JPH0697924B2 - 動物耳札スタツド、動物耳札スタツド／支持桿組合せ - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は動物、特に牛用の耳札の雄部分として使用され
る動物耳札スタッド（止め具）に関する。

動物耳札は通常認識の目的または農薬特にパーメトリ
ン、サイパーメトリンおよびフェンバレレートのような
殺虫剤といったピレトリン類の徐放装置として使用され
る。突出した軸を有するパネルからなり、該軸が円錐形
に形成されたフランジを付けた外側端部を含む頭部を有
する耳札スタッドが備えられることはよく知られてい
る。

カナダ特許第994099号から、弾性材料から形成された突
出した中空軸およびパネルからなるスタッドは知られて
いる。該中空軸は硬質材料の先端を取付けたフランジを
付けた外側端部を含む頭部を有する。

該軸および先端は、スタッドが動物の耳を突き抜けるの
を容易にする尖った末端が形成されるように支持桿が該
軸を貫通して該頂部とかみ合いうるように配置される。
耳札の雌部分は、該軸の頭部の最大断面直径より小さい
直径の孔を有するボスを有する。カナダ特許第994099号
に記載されているスタッドの欠点は、スタッドの先端の
製造が、２種の材料を使用する必要があるという点で、
かなり複雑であるということである。一方の材料はスタ
ッドの主要部分が作られるものであり、そして他方の材
料は軸のフランジを付けた外側端部の先端が作られる硬
質材料例えば硬質プラスチックまたは金属である。カナ
ダ特許第994099号はスタッドに満足な突き通す能力を与
えるには硬質材料の先端が必要であることを教示してい
る。この型のスタッドにおいては、軸の広がった端部
は、先端がスタッドと一体部品となるように、中空軸の
内面の溝へのフランジ取付を必要とする硬質材料の先端
のまわりに成形されねばならない。

出願人はここに、硬質材料の先端を必要とせずそして驚
くべきことにそれでも満足に動物の耳を突き通しうるス
タッドを設計した。更にこのスタッドは一片の弾性材料
から製造することができ、これによって、本発明のスタ
ッドの製造方法は、前記のように２つの別個の片を１つ
に組立てなければならないカナダ特許第994099号に記載
されているスタッドの製造方法よりも複雑でないものと
なる。このスタッドの他の利点は、動物の耳に取付けた
ときに、その尖った端部（末端）の稜が柔らかいので、
動物を刺激しないということである。眞ちゅうまたは他
の硬質材料のインサートを含む先行技術に記載されてい
るスタッドは、尖った端部に硬いまたは鋭い稜を残して
おり、これはその動物自身または互いに接触した時に他
の動物を刺激するであろう。

従って本発明は、パネルおよび突出した中空軸を有する
動物耳札スタッドであって、該中空軸はフランジが付い
た外側端部を含む頭部を有し、該頭部の先端は先の細く
なった端部となっており、該軸および該先端は、尖った
先を有する支持桿が該軸を貫通して該先端と、尖った先
端が形成されるようにかみ合いうるように配置され、該
中空軸および先端を含む該スタッドが弾性材料で作られ
ている前記動物耳札スタッドに関する。

好ましくは該動物耳札スタッドは一片の弾性材料から作
られている。

耳札スタッドを作る弾性材料は好ましくは低密度ポリセ
ン、高密度ポリセン、ポリプロピレン、熱可塑性ポリウ
レタン、熱可塑性ゴム、PCV,ABSおよびナイロン６のよ
うなナイロンからなる群から選ばれる。

最も好ましい弾性材料は低密度ポリエチレンである。

支持桿は好ましくは軸およびパネルを作る材料よりも剛
性の材料で作られるので、支持桿材料は好ましくはアセ
タール、ナイロン６、ナイロン66、ポリカーボネート、
変性ポリフェロールオキサイド、ポリメチルメタクリレ
ート（アクリル）、ポリスチレン、熱可塑性ポリエステ
ル、硬質PVC、ABS、金属および木材からなる材料群から
選ばれる。最も好ましい材料はガラス繊維充填ナイロン
66である。

本発明によるスタッドの性能は、先端外面が先端の基底
から先端の頂部に実質的に延びる１またはそれ以上の稜
を有するように先端外面を形成することにより更に改善
される。

稜は適当には先端の外面上の鋭いリムである。稜はまた
適当には先端の外面内に形成された溝の鋭い縁であるこ
ともできる。溝および／またはリムからなる所望の先端
の断面形は、スタッドの先端の外面上／内に１またはそ
れ以上のリムおよび／または溝を残すように配置された
成形手段を適用することにより得ることができる。

先端上の稜はスタッドが動物の耳を切り進むのを助長
し、それにより突き通す操作の全体の効率を高めると考
えられる。

従って、動物耳札スタッドは好ましくは、先端基底から
先端頂部に実質的に延びる１またはそれ以上の稜を有す
る先端外面を有する。しかしスタッドは硬質材料ではな
く弾性材料で作られるので、稜が鋭くても動物を刺激し
ない。

好ましくは稜の数は少なくとも２である。何故ならばス
タッドの切断性能は稜の数が増えるにつれて向上すると
期待されるからである。

この動物耳札スタッドの有用性を高めるために、スタッ
ドは好ましくは、パネルの裏側に認識板を取付けうるよ
うに成形される。これは耳札の雌部分が徐々に放出され
る農薬で含浸された付け札からなり、雌部分自身は認識
の目的には適しない農薬耳札を動物の耳に付けなければ
ならない場合に特に重要である。

この場合、認識板を耳札に、即ちスタッドパネルの裏に
容易に付けうることは実質的に便利である。

従って本発明は更に、パネルの裏側に認識板が付けられ
る前記のような動物耳札を提供する。

支持桿は好ましくは、例えば小さなパネルまたはディス
クの形のフランジを付けた外側端部を有するように成形
され、該桿はそれがスタッド軸を通ってそれ以上進めな
くなった時に該フランジを付けた外側端部とスタッドパ
ネルの間に或るすき間が残るような長さである。こうす
ることで、動物耳札スタッドをプライヤー（ペンチ）を
用いて動物の耳に取り付ける際に、支持桿のフランジを
付けた外側端部をプライヤーの保持クリップ（これは適
当にはその外側端部から中にのびる開放溝孔を有しそし
て支持桿がそれを丁度通り抜けうる板の形である）のう
しろに押し込むことにより、スタッド−支持桿組合せを
プライヤーの一方のあご部に付けうることを可能にす
る。

好ましくは、該桿のフランジを付けた外側端部とスタッ
ドパネルの裏側との間の最も短い距離は0.5−6mmの範囲
である。

本発明による耳札スタッド／支持桿組合せの主要な利点
は、支持桿をプライヤーの一方のあご部に保持すること
ができ、そして次に耳札を動物の耳に付け終わりそして
プライヤーのあご部を開いた時それを取り除きうるとい
うことである。斯くして本発明は動物の耳への耳札の取
付および続く本耳札スタッドの支持桿の撤去がそれぞれ
プライヤーのあご部の閉じるおよび開く動きと都合よく
一致して起こることを可能にする。本耳札スタッド／支
持桿組合せの他の利点は各支持桿が１回しか使用され
ず、これはもし病菌のある動物からの血が支持桿に付い
ていてこれを未感染の他の物に耳札を付けるのに再使用
した場合には容易に起こりうる或る動物から他の動物へ
の感染の広がりを防ぐということである。

本発明は更に、前記の弾性材料から成る先端を有し、フ
ランジが付いた外側端部を含む頭部を有する突出した中
空軸を有するパネルに成形することからなる動物耳札ス
タッド製造方法を提供する。

斯くして本発明はまた、前記の動物耳札スタッドおよび
支持桿を含み、そして支持桿がフランジを付けた外側端
部を有するように一体成形され、そして該桿はそれがス
タッド軸を通ってそれ以上進めなくなりそしてスタッド
の先端と桿の先が尖った末端を形成した時に該桿のフラ
ンジを付けた外側端部とスタッドパネルの裏側との間に
すき間が存在するような長さである、動物耳札スタッド
／支持桿組合せを提供する。該すき間の大きさはスタッ
ド／支持桿組合せをプライヤーの一方のあご部に保持す
る保持クリップの厚さに依存し、そして適当には0.5−6
mmの範囲である。

本発明を添付図面を参照して更に説明する。

第１〜３図はそれぞれスタッド／支持桿組合せ、スタッ
ドおよび支持桿の断面図であるが、第１図にはスタッド
パネルと支持桿のフランジを付けた外側端部との間のす
き間が明らかに示されている。

第４図はスタッド／支持桿組合せ（2/1）および動物耳
札の雌部分（１）の一部の透視断面図で、支持桿をつけ
たスタッドが動物の耳を通って動物耳札の雌部分中に突
き抜かれる直前の状態を示す。

第５図はスタッド（２）が耳札の雌部分（１）中に突き
抜けて固定された後支持桿（３）がスタッド（２）から
引抜かれた状態を示す。

【図面の簡単な説明】

第１図はスタッド／支持桿組合せの断面図、 第２図はスタッドの断面図、 第３図は支持桿の断面図、 第４図は支持桿を付けたスタッドが耳札の雌部分に突き
通される前のスタッド／支持桿組合せおよび耳札雌部分
の透視断面図、 第５図はスタッドが耳札雌部分に突き通されそして支持
桿がスタッドから引抜かれた後のスタッドと耳札雌部分
および支持桿の透視断面図である。 １……耳札雌部分、２……スタッド、３……支持桿。

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭55−34084（ＪＰ，Ａ) 特公 昭54−13395（ＪＰ，Ｂ２)

Claims (8)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】パネルおよび突出した中空軸を有する動物
   耳札スタッドであって、該中空軸はフランジが付いた外
   側端部を含む頭部を有し、該頭部の先頭は先の細くなっ
   た端部となっており、該軸および該先端は尖った先を有
   する支持桿が該軸を貫通して該先端と、尖った末端が形
   成されるようにかみ合いうるように配置され、該中空軸
   および先端を含む該スタッドが弾性材料で作られている
   前記動物耳札スタッド。
2. 【請求項２】スタッドが一片の弾性材料から作られてい
   る特許請求の範囲第１項記載の動物耳札スタッド。
3. 【請求項３】材料が低密度ポリセン、高密度ポリセン、
   ポリプロピレン、熱可塑性ポリウレタン、熱可塑性ゴ
   ム、PVC、ABSおよびナイロン６のようなナイロンからな
   る群から選ばれる特許請求の範囲第２項記載の動物耳札
   スタッド。
4. 【請求項４】材料が低密度ポリエチレンである特許請求
   の範囲第３項記載の動物耳札スタッド。
5. 【請求項５】パネルおよび突出した中空軸を有する動物
   耳札スタッドであって、該中空軸はフランジが付いた外
   側端部を含む頭部を有し、該頭部の先端は先の細くなっ
   た端部となっており、該軸および該先端は尖った先を有
   する支持桿が該軸を貫通して該先端と、尖った末端が形
   成されるようにかみ合いうるように配置され、該中空軸
   および先端を含む該スタッドが弾性材料で作られている
   前記動物耳札スタッドおよび尖った先を有する支持桿を
   含む動物耳札スタッド／支持桿組合せであって、支持桿
   がフランジが付いた外側端部と一体に成形され、そして
   該桿はそれがスタッド軸を通ってそれ以上進めなくなり
   そしてスタッドの先端と桿の先が尖った末端を形成した
   時に該桿のフランジを付けた外側端部とスタッドパネル
   の裏側との間にすき間が存在するような長さである前記
   動物耳札スタッド／支持桿組合せ。
6. 【請求項６】支持桿がアセタール、ナイロン６、ナイロ
   ン66、ポリカーボネート、変性ポリフェロールオキサイ
   ド、ポリメチルメタクリレート（アクリル）、ポリスチ
   レン、熱可塑性ポリエステル、硬質PVC,ABS、金属およ
   び木材からなる群から選ばれた材料から作られている特
   許請求の範囲第５項記載の動物耳札スタッド／支持桿組
   合せ。
7. 【請求項７】支持桿がガラス繊維充填ナイロン66から作
   られている特許請求の範囲第６項記載の動物耳札スタッ
   ド／支持桿組合せ。
8. 【請求項８】低密度ポリセン、高密度ポリセン、ポリプ
   ロピレン、熱可塑性ポリウレタン、熱可塑性ゴム、PVC,
   ABSおよびナイロン６のようなナイロンからなる群から
   選ばれる弾性材料を、先端を有し、フランジが付いた外
   側端部を含む頭部を有する突出した中空軸を有するパネ
   ルに成形することからなる、パネルおよび突出した中空
   軸を有する動物耳札スタッドであって、該中空軸はフラ
   ンジが付いた外側端部を含む頭部を有し、該頭部の先端
   は先の細くなった端部となっており、該軸および該先端
   は尖った先を有する支持桿が該軸を貫通して該先端と、
   尖った末端が形成されるようにかみ合いうるように配置
   され、該中空軸および先端を含む該スタッドが弾性材料
   で作られている前記動物耳札スタッドの製造方法。