JPH11290155A - 椅子用座部起立装置 - Google Patents

椅子用座部起立装置

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JPH11290155A
JPH11290155A JP10257298A JP10257298A JPH11290155A JP H11290155 A JPH11290155 A JP H11290155A JP 10257298 A JP10257298 A JP 10257298A JP 10257298 A JP10257298 A JP 10257298A JP H11290155 A JPH11290155 A JP H11290155A
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seat
support shaft
spring
seat support
frame
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Ryokichi Yamazaki
良吉 山▲崎▼
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Kotobuki and Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 一種類の捩じりスプリングのみで、種々の椅
子に捩じりスプリングの弾性力の大きさを適切に対応さ
せ得るようにすることにある。 【解決手段】 椅子の座部の枠体1の左右部分を回動可
能に支持して座部を概略水平な着座位置と概略垂直な起
立位置との間で回動可能ならしめるとともに、椅子の支
柱の軸受け部に嵌合されるべく端部に軸線に沿って形成
された嵌合部とその嵌合部に対し所定の周方向位置にて
中間部に軸線に沿って形成された掛合部とを形成する二
つの互いに平行な平面部5aを全長に渡って有する座部支
持軸5と、その座部支持軸5を挿通されてその中間部の
掛合部と掛合することにより座部支持軸5の端部の嵌合
部に対し所定の周方向位置に位置決めされるとともに周
方向の複数箇所にスプリング掛止孔14a を有するスプリ
ング掛けブロック14と、座部支持軸5を挿通され、一端
部9aを枠体1に掛止されるとともに他端部9bをスプリン
グ掛けブロック14の複数箇所のスプリング掛止孔14a の
何れかに選択式に掛止されたコイルスプリング9と、を
具えてなるものである。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、椅子の座部を着
座者の離席時に着座位置から起立させる椅子用座部起立
装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】この種の装置としては従来、本願出願人
により製造および販売されている劇場やホール等の公共
施設用椅子の、図7に平面図にて示す如き座部に組み込
まれたものが知られており、ここにおける座部は、フラ
ンジ状の内向き折曲部を上下端部に有する、座部フレー
ムとしての鋼板製の枠体1と、その枠体1の左右側面に
それぞれ溶接固定された鋼板製のクッションスプリング
掛け板2と、それらのクッションスプリング掛け板2の
上端突出部間に左右方向に掛け渡された複数本の波形の
クッションスプリング3と、図では仮想線で示す、上面
を座面の形に形成されて前記複数本のクッションスプリ
ング3上に載置されたウレタン製の内挿材4と、それら
枠体1、クッションスプリング掛け板2、クッションス
プリング3および内挿材4を覆うようにそれらの上から
被せられて枠体1の下端部の折曲部に端部を取り外し可
能に固定された図示しない外装材と、を具えてなる。な
お、図7では上方が座部前方に相当する。
【0003】そして上記従来の座部起立装置は、上記座
部の枠体1を左右方向に貫通する座部支持軸5と、枠体
1の左右側面から後面にかけてそれぞれボルトで固定さ
れるとともに、各々その枠体1の内側へ突出する筒状部
6aを形成され、座部支持軸5の両端部をその筒状部6a内
にそれぞれ挿通された軸受け金具6と、それらの軸受け
金具6の筒状部6a内にそれぞれ嵌挿されて座部支持軸6
を回動自在に支持するブッシュ7と、各軸受け金具6に
溶接固定されて座部の左右方向へ突出する座部掛止腕8
と、を具えており、これにより従来の座部起立装置は、
その座部支持軸5の両端部が、当該椅子の、座部の左右
側方に立設された図示しない支柱にそれぞれ固定支持さ
れることで、枠体1の左右部分を回動可能に支持して、
座部を概略水平な着座位置と概略垂直な起立位置との間
で回動可能ならしめ、また着座位置に座部が回動した時
に、その座部掛止腕8が上記支柱と掛合することで、座
部をその着座位置に掛止する。
【0004】さらに上記従来の座部起立装置は、上記座
部の枠体1の内側に配置されて座部支持軸5を挿通され
るとともに、一端部9aを枠体1の内側に突出する軸受け
金具6の固定用ボルトに掛止されたコイルスプリング9
と、そのコイルスプリング9と座部支持軸5との間に介
挿されてコイルスプリング9と座部支持軸5との当接に
よる異音の発生を防止する樹脂製のガイドスリーブ10
と、座部支持軸5の中間部に溶接固定されてコイルスプ
リング9の他端部9bを座部支持軸5に掛止するスプリン
グ掛け金具11と、座部支持軸5の端部付近に溶接固定さ
れて座部支持軸5の軸線方向の位置ずれを防止するずれ
止め金具12と、を具えており、これにより従来の座部起
立装置は、そのコイルスプリング9が、上記のようにボ
ルトを介して一端部9aを枠体1に掛止されるとともにス
プリング掛け金具11を介して他端部9bを座部支持軸5に
掛止されて捩じりスプリングとして機能することで、着
座者の離席の際に座部を自動的に上記着座位置から上記
起立位置へ向けて回動させて起立させる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上記従来の
座部起立装置にあっては、着座者の着座の際に上記起立
位置から上記着座位置まで座部を回動させた時のコイル
スプリング9の捩じり変形によってそこに蓄積される弾
性力により座部支持軸5が上記支柱に対して回動してし
まってその弾性力が失われてしまうのを防止するため、
座部支持軸5の両端部にそれぞれその軸線に沿って嵌合
部としての互いに平行な二つの平面部5aが形成され、そ
れらの平面部5aが所定の周方向位置で上記支柱の軸受け
部に嵌め合わされて座部支持軸5が固定されるととも
に、それらの平面部5aに対し所定の周方向位置にて上記
スプリング掛け金具11が座部支持軸5に溶接固定されて
おり、それゆえ、上記起立位置から上記着座位置まで座
部を回動させた時のコイルスプリング9の弾性力の大き
さが構造的に一義的に定まってしまうので、種々の椅子
における座部の重さや座部に対する座部支持軸5の配置
(座部後端からの距離)の相違等にコイルスプリング9
の弾性力の大きさを適切に対応させるためには、弾性係
数の異なるコイルスプリング9を多数種類準備しておく
必要があり、コイルスプリング9の在庫が嵩んでしまう
という問題があった。
【0006】
【課題を解決するための手段およびその作用・効果】こ
の発明は、上記課題を有利に解決した座部起立装置を提
供することを目的とするものであり、この発明の椅子用
座部起立装置は、椅子の座部フレームの左右部分を回動
可能に支持して座部を概略水平な着座位置と概略垂直な
起立位置との間で回動可能ならしめるとともに、椅子の
支柱の軸受け部に嵌め合わされるべく端部に軸線に沿っ
て形成された嵌合部および、その嵌合部に対し所定の周
方向位置にて中間部に軸線に沿って形成された掛合部を
有する座部支持軸と、前記座部支持軸を挿通されてその
中間部の前記掛合部と掛合することにより前記座部支持
軸の端部の嵌合部に対し所定の周方向位置に位置決めさ
れるとともに周方向の複数箇所にスプリング掛け部を有
するスプリング掛け部材と、前記座部支持軸を挿通さ
れ、一端部を前記座部フレームに掛止されるとともに他
端部を前記スプリング掛け部材の前記複数箇所のスプリ
ング掛け部の何れかに選択式に掛止された捩じりスプリ
ングと、を具えてなるものである。
【0007】かかる座部起立装置にあっては、座部支持
軸が、椅子の座部フレームの左右部分を回動可能に支持
して座部を概略水平な着座位置と概略垂直な起立位置と
の間で回動可能ならしめ、その座部支持軸が、椅子の支
柱の軸受け部に嵌め合わされるべく端部に軸線に沿って
形成された嵌合部により前記支柱に対して所定の周方向
位置に位置決めされ、また座部支持軸を挿通されたスプ
リング掛け部材が、その座部支持軸の嵌合部に対し所定
の周方向位置にて中間部に軸線に沿って形成された掛合
部と掛合することにより座部支持軸の端部の嵌合部に対
し所定の周方向位置に位置決めされるとともに、周方向
の複数箇所にスプリング掛け部を有し、そして捩じりス
プリングが、座部支持軸を挿通され、一端部を座部フレ
ームに掛止されるとともに他端部をスプリング掛け部材
の複数箇所のスプリング掛け部の何れかに選択式に掛止
される。
【0008】従って、この発明の座部起立装置によれ
ば、着座者の着座の際に起立位置から着座位置まで座部
を回動させた時の捩じりスプリングの捩じり変形によっ
てそこに蓄積される弾性力により、着座者の離席の際に
座部を自動的に着座位置から起立位置へ向けて回動させ
て起立させることができ、しかも、座部支持軸の端部の
嵌合部に対し所定の周方向位置に位置決めされるスプリ
ング掛け部材が複数箇所のスプリング掛け部を有してい
るので、捩じりスプリングの端部をそのスプリング掛け
部材の周方向複数箇所のスプリング掛け部の何れに掛止
するかを選択することにより、捩じりスプリングの上記
弾性力を適宜変更し得て、一種類の捩じりスプリングの
みで、種々の椅子における座部の重さや座部に対する座
部支持軸の配置(座部後端からの距離)の相違等に捩じ
りスプリングの弾性力の大きさを適切に対応させること
ができ、ひいては、弾性係数の異なる捩じりスプリング
を多数種類準備しておく必要を無くして、捩じりスプリ
ングの在庫を大幅に削減することができる。
【0009】なお、この発明においては、前記スプリン
グ掛け部材は、前記座部支持軸の前記掛合部と掛合する
ことにより前記座部支持軸の端部の嵌合部に対し所定
の、かつ互いに180°異なる二カ所の周方向位置の何
れかに選択的に位置決めされるとともに、周方向に互い
に等間隔の奇数箇所に前記スプリング掛け部を有するも
のであっても良く、このようにすれば、スプリング掛け
部材の周方向位置を前記二カ所のうちの一方から他方へ
変えることで、全てのスプリング掛け部の周方向位置を
スプリング掛け部の周方向間隔の半分だけずらすことが
できるので、スプリング掛け部材が有するスプリング掛
け部の数の二倍のスプリング掛け位置を選択し得て、弾
性力の微調整を容易に行うことができる。
【0010】また、この発明においては、前記座部支持
軸が、その軸線方向に沿って全体的に、互いに平行な二
カ所の平面部を形成されていて、それらの平面部がその
座部支持軸の端部にて前記嵌合部を形成するとともにそ
の座部支持軸の中間部にて前記掛合部を形成しており、
前記座部支持軸の端部付近に、前記座部フレームに対す
るその座部支持軸の軸線方向の位置ずれを規制するずれ
止め部材がネジ止めされていても良く、このようにすれ
ば、スプリング掛け部材を掛合させる掛合部を座部支持
軸上の任意の位置に設定し得るとともにずれ止め部材を
座部支持軸上の任意の位置に設け得るので、種々の椅子
における座部の幅の相違に応じて一種類かつ長尺の座部
支持軸素材を切断するのみで、それらの座部に適切に対
応する座部支持軸を得ることができ、それゆえ座部支持
軸の在庫をも大幅に削減することができる。
【0011】さらにこの発明においては、前記座部支持
軸の端部付近に設けられて前記座部フレームに対するそ
の座部支持軸の回動を制動するダンパーをさらに具えて
いても良く、このようにすれば、そのダンパーで座部の
起立動作をゆっくりとしたものとし得て、椅子の質感を
より向上させるとともに、椅子が設置された施設内の静
粛性を高めることができる。なお、この発明によれば、
捩じりスプリングの弾性力を適宜変更し得るので、その
ダンパーとして、座部の起立動作時のみ締結されるワン
ウエイクラッチを持たない、両方向制動形のダンパーを
支障なく使用し得て、ダンパーのコストも低く抑えるこ
とができる。なお、前記ダンパーが前記座部支持軸にネ
ジ止めされるものであれば、そのダンパーを前記ずれ止
め部材として用いても良い。
【0012】
【発明の実施の形態】以下に、この発明の実施の形態を
実施例によって、図面に基づき詳細に説明する。ここ
に、図1(a)は、この発明の座部起立装置の一実施例
を具える、劇場やホール等の公共施設用椅子の座部を示
す、同図(b)中のA−A線に沿う断面図、また同図
(b)は、その座部を示す側面図、図2(a)および
(b)は、その実施例の座部起立装置におけるダンパー
の配置状態を示す、図1(b)中のB−B線およびC−
C線にそれぞれ沿う断面図、そして図3は、その実施例
の座部起立装置の構成を示す分解斜視図であり、図中、
図7に示す従来例と同様の部分はそれと同一の符号にて
示す。
【0013】ここにおける座部は、図1(a)および
(b)に示すように、前記従来例の装置が組み込まれた
ものと同様、フランジ状の内向き折曲部を上下端部に有
する、座部フレームとしての鋼板製の枠体1と、その枠
体1の左右側面にそれぞれ溶接固定された鋼板製のクッ
ションスプリング掛け板2と、それらのクッションスプ
リング掛け板2の上端突出部間に左右方向に掛け渡され
た複数本の波形のクッションスプリング3と、図では仮
想線で示す、上面を座面の形に形成されて前記複数本の
クッションスプリング3上に載置されたウレタン製の内
挿材4と、それら枠体1、クッションスプリング掛け板
2、クッションスプリング3および内挿材4を覆うよう
にそれらの上から被せられた図示しない外装材と、を具
えており、それに加えて、枠体1の下端部の折曲部に下
方から固定されて上記外装材の端部をその枠体1の折曲
部との間に挟持する裏蓋13をさらに具えてなる。なお、
図1では上方が座部前方に相当する。
【0014】そしてこの実施例の座部起立装置は、前記
従来例の装置と同様、上記座部の枠体1を左右方向に貫
通する座部支持軸5と、枠体1の左右側面にそれぞれボ
ルトで固定されるとともに、各々その枠体1の内側へ突
出する筒状部6aを一体的に形成され、座部支持軸5の両
端部をその筒状部6a内にそれぞれ挿通された軸受け金具
6と、それらの軸受け金具6の筒状部6a内にそれぞれ嵌
挿されて座部支持軸6を回動自在に支持するブッシュ7
と、各軸受け金具6に溶接固定されて座部の左右方向へ
突出する座部掛止腕8と、を具えており、これによりこ
の実施例の座部起立装置は、その座部支持軸5の両端部
が、当該椅子の、座部の左右側方に立設された図示しな
い支柱にそれぞれ固定支持されることで、枠体1の左右
部分を回動可能に支持して、座部を概略水平な着座位置
と概略垂直な起立位置との間で回動可能ならしめ、また
着座位置に座部が回動した時に、その座部掛止腕8が上
記支柱と掛合することで、座部をその着座位置に掛止す
る。
【0015】但し、ここにおける座部支持軸5には、図
3に示すように、パイプ材をローラー圧延等により圧縮
変形させることにて、その軸線に沿って座部支持軸5の
全長に渡り延在する互いに平行な二つの平面部5aが形成
されており、それら二つの平面部5aはここでは、座部支
持軸5の両端部において椅子の支柱の軸受け部に嵌め合
わされる嵌合部となるとともに、座部支持軸5の中間部
において後述の如く掛合部となる。
【0016】さらに、この実施例の座部起立装置は、上
記座部の枠体1の内側に配置されて座部支持軸5を挿通
されるとともに、一端部9aを枠体1の内側に突出する軸
受け金具6の固定用ボルトに掛止されたコイルスプリン
グ9と、そのコイルスプリング9と座部支持軸5との間
に介挿されてコイルスプリング9と座部支持軸5との当
接による異音の発生を防止する樹脂製のガイドスリーブ
10と、を具えるとともに、前記従来例の装置と異なり、
座部支持軸5の中間部にネジ止めされてコイルスプリン
グ9の他端部9bを座部支持軸5に掛止する高強度の樹脂
製のスプリング掛けブロック14を具えており、ここにお
けるスプリング掛けブロック14は、図4(a)〜(f)
に示すように、軸線方向の一端部に裁頭円錐状の面取部
14a を形成された大径部14b と、その大径部14b の他端
から突出する小径部14c とを有するとともに、座部支持
軸5を挿通されるべくそれら大径部14b および小径部14
cを軸線方向に貫通する中心孔14d を有して、概略円筒
状をなしている。
【0017】ここで、大径部14b の内部には、その上記
他端部に開口して上記コイルスプリング9の端部9bを挿
入掛止し得るスプリング掛止孔14e が十五本、周方向に
24°ピッチで等間隔に位置してその大径部14b の軸線と
平行に延在するように形成され、また大径部14b の面取
部14a には、それらのスプリング掛止孔14e の各々に対
応して図示の如く0から14まで孔番号が刻印されてお
り、さらに大径部14b の外周面には、上記各番号刻印に
対応するスプリング掛止孔14e を判別し易いように突条
14f が形成されるとともに、スプリング掛けブロック14
の周方向の何れの部分が座部の下方に向いているかを容
易に判別し得るように、互いに対抗する位置に図示の如
くAおよびBの文字が刻印されている。また、大径部14
b には、上記中心孔14d の内方へ止めネジ15を突出させ
てこのスプリング掛けブロック14を座部支持軸5上の軸
線方向の任意の位置にネジ止めするためのネジ孔14g が
形成されている。
【0018】また図4(e),(f)に示すように、こ
こにおけるスプリング掛けブロック14の中心孔14d の内
周面には、座部支持軸5の軸線方向の中間部にてその座
部支持軸5の掛合部としての二つの平面部5aと密接して
周方向の回動に関し座部支持軸5と掛合することにより
このスプリング掛けブロック14を座部支持軸5と一体に
回動させる平面部14h が形成されており、その一方、小
径部14c の端部には、ガイドスリーブ10の端部に形成さ
れた切欠部10a と嵌合し、ガイドスリーブ10をスプリン
グ掛けブロック14と一体に回動させてコイルスプリング
9とガイドスリーブ10との摺接による異音の発生を防止
する凸部14i が形成されている。
【0019】加えて、この実施例の座部起立装置は、座
部支持軸5の端部付近に止めネジ15によってネジ止めさ
れて座部に対する座部支持軸5の軸線方向の位置ずれを
防止する樹脂製のずれ止めブロック16と、そのずれ止め
ブロック16と上記軸受け金具6の筒状部6aとの間に配置
されるとともに図2に示すように外筒部17a および内筒
部17b を有する既知のロータリーダンパー17と、枠体1
の内側に突出する軸受け金具6の固定用ボルトによって
枠体1に固定されてロータリーダンパー17の外筒部17a
の平坦な側面と密接することでその外筒部17a を枠体1
に対し回り止めする回り止めブロック18とを具えてお
り、ここにおけるロータリーダンパー17の内筒部17b
は、座部支持軸5を挿通されて、スプリング掛けブロッ
ク14の中心孔14d と同様に座部支持軸5の二つの平面部
5aと密接して周方向の回動に関し座部支持軸5と掛合す
ることにより当該内筒部17b を座部支持軸5と一体に回
動させる中心孔を有し、その一方、外筒部17a は、上記
のように回り止めブロック18により枠体1に対し回り止
めされている。そして、それら外筒部17a と内筒部17b
との間の円筒状の僅かな隙間には粘性材料が詰められて
おり、この粘性材料が外筒部17a の内周面と内筒部17b
の外周面とに粘着してそれらの相対回動を制動すること
で、ここにおけるロータリーダンパー17は、何れの回動
方向についても制動機能を有している。
【0020】かかる構成を具えるこの実施例の座部起立
装置にあっては、上記のように座部支持軸5が、椅子の
座部の枠体1の左右部分を回動可能に支持して座部を概
略水平な着座位置と概略垂直な起立位置との間で回動可
能ならしめ、その座部支持軸5が、椅子の支柱の軸受け
部に嵌め合わされた嵌合部としての二つの平面部5aの軸
線方向端部により上記支柱に対して所定の周方向位置に
位置決めされ、また座部支持軸5を挿通されたスプリン
グ掛けブロック14が、その座部支持軸5の掛合部として
の、二つの平面部5aの軸線方向中間部と掛合することに
より、座部支持軸5のその平面部5aの端部に対し所定の
周方向位置に位置決めされるとともに、周方向の十五箇
所にスプリング掛止孔14e を有し、そして捩じりスプリ
ングとしてのコイルスプリング9が、座部支持軸5を挿
通され、一端部9aを枠体1の内側に突出する軸受け金具
6の固定用ボルトに掛止されるとともに他端部9bをスプ
リング掛けブロック14の十五箇所のスプリング掛止孔14
e の何れかに選択式に掛止されている。
【0021】従って、この実施例の座部起立装置によれ
ば、着座者の着座の際に起立位置から着座位置まで座部
を回動させた時のコイルスプリング9の捩じり変形によ
ってそこに蓄積される弾性力により、着座者の離席の際
に座部を自動的に着座位置から起立位置へ向けて回動さ
せて起立させることができ、しかも、座部支持軸5の端
部の二つの平面部5aに対し所定の周方向位置に位置決め
されるスプリング掛けブロック14が十五箇所のスプリン
グ掛止孔14e を有しているので、コイルスプリング9の
端部9bをそのスプリング掛けブロック14の周方向十五箇
所のスプリング掛止孔14e の何れに掛止するかを選択す
ることにより、コイルスプリング9の上記弾性力を適宜
変更し得て、一種類のコイルスプリング9のみで、種々
の椅子における座部の重さや座部に対する座部支持軸5
の配置(座部後端からの距離)の相違等にコイルスプリ
ング9の弾性力の大きさを適切に対応させることがで
き、ひいては、弾性係数の異なるコイルスプリング9を
多数種類準備しておく必要を無くして、コイルスプリン
グ9の在庫を大幅に削減することができる。
【0022】さらに、この実施例の座部起立装置によれ
ば、スプリング掛けブロック14は、座部支持軸5の二つ
の平面部5aの中間部と掛合することによりその座部支持
軸5の二つの平面部5aの端部に対し所定の、かつ互いに
180°異なる二カ所の周方向位置の何れかに選択的に
位置決めされるとともに、周方向に互いに等間隔の奇数
箇所である十五箇所にスプリング掛止孔14e を有してい
ることから、スプリング掛けブロック14の周方向位置を
上記二カ所のうちの一方から他方へ変えることで、全て
のスプリング掛止孔14e の周方向位置をスプリング掛止
孔14e の周方向間隔である24°の半分の12°だけずらす
ことができるので、スプリング掛けブロック14が有する
スプリング掛止孔14e の数の二倍のスプリング掛け位置
を選択し得て、弾性力の微調整を容易に行うことができ
る。
【0023】また、この実施例の座部起立装置によれ
ば、座部支持軸5に金具が一切溶接されていず、座部支
持軸5が、その軸線方向に沿って全体的に、互いに対抗
する二カ所の平面部5aを形成されていて、それらの平面
部5aが、その座部支持軸5の端部にて、支柱の軸受け部
と嵌合する嵌合部を形成するとともに、その座部支持軸
5の中間部にて、スプリング掛けブロック14と掛合する
掛合部を形成しており、また座部支持軸5の端部付近
に、枠体1に対するその座部支持軸5の軸線方向の位置
ずれを規制するずれ止めブロック16がネジ止めされてい
ることから、スプリング掛けブロック14を掛合させる掛
合部を座部支持軸5上の任意の位置に設定し得るととも
に、ずれ止めブロック16を座部支持軸5上の任意の位置
に設け得るので、種々の椅子における座部の幅の相違に
応じて一種類かつ長尺の座部支持軸素材を切断するのみ
で、それらの座部に適切に対応する座部支持軸5を得る
ことができ、それゆえ座部支持軸5の在庫をも大幅に削
減することができる。
【0024】そして、この実施例の座部起立装置によれ
ば、座部支持軸5の端部付近に設けられて枠体1に対す
るその座部支持軸5の回動を制動するロータリーダンパ
ー17をさらに具えているので、そのロータリーダンパー
17で座部の起立動作をゆっくりとしたもの(緩起立)と
し得て、椅子の質感をより向上させるとともに、椅子が
設置された公共施設内の静粛性を高めることができる。
しかもこの実施例の座部起立装置によれば、コイルスプ
リング9の弾性力を上述の如くして適宜変更し得ること
から、そのロータリーダンパー17として上記のように、
座部の起立動作時のみ締結されるワンウエイクラッチを
持たない両方向制動形のダンパーを支障なく使用し得
て、ロータリーダンパー17のコストも低く抑えることが
できる。
【0025】図5は、この発明の椅子用座部起立装置の
他の一実施例を示す、図1(a)と同様の位置での断面
図、また図6は、その実施例の座部起立装置の構成を示
す分解斜視図であり、図中、先の実施例と同様の部分は
それと同一の符号にて示す。これらの図から明らかなよ
うに、この実施例の座部起立装置は、先の実施例におけ
るロータリーダンパー17を省略し、ずれ止めブロック16
を座部の枠体1に隣接させて座部支持軸5上にネジ止め
したものである。
【0026】かかる構成を具えるこの実施例の座部起立
装置によっても、ロータリーダンパー17による緩起立の
作用効果を除いて、先の実施例と同様の作用効果をもた
らすことができる。
【0027】以上、図示例に基づき説明したが、この発
明は上述の例に限定されるものでなく、例えば、椅子の
座部フレームが上記枠体1の如き枠状のものでなく平板
状のものであって、前記座部支持軸が、その平板状の座
部フレームの左右端部を支持していても良く、また前記
座部支持軸は中実棒材からなるものでも良く、その場合
に、前記嵌合部がその座部支持軸の端部に形成されると
ともにその嵌合部と別個に前記掛合部が前記座部支持軸
の中間部に形成されても良い。そして前記ダンパーとし
て、往復動するピストンを具えるオイルダンパーがリン
ク機構と組み合わせて用いられても良く、また所要に応
じ、前記ダンパーがワンウエイクラッチを内蔵していて
も良い。さらに、例えば先の実施例におけるロータリー
ダンパー17として、座部支持軸5にネジ止めされるもの
を用いても良く、かかる場合にはそのロータリーダンパ
ー17自体をずれ止め部材として用いて、ずれ止めブロッ
ク16を省略しても良い。
【図面の簡単な説明】
【図1】(a)は、この発明の座部起立装置の一実施例
を具える公共施設用椅子の座部を示す、(b)中のA−
A線に沿う断面図、また(b)は、その座部を示す側面
図である。
【図2】(a)および(b)は、上記実施例の座部起立
装置におけるロータリーダンパーの配置状態を示す、図
1(b)中のB−B線およびC−C線にそれぞれ沿う断
面図である。
【図3】上記実施例の座部起立装置の構成を示す分解斜
視図である。
【図4】(a)および(c)は、上記実施例の座部起立
装置のスプリング掛けブロックを示す左右側面図、また
(b)および(d)は、そのスプリング掛けブロックを
示す正面図および背面図、そして(e)および(f)
は、そのスプリング掛けブロックを示す、(a)中のD
−D線および(b)中のE−E線にそれぞれ沿う断面図
である。
【図5】この発明の座部起立装置の他の一実施例を具え
る公共施設用椅子の座部を示す断面図である。
【図6】上記実施例の座部起立装置の構成を示す分解斜
視図である。
【図7】従来の座部起立装置を具える公共施設用椅子の
座部を示す平面図である。
【符号の説明】
1 枠体 5 座部支持軸 5a 平面部 9 コイルスプリング 14 スプリング掛けブロック 14a スプリング掛止孔 16 ずれ止めブロック 17 ロータリーダンパー
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成11年3月2日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正内容】
【書類名】 明細書
【発明の名称】 椅子用座部起立装置
【特許請求の範囲】
【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、椅子の座部を着
座者の離席時に着座位置から起立させる椅子用座部起立
装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】この種の装置としては従来、本願出願人
により製造および販売されている劇場やホール等の公共
施設用椅子の、図7に平面図にて示す如き座部に組み込
まれたものが知られており、ここにおける座部は、フラ
ンジ状の内向き折曲部を上下端部に有する、座部フレー
ムとしての鋼板製の枠体1と、その枠体1の左右側面に
それぞれ溶接固定された鋼板製のクッションスプリング
掛け板2と、それらのクッションスプリング掛け板2の
上端突出部間に左右方向に掛け渡された複数本の波形の
クッションスプリング3と、図では仮想線で示す、上面
を座面の形に形成されて前記複数本のクッションスプリ
ング3上に載置されたウレタン製の内挿材4と、それら
枠体1、クッションスプリング掛け板2、クッションス
プリング3および内挿材4を覆うようにそれらの上から
被せられて枠体1の下端部の折曲部に端部を取り外し可
能に固定された図示しない外装材と、を具えてなる。な
お、図7では上方が座部前方に相当する。
【0003】そして上記従来の座部起立装置は、上記座
部の枠体1を左右方向に貫通する座部支持軸5と、枠体
1の左右側面から後面にかけてそれぞれボルトで固定さ
れるとともに、各々その枠体1の内側へ突出する筒状部
6aを形成され、座部支持軸5の両端部をその筒状部6a内
にそれぞれ挿通された軸受け金具6と、それらの軸受け
金具6の筒状部6a内にそれぞれ嵌挿されて座部支持軸6
を回動自在に支持するブッシュ7と、各軸受け金具6に
溶接固定されて座部の左右方向へ突出する座部掛止腕8
と、を具えており、これにより従来の座部起立装置は、
その座部支持軸5の両端部が、当該椅子の、座部の左右
側方に立設された図示しない支柱にそれぞれ固定支持さ
れることで、枠体1の左右部分を回動可能に支持して、
座部を概略水平な着座位置と概略垂直な起立位置との間
で回動可能ならしめ、また着座位置に座部が回動した時
に、その座部掛止腕8が上記支柱と掛合することで、座
部をその着座位置に掛止する。
【0004】さらに上記従来の座部起立装置は、上記座
部の枠体1の内側に配置されて座部支持軸5を挿通され
るとともに、一端部9aを枠体1の内側に突出する軸受け
金具6の固定用ボルトに掛止されたコイルスプリング9
と、そのコイルスプリング9と座部支持軸5との間に介
挿されてコイルスプリング9と座部支持軸5との当接に
よる異音の発生を防止する樹脂製のガイドスリーブ10
と、座部支持軸5の中間部に溶接固定されてコイルスプ
リング9の他端部9bを座部支持軸5に掛止するスプリン
グ掛け金具11と、座部支持軸5の端部付近に溶接固定さ
れて座部支持軸5の軸線方向の位置ずれを防止するずれ
止め金具12と、を具えており、これにより従来の座部起
立装置は、そのコイルスプリング9が、上記のようにボ
ルトを介して一端部9aを枠体1に掛止されるとともにス
プリング掛け金具11を介して他端部9bを座部支持軸5に
掛止されて捩じりスプリングとして機能することで、着
座者の離席の際に座部を自動的に上記着座位置から上記
起立位置へ向けて回動させて起立させる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上記従来の
座部起立装置にあっては、着座者の着座の際に上記起立
位置から上記着座位置まで座部を回動させた時のコイル
スプリング9の捩じり変形によってそこに蓄積される弾
性力により座部支持軸5が上記支柱に対して回動してし
まってその弾性力が失われてしまうのを防止するため、
座部支持軸5の両端部にそれぞれその軸線に沿って嵌合
部としての互いに平行な二つの平面部5aが形成され、そ
れらの平面部5aが所定の周方向位置で上記支柱の軸受け
部に嵌め合わされて座部支持軸5が固定されるととも
に、それらの平面部5aに対し所定の周方向位置にて上記
スプリング掛け金具11が座部支持軸5に溶接固定されて
おり、それゆえ、上記起立位置から上記着座位置まで座
部を回動させた時のコイルスプリング9の弾性力の大き
さが構造的に一義的に定まってしまうので、種々の椅子
における座部の重さや座部に対する座部支持軸5の配置
(座部後端からの距離)の相違等にコイルスプリング9
の弾性力の大きさを適切に対応させるためには、弾性係
数の異なるコイルスプリング9を多数種類準備しておく
必要があり、コイルスプリング9の在庫が嵩んでしまう
という問題があった。
【0006】
【課題を解決するための手段およびその作用・効果】こ
の発明は、上記課題を有利に解決した座部起立装置を提
供することを目的とするものであり、この発明の請求項
1記載の椅子用座部起立装置は、椅子の座部フレームの
左右部分を回動可能に支持して座部を概略水平な着座位
置と概略垂直な起立位置との間で回動可能ならしめると
ともに、椅子の支柱の軸受け部に嵌め合わされるべく端
部に軸線に沿って形成された嵌合部および、その嵌合部
に対し所定の周方向位置にて中間部に軸線に沿って形成
された掛合部を有する座部支持軸と、前記座部支持軸を
挿通されてその中間部の前記掛合部と掛合することによ
り前記座部支持軸の端部の嵌合部に対し所定の周方向位
置に位置決めされるとともに周方向の複数箇所にスプリ
ング掛け部を有するスプリング掛け部材と、前記座部支
持軸を挿通され、一端部を前記座部フレームに掛止され
るとともに他端部を前記スプリング掛け部材の前記複数
箇所のスプリング掛け部の何れかに選択式に掛止された
捩じりスプリングと、を具えてなり、前記スプリング掛
け部材が、前記座部支持軸の前記掛合部と掛合すること
により前記座部支持軸の端部の嵌合部に対し所定の、か
つ互いに180°異なる二カ所の周方向位置の何れかに
選択的に位置決めされるとともに、周方向に互いに等間
隔の奇数箇所に前記スプリング掛け部を有することを特
徴とするものである。
【0007】かかる座部起立装置にあっては、座部支持
軸が、椅子の座部フレームの左右部分を回動可能に支持
して座部を概略水平な着座位置と概略垂直な起立位置と
の間で回動可能ならしめ、その座部支持軸が、椅子の支
柱の軸受け部に嵌め合わされるべく端部に軸線に沿って
形成された嵌合部により前記支柱に対して所定の周方向
位置に位置決めされ、また座部支持軸を挿通されたスプ
リング掛け部材が、その座部支持軸の嵌合部に対し所定
の周方向位置にて中間部に軸線に沿って形成された掛合
部と掛合することにより座部支持軸の端部の嵌合部に対
し所定の周方向位置に位置決めされるとともに、周方向
の複数箇所にスプリング掛け部を有し、そして捩じりス
プリングが、座部支持軸を挿通され、一端部を座部フレ
ームに掛止されるとともに他端部をスプリング掛け部材
の複数箇所のスプリング掛け部の何れかに選択式に掛止
される。
【0008】従ってこの座部起立装置によれば、着座者
の着座の際に起立位置から着座位置まで座部を回動させ
た時の捩じりスプリングの捩じり変形によってそこに蓄
積される弾性力により、着座者の離席の際に座部を自動
的に着座位置から起立位置へ向けて回動させて起立させ
ることができ、しかも、座部支持軸の端部の嵌合部に対
し所定の周方向位置に位置決めされるスプリング掛け部
材が複数箇所のスプリング掛け部を有しているので、捩
じりスプリングの端部をそのスプリング掛け部材の周方
向複数箇所のスプリング掛け部の何れに掛止するかを選
択することにより、捩じりスプリングの上記弾性力を適
宜変更し得て、一種類の捩じりスプリングのみで、種々
の椅子における座部の重さや座部に対する座部支持軸の
配置(座部後端からの距離)の相違等に捩じりスプリン
グの弾性力の大きさを適切に対応させることができ、ひ
いては、弾性係数の異なる捩じりスプリングを多数種類
準備しておく必要を無くして、捩じりスプリングの在庫
を大幅に削減することができる。
【0009】さらにこの座部起立装置によれば、前記ス
プリング掛け部材が、前記座部支持軸の前記掛合部と掛
合することにより前記座部支持軸の端部の嵌合部に対し
所定の、かつ互いに180°異なる二カ所の周方向位置
の何れかに選択的に位置決めされるとともに、周方向に
互いに等間隔の奇数箇所に前記スプリング掛け部を有す
るものであることから、スプリング掛け部材の周方向位
置を前記二カ所のうちの一方から他方へ変えることで、
全てのスプリング掛け部の周方向位置をスプリング掛け
部の周方向間隔の半分だけずらすことができるので、ス
プリング掛け部材が有するスプリング掛け部の数の二倍
のスプリング掛け位置を選択し得て、弾性力の微調整を
容易に行うことができる。
【0010】また、この発明の請求項2記載の椅子用座
部起立装置は、椅子の座部フレームの左右部分を回動可
能に支持して座部を概略水平な着座位置と概略垂直な起
立位置との間で回動可能ならしめるとともに、椅子の支
柱の軸受け部に嵌め合わされるべく端部に軸線に沿って
形成された嵌合部および、その嵌合部に対し所定の周方
向位置にて中間部に軸線に沿って形成された掛合部を有
する座部支持軸と、前記座部支持軸を挿通されてその中
間部の前記掛合部と掛合することにより前記座部支持軸
の端部の嵌合部に対し所定の周方向位置に位置決めされ
るとともに周方向の複数箇所にスプリング掛け部を有す
るスプリング掛け部材と、前記座部支持軸を挿通され、
一端部を前記座部フレームに掛止されるとともに他端部
を前記スプリング掛け部材の前記複数箇所のスプリング
掛け部の何れかに選択式に掛止された捩じりスプリング
と、を具えてなり、前記座部支持軸が、その軸線方向に
沿って全体的に、互いに平行な二カ所の平面部を形成さ
れていて、それらの平面部がその座部支持軸の端部にて
前記嵌合部を形成するとともにその座部支持軸の中間部
にて前記掛合部を形成しており、前記座部支持軸の端部
付近に、前記座部フレームに対するその座部支持軸の軸
線方向の位置ずれを規制するずれ止め部材がネジ止めさ
れていることを特徴とするものである。
【0011】かかる座部起立装置にあっては、座部支持
軸が、椅子の座部フレームの左右部分を回動可能に支持
して座部を概略水平な着座位置と概略垂直な起立位置と
の間で回動可能ならしめ、その座部支持軸が、椅子の支
柱の軸受け部に嵌め合わされるべく端部に軸線に沿って
形成された嵌合部により前記支柱に対して所定の周方向
位置に位置決めされ、また座部支持軸を挿通されたスプ
リング掛け部材が、その座部支持軸の嵌合部に対し所定
の周方向位置にて中間部に軸線に沿って形成された掛合
部と掛合することにより座部支持軸の端部の嵌合部に対
し所定の周方向位置に位置決めされるとともに、周方向
の複数箇所にスプリング掛け部を有し、そして捩じりス
プリングが、座部支持軸を挿通され、一端部を座部フレ
ームに掛止されるとともに他端部をスプリング掛け部材
の複数箇所のスプリング掛け部の何れかに選択式に掛止
される。
【0012】従ってこの座部起立装置によれば、着座者
の着座の際に起立位置から着座位置まで座部を回動させ
た時の捩じりスプリングの捩じり変形によってそこに蓄
積される弾性力により、着座者の離席の際に座部を自動
的に着座位置から起立位置へ向けて回動させて起立させ
ることができ、しかも、座部支持軸の端部の嵌合部に対
し所定の周方向位置に位置決めされるスプリング掛け部
材が複数箇所のスプリング掛け部を有しているので、捩
じりスプリングの端部をそのスプリング掛け部材の周方
向複数箇所のスプリング掛け部の何れに掛止するかを選
択することにより、捩じりスプリングの上記弾性力を適
宜変更し得て、一種類の捩じりスプリングのみで、種々
の椅子における座部の重さや座部に対する座部支持軸の
配置(座部後端からの距離)の相違等に捩じりスプリン
グの弾性力の大きさを適切に対応させることができ、ひ
いては、弾性係数の異なる捩じりスプリングを多数種類
準備しておく必要を無くして、捩じりスプリングの在庫
を大幅に削減することができる。
【0013】さらにこの座部起立装置によれば、スプリ
ング掛け部材を掛合させる掛合部を座部支持軸上の任意
の位置に設定し得るとともにずれ止め部材を座部支持軸
上の任意の位置に設け得るので、種々の椅子における座
部の幅の相違に応じて一種類かつ長尺の座部支持軸素材
を切断するのみで、それらの座部に適切に対応する座部
支持軸を得ることができ、それゆえ座部支持軸の在庫を
も大幅に削減することができる。
【0014】そして、この発明の請求項3記載の椅子用
座部起立装置は、椅子の座部フレームの左右部分を回動
可能に支持して座部を概略水平な着座位置と概略垂直な
起立位置との間で回動可能ならしめるとともに、椅子の
支柱の軸受け部に嵌め合わされるべく端部に軸線に沿っ
て形成された嵌合部および、その嵌合部に対し所定の周
方向位置にて中間部に軸線に沿って形成された掛合部を
有する座部支持軸と、前記座部支持軸を挿通されてその
中間部の前記掛合部と掛合することにより前記座部支持
軸の端部の嵌合部に対し所定の周方向位置に位置決めさ
れるとともに周方向の複数箇所にスプリング掛け部を有
するスプリング掛け部材と、前記座部支持軸を挿通さ
れ、一端部を前記座部フレームに掛止されるとともに他
端部を前記スプリング掛け部材の前記複数箇所のスプリ
ング掛け部の何れかに選択式に掛止された捩じりスプリ
ングと、を具えてなり、前記スプリング掛け部材が、前
記座部支持軸の前記掛合部と掛合することにより前記座
部支持軸の端部の嵌合部に対し所定の、かつ互いに18
0°異なる二カ所の周方向位置の何れかに選択的に位置
決めされるとともに、周方向に互いに等間隔の奇数箇所
に前記スプリング掛け部を有し、前記座部支持軸が、そ
の軸線方向に沿って全体的に、互いに平行な二カ所の平
面部を形成されていて、それらの平面部がその座部支持
軸の端部にて前記嵌合部を形成するとともにその座部支
持軸の中間部にて前記掛合部を形成しており、前記座部
支持軸の端部付近に、前記座部フレームに対するその座
部支持軸の軸線方向の位置ずれを規制するずれ止め部材
がネジ止めされていることを特徴とするものである。
【0015】かかる座部起立装置によれば、先の請求項
1および請求項2に記載の座部起立装置の作用効果を合
わせてもたらすことができる。
【0016】なお、この発明の請求項1〜請求項3記載
の椅子用座部起立装置の何れも、前記座部支持軸の端部
付近に設けられて前記座部フレームに対するその座部支
持軸の回動を制動するダンパーをさらに具えていても良
く、このようにすれば、そのダンパーで座部の起立動作
をゆっくりとしたものとし得て、椅子の質感をより向上
させるとともに、椅子が設置された施設内の静粛性を高
めることができる。そしてこの発明によれば、捩じりス
プリングの弾性力を適宜変更し得るので、そのダンパー
として、座部の起立動作時のみ締結されるワンウエイク
ラッチを持たない、両方向制動形のダンパーを支障なく
使用し得て、ダンパーのコストも低く抑えることができ
る。ここで、前記ダンパーが前記座部支持軸にネジ止め
されるものである場合には、そのダンパーを前記ずれ止
め部材として用いても良い。
【0017】
【発明の実施の形態】以下に、この発明の実施の形態を
実施例によって、図面に基づき詳細に説明する。ここ
に、図1(a)は、この発明の座部起立装置の一実施例
を具える、劇場やホール等の公共施設用椅子の座部を示
す、同図(b)中のA−A線に沿う断面図、また同図
(b)は、その座部を示す側面図、図2(a)および
(b)は、その実施例の座部起立装置におけるダンパー
の配置状態を示す、図1(b)中のB−B線およびC−
C線にそれぞれ沿う断面図、そして図3は、その実施例
の座部起立装置の構成を示す分解斜視図であり、図中、
図7に示す従来例と同様の部分はそれと同一の符号にて
示す。
【0018】ここにおける座部は、図1(a)および
(b)に示すように、前記従来例の装置が組み込まれた
ものと同様、フランジ状の内向き折曲部を上下端部に有
する、座部フレームとしての鋼板製の枠体1と、その枠
体1の左右側面にそれぞれ溶接固定された鋼板製のクッ
ションスプリング掛け板2と、それらのクッションスプ
リング掛け板2の上端突出部間に左右方向に掛け渡され
た複数本の波形のクッションスプリング3と、図では仮
想線で示す、上面を座面の形に形成されて前記複数本の
クッションスプリング3上に載置されたウレタン製の内
挿材4と、それら枠体1、クッションスプリング掛け板
2、クッションスプリング3および内挿材4を覆うよう
にそれらの上から被せられた図示しない外装材と、を具
えており、それに加えて、枠体1の下端部の折曲部に下
方から固定されて上記外装材の端部をその枠体1の折曲
部との間に挟持する裏蓋13をさらに具えてなる。なお、
図1では上方が座部前方に相当する。
【0019】そしてこの実施例の座部起立装置は、前記
従来例の装置と同様、上記座部の枠体1を左右方向に貫
通する座部支持軸5と、枠体1の左右側面にそれぞれボ
ルトで固定されるとともに、各々その枠体1の内側へ突
出する筒状部6aを一体的に形成され、座部支持軸5の両
端部をその筒状部6a内にそれぞれ挿通された軸受け金具
6と、それらの軸受け金具6の筒状部6a内にそれぞれ嵌
挿されて座部支持軸6を回動自在に支持するブッシュ7
と、各軸受け金具6に溶接固定されて座部の左右方向へ
突出する座部掛止腕8と、を具えており、これによりこ
の実施例の座部起立装置は、その座部支持軸5の両端部
が、当該椅子の、座部の左右側方に立設された図示しな
い支柱にそれぞれ固定支持されることで、枠体1の左右
部分を回動可能に支持して、座部を概略水平な着座位置
と概略垂直な起立位置との間で回動可能ならしめ、また
着座位置に座部が回動した時に、その座部掛止腕8が上
記支柱と掛合することで、座部をその着座位置に掛止す
る。
【0020】但し、ここにおける座部支持軸5には、図
3に示すように、パイプ材をローラー圧延等により圧縮
変形させることにて、その軸線に沿って座部支持軸5の
全長に渡り延在する互いに平行な二つの平面部5aが形成
されており、それら二つの平面部5aはここでは、座部支
持軸5の両端部において椅子の支柱の軸受け部に嵌め合
わされる嵌合部となるとともに、座部支持軸5の中間部
において後述の如く掛合部となる。
【0021】さらに、この実施例の座部起立装置は、上
記座部の枠体1の内側に配置されて座部支持軸5を挿通
されるとともに、一端部9aを枠体1の内側に突出する軸
受け金具6の固定用ボルトに掛止されたコイルスプリン
グ9と、そのコイルスプリング9と座部支持軸5との間
に介挿されてコイルスプリング9と座部支持軸5との当
接による異音の発生を防止する樹脂製のガイドスリーブ
10と、を具えるとともに、前記従来例の装置と異なり、
座部支持軸5の中間部にネジ止めされてコイルスプリン
グ9の他端部9bを座部支持軸5に掛止する高強度の樹脂
製のスプリング掛けブロック14を具えており、ここにお
けるスプリング掛けブロック14は、図4(a)〜(f)
に示すように、軸線方向の一端部に裁頭円錐状の面取部
14a を形成された大径部14b と、その大径部14b の他端
から突出する小径部14c とを有するとともに、座部支持
軸5を挿通されるべくそれら大径部14b および小径部14
cを軸線方向に貫通する中心孔14d を有して、概略円筒
状をなしている。
【0022】ここで、大径部14b の内部には、その上記
他端部に開口して上記コイルスプリング9の端部9bを挿
入掛止し得るスプリング掛止孔14e が十五本、周方向に
24°ピッチで等間隔に位置してその大径部14b の軸線と
平行に延在するように形成され、また大径部14b の面取
部14a には、それらのスプリング掛止孔14e の各々に対
応して図示の如く0から14まで孔番号が刻印されてお
り、さらに大径部14b の外周面には、上記各番号刻印に
対応するスプリング掛止孔14e を判別し易いように突条
14f が形成されるとともに、スプリング掛けブロック14
の周方向の何れの部分が座部の下方に向いているかを容
易に判別し得るように、互いに対抗する位置に図示の如
くAおよびBの文字が刻印されている。また、大径部14
b には、上記中心孔14d の内方へ止めネジ15を突出させ
てこのスプリング掛けブロック14を座部支持軸5上の軸
線方向の任意の位置にネジ止めするためのネジ孔14g が
形成されている。
【0023】また図4(e),(f)に示すように、こ
こにおけるスプリング掛けブロック14の中心孔14d の内
周面には、座部支持軸5の軸線方向の中間部にてその座
部支持軸5の掛合部としての二つの平面部5aと密接して
周方向の回動に関し座部支持軸5と掛合することにより
このスプリング掛けブロック14を座部支持軸5と一体に
回動させる平面部14h が形成されており、その一方、小
径部14c の端部には、ガイドスリーブ10の端部に形成さ
れた切欠部10a と嵌合し、ガイドスリーブ10をスプリン
グ掛けブロック14と一体に回動させてコイルスプリング
9とガイドスリーブ10との摺接による異音の発生を防止
する凸部14i が形成されている。
【0024】加えて、この実施例の座部起立装置は、座
部支持軸5の端部付近に止めネジ15によってネジ止めさ
れて座部に対する座部支持軸5の軸線方向の位置ずれを
防止する樹脂製のずれ止めブロック16と、そのずれ止め
ブロック16と上記軸受け金具6の筒状部6aとの間に配置
されるとともに図2に示すように外筒部17a および内筒
部17b を有する既知のロータリーダンパー17と、枠体1
の内側に突出する軸受け金具6の固定用ボルトによって
枠体1に固定されてロータリーダンパー17の外筒部17a
の平坦な側面と密接することでその外筒部17a を枠体1
に対し回り止めする回り止めブロック18とを具えてお
り、ここにおけるロータリーダンパー17の内筒部17b
は、座部支持軸5を挿通されて、スプリング掛けブロッ
ク14の中心孔14d と同様に座部支持軸5の二つの平面部
5aと密接して周方向の回動に関し座部支持軸5と掛合す
ることにより当該内筒部17b を座部支持軸5と一体に回
動させる中心孔を有し、その一方、外筒部17a は、上記
のように回り止めブロック18により枠体1に対し回り止
めされている。そして、それら外筒部17a と内筒部17b
との間の円筒状の僅かな隙間には粘性材料が詰められて
おり、この粘性材料が外筒部17a の内周面と内筒部17b
の外周面とに粘着してそれらの相対回動を制動すること
で、ここにおけるロータリーダンパー17は、何れの回動
方向についても制動機能を有している。
【0025】かかる構成を具えるこの実施例の座部起立
装置にあっては、上記のように座部支持軸5が、椅子の
座部の枠体1の左右部分を回動可能に支持して座部を概
略水平な着座位置と概略垂直な起立位置との間で回動可
能ならしめ、その座部支持軸5が、椅子の支柱の軸受け
部に嵌め合わされた嵌合部としての二つの平面部5aの軸
線方向端部により上記支柱に対して所定の周方向位置に
位置決めされ、また座部支持軸5を挿通されたスプリン
グ掛けブロック14が、その座部支持軸5の掛合部として
の、二つの平面部5aの軸線方向中間部と掛合することに
より、座部支持軸5のその平面部5aの端部に対し所定の
周方向位置に位置決めされるとともに、周方向の十五箇
所にスプリング掛止孔14e を有し、そして捩じりスプリ
ングとしてのコイルスプリング9が、座部支持軸5を挿
通され、一端部9aを枠体1の内側に突出する軸受け金具
6の固定用ボルトに掛止されるとともに他端部9bをスプ
リング掛けブロック14の十五箇所のスプリング掛止孔14
e の何れかに選択式に掛止されている。
【0026】従って、この実施例の座部起立装置によれ
ば、着座者の着座の際に起立位置から着座位置まで座部
を回動させた時のコイルスプリング9の捩じり変形によ
ってそこに蓄積される弾性力により、着座者の離席の際
に座部を自動的に着座位置から起立位置へ向けて回動さ
せて起立させることができ、しかも、座部支持軸5の端
部の二つの平面部5aに対し所定の周方向位置に位置決め
されるスプリング掛けブロック14が十五箇所のスプリン
グ掛止孔14e を有しているので、コイルスプリング9の
端部9bをそのスプリング掛けブロック14の周方向十五箇
所のスプリング掛止孔14e の何れに掛止するかを選択す
ることにより、コイルスプリング9の上記弾性力を適宜
変更し得て、一種類のコイルスプリング9のみで、種々
の椅子における座部の重さや座部に対する座部支持軸5
の配置(座部後端からの距離)の相違等にコイルスプリ
ング9の弾性力の大きさを適切に対応させることがで
き、ひいては、弾性係数の異なるコイルスプリング9を
多数種類準備しておく必要を無くして、コイルスプリン
グ9の在庫を大幅に削減することができる。
【0027】さらに、この実施例の座部起立装置によれ
ば、スプリング掛けブロック14は、座部支持軸5の二つ
の平面部5aの中間部と掛合することによりその座部支持
軸5の二つの平面部5aの端部に対し所定の、かつ互いに
180°異なる二カ所の周方向位置の何れかに選択的に
位置決めされるとともに、周方向に互いに等間隔の奇数
箇所である十五箇所にスプリング掛止孔14e を有してい
ることから、スプリング掛けブロック14の周方向位置を
上記二カ所のうちの一方から他方へ変えることで、全て
のスプリング掛止孔14e の周方向位置をスプリング掛止
孔14e の周方向間隔である24°の半分の12°だけずらす
ことができるので、スプリング掛けブロック14が有する
スプリング掛止孔14e の数の二倍のスプリング掛け位置
を選択し得て、弾性力の微調整を容易に行うことができ
る。
【0028】また、この実施例の座部起立装置によれ
ば、座部支持軸5に金具が一切溶接されていず、座部支
持軸5が、その軸線方向に沿って全体的に、互いに対抗
する二カ所の平面部5aを形成されていて、それらの平面
部5aが、その座部支持軸5の端部にて、支柱の軸受け部
と嵌合する嵌合部を形成するとともに、その座部支持軸
5の中間部にて、スプリング掛けブロック14と掛合する
掛合部を形成しており、また座部支持軸5の端部付近
に、枠体1に対するその座部支持軸5の軸線方向の位置
ずれを規制するずれ止めブロック16がネジ止めされてい
ることから、スプリング掛けブロック14を掛合させる掛
合部を座部支持軸5上の任意の位置に設定し得るととも
に、ずれ止めブロック16を座部支持軸5上の任意の位置
に設け得るので、種々の椅子における座部の幅の相違に
応じて一種類かつ長尺の座部支持軸素材を切断するのみ
で、それらの座部に適切に対応する座部支持軸5を得る
ことができ、それゆえ座部支持軸5の在庫をも大幅に削
減することができる。
【0029】そして、この実施例の座部起立装置によれ
ば、座部支持軸5の端部付近に設けられて枠体1に対す
るその座部支持軸5の回動を制動するロータリーダンパ
ー17をさらに具えているので、そのロータリーダンパー
17で座部の起立動作をゆっくりとしたもの(緩起立)と
し得て、椅子の質感をより向上させるとともに、椅子が
設置された公共施設内の静粛性を高めることができる。
しかもこの実施例の座部起立装置によれば、コイルスプ
リング9の弾性力を上述の如くして適宜変更し得ること
から、そのロータリーダンパー17として上記のように、
座部の起立動作時のみ締結されるワンウエイクラッチを
持たない両方向制動形のダンパーを支障なく使用し得
て、ロータリーダンパー17のコストも低く抑えることが
できる。
【0030】図5は、この発明の椅子用座部起立装置の
他の一実施例を示す、図1(a)と同様の位置での断面
図、また図6は、その実施例の座部起立装置の構成を示
す分解斜視図であり、図中、先の実施例と同様の部分は
それと同一の符号にて示す。これらの図から明らかなよ
うに、この実施例の座部起立装置は、先の実施例におけ
るロータリーダンパー17を省略し、ずれ止めブロック16
を座部の枠体1に隣接させて座部支持軸5上にネジ止め
したものである。
【0031】かかる構成を具えるこの実施例の座部起立
装置によっても、ロータリーダンパー17による緩起立の
作用効果を除いて、先の実施例と同様の作用効果をもた
らすことができる。
【0032】以上、図示例に基づき説明したが、この発
明は上述の例に限定されるものでなく、例えば、椅子の
座部フレームが上記枠体1の如き枠状のものでなく平板
状のものであって、前記座部支持軸が、その平板状の座
部フレームの左右端部を支持していても良く、また前記
座部支持軸は中実棒材からなるものでも良く、その場合
に、前記嵌合部がその座部支持軸の端部に形成されると
ともにその嵌合部と別個に前記掛合部が前記座部支持軸
の中間部に形成されても良い。そして前記ダンパーとし
て、往復動するピストンを具えるオイルダンパーがリン
ク機構と組み合わせて用いられても良く、また所要に応
じ、前記ダンパーがワンウエイクラッチを内蔵していて
も良い。さらに、例えば先の実施例におけるロータリー
ダンパー17として、座部支持軸5にネジ止めされるもの
を用いても良く、かかる場合にはそのロータリーダンパ
ー17自体をずれ止め部材として用いて、ずれ止めブロッ
ク16を省略しても良い。
【図面の簡単な説明】
【図1】 (a)は、この発明の座部起立装置の一実施
例を具える公共施設用椅子の座部を示す、(b)中のA
−A線に沿う断面図、また(b)は、その座部を示す側
面図である。
【図2】 (a)および(b)は、上記実施例の座部起
立装置におけるロータリーダンパーの配置状態を示す、
図1(b)中のB−B線およびC−C線にそれぞれ沿う
断面図である。
【図3】 上記実施例の座部起立装置の構成を示す分解
斜視図である。
【図4】 (a)および(c)は、上記実施例の座部起
立装置のスプリング掛けブロックを示す左右側面図、ま
た(b)および(d)は、そのスプリング掛けブロック
を示す正面図および背面図、そして(e)および(f)
は、そのスプリング掛けブロックを示す、(a)中のD
−D線および(b)中のE−E線にそれぞれ沿う断面図
である。
【図5】 この発明の座部起立装置の他の一実施例を具
える公共施設用椅子の座部を示す断面図である。
【図6】 上記実施例の座部起立装置の構成を示す分解
斜視図である。
【図7】 従来の座部起立装置を具える公共施設用椅子
の座部を示す平面図である。
【符号の説明】 1 枠体 5 座部支持軸 5a 平面部 9 コイルスプリング 14 スプリング掛けブロック 14a スプリング掛止孔 16 ずれ止めブロック 17 ロータリーダンパー

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 椅子の座部フレーム(1)の左右部分を
    回動可能に支持して座部を概略水平な着座位置と概略垂
    直な起立位置との間で回動可能ならしめるとともに、椅
    子の支柱の軸受け部に嵌め合わされるべく端部に軸線に
    沿って形成された嵌合部(5a)および、その嵌合部に対
    し所定の周方向位置にて中間部に軸線に沿って形成され
    た掛合部(5a)を有する座部支持軸(5)と、 前記座部支持軸を挿通されてその中間部の前記掛合部と
    掛合することにより前記座部支持軸の端部の嵌合部に対
    し所定の周方向位置に位置決めされるとともに周方向の
    複数箇所にスプリング掛け部(14a)を有するスプリング
    掛け部材(14)と、 前記座部支持軸を挿通され、一端部を前記座部フレーム
    に掛止されるとともに他端部を前記スプリング掛け部材
    の前記複数箇所のスプリング掛け部の何れかに選択式に
    掛止された捩じりスプリング(9)と、 を具えてなる、椅子用座部起立装置。
  2. 【請求項2】 前記スプリング掛け部材(14)は、前記
    座部支持軸の前記掛合部と掛合することにより前記座部
    支持軸の端部の嵌合部に対し所定の、かつ互いに180
    °異なる二カ所の周方向位置の何れかに選択的に位置決
    めされるとともに、周方向に互いに等間隔の奇数箇所に
    前記スプリング掛け部を有することを特徴とする、請求
    項1記載の椅子用座部起立装置。
  3. 【請求項3】 前記座部支持軸(5)は、その軸線方向
    に沿って全体的に、互いに平行な二カ所の平面部(5a)
    を形成されていて、それらの平面部がその座部支持軸の
    端部にて前記嵌合部を形成するとともにその座部支持軸
    の中間部にて前記掛合部を形成しており、 前記座部支持軸の端部付近には、前記座部フレームに対
    するその座部支持軸の軸線方向の位置ずれを規制するず
    れ止め部材(16)がネジ止めされていることを特徴とす
    る、請求項1または2記載の椅子用座部起立装置。
  4. 【請求項4】 前記座部支持軸(5)の端部付近に設け
    られて前記座部フレームに対するその座部支持軸の回動
    を制動するダンパー(17)をさらに具えることを特徴と
    する、請求項1から3までの何れか記載の椅子用座部起
    立装置。
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JP2007135624A (ja) * 2005-11-14 2007-06-07 Okamura Corp 椅子
JP2007330452A (ja) * 2006-06-14 2007-12-27 Aichi Kk 椅子
JP2008296774A (ja) * 2007-05-31 2008-12-11 Toshiba Lighting & Technology Corp 照明器具

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