持上げ台１８
は、送りベルト１０，１０の対向縁部間よりも若干幅狭
であって、育苗箱ａが水平に支持される大きさ及び形状
に形成している。且つ、同位置下部に配設した持上げ用
シリンダ１９は、受け板１３の受け面よりも上方に上昇
される上昇位置と、送りベルト１０の搬送面よりも下方
に降下される降下位置とに持上げ台１８を上下動する。

【００１９】前述した積重ね機構４は、積上げ機構３に
より積重ねられた複数個の育苗箱ａ…を、周回用チェー
ン２０ｅ，２０ｅに取付けた一対の載置台２０，２０で
保持して第２コンベア５上の積重ね位置ｃに順次積重ね
る。持上げ位置ｂの両側部に軸支したスプロケット２０
ａと、積重ね位置ｃの両側部に軸支したスプロケット２
０ｂと、持上げ位置ｂから積重ね位置ｃに至る上方両側
部に架設した上下逆Ｕ字形のチェーンガイド２０ｃと、
チェーンガイド２０ｃに沿って外周側に架設した周回ガ
イド２０ｄとに周回用チェーン２０ｅを張架している。
且つ、周回用チェーン２０ｅ上に、複数台（例えば、６
台）の載置台２０を長さ方向に対して所定等間隔に隔て
て取付け、両側部に張架した周回用チェーン２０ｅ，２
０ｅに載置台２０，２０を相対向して取付けている。

【００２０】一方、第２コンベア５の下部中央に回転軸
２２を軸架して、スプロケット２０ｂの軸端部に固定し
たスプロケット２１と、回転軸２２の両端部に固定した
スプロケット２３との間に従動チェーン２４を張架して
いる。且つ、積重ね位置ｃの上方に回転軸２６を軸架し
て、回転軸２２の端部に固定したスプロケット２５と、
回転軸２６の端部に固定したスプロケット２７との間に
従動チェーン２８を張架している。装置上部に配設した
減速機付き周回用モータ２９は、スプロケット３０，３
１及び駆動チェーン３２を介して、スプロケット２１，
２３，２５，２７，３０，３１及びチェーン２４，２
８，３２を介して周回用チェーン２０ｅを周回方向に回
転する。つまり、積上げ機構３により積上げられた複数
個の育苗箱ａ…を一対の載置台２０，２０で水平姿勢に
保持して持上げ位置ｂから積重ね位置ｃに周回移動さ
せ、第２コンベア５上の積重ね位置ｃに複数個の育苗箱
ａ…を鉛直方向に順次積重ねると共に、同位置側部に架
設した積重ねガイド３３により育苗箱ａ…を鉛直方向に
規制する。

【００２１】載置台２０は、図３、図７に示すように、
例えば、台形に形成した取付け板３４の後面側上端部に
円筒部３５を突設し、周回用チェーン２０ｅの外周面幅
方向にブラケット３６を介して支軸３７を固定し、この
支軸３７上に嵌着したベアリング３８を取付け板３４の
円筒部３５に圧入固定して、支軸３７を中心として載置
台２０を揺動可能に枢着している。一方、取付け板３４
の下部両端に形成した支持片３４ａ，３４ａ間に、ブラ
ケット３９，３９を介して支軸４０を回転可能に軸架
し、育苗箱ａの両側縁部が保持される形状に形成した受
け板４１の下面側両端部にガイド板４２を固定し、ガイ
ド板４２の後面側下端部を支軸４０に固定して、育苗箱
ａを水平姿勢に保持する角度と、育苗箱ａの保持を解除
する角度とに受け板４１を回動可能に軸支している。

【００２２】ガイド板４２は、育苗箱ａを保持した状態
のまま受け板４１を垂直降下したとき、積重ね位置ｃに
積重ねられた育苗箱ａの縁部に当接され、その反力によ
り育苗箱ａの保持が解除される方向に受け板４１を回動
する。且つ、ガイド板４２の後面側下端部と、取付け板
３４の後面側下端部に固定した規制部材４３とを当接し
て、育苗箱ａが保持される姿勢に受け板４１を回動規制
する。一方、積重ね位置ｃから持上げ位置ｂに載置台２
０，２０を回帰させるとき、受け板４１の後面側に突設
したガイド突起４４と、積重ね位置ｃから持上げ位置ｂ
に至る下方両側部に斜設した復帰ガイド４５とが当接さ
れ、その反力により育苗箱ａが保持される姿勢に受け板
４１を回動復帰する。

【００２３】且つ、取付け板３４に突設した円筒部３５
の外周面と対向する周回経路であって、持上げ位置ｂの
上方両側部に軸支したスプロケット５１と、積重ね位置
ｃの上方両側部に軸支したスプロケット５２と、持上げ
位置ｂから積重ね位置ｃに至る上方両側部に架設した円
弧形のチェーンガイド５３とにガイドチェーン５４を張
架し、スプロケット５２の軸端部に固定したスプロケッ
ト５５と、回転軸２６の両端部に固定したスプロケット
５６との間に従動チェーン５７を張架している。上述し
た周回用モータ２９の駆動力により、スプロケット３
０，３１，５５，５６及びチェーン３２，５７を介して
ガイドチェーン５４を周回方向に回転するので、持上げ
位置ｂから積重ね位置ｃに載置台２０を周回移動させる
とき、載置台２０の円筒部３５に嵌着したスプロケット
５８とガイドチェーン５４とが係合され、チェーンガイ
ド５３に沿ってスプロケット５８が公転移動しながら自
転して、育苗箱ａが水平姿勢に保持される状態に載置台
２０の周回姿勢を規制する。

【００２４】一方、持上げ位置ｂ及び積重ね位置ｃの両
側部に、載置台２０の横幅と対応する間隔に隔てて２本
の昇降ガイド５９，５９を垂直方向に架設し、これら昇
降ガイド５９，５９により育苗箱ａが水平姿勢に保持さ
れる状態に載置台２０の昇降姿勢を規制する。

【００２５】前述した第２コンベア５は、積重ね位置ｃ
側に配列した送りローラ６０…と、挾持位置ｄ側に配列
した送りローラ６１…とを回転して、多数の育苗箱ａ…
を積重ねてなる箱群Ａを搬送する。送りローラ６０，６
１は、箱群Ａを起立状態に支持する前後間隔に隔てて軸
架され、積重ね位置ｃ側の送りローラ６０…は、載置台
２０，２０の周回動作が許容される搬送幅に設定してい
る。終端側下部に配設した減速機付き送り用モータ６２
は、スプロケット６３，６４，６５及びチェーン６６，
６７を介して送りローラ６０，６１を送り方向に回転さ
せ、多数の育苗箱ａ…を積重ねてなる箱群Ａを積重ね位
置ｃから挾持位置ｄに搬送し、挾持位置ｄ側部に架設し
た規制板６８により箱群Ａを位置規制する。

【００２６】前述した積載機構６は、図１、図２に示す
ように、挾持位置ｄに搬送された箱群Ａを、可動枠６９
に取付けたリフトフォーク８２と押圧板８６とで挾持し
て、同位置側部の積載位置ｅに走行移動された運搬台車
７に移載する。可動枠６９は、同枠の上端両側部に側板
７０を固定し、側板７０に取付けた複数個のガイドロー
ラ７１…を、挾持位置ｄ上部と移載位置ｅ上部との間に
架設した走行ガイド７２に対して走行可能に係合してい
る。走行ガイド７２，７２間の中央部上方には、走行側
始端部及び走行側終端部に軸支したスプロケット７３，
７３間に走行用チェーン７４を張架し、走行用チェーン
７４の端部を可動枠６９に連結している。終端部上方に
配設した減速機付き移動用モータ７５は、スプロケット
７６，７７及び駆動チェーン７８を介して走行用チェー
ン７４を移載方向に回転させ、挾持位置ｄと移載位置ｅ
とに可動枠６９を移動停止する。

【００２７】可動枠６９は、同枠の下端部に支軸７９を
回転可能に軸支し、支軸７９に固定したアーム８０の下
端部に、リンク棒８１を介して、櫛字形に形成したリフ
トフォーク８２を連結している。可動枠６９の下端部に
垂設したリフトシリンダ８３は、アーム８０及びリンク
棒８１を介して、最下段に積重ねられた育苗箱ａの底面
側に対して対接される方向にリフトフォーク８２を上下
動する。一方、可動枠６９の上下端部間にガイド軸８
４，８４を垂直方向に架設し、ガイド軸８４，８４間に
昇降板８５を上下摺動可能に係合し、昇降板８５の延出
側端部に箱群Ａの上面と対向して押圧板８６を取付けて
いる。可動枠６９の上端部に立設した昇降シリンダ８７
は、最上段に積重ねられた育苗箱Ａの上面側に対して対
接される方向に昇降板８５を上下動する。つまり、リフ
トフォーク８２と押圧板８６とで挾持位置ｄに搬送され
た箱群Ａの上下面を挾持する。

【００２８】前述した運搬台車７は、複数（例えば、２
群）の箱群Ａが幅方向に対して並列載置される横幅であ
って、多数の箱群Ａ…が長さ方向に対して複数列載置さ
れる大きさに台車本体７ａを形成している。台車本体７
ａの下面側四隅部に取付けたキャスタ７ｂ…は、移載位
置ｅの走行面上に敷設したレール９０，９０に対して走
行移動可能に係合される。一方、搬入側及び搬出側に軸
支したスプロケット９１，９１間に、台車本体７ａの下
面側と対向して走行用チェーン９２を走行方向に張架し
て、走行用チェーン９２に取付けたフック９２ａを、台
車本体７ａの下面側に対して係止する。搬出側下部に配
設した減速機付き走行用モータ９３は、スプロケット９
３ａ，９３ａ及び駆動チェーン９３ｂを介して走行用チ
ェーン９２を走行方向に回転させ、走行用チェーン９２
に取付けたフック９２ａを運搬台車７の下面側に係止し
て、積載機構６による移載動作に対応して運搬台車７を
走行方向に移動する。レール９０，９０上から運搬台車
７を搬出するとき、走行用チェーン１０に取付けたフッ
ク１１が運搬台車７の下面側から離脱される。

【００２９】図示実施例は上記の如く構成するものにし
て、以下、容器積重ね装置１により多数の育苗箱ａ…を
運搬台車７に積載するときの動作を説明する。先ず、図
１、図４に示すように、前工程（例えば、播種工程）か
ら供給される多数の育苗箱ａ…を第１コンベア２上の持
上げ位置ｂに順次搬送し、一つの育苗箱ａが持上げ位置
ｂに搬送停止された直後、図５、図６に示すように、積
上げ機構３を駆動して、持上げ位置ｂに搬送された育苗
箱ａを持上げ台１８により上方に一旦持上げ、上方両側
部の受け板１３…に対して育苗箱ａの両側角隅部を下方
から当接し、育苗箱ａの持上げ動作が許容される間隔に
受け板１３…を開放する。受け板１３…よりも上方に育
苗箱ａを持上げたとき、育苗箱ａの両側角隅部に対して
係止される姿勢に受け板１３…が回動復帰する。続い
て、第１コンベア２の搬送面及び受け板１３…の受け面
よりも下方に持上げ台１８を垂直降下することで、育苗
箱ａの両側角隅部が受け板１３…により水平姿勢に支持
される。一つの育苗箱ａの持上げ動作が完了する。

【００３０】続いて、持上げ位置ｂに搬送された次の育
苗箱ａを持上げ台１８で持上げ、受け板１３…で支持さ
れた育苗箱ａの下面側に、持上げ台１８で持上げられる
育苗箱ａを下方から合致して、２個の育苗箱ａ，ａを上
下２段に積重ねる。或いは、一つの育苗箱ａを受け板１
３…で支持した後、持上げ位置ｂに搬送される次の育苗
箱ａ又は持上げ台１８で持上げられる次の育苗箱ａを一
対の載置台２０，２０で保持して持上げ、受け板１３…
で支持した育苗箱ａの下面側に、載置台２０，２０で保
持した育苗箱ａを下方から合致して、複数個の育苗箱ａ
…を上下段に積重ねてもよい。なお、２個以上の育苗箱
ａ…を上下段（例えば、３段、４段）に積重ねてもよ
い。

【００３１】次に、積重ね機構４を駆動して、持上げ位
置ｂの下方から一対の載置台２０，２０を垂直上昇さ
せ、積上げ機構３により積重ねられた育苗箱ａ，ａを、
載置台２０，２０に取付けた受け板４１，４１で保持し
て持上げ位置ｂから積重ね位置ｃに周回移動する。図
３、図７に示すように、積重ね位置ｃの上方から一対の
載置台２０，２０を垂直降下させ、載置台２０，２０で
保持した育苗箱ａ，ａを第２コンベア５上の積重ね位置
ｃに載置する。以下同様に、第１コンベア２上の持上げ
位置ｂに搬送される育苗箱ａ…を持上げ台１８で順次持
上げ、上下２段に積重ねられた育苗箱ａ，ａを一対の載
置台２０，２０で保持して周回移動させ、第２コンベア
５上の積重ね位置ｃに育苗箱ａ…を多数積重ねる。

【００３２】積重ね時に於いて、図８、図９に示すよう
に、載置台２０に取付けた受け板４１のガイド板４２
と、第２コンベア５上に積重ねられた最上段の育苗箱ａ
の両側縁部とを当接して、載置台２０を垂直降下させな
がら育苗箱ａ，ａの間から受け板４１を徐々に抜き取る
と共に、図１０に示すように、受け板４１で保持した下
段側の育苗箱ａと、第２コンベア５上に積重ねられた最
上段の育苗箱ａとを近接して、育苗箱ａ，ａの間から受
け板４１を引き抜き、受け板４１による保持を解除し
て、第２コンベア５上の積重ね位置ｃに育苗箱ａ…を順
次積重ねる。

【００３３】一方、第２コンベア５上の積重ね位置ｃに
育苗箱ａ…を多数積重ねた後、多数の育苗箱ａ…を積重
ねてなる箱群Ａを第２コンベア５上の挾持位置ｄに搬送
する。積載機構６を駆動して、挾持位置ｄに搬送された
箱群Ａをリフトフォーク８２と押圧板８６とで挾持して
水平移動させ、積載位置ｅに走行移動された運搬台車７
の左右載置面に箱群Ａを並列載置する。積載機構６によ
る移載動作に対応して運搬台車７を走行移動させ、挾持
位置ｄに搬送される箱群Ａを挾持して運搬台車７の前後
載置面に複数列載置する。所定数の箱群Ａを運搬台車７
に載置した後、積載位置ｅから運搬台車７を搬出し、次
の運搬台車７を積載位置ｅに搬入し、積込み作業を継続
して行う。

【００３４】以上のように、第１コンベア２上の持上げ
位置ｂに搬送される育苗箱ａを積上げ機構３の持上げ台
１８で一旦持上げ、受け板１３…で水平に支持した後、
次に供給される育苗箱ａを持上げ又は持上げ台１８によ
り持上げられる次の育苗箱ａを、積重ね機構４を構成す
る一対の載置台２０，２０で水平に保持して持上げ、受
け板１３…で支持した育苗箱ａと、載置台２０，２０で
保持した育苗箱ａとを合致して周回移動させ、載置台２
０，２０で保持した育苗箱ａ，ａを第２コンベア５上の
積重ね位置ｃに順次積重ねるので、多数の育苗箱ａ…を
１段ずつ積重ねるような手間及び作業が省けると共に、
育苗箱ａの供給速度及び供給数が規制されず、載置台２
０の周回速度よりも速い速度で多数の育苗箱ａ…を持上
げ位置ｂに搬送供給することができる。且つ、１回の周
回動作で複数の育苗箱ａ…を一括して積重ねることがで
き、載置台２０の周回数が少なくて済むため、多数の育
苗箱ａ…を積重ねるときに要する時間を大幅に短縮する
ことができ、積重ね作業の能率アップを図ることができ
る。

【００３５】しかも、持上げ位置ｂに設置した積上げ機
構３により複数の育苗箱ａ…を上下に積重ねるので、従
来例のような育苗箱ａを積重ねる工程又は機械を装置前
段に設置する必要が無く、装置全長及び搬送距離が短く
なるため、育苗箱ａの搬送時間及び積重ね作業に要する
時間を短縮することができ、装置の設置及びレイアウト
が容易に行える。さらに、持上げ台１８により持上げら
れた育苗箱ａを、左右の受け板１３，１３で水平に支持
した後、次に供給される育苗箱ａを持上げ台１８で持上
げ又は一対の載置台２０，２０で保持した育苗箱ａを持
上げて、上下の育苗箱ａを互いに合致するので、複数の
育苗箱ａを上下に積重ねた状態のまま移動することがで
き、育苗箱ａの積重ね作業が正確且つ容易に行える。

【００３６】図１１、図１２は、第１コンベア２上の持
上げ位置ｂに搬送される育苗箱ａ…を、左右の周回用チ
ェーン９８ｂ，９８ｂに取付けた受け板１３…で所定間
隔に離間した状態のまま上方に持上げて一時ストックす
る第２実施例の積上げ機構３を示し、側部に配設した減
速機付き回転用モータ９５は、スプロケット９５ａ，９
５ａ及び駆動チェーン９５ｂと、スプロケット９６ａ，
９６ａ及び連動チェーン９６ｂと、スプロケット９７
ａ，９７ａ及び連動チェーン９７ｂと、両側部に軸支し
た上下のスプロケット９８ａ，９８ａとを介して、スプ
ロケット９８ａ，９８ａ間に張架した左右の周回用チェ
ーン９８ｂを持上げ方向に回転させ、周回用チェーン９
８ｂに取付けた受け板１３…で持上げ位置ｂに搬送され
る育苗箱ａを上方に持上げる。

【００３７】次の育苗箱ａを受け板１３…で上方に持上
げた後、積重ね機構４を構成する一対の載置台２０，２
０を持上げ位置ｂの下方から垂直上昇させ、持上げ機構
３の受け板１３…で支持された下段側の育苗箱ａを載置
台２０，２０に取付けた受け板４１，４１で保持して持
上げ、受け板１３…で支持された上段側の育苗箱ａに、
受け板４１，４１で保持した育苗箱ａを下方から合致し
て、２個の育苗箱ａ，ａを上下２段に積重ねる。載置台
２０，２０で保持した上下２段の育苗箱ａ，ａを第２コ
ンベア５上の積重ね位置ｃに順次載置するので、第１実
施例と同等の作用効果を奏することができる。且つ、第
１実施例のように持上げ台１８を降下するときに要する
動作時間を削減することができると共に、第１コンベア
２により搬送される育苗箱ａ…を左右の受け板１３…に
より順次持上げるので、育苗箱ａの供給速度及び供給数
が規制する必要が無く、複数の育苗箱ａを連続して持上
げることができ、育苗箱ａの積上げ作業が能率的に行え
る。

【００３８】この発明の構成と、上述した実施例との対
応において、この発明の容器は、実施例の育苗箱ａに対
応し、以下同様に、容器群は、箱群Ａに対応し、容器保
持手段は、積上げ機構３に対応し、保持手段及び容器保
持部は、受け板１３に対応し、持上げ手段は、持上げ板
１８、持上げ用シリンダ１９に対応し、移動手段は、回
転用モータ９５、スプロケット９５ａ，９６ａ，９７
ａ、９８ａ、チェーン９５ｂ，９６ｂ，９７ｂ，９８ｂ
に対応するも、この発明は、上述した実施例の構成のみ
に限定されるものではない。

【００３９】上述した実施例では、多数の育苗箱ａ…を
上下に積重ねる作業を説明したが、例えば、コンテナ、
段ボール箱等の容器の積重ね作業にも用いることがで
き、育苗箱ａのみに限定されるものではない。

【図面の簡単な説明】

【図１】 容器積重ね装置による育苗箱の積重ね動作を
示す側面図。

【図２】 積載機構による育苗箱の移載動作を示す側面
図。

【図３】 積重ね機構による育苗箱の積重ね動作を示す
正面図。

【図４】 積上げ機構による育苗箱の積上げ動作を示す
平面図。

【図５】 積上げ機構による育苗箱の積上げ動作を示す
正面図。

【図６】 積上げ機構による育苗箱の積上げ状態を示す
正面図。

【図７】 一対の載置台による育苗箱の積重ね動作を示
す正面図。

【図８】 受け板と育苗箱との当接状態を示す要部拡大
正面図。

【図９】 育苗箱の近接状態を示す要部拡大正面図。

【図１０】 育苗箱の積重ね直前の状態を示す要部拡大
正面図。

【図１１】 積上げ機構による育苗箱の他の積上げ動作
を示す平面図。

【図１２】 積上げ機構による育苗箱の積上げ動作を示
す正面図。

【符号の説明】

ｂ…持上げ位置 ｃ…積重ね位置 ａ…育苗箱 Ａ…箱群 １…容器積重ね装置 ２…第１コンベア ３…積上げ機構 ４…積重ね機構 ５…第２コンベア ６…移載機構 ７…運搬台車 １３…受け板 １８…持上げ台 ２０…載置台 ４１…受け板 ６９…可動枠 ８２…リフトフォーク ８６…押圧板

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 高橋 栄一 大阪市北区茶屋町１番32号ヤンマー農機株 式会社内

Claims (3)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】持上げ位置に供給される容器を一対の載置
   台により保持し、一対の載置台で保持した容器を持上げ
   位置から積重ね位置に移動して上下に積重ねる容器積重
   ね装置であって、上記持上げ位置に、上記一対の載置台
   により持上げられる状態に複数の容器を上下に保持する
   容器保持手段を設けた容器積重ね装置。
2. 【請求項２】上記容器保持手段を、上記持上げ位置に供
   給される容器を持上げる持上げ手段と、該持上げ手段に
   より持上げられた容器を保持する保持手段とを設けて構
   成した請求項１記載の容器積重ね装置。
3. 【請求項３】上記容器保持手段を、上記持上げ位置に供
   給される容器を保持する一対の容器保持部と、該容器が
   上方に持上げられる方向に一対の容器保持部を移動する
   移動手段を設けて構成した請求項１記載の容器積重ね装
   置。