JPH11291172A - ブラスト材とブラスト処理方法 - Google Patents

ブラスト材とブラスト処理方法

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JPH11291172A
JPH11291172A JP9704098A JP9704098A JPH11291172A JP H11291172 A JPH11291172 A JP H11291172A JP 9704098 A JP9704098 A JP 9704098A JP 9704098 A JP9704098 A JP 9704098A JP H11291172 A JPH11291172 A JP H11291172A
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blasting
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Takashi Sato
敬 佐藤
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 非可搬物や大型なものを処理対象にしても容
易にブラスト処理ができるようにすることを目的とす
る。 【解決手段】 ブラストエア源1から延び、ブラストタ
ンク2からブラスト材3が供給されるブラストエアライ
ン4の先端に設けられた吹き出し筒5を作業者12、ま
たは移動作業ロボットにより取り扱って処理対象物7に
向け、ブラストエア6とともに吹き出し筒5から吹き出
されるブラスト材3により処理対象物7の被処理面7a
をブラスト処理しながら、ブラストタンク2の移動、あ
るいはブラストタンク2およびブラストエア源1の移動
を伴い、移動して、複数箇所、あるいは連続した表面を
順次にブラスト処理できるようにすることにより、上記
の目的を達成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ブラスト材をブラ
ストエアーとともに吹きつけて処理対象物の被処理面を
ブラスト処理するのに用いるブラスト材と、ブラスト処
理方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】ブラスト処理装置は永年工業上用いられ
てきた。金属表面の研磨や硬化の加工、金属やガラス表
面の梨地化加工に広く用いられている。ブラスト材は一
般に高圧のエアによってノズルから吹き出し、処理対象
物の被処理面に衝突させることによりブラスト処理して
いる。
【0003】ブラスト処理装置は、その工業的な用途や
高圧エアを取り扱うと言ったことから、大がかりな据え
付け型の設備としてしか用いられていない。従って、処
理対象物は可搬物である。また、ブラスト処理に用いる
ブラスト材は砂や金属粉と云った水に不溶な粒子であ
る。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところで本発明者は、
ブラスト材の吹き出しがエアの吹き出し流量に大きく依
存していることを知見し、従来用いられてきたノズルの
口径を大きくして必要量のブラスト材をエアにて無理な
く吹き出させてブラスト処理できる装置を先に提案して
いる。その用い方は従来装置と変わらない。
【0005】本発明者はさらに、種々な材料をブラスト
材を用いて、種々な処理対象物の表面を処理する実験を
繰り返し、新しい用途を開発している。これによって、
建造物などの非可搬物や、鉄道などの列車、航空機とい
った大型なものの表面の仕上げや清掃などの処理対象に
して有効なことを知見した。しかし、従来のブラスト処
理装置ではこれを実現するのは容易でないし、従来通り
のブラスト材ではブラスト後の環境に影響しないための
処理上、不便であったり、問題であったりする。
【0006】本発明の目的は、非可搬物や大型なものを
処理対象にして有効なブラスト材、およびブラスト処理
方法を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記のような目的を達成
するために、本発明のブラスト材は、重炭酸ソーダの粒
子、または芒硝の粒子よりなる。これらは例えば結晶粒
子であって、目的に応じた形状、大きさのものにするこ
とにより、洗浄、塗装膜の除去、あるいは各種の研磨な
ど種々なブラスト処理に適用できるし、弱アルカリ、ま
たは中性であって環境に悪影響しない。しかも、防臭効
果もある。従って、ブラスト処理に用いた後、特別に処
理したり回収したりする必要はないので、非可搬物や大
型なものを処理対象にして広範囲な場所、ないしは開放
空間でブラスト処理するのに便利である。しかも、重炭
酸ソーダの粒子、または芒硝の粒子は共に水溶性である
ので、ブラスト処理後に洗い流すのに好適である。この
とき温水で洗い流すと重炭酸ソーダの粒子、または芒硝
の粒子はより溶けやすく洗い流しやすい。芒硝の粒子は
無水であると流動性がよくブラストエアによって吹きつ
けやすい利点がある。
【0008】このような観点から本発明のブラスト処理
方法は、水溶性のブラスト材をブラストエアとともに被
処理面に吹きつけるのに、水とともに吹きつけて、被処
理面をブラスト処理することを1つの特徴としており、
ブラスト処理に水も加わり、ブラスト処理が洗浄である
ときはその洗浄に役立ち、洗剤を含んで用いるのがより
好適となるし、洗浄が目的でなくてもブラスト材やブラ
スト処理で生じたダストなどを被処理面から流し去るこ
とができ好適である。特に、ブラスト材が水溶性である
ことにより、ブラスト処理に用いた水により洗い流すの
に好適である。
【0009】この意味で、重炭酸ソーダや芒硝の粒子以
外の水溶性の粒子を用いてもよく、これも本発明の範疇
に属する。
【0010】また、用いるブラスト材が重炭酸ソーダや
芒硝の粒子のように中性ないしは弱アルカリ性である
と、環境に悪影響しないので、そのまま下水などに放流
してよく回収や特別な処理がいらない。この意味で、重
炭酸ソーダや芒硝の粒子以外の弱アルカリ性や中性のブ
ラスト材を用いてもよく、これも本発明の範疇に属す
る。
【0011】水はブラスト材をブラストエアによって吹
き出させる吹き出し筒の外まわりから、吹き出し筒から
のブラスト材の吹き出し域を囲うように噴き出させる
と、ブラスト処理のために吹き出し筒からエアとともに
噴き出させたブラスト材を水流で包囲してまわりへの飛
散を防止しながら、ブラスト材を水に接触させてブラス
ト後のブラスト材を被処理面から洗い流し、かつ水に溶
かしながら下水などへ容易に流し去れるので、ブラスト
後のブラスト材の処理が容易になる。そこで、上記した
ように、洗浄の意味では水に洗剤を含むのが好適である
し、洗浄およびブラスト材を溶かす意味では水に温水を
用いるのが好適である。
【0012】以上のようなブラスト処理方法において、
ブラストエアは2kg/cm2 以下で用い、作業者また
はこれに代わる移動作業ロボットによって吹き出し筒を
取り扱って被処理面に向け、この被処理面をブラスト処
理しながら移動し、ブラスト処理位置を順次に変えてい
くようにすることも1つの特徴としている。
【0013】このように、作業者や移動作業ロボットが
吹き出し筒を持ち運んで移動しながらブラスト処理する
と、ブラストエアラインを引き回しながら前記非可搬物
や大型なものを処理対象にして広範囲な場所、ないしは
開放空間で、長い範囲に連続し、あるいは複数箇所に分
散した被処理面を順次に容易にブラスト処理していける
し、特にその際、ブラストエアが前記のように2kg/
cm2 以下の低圧であると、可撓性のチューブは従来用
いている高圧用の耐圧ホースの1/3〜1/4と軽量に
なるので、従来はクレーンなどで支持して移動している
のに比し前記引回しが楽に行えるので、移動しながらの
ブラスト作業が容易である。
【0014】しかも、ブラストエアおよび水の供給、供
給停止の操作を、吹き出し筒ないしはこれの近傍に設け
られた手元操作部で行うようにすると、前記作業者や移
動作業ロボットが吹き出し筒を取り扱ってブラスト処理
を行うのに、その時々の条件にリアルタイムに即応しな
がらブラスト処理を進めて行ける。この場合、ブラスト
エアおよび水の供給、供給停止の操作を、1つの操作部
で行うと簡単で作業しやすい。
【0015】本発明のそれ以上の目的および特徴は、以
下の詳細な説明および図面によって明らかになる。ま
た、これら本発明の各特徴は、可能な範囲で個別に、あ
るいは種々な組合せで互いに複合して適用することがで
きる。
【0016】
【発明の実施の形態】以下、本発明の代表的な実施の形
態について図を参照しながら詳細に説明する。
【0017】本実施の形態では、図1に示すように各種
処理対象物7の被処理面7aに吹きつけてブラスト処理
するブラスト材3は、俗称重炭酸ソーダの粒子、または
俗称芒硝の粒子よりなる。重炭酸ソーダはNaHCO3
で炭酸水素ナトリウム、芒硝にはNa2 SO4 ・10H
2 O、Na2 SO4 がある。これらは結晶粒子であっ
て、例えば重炭酸ソーダで比重2.21、単斜晶系の大
きい結晶で比重1.4〜1.5であり目的に応じた形
状、大きさのものにすることにより、洗浄、塗装膜の除
去、あるいは各種の研磨など、図1の(a)、(b)、
(h)に示すような方式での種々なブラスト処理に適用
できるし、PH8の弱アルカリ、またはPH7の中性で
あって環境に悪影響しない。しかも、防臭効果もある。
従って、ブラスト処理に用いた後、回収したり特別な処
理をする必要はないので、非可搬物や大型なものを処理
対象物7にして広範囲な場所、ないしは開放空間でブラ
スト処理するのに便利である。しかも、重炭酸ソーダの
粒子、または芒硝の粒子は共に水溶性であるので、ブラ
スト処理後に洗い流すのに好適である。このとき温水で
洗い流すと重炭酸ソーダの粒子、または芒硝の粒子はよ
り溶けやすく洗い流しやすい。芒硝の粒子は無水である
と流動性がよくブラストエアによって吹きつけやすい利
点がある。なお、図1の(c)は回収を必要とするブラ
スト材3を用いたときの対策をしたブラスト処理方式
を、回収の要らないブラスト処理方式に対する比較例と
して示してある。
【0018】図1の(a)、(b)、(h)および図1
の(c)の各方式のブラスト処理に共通して、ブラスト
エア源1から延び、かつブラストタンク2からブラスト
材3が供給されるブラストエアライン4の先端に設けら
れてブラスト材3をブラストエア6とともに吹き出させ
る吹き出し筒5を、処理対象物7に向け、ブラストエア
6とともに吹き出し筒5から吹き出されるブラスト材3
により処理対象物7の被処理面7aをブラスト処理す
る。
【0019】本実施の形態では特に、前記のような回収
不要なブラスト材3を用いる観点から図1の(a)に示
すように開放空間でブラスト処理して、ブラスト後まわ
りに飛散したブラスト材3を洗い流すなどしてもよい。
しかし、前記重炭酸ソーダの粒子や芒硝の粒子のように
水溶性であることに対応して、図1の(b)および
(h)に示すように水溶性のブラスト材3をブラストエ
ア6とともに被処理面7aに吹きつけるのに、水10と
ともに吹きつけて、被処理面7aをブラスト処理する。
【0020】これにより、ブラスト処理に水10も加わ
り、ブラスト処理が洗浄であるときはその洗浄に役立
ち、洗剤を含んで用いるのがより好適となるし、洗浄が
目的でなくてもブラスト材3やブラスト処理で生じたダ
ストなどを被処理面から流し去ることができ好適であ
る。特に、ブラスト材3が水溶性であることにより、ブ
ラスト処理に用いた水10により洗い流すのに好適であ
る。この意味で、重炭酸ソーダや芒硝の粒子以外の水溶
性の粒子を用いてもよい。また、用いるブラスト材3が
重炭酸ソーダや芒硝の粒子のように中性ないしは弱アル
カリ性であると、環境に悪影響しないので、そのまま下
水などに放流してよく特別な処理や回収がいらない。こ
の意味で、重炭酸ソーダや芒硝の粒子以外の弱アルカリ
性や中性のブラスト材を用いてもよい。
【0021】ブラスト材3として、重炭酸ソーダや芒硝
の粒子を水10とともに吹きつけて用いるのに、図1の
(b)に示す実施例の場合水10を供給するのに、例え
ば図示しない水道の蛇口などの水供給源と接続される水
供給ライン39が配管され、水供給ライン39の供給口
39aが吹き出し筒5内の中心軸線上に吹き出し筒5の
先端部に向けて開口されている。
【0022】図1の(h)に示す実施例では、ブラスト
材3をブラストエア6によって吹き出させる吹き出し筒
5の外まわりから、吹き出し筒5からのブラスト材3の
吹き出し域を囲うように噴き出させると、ブラスト処理
のために吹き出し筒5からエア6とともに噴き出させた
ブラスト材3を水流で包囲してまわりへの飛散を防止し
ながら、ブラスト材3を水に接触させてブラスト後のブ
ラスト材3を被処理面から洗い流し、かつ水に溶かしな
がら下水などへ容易に流し去れるので、ブラスト後のブ
ラスト材3の処理が容易になる。
【0023】また、図1の(h)に示す実施例では、吹
き出し筒5のまわりに環状の散水管201を一重、ある
いは多重に配し、この環状の散水管201の各所に噴き
出しノズル201aを設けて、環状の散水管201の各
噴き出しノズル201aから噴出する水10が、吹き出
し筒5からエアとともに吹き出されるブラスト材3を囲
う筒状に噴出させる。これにより、吹き出されたブラス
ト材3は被処理面に吹きつけられて飛散する際に必ず水
10と触れて水10とともに流れ落ちるので、まわりに
飛散することが防止される。しかも、水10とともに流
れ落ち、流れ去りながら水に溶ける。作業場になお残る
ブラスト材3は水で洗い流すなどして処理すればよい。
実施例のように水10の噴出が多重であるとブラスト材
3の飛散防止、ブラスト材3と水10との混合が促進さ
れる。実施例では各噴き出しノズル201aは水10を
膜状流にして噴き出させるものとして、周方向で途切れ
ない先広がりな筒状の膜流を形成するようにしている。
しかし、各噴き出しノズル201aは水を膜状流にして
噴き出させるものに限られない。
【0024】なお上記したように、洗浄の意味では水1
0に洗剤を含むのが好適であるし、洗浄、およびブラス
ト材を溶かす意味では水10に温水を用いるのが好適で
ある。
【0025】以上のようなブラスト処理方法が、広範囲
な場所や開放空間でのブラスト処理に適していることか
ら、ブラストエアは2kg/cm2 以下で用い、図2、
図3の実施例に示すように、作業者12またはこれに代
わる移動作業ロボットによって吹き出し筒を取り扱って
被処理面7aに向け、この被処理面7aをブラスト処理
しながら移動し、ブラスト処理位置を順次に変えていく
ようにするとさらに好適である。
【0026】このように、作業者12や移動作業ロボッ
トが吹き出し筒5を持ち運んで移動しながらブラスト処
理すると、ブラストエアライン4を引き回しながら前記
非可搬物や大型なものを処理対象物7にして広範囲な場
所、ないしは開放空間で、長い範囲に連続し、あるいは
複数箇所に分散した被処理面7aを順次に容易にブラス
ト処理していけるし、特にその際、ブラストエア6が前
記のように2kg/cm2 以下の低圧であると、ブラス
トエアライン4をなす可撓性のチューブは従来用いてい
る高圧用の耐圧ホースの1/3〜1/4と軽量になるの
で、従来はクレーンなどで支持して移動しているのに比
し前記引回しが楽に行えるので、移動しながらのブラス
ト作業が容易である。
【0027】因みに、一例を示すと、従来の耐圧、耐摩
性の高圧ホースはゴム性で内面に黒色耐摩材層が設けら
れたもので、内径が25.4mm、外形が43.2m
m、重量が1.23kg/mであるのに対し、本発明で
用いることができる耐摩ホースは、ゴム性で内面に黒色
耐摩材層が設けられ外周にピアノ線や鋼線がスパイラル
に巻かれて折れ曲がり防止が図られ、その外周に保護層
が設けられていて、内径が25.4mm、外形が33.
9mm、重量が0.35kg/mである。
【0028】しかも、ブラストエア6および水10の供
給、供給停止の操作を、吹き出し筒5ないしはこれの近
傍に設けられた図1の(a)、(b)、(h)に示すよ
うな手元操作部21、39bで行うようにすると、前記
作業者12や移動作業ロボットが吹き出し筒5を取り扱
ってブラスト処理を行うのに、その時々の条件にリアル
タイムに即応しながらブラスト処理を進めて行ける。こ
の場合、ブラストエア6および水10の供給、供給停止
の操作を、1つの操作部で行うと簡単で作業しやすい。
これには互いを電気的に連動させる方法がある。しか
し、双方が近いと機械的な連動方式も採用できる。前記
図示する実施例では特に連動させていない。
【0029】特に本実施の形態は、前記移動しながらの
ブラスト処理が容易なように、装置も含めさらに種々に
工夫している。図1に示すように本実施の形態は、ブラ
ストエア源1から延び、かつブラストタンク2からブラ
スト材3が供給されるブラストエアライン4の先端に設
けられてブラスト材3をブラストエア6とともに吹き出
させる吹き出し筒5を、例えば図2に示すようなゴンド
ラタイプの移動体11a上にある状態の、あるいは図3
に示すような地上9や床面上にある状態の、その他の各
種状態の、作業者12、またはこれに代わるものとして
利用される図示しない移動作業ロボットにより取り扱っ
て処理対象物7に向け、ブラストエア6とともに吹き出
し筒5から吹き出されるブラスト材3により処理対象物
7の被処理面7aをブラスト処理すること、およびこの
処理に併せ、吹き出し筒5およびこれを取り扱う作業者
12または移動作業ロボットが、ブラストタンク2の移
動、あるいはブラストタンク2およびブラストエア源1
の移動を伴い、移動して、複数箇所、あるいは連続した
表面を順次にブラスト処理できするようにする。
【0030】このように、作業者12や作業ロボットが
吹き出し筒5を取り扱って処理対象物7の被処理面7a
に向け、ブラストタンク2から供給されるブラスト材3
をブラストエア源1からのブラストエア6とともに吹き
出させて、処理対象物7の被処理面7aをブラスト処理
しながら、ブラストタンク2の移動、あるいはブラスト
タンク2およびブラストエア源1の移動を伴い、移動す
ることにより、図2に示すような建造物13の外部や業
務用の厨房、手術室、設備などの非可搬物、および鉄道
などの列車や航空機と言った大型なものを処理対象物7
としても、それらの複数箇所、あるいは連続した表面を
被処理面7aとして、移動の制限なく順次に容易にブラ
スト処理することができる。
【0031】低圧、特に2kg/cm2 以下のブラスト
エア6を用いると、ブラストエア源1であるブロワなど
のファン類1a、およびこれの駆動モータ1bが小容量
化し、ブラストタンク2が圧力容器としての取り扱い基
準外のものになるなど、全体の小型化および軽量化が図
れるので、ブラスト処理作業の場所が変わり、また作業
中移動するのに好適である。特に、ブラスト処理作業時
に作業者12または移動作業ロボットが、ブラストタン
ク2、またはブラストエア源1およびブラストタンク2
を図3に示すように背負ったり肩に掛けたりして携帯
し、または車輪14などにより走行などさせて携行する
のに有利である。この携帯または携行によってブラスト
処理作業をしながらの移動の自由度が高くなる。
【0032】また、発電機16は一か所に置いたままと
して、前記のようにブラストエア源1およびブラストタ
ンク2を携行ないしは携帯してブラスト処理作業する
と、これらの移動のためには発電機16からブラストエ
ア源1の駆動モータ1bへの給電配線20を引き回すだ
けでよく、給電配線20を長くしてもその引き回しが特
に困難になることはないので、大きな範囲を短いブラス
トエアライン4の簡単な捌きを伴って容易に移動してブ
ラスト作業ができる。ブラストタンク2を携帯するよう
な場合は特に、ブラスト材3の供給位置から吹き出し筒
5までのブラストエアライン後半部4aを、人の腕12
aの長さ程度にまで短くしてよく捌きが楽で作業しやす
い。
【0033】ブラスト処理作業の内容によってはさらに
小容量なブラスト処理装置でよくなるなど、ブラストエ
ア源1もブラストタンク2とともに作業者12等が携帯
できる場合はブラストタンク2とブラストエア源1との
間のブラストエアライン前半部4bが極く短いものでよ
くなる。ブラストタンク2やブラストエア源1を走行に
より常に身近にあるように携行するような場合、携行が
楽になる上、前記携帯の場合に近い状態にブラストエア
ライン4を短くすることができる。しかし、定置できる
可搬のブラストタンク2やブラストエア源1を、ブラス
トエアライン前半部4bおよび後半部4aが移動の限界
状態になる都度持ち運んで次の移動に備えるような携行
状態であっても、ブラストエアライン4を余り長くしな
くても広い範囲に移動しながらのブラスト処理作業がで
きる。
【0034】しかも、作業者12または移動作業ロボッ
トが、ブラストエア源1およびブラストタンク2を載せ
た図2に示すようなゴンドラなどの移動体11aに乗
り、移動体11aの移動を伴いブラスト処理作業をする
と、ブラスト処理しながら移動するのに、引き回すのは
電源からの給電配線20だけになり、移動体11aの上
で取り扱うブラストエアライン4が極く短くなり移動体
11a自体への負荷も大きく軽減でき、ゴンドラなどの
上での作業に好適であるとともに、作業者12が引き回
すブラストエアライン4の長さも短くなるので作業者1
2やロボットにより負担が掛からないし、高い建物13
の外面であったりしても安全かつ簡易に作業を進めるこ
とができる。移動体11aがエンジンやモータなどの駆
動源によって自走する機能を有するものであると、宙づ
り状態で、あるいは地上や床面上でブラスト処理しなが
ら移動するのに、作業者12やロボットに負担が掛から
ない。
【0035】以上のような移動しながらのブラスト処理
動作の開始、停止は、吹き出し筒5に設けられた図1に
示すような手元操作部21により作業者が操作して行う
ようにすると、作業者12自らがその時々の作業状況に
合わせてリアルタイムでブラスト処理動作の開始、停止
の制御ができ作業に便利である。
【0036】一方、ブラスト処理操作に併せて、回収が
必要なブラスト材3を例えば図1の(c)に示すような
ブラスト材吹きつけ域211からの吸引回収ライン22
によって吸引し回収すると、開放空間を移動しながらブ
ラスト処理するのに、ブラスト材3がまわりに飛散し汚
すのを防止するとともに、使用済みブラスト材3を回収
してリサイクル使用することができ、省資源化が図れ
る。
【0037】図1に示す装置は上記のようなブラスト処
理作業を達成するために、さらに、以下のような具体的
な構成を有している。ブラストエア源1に用いるファン
類1aは、低圧、特に、2kg/cm2 以下の低圧のブ
ラストエアを供給するために、ブロワ、スクリューポン
プまたは低圧用のファンなどがある。特にブロワはルー
ツブロワであると、低圧で大きな流量を得やすいので、
ブラスト材3を多量に吹きつけたい場合に好適であり、
例えば市販されている20μm〜30μm程度の隙間の
ある非接触型のものであると、ファン効率の低下なく音
が静かになり環境に好都合である。いずれにしても、こ
れらファン類1aの吸引側にはエアフィルタ23を設け
てブラストエア6に異物が入り込まないようにすること
が好適である。
【0038】ブラストエアライン4のブラストエアライ
ン前半部4bは、例えばそのブラストエア源1側との接
続部にコネクタ24を設けて、必要に応じて分離できる
ようにし、例えば図1に仮想線で示す走行基台11bが
ないことによって、ブラストエア源1とブラストタンク
2とが個別に持ち運ばれるような使用に対応できるよう
にしてある。
【0039】ブラストタンク2は、図1の(a)および
(b)に示す実施例に対応しては、図1の(d)に示す
ように、上部は網31a付きの蓋31をシールパッキン
グなどを介し当てがって、バックル32と係止部33と
により周方向複数箇所で締結して網31以外での通気部
分がないようにしっかりと閉じられ、下部は漏斗状の供
給口2aとされている。この供給口2aには図1の
(f)に示すようなニードル絞り弁34を持ったノズル
35が接続され、ノズル35の注射の針先状に斜めに切
断して開口させたノズル口35aを図1の(g)に示す
ようにブラストエアライン4内に突出させている。ノズ
ル口35aの切断開口面はブラストエアライン4の下流
側に向けて配置される。
【0040】これによって、ブラストエア6はノズル口
35aの切断開口面の背部から、これの下部および両側
を迂回するようにしてノズル口35aの切断開口面側に
回り込んで下流側へ抜けるが、この抜けるときにノズル
口35aの切断面側に負圧を生じさせて、ノズル35を
通じ供給口2aに供給され続けるブラスト材3を吸引に
より安定して引き出せるようにしながら、前記ノズル口
35aの切断開口面の背部から、これの下部および両側
を迂回するようにしてノズル口35aの切断開口面側に
回り込んで下流側へ抜けるときに、ノズル口35aの切
断開口面に渦流を形成して前記引き出したブラスト材3
を、ブラストエアライン後半部4aへ抜けていくエア6
の全域によく分散させることができ、併せて、2kg/
cm2 以下と低圧のブラストエア6であって、ブラスト
エアライン後半部4aから吹き出し筒5へは内径が少し
小さくなる程度で、必要距離ブラスト材3をブラストエ
ア6とともに吹き出させることにより、ブラストエア6
はブラストエアライン前半部4bはもとより、ブラスト
エアライン後半部4aおよび吹き出し筒5内の全域をほ
ぼ層流状態で、前記分散したブラスト材3をほぼそのま
ま持ち運んで吹き出し筒5からほぼ均一な分布で吹き出
させることができるので、ブラスト材3の吹き出し域2
11の全体でむらのないほぼ均一なブラスト処理でき、
処理の効率および質が向上する。
【0041】1つの実施例範囲として、切断開口面のノ
ズル35の軸線方向に対する傾斜角度θはθ=45°〜
60°程度、ブラストエアライン4内への突出量lはブ
ラストエアライン4の内径をdとして、l=1/2〜3
/4程度に、それぞれ設定すると、エア流量の設定に対
するブラスト材3の供給量のバランスが好適になり、ノ
ズル35の途中の絞り弁34の絞り調節とブラストエア
源1からのエアの供給量の設定とによって、必要に応じ
た種々なブラスト条件が容易に設定できる。しかし、こ
れらに限定されることはなく、場合によっては、それら
の条件以外の設定とすることもできる。
【0042】ブラストタンク2内にはこれの周壁に沿う
相似形状を持ったエアシャワー管36が同心的に設けら
れ、エアシャワー管36はその周方向多数の等配位置か
らエア6を下向きに吹き出すとともに、中心部にまで延
びて下向きに屈曲するなどした中央ノズル36aから供
給口2aに向けてエア6を吹き出すようにしてある。
【0043】これにより、漏斗状の供給口2aの近傍で
生じやすいブラスト材3のブリッジ状態が、エアシャワ
ー管36による環状位置からの吹き出しエア6がブラス
トタンク2の漏斗状部分の内面に沿う膜流を形成して、
この部分にあるブラスト材3を浮き上がらせながら、供
給口2aに近い中央位置での吹き出しエア6によって供
給口2aにブラスト材3が集まって凝集しやすいのを分
散させながら、供給口2aに抜けるように吹き出させる
ので、どのようなブリッジ状態も崩しやすく、より詰ま
りなく供給口2aから流出されやすくなる。従って、ブ
リッジによる詰まりが発生しにくい。
【0044】ブラストタンク2は圧力容器の取り扱い基
準外のものとなるので、圧力容器のように耐圧上円筒形
状にする必要は必ずしもなく、四角形な形状のものとす
ることもできるが、ブラストタンク2が円筒形状である
とエアシャワー管36は円形の環状体であり、四角形な
形状であるとエアシャワー管36は四角形な環状体とな
る。また、ブラストタンク2が四角形な形状で供給口2
aが直線状に複数並んでいる場合など、各供給口2aご
とに対応して前記中央ノズル36aを設けることにな
る。
【0045】本発明者らの実験では、高圧エアを用いて
ブラスト処理するのに併せ、前記のようなブリッチ防止
のためのエアの吹き出しを行うと、かえってブリッジが
生じて十分な効果が得られないことがあった。これは、
高圧エアを用いると吹き出し部で氷が発生する位いの低
温になり、ブラストタンク2内に吹き出されたときに結
露が生じ、ブラスト材3を湿らせて凝集が生じやすくな
ることに原因すると思われる。
【0046】これに対し、本実施の形態のように、2k
g/cm2 以下の低圧のブラストエア6を用いると、ブ
リッジの防止が十分に図れた。これは、吹き出し部のエ
ア温度が80℃程度の高温になり、これがブラストタン
ク2内のブラスト材3中に吹き出されたときブラスト材
3を攪乱しながら接触するときに湿気をも持ち運んで乾
燥させるので、エア流による攪乱によるブリッジの防止
に併せて、湿気による凝集を乾燥により分散させる働き
もすることにより、ブラスト材3のブリッジをどのよう
な環境下にも確実に防止して安定した供給がなされるよ
うにできる。また、このようなブリッジ防止の働きをし
た後ブラストタンク2外へ網31aを通じるなどして外
部に流出するエア6は、前記のようなブラスト材3や湿
気との熱交換によって常温ないしはそれに近い低温にな
っているので、環境に悪影響するようなことはない。
【0047】吹き出し筒5は図1に示すように基部に握
り部5aを持ったガンタイプのノズルに形成され、その
握り部5aに前記手元操作部21を引き金タイプのスイ
ッチキーとしてあり、握り部5aを握った手の指で押圧
操作したとき、ブラストエアライン4に沿って配線され
た配線37や中継器38、あるいはコネクタ139など
を介して発電機16からモータ1bへの図示しない給電
回路をオン操作するようにしてあり、手元操作部21の
押圧を解除するとこれが図示しないばねの付勢で即時に
復帰して、前記給電回路をオフ操作するようにしてあ
る。もっとも、押圧操作の繰り返しによって、オフ状態
からオン状態に、オン状態からオフ状態に、順次ロータ
リ式に繰り返し切り替えるような操作方式にすることも
できる。
【0048】図1の(c)に示す実施例に対応しては、
処理対象物7の被処理面7aにおける、吹き出し筒5か
らのブラスト材吹き付け域211を覆うように吹き出し
筒5の吹き出し口5b部まわりに設けられたゴム、合成
樹脂、金属など適当な材料からなるキャップ42と、こ
のキャップ42からブラストタンク2への図1の(e)
に示すような吸引回収室41につながるようにした可撓
性で耐摩耗性のチューブよりなる吸引回収ライン22と
が設けられている。吸引回収室41は、蓋31に代えて
蓋31の場合と同じ係止具33とバックル32の係合に
よる締結でブラストタンク2の上端に接続される。これ
により吸引回収室41はブラストタンク2のその上部で
通じた状態になる。吸引回収室41はブラストエア源1
の吸引口1cに接続することによりそれが吸引源となる
ようにされている。
【0049】吸引回収室41は、上部に吸引口1cと吸
引ライン45でつながる吸引口41aを有し、下部がブ
ラストタンク2に向けた漏斗状の供給口41bとされ、
この供給口41bに、ブラストエアライン前半部4bか
らの供給エア6のエア圧によって閉じられる傘型の弁4
4が設けられている。
【0050】吸引回収室41はブラスト処理作業の開始
とともに、吸引口41aを通じて常時内部空気が吸引さ
れ、これによって生じる負圧は吸引回収ライン22を通
じてキャップ42内のブラスト材吹き出し域211に及
ぶので、ここに吹き出されてブラスト処理に供された後
のブラスト材3を、被処理面7aに押しつけ、あるいは
接触させ、または極く近接させたキャップ42により捕
捉して回りに飛散させるようなことなく、吸引回収ライ
ン22を通じて吸引回収室41内に吸引され回収される
ようにする。吸引回収室41内に回収されたブラスト材
3が、吸引口41aへとバイパスしないように、吸引回
収したブラスト材3を吸引回収室41内の外周部を旋回
するように吹き込まれて遠心分離されるようにし、吸引
口41aへは吸引回収室41の中央部のブラスト材3が
内部分の空気が吸引されるようにするのが好適であり、
そのためには吸引口41aは吸引回収室41の中央f
で、かつ回収ブラスト材3の吹き込み位置よりもやや低
い位置以下とするのが好適である。しかし、これに限ら
れることはない。
【0051】ブラスト処理作業が継続している間、傘弁
44はブラストエア6の圧力によって供給口41bを閉
じた状態に保つので、吸引回収室41内には吸引による
ブラスト材3の回収が引き続き行われる。ブラスト処理
作業が中断ないしは停止したとき、傘弁44はブラスト
エア6の圧力が作用しなくなることによって開かれるの
で、吸引回収室41に回収されているブラスト材3はブ
ラストタンク2内に自動的に戻されリサイクル使用され
る。
【0052】一般に、ブラスト処理作業は、一定の処理
単位で処理状態を確認する都度、あるいは、作業が継続
しにくくなって、位置やその他の作業条件の変更が必要
になる都度、作業を中断するというように、断続的に行
われるのが一般的であるので、上記のブラストタンク2
内のブラスト材3の消費と、回収とが交互になされて、
ブラストタンク2内のブラスト材3の回収が極端に遅れ
るようなことは生じない。
【0053】しかし、ブラスト材3の100%の回収が
困難で、ブラストタンク2内のブラスト材3が徐々に減
量することはある。このような減量や、前記回収の遅れ
などのために、ブラストタンク2内のブラスト材3が不
足してブラスト処理の作業に差し支えるようなことがあ
ると、ブラスト材3を補給したり、回収を待ったりして
ブラスト処理作業を継続すればよい。
【0054】このように、吹き出し筒5から吹き出した
ブラスト材3を、その吹き出し域211を覆うキャップ
42によってまわりへの飛散を防止しながら、キャップ
42部から吸引回収ライン22を通じて吸引回収室41
に吸引し回収するので、特別なブラスト室などを用いな
い開放空間での作業でありながら、使用するブラスト材
3が回りを汚したり環境を低下させるようなことを回避
することができるし、吸引回収室41に回収したブラス
ト材3は自動的にブラストタンク2に戻されてリサイク
ル使用されるのでブラスト材3の消費を抑えることがで
き、省資源化が図れる。しかも、吸引回収室41をブラ
ストエア源の吸引口1cに接続してそれが吸引源となる
ようにすることにより、ブラスト材3の吸引回収に特別
な吸引源が不要となり、装置は特に複雑化しない利点が
ある。
【0055】また、上記のような図1の(c)に示す実
施例が、図1の(a)や(b)に示す実施例と適宜、選
択し採用できるオプション機器として用いるには、図1
の(d)、(e)に示すように蓋31と吸引回収室41
とを、ブラストタンク2に対して互換性よく装着できる
ようにする一方、吸引ライン45および傘弁44へのブ
ラストエア6の供給ライン49とを、それぞれコネクタ
51、52により、吸引口1cやブラストエアライン前
半部4bに分離できるように接続する構造としておくの
が好適である。ここで、吸引口1cに吸引ライン45を
接続するときは、例えばコネクタ51を通じるなどして
吸気弁202も接続し、吸引ライン45からの吸引で不
足するエアを吸気弁202を通じて吸引できるようにす
る。
【0056】上記のようなブラスト処理作業を行うのに
適した1つの実施例装置を図4〜図6に示してある。こ
のものは、3つの車輪14によって走行できる移動体で
ある走行基台11bに、2kg/cm2 以下の低圧のブ
ラストエアを供給するブラストア源1と、このブラスト
エア源1から延びるブラストエアライン4にブラスト材
3を供給するブラストタンク2とを搭載し、ブラストエ
アライン4のブラスト供給部から下流側であるブラスト
エアライン後半部4aを走行基台11bから延ばせる可
撓性、耐摩耗性のチューブで形成してその先端にブラス
ト材3を低圧のエア6とともに吹き出させる吹き出し筒
5を接続してある。
【0057】ここで、1つの実施例データを示すと、ブ
ラストタンク2は容量が約20L、重量が約12kg、
ブラストエア源1のファン類1aがルーツブロワで、駆
動モータ1bが0.75kw、100V、重量が約32
kg、吹き出し筒5が口径7mm、走行基台11bが全
長約795mm、高さが約680mm、幅370mm程
度で約10kgである。
【0058】これによると、走行基台11bの走行と、
これに搭載したブラストエア源1およびブラストタンク
2の低圧による小型化、および軽量化とで、それら全体
をブラストエアライン4の可撓性チューブを介し引き回
すなどして簡易に携行しながら、チューブの可撓性によ
る作業位置の移動および、吹き出し筒5の向き変更の自
由を保証して実現できる。
【0059】本実施例では、特に、ファン類1aと駆動
モータ1bとが横並びに設置されているので、かさ低く
安定しやすいので、図2に示すような高所の移動体11
aの上や揺れ動く船舶の上などでの作業と言った、安定
を優先したい場合に有利である。もっとも、安定の必要
な場合、車輪14の回転をストッパなどで防止しておく
のが好適である。
【0060】また、別の装置を図7〜図9に示してあ
る。このものは、4つの車輪14によって走行する走行
基台11bにブラストエア源1およびブラストタンク2
を搭載したもので、ブラストエア源1のファン類1aと
駆動モータ1bとを縦並びに設置した点で前記のものと
異なる。他は大きくかわるところはない。このように、
ファン類1aと駆動モータ1bとが縦並びであると平面
スペースが小さくなるので狭い建物の間や、厨房の狭い
設備の間でも、定置したり移動したりしやすく作業に有
利である。
【0061】1つの実施例データを示すと、ブラストタ
ンク2が容量約20L、重量約12kg、ブラストエア
源1のファン類1aがルーツブロワ、駆動モータ1bが
1.5kW、200V/220Vで、総重量が55k
g、吹き出し筒5の口径が10mmである。走行基台1
1bは全長約850mm、高さ780mm、幅が400
mm、重量が約13kgである。この実施例の場合の全
長は、ブラストエア源1とブラストタンク2とを接近さ
せることにより、640mm前後と約3/4程度に短く
できる。
【0062】さらに別の装置を図10〜図12に示して
ある。このものは、固定部や図2に示すような移動体1
1aなどの上に定置し持ち運びできる可搬基台11c
に、2kg/cm2 以下の低圧のブラストエアを供給す
るブラストエア源1を搭載し、このブラストエア源1か
ら延びるブラストエアライン4の可搬基台11cから引
き延ばせるブラストエアライン後半部4aを、可撓性の
チューブで形成して、その途中に可搬なブラストタンク
2を接続し、先端にブラスト材3を低圧のエア6ととも
に吹き出させる吹き出し筒5を接続してある。
【0063】これによると、低圧によるブラストタンク
2およびブラストエア源1の、小型化および軽量化と可
搬性とで、ブラストタンク2の、あるいはブラストタン
ク2およびブラストエア源1を持ち運びにより携行しな
がら、ブラストエアライン4のチューブの可撓性によ
る、作業位置の移動および吹き出し筒5の向き変更の自
由、ブラストタンク2のブラストエア源1に対する位置
の自由を保証して実現できる。また、ブラストエア源1
およびブラストタンク2を吊り下げ支持される図2に示
すようなゴンドラタイプの移動体11aに載せてブラス
ト処理作業をするような場合に、双方の位置関係が自由
であることにより、それらを移動体11aの重量バラン
スを採る重りとして配置し、作業者12の移動体11a
上での移動の安定と作業の安全を図れる。
【0064】1つの実施例データを示すと、ブラストタ
ンク2は容量が20L、重量が約12kg、ブラストエ
ア源1がルーツブロワ、駆動モータが1.5kw、AC
200V/220V、重量が約55kg、吹き出し筒5
の口径が10mmである。
【0065】可搬なブラストタンク2にこれを背負った
り肩に掛けたりする図3に示すような背負いベルト61
などの携帯具が設けられていると、作業者12やロボッ
トがこれを携帯しやすくブラストタンク2と共に高い自
由度で移動しながら、ブラストエアライン4の、人の腕
12aの長さ程度にまで短くできる、ブラスト材供給位
置から吹き出し筒5までのブラストエアライン後半部4
aを簡単に捌いて楽に作業を進めることができる。
【0066】なお、このような定置型の可搬基台11c
にブラストエア源1およびブラストタンク2の双方を搭
載して、必要に応じこれらを可搬基台11cごと持ち運
んで、あるいは移動体11a上に搭載してブラスト作業
位置の移動に対応するようにもできる。
【0067】
【発明の効果】本発明のブラスト処理方法および装置に
よれば、ブラスト材が、重炭酸ソーダの粒子、または芒
硝の粒子で、例えば結晶粒子であって、目的に応じた形
状、大きさのものにすることにより、洗浄、塗装膜の除
去、あるいは各種の研磨など種々なブラスト処理に適用
できるし、弱アルカリ、または中性であって環境に悪影
響しない。従って、ブラスト処理に用いた後、特に処理
したり回収したりする必要はないので、非可搬物や大型
なものを処理対象にして広範囲な場所、ないしは開放空
間でブラスト処理するのに便利である。しかも、重炭酸
ソーダの粒子、または芒硝の粒子は共に水溶性であるの
で、ブラスト処理後に洗い流すのに好適である。このと
き温水で洗い流すと重炭酸ソーダの粒子、または芒硝の
粒子はより溶けやすく洗い流しやすい。芒硝の粒子は無
水であると流動性がよくブラストエアによって吹きつけ
やすい利点がある。
【0068】本発明のブラスト処理方法によれば、ブラ
スト処理に水も加わり、ブラスト処理が洗浄であるとき
はその洗浄に役立ち、洗剤を含んで用いるのがより好適
となるし、洗浄が目的でなくてもブラスト材やブラスト
処理で生じたダストなどを被処理面から流し去ることが
でき好適である。特に、ブラスト材が水溶性であること
により、ブラスト処理に用いた水により洗い流すのに好
適である。
【0069】また、用いるブラスト材が重炭酸ソーダや
芒硝の粒子のように中性ないしは弱アルカリ性である
と、環境に悪影響しないので、そのまま下水などに放流
してよく回収や特別な処理がいらない。
【0070】水はブラスト材をブラストエアによって吹
き出させる吹き出し筒の外まわりから、吹き出し筒から
のブラスト材の吹き出し域を囲うように噴き出させる
と、ブラスト処理のために吹き出し筒からエアとともに
噴き出させたブラスト材を水流で包囲してまわりへの飛
散を防止しながら、ブラスト材を水に接触させてブラス
ト後のブラスト材を被処理面から洗い流し、かつ水に溶
かしながら下水などへ容易に流し去れるので、ブラスト
後のブラスト材の処理が容易になる。
【0071】また、作業者や移動作業ロボットが吹き出
し筒を持ち運んで移動しながらブラスト処理することに
より、ブラストエアラインを引き回しながら前記非可搬
物や大型なものを処理対象にして広範囲な場所、ないし
は開放空間で、長い範囲に連続し、あるいは複数箇所に
分散した被処理面を順次に容易にブラスト処理していけ
るし、特にその際、ブラストエアが前記のように2kg
/cm2 以下の低圧であることにより、可撓性のチュー
ブは従来用いている高圧用の耐圧ホースの1/3〜1/
4と軽量になるので、従来はクレーンなどで支持して移
動しているのに比し前記引回しが楽に行えるので、移動
しながらのブラスト作業が容易である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の代表的な1つの実施の形態を、幾つか
の実施例とともに示すブラスト処理方法および装置の概
略構成図であり、その(a)(d)はブラスト室ないし
は回収不要なブラスト材による処理作業例を示す実施
例、その(b)(d)(h)は水とともに用いて回収不
要となるブラスト材による処理作業例を示す実施例、そ
の(c)(e)はブラスト材を回収しながら開放空間で
ブラスト処理する処理作業例を示す実施例であり、その
(f)はブラスト材供給部の絞り弁を示す断面図、その
(g)はブラストエアラインへのブラスト材を供給する
部分の断面図である。
【図2】図1の方法および装置による高所でのブラスト
処理作業例を示す斜視図である。
【図3】図1に示す装置による別のブラスト処理方法を
示す斜視図である。
【図4】ブラストエア源およびブラストタンクを走行基
台に装備してブラスト処理作業に供するようにしたブラ
スト処理装置の別の実施例を示す側面図である。
【図5】図4の装置の走行基台の正面図である。
【図6】図4の走行基台の平面図である。
【図7】ブラストエア源およびブラストタンクを走行基
台に装備してブラスト処理作業に供するようにしたブラ
スト処理装置のさらに別の実施例を示す側面図である。
【図8】図7の装置の走行基台の正面図である。
【図9】図7の走行基台の駆動モータを外して見た平面
図である。
【図10】ブラストエア源を可搬基台に装備して可搬な
ブラストタンクと組合せてブラスト処理作業に供するよ
うにしたブラスト処理装置の今1つの実施例を示す側面
図である。
【図11】図10のブラストタンクの正面図である。
【図12】図10の可搬基台およびブラストタンクの平
面図である。
【符号の説明】
1 ブラストエア源 1a ファン類 1b 駆動モータ 1c 吸引口 2 ブラストタンク 2a 供給口 3 ブラスト材 4 ブラストエアライン 4a ブラストエアライン後半部 4b ブラストエアライン前半部 5 吹き出し筒 6 ブラストエア 7 処理対象物 7a 被処理面 9 地上 10 水 11a 移動体 11b 走行基台 11c 可搬基台 12 作業者 13 建物 14 車輪 21、39b 手元操作部 35 ノズル 35a ノズル口 39 水供給ライン 201 環状の散水管

Claims (13)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 重炭酸ソーダの粒子よりなるブラスト
    材。
  2. 【請求項2】 芒硝の粒子よりなるブラスト材。
  3. 【請求項3】 芒硝は無水芒硝である請求項2に記載の
    ブラスト材。
  4. 【請求項4】 水溶性のブラスト材をブラストエアとと
    もに被処理面に吹きつけるのに、水とともに吹きつけ
    て、被処理面をブラスト処理することを特徴とするブラ
    スト処理方法。
  5. 【請求項5】 ブラスト材は中性ないしは弱アルカリ性
    である請求項4に記載のブラスト処理方法。
  6. 【請求項6】 水溶性、および中性ないしは弱アルカリ
    性のブラスト材は、重炭酸ソーダの粒子または芒硝の粒
    子である請求項5に記載のブラスト処理方法。
  7. 【請求項7】 水はブラスト材をブラストエアによって
    吹き出させる吹き出し筒の外まわりから、吹き出し筒か
    らのブラスト材の吹き出し域を囲うように噴き出させる
    請求項4、5のいずれか一項に記載のブラスト処理方
    法。
  8. 【請求項8】 ブラストエアは2kg/cm2 以下で用
    い、作業者またはこれに代わる移動作業ロボットによっ
    て吹き出し筒を取り扱って被処理面に向け、この被処理
    面をブラスト処理しながら移動し、ブラスト処理位置を
    順次に変えていく請求項4〜7のいずれか一項に記載の
    ブラスト処理方法。
  9. 【請求項9】 ブラストエアおよび水の供給、供給停止
    の操作は、吹き出し筒ないしはこれの近傍に設けられた
    手元操作部で行う請求項4〜8のいずれか一項に記載の
    ブラスト処理方法。
  10. 【請求項10】 ブラストエアおよび水の供給、供給停
    止の操作は、1つの操作部で行う請求項9に記載のブラ
    スト処理方法。
  11. 【請求項11】 ブラスト処理は開放空間にて行う請求
    項4〜10のいずれか一項に記載のブラスト処理方法。
  12. 【請求項12】 水は温水を用いる請求項4〜11のい
    ずれか一項に記載のブラスト処理方法。
  13. 【請求項13】 水は洗剤を含む請求項4〜12のいず
    れか一項に記載のブラスト処理方法。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2006297568A (ja) * 2005-04-25 2006-11-02 Oosawa:Kk ブラストノズル及びこれを備えたブラストガン
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