JPH11287169A - 燃料噴射弁 - Google Patents

燃料噴射弁

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JPH11287169A
JPH11287169A JP9020598A JP9020598A JPH11287169A JP H11287169 A JPH11287169 A JP H11287169A JP 9020598 A JP9020598 A JP 9020598A JP 9020598 A JP9020598 A JP 9020598A JP H11287169 A JPH11287169 A JP H11287169A
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JP
Japan
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needle valve
fuel
injection hole
valve
injection
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JP9020598A
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English (en)
Inventor
Masashi Matoba
雅司 的場
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Nissan Motor Co Ltd
Original Assignee
Nissan Motor Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 噴孔内の残留燃料に起因するデポジットの防
止を図る。 【解決手段】 第1ニードル弁17が開弁して燃料噴射
が行われ、該第1ニードル弁17が閉弁して燃料噴射が
終了すると、第2ニードル弁25が噴孔14内に進入し
て噴孔14内の残留燃料を除去する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は筒内噴射式火花点火
機関等の内燃機関に設けられる燃料噴射弁に関する。
【0002】
【従来の技術】筒内噴射式火花点火機関に用いられる燃
料噴射弁として、従来、例えば特開平9−53543号
公報に示されているように、ニードル弁の先端に噴孔の
先端内にまで突出する突起部を設け、該突起部と噴孔と
の隙間から燃料を噴射させるようにしたものや、特開平
8−254123号公報に示されているように、燃料噴
霧角度が異なるように設けた第1噴孔と第2噴孔、およ
び異なるタイミングで作動されてこれら第1噴孔と第2
噴孔からの燃料噴射時期を制御する第1ニードル弁と第
2ニードル弁とを備えたもの等が知られている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】前記従来の前者の燃料
噴射弁では、噴孔内にニードル弁先端の突起部が存在す
るため、噴孔から噴射された燃料噴霧の軸中心部分の燃
料存在割合が低くなって燃焼性悪化の要因となる可能性
がある。
【0004】また、この従来の前者および後者の何れの
燃料噴射弁にあっても、燃料噴射後に噴孔内に燃料が残
留して、この残留燃料の炭化により経時的にデポジット
が生じることによって噴射率,噴霧角,噴射方向,噴霧
均一度等の燃料噴霧特性が悪化する可能性がある。
【0005】そこで、本発明は燃料噴霧の軸中心部分の
燃料存在割合が低下するのを回避できると共に、噴孔内
の残留燃料の炭化に起因するデポジットの発生を抑制す
ることができる燃料噴射弁を提供するものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】請求項1の発明にあって
は、噴孔の内側開口縁に設けたシート面と当接,離間し
て該噴孔を閉,開する第1ニードル弁と、燃料噴射時は
噴孔内から離間配置される噴孔内残留燃料除去用の第2
ニードル弁とを備え、第2ニードル弁を第1ニードル弁
と異なるタイミングで作動制御して、燃料噴射後に噴孔
内の残留燃料を該第2ニードル弁で除去するようにした
ことを特徴としている。
【0007】請求項2の発明にあっては、請求項1に記
載の第2ニードル弁は第1ニードル弁内に同心的に配設
されていると共に、第1ニードル弁内に配設した第2ば
ねによって第1ニードル弁内から突出する方向に付勢さ
れ、かつ、該第2ばねは第1ニードル弁を閉方向に付勢
する第1ばねよりもばね定数を小さく設定したことを特
徴としている。
【0008】請求項3の発明にあっては、請求項2に記
載の第2ニードル弁の先端部の径を、第1ニードル弁の
シート面と当接する部分の環状径よりも小さく設定した
ことを特徴としている。
【0009】請求項4の発明にあっては、請求項3に記
載の第2ニードル弁の先端部は噴孔内周面に摺接する径
に設定され、該第2ニードル弁は燃料噴射後に第2ばね
の付勢力で噴孔内に進出可能として、該第2ニードル弁
の噴孔内への進出により噴孔内の残留燃料を噴孔外へ除
去するようにしたことを特徴としている。
【0010】請求項5の発明にあっては、請求項3に記
載の第2ニードル弁の先端部はシート面に当接する径に
設定され、該第2ニードル弁は燃料噴射後に第2ばねの
付勢力でシート面に当接した後にリフト作動されるよう
にしてあると共に、第2ニードル弁のリフト量を該第2
ニードル弁のリフト時に、シート面と第2ニードル弁の
先端との間に噴孔容積と同等以上の容積の空間部を形成
し得るリフト量に設定して、該第2ニードル弁のリフト
作動により噴孔内の残留燃料をシート面と第2ニードル
弁との間に形成される空間部に吸引して除去するように
したことを特徴としている。
【0011】請求項6の発明にあっては、請求項3に記
載の第2ニードル弁の先端部は噴孔と略同一径に設定さ
れ、該第2ニードル弁は燃料噴射後に第2ばねの付勢力
により第1ニードル弁の先端と略同じ位置に進出保持さ
れた後にリフト作動されるようにしてあると共に、第2
ニードル弁のリフト量を該第2ニードル弁のリフト時
に、第1ニードル弁の先端部内に噴孔容積と同等以上の
容積の空間部を形成し得るリフト量に設定して、該第2
ニードル弁のリフト作動により噴孔内の残留燃料を第1
ニードル弁の先端部に形成される空間部に吸引して除去
するようにしたことを特徴としている。
【0012】請求項7の発明にあっては、請求項1〜6
に記載の燃料噴射弁に入力されるニードル弁リフト作動
信号は、第2ニードル弁のみをリフト作動させる比較的
低い電圧信号と、第1ニードル弁をリフト作動させる比
較的高い電圧信号とが2段階に制御されると共に、前記
高電圧信号により第1ニードル弁をリフトさせて燃料噴
射した直後に一旦制御電圧が0となるように制御される
ことを特徴としている。
【0013】請求項8の発明にあっては、請求項7に記
載の燃料噴射直後に一旦制御電圧が0とされる領域を、
機関運転条件により変化する噴孔部温度に対応して可変
制御するようにしたことを特徴としている。
【0014】
【発明の効果】請求項1に記載の発明によれば、燃料の
噴射制御を司どる第1ニードル弁に対して第2ニードル
弁を異なるタイミングで作動制御し、該第2ニードル弁
により燃料噴射後に噴孔内の残留燃料を除去できるた
め、該噴孔内の残留燃料の炭化に起因するデポジットの
堆積を回避することができて、燃料噴霧特性の経時的変
化を防止することができる。
【0015】また、第2ニードル弁は燃料噴射時には噴
孔内から離間配置されて、燃料噴射時に噴孔内中心には
突起物が存在しないため、噴孔から噴射された燃料噴霧
の中心軸部分の燃料存在割合が低下するのを回避でき
て、燃焼性を向上することができる。
【0016】請求項2に記載の発明によれば、請求項1
の発明の効果に加えて、第2ニードル弁を第1ニードル
弁内から突出する方向に付勢する第2ばねを、第1ニー
ドル弁を閉方向に付勢する第1ばねよりもばね定数を小
さく設定してあるため、同じニードル弁リフト作動信号
に対しても第2ニードル弁を第1ニードル弁と異なるタ
イミングで作動させることができて、燃料噴射後の噴孔
内残留燃料の除去作用を確実に行わせることができる。
【0017】請求項3に記載の発明によれば、請求項2
の発明の効果に加えて、第2ニードル弁の先端部の径
を、第1ニードル弁のシート面と当接する部分の環状径
よりも小さく設定してあるため、第1ニードル弁の燃料
遮断機能を阻害することなく第2ニードル弁の噴孔内残
留燃料除去機能を発揮させることができる。
【0018】請求項4に記載の発明によれば、請求項3
の発明の効果に加えて、第2ニードル弁は燃料噴射後に
第2ばねの付勢力で噴孔内に摺接して進出作動されるた
め、噴孔内の残留燃料を確実に噴孔外へ除去することが
できると共に、該第2ニードル弁によって噴孔内周面に
付着するデポジットの前駆物質を掻き落すことができて
噴孔のデポジット防止対策を徹底することができる。
【0019】請求項5に記載の発明によれば、請求項3
の発明の効果に加えて、第2ニードル弁は燃料噴射後に
一旦シート面に着座された後にリフト作動されて、シー
ト面と第2ニードル弁の先端との間に噴孔容積と同等以
上の容積の空間部を形成するようになるから、この第2
ニードル弁のリフト作動による吸引作用で噴孔内の残留
燃料を前記空間部に確実に吸引除去することができる。
【0020】請求項6に記載の発明によれば、請求項3
の発明の効果に加えて、第2ニードル弁は燃料噴射後に
一旦第1ニードル弁の先端と略同じ位置に進出保持され
た後にリフト作動されて、第1ニードル弁の先端部内に
噴孔容積と同等以上の容積の空間部を形成するようにな
るから、この第2ニードル弁のリフト作動による吸引作
用で噴孔内の残留燃料を前記空間部に確実に吸引除去す
ることができる。
【0021】また、第2ニードル弁の吸引作用で噴孔外
からカーボン等が吸引されても第1ニードル弁先端部の
空間部に入り込んでシート面と第1ニードル弁との着座
部周りにカーボンが付着するのを防止することができ、
第1ニードル弁の燃料遮断機能を阻害するのを回避する
ことができる。
【0022】請求項7に記載の発明によれば、請求項1
〜6の発明の効果に加えて、第1ニードル弁と第2ニー
ドル弁とを可及的に少ない消費電力で確実に作動制御す
ることができる。
【0023】請求項8に記載の発明によれば、請求項7
の発明の効果に加えて、噴孔内にデポジットが生じにく
い低温度条件では、燃料噴射後に該噴孔内を第2ニード
ル弁又は残留燃料で塞いでおくことができるので、噴孔
内にカーボン等が流入するのを防止することができて噴
孔のデポジット防止対策をより一層徹底することができ
る。
【0024】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施形態を図面と
共に詳述する。
【0025】図9は筒内噴射式火花点火機関の概要を示
すもので、1はシリンダブロック、2はピストン、3は
シリンダヘッド、4はこれらシリンダブロック1,ピス
トン2,シリンダブロック3で形成された燃焼室を示
す。
【0026】シリンダヘッド3には吸気弁6により開閉
される吸気ポート5と、排気弁8により開閉される排気
ポート7とを設けてあると共に、吸気弁配置側の側部の
吸気弁近傍部位に、燃料を直接燃焼室4内に噴射する燃
料噴射弁11を配設してある。
【0027】この燃料噴射弁11はコントロールユニッ
ト9から燃料噴射弁ドライブユニット10に燃料噴射パ
ルス信号が送られることにより、該燃料噴射弁ドライブ
ユニット10から燃料噴射弁11にニードル弁リフト作
動信号が出力されて、燃料噴射が行われるようになって
いる。
【0028】図1は本発明の第1実施形態に係る燃料噴
射弁11の全体構造を示し、ノズルボデイ12はその中
心部に軸方向に燃料通路13を形成してあり、該ノズル
ボデイ11の先端部には燃料通路13に連通した噴孔1
4を形成してある。
【0029】噴孔14の内側開口縁にはテーパ状のシー
ト面15を形成してある。
【0030】燃料通路13の後端には燃料フイルタ16
を設けて、図外の燃料供給系から送給される燃料を除塵
して噴孔14へ供給するようにしてある。
【0031】この燃料通路13内には噴孔14からの燃
料の噴射制御を司どる第1ニードル弁17を配設してあ
る。
【0032】第1ニードル弁17の先端はテーパ状に形
成され、該第1ニードル弁17の後端と燃料通路13内
に設けたスプリングシート18との間に弾装した第1ば
ね19の付勢力によって前記テーパ状の先端がシート面
15に着座して噴孔14からの燃料噴射を遮断してい
る。
【0033】第1ばね19を内装した部分の外周部と絶
縁ハウジング20との間にはソレノイド21を配設して
あり、該ソレノイド21に前記燃料噴射弁ドライブユニ
ット10からニードル弁リフト作動電圧信号が入力され
て該ソレノイド21が励磁されることにより第1ニード
ル弁17がリフト作動して開弁し、噴孔14より燃料を
噴射するようにしてある。
【0034】前記シート面15の近傍にはスワラー22
を配設してあり、該スワラー22により噴孔14から噴
射される燃料に旋回指向性を付与するようにしてある。
【0035】また、第1ニードル弁17はストッパ2
3,24によってソレノイド21によるリフト作動が規
制されている。
【0036】ニードル弁17はその中心部内に噴孔14
内の残留燃料を除去するための第2ニードル弁25を備
えている。
【0037】この第2ニードル弁25は先端部を噴孔1
4の内周面に摺接する径に形成してあり、後端部に設け
た進出限ストッパを兼ねたスプリングシート部26と第
1ニードル弁17の端蓋との間に弾装した第2ばね27
の付勢力で、該第2ニードル弁25の先端部が噴孔14
内に進出して、該噴孔14内の残留燃料を燃焼室4内に
流出,除去し得るようにしてある。
【0038】前記第2ニードル弁25を進出方向に付勢
する第2ばね27は、第1ニードル弁17を閉方向に付
勢する第1ばね19よりもばね定数を小さく設定してあ
り、ソレノイド21に第1ニードル弁17がリフト作動
する電磁力が発生するとこの電磁力により第1ニードル
弁17のリフト作動に先がけて第2ニードル弁25がリ
フト作動するようにしてある。
【0039】この第2ニードル弁25のリフト作動時の
後退限は第1ニードル弁17の先端と略同じ位置に規制
され、該後退限位置では第2ニードル弁25の先端が前
記シート面15から離間するようにしてある。
【0040】一方、前記燃料噴射弁ドライブユニット1
0からソレノイド21に入力されるニードル弁リフト作
動信号は図3に示すように、燃料噴射時は第1ニードル
弁17をリフト作動し得る比較的高い電圧が印加され、
燃料噴射後は一旦印加電圧が0にされた後に第2ニード
ル弁25のみがリフト作動し得る比較的低い電圧が印加
されるように、高電圧信号と低電圧信号とを間欠的に印
加制御するようにしてある。
【0041】図1中、28は燃料噴射弁11側のハーネ
スコネクタを示す。
【0042】以上の実施形態の構造によれば、エンジン
始動前では燃料噴射弁11にニードル弁リフト作動電圧
信号が印加されていないため、図2の(イ)に示すよう
に第1ニードル弁17は第1ばね19の付勢力によって
先端がシート面15に着座して燃料遮断状態にある一
方、第2ニードル弁25は第2ばね27の付勢力によっ
て先端部が噴孔14内に進出した状態に保持されてい
る。
【0043】エンジン始動時には図9に示す燃料噴射弁
ドライブユニット10から燃料噴射弁11のソレノイド
21に始めに低電圧信号が出力され、同図の(ロ)に示
すように第2ニードル弁25のみがリフト作動してその
先端部が噴孔14内から後退し、先端がシート面15か
ら離間して燃料噴射待機状態となり、続いてソレノイド
21に高電圧信号が出力されて同図(ハ)に示すように
第1ニードル弁17が第2ニードル弁25と一体的にリ
フト作動して開弁し、同図(ハ)の矢印で示すようにス
ワラー22を経由して噴孔14から燃焼室4内に燃料を
旋回させて噴射させる。
【0044】燃料噴射後はソレノイド21への印加電圧
が一旦0にされ、これにより同図の(ニ)に示すように
第1ニードル弁17が閉弁作動すると共に第2ニードル
弁25が噴孔14内に進出し、該噴孔14内の残留燃料
を燃焼室4内に掻き落して除去する。
【0045】噴孔14内の残留燃料除去後は、ソレノイ
ド21に再び低電圧信号が出力され、同図の(ホ)に示
すように第2ニードル弁25のみがリフト作動して燃料
噴射待機状態に戻り、以降、同図の(ロ)から(ホ)の
動作が順次行われて燃料噴射と、噴孔内残留燃料除去
と、燃料噴射待機作動とが繰り返される。
【0046】以上のように本実施形態によれば、燃料噴
射後は、第2ニードル弁25が噴孔14内に進出して該
噴孔14内に残留する燃料の殆どを燃焼室4内に排出,
除去することができるため、噴孔14内の残留燃料の炭
化に起因するデポジットの堆積を回避して燃料噴霧特性
が経時的に変化するのを防止することができる。
【0047】また、燃料噴射時には前記第2ニードル弁
25はリフト作動してシート面15から離間する位置ま
で後退移動するため、噴孔14内に突起物として存在す
るようなことがなく、従って、噴孔14から噴射された
燃料噴霧の中心軸部分の燃料存在割合が低下するのを回
避できて、燃焼性を向上することができる。
【0048】しかも、この第2ニードル弁25は噴孔1
4の内周面と摺接する径に形成されているため、噴孔1
4の内周面に付着するデポジットの前駆物質を掻き落す
ことができて、噴孔14のデポジット防止対策を徹底す
ることができる。
【0049】図5,6は本発明の第2実施形態を示すも
ので、第2ニードル弁25の先端部は第1ニードル弁1
7の先端のシート面15と当接する部分の環状径よりも
小さい径範囲内で、かつ、該シート面15に当接し得る
ように大径部25aとして形成してある一方、第1ニー
ドル弁17の先端部には該大径部25aを収容すると共
に大径部25aの上面に係合して第2ニードル弁25の
リフト量を規制する凹部17aを形成してある。
【0050】この第2ニードル弁25のリフト量は該第
2ニードル弁25のリフト時に、前記シート面15と第
2ニードル弁25の先端との間に噴孔14の容積と同等
以上の容積の空間部を形成し得るリフト量に設定してあ
る。
【0051】従って、この第2実施形態の構造では、エ
ンジン始動前では燃料噴射弁11にニードル弁リフト作
動電圧信号が印加されていないため、図6の(イ)に示
すように第1ニードル弁17および第2ニードル弁25
は何れも第1ばね19,第2ばね27の付勢力によって
シート面15に着座し、該第1ニードル弁17によって
燃料遮断状態にある。
【0052】エンジン始動時には燃料噴射弁11のソレ
ノイド21に始めに低電圧信号が出力され、同図の
(ロ)に示すように第2ニードル弁25のみがリフト作
動してシート面15から離間して燃料噴射待機状態とな
り、続いてソレノイド21に高電圧信号が出力されて同
図(ハ)に示すように第1ニードル弁17が第2ニード
ル弁25と一体的にリフト作動して開弁し、同図(ハ)
の矢印で示すようにスワラー22を経由して噴孔14か
ら燃焼室4内に燃料を旋回させて噴射させる。
【0053】燃料噴射後はソレノイド21への印加電圧
が一旦0にされ、それにより同図の(ニ)に示すように
第1ニードル弁17が閉弁作動すると共に第2ニードル
弁25もシート面15に着座して閉弁する。
【0054】この閉弁状態では噴孔14内には燃料が残
留した状態となるが、再びソレノイド21に低電圧信号
が出力されて同図(ホ)に示すように第2ニードル弁2
5のみがリフト作動して、シート面15と第2ニードル
弁25の先端との間に噴孔14の容積と同等以上の容積
の空間部を形成するようになるから、この第2ニードル
弁25のリフト作動による吸引作用で前記噴孔14内の
残留燃料を前記空間部に確実に吸引除去して燃料噴射待
機状態に戻り、以降、同図の(ロ)から(ホ)の動作が
順次行われ、燃料噴射直後において噴孔14内の残留燃
料を燃料噴射弁11内に吸引除去して、噴孔14内のデ
ポジット堆積を回避すると共に、この吸引除去燃料は燃
料噴射時に他の燃料と共に噴孔14より燃焼室4内に噴
射供給することができる。
【0055】図7,8は本発明の第3実施形態を示すも
ので、第2ニードル弁25の先端部は噴孔14と略同一
径に形成されていて、ソレノイド21の消磁時には第2
ばね27の付勢力により第1ニードル弁17の先端と略
同じ位置に進出した位置に進出規制されるようにしてあ
る。
【0056】この第2ニードル弁25のリフト量は該第
2ニードル弁25のリフト時に、先端部が第1ニードル
弁17内に没入して第1ニードル弁17の先端部内に噴
孔14の容積と同等以上の容積の空間部を形成し得るリ
フト量に設定してある。
【0057】この第3実施形態の場合は、エンジン始動
前では燃料噴射弁11にニードル弁リフト作動電圧が印
加されていないため、図8の(イ)に示すように第1ニ
ードル弁17が第1ばね19の付勢力により先端がシー
ト面15に着座して燃料遮断状態にあり、また、第2ニ
ードル弁25は第2ばね27の付勢力で進出限位置へ進
出して先端が第1ニードル弁17の先端と略同じ位置に
保持されてシート面15と離間状態にある。
【0058】エンジン始動時には燃料噴射弁11のソレ
ノイド21に始めに低電圧信号が出力され、同図の
(ロ)に示すように第2ニードル弁25のみがリフト作
動して第1ニードル弁17の先端部内に没入し、続いて
ソレノイド21に高電圧信号が出力されて同図の(ハ)
に示すように第1ニードル弁17が第2ニードル弁25
と一体的にリフト作動して開弁し、同図(ハ)の矢印で
示すようにスワラー22を経由して噴孔14から燃焼室
4内に燃料を旋回させて噴射させる。
【0059】燃料噴射後はソレノイド21への印加電圧
が一旦0にされ、これにより同図の(ニ)に示すように
第1ニードル弁17が閉弁すると共に第2ニードル弁2
5が前記進出限位置に戻される。
【0060】この閉弁状態では噴孔14内には燃料が残
留した状態となるが、再びソレノイド21に低電圧信号
が出力されて同図の(ホ)に示すように第2ニードル弁
25のみがリフト作動して、第1ニードル弁17の先端
部内に噴孔14の容積と同等以上の容積の空間部を形成
するようになるから、この第2ニードル弁25のリフト
作動による吸引作用で前記噴孔14内の残留燃料を前記
第1ニードル弁17の先端部内の空間部に確実に吸引除
去して燃料噴射待機状態に戻り、以降、同図の(ロ)か
ら(ホ)の動作が順次行われ、燃料噴射直後において噴
孔14内のデポジット堆積を回避すると共に、この吸引
除去燃料は燃料噴射時に他の燃料と共に噴孔14より燃
焼室4内に供給することができる。
【0061】ここで、特にこの第3実施形態では第2ニ
ードル弁25の先端部径を噴孔14と略同一径に設定し
て、第2ニードル弁25の第1ニードル弁17先端部内
へのリフト作動によって噴孔14内の残留燃料を該第1
ニードル弁17の先端部内へ吸引除去するようにしてあ
るため、該残留燃料の吸引と共に燃焼室4内のカーボン
等が同時に吸引されても、該カーボン等がシート面15
に付着するのを抑制することができ、従って、第1ニー
ドル弁17の燃料遮断機能を阻害するのを回避すること
ができる。
【0062】一方、前記各実施形態において、燃料噴射
弁11に入力されるニードル弁リフト作動信号は、燃料
噴射後に一旦制御電圧が0となるように制御されるが、
この制御電圧が0となる領域を機関運転条件により変化
する噴孔14部分の温度に対応して可変制御するように
してもよい。
【0063】これは、例えば噴孔14周りの温度が燃料
90%沸点以下の温度条件では噴孔14内の残留燃料の
炭化によるデポジットが生じにくいため、かかる温度条
件となる運転状態では図4に示すように燃料噴射直後に
一旦制御電圧が0とされる領域を燃料噴射の略直前まで
拡大する。
【0064】この場合、第1実施形態においては、図2
の(ニ)に示した状態、即ち、燃料噴射直後に残留燃料
除去のため第2ニードル弁25が噴孔14内に進入して
噴孔14が塞がれた状態が長く維持され、また、第2,
第3実施形態においては図6の(ニ),図8の(ニ)に
示した状態、即ち、噴孔14が残留燃料で塞がれた状態
が長く維持され、以て、噴孔14内にカーボン等が流入
するのを防止することができて噴孔14のデポジット防
止対策をより一層徹底することができる。
【0065】なお、本発明は吸気ポート内噴射タイプの
内燃機関に用いて前述と同様の効果が得られることは言
うまでもない。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施形態の全体構造を示す断面
図。
【図2】第1実施形態の作動状態を時系列で示す断面
図。
【図3】ニードル弁リフト作動制御信号の電圧波形図。
【図4】ニードル弁リフト作動制御信号の異なる例の電
圧波形図。
【図5】本発明の第2実施形態の全体構造を示す断面
図。
【図6】第2実施形態の作動状態を時系列で示す断面
図。
【図7】本発明の第3実施形態の全体構造を示す断面
図。
【図8】第3実施形態の作動状態を時系列で示す断面
図。
【図9】筒内噴射式火花点火機関の概要を示す断面図。
【符号の説明】
11 燃料噴射弁 14 噴孔 15 シート面 17 第1ニードル弁 19 第1ばね 25 第2ニードル弁 27 第2ばね

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 噴孔の内側開口縁に設けたシート面と当
    接,離間して該噴孔を閉,開する第1ニードル弁と、燃
    料噴射時は噴孔内から離間配置される噴孔内残留燃料除
    去用の第2ニードル弁とを備え、第2ニードル弁を第1
    ニードル弁と異なるタイミングで作動制御して、燃料噴
    射後に噴孔内の残留燃料を該第2ニードル弁で除去する
    ようにしたことを特徴とする燃料噴射弁。
  2. 【請求項2】 第2ニードル弁は第1ニードル弁内に同
    心的に配設されていると共に、第1ニードル弁内に配設
    した第2ばねによって第1ニードル弁内から突出する方
    向に付勢され、かつ、該第2ばねは第1ニードル弁を閉
    方向に付勢する第1ばねよりもばね定数を小さく設定し
    たことを特徴とする請求項1に記載の燃料噴射弁。
  3. 【請求項3】 第2ニードル弁の先端部の径を、第1ニ
    ードル弁のシート面と当接する部分の環状径よりも小さ
    く設定したことを特徴とする請求項2に記載の燃料噴射
    弁。
  4. 【請求項4】 第2ニードル弁の先端部は噴孔内周面に
    摺接する径に設定され、該第2ニードル弁は燃料噴射後
    に第2ばねの付勢力で噴孔内に進出可能として、該第2
    ニードル弁の噴孔内への進出により噴孔内の残留燃料を
    噴孔外へ除去するようにしたことを特徴とする請求項3
    に記載の燃料噴射弁。
  5. 【請求項5】 第2ニードル弁の先端部はシート面に当
    接する径に設定され、該第2ニードル弁は燃料噴射後に
    第2ばねの付勢力でシート面に当接した後にリフト作動
    されるようにしてあると共に、第2ニードル弁のリフト
    量を該第2ニードル弁のリフト時に、シート面と第2ニ
    ードル弁の先端との間に噴孔容積と同等以上の容積の空
    間部を形成し得るリフト量に設定して、該第2ニードル
    弁のリフト作動により噴孔内の残留燃料をシート面と第
    2ニードル弁との間に形成される空間部に吸引して除去
    するようにしたことを特徴とする請求項3に記載の燃料
    噴射弁。
  6. 【請求項6】 第2ニードル弁の先端部は噴孔と略同一
    径に設定され、該第2ニードル弁は燃料噴射後に第2ば
    ねの付勢力により第1ニードル弁の先端と略同じ位置に
    進出保持された後にリフト作動されるようにしてあると
    共に、第2ニードル弁のリフト量を該第2ニードル弁の
    リフト時に、第1ニードル弁の先端部内に噴孔容積と同
    等以上の容積の空間部を形成し得るリフト量に設定し
    て、該第2ニードル弁のリフト作動により噴孔内の残留
    燃料を第1ニードル弁の先端部に形成される空間部に吸
    引して除去するようにしたことを特徴とする請求項3に
    記載の燃料噴射弁。
  7. 【請求項7】 燃料噴射弁に入力されるニードル弁リフ
    ト作動信号は、第2ニードル弁のみをリフト作動させる
    比較的低い電圧信号と、第1ニードル弁をリフト作動さ
    せる比較的高い電圧信号とが2段階に制御されると共
    に、前記高電圧信号により第1ニードル弁をリフトさせ
    て燃料噴射した直後に一旦制御電圧が0となるように制
    御されることを特徴とする請求項1〜6の何れかに記載
    の燃料噴射弁。
  8. 【請求項8】 燃料噴射直後に一旦制御電圧が0とされ
    る領域を、機関運転条件により変化する噴孔部温度に対
    応して可変制御するようにしたことを特徴とする請求項
    7に記載の燃料噴射弁。
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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2002012720A1 (de) * 2000-08-04 2002-02-14 Robert Bosch Gmbh Brennstoffeinspritzventil
JP2007239735A (ja) * 2006-02-08 2007-09-20 Denso Corp 燃料噴射ノズル、燃料噴射装置、およびインジェクタ
JP2008128136A (ja) * 2006-11-22 2008-06-05 Diesel United:Kk 燃料噴射弁及びその使用方法
JP2011196228A (ja) * 2010-03-18 2011-10-06 Nippon Soken Inc 燃料噴射装置および燃料噴射弁

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