JPH11291027A - ろう付け方法及びそのろう付け部品 - Google Patents

ろう付け方法及びそのろう付け部品

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JPH11291027A
JPH11291027A JP9917398A JP9917398A JPH11291027A JP H11291027 A JPH11291027 A JP H11291027A JP 9917398 A JP9917398 A JP 9917398A JP 9917398 A JP9917398 A JP 9917398A JP H11291027 A JPH11291027 A JP H11291027A
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brazing
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fitting
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JP9917398A
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Inventor
Akira Hashimoto
晃 橋本
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Mazda Motor Corp
Original Assignee
Mazda Motor Corp
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Publication date
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    • FMECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
    • F16ENGINEERING ELEMENTS AND UNITS; GENERAL MEASURES FOR PRODUCING AND MAINTAINING EFFECTIVE FUNCTIONING OF MACHINES OR INSTALLATIONS; THERMAL INSULATION IN GENERAL
    • F16DCOUPLINGS FOR TRANSMITTING ROTATION; CLUTCHES; BRAKES
    • F16D23/00Details of mechanically-actuated clutches not specific for one distinct type
    • F16D23/02Arrangements for synchronisation, also for power-operated clutches
    • F16D23/025Synchro rings
    • FMECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
    • F16ENGINEERING ELEMENTS AND UNITS; GENERAL MEASURES FOR PRODUCING AND MAINTAINING EFFECTIVE FUNCTIONING OF MACHINES OR INSTALLATIONS; THERMAL INSULATION IN GENERAL
    • F16HGEARING
    • F16H55/00Elements with teeth or friction surfaces for conveying motion; Worms, pulleys or sheaves for gearing mechanisms
    • F16H55/02Toothed members; Worms
    • F16H55/17Toothed wheels
    • F16H55/171Toothed belt pulleys

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  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • General Engineering & Computer Science (AREA)
  • Mechanical Engineering (AREA)
  • Gears, Cams (AREA)
  • Mechanical Operated Clutches (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】ベース部品と接合部品との圧入嵌合部位の一方
の部品の一部を他方の部品に対して充分な圧入代をもっ
て圧入される圧入部に形成し、ろう材およびフラックス
をセットした状態でベース部品に接合部品を圧入嵌合し
た後に、加熱してろう付けすることで、圧入部の圧入代
によりスプリングバックを抑止し、しかも圧入部を一方
の部品の一部のみに形成することで、圧入嵌合部に作用
する残留応力を防止して、部品形状に基づく圧入時の形
状がろう付け加熱により熱処理変形して隙間が発生する
のを阻止し、以て良好なろう付けを行なうことができる
ろう付け方法の提供を目的とする。 【解決手段】ベース部品1に接合部品2を圧入嵌合した
状態でろう付けするろう付け方法であって、上記両部品
1,2の圧入嵌合部位Aの一方の部品1の一部が他方の
部品2に対して充分な圧入代をもって圧入される圧入部
11に形成され、ろう材8およびフラックス9をセット
した状態でベース部品1に接合部品2を圧入嵌合した後
に、加熱してろう付けすることを特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、例えば自動車の
マニュアル変速機におけるヘリカルギヤ(ベース部品)
とクラッチコーン(接合部品)とをろう付け接合するよう
なろう付け方法及びそのろう付け部品に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、上述例のベース部品と接合部品と
を電子ビーム溶接手段にて接合一体化すると、コスト高
となるので、このような電子ビーム溶接に代えてベース
部品に接合部品を圧入嵌合した状態で両部品をろう付け
するろう付け方法が既に発明されている(特開平8−2
06876号公報参照)。
【0003】すなわち、図6、図8に示すようにベース
部品の一例として嵌合軸部61とギヤ部62とを有する
ヘリカルギヤ63を設け、また接合部品の一例としてギ
ヤ歯64と嵌合孔65とを有するクラッチコーン66を
設けて、ヘリカルギヤ63の嵌合軸部61のネック部位
に形成されたろう材セット部(環状溝)に開リング状のろ
う材67およびフラックス(図示せず)をセットした状態
で、ヘリカルギヤ63の嵌合軸部61外周にクラッチコ
ーン66の嵌合孔65を嵌合した後に、これらを浸炭炉
内に収容して浸炭処理を並行してろう付けを行なう方法
である。
【0004】この場合、図6に示すように嵌合軸部61
外周と嵌合孔65内周とのタイト量(締りばめの度合)が
片側で10〜30μm程度に小さい時は両部品63,6
6の座面63a,66aの精度が悪く、座面にうねりが
あっても、または座面と嵌合軸部61との直角度が不充
分であったとしても、圧入後の加熱(浸炭処理温度条件
下の加熱)時においてスプリングバックにより図7の如
く両座面63a,66a間に隙間g1が発生するもの
の、この隙間g1はその全周にわたって略均等であるか
ら、特に問題点は生じない。
【0005】しかし、図8に示すように嵌合軸部61外
周と嵌合孔65内周とのタイト量(締りばめの度合)が
片側で30〜60μm程度に大きい時は、スプリングバ
ックは抑制できるものの両部品63,66の座面63
a,66aの精度や直角度が悪い場合には嵌合部の長さ
Lおよび嵌合部に作用する残留応力に起因して加熱時に
図9に示すような不均一かつ大きな隙間g2が発生し、
ろう材の酸化防止および濡れ性促進の作用を成すフラッ
クス(ろう付け用の溶剤、ペースト)の浸透が大幅にば
らつき、良好なろう付けを行なうことが不可能となる問
題点があった。
【0006】要するに部品形状による圧入時の形状(図
8参照)がろう付け加熱により図9の如く変形して、隙
間g2が発生し、この隙間g2によりろう材が不足する
ので、ろう付けにばらつきが生じたり、或はろう付け不
能となる問題点があった。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】この発明の請求項1記
載の発明は、ベース部品と接合部品との圧入嵌合部位の
一方の部品の一部を他方の部品に対して充分な圧入代を
もって圧入(締りばめ)される圧入部に形成し、ろう材
およびフラックスをセットした状態でベース部品に接合
部品を圧入嵌合した後に、加熱してろう付けすること
で、圧入部の圧入代によるスプリングバックを抑止し、
しかも圧入部を一方の部品の一部のみに形成すること
で、圧入嵌合部に作用する残留応力を防止して、部品形
状に基づく圧入時の形状がろう付け加熱により熱処理変
形して隙間が発生するのを阻止し、以て良好なろう付け
を行なうことができるろう付け方法の提供を目的とす
る。
【0008】この発明の請求項2記載の発明は、上記請
求項1記載の発明の目的と併せて、上述のベース部品ま
たは接合部品の圧入側端面にろう材セット部と連通する
段差部を設けることで、上述のスプリングバック抑止条
件下において良好なフラックスおよびろう材の流動性を
確保することができて、確実なろう付けを行なうことが
できるろう付け方法の提供を目的とする。
【0009】この発明の請求項3記載の発明は、上記請
求項1または2記載の発明の目的と併せて、上述のベー
ス部品を歯車本体に、接合部品をクラッチコーンにそれ
ぞれ設定することで、歯車本体とクラッチコーンとのろ
う付けを確実に行なうことができ、高品質のギヤ部材
(歯車部品)を得ることができるろう付け方法の提供を
目的とする。
【0010】この発明の請求項4記載の発明は、上記請
求項1、2または3記載の発明の目的と併せて、上述の
圧入部をベース部品の上端部または下端部に形成するこ
とで、圧入部をベース部品の軸側に加工することが可能
となり、加工の容易化と加工精度の向上との両立を図る
ことができるろう付け方法の提供を目的とする。
【0011】この発明の請求項5記載の発明は、ベース
部品と接合部品との圧入嵌合部位の一方の部品の一部
を、他方の部品に対して充分な圧入代にて圧入(締りば
め)される圧入部に形成し、ベース部品に接合部品が圧
入嵌合された状態で両部品をろう付け接合することで、
加熱変形による隙間発生がなく、充分なろう付け接合強
度を確保することができるろう付け部品の提供を目的と
する。
【0012】
【課題を解決するための手段】この発明の請求項1記載
の発明は、ベース部品に接合部品を圧入嵌合した状態で
ろう付けするろう付け方法であって、上記両部品の圧入
嵌合部位の一方の部品の一部が他方の部品に対して充分
な圧入代をもって圧入される圧入部に形成され、ろう材
およびフラックスをセットした状態でベース部品に接合
部品を圧入嵌合した後に、加熱してろう付けするろう付
け方法であることを特徴とする。
【0013】この発明の請求項2記載の発明は、上記請
求項1記載の発明の構成と併せて、上記ベース部品また
は接合部品の圧入側端面にろう材セット部に連通する段
差部が設けられたろう付け方法であることを特徴とす
る。
【0014】この発明の請求項3記載の発明は、上記請
求項1または2記載の発明の構成と併せて、上記ベース
部品が歯車本体に、上記接合部品がクラッチコーンにそ
れぞれ設定されたろう付け方法であることを特徴とす
る。
【0015】この発明の請求項4記載の発明は、上記請
求項1、2または3記載の発明の構成と併せて、上記圧
入部はベース部品の上端部または下端部に形成されたろ
う付け方法であることを特徴とする。
【0016】この発明の請求項5記載の発明は、ベース
部品と、該ベース部品に圧入嵌合された接合部品とを備
え、上記両部品がろう付け接合されたろう付け部品であ
って、上記両部品の圧入嵌合部位の一方の部品の一部
を、他方の部品に対して充分な圧入代にて圧入される圧
入部に形成し、ベース部品に接合部品が圧入嵌合された
状態で両部品がろう付け接合されて成るろう付け部品で
あることを特徴とする。
【0017】
【発明の作用及び効果】この発明の請求項1記載の発明
によれば、ろう材およびフラックスをセットした状態で
ベース部品に接合部品を圧入嵌合した時、上述の両部品
の圧入嵌合部位の一方の部品の一部に形成した圧入部に
より両部品が充分な圧入代をもって圧入される。
【0018】上述の圧入嵌合後に加熱してろう付けを行
なうが、この圧入部の圧入代によってスプリングバック
が抑止され、しかも圧入部を一方の部品の一部のみに形
成したので、圧入嵌合部に作用する残留応力を防止する
ことができる。
【0019】したがって、部品形状(例えば座面のうね
りや直角度等)に基づく圧入時の形状がろう付け加熱に
より熱処理変形して隙間が発生するのを阻止することが
でき、この結果、良好なろう付けを行なうことができる
効果がある。
【0020】この発明の請求項2記載の発明によれば、
上記請求項1記載の発明の効果と併せて、上述のベース
部品または接合部品の圧入側端面にろう材セット部に連
通する段差部を設けたので、上述の圧入部によるスプリ
ングバック抑止条件下において該段差部により良好なフ
ラックスおよびろう材の流動性(浸透性)を確保するこ
とができ、確実なろう付けを行なうことができる効果が
ある。
【0021】この発明の請求項3記載の発明によれば、
上記請求項1または2記載の発明の効果と併せて、上述
のベース部品を歯車本体に、接合部品をクラッチコーン
にそれぞれ設定したので、歯車本体とクラッチコーンと
のろう付けを確実に行なうことができ、高品質のギヤ部
材を得ることができる効果がある。
【0022】この発明の請求項4記載の発明によれば。
上記請求項1,2または3記載の発明の効果と併せて、
上述の圧入部をベース部品の上端部または下端部に形成
したので、圧入部をベース部品の軸側に加工することが
可能となり、圧入部を孔側に加工する場合と比較して、
加工の容易化と加工精度の向上との両立を図ることがで
きる効果がある。
【0023】また圧入部をベース部品の下端部に形成し
た場合には接合部品の圧入が容易となり、圧入部をベー
ス部品の上端部に形成した場合には、ベース部品の下端
から圧入部までの間にもフラックス、ろう材が流動(浸
透)するので、ろう付け強度のさらなる向上を図ること
ができる効果がある。
【0024】この発明の請求項5記載の発明によれば、
ベース部品と接合部品との圧入嵌合部位の一方の部品の
一部を、他方の部品に対して充分な圧入代にて圧入され
る圧入部に形成し、ベース部品に接合部品が圧入嵌合さ
れた状態で両部品がろう付け接合されたものであるか
ら、スプリングバック抑止効果、残留応力防止効果によ
りろう付け時の加熱による熱変形に起因した隙間の発生
がなくなるので、両部品の充分なろう付け接合強度を確
保することができる効果がある。
【0025】
【実施例】この発明の一実施例を以下図面に基づいて詳
述する。図面はろう付け方法及びそのろう付け部品を示
し、図1において、ベース部品としての鋼製のヘリカル
ギヤ1と、接合部品としての鋼製のクラッチコーン2と
を設けている。
【0026】上述のヘリカルギヤ1は嵌合軸部3とギヤ
部4とを有し、上述のクラッチコーン2はギヤ歯5と嵌
合孔6とを有する。
【0027】この実施例ではヘリカルギヤ1の嵌合軸部
3に対してクラッチコーン2の嵌合孔6を圧入嵌合した
状態で両部品1,2をろう付けするものである。
【0028】上述のヘリカルギヤ1における嵌合軸部3
のネック部には環状かつ凹状のろう材セット部7を形成
し、このろう材セット部7にろう材8およびフラックス
9(図示の便宜上、多点を施して示す)をセットすべく
構成している。また、上述のろう材セット部7に連通す
るようにクラッチコーン2の圧入側端面つまり座面には
フラックス9残存の安定化を図る目的で環状の段差部1
0を形成している。なお、この段差部10は図面では図
示の便宜上、誇大表示しているが、具体的にはその段差
Bは50〜100μm程度である。ここで、上述の段差
部10をクラッチコーン2側の座面に形成する構成に代
えて、ヘリカルギヤ1の座面(圧入側端面)に形成する
構成であってもよい。
【0029】しかも、上述のヘリカルギヤ1の嵌合軸部
3と、クラッチコーン2の嵌合孔6との圧入嵌合部位A
の一方の部品として図1に示す実施例ではヘリカルギヤ
1の嵌合軸部3の下端部に所定小幅で、かつ径方向外方
へ突出する環状の圧入部11を一体形成し、この圧入部
11が他方の部品としてのクラッチコーン2の嵌合孔6
の内周部に対して充分な圧入代(例えばそのタイト量が
片側で30〜60μm程度)をもって圧入(タイト嵌
合、締りばめ)されるように構成している。
【0030】また上述の圧入嵌合部位Aの残りの部分に
は環状凹部12を隣接形成している。なお、この環状凹
部12は図面では図示の便宜上、誇大表示しているが、
具体的にはルーズ嵌合部となる。
【0031】ところで、実施例では上述の両部品1,2
を浸炭処理と並行してろう付けし、その後、焼入れする
ので、前述のろう材8としては浸炭処理温度約930℃
で液相状態となって溶融し、焼入れ直前温度約850℃
で固相状態となって固まる条件を満足するろう材8を用
いる。
【0032】このため、上述のろう材8としては、Cu
を約80〜55wt%有し、Mnを約20〜45wt%
有するCu−Mn合金ろう材、またはCuとMnとを主
成分とし、Mnを約20〜45wt%有し、Niを約0
〜15wt%含有するCu−Mn−Ni合金ろう材を用
いる。
【0033】つぎに、図1と、図2に示すヒートパター
ン(温度特性図)とを参照して、ろう付け方法について
説明する。
【0034】まず図1に示すようにヘリカルギヤ1のろ
う材セット部7(環状溝)に上記組成の開リング状のろ
う材8およびフラックス9をセットする。
【0035】次に、ヘリカルギヤ1の嵌合軸部3に対し
てクラッチコーン2の嵌合孔6を圧入嵌合する。この
時、圧入部11が嵌合孔6の内周部にタイト嵌合(締り
ばめ)される。
【0036】次に両部品1,2を浸炭炉の内部に入れ
て、図2に示すように約350℃まで昇温して、約20
分間保持する。
【0037】次に浸炭炉内の両部品1,2を約930℃
まで加熱し、この加熱状態において約86分間浸炭処理
して、浸炭硬化を図ると同時に、ろう材8を融解(液相
状態)させてろう付け処理を実行する。
【0038】次に焼入れ時の熱変形を抑制し、フェライ
トの折出を阻止する目的で約850℃まで降温させて、
約84分間保持する。この850℃程度に降温された状
態下にて上述のろう材8は完全に凝固状態(固相状態)
となり、ろう付けが完了する。
【0039】次にろう付け完了後の両部品1,2を浸炭
炉から取出し、酸化および脱炭防止を図るために、ソル
トバス(塩沿)の溶融ソルト内において約850℃から
約230℃の温度に焼入れ処理し、その後、約230℃
から大気中において徐冷する。
【0040】このように図1に示すろう付け方法によれ
ば、ろう材8およびフラックス9をセットした状態でベ
ース部品(ヘリカルギヤ1参照)に接合部品(クラッチ
コーン2参照)を圧入嵌合した時、上述の両部品1,2
の圧入嵌合部位Aの一方の部品(ヘリカルギヤ1参照)
の一部に形成した圧入部11により両部品1,2が十分
な圧入代をもって圧入される。
【0041】上述の圧入嵌合後に加熱してろう付けを行
なうが、この圧入部11の圧入代によってスプリングバ
ックが抑止され、しかも圧入部11を一方の部品(ヘリ
カルギヤ1参照)の一部のみに形成したので、圧入嵌合
部位Aに作用する残留応力を防止することができる。
【0042】したがって、部品形状(例えば座面のうね
り等)に基づく圧入時の形状がろう付け加熱により熱処
理変形して従来例の如き隙間が発生するのを阻止するこ
とができ、この結果、良好なろう付けを行なうことがで
きる効果がある。
【0043】また、上述の接合部品(クラッチコーン2
参照)の圧入側端面(つまり座面)にろう材セット部7
と連通する段差部10を設けたので、上述の圧入部11
によるスプリングバック抑止条件下において該段差部1
0により良好なフラックス9およびろう材8の流動性
(浸透性)を確保することができ、確実なろう付けを行
なうことができる効果がある。
【0044】さらに、上述のベース部品を歯車本体(ヘ
リカルギヤ1参照)に、接合部品をクラッチコーン2に
それぞれ設定したので、歯車本体(ヘリカルギヤ1参
照)とクラッチコーン2とのろう付けを確実に行なうこ
とができ、高品質のギヤ部材(自動車のマニュアル変速
機に用いられるようなギヤ部品)を得ることができる効
果がある。
【0045】加えて、上述の圧入部11をベース部品
(ヘリカルギヤ1参照)の下端部(詳しくは嵌合軸部3
の下端部)に形成したので、圧入部11をベース部品
(ヘリカルギヤ1参照)の軸(嵌合軸部3参照)側に加
工することができ、圧入部を孔(嵌合孔6参照)側に加
工する場合と比較して、加工の容易化と加工精度の向上
との両立を図ることができる効果がある。
【0046】また圧入部11をベース部品(ヘリカルギ
ヤ1における嵌合軸部3参照)の下端部に形成したの
で、接合部品(クラッチコーン2参照)の圧入が容易と
なる効果がある。
【0047】一方、図1に示すろう付け部品によれば、
ベース部品(ヘリカルギヤ1参照)と接合部品(クラッ
チコーン2参照)との圧入嵌合部位Aの一方の部品(ヘ
リカルギヤ1参照)の一部を、他方の部品(クラッチコ
ーン2参照)に対して充分な圧入代にて圧入される圧入
部11に形成し、ベース部品(ヘリカルギヤ1参照)に
接合部品(クラッチコーン2参照)が圧入嵌合された状
態で両部品1,2がろう付け接合されたものであるか
ら、スプリングバック抑止効果、残留応力防止効果によ
りろう付け時の加熱による熱変形に起因した従来例の如
き隙間の発生がなくなるので、両部品1,2の充分なろ
う付け接合強度を確保することができる効果がある。
【0048】図3はろう付け方法及びそのろう付け部品
の他の実施例を示し、この実施例ではヘリカルギヤ1に
おける嵌合軸部3の上端部に径方向外方へ突出する環状
の圧入部11を形成し、この圧入部11が他方の部品と
してのクラッチコーン2における嵌合孔6の内周に対し
て充分な圧入代にて圧入(締りばめ)されるように形成
すると共に、上述の段差部10をヘリカルギヤ1の圧入
側端面つまり座面に形成したものである。
【0049】このように上述の圧入部11をヘリカルギ
ヤ1の嵌合軸部3の上端部に形成すると、ヘリカルギヤ
1の座面から圧入部11までの間つまり環状凹部12
(具体的にはルーズ嵌合部)にもフラックス9およびろ
う材8が流動(浸透)するので、ろう付け強度のさらな
る向上を図ることができる効果がある。
【0050】なお、その他の点については先の実施例と
ほぼ同様の作用、効果を奏するので、図3において前図
と同一の部分には同一符号を付して、その詳しい説明を
省略する。
【0051】図4はろう付け方法及びろう付け部品のさ
らに他の実施例を示し、先の各実施例(図1、図3参
照)では嵌合軸部3側に圧入部11を一体形成したが、
図4に示すこの実施例ではクラッチコーン2の嵌合孔6
における下部に径方向内方へ突出する環状の圧入部11
を一体形成し、この圧入部11が他方の部品としてのヘ
リカルギヤ1の嵌合軸部3の外周に対して充分な圧入代
にて圧入(締りばめ)されるように形成すると共に、上
述の環状の段差部10をヘリカルギヤ1の座面に形成し
たものである。
【0052】このように構成しても図1で示した先の実
施例とほぼ同様の作用、効果を奏するので、図4におい
て前図と同一の部分には同一符号を付して、その詳しい
説明を省略する。
【0053】図5はろう付け方法及びそのろう付け部品
のさらに他の実施例を示し、この図5に示す実施例では
クラッチコーン2の嵌合孔6において嵌合軸部3の上端
部と対向する部分に、径方向内方へ突出する環状の圧入
部11を形成し、この圧入部11が他方の部品としての
ヘリカルギヤ1の嵌合軸部3の外周に対して充分な圧入
代にて圧入(締りばめ)されるように形成すると共に、
上述の環状の段差部10をクラッチコーン2の座面に形
成したものである。
【0054】このように構成しても図3で示した先の実
施例とほぼ同様の作用、効果を奏するので、図5におい
て前図と同一の部分には同一符号を付して、その詳しい
説明を省略する。
【0055】この発明の構成と、上述の実施例との対応
において、この発明のベース部品は、実施例のヘリカル
ギヤ1に対応し、以下同様に、接合部品は、クラッチコ
ーン2に対応し、圧入側端面は、座面に対応し、歯車本
体は、ヘリカルギヤ1に対応するも、この発明は、上述
例の実施例の構成のみに限定されるものではない。
【0056】例えば上記実施例においては浸炭処理とろ
う付けとを同時に行なう場合について例示したが、本発
明はこの同時処理に限定されるものではなく、ベース部
品と接合部品との2部品を、その融点が450℃以上の
硬ろう付け、融点が450℃以下の軟ろう付けによりろ
う付け接合する方法および部品に適用することができる
のは勿論である。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明のろう付け方法及びそのろう付け部品
を示す断面図。
【図2】 浸炭同時ろう付け処理を示す温度特性図。
【図3】 本発明のろう付け方法及びそのろう付け部品
の他の実施例を示す断面図。
【図4】 本発明のろう付け方法及びそのろう付け部品
のさらに他の実施例を示す断面図。
【図5】 本発明のろう付け方法及びそのろう付け部品
のさらに他の実施例を示す断面図。
【図6】 従来のろう付け方法におけるタイト量小条件
下での圧入時の断面図。
【図7】 従来のろう付け方法におけるスプリングバッ
ク発生を示す断面図。
【図8】 従来のろう付け方法におけるタイト量大条件
下での圧入時の断面図。
【図9】 従来のろう付け方法における残留応力による
隙間発生を示す断面図。
【符号の説明】
1…ヘリカルギヤ(ベース部品) 2…クラッチコーン(接合部品) 7…ろう材セット部 8…ろう材 9…フラックス 10…段差部 11…圧入部 A…圧入嵌合部位

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】ベース部品に接合部品を圧入嵌合した状態
    でろう付けするろう付け方法であって、上記両部品の圧
    入嵌合部位の一方の部品の一部が他方の部品に対して充
    分な圧入代をもって圧入される圧入部に形成され、ろう
    材およびフラックスをセットした状態でベース部品に接
    合部品を圧入嵌合した後に、加熱してろう付けするろう
    付け方法。
  2. 【請求項2】上記ベース部品または接合部品の圧入側端
    面にろう材セット部に連通する段差部が設けられた請求
    項1記載のろう付け方法。
  3. 【請求項3】上記ベース部品が歯車本体に、上記接合部
    品がクラッチコーンにそれぞれ設定された請求項1また
    は2記載のろう付け方法。
  4. 【請求項4】上記圧入部はベース部品の上端部または下
    端部に形成された請求項1、2または3記載のろう付け
    方法。
  5. 【請求項5】ベース部品と、該ベース部品に圧入嵌合さ
    れた接合部品とを備え、上記両部品がろう付け接合され
    たろう付け部品であって、上記両部品の圧入嵌合部位の
    一方の部品の一部を、他方の部品に対して充分な圧入代
    にて圧入される圧入部に形成し、ベース部品に接合部品
    が圧入嵌合された状態で両部品がろう付け接合されて成
    るろう付け部品。
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