JPH11292123A - 閉塞部材及び容器 - Google Patents

閉塞部材及び容器

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JPH11292123A
JPH11292123A JP10105787A JP10578798A JPH11292123A JP H11292123 A JPH11292123 A JP H11292123A JP 10105787 A JP10105787 A JP 10105787A JP 10578798 A JP10578798 A JP 10578798A JP H11292123 A JPH11292123 A JP H11292123A
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JP
Japan
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packing
container
grooves
strength
outlet
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JP10105787A
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English (en)
Inventor
Kimiyoshi Uchiyama
仁由 内山
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Fujifilm Holdings Corp
Original Assignee
Fuji Photo Film Co Ltd
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Publication date
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Priority to AT04009104T priority patent/ATE357380T1/de
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 弱い押圧力で取出口を広く開放できる閉塞部
材を得る。 【解決手段】 パッキン10のシール円板部34の表面
34Aには、その中心からシール円板部34の外周に向
かって直線状に延出された複数の放射溝52と、この放
射溝52のそれぞれの延出端52Aから連続し、同一方
向に一定曲率及び一定中心角で、屈曲することなく滑ら
かな円弧状に湾曲された湾曲溝54、及び、湾曲溝54
のそれぞれの先端からシール円板部34の外周に沿っ
て、屈曲することなく滑らかな円弧状に延出された周回
溝56によって構成された溝50が形成されている。パ
ッキン10の中央が押圧されると、シール円板部34の
中央近傍の放射溝52に裂け目が生じ、この裂け目が湾
曲溝54に沿って径方向外側に広がり、周回溝56に達
してさらに広がるので、シール円板部34が広い開口面
積で開口される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、閉塞部材及び容器
に関し、さらに詳しくは、容器の内部に収容された収容
物を取り出すための取出口を閉塞する閉塞部材及び容器
に関し、例えば、閉塞部材は内部に写真処理剤が収容さ
れた写真処理剤用容器の取出口を閉塞するために使用さ
れる。
【0002】
【従来の技術】従来の閉塞部材の一例として、図19に
は、ビンを閉塞する栓要素の閉塞シート300が示され
ている(特開平8−53147号公報参照)。
【0003】この閉塞シート300では、薄肉部からな
る3つの半径部302と同じく薄肉部からなる3つの周
部304とによって、3つの扇部306が形成されてい
る。それぞれの扇部306は取付部308によって栓要
素310に取り付けられている。
【0004】この閉塞シート300を図示しない穿孔手
段の突起部により押圧して穿孔すると、閉塞シート30
0の中心から半径部302に沿って裂け目が生じ、次い
で、裂け目が周部304に沿って広がるため、閉塞シー
ト300がビンの口部の全断面に渡って開放する。
【0005】しかし、この閉塞シート300では、半径
部302から周部304にかけて薄肉部が小さな曲率半
径で屈曲しているため、半径部302に作用した力が周
部304まで作用しない場合がある。このため、穿孔手
段の押圧力が小さい場合には、裂け目が半径部302の
先端部分から周部304に広がらず、図19に一点鎖線
C6で示す位置で扇部306が折れ曲がる。従って、閉
塞シート300をビンの口部の全断面に渡って開放させ
ることができす、開放面積が狭くなる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明はかかる事実を
考慮し、弱い押圧力で取出口を広く開放できる閉塞部材
と、この閉塞部材によって取出口が閉塞された容器を得
ることを課題とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】請求項1に記載の発明で
は、容器の内部に収容された収容物を取り出すための取
出口を閉塞する閉塞部材であって、前記取出口に取り付
けられて取出口を閉塞可能な閉塞板体と、前記閉塞板体
に形成され、閉塞板体の略中央から閉塞板体の外縁に向
かって放射状に形成された複数の放射部と、これら各々
の放射部の先端から連続しかつ弧状に湾曲して形成され
た複数の湾曲部と、これら各々の湾曲部の先端から前記
取出口の口縁に沿う方向に形成された複数の周回部と、
によって閉塞板体の強度が低下された低強度部と、を有
することを特徴とする。
【0008】閉塞部材を取出口に取り付けた状態で、閉
塞板体が取出口を閉塞する。この状態で、閉塞板体の略
中央部分を棒体等の押圧手段によって押圧すると、閉塞
板体の略中央部分において、放射部の長手方向両側部分
の閉塞板体に互いに離間する方向の引っ張り力が作用
し、閉塞板体の略中央部分が放射部に沿って裂ける。こ
の裂け目は、放射部に沿って閉塞板体の外縁に広がり、
さらに、湾曲部を経て周回部に広がる。
【0009】周回部は、取出口の口縁に沿った方向に形
成されているので、この周回部が形成された部分では取
出口の口縁に沿って閉塞板体が破断される。このため、
閉塞板体が取出口の口縁に沿って大きく開口されること
になる。
【0010】また、放射部と周回部とは、弧状に湾曲し
た湾曲部を介して連続しており、放射部と周回部とが屈
曲して連続するような構造とはなっていない。このた
め、押圧手段による押圧力が小さい場合でも、放射部に
作用した引っ張り力が周回部にも作用し、周回部に沿っ
て閉塞板体を破断させることができる。
【0011】なお、放射部は、必ずしも閉塞板体の中心
から放射状に形成されている必要はなく、押圧手段から
の押圧力によって閉塞板体が放射部に沿って裂けるよう
に構成されていれば、閉塞板体の略中央(中心から若干
ずれた位置)であってもよい。
【0012】請求項2に記載の発明では、請求項1に記
載の発明において、前記低強度部が、前記閉塞板体を部
分的に薄肉とすることによって形成された溝であること
を特徴とする。
【0013】すなわち、閉塞板体に溝を形成することに
より、この溝部分において閉塞板体の断面積が減少す
る。従って、溝部分に引っ張り力が集中し、溝に沿って
閉塞板体が破断される。このように、閉塞板体を部分的
に薄肉として溝を形成するだけの簡単な構造で、低強度
部を形成することができる。
【0014】なお、本発明における溝に、薄肉部分が連
続して形成されているもののほか、例えば、薄肉部分が
所定間隔で断続的に形成されて、全体としていわゆるミ
シン目状に形成されているものも含まれる。
【0015】請求項3に記載の発明では、内部に収容さ
れた収容物を取り出すための取出口が形成され、この取
出口が請求項1又は請求項2に記載の閉塞部材によって
閉塞されていることを特徴とする。
【0016】従って、容器の取出口は閉塞部材によって
閉塞されるので、容器から収容物から漏れ出ない。容器
内へ空気等が流入してしまうことがないので、収容物の
特性や性質の変化を防止できる。
【0017】また、閉塞部材を取出口に装着した状態の
まま、すなわち、閉塞部材を取出口から取り外すことな
く、閉塞板体の略中央部分を棒体等の押圧手段によって
押圧することにより、閉塞板体を取出口の口縁に沿って
大きく開口して収容物を取出すことができる。
【0018】請求項4に記載の発明では、請求項3に記
載の容器が、写真処理剤を収容する目的に用いられるこ
とを特徴とする。
【0019】従って、容器から写真処理剤が漏れ出るこ
とはなく、写真処理剤の特性や性質の変化を防止でき
る。
【0020】また、閉塞部材を取出口に装着した状態の
まま、閉塞板体の略中央部分を棒体等の押圧手段によっ
て押圧することにより、閉塞板体を取出口の口縁に沿っ
て大きく開口して写真処理剤を取出すことができる。
【0021】
【発明の実施の形態】図1には、本発明の第1の実施の
形態に係るパッキン10と、パッキン10が取り付けら
れるキャップ12、及び、このキャップ12が装着され
る写真処理剤用容器14が示されている。また、図2に
はパッキン10が取り付けられたキャップ12の断面
が、図3にはパッキン10が、それぞれ示されている。
図1に示す写真処理剤用容器14は、内部に写真処理剤
が収容されるようになっており、パッキン10が取り付
けられたキャップ12が装着されることで、取出口18
が閉塞される容器の一例である。
【0022】この写真処理剤用容器14は、全体として
略四角筒状に形成されると共に、軸方向一端(図1上
端)に円筒状の円筒部16が形成されている。円筒部1
6の一端が取出口18とされており、この取出口18か
ら、写真処理剤用容器14内に収容された写真処理剤を
取り出すことができる。
【0023】図1及び図2に示すように、パッキン10
が取り付けられるキャップ12は、略円筒状に形成され
た装着円筒部20と、この装着円筒部20の軸方向一端
(図2では上端)に一体的に形成された、装着円筒部1
6よりも小径の固着円筒部22と、を有している。
【0024】図2に示すように、装着円筒部20の内周
面には雌ねじ24が形成されており、この雌ねじ24を
写真処理剤用容器14の円筒体16の外周面に形成され
た雄ねじ26(図1参照)に螺合させることで、キャッ
プ12を円筒体16にねじ込んで、取出口18に装着す
ることができる。
【0025】固着円筒部22の軸方向一端(図2上端)
には、径方向内側に向かって円環状のリング28が一体
的に形成されており、固着円筒部22の内面22Bと、
リング28の下面28Bとで、パッキン10が取り付け
られるパッキン取付部32が形成されている。
【0026】パッキン10がパッキン取付部32に取り
付けられた状態で、挿入円筒部36の外周面と、装着円
筒部20の内周面との間には、所定間隔の間隙が構成さ
れている。キャップ12を写真処理剤用容器14の円筒
体16にねじ込み、流出口18に装着すると、円筒体1
6の上部がこの間隙に入り込み、結果として、挿入円筒
部36が流出口18(円筒体16の内側)に隙間無く挿
入される。これにより、挿入円筒部36の外周面と円筒
体16の内周面とが接触し、パッキン10が写真処理剤
用容器14に対して径方向に位置決めされる。また、リ
ング28の下面28Bと、円筒体16の上面との間でシ
ール円板部34の外縁が挟まれるため、パッキン10が
写真処理剤用容器14に対して軸方向に位置決めされ
る。さらに、この状態では、パッキン10が取り付けら
れたキャップ12が流出口18に装着されると、パッキ
ン10によって流出口18が閉塞される。
【0027】リング28の天面28Aからは、リング2
8の全周にわたって突壁30が形成されている。
【0028】突壁30は、断面視にて軸線J1と平行な
案内面30Aと、突出端30Bから径方向外側に向かう
に従って天面28Aに接近する傾斜面30Cと、を有す
る断面略三角形状に形成されている。このような形状の
突壁30を天面28Aから突出させたことにより、取出
口18が下を向き、且つ軸線J1が鉛直方向に一致する
ように写真処理剤用容器14を保持した状態(図8及び
図9(B)参照)では、傾斜面30Cは径方向外側に向
かって上昇することになる。従って、写真処理剤用容器
14内に液状の収容物が収容されている場合に、取出口
18を下に向け、重力によって収容物が流下しても、こ
の収容物は流下途中で表面張力等により傾斜面30Cに
沿って上昇し、径方向外側に流れ出てしまうことがな
い。
【0029】パッキン10は、JIS K 6748−
1982において密度範囲が0.910〜0.929
(g/cm3 )と規定される低密度ポリエチレン(LD
PE)又は、同じくJIS K 6748−1982に
おいて密度範囲が0.942〜(g/cm3 )と規定さ
れる高密度ポリエチレン(HDPE)を50%以上含有
する未発泡樹脂によって形成されており、図3、図4
(A)及び(B)にも詳細に示すように、一定の板厚L
を有する略円板状のシール円板部34と、このシール円
板部34の裏面34Bの外周近傍からシール円板部34
と垂直に延出された偏平円筒状の挿入円筒部36と、で
一体的に形成されている。シール円板部34のうち、挿
入円筒部36よりも径方向外側の部分は、所定の板厚L
を有するフランジ38として機能し、シール円板部34
に所定の強度を付与している。また、シール円板部34
の外径R(図4参照)は、0.5cm以上5cm以下と
されて、シール円板部34が所定の強度を有している。
【0030】図4(A)に示すように、シール円板部3
4の表面34Aには、このシール円板部34を部分的に
薄肉(肉厚T2、図6参照)として、平面視にて略弓形
状の弓形薄肉部46が、周方向に所定間隔で、複数(本
実施の形態では4つ)形成されている。弓形薄肉部46
の円弧部46Aは、フランジ38の内周と一致してい
る。
【0031】また、図4(A)に示すように、シール円
板部34の表面34Aには、その中心からシール円板部
34の外周(弓形薄肉部46の中央)に向かって直線状
に延出された複数(本実施の形態では4本)放射溝52
と、この放射溝52のそれぞれの延出端52Aから連続
し、同一方向に一定曲率及び一定中心角で、屈曲するこ
となく滑らかな円弧状に湾曲された湾曲溝54、及び、
湾曲溝54のそれぞれの先端からシール円板部34の外
周に沿って、屈曲することなく滑らかな円弧状に延出さ
れた周回溝56によって構成された溝50が形成されて
いる。そして、隣り合う溝50の間の部分は、フランジ
38と同じ肉厚Lを有する略扇形状の扇部58とされて
いる。
【0032】溝50は、図4(B)、図7(A),
(B)及び図18(A)にも詳細に示すように、シール
円板部34の表面34Aから裏面34Bに向かって斜め
に切り込まれて、一対の傾斜面60を有する断面略V字
状に形成されている。傾斜面60の成す角θは、0°よ
り大きく120°以下となるように所定の角度に設定さ
れており、傾斜面60の間隔はシール円板部34の表面
34Aから裏面34Bに向かって次第に幅狭となってい
る。そして、この溝50が形成されていることにより、
溝50の下端50Aとシール円板部34の裏面34Bと
の間に、所定の肉厚T3を有する薄肉部62が形成され
ている。
【0033】放射溝52の長さL1は、放射溝52の先
端52Aが弓形薄肉部46に達しないように所定の長さ
(従って、放射溝52の長さはシール円板部34の半径
よりも短い)とされている。より具体的には、フランジ
38の内周(弓形薄肉部46の円弧部46Aによって構
成される円)の半径をR1とした場合に、 0≦L1≦(4/5)×R1 とされていることが、後述する穿孔性(溝50の裂けや
すさ)等の点から好ましく、 (1/5)×R1≦L1≦(2/3)×R1 とされていることが、より好ましい。なお、L1=0の
場合には、直線状の放射溝52がなく、シール円板部3
4の中心から湾曲溝54が形成されていることになるた
め、実質的に、この湾曲溝54が、本発明の放射部と湾
曲部とを兼ねていることになる。本実施の形態に係るパ
ッキン10では、R1=13mmで、L1=5mmとさ
れている。
【0034】図4(A)、(B)及び図5に示すよう
に、各々の放射溝52には、シール円板部34の中心か
ら所定範囲内(図4(A)に二点鎖線C1で示す範囲
内)において、放射溝52の上端幅W(図4(B)、図
7(A)及び(B)参照)を変更することなく、放射溝
52を深く切り込む(従って、傾斜面60の傾斜角θが
小さくなる)ことにより、薄肉部62の肉厚をさらに薄
くして(肉厚T2)、低強度部64が形成されている。
【0035】そして、低強度部64の肉厚T2は、0.
05mm以上0.7mm以下となるように設定されてい
る。また、この肉厚T2は、シール円板部34の板厚を
Lと肉厚T2との比(L/T2)が2以上となるように
設定されている。
【0036】図4(A)に示すように、放射溝52の先
端52Aから連続して、所定の曲率半径R2及び中心角
で同一方向(本実施の形態では図4(A)において時計
周り方向)に円弧状に湾曲して形成された湾曲溝54
は、弓形薄肉部46の玄部46B(直線部分)に接し、
次第にシール円板部34の外周に向かっている。
【0037】湾曲溝54の曲率半径R2は、後述する穿
孔性等の観点から適宜決められるが、 R1/5≦R2 とされていることが好ましく、 R1/5≦R2≦R1/2 とされていることがより好ましい。本実施の形態に係る
パッキン10では、R2=5mmとされている。
【0038】なお、湾曲溝54を各微小部分に分けて考
えたとき、これら微小部分において曲率半径R2が一定
とされている必要はなく、湾曲溝54の全体としての滑
らかさを損なわない程度に、各微小部分で曲率半径R2
が異なっていたり、その一部が弧の内側を結ぶ直線で構
成されていたりしてもよい。
【0039】図5、図6及び図7(B)に示すように、
各々の湾曲溝54には、シール円板部34の中心から所
定範囲外(図4(A)において二点鎖線C2で示す範囲
外)において、湾曲溝54の上端幅Wを変更することな
く、湾曲溝54を深く切り込むことにより、薄肉部62
の肉厚が薄くされて(肉厚T2)、薄肉部62がさらに
低強度とされている。
【0040】なお、湾曲溝54が弓形薄肉部46の玄部
46Bに沿って形成された部分では、図7(A)及び
(B)に示す一対の傾斜面60のうち一方の傾斜面60
が無いことになるが、この部分においても、弓形薄肉部
46の肉厚はT2なので、実質的に湾曲溝54が形成さ
れていることになる。
【0041】図6に示すように、湾曲溝54のそれぞれ
の先端からシール円板部34の外周に沿って延出された
周回溝56は、放射溝52及び湾曲溝54と異なり、シ
ール円板部34の表面34Aから裏面34Bに向かう1
つの傾斜面60と、弓形薄肉部46の円弧部46Aを構
成する垂直面46Cと、によって形成されている。そし
て、周回溝56によって、弓形薄肉部46と同じ肉厚T
2を有する薄肉部62が形成されている。従って、溝5
0全体として見ると、図4(A)、(B)及び図5から
も分かるように、シール円板部34の中心から二点鎖線
C1で示す範囲内において、薄肉部62の肉厚が更に薄
くされた(肉厚T2)低強度部64とされ、二点鎖線C
1と二点鎖線C2との間の範囲では、薄肉部62の肉厚
は特にそれ以上薄くされることはなく(肉厚T3)一定
の強度を維持し、二点鎖線C2で示す範囲外では、再び
薄肉部62の肉厚が薄く(肉厚T2)されていることに
なる。
【0042】次に、本実施の形態に係るパッキン10に
よって取出口18が閉塞された写真処理剤用容器14か
ら写真処理剤を取り出す方向、及びパッキン10の作用
を説明する。
【0043】図8には、写真処理剤用容器14がセット
されることにより、写真処理剤用容器14から写真処理
剤が供給される自動現像機内の写真処理剤供給装置70
が概略的に示されている。
【0044】写真処理剤用容器14から自動現像機内に
写真処理剤を供給するには、まず、図8に示すように、
写真処理剤用容器14を保持板72の保持孔74に差し
入れ、写真処理剤用容器14を上下逆にしてセットす
る。写真処理剤用容器14は、取出口18(図1参照)
が下を向いた状態で、補充槽(図示省略)の上方に保持
されている。このとき、写真処理剤用容器14の取出口
18は、パッキン10によって閉塞されているので、写
真処理剤用容器14から不用意に写真処理剤が流下して
しまうことがない。また、図9(B)に示すように、写
真処理剤供給装置70に設けられた穿孔パイプ76の上
端が、取出口18を閉塞しているパッキン10の下方に
位置している。
【0045】次に、図示しない制御装置が駆動部78内
のピニオンを回転させて、昇降部80を上昇させる。こ
れにより、昇降部80から延出された穿孔パイプ76も
上昇し、穿孔パイプ76の先端が、取出口18を閉塞し
ているパッキン10の中央を上方に押す。
【0046】図10(B)に示すように、穿孔パイプ7
6の先端によってパッキン10の中央が上方に押される
と、シール円板部34の中央近傍において、溝50を構
成している放射溝52(図4参照)の両側部分の扇部5
8に、互いに離間する方向へ向かう引っ張り力が作用す
る。
【0047】一般に、一定の厚みを有する部材を板厚方
向に押圧して破断させる場合には、押圧の初期におい
て、すなわち、破断が生じる前後において、最も大きな
押圧力(破断力)が必要とされる。本実施の形態に係る
パッキン10では、薄肉部62のうち、図4に二点鎖線
C1で示す範囲内では、低強度部64が形成されて強度
が弱められているため、穿孔パイプ76を上昇させる力
が小さくても、別言すれば、駆動部78内のピニオンの
回転トルクが小さくても、シール円板部34を放射溝5
2に沿って破断させることができる。すなわち、小さな
押圧力で、シール円板部34の中央近傍の薄肉部62に
裂け目が生じさせることができ、シール円板部34がこ
の薄肉部62に沿って破断される。
【0048】図11(A)及び(B)に示すように、さ
らに穿孔パイプ76が上昇すると、裂け目がシール円板
部34の径方向外側に広がり、湾曲溝54によって形成
された部分の薄肉部62(図4(A)参照)に達する。
この途中で、裂け目は、低強度部64から、この低強度
部64が形成されていない部分の薄肉部62(図4
(A)の二点鎖線C1と二点鎖線C2の間の範囲)に達
するが、このとき既にシール円板部34に裂け目が生じ
ているため、小さな押圧力でこの裂け目を広げることが
できる。
【0049】また、図4(A)からも分かるように、湾
曲溝54は、放射溝52から屈曲することなく連続し
て、かつ一定の曲率半径で湾曲しているので、湾曲溝5
4の両側の扇部58にも、これら扇部58を互いに離間
させる方向の引っ張り力が作用する。このため、湾曲溝
54に沿って、裂け目はスムーズに径方向外側に広が
る。
【0050】湾曲溝54によって形成された薄肉部62
のうち、図4(A)に二点鎖線C2で示す範囲外の部分
では、薄肉部62が再び薄肉(肉厚T2)とされて、低
強度となっている。このため、裂け目がこの低強度の部
分に達すると、より小さな押圧力で、シール円板部34
が破断される。特に、裂け目が弓形薄肉部46の玄部4
6Bに達すると、薄肉部62の片側の扇部58のみが、
弓形薄肉部46に対して引っ張られることになる。しか
し、この場合であっても、裂け目は、湾曲溝54によっ
て形成された薄肉部62のうちの低強度の部分に沿って
広がり、周回溝56によって形成された薄肉部62に達
する。
【0051】この薄肉部62に沿って裂け目がさら広が
り、シール円板部34が破断されると、薄肉部62(周
回溝56)はシール円板部34の外周に沿って形成され
ているので、図12(A)及び(B)に示すように、弓
形薄肉部46の弦部46Bにおいて扇部58が折れ曲が
る。すなわち、図13にも示すように、シール円板部3
4が広い開口面積で開口されることになる(これに対
し、例えば、周回溝56が形成されていない場合には、
図4(A)に示す二点鎖線C3で扇部58が折れ曲がる
ことになるため、シール円板部34の開口面積は狭くな
る)。
【0052】このように、本実施の形態に係るパッキン
10では、写真処理剤用容器14の取出口18を閉塞す
るシール円板部34に、放射溝52から屈曲することな
く滑らかに連続して湾曲溝54を形成し、さらにこの湾
曲溝54から屈曲することなく滑らかに連続して、シー
ル円板部34の外周に沿った周回溝56を形成したの
で、小さな押圧力であっても、シール円板部34を大き
く開口することができる。
【0053】また、本実施の形態に係るパッキン10で
は、シール円板部34に形成された薄肉部62のうち、
シール円板部34の中心から所定範囲内(図4(A)に
二点鎖線C1で示す範囲内)の部分を低強度部64とし
たので、この部分が低強度とされていないパッキンと比
較して、より小さな押圧力でシール円板部34を破断さ
せて、写真処理剤用容器14の取出口18を開口するこ
とができる。
【0054】また、薄肉部62のうち、図4(A)の二
点鎖線C1と二点鎖線C2との間の部分は低強度とされ
ていないので、シール円板部34は一定の強度を維持し
ている。従って、例えば写真処理剤用容器14内の内圧
の変動等により、シール円板部34が写真処理剤用容器
14の内側又は外側から押圧されても、不用意にシール
円板部34が破断されてしまうことがない。特に、写真
処理剤用容器14を落下させてしまった場合には、一時
的に内圧が上昇することがあるが、このような場合であ
っても、シール円板部34は破断されない。
【0055】さらに、本実施の形態に係るパッキン10
では、シール円板部34の外径が0.5cm以上5cm
以下とされているので、押圧手段からの押圧によって、
シール円板部34が適度に伸び(しかし、過度に延びき
ってしまうことはなく)、小さな押圧力でシール円板部
34を破断させることができる。
【0056】以上の如く、本実施の形態に係るパッキン
10では、シール円板部34に所定の強度を維持しつ
つ、このシール円板部34を破断させるのに必要な押圧
手段の押圧力(穿孔パイプ76の穿孔力)を小さくする
という、相反する特性の双方を実現することができる。
【0057】図14には、本発明の第2の実施の形態に
係るパッキン110が示されている。このパッキン11
0では、第1の実施に形態に係るパッキン10と比較し
て、溝の形状のみが異なっている。以下、第1の実施の
形態に係るパッキン10と同一の構成要素、部材等は同
一符号を付して説明を省略する。
【0058】このパッキン110では、図14(A)に
示すように、溝112によって構成される4本の薄肉部
114A、114B、114C、114Dのうち、2つ
の薄肉部114A、114Bの肉厚が全体的に、他の薄
肉部114C、114Dの肉厚よりも薄肉とされてい
る。すなわち、薄肉部114A、114Bは、他の薄肉
部114C、114Dより低強度とされた低強度薄肉部
となっている。
【0059】一般に、押圧手段(穿孔パイプ76)に押
圧されることによる裂け目の長さと、裂け目を広げるた
めに必要とされる押圧力との間には、図15(A)に示
す関係がある。この図15(A)には、4本の薄肉部の
肉厚が全て同じとされたパッキンのシール円板部を、穿
孔パイプ76で押圧して穿孔するときの、穿孔パイプ7
6の移動距離(穿孔パイプ76の先端がシール円板部に
接触したときを基準とする)と押圧力との関係が示され
ている。このグラフから分かるように、4本の薄肉部の
肉厚が全て同じ場合、穿孔パイプ76の移動距離が少な
い段階で、押圧力が最大値F1(以下、最大押圧力とい
う)に達し、この時点で薄肉部に裂け目が生じる。そし
て、一旦裂け目が生じると、裂け目を広げるために必要
とされる押圧力は少なくてすむので、最大押圧力F1を
越えた後は、押圧力が単調減少している。
【0060】これに対し、図15(B)には、パッキン
110のシール円板部116を穿孔パイプ76で押圧し
て穿孔するときの、穿孔パイプ76の移動距離と押圧力
との関係が示されている。パッキン110では、薄肉部
114A、114Bは、他の薄肉部114C、114D
より低強度とされているので、薄肉部114A、114
Bに裂け目を生じさせるために必要な最大押圧力F2
が、図15(A)に示す最大押圧力F1よりも小さくな
っている。しかも、図15(B)のグラフでは、押圧力
の極大値が複数あることからも分かるように、穿孔パイ
プ76の押圧力が4本の薄肉部114A、114B、1
14C、114Dに時間差をもって分散して作用してい
る。
【0061】従って、このパッキン110のシール円板
部116の中央を押圧すると、まず、薄肉部114A、
114B(低強度薄肉部)に裂け目が生じ、シール円板
部116が破断される。そして、この裂け目がシール円
板部116の外周近傍に至ると、薄肉部114A、11
4Bに裂け目を生じさせるために必要な押圧力は少なく
てすむようになるため(図15(B)参照)、他の薄肉
部114C、114Dにも裂け目が広がる。そして、シ
ール円板部116が全体として破断され、取出口18
(図1参照)が開口される。
【0062】このように、4つの薄肉部114A、11
4B、114C、114Dのうち、2つの薄肉部114
A、114Bを他の薄肉部114C、114Dよりも低
強度とされた低強度薄肉部とすることで、押圧手段の押
圧力によって隣り合う扇部58に作用する引っ張り力を
時間差をもって分散させることができるため、小さな押
圧力でシール円板部116を破断させることができる。
また、薄肉部114A、114Bを低強度薄肉部とし
て、最初にこれら薄肉部114A、114Bに裂け目を
誘起させることにより、他の薄肉部114C、114D
は相対的に厚肉とすることができるため、4つの薄肉部
114A、114B、114C、114D全体として
も、厚肉とすることが可能となる。このため、シール円
板部116は一定の強度を維持し、シール円板部116
が写真処理剤用容器14の内側又は外側から押圧されて
も、不用意に破断されてしまうことがない。
【0063】なお、このように、隣り合う扇部58に作
用する引っ張り力を分散させるためには、複数の薄肉部
のうち、2つの薄肉部を低強度とする必要はなく、1つ
または3つ以上の薄肉部が、他の薄肉部よりも低強度と
されていればよい。また、薄肉部の数としては、特に3
以上の場合(従って、扇部58も3以上)の場合に、低
強度の薄肉部を形成することによる上記の効果(扇部5
8に作用する引っ張り力を時間差をもって分散させる)
を達成することができる。
【0064】また、図14(B)に示すように、シール
円板部116の中心から所定範囲外(図14(A)に二
点鎖線C4で示す範囲外)の位置において、傾斜面60
の成す角θ(図7(A)及び(B)参照)を大きくする
ことによって、薄肉部114A、114B、114C、
114Dが厚肉とされた高強度部118を形成してもよ
い。このような高強度部118が形成されていることに
より、薄肉部114A、114Bに生じた裂け目が、高
強度部118によって阻止されて、それ以上広がらなく
なり、次に、低強度とされていない薄肉部114C、1
14Dが裂け始める。そして、薄肉部114C、114
Dの裂け目が高強度部118に達すると、4つの薄肉部
114A、114B、114C、114Dに同時に裂け
目が生じ、シール円板部116が破断される。
【0065】このように、4つの薄肉部114A、11
4B、114C、114Dに高強度部118を形成する
ことで、低強度とされた薄肉部114A、114Bのみ
に裂け目が生じてしまうことが防止され、4つの薄肉部
114A、114B、114C、114Dに確実に裂け
目を生じさせて、シール円板部116を破断させること
ができる。
【0066】なお、図14(B)に示す高強度部118
に代えて、図16(B)に示すように、シール円板部1
16の中心から所定の距離だけ離れた局所的な領域Pに
おいて、傾斜面60の成す角θ(図7(A)及び(B)
参照)を大きくして薄肉部114A、114Bを厚肉
(肉厚T4)とし、この所定領域P内においてのみ薄肉
部114A、114B、114C、114Dの強度が高
められた高強度部120を形成してもよい。このよう
に、局所的に高強度部120を形成することで、図14
(B)に示す断面形状のものと比較して、裂け目の先端
が高強度部120を越えた後は、小さな押圧力でも裂け
目が広がり、シール円板部116を破断させることがで
きる。
【0067】図17には、さらに別の例のパッキン13
0が示されている。このパッキン130では、シール円
板部132の中心から所定範囲内(二点鎖線C5で示す
範囲内)において、傾斜面60の成す角θ(図7(A)
及び(B)参照)を大きくして、溝134によって構成
される薄肉部136を部分的に厚肉とし、強度が高めら
れている。このため、例えば第1の実施の形態に係るパ
ッキン10と比較して、シール円板部132の破断初期
においては、より大きな押圧力でシール円板部132を
押圧する必要が生じるが、一旦、薄肉部136に裂け目
が生じて、この裂け目の先端が二点鎖線C5で示す範囲
の外側に至ると、極めて小さな押圧力であっても裂け目
が径方向外側に広がり、シール円板部132を開放する
ことができる。
【0068】なお、上記説明においては、図18(A)
にも示すように、溝50、112、134を構成する傾
斜面60がその下端において接触し、溝50、112、
134が断面視にて略V字状に形成されているものを例
として示したが、溝50、112、134の形状として
は、これに限られない。例えば、図18(B)に示すよ
うに、傾斜面60の下端60Bが接触することなく離間
し、これら傾斜面60の下端60Bの間に、シール円板
部34の裏面34Bと平行なフラット部66を有する略
台形状に形成されていてもよい。また、これら傾斜面6
0の下端60Aの間に、裏面34Bに向かって凹状に湾
曲した湾曲部が構成されていてもよい。さらに、図18
(C)に示すように、傾斜面60がシール円板部34の
表面34A及び裏面34Bに対して直角(従って、傾斜
面60は厳密には傾斜していない)とされて、傾斜面6
0の下端の間にフラット部66を有する長方形状に形成
されていてもよい。
【0069】また、薄肉部62、114、136を部分
的あるいは局所的に低強度又は高強度とする構成につい
ても、傾斜面60のなす角θを変化させることにより、
薄肉部62、114、136の肉厚を変化させたものに
ついて示したが、薄肉部62、114、136を部分的
あるいは局所的に低強度又は高強度とする構成としては
これに限られない。例えば、上記したように、傾斜面6
0の下端60Aに所定の間隔があいて、薄肉部62、1
14、136が所定幅のフラット部66を有している場
合には、このフラット部66の幅を変更することによっ
ても、薄肉部62、114、136を部分的あるいは局
所的に低強度又は高強度とすることができる。すなわ
ち、フラット部66の幅を狭くした場合(図18(A)
に示すように、フラット部がないものも含む)には、こ
の狭い範囲に引っ張り力が集中することになるため、薄
肉部62全体として引っ張り方向への伸びが少なくな
り、裂けやすい。これに対し、フラット部66の幅を広
くした場合には、この広い範囲に引っ張り力が分散する
ことになるため、薄肉部62全体として引っ張り方向へ
の伸びが多くなり、裂けにくい。
【0070】加えて、薄肉部62、114、136は、
必ずしも部分的あるいは局所的に低強度又は高強度とさ
れる必要はなく、シール円板部34の中心から外周まで
一定の強度(すなわち一定の肉厚T2又はT4)とされ
ていてもよい。すなわち、この場合であっても、放射溝
52の延出端52Aから屈曲することなく滑らかに湾曲
された湾曲溝54が形成され、さらに、湾曲溝54から
シール円板部34の外周に沿って、屈曲することなく滑
らかな円弧状に延出された周回溝56が形成されていれ
ば、小さな押圧力であってもシール円板部34を大きく
開口させることが可能となる。
【0071】さらに、溝50、112、134の数とし
ても、上記した4本に限られないが、シール円板部3
4、116、132を弱い押圧力でも大きく開口するた
めには、3〜5本とすることが好ましく、4本とするこ
とがさらに好ましい。これに対し、溝50、112、1
34が6本以上の場合には、開口後に各々の扇部58
(図4(A)参照)が押圧手段(穿孔パイプ76)に密
着し、扇部58と押圧手段との間に構成される隙間が小
さくなる。一方、2本以下の場合では、実質的にシール
円板部34、116、132を開口することが困難とな
る。但し、2本以下の場合であっても、溝を適切な形状
に湾曲する等により、実質的に3〜5本形成されている
のと同じように構成することができる。また、3〜5本
の溝を形成した場合でも、これらがシール円板部34、
116、132の中心から一定の中心角で放射状に形成
されている必要はない。
【0072】溝50、112、134は、必ずしも連続
的な線状に形成されている必要はなく、例えば、溝5
0、112、134をその長手方向に所定間隔をあけて
断続的に複数形成し、全体としてミシン目状に形成され
た溝であってもよい。
【0073】さらに、溝50、112、134に代え
て、例えば、シール円板部34、116、132の物性
を変えて、押圧手段の押圧力で裂け目を生じるような部
分を形成してもよい。この一例としては、樹脂成形品を
射出成形等によって成形する場合に、ゲートから流れ出
て周囲に拡散した樹脂が金型内で再結合することによっ
て生じるウエルドラインが挙げられる。すなわち、ウエ
ルドラインが生じた部分においては、一般に樹脂の強度
が低下している場合が多いので、このウエルドラインが
平面視にて薄肉部と同じ形状となるように、成形条件や
ゲートの位置等を適切に設定すればよい。
【0074】また、このように、ウエルドラインを生じ
させるだけでも、このウエルドラインに沿ってシール円
板部を破断することが可能となるが、ウエルドラインが
形成された部分にさらに溝50、112、134を形成
することによって、より弱い押圧力であっても開口され
るパッキンを形成することもできる。
【0075】また、上記説明においては、パッキン1
0、110、130がキャップ12に対して別体に形成
されたものを例として説明したが、パッキン10、11
0、130とキャップ12とは一体で形成されていても
よい。このように、キャップ12とパッキン10、11
0、130とを一体で成形すると、パッキン10、11
0、130がキャップ12から脱落しない。
【0076】キャップ12が装着される容器としても、
上記説明においては、内部に写真処理剤が収容される写
真処理剤用容器14を例として挙げたが、これに限定さ
れないことはもちろんであり、どのような容器であって
もよい。
【0077】写真処理剤用容器14に収容される写真処
理剤としては、例えば、カラー現像液、白黒現像液、漂
白液、定着液等を挙げることができる。これらの写真処
理剤は、ハロゲン化銀感光材料の処理に用いられるもの
であり、市販されており、公知である。
【0078】パッキン10、110、130を構成する
材料として、上記説明においては、低密度ポリエチレン
(LDPE)又は高密度ポリエチレン(HDPE)を5
0%以上含有する未発泡樹脂を挙げたが、これに限られ
ないことはもちろんであり、容器内に収容される収容物
に対する耐薬品性や物理的強度等を考慮して、適宜決定
される。上記したように、容器として、内部に写真処理
剤が収容される写真処理剤用容器14を用いた場合に
は、写真処理剤に対する耐薬品性や物理的強度の観点か
ら、ポリエチレンが好ましい材料の1つとして挙げられ
る。
【0079】特に、低密度ポリエチレン(LDPE)を
多く含有させた樹脂材料によって成形した場合には、高
密度ポリエチレン(HDPE)を多く含有する樹脂材料
によって成形した場合と比較して、樹脂自体が柔らかい
ため、延びやすくなる。このため、低い押圧力でシール
円板部34、116、132の中央部を破断させること
ができる。また、樹脂自体の柔らかさのため、穿孔パイ
プ76の移動距離が短いときには、シール円板部34、
116、132の中央部が延びた状態となることが考え
られるが、このような場合であっても、穿孔パイプ76
の移動距離を十分長くすることによって、シール円板部
34、116、132に生じた裂け目を径方向外側に広
げて、シール円板部34、116、132を大きく開口
することができる。さらに、樹脂自体の柔らかさによっ
てシール円板部34、116、132が伸びやすくなっ
てため、例えば、写真処理剤用容器14を落下させてし
まった場合等に内圧が変化しても、シール円板部34、
116、132の伸びによってこの内圧変化を吸収で
き、不用意に破断されにくいパッキン10、110、1
30とすることができる。これに対し、高密度ポリエチ
レン(HDPE)を多く含有する樹脂材料によって成形
した場合には、低密度ポリエチレン(LDPE)を多く
含有させた樹脂材料によって成形した場合と比較して、
樹脂自体が硬いため、シール円板部34、116、13
2を破断させる初期においては、より大きな押圧力が必
要とされるが、一旦シール円板部34、116、132
に裂け目が生じる(破断される)と、シール円板部3
4、116、132全体が変形して、溝50によって構
成される薄肉部62に穿孔力(引張力)が作用するた
め、穿孔パイプ76の移動距離が少なくても、シール円
板部34、116、132を大きく開口することができ
る。また、樹脂材料自体の弾力性も、低密度ポリエチレ
ン(LDPE)を多く含有させた樹脂材料よりも低いの
で、一旦シール円板部34、116、132が開口され
ると、扇部58が弾力によって開口前の位置に戻りづら
く、シール円板部34、116、132は開口した形状
に保持される。このため、収容物(写真処理剤等)が排
出されるときの液圧等によって扇部58と穿孔パイプ7
6との間に生じた隙間が減少してしまうことがなく、内
容物の排出性が確保される。
【0080】なお、JIS K 6748−1982に
おいて密度範囲が0.930〜0.941(g/c
3 )と規定される中密度ポリエチレン(MDPE)を
多く含有する樹脂を使用し、これらの条件を両立させて
もよい。
【0081】パッキン10、110、130を開口する
方法としても、上記したように、写真処理剤用容器14
を自動現像機内の写真処理剤供給装置70(図8参照)
にセットし、穿孔パイプ76によってパッキン10を押
圧する場合に限られない。例えば、写真処理剤用容器1
4を取出口18が上方を向いた状態で、棒体等によって
パッキン10、110、130を押圧し、開口してもよ
い。
【0082】
【発明の効果】請求項1に記載の発明では、容器の内部
に収容された収容物を取り出すための取出口を閉塞する
閉塞部材であって、前記取出口に取り付けられて取出口
を閉塞可能な閉塞板体と、前記閉塞板体に形成され、閉
塞板体の略中央から閉塞板体の外縁に向かって放射状に
形成された複数の放射部と、これら各々の放射部の先端
から連続しかつ弧状に湾曲して形成された複数の湾曲部
と、これら各々の湾曲部の先端から前記取出口の口縁に
沿う方向に形成された複数の周回部と、によって閉塞板
体の強度が低下された低強度部と、を有するので、押圧
手段による押圧力が小さい場合でも、放射部に作用した
引っ張り力が周回部にも作用し、周回部に沿って閉塞板
体を破断させ、閉塞板体が取出口の口縁に沿って大きく
開口される。
【0083】請求項2に記載の発明では、請求項1に記
載の発明において、前記低強度部が、前記閉塞板体を部
分的に薄肉とすることによって形成された溝であるの
で、簡単な構造で、低強度部を形成することができる。
【0084】請求項3に記載の発明では、内部に収容さ
れた収容物を取り出すための取出口が形成され、この取
出口が請求項1又は請求項2に記載の閉塞部材によって
閉塞されているので、容器から収容物から漏れ出たり、
収容物の特性や性質が変化したりすることがなく、ま
た、閉塞部材を取出口に装着した状態のまま、閉塞板体
を取出口の口縁に沿って大きく開口して収容物を取出す
ことができる。
【0085】請求項4に記載の発明では、請求項3に記
載の容器が、写真処理剤を収容する目的に用いられるの
で、容器から写真処理剤が漏れ出たり、写真処理剤の特
性や性質の変化が変化したりすることがなく、また、閉
塞部材を取出口に装着した状態のまま、閉塞板体を取出
口の口縁に沿って大きく開口して写真処理剤を取出すこ
とができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態に係るパッキンとこ
のパッキンが取り付けられるキャップ及びキャップが装
着される容器の分解斜視図である。
【図2】本発明の第1の実施の形態に係るパッキンがキ
ャップが取り付けられた状態を示す断面図である。
【図3】本発明の第1の実施の形態に係るパッキンを示
す斜視図である。
【図4】(A)は、本発明の第1の実施の形態に係るパ
ッキンを示す平面図であり、(B)は(A)のIV−I
V線断面図である。
【図5】本発明の第1の実施の形態に係るパッキンを示
す図4(A)のV−V線断面図である。
【図6】本発明の第1の実施の形態に係るパッキンを示
す図4(A)のVI−VI線断面図である。
【図7】(A)は本発明の第1の実施の形態に係るパッ
キンを示す図4(A)のVII−VII線断面図であ
り、(B)は本発明の第1の実施の形態に係るパッキン
を示す図4(A)のVIII−VIII線断面図であ
る。
【図8】本発明の第1の実施の形態に係るパッキンによ
って取出口が閉塞された容器から写真処理剤を供給する
写真処理剤供給装置の概略的構成を示す斜視図である。
【図9】図8に示す写真処理剤供給装置に容器がセット
された状態でのパッキンの近傍を示し、(A)はパッキ
ンの平面図、(B)はパッキンの断面図である。
【図10】図8に示す写真処理剤供給装置によってパッ
キンが破断される途中の状態を示し、(A)はパッキン
の平面図、(B)はパッキンの断面図である。
【図11】図8に示す写真処理剤供給装置によってパッ
キンが破断される途中の状態を示し、(A)はパッキン
の平面図、(B)はパッキンの断面図である。
【図12】図8に示す写真処理剤供給装置によってパッ
キンが破断された状態を示し、(A)はパッキンの平面
図、(B)はパッキンの断面図である。
【図13】図8に示す写真処理剤供給装置によってパッ
キンが破断された状態を示す斜視図である。
【図14】(A)は、本発明の第2の実施の形態に係る
パッキンを示す平面図であり、(B)は(A)のXIV
−XIV線断面図である。
【図15】穿孔パイプの移動距離と押圧力との関係を示
すグラフであり、(A)は複数の薄肉部の肉厚が全て同
じパッキンの場合を示し、(B)は本発明の第2の実施
の形態に係るパッキンの場合を示す。
【図16】(A)は、本発明の第2の実施の形態の変形
例に係るパッキンを示す平面図であり、(B)は(A)
のXVI−XVI線断面図である。
【図17】(A)は、本発明に係るさらに別のパッキン
を示す平面図であり、(B)は(A)のXVII−XV
II線断面図である。
【図18】(A)は、本発明に係るパッキンの溝部を拡
大して示す断面図であり、(B)は(A)とは異なる溝
部を拡大して示す断面図であり、(C)は(A)及び
(B)とは異なる溝部を拡大して示す断面図である。
【図19】従来の閉塞シールを示す平面図である。
【符号の説明】
10 パッキン(閉塞部材) 14 写真処理剤用容器(容器) 18 取出口 34 シール円板部(閉塞板体) 52 放射溝(放射部) 54 湾曲溝(湾曲部) 56 周回溝(周回部) 62 薄肉部(低強度部)

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 容器の内部に収容された収容物を取り出
    すための取出口を閉塞する閉塞部材であって、 前記取出口に取り付けられて取出口を閉塞可能な閉塞板
    体と、 前記閉塞板体に形成され、閉塞板体の略中央から閉塞板
    体の外縁に向かって放射状に形成された複数の放射部
    と、これら各々の放射部の先端から連続しかつ弧状に湾
    曲して形成された複数の湾曲部と、これら各々の湾曲部
    の先端から前記取出口の口縁に沿う方向に形成された複
    数の周回部と、によって閉塞板体の強度が低下された低
    強度部と、 を有することを特徴とする閉塞部材。
  2. 【請求項2】 前記低強度部が、前記閉塞板体を部分的
    に薄肉とすることによって形成された溝であることを特
    徴とする請求項1に記載の閉塞部材。
  3. 【請求項3】 内部に収容された収容物を取り出すため
    の取出口が形成され、この取出口が請求項1又は請求項
    2に記載の閉塞部材によって閉塞されていることを特徴
    とする容器。
  4. 【請求項4】 写真処理剤を収容する目的に用いられる
    ことを特徴とする請求項3に記載の容器。
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