JP3714031B2 - 浴槽水の水質改変装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、浴槽水のpHを調整する浴槽水の水質改変装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
浴槽内の温水を電気分解して循環させ、酸性イオン水の有する温水を殺菌する効果やアストリンゼン効果、あるいはアルカリ性イオン水が有するトリートメント効果を享受するための装置は、従来種々のものが提案されており、例えば特開平4−312461号公報に開示されているものがある。この公報に開示されている装置においては、浴槽の温水を加熱保温する保温手段と、水を電気分解して酸性イオン水とアルカリ性イオン水とを生成する電気分解手段とを備えており、酸性イオン水とアルカリ性イオン水とを適宜浴槽内に還流できるようにしていた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしこのような従来技術においては、下記のような問題があった。
(1) 電気伝導度の低い浴槽水を電気分解しているため、電気分解に必要な電流を流すためには電極間に高い電圧を印可しなければならず、電力コストが高いものであった。
(2) 浴槽に送り込まれないイオン水は、浴槽外に連続的に排出されるため、排水量が多くなり、浴槽水の減少が激しいものであった。
(3) アルカリ性イオン水を浴槽に供給している間は、アルカリ性イオン水には塩素が含まれないため、浴槽の湯を殺菌することができず、衛生上問題があった。
(4) 酸性イオン水を排水する場合、この酸性イオン水中の有害で有臭の塩素ガスが気化し、雰囲気中に放出されるという問題があった。
【0004】
本発明は上記の点に鑑みてなされたものであり、上記課題を解決することができる浴槽水の水質改変装置を提供することを目的とするものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明の請求項1に係る浴槽水の水質改変装置は、有隔膜電解槽2と、有隔膜電解槽2内の隔膜45にて隔てられた第一電極室2aと第二電極室2bのうちの第二電極室2b内に塩化ナトリウムを供給する塩水供給槽4と、電気分解に供される浴槽水31を浴槽1から有隔膜電解槽2に供給し、有隔膜電解槽2にて電気分解により生成するアルカリ性イオン水と酸性イオン水のうち一方のイオン水を第一電極室2aから浴槽1に供給すると共に他方のイオン水を第二電極室2bから浴槽外に排出する浴槽水の流路と、この浴槽水の流路に水流を発生させる循環ポンプ5とを具備し、循環ポンプ5は電解導入路12、電解槽路30を経由し、第一電極室路14及び第二電極室路15に分岐して第一電極室2aと第二電極室2bにそれぞれ接続され、塩水供給槽4は電解導入路12から分岐した塩水槽路13に接続され更に塩供給路17を経て第二電極室路15に接続されていることを特徴とするものである。
【0006】
また本発明の請求項2に係る浴槽水の水質改変装置は、請求項1の構成に加えて、開閉弁を開閉することにより有隔膜電解槽2における電気分解の進行中に、有隔膜電解槽2にて電気分解により生成するアルカリ性イオン水と酸性イオン水のうち一方のイオン水を第一電極室2aから連続的に浴槽1に供給し、有隔膜電解槽2における電気分解の終了後に他方のイオン水を第二電極室2bから浴槽1外に排出する浴槽水の流路を具備し、前記開閉弁として、塩水槽路13の流通を開閉する開閉弁と、第二電極室路15における塩供給路17の接続位置よりも上流側の流通を開閉する開閉弁と、イオン水を第二電極室2bから浴槽1外に排出する流路を開閉する開閉弁とを備えることを特徴とするものである。
【0007】
また本発明の請求項3に係る浴槽水の水質改変装置は、有隔膜電解槽2と、有隔膜電解槽2内の隔膜45にて隔てられた第一電極室2aと第二電極室2bの両方の電室内に塩化ナトリウムを供給する塩水供給槽4と、開閉弁を開閉することにより電気分解に供される浴槽水31を浴槽1から有隔膜電解槽2に供給し、有隔膜電解槽2における電気分解終了後に、有隔膜電解槽2にて電気分解により生成するアルカリ性イオン水と酸性イオン水のうちの一方のイオン水を第一電極室2aから浴槽1に供給すると共に他方のイオン水を第二電極室2bから浴槽1外に排出する浴槽水の流路と、この浴槽水の流路に水流を発生させる循環ポンプ5とを具備し、循環ポンプ5は電解導入路12、電解槽路30を経由し、第一電極室路14及び第二電極室路15に分岐して第一電極室2aと第二電極室2bにそれぞれ接続され、塩水供給槽4は電解導入路12から分岐した塩水槽路13に接続され更に塩供給路17を経て電解槽路30に接続されるものであり、且つ前記開閉弁として塩水槽路13の流通を開閉する開閉弁と、塩供給路17との接続位置よりも上流側における電解槽路30の流通を開閉する開閉弁とを備えることを特徴とするものである。
【0008】
また本発明の請求項4に係る浴槽水の水質改変装置は、請求項1乃至3のいずれかの構成に加えて、開閉弁を開閉することにより有隔膜電解槽2にて電気分解により生成するアルカリ性イオン水と酸性イオン水のうちのアルカリ性イオン水を浴槽1に供給すると共に酸性イオン水を浴槽1外に排出する動作と、電気分解により生成するアルカリ性イオン水と酸性イオン水の両方を浴槽1に供給する動作とを一回ずつ交互に行うか、あるいは一方の動作を複数回行うのに対して他方の動作を一回行うものであり、イオン水を第一電極室2aから浴槽1に供給する流路とイオン水を第二電極室2bから浴槽1外に排出する流路とがイオン水バイパス路24にて接続されており、且つ前記開閉弁として、イオン水を第二電極室2bから浴槽1外に排出する流路を開閉する開閉弁と、イオン水バイパス路24の流通を開閉する開閉弁とを備えることを特徴とするものである。
【0009】
また本発明の請求項5に係る浴槽水の水質改変装置は、請求項1乃至4のいずれかの構成に加えて、表面が白金−イリジウム混合物にて形成された白金−イリジウム混合物電極3aを有する第一電室2a及び表面が白金にて形成された白金電極3bを有する第二電室2bが設けられた有隔膜電解槽2と、開閉弁を開閉することにより白金−イリジウム混合物電極3aを陰極、白金電極3aを陽極として電気分解を行ったときに有隔膜電解槽1にて生成されるアルカリ性イオン水を浴槽1に供給すると共に酸性イオン水を浴槽1外に排出し、白金電極3bを陰極、白金−イリジウム混合物電極3aを陽極として電気分解を行ったときに有隔膜電解槽2にて生成されるアルカリ性イオン水と酸性イオン水の両方を浴槽1に供給する浴槽水の流路を具備し、イオン水を第一電極室2aから浴槽1に供給する流路とイオン水を第二電極室2bから浴槽1外に排出する流路とがイオン水バイパス路24にて接続されており、且つ前記開閉弁として、イオン水を第二電極室2bから浴槽1外に排出する流路を開閉する開閉弁と、イオン水バイパス路24の流通を開閉する開閉弁とを備えることを特徴とするものである。
【0010】
また本発明の請求項6に係る浴槽水の水質改変装置は、請求項1乃至5のいずれかの構成に加えて、表面が白金−イリジウム混合物にて形成された白金−イリジウム混合物電極3aを有する第一電室2a及び表面が白金にて形成された白金電極3bを有する第二電室2bが設けられた有隔膜電解槽2と、開閉弁を開閉することにより白金−イリジウム混合物電極3aを陰極、白金電極3bを陽極として電気分解を行ったときに有隔膜電解槽2にて生成されるアルカリ性イオン水を浴槽1に供給すると共に酸性イオン水を浴槽1外に排出し、白金電極3bを陰極、白金−イリジウム混合物電極3aを陽極として電気分解を行ったときに有隔膜電解槽2にて生成されるアルカリ性イオン水を浴槽1外に排出すると共に酸性イオン水を浴槽1に供給する浴槽水の流路を具備し、イオン水を第一電極室2aから浴槽1に供給する流路とイオン水を第二電極室2bから浴槽1外に排出する流路とがイオン水バイパス路24にて接続され、且つ前記開閉弁として、イオン水を第二電極室2bから浴槽1外に排出する流路を開閉する開閉弁と、イオン水バイパス路24の流通を開閉する開閉弁とを備えることを特徴とするものである。
【0011】
また本発明の請求項7に係る水質改変装置は、請求項1乃至6のいずれかの構成に加えて、電解導入路12の途中から分岐する浴槽水バイパス路20がイオン水を第二電極室2bから浴槽1外に排出する流路に接続され、且つ開閉弁として浴槽水バイパス路20の流通を開閉するものを備え、前記開閉弁が開状態の場合に有隔膜電解槽2にて生成されるアルカリ性イオン水と酸性イオン水のうち一方のイオン水を第一電極室2aから浴槽1に供給すると共に第二電極室2bにて生成される他方のイオン水を浴槽水にて希釈した後に浴槽1外に排出する浴槽水の流路を具備して成ることを特徴とするものである。
【0012】
また本発明の請求項8に係る浴槽水の水質改変装置は、請求項1乃至7のいずれかの構成に加えて、浴槽水31を浄化する濾過槽7と、濾過槽7の上流側が電解導入路12の途中から分岐する濾過流路27にて接続され、濾過槽7の下流側が濾過水路25にてイオン水を第一電極室2aから浴槽1に供給する流路に接続され、濾過槽7の洗浄水排出口7bが洗浄水排出路23にてイオン水を第二電極室2bから浴槽1外に排出する流路に接続され、且つ開閉弁として洗浄水排出路23の流通を開閉するものを備え、前記開閉弁が開状態の場合に濾過槽7に濾過槽7の洗浄用水として浴槽水31を濾過流路27から供給し、有隔膜電解槽2にて生成されるアルカリ性イオン水と酸性イオン水のうち一方のイオン水を第一電極室2aから浴槽1に供給すると共に第二電極室2bにて生成される他方のイオン水を洗浄水排出口7bから排出される濾過槽7の洗浄後の浴槽水31にて希釈した後に浴槽1外に排出する浴槽水の流路を具備して成ることを特徴とするものである。
【0013】
また本発明の請求項9に係る浴槽水の水質改変装置は、請求項1乃至8のいずれかの構成に加えて、浴槽水31を浄化する濾過槽7を具備し、濾過槽7の上流側が電解導入路12の途中から分岐する濾過流路27にて接続され、濾過槽7の下流側が濾過水路25にてイオン水を第一電極室2aから浴槽1に供給する流路に接続されていることを特徴とするものである。
【0014】
また本発明の請求項10に係る水質改変装置は、請求項9の構成に加えて、濾過膜46として中空糸膜を備える濾過槽7を具備すると共に、イオン水を第二電極室2bから浴槽1外に排出する浴槽水の流路が、濾過流路27に接続された後に濾過槽7の洗浄水排出口7bから浴槽1外に導出され、濾過槽7に濾過槽7の洗浄用水として有隔膜電解槽2の第二電極室2bにて生成された酸性イオン水を供給する浴槽水の流路を具備して成ることを特徴とするものである。
【0015】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を説明する。
【0016】
図1に本発明に係る浴槽水の水質改変装置の一例を示す。この浴槽水の水質改変装置には、後述する浴槽水31の流路に水流を発生させて流路中の浴槽水を移送する循環ポンプ5、有隔膜電解槽2及び内部に塩化ナトリウムが収容されている塩水供給槽4が配設されている。ここで有隔膜電解槽2は内部に隔膜45で隔てられた第一電極室2aと第二電極室2bが設けられ、この第一電極室2aと第二電極室2bにはそれぞれ不溶性電極板3が配設されている。第一電極室2aに配設されている不溶性電極板3は、基材がチタン、表面の電解面が白金−イリジウム混合物で形成された白金−イリジウム混合電極3aである。また第二電極室2bに配設されている不溶性電極板3は、基材がチタン、表面の電解面が白金で形成された白金電極3bである。また塩水供給槽4は、二重円筒構造を有し、内側の筒体である内筒4aに塩化ナトリウムを収納するようになっている。この内筒4aは上面が開口すると共に、側面が格子状に開口し、この開口部をメッシュにて覆っている。一方、外側の筒体である外筒4bは、蓋体4cが設けられており、蓋体4cを開くことにより、内部に内筒4aを収容し、あるいは脱離できる。塩水供給槽4に接続される流路のうち、塩水供給槽4に浴槽水31等を供給する流路はこの外筒4b内に、外筒4bの下部に設けられた流入口4dにて接続され、流路から外筒4b内に浴槽水31等が供給されると、内筒4a内の塩化ナトリウムがこの浴槽水31等に溶解して塩水が生成される。塩水供給槽4にて生成された塩水を導出する流路はこの外筒4bに、外筒4bの上部に設けられた流出口4eにて接続される。
【0017】
また更に浴槽水31が通る流路、及びこれらの流路の流通を開閉する、電磁弁等からなる開閉弁が配設されている。ここでいう浴槽水31には、浴槽水31に塩化ナトリウムを溶解して得られる塩水、並びにこの塩水や浴槽水31を電気分解して得られる酸性イオン水やアルカリ性イオン水が含まれる。
【0018】
浴槽水31が通る流路のうち、流入路11は上流側が浴槽1中の浴槽水31に配設されて、その上流側の端部が流入口43として開口しており、下流側が循環ポンプ5に接続されている。電解導入路12は上流側が循環ポンプ5に接続され、下流側において塩水槽路13と電解槽路30に分岐している。塩水槽路13の下流側は塩水供給槽4の流入口4dに接続されている。電解槽路30の下流側は第一電極室路14と第二電極室路15に分岐され、第一電極室路14の下流側は有隔膜電解槽2の第一電極室2aに、第二電極室路15の下流側は有隔膜電解槽2の第二電極室2bにそれぞれ接続されている。第一電極室導出路22の上流側は有隔膜電解槽2の第一電極室2aに接続され、下流側は流出路16の上流側に接続されている。流出路16の下流側は浴槽1内の浴槽水31に接続され、下流側の端部は流出口44として開口されている。また塩供給路17は上流側が塩水供給槽4の流出口4eに接続され、下流側は第二電極室路15の流路の途中に、第二電極室路15と合流するように接続されている。第二電極室導出路21の上流側は有隔膜電解槽2の第二電極室2bに接続され、下流側は排水導入路19の上流側に接続されている。排水導入路19の下流側は排水路18の上流側に接続されている。また浴槽水バイパス路20の上流側は電解導入路12の配管の途中に、電解導入路12から分岐するように接続され、下流側は排水路18の上流側に接続されている。排水路18の下流側は浴槽1外に導出されている。
【0019】
また開閉弁のうち、第1弁32は塩水槽路13に、第2弁33は第二電極室路15における塩供給路17の接続位置よりも上流側に、第3弁34は排水導入路19に、第4弁35は浴槽水バイパス路20にそれぞれ設けられ、各流路の流通を、この開閉弁の配設位置において開閉する。
【0020】
ここで、開閉弁の設置方法上記のものに限るものではなく、例えば三方弁を用いることができる。
【0021】
この浴槽水の水質改変装置の動作を図2〜4を示して説明する。ここでこれらの図面中で白抜きで示されている開閉弁は開状態の弁を、黒く塗りつぶして示されている開閉弁は閉状態の弁をそれぞれ示し、また流路中の矢印は各流路における浴槽水31の流れの向きを示す。
【0022】
浴槽水31をアルカリ性に水質改変する場合、まず図2に示すように、第1弁32、第2弁33、第3弁34、第4弁35が閉状態となり、この状態で循環ポンプ5が作動する。このとき循環ポンプ5の働きにより浴槽水31は流入路11、電解導入路12、電解槽路30、第一電極室路14、第一電極室導出路22、流出路16からなる循環流路を循環し、またそれに伴って有隔膜電解槽2の第一電極室2aに浴槽水31が供給され、第一電極室2a中の余剰の浴槽水31は第一電極室導出路22、流出路16を経由して浴槽1に返送される。
【0023】
次に図3に示すように、第1弁32、第3弁34が開状態、第2弁33、第4弁35が閉状態となり、この状態で引き続き循環ポンプ5が作動する。このとき、図2に示す循環流路の水流に加えて、電解導入路12から塩水槽路13を通って塩水供給槽4に導入され、塩水供給槽4から塩供給路17を通って有隔膜電解槽2の第二電極室2bに導入され、第二電極室2bから第二電極室導出路21、排水導入路19を経由して排水路18から浴槽1外に排出される水流が形成される。このとき塩水供給槽4内の塩化ナトリウムが、塩水槽路13から塩水供給槽4に供給された浴槽水31に溶解して塩水が生成し、この塩水が塩供給路17を通って第二電極室2bに供給され、第二電極室2b内の余剰の塩水は第二電極室導出路21、排水導入路19、排水路18を経由して浴槽1外に排出される。
【0024】
次に第1弁32、第2弁33、第3弁34、第4弁35が閉状態となって、再び図2に示すような状態となり、この状態で白金−イリジウム混合電極3aが陰極、白金電極3bが陽極となるように、この電極間に電圧が印可され、有隔膜電解槽2において電気分解により第一電極室2aにアルカリ性イオン水が、第二電極室2bに酸性イオン水が生成する。このとき有隔膜電解槽2において電気分解される浴槽水31には、塩化ナトリウムが添加されているので、浴槽水31の導電性が向上され、電気分解に必要な電力が低減されているものであり、また、有隔膜電解槽2内の浴槽水31中の塩化物イオン及びナトリウムイオンの濃度が向上されて、電気分解により陰極側で水酸化ナトリウム濃度の高いアルカリ性イオン水を生成すると共に、陽極側で塩酸濃度の高い酸性イオン水を生成するものである。ここで第一電極室2aには浴槽水が連続的に供給されると共に、余剰の浴槽水が浴槽1へ返送されているので、第一電極室2aにてアルカリ性イオン水となった浴槽水が浴槽1内に連続的に供給されることとなる。一方、第二電極室2b内には、酸性イオン水が保持される。第二電極室2bに設けられた白金電極3bは酸素発生効率が高いため、この酸性イオン水中では塩素の発生が抑制されている。
【0025】
次に電気分解の終了後、図4に示すように、第2弁33、第3弁34、第4弁35が開状態、第1弁32が閉状態となり、この状態で引き続き循環ポンプ5が作動する。このとき、循環流路の水流に加えて、電解槽路30から第二電極室路15を通って第二電極室2bに導入され、更に第二電極室2bから第二電極室導出路21、排水導入路19、排水路18を通って浴槽1外に排出される水流と、電解導入路12から分岐して浴槽水バイパス路20を経由し、排水路18に合流する水流が形成される。このとき第二電極室2b内の酸性イオン水は、第二電極室路15を経由して第二電極室2b内に導入される浴槽水31に押し出されて、第二電極室導出路21、排水導入路19、排水路18を経由して浴槽1外に排出される。このとき、浴槽水バイパス路20を経由して排水路18に、アルカリ性に水質改変された浴槽水31が供給されているので、酸性イオン水はこの浴槽水31により中和されると共に希釈された状態で排出される。この排水中の塩素濃度は低く抑えられており、有害で有臭の塩素ガスの発生が抑制され、また排出される酸性イオン水は、一旦第二電極室2b内に保持された後、中和及び希釈するために必要なだけの浴槽水31を混合して排出することができ、装置からの排水量が抑制され、浴槽水31の減少が抑制されている。
【0026】
次に、浴槽水31のアルカリ性への水質改変を停止する場合は循環ポンプが停止される。また浴槽水31を更に強いアルカリ性に水質改変する場合は、上記の動作が繰り返し行われる。
【0027】
また浴槽水31を酸性に水質改変する場合、流路の切り替えはアルカリ性に水質改変する場合と同様であるが、有隔膜電解槽2における電圧の印可の向きが逆になる。すなわち、まず図2に示すように、第1弁32、第2弁33、第3弁34、第4弁35が閉状態となり、この状態で循環ポンプ5が作動する。このとき循環ポンプ5の働きにより浴槽水31は流入路11、電解導入路12、電解槽路30、第一電極室路14、第一電極室導出路22、流出路16からなる循環流路を循環し、またそれに伴って有隔膜電解槽2の第一電極室2aに浴槽水31が供給され、第一電極室2a中の余剰の浴槽水31は第一電極室導出路22、流出路16を経由して浴槽1に返送される。
【0028】
次に図3に示すように、第1弁32、第3弁34が開状態、第2弁33、第4弁35が閉状態となり、この状態で引き続き循環ポンプ5が作動する。このとき、図2に示す循環流路の水流に加えて、電解導入路12から塩水槽路13を通って塩水供給槽4に導入され、塩水供給槽4から塩供給路17を通って有隔膜電解槽2の第二電極室2bに導入され、第二電極室2bから第二電極室導出路21、排水導入路19を経由して排水路18から浴槽1外に排出される水流が形成される。このとき塩水供給槽4内の塩化ナトリウムが、塩水槽路13から塩水供給槽4に供給された浴槽水31に溶解して塩水が生成し、この塩水が塩供給路17を通って第二電極室2bに供給され、第二電極室2b内の余剰の塩水は第二電極室導出路21、排水導入路19、排水路18を経由して浴槽1外に排出される。
【0029】
次に第1弁32、第2弁33、第3弁34、第4弁35が閉状態となって、再び図2に示すような状態となり、この状態で白金−イリジウム混合電極3aが陽極、白金電極3bが陰極となるように、この電極間に電圧が印可され、有隔膜電解槽2において電気分解により第一電極室2aに酸性イオン水が、第二電極室2bにアルカリ性イオン水が生成する。このとき第一電極室2aには浴槽水が連続的に供給されると共に、余剰の浴槽水31が浴槽1へ返送されているので、第一電極室2aにて酸性イオン水となった浴槽水31が浴槽1内に連続的に供給されることとなる。一方、第二電極室2b内には、アルカリ性イオン水が保持される。ここで第一電極室2aに設けられた白金−イリジウム混合電極3aは塩素発生効率が高いため、この酸性イオン水中では塩素が効率よく発生し、殺菌効果の高い酸性イオン水が生成される。
【0030】
次に電気分解の終了後、図4に示すように、第2弁33、第3弁34、第4弁35が開状態、第1弁32が閉状態となり、この状態で引き続き循環ポンプ5が作動する。このとき、循環流路の水流に加えて、電解槽路30から第二電極室路15を通って第二電極室2bに導入され、更に第二電極室2bから第二電極室導出路21、排水導入路19、排水路18を通って浴槽1外に排出される水流と、電解導入路12から分岐して浴槽水バイパス路20を経由し、排水路18に合流する水流が形成される。このとき第二電極室2b内のアルカリ性イオン水は、第二電極室路15を経由して第二電極室2b内に導入される浴槽水31に押し出されて、第二電極室導出路21、排水導入路19、排水路18を経由して浴槽1外に排出される。このとき、浴槽水バイパス路20を経由して排水路18に、酸性に水質改変された浴槽水31が供給されているので、アルカリ性イオン水はこの浴槽水31により有る程度中和されると共に希釈された状態で排出される。ここで排出されるアルカリ性イオン水は、一旦第二電極室2b内に保持された後、必要な分だけ中和、希釈されて排出されるものであり、浴槽1からの排水量が抑制され、浴槽水31の減少が抑制されている。
【0031】
次に、浴槽水31の酸性への水質改変を停止する場合は循環ポンプが停止される。また浴槽水31を更に強い酸性に水質改変する場合は、上記の動作が繰り返し行われる。
【0032】
図5に本発明に係る浴槽水の水質改変装置の他例を示す。この浴槽水の水質改変装置には、図1と同様の循環ポンプ5、有隔膜電解槽2及び塩水供給槽4が配設されているほか、ヒータ6及び濾過槽7が配設されている。濾過槽7には、濾過槽7内を通る浴槽水31を濾過する、中空糸膜からなる濾過膜46が内装されている。この濾過膜46は濾過槽7内を水流の上流側と下流側とに仕切るように配置されている。濾過槽7内の、濾過膜46の上流側には、複数の吐水口10を有するノズル9が設けられている。このノズル9は、モータ8の働きにより濾過膜46の上流側の外周を回転するように構成され、この回転と同時に吐水口10から水流を濾過膜46の上流側の表面に吐出して濾過膜46を上流側において洗浄できるようになっている。また濾過槽7に接続される流路のうち、濾過槽7内に浴槽水31等を供給する流路は上記のノズル9に、濾過槽7内の濾過された浴槽水31等を導出する流路は、濾過槽7の下流側の上部に設けられた濾過水排出口7aにおいて、濾過膜46の洗浄に使用された後の水を濾過槽7外に導出する流路は、濾過槽7の上流側の下部に設けられた洗浄水排出口7bにおいて、それぞれ接続される。
【0033】
また更に浴槽水の水流が通る流路、及びこれらの流路の流通を開閉する、電磁弁等からなる開閉弁が配設されている。ここでいう浴槽水31には、浴槽水31に塩化ナトリウムを溶解して得られる塩水、並びにこの塩水や浴槽水31を電気分解して得られる酸性イオン水やアルカリ性イオン水が含まれる。
【0034】
浴槽水の流路のうち、流路流入路11は下流側が浴槽1中の浴槽水31に配設されて、その下流側の端部が流入口43として開口しており、上流側が循環ポンプ5に接続されている。電解導入路12は上流側が循環ポンプ5に接続され、下流側において塩水槽路13と電解槽路30に分岐している。塩水槽路13の下流側は塩水供給槽4の流入口4dに接続されている。電解槽路30の下流側は第一電極室路14と第二電極室路15に分岐され、第一電極室路14の下流側は有隔膜電解槽2の第一電極室2aに、第二電極室路15の下流側は有隔膜電解槽2の第二電極室2bにそれぞれ接続されている。第一電極室導出路22の上流側は有隔膜電解槽2の第一電極室2aに接続され、下流側はイオン水路26の上流側に接続され、イオン水路26の下流側は流出路16の上流側に接続されている。流出路16の下流側は浴槽1内の浴槽水31に接続され、下流側の端部は流出口44として開口されている。この流出路16にはヒータ6が配設されており、ヒータ6が作動している場合は流出路16を通る水流はヒータ6にて加熱される。また塩供給路17は上流側が塩水供給槽4の流出口4eに接続され、下流側は電解槽路30の流路の途中に、電解槽路30と合流するように接続されている。第二電極室導出路21の上流側は有隔膜電解槽2の第二電極室2bに接続され、下流側は排水導入路19の上流側に接続されている。排水導入路19の下流側は排水路18の上流側に接続されている。排水路18の下流側は浴槽1外に導出されている。洗浄水排出路23の上流側は濾過槽7の洗浄水排出口7bに接続され、下流側は排水路18の上流側に、排水導入路19と共に接続されている。またイオン水バイパス路24は第二電極室導出路21の下流側と第一電極室導出路22の下流側とを接続している。
【0035】
また開閉弁のうち、第1弁32は塩水槽路13に、第3弁34は排水導入路19に、第4弁35は電解槽路30に、第5弁36はイオン水バイパス路24に、第6弁37は洗浄水排出路23にそれぞれ設けられ、各流路の流通を、この開閉弁の配設位置において開閉する。
【0036】
ここで、イオン水路26の下流側は濾過槽7の上流側において濾過流路27や流入路11の途中に合流するように接続してもよく、浴槽1内に直接接続してもよい。
【0037】
この浴槽水の水質改変装置の動作を図6〜11を示して説明する。ここでこれらの図面中で白抜きで示されている開閉弁は開状態の弁を、黒く塗りつぶして示されている開閉弁は閉状態の弁をそれぞれ示し、また流路中の矢印は各流路における浴槽水31の流れの向きを示す。
【0038】
浴槽水31を濾過槽7にて浄化する場合は、図6に示すように、第1弁32、第3弁34、第4弁35、第5弁36、第6弁37が閉状態となり、この状態で循環ポンプ5が作動する。このとき循環ポンプ5の働きにより浴槽水31は流入路11、濾過流路27、濾過水路25、流出路16で構成される循環流路を循環する。このとき濾過流路27から濾過槽7に供給される浴槽水31は、ノズル9の吐水口10から濾過槽7の上流側に供給され、更に濾過膜46を通過して濾過槽7の下流側に導入されるものであり、濾過槽7にて入浴等により浴槽水31に混入した垢、埃、細菌等を濾過し、浴槽水31が浄化されて清潔に保つことができるものである。またこのとき流出路16を通過する浴槽水31の温度が所定の設定温度よりも低い場合は、ヒータ6が作動して浴槽水31が加熱される。
【0039】
浴槽水31をアルカリ性に水質改変する場合は、まず図7に示すように、第1弁32、第5弁36が開状態、第3弁34、第4弁35、第6弁37が閉状態となり、この状態で循環ポンプ5が作動する。このとき循環ポンプ5の働きにより浴槽水31は流入路11、電解導入路12、塩水槽路13、塩供給路17、電解槽路30、第一電極室路14、第二電極室路15、第一電極室導出路22、第二電極室導出路21、イオン水バイパス路24、イオン水路26、流出路16にて構成される循環流路と、流入路11、濾過流路27、濾過水路25、流出路16で構成される循環流路の、二系統の循環流路を循環する。流入路11、濾過流路27、濾過水路25、流出路16で構成される循環流路においては、図6の場合と同様に、濾過槽7において浴槽水31の浄化が行われる。また塩水供給槽4内の塩化ナトリウムが、塩水槽路13から塩水供給槽4に供給された浴槽水31に溶解して塩水が生成し、この塩水は塩供給路17、電解槽路30を経由し、第一電極室路14から有隔膜電解槽2の第一電極室2aに供給されると共に第二電極室路15から有隔膜電解槽2の第二電極室2bに供給され、第一電極室2a及び第二電極室2b中の余剰の塩水は第一電極室導出路22、第二電極室導出路21、イオン水路26、流出路16を経由して浴槽1に返送される。
【0040】
次に図8に示すように、第5弁36が開状態、第1弁32、第3弁34、第4弁35、第6弁37が閉状態となり、この状態で引き続き循環ポンプ5が作動する。このとき流入路11、濾過流路27、濾過水路25、流出路16で構成される循環流路は維持されて、濾過槽7において浴槽水31の浄化が引き続き行われる。この状態で白金−イリジウム混合電極3aが陰極、白金電極3bが陽極となるように、この電極間に電圧が印可され、有隔膜電解槽2において電気分解により第一電極室2aにアルカリ性イオン水が、第二電極室2bに酸性イオン水が生成する。ここで第二電極室2bに設けられた白金電極3bは酸素発生効率が高いため、この酸性イオン水中では塩素の発生が抑制されている。このように生成されたイオン水は有隔膜電解槽2内に保持される。
【0041】
次に電気分解の終了後に、図9に示すように、第3弁34、第4弁35、第6弁37が開状態、第1弁32、第5弁36が閉状態となり、この状態で引き続き循環ポンプ5が作動する。この状態でモータ8を作動させてノズル9を回転させる。このとき流入路11、電解導入路12、電解槽路30を経由して、第一電極室路14から第一電極室2a内に、第二電極室路15から第二電極室2b内に浴槽水31が導入される水流が発生する。第一電極室2a内のアルカリ性イオン水は、浴槽水31に押し出されて第一電極室導出路22、イオン水路26、流出路16を経由して流出口44から浴槽1内に供給されて、浴槽1内の浴槽水31をアルカリ性に水質改変する。また第二電極室2b内の酸性イオン水は、第二電極室導出路21、排水導入路19、排水路18を経由して浴槽1外に排出される。一方、濾過流路27を経由して濾過槽7に導入される浴槽水31は、回転するノズル9の吐水口10から濾過膜46に向けて吹き付けられ、この水流により濾過膜46の表面に付着した汚物がはぎ取られて濾過膜46が洗浄され、この汚物を含む洗浄後の浴槽水31は、水圧抵抗の高い濾過膜46を透過せずに洗浄水排出口7bを水圧抵抗の低い洗浄水排出路23を通過し、排水路18にて酸性イオン水と混合されて、浴槽1外に排出される酸性イオン水を希釈する。このとき酸性イオン水中の塩素が濾過槽洗浄後の浴槽水中に含まれる垢、埃、細菌等の有機物や無機物と反応して分解され、排水からの有害、有臭の塩素ガスの気化を抑制される。
【0042】
この場合、浴槽水31をアルカリ性に水質改変する動作と浴槽水31を浄化する動作が同時に行われるものである。また酸性イオン水は一旦第二電極室2b内に保持された後、必要な分だけ中和、希釈されて排出されるものであり、酸性イオン水を排出する際の浴槽水31の排出量が低減されているものであり、また酸性イオン水の希釈に、本来そのまま排出される濾過膜46を洗浄後の浴槽水31を用いているので、浴槽水31の排出量が更に低減されている。
【0043】
また浴槽水31を殺菌する場合は、まず図7に示すように、第1弁32、第5弁36が開状態、第3弁34、第4弁35、第6弁37が閉状態となり、この状態で循環ポンプ5が作動する。このとき循環ポンプ5の働きにより浴槽水31は流入路11、電解導入路12、塩水槽路13、塩供給路17、電解槽路30、第一電極室路14、第二電極室路15、第一電極室導出路22、第二電極室導出路21、イオン水バイパス路24、イオン水路26、流出路16にて構成される循環流路と、流入路11、濾過流路27、濾過水路25、流出路16で構成される循環流路の、二系統の循環流路を循環する。流入路11、濾過流路27、濾過水路25、流出路16で構成される循環流路においては、図6の場合と同様に、濾過槽7において浴槽水31の浄化が行われる。また塩水供給槽4内の塩化ナトリウムが、塩水槽路13から塩水供給槽4に供給された浴槽水31に溶解して塩水が生成し、この塩水は塩供給路17、電解槽路30を経由し、第一電極室路14から有隔膜電解槽2の第一電極室2aに供給されると共に第二電極室路15から有隔膜電解槽2の第二電極室2bに供給され、第一電極室2a及び第二電極室2b中の余剰の塩水は第一電極室導出路22、第二電極室導出路21、イオン水路26、流出路16を経由して浴槽1に返送される。
【0044】
次に図8に示すように、第5弁36が開状態、第1弁32、第3弁34、第4弁35、第6弁37が閉状態となり、この状態で引き続き循環ポンプ5が作動する。このとき流入路11、濾過流路27、濾過水路25、流出路16で構成される循環流路は維持されて、濾過槽7において浴槽水31の浄化が引き続き行われる。この状態で白金−イリジウム混合電極3aが陽極、白金電極3bが陰極となるように、この電極間に電圧が印可され、有隔膜電解槽2において電気分解により第一電極室2aに酸性イオン水が、第二電極室2bにアルカリ性イオン水が生成する。ここで第一電極室2aに設けられた白金−イリジウム混合電極3aは塩素発生効率が高いため、この酸性イオン水中では塩素が効率良く発生される。このように生成されたイオン水は有隔膜電解槽2内に保持される。
【0045】
次に電気分解の終了後に、図10に示すように、第4弁35、第5弁36が開状態、第1弁32、第3弁34、第6弁37が閉状態となり、この状態で引き続き循環ポンプ5が作動する。このとき流入路11、濾過流路27、濾過水路25、流出路16で構成される循環流路は維持されて、濾過槽7において浴槽水31の浄化が引き続き行われる。またこのとき流入路11、電解導入路12、電解槽路30を経由して、第一電極室路14から第一電極室2a内に、第二電極室路15から第二電極室2b内に浴槽水31が導入される水流が発生する。第一電極室2a内の酸性イオン水は浴槽水31に押し出されて第一電極室導出路22を経由してイオン水路26に至り、また第二電極室2b内のアルカリ性イオン水は、第二電極室導出路21、イオン水バイパス路24を経由してやはりイオン水路26に至るものであり、イオン水路26においてアルカリ性イオン水と酸性イオン水とが混合される。この混合水は中性又は弱アルカリ性のイオン水であり、また酸性イオン水が高濃度で塩素を含んでいたため、高い塩素濃度を有している。この混合水は、流出路16において、濾過槽7において浄化された後の浴槽水31と混合し、流出路16を通って流出口44から浴槽1内に供給され、混合水中の塩素にて浴槽1内の浴槽水31が殺菌される。この場合、浴槽水31の浄化と浴槽水31の殺菌とが同時に行われる。
【0046】
上記の浴槽水31をアルカリ性に水質改変しながら濾過膜46を洗浄する動作と、浴槽水31を殺菌する動作は、一回ずつ交互に、あるいはどちらか一方の動作が複数回繰り返して行われると共に他方の動作が一回行われるものであり、この場合、浴槽水31をアルカリ性に保ちながら、殺菌された衛生的な状態に保つことができ、しかも濾過膜46が洗浄されて濾過膜46の膜流量が保たれ、高い効率で濾過槽7による浴槽水31の浄化が行われるものである。
【0047】
また浴槽水31を酸性に水質改変する場合、まず図7に示すように、第1弁32、第5弁36が開状態、第3弁34、第4弁35、第6弁37が閉状態となり、この状態で循環ポンプ5が作動する。このとき循環ポンプ5の働きにより浴槽水31は流入路11、電解導入路12、電解槽路30、第一電極室路14、第二電極室路15、第一電極室導出路22、第二電極室導出路21、イオン水バイパス路24、イオン水路26、流出路16にて構成される循環流路と、流入路11、濾過流路27、濾過水路25、流出路16で構成される循環流路の、二系統の循環流路を循環する。流入路11、濾過流路27、濾過水路25、流出路16で構成される循環流路においては、図6の場合と同様に、濾過槽7において浴槽水31の浄化が行われる。また塩水供給槽4内の塩化ナトリウムが、塩水槽路13から塩水供給槽4に供給された浴槽水31に溶解して塩水が生成し、この塩水は塩供給路17、電解槽路30を経由し、第一電極室路14から有隔膜電解槽2の第一電極室2aに供給されると共に第二電極室路15から有隔膜電解槽2の第二電極室2bに供給され、第一電極室2a及び第二電極室2b中の余剰の塩水は第一電極室導出路22、第二電極室導出路21、イオン水路26、流出路16を経由して浴槽1に返送される。
【0048】
次に図8に示すように、第5弁36が開状態、第1弁32、第3弁34、第4弁35、第6弁37が閉状態となり、この状態で引き続き循環ポンプ5が作動する。このとき流入路11、濾過流路27、濾過水路25、流出路16で構成される循環流路は維持されて、濾過槽7において浴槽水31の浄化が引き続き行われる。この状態で白金−イリジウム混合電極3aが陽極、白金電極3bが陰極となるように、この電極間に電圧が印可され、有隔膜電解槽2において電気分解により第一電極室2aに酸性イオン水が、第二電極室2bにアルカリ性イオン水が生成する。ここで第一電極室2aに設けられた白金−イリジウム混合電極3aは塩素発生効率が高いため、この酸性イオン水中では塩素が効率良く発生される。このように生成されたイオン水は有隔膜電解槽2内に保持される。
【0049】
次に電気分解の終了後、図11に示すように、第1弁32、第5弁36が開状態、第3弁34、第4弁35、第6弁37が閉状態となり、この状態で引き続き循環ポンプ5が作動する。このとき流入路11、濾過流路27、濾過水路25、流出路16で構成される循環流路は維持されて、濾過槽7において浴槽水31の浄化が引き続き行われる。またこのとき流入路11、電解導入路12、電解槽路30を経由して、第一電極室路14から第一電極室2a内に、第二電極室路15から第二電極室2b内に浴槽水31が導入される水流が発生する。第一電極室2a内の酸性イオン水は、浴槽水31に押し出されて第一電極室導出路22、イオン水路26、流出路16を経由して流出口44から浴槽1内に供給されて、浴槽1内の浴槽水31を酸性に水質改変する。また第二電極室2b内のアルカリ性イオン水は、第二電極室導出路21、排水導入路19、排水路18を経由して浴槽1外に排出される。
【0050】
またこのとき図9に示すように、第6弁37を開状態とすると共に、この状態でモータ8を作動させてノズル9を回転させてもよい。この場合、濾過流路27を経由して濾過槽7に導入される浴槽水31は、回転するノズル9の吐水口10から濾過膜46に向けて吹き付けられ、この水流により濾過膜46の表面に付着した汚物がはぎ取られ、この汚物を含む洗浄後の浴槽水31は、水圧抵抗の高い濾過膜46を透過せずに洗浄水排出口7bを水圧抵抗の低い洗浄水排出路23を通過し、排水路18にてアルカリ性イオン水と混合されて、浴槽1外に排出されるアルカリ性イオン水を希釈する。
【0051】
上記の浴槽水の水質改変装置では、電気分解中においては、有隔膜電解槽2に浴槽水31が供給されないため、有隔膜電解槽2に供給される浴槽水31の量を低減して浴槽水31中に含まれる不純物やカルシウムによる電極表面や隔膜45の汚染を抑制することができる。
【0052】
図12に本発明に係る浴槽水の水質改変装置の更に他例を示す。この浴槽水の水質改変装置には、図5と同様の循環ポンプ5、有隔膜電解槽2、塩水供給槽濾過膜46及び濾過槽7が配設されている。
【0053】
また更に浴槽水の水流が通る流路、及びこれらの流路の流通を開閉する、電磁弁等からなる開閉弁が配設されている。ここでいう浴槽水31には、浴槽水31に塩化ナトリウムを溶解して得られる塩水、並びにこの塩水や浴槽水31を電気分解して得られる酸性イオン水やアルカリ性イオン水が含まれる。
【0054】
浴槽水31が通る流路のうち、流入路11は下流側が浴槽1中の浴槽水31に配設されて、その下流側の端部が流入口43として開口しており、上流側が循環ポンプ5に接続されている。電解導入路12は上流側が循環ポンプ5に接続され、下流側において塩水槽路13と電解槽路30に分岐している。塩水槽路13の下流側は塩水供給槽4の流入口4dに接続されている。電解槽路30の下流側は第一電極室路14と第二電極室路15に分岐され、第一電極室路14の下流側は有隔膜電解槽2の第一電極室2aに、第二電極室路15の下流側は有隔膜電解槽2の第二電極室2bにそれぞれ接続されている。第一電極室導出路22の上流側は有隔膜電解槽2の第一電極室2aに接続され、下流側はイオン水路26の上流側に接続され、イオン水路26の下流側は流出路16の上流側に接続されている。流出路16の下流側は浴槽1内の浴槽水31に接続され、下流側の端部は流出口44として開口されている。この流出路16にはヒータ6が配設されており、ヒータ6が作動している場合は流出路16を通る水流はヒータ6にて加熱される。また塩供給路17は上流側が塩水供給槽4の流出口4eに接続され、下流側は第二電極室路15の流路の途中に、第二電極室路15と合流するように接続されている。第二電極室導出路21の上流側は有隔膜電解槽2の第二電極室2bに接続され、下流側は洗浄イオン路28の上流側に接続されている。洗浄イオン路28の下流側は濾過流路27の配管の途中に濾過流路27と合流するように接続されている。洗浄水排出路23の上流側は濾過槽7の洗浄水排出口7bに接続され、下流側は排水路18の上流側に接続されている。浴槽水バイパス路29の上流側は流入路11の配管の途中に、流入路11から分岐するように接続されており、下流側は排水路18の上流側に、洗浄水排出路23と共に接続されている。排水路18の下流側は浴槽1外に導出されている。
【0055】
また開閉弁のうち、第1弁32は塩水槽路13に、第2弁33は第二電極室路15の塩供給路17との接続位置よりも上流側に、第5弁36はイオン水バイパス路24に、第7弁38は第一電極室路14に、第8弁39は洗浄イオン路28に、第9弁40は濾過流路27の洗浄イオン路28との接続位置よりも上流側に、第10弁41は浴槽水バイパス路29に、第11弁42は排水路18にそれぞれ設けられ、各流路の流通を、この開閉弁の配設位置において開閉する。
【0056】
ここでイオン水路26の下流側は、浴槽1内に直接接続してもよい。
【0057】
この浴槽水の水質改変装置の動作を図13〜21を示して説明する。ここでこれらの図面中で白抜きで示されている開閉弁は開状態の弁を、黒く塗りつぶして示されている開閉弁は閉状態の弁をそれぞれ示し、また流路中の矢印は各流路における浴槽水31の流れの向きを示す。
【0058】
浴槽水31を濾過槽7にて浄化する場合は、図13に示すように、第9弁40が開状態、第1弁32、第2弁33、第5弁36、第7弁38、第8弁39、第10弁41、第11弁42が閉状態となり、この状態で循環ポンプ5が作動する。このとき循環ポンプ5の働きにより浴槽水31は流入路11、濾過流路27、濾過水路25、流出路16で構成される循環流路を循環する。このとき濾過流路27から濾過槽7に供給される浴槽水31は、ノズル9の吐水口10から濾過槽7の上流側に供給され、更に濾過膜46を通過して濾過槽7の下流側に導入されるものであり、濾過槽7にて入浴等により浴槽水31に混入した垢、埃、細菌等を濾過し、浴槽水31が浄化されて清潔に保つことができるものである。またこのとき流出路16を通過する浴槽水31の温度が所定の設定温度よりも低い場合は、ヒータ6が作動して浴槽水31が加熱される。
【0059】
浴槽水31をアルカリ性に水質改変する場合は、まず図14に示すように、第1弁32、第5弁36、第9弁40が開状態、第2弁33、第7弁38、第8弁39、第10弁41、第11弁42が閉状態となり、この状態で循環ポンプ5が作動する。このとき循環ポンプ5の働きにより浴槽水31は流入路11、電解導入路12、塩水槽路13、塩供給路17、第二電極室路15、第二電極室導出路21、イオン水バイパス路24、イオン水路26、流出路16にて構成される循環流路と、流入路11、濾過流路27、濾過水路25、流出路16で構成される循環流路の、二系統の循環流路を循環する。流入路11、濾過流路27、濾過水路25、流出路16で構成される循環流路においては、図13の場合と同様に、濾過槽7において浴槽水31の浄化が行われる。また塩水供給槽4内の塩化ナトリウムが、塩水槽路13から塩水供給槽4に供給された浴槽水31に溶解して塩水が生成し、この塩水は塩供給路17、第二電極室路15から有隔膜電解槽2の第二電極室2bに供給され、第二電極室2b中の余剰の塩水は第一電極室導出路22、イオン水路26、流出路16を経由して浴槽1に返送される。
【0060】
次に図15に示すように、第5弁36、第9弁40が開状態、第1弁32、第2弁33、第7弁38、第8弁39、第10弁41、第11弁42が閉状態となり、この状態で引き続き循環ポンプ5が作動する。このとき流入路11、濾過流路27、濾過水路25、流出路16で構成される循環流路は維持されて、濾過槽7において浴槽水31の浄化が引き続き行われる。この状態で白金−イリジウム混合電極3aが陰極、白金電極3bが陽極となるように、この電極間に電圧が印可され、有隔膜電解槽2において電気分解により第一電極室2aにアルカリ性イオン水が、第二電極室2bに酸性イオン水が生成する。このように生成されたイオン水は有隔膜電解槽2内に保持される。
【0061】
次に電気分解の終了後、図16に示すように、第7弁38、第9弁40、第11弁42が開状態、第1弁32、第2弁33、第5弁36、第8弁39、第10弁41が閉状態となり、この状態で引き続き循環ポンプ5が作動する。このとき流入路11、電解導入路12、電解槽路30を経由して、第一電極室路14から第一電極室2a内に浴槽水31が導入される水流が発生する。第一電極室2a内のアルカリ性イオン水は、浴槽水31に押し出されて第一電極室導出路22、イオン水路26、流出路16を経由して流出口44から浴槽1内に供給されて、浴槽1内の浴槽水31をアルカリ性に水質改変する。一方、濾過流路27を経由して濾過槽7に導入される浴槽水31は、水圧抵抗の高い濾過膜46を透過せずに洗浄水排出口7bを通じて水圧抵抗の低い洗浄水排出路23を通過し、排水路18を通って浴槽1外に排出される。
【0062】
次に図17に示すように、第7弁38、第8弁39、第11弁42が開状態、第1弁32、第2弁33、第5弁36、第9弁40、第10弁41が閉状態となり、この状態で引き続き循環ポンプ5が作動する。このとき流入路11、電解導入路12、電解槽路30を経由して、第一電極室路14から第一電極室2a内に、第二電極室路15から第二電極室2b内に浴槽水31が導入される水流が発生する。第一電極室2a内のアルカリ性イオン水は、図16の場合と同様に、引き続き浴槽水31に押し出されて第一電極室導出路22、イオン水路26、流出路16を経由して流出口44から浴槽1内に供給されて、浴槽1内の浴槽水31をアルカリ性に水質改変する。また第二電極室2b内の酸性イオン水は、第二電極室導出路21、洗浄イオン路28、濾過流路27を経由して濾過槽7に導入される。酸性イオン水は濾過槽7に貯められ、濾過槽7内の余剰の酸性イオン水は、水圧抵抗の低い洗浄水排出路23を通過し、排水路18を通って浴槽1外に排出される。ここで、図16に示す動作を行わずに、図15に示す動作から直接図17に示す動作に移行することにより、有隔膜電解槽2からのアルカリ性イオン水と酸性イオン水の排出を同時に開始しても良い。
【0063】
次に図18に示すように、第9弁40、第10弁41が開状態、第1弁32、第2弁33、第5弁36、第7弁38、第8弁39、第11弁42が閉状態となり、この状態で引き続き循環ポンプ5が作動する。この状態でモータ8を作動させてノズル9を回転させる。このとき浴槽水バイパス路29、濾過流路27、洗浄水排出路23からなる閉じた循環流路が形成され、濾過槽7に貯められていた酸性イオン水がこの閉じた循環流路を循環する。この閉じた循環流路を循環する酸性イオン水は、濾過流路27を経由して濾過槽7に導入され、回転するノズル9の吐水口10から濾過膜46に向けて吹き付けられ、この水流により濾過膜46の表面に付着した汚物がはぎ取られる。この汚物を含む洗浄後の浴槽水31は、水圧抵抗の高い濾過膜46を透過せずに洗浄水排出口7bを水圧抵抗の低い洗浄水排出路23を通過し、浴槽水バイパス路29を経由して再び濾過流路27から濾過槽7に導入される。またこのとき酸性イオン水中の塩素にて濾過膜46に付着した有機物を分解除去すると共に、濾過膜46を酸性下におくことで濾過膜46に付着している金属塩が溶解する。
【0064】
次に図19に示すように、第9弁40、第11弁42が開状態、第1弁32、第2弁33、第5弁36、第7弁38、第8弁39、第10弁41が閉状態となり、この状態で引き続き循環ポンプ5が作動する。このとき、流入路11、濾過流路27、洗浄水排出路23、排水路18からなる流路が形成され、流出口44から導入される浴槽水31が、閉じた循環流路を循環していた、汚物を含む酸性イオン水を押し出して、排水路18を経由して浴槽1外に排出し、更にこの流路をすすいで洗浄する。その後、図13に示す通常の循環状態に復帰する。
【0065】
また浴槽水31を殺菌する場合は、まず図14に示すように、第1弁32、第5弁36、第9弁40が開状態、第2弁33、第7弁38、第8弁39、第10弁41、第11弁42が閉状態となり、この状態で循環ポンプ5が作動する。このとき循環ポンプ5の働きにより浴槽水31は流入路11、電解導入路12、塩水槽路13、塩供給路17、第二電極室路15、第二電極室導出路21、イオン水バイパス路24、イオン水路26、流出路16にて構成される循環流路と、流入路11、濾過流路27、濾過水路25、流出路16で構成される循環流路の、二系統の循環流路を循環する。流入路11、濾過流路27、濾過水路25、流出路16で構成される循環流路においては、図13の場合と同様に、濾過槽7において浴槽水31の浄化が行われる。また塩水供給槽4内の塩化ナトリウムが、塩水槽路13から塩水供給槽4に供給された浴槽水31に溶解して塩水が生成し、この塩水は塩供給路17、第二電極室路15から有隔膜電解槽2の第二電極室2bに供給され、第二電極室2b中の余剰の塩水は第一電極室導出路22、イオン水路26、流出路16を経由して浴槽1に返送される。
【0066】
次に図15に示すように、第1弁32、第5弁36、第9弁40が開状態、第2弁33、第7弁38、第8弁39、第10弁41、第11弁42が閉状態となり、この状態で引き続き循環ポンプ5が作動する。このとき流入路11、濾過流路27、濾過水路25、流出路16で構成される循環流路は維持されて、濾過槽7において浴槽水31の浄化が引き続き行われる。この状態で白金−イリジウム混合電極3aが陽極、白金電極3bが陰極となるように、この電極間に電圧が印可され、有隔膜電解槽2において電気分解により第一電極室2aに酸性イオン水が、第二電極室2bにアルカリ性イオン水が生成する。ここで第一電極室2aに設けられた白金−イリジウム混合電極3aは塩素の発生効率が高いため、この酸性イオン水中では塩素が効率よく発生される。このように生成されたイオン水は有隔膜電解槽2内に保持される。
【0067】
次に電気分解の終了後、図20に示すように、第2弁33、第7弁38、第1弁32、第9弁40が開状態、第5弁36、第8弁39、第10弁41、第11弁42が閉状態となり、この状態で引き続き循環ポンプ5が作動する。このとき流入路11、濾過流路27、濾過水路25、流出路16で構成される循環流路は維持されて、濾過槽7において浴槽水31の浄化が引き続き行われる。またこのとき流入路11、電解導入路12、電解槽路30を経由して、第一電極室路14から第一電極室2a内に、第二電極室路15から第二電極室2b内に浴槽水31が導入される水流が発生する。第一電極室2a内の酸性イオン水は浴槽水31に押し出されて第一電極室導出路22を経由してイオン水路26に至り、また第二電極室2b内のアルカリ性イオン水は、第二電極室導出路21、イオン水バイパス路24を経由してやはりイオン水路26に至るものであり、イオン水路26においてアルカリ性イオン水と酸性イオン水とが混合される。この混合水は中性又は弱アルカリ性のイオン水であり、また酸性イオン水が高濃度で塩素を含んでいたため、高い塩素濃度を有している。この混合水は、流出路16において、濾過槽7において浄化された後の浴槽水31と混合し、流出路16を通って流出口44から浴槽1内に供給され、混合水中の塩素にて浴槽1内の浴槽水31が殺菌される。この場合、浴槽水31の浄化と浴槽水31の殺菌とが同時に行われる。
【0068】
上記の浴槽水31をアルカリ性に水質改変しながら濾過膜46を洗浄する動作と、浴槽水31を殺菌する動作は、一回ずつ交互に、あるいはどちらか一方の動作が複数回繰り返して行われると共に他方の動作が一回行われるものであり、この場合、浴槽水31をアルカリ性に保ちながら、殺菌された衛生的な状態に保つことができ、しかも濾過膜46が洗浄されて濾過膜46の膜流量が保たれ、高い効率で濾過槽7による浴槽水31の浄化が行われるものである。
【0069】
また浴槽水31を酸性に水質改変する場合、まず図14に示すように、第1弁32、第5弁36、第9弁40が開状態、第2弁33、第7弁38、第8弁39、第10弁41、第11弁42が閉状態となり、この状態で循環ポンプ5が作動する。このとき循環ポンプ5の働きにより浴槽水31は流入路11、電解導入路12、塩水槽路13、塩供給路17、第二電極室路15、第二電極室導出路21、イオン水バイパス路24、イオン水路26、流出路16にて構成される循環流路と、流入路11、濾過流路27、濾過水路25、流出路16で構成される循環流路の、二系統の循環流路を循環する。流入路11、濾過流路27、濾過水路25、流出路16で構成される循環流路においては、図13の場合と同様に、濾過槽7において浴槽水31の浄化が行われる。また塩水供給槽4内の塩化ナトリウムが、塩水槽路13から塩水供給槽4に供給された浴槽水31に溶解して塩水が生成し、この塩水は塩供給路17、第二電極室路15から有隔膜電解槽2の第二電極室2bに供給され、第二電極室2b中の余剰の塩水は第一電極室導出路22、イオン水路26、流出路16を経由して浴槽1に返送される。
【0070】
次に図15に示すように、第1弁32、第5弁36、第9弁40が開状態、第2弁33、第7弁38、第8弁39、第10弁41、第11弁42が閉状態となり、この状態で引き続き循環ポンプ5が作動する。このとき流入路11、濾過流路27、濾過水路25、流出路16で構成される循環流路は維持されて、濾過槽7において浴槽水31の浄化が引き続き行われる。この状態で白金−イリジウム混合電極3aが陽極、白金電極3bが陰極となるように、この電極間に電圧が印可され、有隔膜電解槽2において電気分解により第一電極室2aに性イオン水が、第二電極室2bにアルカリ性イオン水が生成する。ここで第一電極室2aに設けられた白金−イリジウム混合電極3aは塩素の発生効率が高いため、この酸性イオン水中では塩素が効率よく発生される。このように生成されたイオン水は有隔膜電解槽2内に保持される。
【0071】
次に電気分解の終了後、図16に示すように、第7弁38、第9弁40、第11弁42が開状態、第1弁32、第2弁33、第5弁36、第8弁39、第10弁41が閉状態となり、この状態で引き続き循環ポンプ5が作動する。このとき流入路11、電解導入路12、電解槽路30を経由して、第一電極室路14から第一電極室2a内に浴槽水31が導入される水流が発生する。第一電極室2a内の酸性イオン水は、浴槽水31に押し出されて第一電極室導出路22、イオン水路26、流出路16を経由して流出口44から浴槽1内に供給されて、浴槽1内の浴槽水31を酸性に水質改変する。一方、濾過流路27を経由して濾過槽7に導入される浴槽水31は、水圧抵抗の高い濾過膜46を透過せずに洗浄水排出口7bを水圧抵抗の低い洗浄水排出路23を通過し、排水路18を通って浴槽1外に排出される。
【0072】
次に図17に示すように、第2弁33、第7弁38、第8弁39、第11弁42が開状態、第1弁32、第5弁36、第9弁40、第10弁41が閉状態となり、この状態で引き続き循環ポンプ5が作動する。このとき流入路11、電解導入路12、電解槽路30を経由して、第一電極室路14から第一電極室2a内に、第二電極室路15から第二電極室2b内に浴槽水31が導入される水流が発生する。第一電極室2a内の酸性イオン水は、図16の場合と同様に、引き続き浴槽水31に押し出されて第一電極室導出路22、イオン水路26、流出路16を経由して流出口44から浴槽1内に供給されて、浴槽1内の浴槽水31を酸性に水質改変する。また第二電極室2b内のアルカリ性イオン水は、第二電極室導出路21、洗浄イオン路28、濾過流路27を経由して濾過槽7に導入される。濾過槽7内のアルカリ性イオン水は水圧抵抗の低い洗浄水排出路23を通過し、排水路18を通って浴槽1外に排出される。ここで、図16に示す動作を行わずに、図15に示す動作から直接図17に示す動作に移行することにより、有隔膜電解槽2からのアルカリ性イオン水と酸性イオン水の排出を同時に開始しても良い。
【0073】
上記の浴槽水の水質改変装置では、電気分解中においては、有隔膜電解槽2に浴槽水31が供給されないため、有隔膜電解槽2に供給される浴槽水31の量を低減して浴槽水31中に含まれる不純物やカルシウムによる電極表面や隔膜45の汚染を抑制することができる。
【0074】
【発明の効果】
本発明の請求項1に係る浴槽水の水質改変装置は、有隔膜電解槽と、有隔膜電解槽内の隔膜にて隔てられた第一電極室と第二電極室のうちの第二電極室内に塩化ナトリウムを供給する塩水供給槽と、電気分解に供される浴槽水を浴槽から有隔膜電解槽に供給し、有隔膜電解槽にて電気分解により生成するアルカリ性イオン水と酸性イオン水のうち一方のイオン水を第一電極室から浴槽に供給すると共に他方のイオン水を第二電極室から浴槽外に排出する浴槽水の流路と、この浴槽水の流路に水流を発生させる循環ポンプとを具備し、循環ポンプは電解導入路、電解槽路を経由し、第一電極室路及び第二電極室路に分岐して第一電極室と第二電極室にそれぞれ接続され、塩水供給槽は電解導入路から分岐した塩水槽路に接続され更に塩供給路を経て第二電極室路に接続されているものであり、有隔膜電解槽内の浴槽水に塩化ナトリウムを添加して導電性を向上し、電気分解に必要な電力を低減することができ、また有隔膜電解槽内の浴槽水中の塩化物イオン及びナトリウムイオンの濃度が向上されて、電気分解により陰極側で水酸化ナトリウム濃度の高いアルカリ性イオン水を生成すると共に、陽極側で塩酸濃度の高い酸性イオン水を生成することができ、このようなイオン水を浴槽水のpHの改変に利用することができるものである。
【0075】
また本発明の請求項2に係る浴槽水の水質改変装置は、請求項1の構成に加えて、開閉弁を開閉することにより有隔膜電解槽における電気分解の進行中に、有隔膜電解槽にて電気分解により生成するアルカリ性イオン水と酸性イオン水のうち一方のイオン水を第一電極室から連続的に浴槽に供給し、有隔膜電解槽における電気分解の終了後に他方のイオン水を第二電極室から浴槽外に排出する浴槽水の流路を具備し、前記開閉弁として、塩水槽路の流通を開閉する開閉弁と、第二電極室路における塩供給路の接続位置よりも上流側の流通を開閉する開閉弁と、イオン水を第二電極室から浴槽外に排出する流路を開閉する開閉弁とを備えるものであり、イオン水を浴槽外に排出する際の排水量を低減して、浴槽内の浴槽水の急激な減少を抑制することができるものである。
【0076】
また本発明の請求項3に係る浴槽水の水質改変装置は、有隔膜電解槽と、有隔膜電解槽内の隔膜にて隔てられた第一電極室と第二電極室の両方の電室内に塩化ナトリウムを供給する塩水供給槽と、開閉弁を開閉することにより電気分解に供される浴槽水を浴槽から有隔膜電解槽に供給し、有隔膜電解槽における電気分解終了後に、有隔膜電解槽にて電気分解により生成するアルカリ性イオン水と酸性イオン水のうちの一方のイオン水を第一電極室から浴槽に供給すると共に他方のイオン水を第二電極室から浴槽外に排出する浴槽水の流路と、この浴槽水の流路に水流を発生させる循環ポンプとを具備し、循環ポンプは電解導入路、電解槽路を経由し、第一電極室路及び第二電極室路に分岐して第一電極室と第二電極室にそれぞれ接続され、塩水供給槽は電解導入路から分岐した塩水槽路に接続され更に塩供給路を経て電解槽路に接続されるものであり、且つ前記開閉弁として塩水槽路の流通を開閉する開閉弁と、塩供給路との接続位置よりも上流側における電解槽路の流通を開閉する開閉弁とを備えるものであり、有隔膜電解槽内の浴槽水に塩化ナトリウムを添加して導電性を向上し、電気分解に必要な電力を低減することができ、また有隔膜電解槽内の浴槽水中の塩化物イオン及びナトリウムイオンの濃度が向上されて、電気分解により陰極側で水酸化ナトリウム濃度の高いアルカリ性イオン水を生成すると共に、陽極側で塩酸濃度の高い酸性イオン水を生成することができ、このようなイオン水を浴槽水のpHの改変に利用することができるものであり、またイオン水を浴槽外に排出する際の排水量を低減して、浴槽内の浴槽水の急激な減少を抑制することができるものであり、また有隔膜電解槽に供給される浴槽水の量を低減して浴槽水中に含まれる不純物やカルシウムによる電極表面や隔膜の汚染を抑制することができるものである。
【0077】
また本発明の請求項4に係る浴槽水の水質改変装置は、請求項1乃至3のいずれかの構成に加えて、開閉弁を開閉することにより有隔膜電解槽にて電気分解により生成するアルカリ性イオン水と酸性イオン水のうちのアルカリ性イオン水を浴槽に供給すると共に酸性イオン水を浴槽外に排出する動作と、電気分解により生成するアルカリ性イオン水と酸性イオン水の両方を浴槽に供給する動作とを一回ずつ交互に行うか、あるいは一方の動作を複数回行うのに対して他方の動作を一回行うものであり、イオン水を第一電極室から浴槽に供給する流路とイオン水を第二電極室から浴槽外に排出する流路とがイオン水バイパス路にて接続されており、且つ前記開閉弁として、イオン水を第二電極室から浴槽外に排出する流路を開閉する開閉弁と、イオン水バイパス路の流通を開閉する開閉弁とを備えるものであり、浴槽にアルカリ性イオン水を供給することにより浴槽中の浴槽水をアルカリ性に水質改変すると共に、アルカリ性イオン水と酸性イオン水が混合された中性又は弱アルカリ性で塩素濃度の高い混合水を浴槽に供給することにより浴槽中の浴槽水をアルカリ性に保ったまま塩素にて浴槽水を殺菌することができるものである。
【0078】
また本発明の請求項5に係る浴槽水の水質改変装置、請求項1乃至4のいずれかの構成に加えて、表面が白金−イリジウム混合物にて形成された白金−イリジウム混合物電極を有する第一電室及び表面が白金にて形成された白金電極を有する第二電室が設けられた有隔膜電解槽と、開閉弁を開閉することにより白金−イリジウム混合物電極を陰極、白金電極を陽極として電気分解を行ったときに有隔膜電解槽にて生成されるアルカリ性イオン水を浴槽に供給すると共に酸性イオン水を浴槽外に排出し、白金電極を陰極、白金−イリジウム混合物電極を陽極として電気分解を行ったときに有隔膜電解槽にて生成されるアルカリ性イオン水と酸性イオン水の両方を浴槽に供給する浴槽水の流路を具備し、イオン水を第一電極室から浴槽に供給する流路とイオン水を第二電極室から浴槽外に排出する流路とがイオン水バイパス路にて接続されており、且つ前記開閉弁として、イオン水を第二電極室から浴槽外に排出する流路を開閉する開閉弁と、イオン水バイパス路の流通を開閉する開閉弁とを備えるものであり、アルカリ性イオン水を浴槽に供給する場合は酸性イオン水を酸素発生効率の高い白金電極が配設された電極室で生成し、排出される酸性イオン水中の塩素濃度を低減して排水から有害で有臭の塩素ガスが気化し、雰囲気中に放出されることを防止することができるものであり、またアルカリ性イオン水と酸性イオン水が混合された中性又は弱アルカリ性の混合水を浴槽に供給する場合は、酸性イオン水を塩素の発生効率が高い白金−イリジウム混合物電極が配設された電極室にて生成し、混合水中の塩素濃度を向上して殺菌性能を向上することができるものであり、浴槽中の浴槽水をアルカリ性に保ったまま高濃度の塩素にて浴槽水を殺菌することができるものである。
【0079】
また本発明の請求項6に係る浴槽水の水質改変装置は、請求項1乃至5のいずれかの構成に加えて、表面が白金−イリジウム混合物にて形成された白金−イリジウム混合物電極を有する第一電室及び表面が白金にて形成された白金電極を有する第二電室が設けられた有隔膜電解槽と、開閉弁を開閉することにより白金−イリジウム混合物電極を陰極、白金電極を陽極として電気分解を行ったときに有隔膜電解槽にて生成されるアルカリ性イオン水を浴槽に供給すると共に酸性イオン水を浴槽外に排出し、白金電極を陰極、白金−イリジウム混合物電極を陽極として電気分解を行ったときに有隔膜電解槽にて生成されるアルカリ性イオン水を浴槽外に排出すると共に酸性イオン水を浴槽に供給する浴槽水の流路を具備し、イオン水を第一電極室から浴槽に供給する流路とイオン水を第二電極室から浴槽外に排出する流路とがイオン水バイパス路にて接続され、且つ前記開閉弁として、イオン水を第二電極室から浴槽外に排出する流路を開閉する開閉弁と、イオン水バイパス路の流通を開閉する開閉弁とを備えるものであり、アルカリ性イオン水を浴槽に供給する場合は酸性イオン水を酸素発生効率の高い白金電極が配設された電極室で生成し、排出される酸性イオン水中の塩素濃度を低減して排水から有害で有臭の塩素ガスが気化し、雰囲気中に放出されることを防止することができるものであり、また酸性イオン水を浴槽に供給する場合は、酸性イオン水を塩素の発生効率が高い白金−イリジウム混合物電極が配設された電極室にて生成し、酸性イオン水中の塩素濃度を向上して殺菌性能を向上することができるものであり、酸性イオン水にて浴槽中の浴槽水を酸性にすると共に高濃度の塩素にて浴槽水を殺菌することができるものである。
【0080】
また本発明の請求項7に係る水質改変装置は、請求項1乃至6のいずれかの構成に加えて、電解導入路の途中から分岐する浴槽水バイパス路がイオン水を第二電極室から浴槽外に排出する流路に接続され、且つ開閉弁として浴槽水バイパス路の流通を開閉するものを備え、前記開閉弁が開状態の場合に有隔膜電解槽にて生成されるアルカリ性イオン水と酸性イオン水のうち一方のイオン水を第一電極室から浴槽に供給すると共に第二電極室にて生成される他方のイオン水を浴槽水にて希釈した後に浴槽外に排出する浴槽水の流路を具備するものであり、排出されるイオン水を浴槽水にて希釈して中性に近づけた後に排出することができ、特に酸性イオン水を排出する場合は浴槽水にて希釈して中性に近づけることにより排水からの有害、有臭の塩素ガスの気化を抑制することができるものである
また本発明の請求項8に係る浴槽水の水質改変装置は、請求項1乃至7のいずれかの構成に加えて、浴槽水を浄化する濾過槽と、濾過槽の上流側が電解導入路の途中から分岐する濾過流路にて接続され、濾過槽の下流側が濾過水路にてイオン水を第一電極室から浴槽に供給する流路に接続され、濾過槽の洗浄水排出口が洗浄水排出路にてイオン水を第二電極室から浴槽外に排出する流路に接続され、且つ開閉弁として洗浄水排出路の流通を開閉するものを備え、前記開閉弁が開状態の場合に濾過槽に濾過槽の洗浄用水として浴槽水を濾過流路から供給し、有隔膜電解槽にて生成されるアルカリ性イオン水と酸性イオン水のうち一方のイオン水を第一電極室から浴槽に供給すると共に第二電極室にて生成される他方のイオン水を洗浄水排出口から排出される濾過槽の洗浄後の浴槽水にて希釈した後に浴槽外に排出する浴槽水の流路を具備するものであり、濾過槽にて入浴等により浴槽水に混入した垢、埃、細菌等を濾過して、浴槽水を清潔に保つことができるものであり、またこの濾過槽を浴槽水にて洗浄することができるものであり、また濾過槽の洗浄に使用された浴槽水にて、排出するイオン水を希釈して中性に近づけた後に排出することができ、イオン水と濾過槽洗浄後の浴槽水を別々に排出する場合よりも排水量を低減して浴槽中の浴槽水の急激な減少を抑制することができ、また特に酸性イオン水を排出する場合は、この酸性イオン水中の塩素が濾過槽洗浄後の浴槽水中に含まれる垢、埃、細菌等の有機物や無機物と反応して分解され、排水からの有害、有臭の塩素ガスの気化を抑制することができるものである。
【0081】
また本発明の請求項9に係る浴槽水の水質改変装置は、請求項1乃至8のいずれかの構成に加えて、浴槽水を浄化する濾過槽を具備し、濾過槽の上流側が電解導入路の途中から分岐する濾過流路にて接続され、濾過槽の下流側が濾過水路にてイオン水を第一電極室から浴槽に供給する流路に接続されているものであり、濾過槽にて入浴等により浴槽水に混入した垢、埃、細菌等を濾過して、浴槽水を清潔に保つことができるものである。
【0082】
また本発明の請求項10に係る水質改変装置は、請求項9の構成に加えて、濾過膜として中空糸膜を備える濾過槽を具備すると共に、イオン水を第二電極室から浴槽外に排出する浴槽水の流路が、濾過流路に接続された後に濾過槽の洗浄水排出口から浴槽外に導出され、濾過槽に濾過槽の洗浄用水として有隔膜電解槽の第二電極室にて生成された酸性イオン水を供給する浴槽水の流路を具備するものであり、酸性イオン水中の塩素にて中空糸膜に付着した有機物を分解除去すると共に、中空糸膜を酸性下におくことで中空糸膜に付着している金属塩を溶解して排出することができ、濾過槽の洗浄性を向上することができるものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態の一例を示す概略図である。
【図2】同上の動作を示す概略図である。
【図3】同上の他の動作を示す概略図である。
【図4】同上の更に他の動作を示す概略図である。
【図5】本発明の実施の形態の他例を示す概略図である。
【図6】同上の動作を示す概略図である。
【図7】同上の他の動作を示す概略図である。
【図8】同上の更に他の動作を示す概略図である。
【図9】同上の更に他の動作を示す概略図である。
【図10】同上の更に他の動作を示す概略図である。
【図11】同上の更に他の動作を示す概略図である。
【図12】本発明の実施の形態の更に他例を示す概略図である。
【図13】同上の動作を示す概略図である。
【図14】同上の他の動作を示す概略図である。
【図15】同上の更に他の動作を示す概略図である。
【図16】同上の更に他の動作を示す概略図である。
【図17】同上の更に他の動作を示す概略図である。
【図18】同上の更に他の動作を示す概略図である。
【図19】同上の更に他の動作を示す概略図である。
【図20】同上の更に他の動作を示す概略図である。
【図21】同上の更に他の動作を示す概略図である。
【符号の説明】
1 浴槽
2 有隔膜電解槽
3a 白金−イリジウム混合物電極
3b 白金電極
4 塩水供給槽
5 循環ポンプ
7 濾過槽
31 浴槽水
45 隔膜
46 濾過膜

Claims (10)

  1. 有隔膜電解槽(2)と、有隔膜電解槽(2)内の隔膜(45)にて隔てられた第一電極室(2a)と第二電極室(2b)のうちの第二電極室(2b)内に塩化ナトリウムを供給する塩水供給槽(4)と、電気分解に供される浴槽水(31)を浴槽(1)から有隔膜電解槽(2)に供給し、有隔膜電解槽(2)にて電気分解により生成するアルカリ性イオン水と酸性イオン水のうち一方のイオン水を第一電極室(2a)から浴槽(1)に供給すると共に他方のイオン水を第二電極室(2b)から浴槽(1)外に排出する浴槽水の流路と、この浴槽水の流路に水流を発生させる循環ポンプ(5)とを具備し、循環ポンプ(5)は電解導入路(12)、電解槽路(30)を経由し、第一電極室路(14)及び第二電極室路(15)に分岐して第一電極室(2a)と第二電極室(2b)にそれぞれ接続され、塩水供給槽(4)は電解導入路(12)から分岐した塩水槽路(13)に接続され更に塩供給路(17)を経て第二電極室路(15)に接続されていることを特徴とする浴槽水の水質改変装置。
  2. 開閉弁を開閉することにより有隔膜電解槽(2)における電気分解の進行中に、有隔膜電解槽(2)にて電気分解により生成するアルカリ性イオン水と酸性イオン水のうち一方のイオン水を第一電極室(2a)から連続的に浴槽(1)に供給し、有隔膜電解槽(2)における電気分解の終了後に他方のイオン水を第二電極室(2b)から浴槽(1)外に排出する浴槽水の流路を具備し、前記開閉弁として、塩水槽路(13)の流通を開閉する開閉弁と、第二電極室路(15)における塩供給路(17)の接続位置よりも上流側の流通を開閉する開閉弁と、イオン水を第二電極室(2b)から浴槽(1)外に排出する流路を開閉する開閉弁とを備えることを特徴とする請求項1に記載の浴槽水の水質改変装置。
  3. 有隔膜電解槽(2)と、有隔膜電解槽(2)内の隔膜(45)にて隔てられた第一電極室(2a)と第二電極室(2b)の両方の電室内に塩化ナトリウムを供給する塩水供給槽(4)と、開閉弁を開閉することにより電気分解に供される浴槽水(31)を浴槽(1)から有隔膜電解槽(2)に供給し、有隔膜電解槽(2)における電気分解終了後に、有隔膜電解槽(2)にて電気分解により生成するアルカリ性イオン水と酸性イオン水のうちの一方のイオン水を第一電極室(2a)から浴槽(1)に供給すると共に他方のイオン水を第二電極室(2b)から浴槽(1)外に排出する浴槽水の流路と、この浴槽水の流路に水流を発生させる循環ポンプ(5)とを具備し、循環ポンプ(5)は電解導入路(12)、電解槽路(30)を経由し、第一電極室路(14)及び第二電極室路(15)に分岐して第一電極室(2a)と第二電極室(2b)にそれぞれ接続され、塩水供給槽(4)は電解導入路(12)から分岐した塩水槽路(13)に接続され更に塩供給路(17)を経て電解槽路(30)に接続されるものであり、且つ前記開閉弁として塩水槽路(13)の流通を開閉する開閉弁と、塩供給路(17)との接続位置よりも上流側における電解槽路(30)の流通を開閉する開閉弁とを備えることを特徴とする浴槽水の水質改変装置。
  4. 開閉弁を開閉することにより有隔膜電解槽(2)にて電気分解により生成するアルカリ性イオン水と酸性イオン水のうちのアルカリ性イオン水を浴槽(1)に供給すると共に酸性イオン水を浴槽(1)外に排出する動作と、電気分解により生成するアルカリ性イオン水と酸性イオン水の両方を浴槽(1)に供給する動作とを一回ずつ交互に行うか、あるいは一方の動作を複数回行うのに対して他方の動作を一回行うものであり、イオン水を第一電極室(2a)から浴槽(1)に供給する流路とイオン水を第二電極室(2b)から浴槽(1)外に排出する流路とがイオン水バイパス路(24)にて接続されており、且つ前記開閉弁として、イオン水を第二電極室(2b)から浴槽(1)外に排出する流路を開閉する開閉弁と、イオン水バイパス路(24)の流通を開閉する開閉弁とを備えることを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の浴槽水の水質改変装置。
  5. 表面が白金−イリジウム混合物にて形成された白金−イリジウム混合物電極(3a)を有する第一電(2a)及び表面が白金にて形成された白金電極(3b)を有する第二電(2b)が設けられた有隔膜電解槽(2)と、開閉弁を開閉する ことにより白金−イリジウム混合物電極(3a)を陰極、白金電極(3a)を陽極として電気分解を行ったときに有隔膜電解槽(1)にて生成されるアルカリ性イオン水を浴槽(1)に供給すると共に酸性イオン水を浴槽(1)外に排出し、白金電極(3b)を陰極、白金−イリジウム混合物電極(3a)を陽極として電気分解を行ったときに有隔膜電解槽(2)にて生成されるアルカリ性イオン水と酸性イオン水の両方を浴槽(1)に供給する浴槽水の流路を具備し、イオン水を第一電極室(2a)から浴槽(1)に供給する流路とイオン水を第二電極室(2b)から浴槽(1)外に排出する流路とがイオン水バイパス路(24)にて接続されており、且つ前記開閉弁として、イオン水を第二電極室(2b)から浴槽(1)外に排出する流路を開閉する開閉弁と、イオン水バイパス路(24)の流通を開閉する開閉弁とを備えることを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載の浴槽水の水質改変装置。
  6. 表面が白金−イリジウム混合物にて形成された白金−イリジウム混合物電極(3a)を有する第一電(2a)及び表面が白金にて形成された白金電極(3b)を有する第二電(2b)が設けられた有隔膜電解槽(2)と、開閉弁を開閉することにより白金−イリジウム混合物電極(3a)を陰極、白金電極(3b)を陽極として電気分解を行ったときに有隔膜電解槽(2)にて生成されるアルカリ性イオン水を浴槽(1)に供給すると共に酸性イオン水を浴槽(1)外に排出し、白金電極(3b)を陰極、白金−イリジウム混合物電極(3a)を陽極として電気分解を行ったときに有隔膜電解槽(2)にて生成されるアルカリ性イオン水を浴槽(1)外に排出すると共に酸性イオン水を浴槽(1)に供給する浴槽水の流路を具備し、イオン水を第一電極室(2a)から浴槽(1)に供給する流路とイオン水を第二電極室(2b)から浴槽(1)外に排出する流路とがイオン水バイパス路(24)にて接続され、且つ前記開閉弁として、イオン水を第二電極室(2b)から浴槽(1)外に排出する流路を開閉する開閉弁と、イオン水バイパス路(24)の流通を開閉する開閉弁とを備えることを特徴とする請求項1乃至5のいずれかに記載の浴槽水の水質改変装置。
  7. 電解導入路(12)の途中から分岐する浴槽水バイパス路(20)がイオン水を第二電極室(2b)から浴槽(1)外に排出する流路に接続され、且つ開閉弁として浴槽水バイパス路(20)の流通を開閉するものを備え、前記開閉弁が開状態の場合に有隔膜電解槽(2)にて生成されるアルカリ性イオン水と酸性イオン水のうち一方のイオン水を第一電極室(2a)から浴槽(1)に供給すると共に第二電極室(2b)にて生成される他方のイオン水を浴槽水にて希釈した後に浴槽(1)外に排出する浴槽水の流路を具備して成ることを特徴とする請求項1乃至6のいずれかに記載の浴槽水の水質改変装置。
  8. 浴槽水(31)を浄化する濾過槽(7)と、濾過槽(7)の上流側が電解導入路(12)の途中から分岐する濾過流路(27)にて接続され、濾過槽(7)の下流側が濾過水路(25)にてイオン水を第一電極室(2a)から浴槽(1)に供給する流路に接続され、濾過槽(7)の洗浄水排出口(7b)が洗浄水排出路(23)にてイオン水を第二電極室(2b)から浴槽(1)外に排出する流路に接続され、且つ開閉弁として洗浄水排出路(23)の流通を開閉するものを備え、前記開閉弁が開状態の場合に濾過槽(7)に濾過槽(7)の洗浄用水として浴槽水(31)濾過流路(27)から供給し、有隔膜電解槽(2)にて生成されるアルカリ性イオン水と酸性イオン水のうち一方のイオン水を第一電極室(2a)から浴槽(1)に供給すると共に第二電極室(2b)にて生成される他方のイオン水を洗浄水排出口(7b)から排出される濾過槽(7)の洗浄後の浴槽水(31)にて希釈した後に浴槽(1)外に排出する浴槽水の流路を具備して成ることを特徴とする請求項1乃至7のいずれかに記載の浴槽水の改変装置。
  9. 浴槽水(31)を浄化する濾過槽(7)を具備し、濾過槽(7)の上流側が電解導入路(12)の途中から分岐する濾過流路(27)にて接続され、濾過槽(7)の下流側が濾過水路(25)にてイオン水を第一電極室(2a)から浴槽(1)に供給する流路に接続されていることを特徴とする請求項1乃至8のいずれかに記載の浴槽水の水質改変装置。
  10. 濾過膜(46)として中空糸膜を備える濾過槽(7)を具備すると共に、イオン水を第二電極室(2b)から浴槽(1)外に排出する浴槽水の流路が、濾過流路(27)に接続された後に濾過槽(7)の洗浄水排出口(7b)から浴槽(1)外に導出され、濾過槽(7)に濾過槽(7)の洗浄用水として有隔膜電解槽(2)の第二電極室(2b)にて生成された酸性イオン水を供給する浴槽水の流路を具備して成ることを特徴とする請求項9に記載の浴槽水の水質改変装置。
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