JPH11290854A - 浴湯の浄化装置 - Google Patents

浴湯の浄化装置

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JPH11290854A
JPH11290854A JP10112835A JP11283598A JPH11290854A JP H11290854 A JPH11290854 A JP H11290854A JP 10112835 A JP10112835 A JP 10112835A JP 11283598 A JP11283598 A JP 11283598A JP H11290854 A JPH11290854 A JP H11290854A
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bath water
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克己 桑原
Junji Wakikawa
準治 脇川
Yoshimasa Shibuta
好正 渋田
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 浴湯中の雑菌が効果的に殺菌され、また所望
の酸度が得られる浴湯の浄化装置を提供する。 【解決手段】 濾過器(1)と、電解槽(20)とを備
え、浴槽(Y)中の浴湯は、濾過器(1)と浴槽(Y)
との間を両方向に循環するようにする。電解槽(20)
で浴湯を電気分解して得られる陽極水は酸素と共に、酸
性水供給管(c)により浴湯(Y)中へ供給し、電解槽
(20)で得られる陰極水は、アルカリ水排水管(f)
により外部へ排水する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、濾過器と、電解槽
とを備え、浴槽中の浴湯が濾過器と浴槽との間を循環す
るようになってと共に、電解槽で浴湯を電気分解して得
られる陽極水と酸素とによって浴湯中の雑菌が殺菌され
るようになっている浴湯の浄化装置に関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】浴湯中の人毛等の挟雑物を取り除くため
の濾過装置、浴湯を強制的に循環するための水ポンプ、
セラミックス、貝化石、麦飯石等の活性石が収納されて
いる活性化装置、殺菌・脱臭等の作用を奏するオゾンガ
スを発生するためのオゾンガス発生器、浴湯を所定温度
に加熱するためのヒータ、オゾンガスの混入時期、ヒー
タの通電時間等を制御する制御装置等を備えた浴湯の浄
化装置は、本出願人により実開平6ー48893号、特
開平7ー185574号、実公平6ー23203号等に
より多数提案されている。これらの浴湯の浄化装置は、
活性化装置を備えているので、浴湯は活性化装置を通過
するとき、活性石に繁殖して他養生活をするバクテリヤ
により有機物、例えば浴湯を腐敗させる原因となるアン
モンニャが分解され、浴湯は浄化される。また、オゾン
ガスにより浴湯中の雑菌が殺菌され、さらにはバクテリ
ヤが分解できないような大きな分子量の有機物の分解、
脱臭等の作用が得られる。
【0003】このように、本出願人が提案している浴湯
の浄化装置は、オゾンガスにより浴湯中の雑菌が殺菌さ
れ、有機物はバクテリヤにより生物学的に分解処理され
るようになっているので、現在も有効に実用に供されて
いるが、最近になって浴湯中の雑菌を電気化学的に殺菌
するように構成された浴槽システムが提案されている。
この浴槽システムは、原水槽と電解槽とを備えている。
原水槽と電解槽は、原水管路で接続され、電解槽と浴槽
は陽極水管路で、電解槽と原水槽は陰極水管路で、そし
て浴槽と原水槽は戻り管路でそれぞれ接続されている。
したがって、原水槽の食塩水を電解槽に送り、電気分解
すると陽極では酸素が発生し、酸性水と共に陽極水管路
により浴槽に送られる。これにより、浴湯中の雑菌が殺
菌される。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】このように、電解槽を
備えた浴槽システムによると、陽極で発生する酸素によ
り浴湯中の雑菌が殺菌される効果は認められる。また、
原水槽にはアルカリ性の陰極水が戻され、外部へ排水さ
れないので、浴水を節約するという発明の所期の目的は
達成されている。しかしながら、改良すべき点も認めら
れる。例えば、酸性の温泉は、皮膚病に薬用効果がある
といわれているが、前述した従来の浴湯は、原水槽にお
いてアルカリ性の陰極水と中和されるようになっている
ので、この薬用効果を得るには酸度が低いと思われる。
勿論、大容量の電解槽を設け、多量の陽極水を供給する
ように実施すると、皮膚病に効く酸度を得ることはでき
る。しかしながら、電解槽の設備コストが高くなり、電
力代等のランニングコストも大きくなることが予想され
る。また、陽極水を供給するだけで、浴湯を循環させな
いように実施すると、酸度を高くすることはできる。し
かしながら、浴湯は人毛、垢等の狭雑物で汚染され、早
期に入浴に適さない湯になってしまう恐れがある。
【0005】また、前述した従来の浴槽システムも、濾
過器を備えてはいる。したがって、この濾過器により人
毛、垢等の狭雑物を捕集することはできる。しかしなが
ら、濾過器が捕集物で目詰まりを起こしたときの対策が
採られていないので、メインテナスに問題がある。本発
明は、上記したような改良すべき点あるいは問題点を解
決した、浴湯の浄化装置を提供しようとするもので、具
体的には設備費、ランニングコスト等が安価であるにも
拘らず、浴湯中の雑菌が効果的に殺菌され、また所望の
酸度が得られる浴湯の浄化装置を提供することを目的と
し、さらには濾過器のメインテナスが容易な浴湯の浄化
装置を提供することも目的としている。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明は、上記目的を達
成するためにね濾過器と、電解槽とを備え、浴槽中の浴
湯は、前記濾過器と浴槽との間を両方向に循環するよう
になって、一方に循環するときは浴湯中の人毛、垢等の
挟雑物が濾過器の濾過体で濾過され、他方向に循環する
ときは浴湯により濾過体に捕捉された挟雑物が排出され
るようになっていると共に、前記電解槽で浴湯を電気分
解して得られる陽極水は酸素と共に、酸性水供給管によ
り浴湯中へ供給され、前記電解槽で得られる陰極水は、
アルカリ水排水管により外部へ排水されるように構成さ
れている。請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の
濾過器が電解槽に組み合わされ、その電解槽は、複数本
の筒状濾過体と、これらの筒状濾過体の内部に設けれて
いる陽極または陰極と、前記濾過体の外部に設けれ、前
記陽極または陰極と対をなす陰極または陽極とから構成
され、請求項3に記載の発明は、請求項1に記載の濾過
器は、濾過ケースと、該濾過ケースの内部に収納されて
いる複数本の筒状濾過体と、同様に濾過ケースの内部に
収納されている複数本の電極とからなり、請求項4に記
載の発明は、請求項3に記載の筒状濾過体が、円筒状の
複数本のフィルタエレメントからなり、浴湯はフィルタ
エレメントの内周部から外周部へ通過するときに濾過さ
れ、内部を流れるときは捕捉されている濾過物が洗い流
されるように構成され、そして請求項5に記載の発明
は、請求項3に記載の電極が、複数本の第1、2の紐状
導電体と、複数本の紐状絶縁体とから織物あるいは網状
に構成され、前記複数本の第1の紐状導電体と第2の紐
状導電体は、いずれか一方が陽極に、他方が陰極になっ
ている。
【0007】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を説明
する。図1は、本実施の形態に係わる浴湯の浄化装置の
模式図であるが、同図に示されているように、本実施の
形態に係わる浴湯の浄化装置Sは、濾過器1、加熱器1
0、電解槽20、ポンプ30、5方向切換弁40等から
構成され、そしてこれらは後述するような管路で互いに
接続されている。
【0008】濾過器1は、耐食性のフィルタタンク2を
備えている。このフィルタタンク2の内部は、仕切板3
で上下の2室に仕切られ、下方が浴湯の分配室4とな
り、そして上方が濾過室5となっている。仕切板3には
複数個の透孔6が明けられ、これらの透孔6に対応し
て、濾過室5に複数本の円筒状のフィルタ7が設けられ
ている。したがって、分配室4からフィルタ7に浴湯を
供給すると、フィルタ7の筒部を通過し濾過室5に出る
ときに、浴湯はフィルタ7の筒部で濾過され、濾過室5
に供給すると、フィルタ7の筒部を逆方向に通過し、こ
のときフィルタ7の内周面に捕捉されている狭雑部が分
配室4に洗い流されることになる。このように構成され
ているフィルタタンク2の分配室4には、濾過供給管a
の終端が接続され、濾過室5の上方には濾過排出管bの
始端が接続されている。
【0009】加熱器10も、耐食性のヒータケース11
を備えている。そして、このヒータケース11の内部に
従来周知のシーズヒータ、セラミックスヒータ等からな
る電気ヒータが設けられている。ヒータケース11の上
部には、濾過排出管bの終端と、加熱排出管cの始端と
が接続されている。一方、ヒータケース11の下部に
は、迂回管dが設けられている。
【0010】図1に示されている実施の形態では、電解
槽20は、例えば絶縁性のプラスチックから成形されて
いる電解タンク21から構成され、その内部は縦方向に
陽極室22と陰極室23とに隔壁24で2分されてい
る。そして、陽極室22には周知の陽極板が、陰極室2
3には陰極板がそれぞれ配置されている。なお、図には
示されていないが、これらの極板には、例えば10ボル
トの直流電圧がそれぞれ印加されるようになっている。
電解タンク20の陽極室22の上方には、電解水排出管
eの始端が接続され、この電解水排出管eには電磁弁2
5が介装され、その終端は加熱排出管cに接続されてい
る。また、電解タンク21の陰極室23の上方には、ア
ルカリ水排出管fの始端が接続され、終端は排出管gに
接続されている。一方、電解タンク20の底部には電解
水供給管hの終端が取り付けられ、この電解水供給管h
には電磁弁26が介装され、その終端は迂回管dに接続
されている。
【0011】ポンプ30には、従来周知のポンプが適用
され、その吸い込み口には吸込管jの終端が、そしてそ
の吐出口には吐出管kの始端がそれぞれ接続されてい
る。5方向切換弁40のケーシング41には、5個のポ
ートFR、TR、FS、DおよびTSが設けられてい
る。そして、ポートFRには吐出管kの終端が接続さ
れ、ポートTRには加熱排出管cの終端が、ポートFS
には戻管mの始端が、ポートDには排出管gの始端が、
ポートTSには濾過供給管aの始端がそれぞれ接続され
ている。
【0012】5方向切換弁40のケーシング41の内部
には、回転弁体42が設けられ、この回転弁体42にも
5個のポートが設けられている。回転弁体42に設けら
れている5個のポートのうち1個のポートは独立し、他
の4個のポートは内部において互いに連通している。し
たがって、図1に示されている状態では、ポートFRと
TSは連通し、ポートTRとFSは連通する。また、回
転弁体42を所定角度回転すると、図2に示されている
ように、ポートFRとTRは連通し、ポートTSとDは
連通する。なお、浴槽Yにはネットが張られた吸引口K
と吐出口Tとが設けられ、吸込管jの始端はこの吸引口
Kに、そして戻管mの終端は吐出口Tにそれぞれ接続さ
れている。
【0013】次に、上記実施の形態の作用について説明
する。制御装置は、図には示されていないが、以下制御
装置により自動運転する例について説明する。浴湯の温
度を設定する。また、浴湯の酸性度すなわちペーハ値、
あるいは殺菌時間を設定する。5方向切換弁40は、通
常は図1に示されている位置に切り替わって、ポートF
RとTSは連通し、ポートTRとFSも連通している。
そこで、浴湯の温度が設定値よりも低くなると、ポンプ
30が起動する。そうすると、浴槽Y中の浴湯は実線矢
印で示されているように、吸込管jから吸い込まれ、5
方向切換弁40のポートFRおよびTSを通って濾過供
給管aから濾過器1の分配室4に圧送される。浴湯は、
この分配室4から複数個のフィルタ7に均等に分配供給
され、そして濾過されて、濾過室5に到る。濾過室5か
ら濾過排出管bにより加熱器10に供給される。加熱器
10のヒータは通電され、浴湯は加熱される。加熱され
た浴湯は、加熱排出管c、5方向切換弁40のポートT
RおよびFSを通って戻管mから浴槽Yに戻る。上記の
ように循環している間に設定温度まで加熱される。
【0014】浴湯が、上記のように循環している時に、
ペーハ値が設定値よりも下がると、電解水排出管eの電
磁弁25と電解水供給管hの電磁弁26が開く。そうす
ると、循環している浴湯の一部が、電解水供給管hから
電解槽20に供給される。電磁弁25、26が開くと、
電解槽20の電極にも通電され、電気分解が始まる。こ
のとき、浴湯中には塩化ナトリウム等の電解質を適宜加
えておくのが望ましい。電解槽20の陽極室22では、
従来周知のように酸素が発生し、電解質が塩化ナトリウ
ムのときは塩酸が生じ、浴湯は酸性になる。酸性の浴湯
と酸素は、電解水供給管hから供給される浴湯に押し出
され、電解水排出管eから加熱排出管cに合流される。
以下前述したように加熱排出管cから5方向切換弁40
のポートTRおよびFSを通って戻管mから浴槽Yに戻
る。これにより、浴湯中の雑菌は殺菌され、また浴湯の
酸度は徐々に高くなる。設定酸度になると停止する。一
方、電解槽20の陰極室23の浴湯は、は水酸化ナトリ
ウムによりアルカリ性になるが、このアルカリ性の浴湯
は、アルカリ水排出管fを通って、排出管gから外部へ
排出される。なお、アルカリ水排出管fに絞弁等を介装
し、排出する浴湯の量を減らすようにすることもでき
る。
【0015】あるいは、ペーハ値と関係なく殺菌時間に
なると、ポンプ30が起動し、前述したように浴湯が循
環する。しかしながら、このときは加熱器10のヒータ
は通電されない。電解水排出管eの電磁弁25と電解水
供給管hの電磁弁26が開き、前述したように浴湯の一
部が電解水供給管hから電解槽20に供給され、電解槽
20の電極にも通電され、電気分解が始まる。以下同様
にして所定時間電気分解される。
【0016】上記のようにして運転しているときに、例
えば濾過供給管aに設けられている圧力センサが所定値
に上がったら、あるいはポンプ30を駆動しているモー
タの電流値が所定値を越えたら、フィルタ7が目詰まり
状態になったと判断する。そうして、5方向切換弁40
を図2に示されている位置へ切り換える。また、ポンプ
30も起動する。そうすると、浴槽Y中の浴湯は、実線
矢印で示す方向と逆の方向に流れる。すなわち、浴槽Y
中の浴湯は、吐出口Tから吸い込まれ、そして5方向切
換弁40のポートFRからTRを通って、加熱排出管c
から加熱器10および濾過排出管bを通って濾過器1の
濾過室5に到る。
【0017】濾過室5に達した浴湯は、フィルタ7の外
から内側へ流れる。これにより、フィルタ7の内側に捕
捉されている狭雑物が分配室4の方へ洗い落とされる。
洗い落とされた狭雑物は、濾過供給管aから5方向切換
弁40のポートTSおよびDを通って排出管gから外部
へ排出される。このようにして、フィルタ7を所定時間
逆洗する。
【0018】本実施の形態によると、色々な効果が得ら
れる。例えば、電解槽20で生じる酸性の浴湯のみが浴
槽の方へ循環され、アルカリ性の浴湯は外部へ排出され
るので、浴湯を所定の酸度に容易に保つことができる。
このように、所定の酸度に保つことができるので、常時
電気分解する必要はなく、ランニングコストを低減でき
る。また、必要なときは電解水排出管eの電磁弁25と
電解水供給管hの電磁弁26を開くだけで、電解槽20
へ浴湯を供給できる利点もある。さらには、5方向切換
弁40を切り換えるだけで、フィルタ7を逆洗すること
ができ、配管構成が簡単になる効果も得られる。
【0019】本発明は、上記実施の形態に限定されるこ
となく実施できる。例えば、濾過器1の内部にクシ型電
極を設け、パルス状の電圧を印加するように実施するこ
ともできる。また、浴湯を濾過時と同じ方向に流しなが
ら逆洗うするように実施することもできる。このような
実施の形態が、図3に濾過器の第2の実施の形態としし
て示されている。第2の実施の形態に係わる濾過器50
は、図3に示されているように、概略的には複数本の濾
過体と、クシ型電極とから構成され、そして濾過作用、
殺菌作用、凝集作用、水質改善作用等の多種の機能を備
えている。さらに詳しく説明すると、濾過器50は、円
筒形のケース51から構成されている。そして、このケ
ース51の内部は、下方の第1の隔壁52と、上方の第
2の隔壁53とにより、最下方に位置する第1の分配室
54、中央に位置する濾過室55と、最上方に位置する
第2の分配室56とに分けられている。そして、第1の
分配室54には濾過供給管a’が取り付けられ、濾過室
55には濾過排出管b’が、第2の分配室56には狭雑
物排出管g’がそれぞれ接続されている。
【0020】第2の実施の形態に係わる濾過器50は、
図1に示されている濾過器1とは構造が異なるので、配
管経路、方向切換弁等も多少異なり、濾過供給管a’は
直接的に、濾過排出管b’は加熱器10が介装されて浴
槽Yに接続される。そして、濾過排出管b’と狭雑物排
出管g’には、開閉弁57、58がそれぞれ介装されて
いる。
【0021】第1、2の隔壁52、53には、図3には
1個の透孔60、61が示されているに過ぎないが、複
数個例えば5個の透孔60、61、…が、上下方向に整
合した位置に明けられている。そして、これらの透孔6
0、61に筒状のフィルタエレメント63、63、…
が、その上下端部が嵌る形で取り付けられている。この
ように、フィルタエレメント63、63、…が筒状にな
っているので、第1の分配室54に浴湯を供給すると、
浴湯はフィルタエレメント63、63、…の内部に到
り、そしてその筒部の周壁から外部へ出るときに、濾過
されることになる。
【0022】本実施の形態によると、筒状のフィルタエ
レメント63、63、…の目の大きさは、除菌レベルの
大きさで、0.2〜0.7μに選定されている。このよう
な筒状のフィルタエレメント63、63、…は、シート
状の素材を標準フィルタの形状に合わせてプリーツ(ひ
だ状)に成形されている。なお、1本当たりのフィルタ
エレメント63、63、…の表面積は、1平方メートル
程度に成形されている。
【0023】第2の実施の形態によると、円筒形のケー
ス51の内部すなわち濾過室55には、クシ型電極70
が設けられている。このクシ型電極70による殺菌理論
は、東京農工大学工学部生命光学科の松永博士から発表
されている「電気化学的殺菌法」に基づいている。この
理論によると、電極との接触により殺菌される。したが
って、本実施の形態では、クシ型電極70の陽極71、
71、…と陰極72、72、…は、図3には正確には示
されていないが、例えば0.1〜0.03mmの間隔に交
互に配置され、そしてジューティ比が50%のパルス状
の、例えば1.0〜5.0ボルトの低電圧が印加されるよ
うになっている。このように電極の間隔を狭くすること
により、電極間の電界強度は大きくなり、高周波の低電
圧、大電流を電解質を添加することなく、印加できる。
これにより、殺菌と共に、レドック(redox)反応すな
わち電気化学的酸化還元反応を行わせることができ、水
質が改善される。
【0024】このような狭い電極70の実施の形態が図
4に示されている。本実施の形態によると、金属製の複
数本の第1の紐状導電体80、80、…と、同様に金属
製の複数本の第2の紐状導電体81、81、…と、プラ
スチックのような絶縁性の複数本の紐状絶縁体82、8
2、…とから、互いに短絡しないように編み目あるいは
織物状に織り込まれている。第1の紐状導電体80、8
0、…は、第1導電体83に、そして第2の紐状導電体
81、81、…は第2導電体84にそれぞれ接続され
て、これらの第1、2導電体83、84は、端子85、
86により、図に示されていない電源制御部に接続され
ている。これにより、いずれか一方が陽極となり、他方
が陰極となっている。そして、上記したようにしてこれ
らの電極に電圧が印加されるようになっている。
【0025】本実施の形態に係わる濾過器50も、詳し
い説明はしないが、図1に示されている濾過器1、加熱
器10、電解槽20、ポンプ30、等と共に使用され
る。なお、本実施の形態によると、5方向切換弁40は
必要としない。次に簡単に作用を説明する。濾過排出管
b’の開閉弁57を開き、狭雑物排出管g’の開閉弁5
8を閉じてポンプ30を起動すると、浴槽Y中の浴湯
は、濾過供給管a’から濾過器50の第1の分配室54
に供給される。供給された浴湯は、狭雑物排出管g’の
開閉弁58が閉じられているので、フィルタエレメント
63、63、…の内部を通過して第2の分配室56に流
れることはできない。したがって、フィルタエレメント
63、63、…の周壁から濾過室55へ出る。これによ
り、浴湯は濾過される。
【0026】濾過室55には、クシ型電極70が設けら
れ、パルス状の電圧が適宜印加されるので、殺菌され
る。また、水質は改善され、浮遊物は凝集する。そし
て、濾過排出管b’から前述したように、加熱器10へ
流れ、必要に応じて電解槽20にも流される。そして、
浴槽Yに戻る。これにより、浴湯は殺菌され、水質は改
善され、凝集物は濾過される。
【0027】フィルタエレメント63、63、…の狭雑
物を洗い流すときは、濾過排出管b’の開閉弁57を閉
じ、狭雑物排出管g’の開閉弁58を開いてポンプ30
を起動する。そうすると、浴槽Y中の浴湯は、濾過供給
管a’から濾過器50の第1の分配室54に供給される
が、供給された浴湯は、今度は濾過排出管b’の開閉弁
57が閉じられているので、フィルタエレメント63、
63、…の筒部を通過して濾過室55へ流れ出ることは
できない。したがって、浴湯はフィルタエレメント6
3、63、…の内部を通って第2の分配室56に流れ
る。このとき、フィルタエレメント63、63、…の内
周壁に捕捉されている狭雑物が洗い流されて第2の分配
室56に送られる。そして、狭雑物排出管g’から適宜
排出される。
【0028】図5に、濾過器1を兼ねた電解槽90の実
施の形態が示されている。本実施の形態による電解槽9
0は、概略的には耐食性の電解ケース91と、この電解
ケース91の内部に設けられている複数本の筒状濾過体
100、100、…と、複数本の電極とから構成されて
いる。電解ケース91は、上下の仕切板92、93で、
最上位の電解水収集室94と、中間に位置する濾過室9
5と、最下位の補助室96とに仕切られている。そし
て、濾過室95の一方には浴湯の供給管a”が、他方に
はアルカリ水排出管f’が接続され、電解水収集室94
には電解水排出管e”が接続されている。
【0029】濾過室95には、図3に関して説明したよ
うな複数本の筒状濾過体100、100、…が設けられ
ている。すなわち、筒状濾過体100、100、…の上
方端部は、上の仕切板92から電解水収集室94内に突
き出る形で、そして下端部は下の仕切板93で閉鎖され
る形で、複数本の筒状濾過体100、100、…が設け
られている。そして、それぞれの筒状濾過体100、1
00、…の内部には棒状の陽極101、101、…が設
けられ、筒状濾過体100、100、…の外部にも、こ
れらの陽極101、101、…と対をなす陰極102、
102、…が設けられている。これらの電極には、前述
したように例えば10ボルトの直流電圧がそれぞれ印加
されるようになっている。
【0030】本実施の形態によると、濾過機能と電解機
能とを備えているが、図1に関して説明したようにして
使用することができるので、詳しい説明はしないが、電
解をしないときは、制御装置から電極101、101、
102、102、…には通電されないし、またアルカリ
水排出管f’の電磁開閉弁97は閉じられるので、濾過
機能のみを奏する。すなわち、供給管a”から濾過室9
5へ供給される浴湯は、電磁開閉弁97が閉じているの
で、筒状濾過体100、100、…の周囲から内部へ入
り、そして電解水収集室94へ流れる。このとき、浴湯
は濾過される。濾過された浴湯は、電解水収集室94か
ら電解水排出管e’を通って浴槽Yに戻る。なお、この
間に浴湯が加熱器10により適宜加熱されることは勿論
である。
【0031】前述したように、例えば、ペーハ値が設定
値よりも下がると、あるいは殺菌時間になると、電磁開
閉弁97が絞られた状態で開き、電解槽90の電極10
1、101、102、102、…にも通電され、電気分
解が始まる。このとき、浴湯の一部はアルカリ水排出管
f’から外部へ排水されるが、大部分は筒状濾過体10
0、100、…を通って電解水収集室94の方へ流れ
る。これにより浴湯は濾過される。筒状濾過体100、
100、…は、隔壁の作用も奏するので、筒状濾過体1
00、100、…の内部では、従来周知のように酸素が
発生し、電解質が塩化ナトリウムのときは塩酸が生じ、
浴湯は酸性になる。酸性の浴湯と酸素は、電解水排出管
e”から浴槽Yへ戻る。これにより、浴湯中の雑菌は殺
菌され、また浴湯の酸度は徐々に高くなる。設定酸度に
なると停止する。一方、電解槽90の濾過室95の浴湯
は、水酸化ナトリウムによりアルカリ性になるが、この
アルカリ性の浴湯は、アルカリ水排出管f’を通って排
出される。
【0032】なお、上記の実施の形態では、筒状濾過体
100、100、…の内部に陽極101、101、…
が、そして外部に陰極102、102、…が設けられて
いるが、管路の接続法を適宜変更することにより、筒状
濾過体100、100、…の内部に陰極をそして外部に
陽極を設けることができることは明らかである。また、
筒状濾過体100、100、…の捕捉物を、図3に関し
て説明したようにして洗い落とすことができることも明
らかである。
【0033】実施例:電極材質として不錆鋼線(径1m
m)を使用して電極を作成した。このときの、電極は2
8本で電極の間隔は、1.0〜2.0mmの範囲にあり、
縦が50mm、横が70mmでクシ型電極に作成した。
容器に実際の浴湯500mlを入れた。この時の浴湯の
性質は、 アンモニヤ : 2.4mg/リットル 水素イオン濃度:7.7 伝導率 :110μs ORP :400mV であった。
【0034】この時の入力電量は、電圧 :1
2ボルト 周期 :10s(0.1Hz) オフセット :0ボルト ジューティー比:50/50 通電時間 :8時間 であった。
【0035】上記条件でテストした結果、アンモニヤは
0.mg/リットルであった。なお、アンモニヤの測定
は、HACH社のテストキットNIーSA型を使用し、
発色しなかったので、アンモニヤ量は0とした。水素イ
オン濃度は7.6〜7.9で、伝導率は138μs、OR
Pは610〜710mVになっていた。目視により白濁
物と沈澱物とを確認した。これにより、水質は改善さ
れ、また浮遊物の凝集作用も確認できた。なお、今回は
殺菌のテストはしなかったが、殺菌が行われたことは、
前述した「電気化学的殺菌法」から推定される。
【0036】
【発明の効果】以上のように、本発明によると、電解槽
で浴湯を電気分解して得られる陽極水は酸素と共に、酸
性水供給管により浴湯中へ供給されるので、浴湯中の雑
菌は効果的に殺菌される。また、陽極水により浴湯は酸
性になり、薬効効果が得られるが、本発明によると、電
解槽で得られる陰極水は、アルカリ水排水管により外部
へ排水されるようになっているので、すなわち浴湯が陰
極水で中和されることがないので、薬効効果が得られる
酸度が安価な小さな電解槽により、低いランニングコス
トで得られる。さらには、浴湯は、濾過器と浴槽との間
を両方向に循環するようになって、一方に循環するとき
は浴湯中の人毛、垢等の挟雑物が濾過器の濾過体で濾過
され、他方向に循環するときは浴湯により濾過体に捕捉
された挟雑物が排出されるようになっているので、濾過
器のメインテナスが容易になる。請求項2に記載の発明
によると、濾過器が電解槽に組み合わされ、その電解槽
は、複数本の筒状濾過体と、これらの筒状濾過体の内部
に設けれている陽極または陰極と、前記濾過体の外部に
設けれ、前記陽極または陰極と対をなす陰極または陽極
とから構成されているので、前述した濾過作用と電解作
用とが1個の槽で得られ、浴湯の浄化装置がコンパクト
になる。請求項3に記載の発明によると、濾過器は、濾
過ケースと、該濾過ケースの内部に収納されている複数
本の筒状濾過体と、同様に濾過ケースの内部に収納され
ている複数本の電極とからなるので、前述した効果に加
えて、電極にパルス状の電圧を印加すると、濾過作用の
他に殺菌作用、凝集作用、水質改善作用等の多種の効果
が得られる。そして、請求項4に記載の発明によると、
円筒状の複数本のフィルタエレメントからなり、浴湯は
フィルタエレメントの内周部から外周部へ通過するとき
に濾過され、内部を流れるときは捕捉されている濾過物
が洗い流されるようになっているので、濾過器のメイン
テナスが容易になる効果が付加される。そして、請求項
5に記載の発明によると、電極が複数本の第1、2の紐
状導電体と、複数本の紐状絶縁体とから織物あるいは網
状に構成され、前記複数本の第1の紐状導電体と第2の
紐状導電体は、いずれか一方が陽極に、他方が陰極にな
っているので、すなわち電極が織物状に構成され、電極
間を狭くすることができるので、浴湯に電解質を格別に
添加することなく電解で効果がさらに得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実施の形態を模式的に示す全体図で
ある。
【図2】 本発明の実施の形態に係わる5方向弁の逆洗
時における位置を示す模式的な平面図である。
【図3】 本発明に係わる濾過器の第2の実施の形態を
一部断面にして示す斜視図である。
【図4】 本発明に係わるクシ型電極の実施の形態を模
式的に示す平面図である。
【図5】 本発明に係わる濾過器と電解槽とを兼ねた実
施の形態を一部断面にして示す斜視図である。
【符号の説明】
1 濾過器 10
加熱器 20 電解槽 22、23
電極 50 濾過器(第2の実施の形態) 63 フィルタエレメント 70
クシ型電極 90 電解槽(濾過器ろ兼ねた電解槽) 100 筒状濾過体 101
陽極 102 陰極
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI C02F 1/461 C02F 1/46 101C

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 濾過器と、電解槽とを備え、浴槽中の浴
    湯は、前記濾過器と浴槽との間を両方向に循環するよう
    になって、一方に循環するときは浴湯中の人毛、垢等の
    挟雑物が濾過器の濾過体で濾過され、他方向に循環する
    ときは浴湯により濾過体に捕捉された挟雑物が排出され
    るようになっていると共に、前記電解槽で浴湯を電気分
    解して得られる陽極水は酸素と共に、酸性水供給管によ
    り浴湯中へ供給され、前記電解槽で得られる陰極水は、
    アルカリ水排水管により外部へ排水されるようになって
    いることを特徴とする浴湯の浄化装置。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載の濾過器が電解槽に組み
    合わされ、その電解槽は、複数本の筒状濾過体と、これ
    らの筒状濾過体の内部に設けれている陽極または陰極
    と、前記濾過体の外部に設けれ、前記陽極または陰極と
    対をなす陰極または陽極とから構成されている浴湯の浄
    化装置。
  3. 【請求項3】 請求項1に記載の濾過器は、濾過ケース
    と、該濾過ケースの内部に収納されている複数本の筒状
    濾過体と、同様に濾過ケースの内部に収納されている複
    数本の電極とからなる浴湯の浄化装置。
  4. 【請求項4】 請求項3に記載の筒状濾過体が、円筒状
    の複数本のフィルタエレメントからなり、浴湯はフィル
    タエレメントの内周部から外周部へ通過するときに濾過
    され、内部を流れるときは捕捉されている濾過物が洗い
    流されるようになっている浴湯の浄化装置。
  5. 【請求項5】 請求項3に記載の電極が、複数本の第
    1、2の紐状導電体と、複数本の紐状絶縁体とから織物
    あるいは網状に構成され、前記複数本の第1の紐状導電
    体と第2の紐状導電体は、いずれか一方が陽極に、他方
    が陰極になっている浴湯の浄化装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2005296877A (ja) * 2004-04-15 2005-10-27 Science Kk 浴湯の殺菌浄化方法および殺菌浄化装置
WO2006041079A1 (ja) * 2004-10-13 2006-04-20 Intellectual Property Bank Corp. 液体中生物の電気殺滅方法および電気殺滅装置、液体中生物の電気殺滅用助剤
JP2016173195A (ja) * 2015-03-17 2016-09-29 ゼネラルヒートポンプ工業株式会社 熱源水供給機構

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