JPH11290256A

JPH11290256A - スティック状拭き取り具およびその製造方法

Info

Publication number: JPH11290256A
Application number: JP9635998A
Authority: JP
Inventors: Masao Sato; 聖雄佐藤
Original assignee: Toyo Eizai KK
Current assignee: Livedo Corp
Priority date: 1998-04-08
Filing date: 1998-04-08
Publication date: 1999-10-26

Abstract

(57)【要約】【課題】製造が簡単でコストダウンを図ることのでき
る構造のスティック状拭き取り具およびその製造方法を
提供する。【解決手段】連続気泡を有する弾性発泡体からなる拭
き取り部材２と、先端に拭き取り部材の取付け部３が突
設された支持棒１とを有するスティック状拭き取り具Ｒ
であって、前記取付け部の周面に凸部４を形成すると共
に、前記拭き取り部材２に前記凸部４の最外径よりも小
さい口径の挿入口５を形成したことを特徴とするスティ
ック状拭き取り具である。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、クリーンルーム等
で、精密機器の狭隘部分や微小部分等の払拭に使用する
ことのできるスティック状拭き取り具およびその製造方
法に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】スティック状拭き取り具として、図１に
示したようなものが知られている。図１（ａ）は拭き取
り具Ｐの正面図で、（ｂ）は側面図である。この拭き取
り具Ｐは、支持棒１０の先端にポリウレタン製スポンジ
からなる拭き取り部材２０が取り付けられている。この
ような拭き取り具Ｐは、通常、側面図（ｂ）に示すよう
に、支持棒１の先端部を若干扁平に形成しておき、この
先端部において左右の部材２０ａと２０ｂとを接着剤等
で貼り付けることにより製造されている。

【０００３】しかし、接着剤を使用すると、拭き取り部
材に有機溶剤を染み込ませて拭き取る場合、接着剤が溶
け出して被拭物が汚染されてしまうという問題があっ
た。発塵や汚染を極力避けなければならないクリーンル
ーム等で使用する拭き取り具の場合、このような汚染の
問題は致命的である。さらに、左右２つの部材をずれな
いように貼り合わせるのは難しく、コスト高の要因とな
っていた。

【０００４】一方、接着剤を使用せずに拭き取り部材と
支持棒を取り付けているスティック状拭き取り具も知ら
れている。例えば、実開昭６１−１４８２５３号には、
本願出願人によって、先端部が有刺構造体である支持棒
に弾性発泡体を冠挿保持させた構造のスティック状拭取
り部材が開示されている。この考案は、支持棒の先端を
矢じり状にして、円管状の弾性発泡体を差し込み、逆刺
突起効果を発揮させることにより拭き取り部が取れにく
いように構成したものである。この考案に係る製品は現
在市販されているが、矢じり状の先端部に弾性発泡体を
入れる工程が難しいため高速製造ができず、コストダウ
ンが望まれている。

【０００５】

【発明が解決しようとする課題】そこで本発明では、製
造が簡単でコストダウンを図ることのできる構造のステ
ィック状拭き取り具およびその製造方法の提供を課題と
して掲げたものである。

【０００６】

【課題を解決するための手段】請求項１に係る発明は、
スティック状拭き取り具が、連続気泡を有する弾性発泡
体からなる拭き取り部材と、先端に拭き取り部材の取付
け部が突設された支持棒とを有し、前記取付け部の周面
に複数の凸部を形成すると共に、前記拭き取り部材に前
記取付け部の最外径よりも小さい口径の挿入口を形成し
たものである。この構成によれば、取付け部への挿入が
比較的容易であり、かつ挿入した拭き取り部材が簡単に
脱落することはない。

【０００７】請求項２に係る発明は、請求項１に記載の
拭き取り具において、取付け部の周面に半球状の凸部が
複数形成されている構成である。この構成によれば、拭
き取り部材の挿入が非常に容易である。

【０００８】請求項３に係る発明は、請求項１に記載の
拭き取り具において、取付け部の周面に螺旋状凸部が形
成されているものである。この構成によれば、拭き取り
部材を挿入しやすく、かつその脱落を効果的に防ぐこと
ができる。

【０００９】請求項４に係る発明は、支持棒の断面積よ
りも小さい断面積を有する取付け部を、支持棒の軸方向
に突設することにより形成したものである。この構成に
よれば、支持棒の製造が容易であると共に、取付け部へ
拭き取り部材を挿入する操作が簡単である。

【００１０】請求項５に係る発明は、拭き取り部材が、
先窄まりに形成されているものである。また、請求項６
に係る発明は拭き取り部材の先端を斜めに切断したもの
であり、いずれも、微小部分でもきれいに払拭すること
ができるという効果を発揮する。

【００１１】請求項７に係る発明は、本発明のスティッ
ク状拭き取り具を製造する方法であって、両端に挿入口
を有する弾性発泡体の挿入口に、それぞれ支持棒の取付
け部を挿入した後、弾性発泡体を切断することにより、
２個のスティック状拭き取り具を１度に製造するもので
ある。この製造方法の採用によって、本発明の拭き取り
具を高速で連続製造することができ、コストダウンが可
能になる。

【００１２】

【発明の実施の形態】図２は、本発明のスティック状拭
き取り具Ｒの実施の形態を示す正面図である。この拭き
取り具Ｒは、支持棒１と拭き取り部材２からなるもので
ある。支持棒１の一例を図３に示した。この例では、支
持棒１の断面積Ｓ₁ よりも小さい断面積Ｓ₂ を有する取
付け部３が支持棒１の軸方向に突設されると共に、取付
け部３の周面に螺旋状凸部４、４が設けられネジ状とな
っている。この螺旋状凸部の存在によって、拭き取り部
材の挿入操作が容易となり、しかも、いったん挿入され
た拭き取り部材が払拭作業の間も脱落することはない。

【００１３】螺旋状凸部は、取付け部周面全域にわたっ
て連続していてもよく（図５参照）、また図３の例のよ
うに、ネジ山部（凸部）を所定位置で不連続にすること
もできる。不連続にすると、扁平な拭き取り部材を取付
けたいときに有用である。取付け部として、図６に示し
たような半球状の凸部４１、４１が複数個形成されてい
る取付け部３１を採用してもよい。この構成によれば、
凸部４１が滑らかな半球状なので、拭き取り部材を取付
け部に挿入する操作が一層容易になる。なお、取付け部
は支持棒の軸方向に直交するように設けることもでき
る。

【００１４】支持棒の素材は特に限定されないが、コス
トダウンの観点からは、安価で大量に成形可能なプラス
チック素材が好ましく、例えば、ポリスチレン、ＡＳ樹
脂、ＡＢＳ樹脂等のスチレン系樹脂、ポリエチレン、ポ
リプロピレン等のポリオレフィン系樹脂、ポリカーボネ
ート、ポリエステル、ポリアミド等が適宜選択できる。

【００１５】図４には、本発明のスティック状拭き取り
具Ｒに用いられる拭き取り部材２の側面図を示した。こ
の拭き取り部材２は、円柱の先端が斜めに切断された形
状であり、前記螺旋状凸部の外径Ｓ₃ より小さい口径Ｓ
₄ の挿入口５が、拭き取り部材２の軸方向に沿って円柱
を貫通するように形成されている。拭き取り部材２の挿
入口５は、貫通している必要はなく、少なくとも支持棒
１の取付け部３に拭き取り部材２を挿入した後におい
て、取付け状態を維持できる長さ（５ミリ以上）設けら
れていればよい。もっとも、取付け部材を連続的に生産
し、支持棒へ挿入する工程を考慮すれば、拭き取り部材
は円管状に構成することが好ましい。長い円管を製造し
て適宜切断することにより、個々の拭き取り部材として
用いることができるからである。なお、拭き取り部材の
先端は、斜めに切断されて先窄まりに形成されているこ
とが、微細部分の拭き取りが容易である点で好ましい
が、単に鉛直方向に切断するものであってもよい。ま
た、取付け部材および挿入口の断面形状は、円形に限ら
れず、それぞれ、三角形、四角形、長楕円形、星形等、
適宜変更可能である。

【００１６】拭き取り部材の素材は、実開昭６１−１４
８２５３号に開示したような弾性発泡体が適している。
この弾性発泡体は、連続気泡を有する可撓性のあるポリ
ウレタンであり、平均孔径４０〜７０μｍの均一化され
た小さい連続気孔を有している。従って、通気性や保水
性（自重の５〜６倍）に優れると共に、細かい塵の吸着
・捕捉性能に優れている。さらに、アルコール系溶剤
や、炭化水素系溶剤にも侵されない優れた耐薬品性を有
しているので、溶剤を含ませて拭き取ることも可能であ
る。

【００１７】本発明の拭き取り具は、拭き取り部材の素
材が可撓性を有しているので、図５に示したように、拭
き取り部材２は、その先端部２ａにおいて、支持棒１の
取付け部３の剛性に影響されることなく自在に湾曲・変
形することができるため、キーボードのキーの下などの
入り組んだ場所の払拭も可能である。

【００１８】次に、図７によって本発明の拭き取り具を
製造するための好ましい方法について説明する。まず、
図７の（ａ）に示したように、２個分の拭き取り部材が
一体化している円管状弾性発泡体６と、支持棒２本を用
意する。次いで、弾性発泡体６の左右の中空部（挿入
口）５、５に、支持棒１先端の取付け部３を挿入し
（ｂ）、切断線Ｃで弾性発泡体６を切断すれば、支持棒
１の先端に拭き取り部材が取り付けられた本発明のステ
ィック状拭き取り具Ｒ、Ｒを、一度に製造することがで
きる。

【００１９】

【発明の効果】本発明の請求項１に係る発明によれば、
拭き取り部材を取付け部へ挿入しやすくかつ取れにくく
することができる。請求項２に係る発明によれば、拭き
取り部材の取付け部への挿入が一層容易となり、また請
求項３に係る発明では、確実に拭き取り部材の脱落を防
止できる。請求項４に係る発明によれば、支持棒の製造
が容易であると共に、取付け部へ拭き取り部材を挿入す
る操作が簡単となる。

【００２０】請求項５および請求項６に係る発明によれ
ば、拭き取り部材を先窄まりに形成し、またその先端を
斜めに切断しているので、いずれも、微小部分や入り組
んでいる部分をきれいに払拭することができるという効
果を発揮するものである。請求項７に係る発明によれ
ば、本発明の拭き取り具を高速で連続製造することがで
き、コストダウンが可能になる。

【図面の簡単な説明】

【図１】（ａ）、（ｂ）は、従来の拭き取り具を示す説
明図である。

【図２】本発明に係るスティック状拭き取り具の正面図
である。

【図３】本発明に係る支持棒と取付け部の側面図であ
る。

【図４】本発明に係る拭き取り部材の側面図である。

【図５】本発明に係る拭き取り具の先端部の説明図であ
る。

【図６】本発明に係る取付け部の他の例を示す側面図で
ある。

【図７】（ａ）、（ｂ）は本発明に係る拭き取り具の製
造方法の説明図である。

【符号の説明】

Ｒスティック状拭き取り具１支持棒２拭き取り部材３、３１取付け部４螺旋状凸部４１半球状凸部５挿入口６円管状弾性発泡体

Claims

【特許請求の範囲】

【請求項１】連続気泡を有する弾性発泡体からなる拭
き取り部材と、先端に拭き取り部材の取付け部が突設さ
れた支持棒とを有するスティック状拭き取り具であっ
て、前記取付け部の周面に複数の凸部を形成すると共
に、前記拭き取り部材に前記取付け部の最外径よりも小
さい口径の挿入口を形成したことを特徴とするスティッ
ク状拭き取り具。
【請求項２】取付け部の周面に半球状の凸部が複数形
成されている請求項１に記載のスティック状拭き取り
具。
【請求項３】取付け部の周面に螺旋状凸部が形成され
ている請求項１に記載のスティック状拭き取り具。
【請求項４】支持棒の断面積よりも小さい断面積を有
する取付け部を、支持棒の軸方向に突設することにより
形成した請求項１〜３のいずれかに記載のスティック状
拭き取り具。
【請求項５】拭き取り部材が、先窄まりに形成されて
いる請求項１〜４のいずれかに記載のスティック状拭き
取り具。
【請求項６】拭き取り部材の先端を斜めに切断したも
のである請求項５に記載のスティック状拭き取り具。
【請求項７】請求項１〜６のいずれかに記載のスティ
ック状拭き取り具を製造する方法であって、両端に挿入
口を有する弾性発泡体の挿入口に、それぞれ支持棒の取
付け部を挿入した後、弾性発泡体を切断することによ
り、２個のスティック状拭き取り具を１度に製造するこ
とを特徴とするスティック状拭き取り具の製造方法。