JPH11286548A - 官能基含有ポリアリーレンスルフィド樹脂の製造法 - Google Patents

官能基含有ポリアリーレンスルフィド樹脂の製造法

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JPH11286548A
JPH11286548A JP10107165A JP10716598A JPH11286548A JP H11286548 A JPH11286548 A JP H11286548A JP 10107165 A JP10107165 A JP 10107165A JP 10716598 A JP10716598 A JP 10716598A JP H11286548 A JPH11286548 A JP H11286548A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 PAS樹脂の主鎖又は末端に、樹脂の特性を
改質するのに十分な量の官能基を導入する簡便な方法を
提供する。 【解決手段】 ポリアリーレンスルフィドポリマー
(a)を酸素含有雰囲気下で熱酸化架橋させる方法にお
いて、熱酸化架橋反応を、活性水素含有基及び活性水素
含有基の水素原子をアルカリ金属で置換した基を有する
有機化合物(b)の存在下において行うことを特徴とす
る官能基含有ポリアリーレンスルフィド樹脂の製造法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、官能基含有ポリア
リーレンスルフィド(以下では、PASと称することが
ある)樹脂の製造法に関する。
【0002】
【従来の技術】PASは、優れた耐熱性、耐薬品性及び
難燃性を有し、かつ機械的性質に富んだエンジニアリン
グプラスチックである。しかし、一方では、他の樹脂と
の相溶性が低く、また成形品の塗装性が低いという問題
を有していた。
【0003】従来から、PASの特性の改善、塗装性の
向上、あるいは他の樹脂との相溶性の向上といった目的
で、PASに官能基を導入することが行われている。P
ASに官能基を導入する方法は多くが知られており、そ
れは大きく2つの方法に分類される。第1には、通常の
反応により得られたPASに、官能基を有する化合物を
添加して溶融混練する方法である。例えばPASと無水
マレイン酸を溶融混練する方法(特開平1-213360号公
報、特開平1-259060号公報、特開平1-266160号公報、特
開平1-230667号公報、特開平2-182726号公報、特開平2-
208363号公報、特開平2-214774号公報及び特開平2-2837
63号公報);非架橋PASとα,β‐エチレン性不飽和
カルボニル化合物をラジカル重合触媒の存在下又は不存
在下で溶融混練する方法(特開平4-309513号公報)が挙
げられる。第2には、PASを製造する際に、その重合
時にポリマー主鎖に官能基を導入する方法であり、例え
ば官能基含有ポリハロ化合物を共重合する方法(特公昭
45-3368 号公報、特開昭48-16078号公報、特開昭62-953
20号公報、特開昭62-185717 号公報及び特開平7-102064
号公報)が挙げられる。
【0004】しかし、第1の方法(溶融混練する方法)
では、官能基の導入率が低く、樹脂の改質が不十分であ
った。また、第2の方法(共重合する方法)では、官能
基含有ポリハロ化合物が本質的に反応性が低いために、
官能基の導入率が不十分であったり、また十分に官能基
を導入しようとすると操作が煩雑になるという問題があ
った。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、PAS樹脂
の主鎖又は末端に、樹脂の特性を改質するのに十分な量
の官能基を導入する簡便な方法を提供することを目的と
する。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、PASの
改質方法について鋭意研究を重ねた結果、通常PASを
高分子量化するために行われる熱酸化架橋反応の際に、
特定の化合物を存在させると、特定の官能基を任意の量
PASに導入できることを見出し、本発明に至った。
【0007】即ち、本発明は、(1)ポリアリーレンス
ルフィドポリマー(a)を酸素含有雰囲気下で熱酸化架
橋させる方法において、熱酸化架橋反応を、活性水素含
有基及び活性水素含有基の水素原子をアルカリ金属で置
換した基を有する有機化合物(b)の存在下において行
うことを特徴とする官能基含有ポリアリーレンスルフィ
ド樹脂の製造法である。
【0008】本出願人は、既に特願平9‐252691
号において、ポリアリーレンスルフィドポリマーを酸素
含有雰囲気下で熱酸化架橋させる方法において、熱酸化
架橋反応を、少なくとも1個の活性水素含有基を有する
有機化合物1以上の存在中において行うことを特徴とす
る官能基含有ポリアリーレンスルフィド樹脂の製造方法
を出願した。該方法においては、熱酸化架橋時に、有機
化合物の活性水素含有基をラジカル状態にして、直接P
AS分子にその一部分を結合せしめて、残存する活性水
素含有基により樹脂特性の改質を図らんとするものであ
る。従って、樹脂特性の改質度合はある程度熱酸化架橋
の条件に依存せざるを得ず、熱処理温度、熱処理時間等
を厳密にコントロールすることにより所望のPASを製
造していた。本発明者らは、該発明を更に改良すべく検
討した。その結果、活性水素含有基、とりわけ−COO
H、−OH、−SH及び−SO3 H基の水素原子をアル
カリ金属で置換した基を、活性水素含有基と一緒に有す
る有機化合物(b)の存在下にPASを熱酸化架橋する
と、活性水素含有基においてラジカルを生じてPAS分
子と直接結合し、他方、上記のアルカリ金属で置換した
基は、ラジカルを生ぜず、確実にPAS分子中に導入す
ることができることを見出した。これにより、熱酸化架
橋の条件を厳密にコントロールする必要がなく、簡便か
つ容易に所望するPASの改質を達成することができる
のである。好ましくは有機化合物(b)は芳香族化合物
であることができる。芳香族化合物を使用すればベンゼ
ン環にラジカルを形成することができて、該化合物のP
AS分子への導入を更に促進することができる。
【0009】好ましい実施態様として、(2)活性水素
含有基の水素原子をアルカリ金属で置換した基が、−C
OOA、−OA、−SA及び−SO3 A(ここで、Aは
アルカリ金属を示す)から選択される上記(1)記載の
方法、(3)活性水素含有基が、−CH=CH2 、−S
H、−OH、−NH2 、−COOH、−CHO及び−S
3 Hから選択される上記(1)又は(2)記載の方
法、(4)有機化合物(b)が、芳香族化合物であると
ころの上記(1)〜(3)のいずれか一つに記載の方
法、(5)有機化合物(b)が、次の化合物群(I)〜
(VI)から選択される上記(1)記載の方法
【0010】
【化7】 [上記式中、X1 は夫々独立して、−CH=CH2 、−
SH、−OH、−NH2、−COOH、−CHO及び−
SO3 Hから選択される基であり;Y1 は夫々独立し
て、−COOA、−OA、−SA及び−SO3 A(ここ
で、Aはアルカリ金属を示す)から選択される基であ
り;R1 は夫々独立して、水素原子、ハロゲン原子、低
級アルキル基及び低級アルコキシ基から選択される基で
あり;pは基R1 の数であり、qは基X1 の数であり、
rは基Y1 の数であり、p=0〜4、q=1〜5、r=
1〜5、かつp+q+r=6である]
【0011】
【化8】 [上記式中、X2 は夫々独立して、−CH=CH2 、−
SH、−OH、−NH2、−COOH、−CHO及び−
SO3 Hから選択される基であり;Y2 は夫々独立し
て、−COOA、−OA、−SA及び−SO3 A(ここ
で、Aはアルカリ金属を示す)から選択される基であ
り;Zは−O−、−SO−、−SO2 −、−S−、−C
O−、又は−(CRa 2 m −(ここで、Ra は水素原
子、低級アルキル基及び低級アルコキシ基から選択され
る基であり、m=1〜4である)であり;R2 〜R4
夫々独立して、水素原子、ハロゲン原子、低級アルキル
基及び低級アルコキシ基から選択される基であり;hは
基R2 の数であり、iは基R3 の数であり、jは基R4
の数であり、sは基X2 の数であり、tは基Y2 の数で
あり、s=1〜5、h=0〜4、かつs+h=5であ
り、t=1〜5、j=0〜4、かつt+j=5であり、
i=0〜4、かつn=0〜11である]
【0012】
【化9】 [上記式中、X3 は夫々独立して、−CH=CH2 、−
SH、−OH、−NH2、−COOH、−CHO及び−
SO3 Hから選択される基であり;Y3 は夫々独立し
て、−COOA、−OA、−SA及び−SO3 A(ここ
で、Aはアルカリ金属を示す)から選択される基であ
り;R5 及びR6 は夫々独立して、水素原子、ハロゲン
原子、低級アルキル基及び低級アルコキシ基から選択さ
れる基であり;kは基R5 の数であり、lは基R6 の数
であり、uは基X3 の数であり、vは基Y3 の数であ
り、u=1〜5、k=0〜4、かつu+k=5であり、
v=1〜4、l=0〜3、かつv+l=4である]
【0013】
【化10】 [上記式中、X4 は夫々独立して、−CH=CH2 、−
SH、−OH、−NH2、−COOH、−CHO及び−
SO3 Hから選択される基であり;Y4 は夫々独立し
て、−COOA、−OA、−SA及び−SO3 A(ここ
で、Aはアルカリ金属を示す)から選択される基であ
り;R7 及びR8 は夫々独立して、水素原子、ハロゲン
原子、低級アルキル基及び低級アルコキシ基から選択さ
れる基であり;mは基R7 の数であり、nは基R8 の数
であり、wは基Y4 の数であり、xは基X4 の数であ
り、w=1〜5、m=0〜4、かつw+m=5であり、
x=1〜4、n=0〜3、かつx+n=4である]
【0014】
【化11】 [上記式中、X5 及びX5'は夫々独立して、−CH=C
2 、−SH、−OH、−NH2 、−COOH、−CH
O及び−SO3 Hから選択される基であり;Y5及びY
5'は夫々独立して、−COOA、−OA、−SA及び−
SO3 A(ここで、Aはアルカリ金属を示す)から選択
される基であり;R9 〜R11は夫々独立して、水素原
子、ハロゲン原子、低級アルキル基及び低級アルコキシ
基から選択される基であり;aは基R9 の数であり、b
は基R10の数であり、cは基R11の数であり、yは基X
5 の数であり、y´は基X5'の数であり、zは基Y5
数であり、z´は基Y5'の数であり、y=1〜4、a=
0〜3、かつy+a=4であり、z=1〜4、b=0〜
3、かつz+b=4であり、c=0〜4、y´=1〜
3、z´=1〜3、かつy´+z´=4である]
【0015】
【化12】 [上記式中、X6 は夫々独立して、−CH=CH2 、−
SH、−OH、−NH2、−COOH、−CHO及び−
SO3 Hから選択される基であり;Y6 は夫々独立し
て、−COOA、−OA、−SA及び−SO3 A(ここ
で、Aはアルカリ金属を示す)から選択される基であ
り;R12及びR13は夫々独立して、水素原子、ハロゲン
原子、低級アルキル基及び低級アルコキシ基から選択さ
れる基であり;cは基R12の数であり、dは基R13の数
であり、eは基X6 の数であり、fは基Y6 の数であ
り、e=1〜5、c=0〜4、かつe+c=5であり、
f=1〜5、d=0〜4、かつf+d=5である]
(6)有機化合物(b)が、下記式(VII) で示されると
ころの上記(1)記載の方法
【0016】
【化13】 [上記式中、Y7 は、−COOA、−OA、−SA及び
−SO3 A(ここで、Aはアルカリ金属を示す)から選
択される基である]、(7)有機化合物(b)が、下記
式(i) 〜(iii) で示されるところの上記(1)記載の方
法、
【0017】
【化14】 (8)ポリアリーレンスルフィドポリマー(a)100
重量部に対して、有機化合物(b)0.05〜10重量
部を存在させる上記(1)〜(7)のいずれか一つに記
載の方法、(9)ポリアリーレンスルフィドポリマー
(a)100重量部に対して、有機化合物(b)0.1
〜3重量部を存在させる上記(1)〜(7)のいずれか
一つに記載の方法を挙げることができる。
【0018】
【発明の実施の形態】官能基導入のために使用されるポ
リアリーレンスルフィドポリマー(a)は、特に制限は
なく、従来公知の方法(例えば溶液重合)により製造さ
れたPASを使用することができる。代表的なPASの
例は、ポリフェニレンスルフィド(以下では、PPSと
称することがある)である。PASは、例えばジハロ芳
香族化合物とアルカリ金属硫化物とを有機アミド溶媒中
で反応させる方法(特公昭45‐3368号公報)によ
り製造できる。PASは好ましくは、フローテスターを
用い、温度300℃、荷重20kgf/cm2 及びL/D=1
0の条件にて6分間保持した際の溶融粘度V6 が、50
〜10,000ポイズであり、特に好ましくは100〜
5000ポイズである。
【0019】次に、本発明の方法において使用される、
活性水素含有基及び活性水素含有基の水素原子をアルカ
リ金属で置換した基を有する有機化合物(b)について
述べる。本明細書において、活性水素含有基とは、活性
水素原子(炭素原子以外のヘテロ原子に直接結合する水
素原子だけでなく、不飽和基を構成する炭素原子に結合
している水素原子及びベンゼン環に直接結合した炭素原
子に結合している水素原子のような反応性に富む水素原
子をも包含する)を含む官能基を意味する。そのような
活性水素含有基としては、例えば−SH、−OH、−N
2 、−NHR、−COOH、−CONH2 、−CON
HR、−SO3 H、−CHO、−CH=CH2 、−CH
=CHR、
【0020】
【化15】 (前記のRは有機基、例えばアルキル基、アリール基等
を表す)、及びベンゼン環に結合した低級アルキル基
(好ましくはメチル、エチル、プロピル基)等が挙げら
れる。好ましくは活性水素含有基は、−CH=CH2
−SH、−OH、−NH2 、−COOH、−CHO及び
−SO3 Hから選択される。このような活性水素含有基
は、1種類の基が単独で、又は複数個で存在していて
も、あるいは2種類以上の基が存在していてもよい。
【0021】活性水素含有基の水素原子をアルカリ金属
で置換した基とは、上記に掲げた活性水素含有基の水素
をアルカリ金属により置換した基であり、好ましくは−
COOA、−OA、−SA及び−SO3 A(ここで、A
はアルカリ金属、好ましくはNa、Kを示す)が挙げら
れる。このような基は、1種類の基が単独で、又は複数
個で存在していても、あるいは2種類以上の基が存在し
ていてもよい。
【0022】該有機化合物(b)として、好ましくは上
記の化学式(I)〜(VI)で示される化合物群を挙げる
ことができる。該式中、低級アルキル基は、炭素数1〜
6個のアルキル基であって、直鎖状でも分枝状でもよ
く、例えばメチル、エチル、プロピル、ブチル、ペンチ
ル等の基が挙げられる。低級アルコキシ基は、これらの
低級アルキル基から誘導されるアルコキシ基が挙げられ
る。上記化合物群中、好ましくは下記式
【0023】
【化16】 [上記式中、Y7 は、−COOA、−OA、−SA及び
−SO3 A(ここで、Aはアルカリ金属を示す)から選
択される基である]、で示される化合物が使用され、特
に好ましくは下記式
【0024】
【化17】 で示される化合物が使用される。
【0025】本発明の方法においては、PAS(a)
を、上記した活性水素含有基及び活性水素含有基の水素
原子をアルカリ金属で置換した基を有する有機化合物
(b)の存在下で、酸素含有雰囲気下にて熱酸化架橋さ
せる。PAS(a)及び有機化合物(b)は夫々、1種
単独で、又は2種以上組み合わせて使用できる。酸化架
橋反応は、例えば次のようにして行う。すなわち、酸素
含有雰囲気下で、例えばPASの融点以下で、固相状態
で加熱して、酸化架橋する。酸化架橋の際の処理温度
は、好ましくは160〜260℃、特に好ましくは18
0〜230℃である。160℃より低い温度では、酸化
架橋に長時間を要し不経済である。また260℃を超え
ると、ポリマー鎖の分解等が発生する傾向がある。PA
Sの形態は、粉末状が一般的であるが、粉末状のPAS
に有機化合物(b)を添加混練したペレットを用いるこ
ともできる。酸素含有雰囲気としては、例えば空気、純
酸素又はこれらと任意の不活性ガス(窒素、二酸化炭素
等)との混合ガスが挙げられる。酸素混合ガスの場合、
酸素の濃度は、好ましくは0.5〜50体積%,特に好
ましくは10〜25体積%である。酸素濃度が大き過ぎ
ると、ラジカル発生量が増大し、溶融時の増粘が著しく
なり、また色相が暗色化する傾向がある。また、酸素濃
度が小さ過ぎると、熱酸化架橋反応の速度が遅くなる傾
向がある。反応時間は、特に限定されず、所望の溶融粘
度になるまで行う。また、反応時間を調節して、PAS
の用途に応じて官能基の導入量を任意に調節することも
できる。
【0026】有機化合物(b)は、PAS(a)を酸化
架橋反応させる際に存在していればよい。例えばPAS
に有機化合物(b)を予め添加しておいても、PASを
酸化架橋装置に添加する際に同時に有機化合物(b)を
添加しても、あるいはPASを装置に添加しておいて、
有機化合物(b)を添加しつつ酸化架橋を行ってもよ
い。有機化合物(b)を予めPASに添加する方法とし
ては、次のような方法が使用できる。例えば有機化合物
(b)が粉体である場合、ヘンシェルミキサー等を用い
てドライブレンドする方法がある。また有機化合物
(b)が常温で液体である場合には、有機化合物(b)
をPASに噴霧して分散させる方法がある。これ以外の
方法として、有機化合物(b)が粉体である場合、これ
を溶解する適当な揮発性溶媒(例えばメタノール、エタ
ノール、アセトン、エーテル類、クロロホルム、ジクロ
ロメタン、酢酸エチル、テトラヒドロフラン等)に溶解
させるか、もしくは有機化合物(b)が水溶性である場
合には、適当なpHの水溶液に溶解させた後に、添加す
る方法が挙げられる。また有機化合物(b)が液体であ
りこれを溶解する適当な揮発性溶媒がある場合には、適
当な濃度に希釈してPASに添加する方法などが挙げら
れる。
【0027】有機化合物(b)は、予め合成しておいた
複数の活性水素含有基を持つ化合物を、例えば、pHを
調節した水溶液中に溶解することにより、その一部をN
a、K等のアルカリ金属塩の形態にすることにより製造
することができる。これを上記のようにしてPASと反
応させることにより、PAS中に活性水素含有基の水素
原子をNa、K等のアルカリ金属に置換した基を導入す
ることができる。次いで、該PASを溶解又はスラリー
化等した後、塩酸、硫酸等の無機酸を用いてアルカリ金
属を水素原子で交換することにより、所望の改質された
PASにすることができる。該アルカリ金属から水素原
子への交換は、必須ではないが、該操作により、例えば
PASの接着強度を著しく高めることができるため好ま
しい。
【0028】酸化架橋反応に際して、上記した有機化合
物(b)を、PAS(a)100重量部に対して、好ま
しくは0.05重量部以上、特に好ましくは0.1重量
部以上、かつ好ましくは10重量部以下、特に好ましく
は3重量部以下存在させる。有機化合物(b)の量が少
なすぎると樹脂の改質効果に乏しく、また多すぎると樹
脂の溶融粘度の増大や大量のガス発生といった問題が生
じてくる。
【0029】酸化架橋を行うための方法は特に限定され
ず、従来公知の方法が使用できる。例えば強制加熱空気
循環式乾燥機を使用する方法(米国特許第3,354,129 号
明細書)、2重螺旋型撹拌翼を有する容器固定型加熱混
合装置(米国特許第3,717,620 号明細書)、流動層を使
用する方法(米国特許第3,793,256 号明細書)、内部に
撹拌機を有するジャケット付き流動層反応器を使用する
方法(特公昭62-177027 号公報)、スクリュー混合型加
熱装置、高速回転羽根混合型加熱装置等を使用する方法
(特開平7-242746号公報)など、種々の装置を使用する
方法が挙げられる。
【0030】また、上記酸化架橋を行う際に、PASの
架橋及び、有機化合物(b)のPASへの導入率を高め
るために、ラジカル開始剤、ラジカル重合助剤等を添加
することができる。そのような化合物としては、例えば
ベンゾイルパーオキシド、ラウロイルパーオキシド、ジ
クミルパーオキシド等の過酸化物、アゾイソブチロニト
リル等のアゾ化合物が挙げられる。
【0031】かくして得られた官能基含有PAS樹脂
は、導入された官能基の反応性によって、種々の特性が
付与され、広く適用され得る。例えばガラス繊維や金属
表面等の各種基材に対して接着性が改良されるので、ガ
ラス充填タイプの射出成形品、粉体塗装用等に有用であ
り、これら成形品表面に対してメッキ処理や塗装処理を
容易に行うことができる。また、このような官能基含有
PAS樹脂は、PASを成分として含むポリマーアロイ
用のベース樹脂又は相溶化剤としても有用である。
【0032】以下、本発明を実施例により更に詳細に説
明するが、本発明はこれら実施例により限定されるもの
ではない。
【0033】
【実施例】各実施例及び比較例において、各測定は、以
下のようにして行った。 (1)溶融粘度V6 溶融粘度V6 は、島津製作所製フローテスターCFT‐
500Cを用いて300℃、荷重20kgf/cm2
L/D=10で6分間保持した後に測定した粘度(ポイ
ズ)である。 (2)接着強度 PPS60重量部にガラスファイバー(CS 3J−9
61S、日東紡株式会社製)40重量部をブレンドした
後、2軸異方向回転押出機を用いて、320℃で溶融混
練を行った。得られたペレットを用いて、シリンダー温
度320℃、金型温度130℃で平板を成形した。
【0034】この試験平板について、JIS K685
0に準じ、エポキシ樹脂系接着剤[長瀬チバ株式会社
製、主剤:XNR3101(100重量部)/硬化剤:
XNH3101(33.3重量部)]を用いて、90℃
で30分間の硬化条件で接着して、試験片を作成した。
得られた試験片について、引張り速度5mm/分、チャッ
ク間距離130mmにて引張り試験を行い、接着強度を測
定した。
【0035】各実施例及び比較例においては、以下の物
質を使用した。 (a)PAS: PPS−1(ポリフェニレンスルフィド、H−1、株式
会社トープレン製、溶融粘度V6 =120ポイズ) (b)活性水素含有基及び活性水素含有基の水素原子を
アルカリ金属で置換した基を持つ有機化合物: スルファニル酸ナトリウム[上記式(i) の化合物] p‐ビニルベンゼンスルホン酸ナトリウム[上記式(ii)
の化合物] p‐ビニル安息香酸ナトリウム[上記式(iii) の化合
物] ガンマ酸ナトリウム(6‐アミノ‐4‐ヒドロキシ‐2
‐ナフタレンスルホン酸ナトリウム)[下記式(iv)の化
合物] 4‐ヒドロキシフェニル‐4‐ベンゼンスルホン酸ナト
リウム[下記式(v) の化合物]
【0036】
【化18】 なお、各実施例及び比較例において、酸化架橋反応は、
酸素含有雰囲気として空気を使用し、図1に示すスクリ
ュー混合加熱装置(ガス導入部及びガス排気部を備え、
処理量5m3 )を使用して、行った。
【0037】また、各実施例において、PPSへの官能
基の導入は、次のようにして確認した。
【0038】試料10gを、アセトン(50ml)で4
回洗浄して、PPSに導入されなかった、有機化合物
(b)を除去した後、120℃で3時間乾燥した。この
洗浄後のポリマーについてFT−IRを測定した。
【0039】
【実施例1】PPS−1 400kg及びスルファニル酸
ナトリウム2kgを、スクリュー混合加熱装置に仕込み、
室温で30分間撹拌混合した後、槽内温度220℃で1
6時間撹拌した。得られた官能基含有PPSの溶融粘度
6 は510ポイズであった。該PPSについて、FT
−IRを測定したところ、3458.5cm-1にN−H逆対称伸
縮振動に起因する吸収、及び3376.7cm-1にN−H対称伸
縮振動に起因する吸収が観察された。更に1048.3cm-1
SO3 Na基内のS(=O)2 対称伸縮振動に起因する
吸収が観察され、官能基としてSO3 Na基が導入され
ていることが分かった。
【0040】
【実施例2】PPS−1 400kg及びスルファニル酸
ナトリウム2kgを、スクリュー混合加熱装置に仕込み、
室温で30分間撹拌混合した後、槽内温度220℃で3
00時間撹拌した。得られた官能基含有PPSの溶融粘
度V6 は8,500ポイズであった。該PPSについ
て、FT−IRを測定したところ、アミノ基に由来する
N−H逆対称伸縮振動及びN−H対称伸縮振動に起因す
る吸収は消滅したが、1048.3cm-1にSO3 Na基内のS
(=O)2 対称伸縮振動に起因する吸収が観察され、官
能基としてSO3 Na基が導入されていることが分かっ
た。このような長時間に亘る加熱処理を施しても、SO
3 Na基がPPS分子内に存在することが分かった。
【0041】
【実施例3】PPS−1 400kg及びスルファニル酸
ナトリウム6kgを、スクリュー混合加熱装置に仕込み、
室温で30分間撹拌混合した後、槽内温度220℃で1
0時間撹拌した。得られた官能基含有PPSの溶融粘度
6 は500ポイズであった。該PPSについて、FT
−IRを測定したところ、3458.5cm-1にN−H逆対称伸
縮振動に起因する吸収、及び3376.7cm-1にN−H対称伸
縮振動に起因する吸収が観察された。更に1048.3cm-1
SO3 Na基内のS(=O)2 対称伸縮振動に起因する
吸収が観察され、官能基としてSO3 Na基が導入され
ていることが分かった。
【0042】
【実施例4】PPS−1 400kg及びp‐ビニルベン
ゼンスルホン酸ナトリウム2kgを、スクリュー混合加熱
装置に仕込み、室温で30分間撹拌混合した後、槽内温
度220℃で18時間撹拌した。得られた官能基含有P
PSの溶融粘度V6 は650ポイズであった。該PPS
について、FT−IRを測定したところ、1050.4cm-1
SO3 Na基内のS(=O)2 対称伸縮振動に起因する
吸収が観察され、官能基としてSO3 Na基が導入され
ていることが分かった。
【0043】
【実施例5】PPS−1 400kg及びp‐ビニル安息
香酸ナトリウム2kgを、スクリュー混合加熱装置に仕込
み、室温で30分間撹拌混合した後、槽内温度220℃
で15時間撹拌した。得られた官能基含有PPSの溶融
粘度V6 は480ポイズであった。該PPSについて、
FT−IRを測定したところ、1690.8cm-1にCOONa
基内のC=O伸縮に基づく吸収が観察され、官能基とし
てCOONa基が導入されていることが分かった。
【0044】
【実施例6】PPS−1 400kg及びガンマ酸ナトリ
ウム2kgを、スクリュー混合加熱装置に仕込み、室温で
30分間撹拌混合した後、槽内温度220℃で10時間
撹拌した。得られた官能基含有PPSの溶融粘度V6
690ポイズであった。該PPSについて、FT−IR
を測定したところ、1048.3cm-1にSO3 Na基内のS
(=O)2 対称伸縮振動に起因する吸収が観察され、官
能基としてSO3 Na基が導入されていることが分かっ
た。
【0045】
【実施例7】PPS−1 400kg及び4‐ヒドロキシ
フェニル‐4‐ベンゼンスルホン酸ナトリウム2kgを、
スクリュー混合加熱装置に仕込み、室温で30分間撹拌
混合した後、槽内温度220℃で18時間撹拌した。得
られた官能基含有PPSの溶融粘度V6 は590ポイズ
であった。該PPSについて、FT−IRを測定したと
ころ、1047.1cm-1にSO3 Na基内のS(=O)2 対称
伸縮振動に起因する吸収が観察され、官能基としてSO
3 Na基が導入されていることが分かった。
【0046】
【実施例8】実施例1で得られたSO3 Na基を含有す
るPPS300gを、予めpH=2に調節した1リット
ルの塩酸水溶液中に投入し、室温で2時間攪拌した。酸
処理後のPPSをイオン交換水1リットル中に投入して
5分間攪拌した後、濾過、洗浄し、次いで、得られたケ
ーキを120℃で4.5時間乾燥した。得られたPPS
について、FT−IRを測定したところ、1145.1cm-1
SO3 H基内のS(=O)2 対称伸縮振動に起因する吸
収が観察され、PPSのSO3 Na基がSO3H基に変
換されたことが確認された。
【0047】
【比較例1】PPS−1 400kgを、スクリュー混合
加熱装置に仕込み、室温で30分間撹拌混合した後、槽
内温度220℃で116時間撹拌した。得られたPPS
の溶融粘度V6 は2,510ポイズであった。
【0048】
【比較例2】PPS−1 400kg及び安息香酸ナトリ
ウム2kgを、スクリュー混合加熱装置に仕込み、室温で
30分間撹拌混合した後、槽内温度220℃で20時間
撹拌した。得られたPPSの溶融粘度V6 は350ポイ
ズであった。該PPSについて、FT−IRを測定した
ところ、COONa基内のC=O伸縮に基づく吸収は観
察されず、COONa基の導入がなされていないことが
分かった。
【0049】
【比較例3】PPS−1 400kg及びスルファニル酸
2kgを、スクリュー混合加熱装置に仕込み、室温で30
分間撹拌混合した後、槽内温度220℃で68時間撹拌
した。得られた官能基含有PPSの溶融粘度V6 は2,
770ポイズであった。該PPSについて、FT−IR
を測定したところ、3458.5cm-1にN−H逆対称伸縮に基
づく吸収、及び3376.7cm-1にN−H対称伸縮に起因する
吸収が観察された。更に1156.5cm-1にSO3 H基内のS
(=O)2 対称伸縮に起因する吸収が観察され、官能基
としてNH2 基及びSO3 H基が導入されていることが
わかった。
【0050】
【比較例4】PPS−1 400kg及びスルファニル酸
2kgを、スクリュー混合加熱装置に仕込み、室温で30
分間撹拌混合した後、槽内温度220℃で300時間撹
拌した。得られたPPSの溶融粘度V6 は12,510
ポイズであった。該PPSについて、FT−IRを測定
したところ、アミノ基に由来するN−H逆対称伸縮振動
及びN−H対称伸縮振動、並びにSO3 H基内のS(=
O)2 対称伸縮振動に起因する吸収はいずれも観察され
なかった。スルファニル酸のSO3 H基から生成したと
思われるPh−SO2 −Ph基内のS(=O)2 対称伸
縮振動に起因すると推定される吸収が1147.1cm-1に観察
された。
【0051】以上の結果を下記の表1及び2に示す。
【0052】
【表1】
【0053】
【表2】 実施例1〜3は、有機化合物(b)としてスルファニル
酸ナトリウムを使用したものである。いずれも良好な接
着強度が得られた。実施例2は、実施例1と同一の条件
で熱酸化架橋の時間を300時間と著しく長くしたもの
である。接着強度が高く、かつ架橋度の高いPPSを得
ることができた。実施例3は、実施例1に比べてスルフ
ァニル酸ナトリウムの量を多くし、かつ熱酸化架橋の時
間を短くしたものである。より高い接着強度が得られ
た。実施例4及び5は、有機化合物(b)として夫々p
‐ビニルベンゼンスルホン酸ナトリウム及びp‐ビニル
安息香酸ナトリウムを使用したものである。いずれも良
好な接着強度が得られた。実施例6及び7は、有機化合
物(b)として夫々ガンマ酸ナトリウム及び4‐ヒドロ
キシフェニル‐4‐ベンゼンスルホン酸ナトリウムを使
用したものである。いずれも良好な接着強度が得られ
た。実施例8は、実施例1で得られたPPSのSO3
a基を酸洗浄してSO3 H基に変えたものである。接着
強度を著しく高めることができた。
【0054】比較例1は、有機化合物(b)を使用しな
かったものである。接着強度は著しく低かった。比較例
2は、活性水素含有基の水素原子をアルカリ金属で置換
した基のみを持ち、活性水素含有基を持たない有機化合
物を使用したものである。同じく接着強度は著しく低か
った。
【0055】比較例3及び4は、スルファニル酸、即ち
活性水素含有基のみを持つ有機化合物を使用したもので
ある。いずれもスルファニル酸ナトリウム(b)を使用
した実施例1及び2と比べて接着強度は低くなった。比
較例4から、活性水素含有基のみを持つ有機化合物を使
用したものでは、架橋度の高いPPSを得ようとすれば
接着強度が低下することが分かった。
【0056】上記のように、有機化合物(b)を使用す
れば熱酸化架橋の条件の変化に殆ど関係なく高い接着強
度を有するPPSを製造することができる。従って、処
理時間等を変えることにより所望の架橋度を併せ持つP
PSを簡便に得ることができる。この一方、活性水素含
有基のみを持つ有機化合物を使用したものにおいても、
比較的高い接着強度を持つPPSを製造することは可能
ではあるが、接着強度は熱酸化架橋の温度及び時間に大
きく依存し、所望の性状を有するPPSを製造するため
には温度及び時間を厳格に制御する必要があるなど、本
発明に比べて簡便性を欠く。
【0057】
【発明の効果】本発明は、PAS樹脂の主鎖又は末端
に、樹脂の特性を改質するのに十分な量の官能基を導入
する簡便な方法を提供する。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例及び比較例において使用したスクリュー
混合加熱装置である。
【符号の説明】
1:スクリュー(回転しながら同時に公転運動する) 2:熱媒ジャケット 3:ガス導入ライン 4:生成PAS取出し口 5:温度計 6:ガス排気部(バグフィルター) 7:駆動モーター 8:物質投入口 9:逆円錐形容器

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ポリアリーレンスルフィドポリマー
    (a)を酸素含有雰囲気下で熱酸化架橋させる方法にお
    いて、熱酸化架橋反応を、活性水素含有基及び活性水素
    含有基の水素原子をアルカリ金属で置換した基を有する
    有機化合物(b)の存在下において行うことを特徴とす
    る官能基含有ポリアリーレンスルフィド樹脂の製造法。
  2. 【請求項2】 活性水素含有基の水素原子をアルカリ金
    属で置換した基が、−COOA、−OA、−SA及び−
    SO3 A(ここで、Aはアルカリ金属を示す)から選択
    される請求項1記載の方法。
  3. 【請求項3】 活性水素含有基が、−CH=CH2 、−
    SH、−OH、−NH2 、−COOH、−CHO及び−
    SO3 Hから選択される請求項1又は2記載の方法。
  4. 【請求項4】 有機化合物(b)が、芳香族化合物であ
    るところの請求項1〜3のいずれか一つに記載の方法。
  5. 【請求項5】 有機化合物(b)が、次の化合物群
    (I)〜(VI)から選択される請求項1記載の方法 【化1】 [上記式中、X1 は夫々独立して、−CH=CH2 、−
    SH、−OH、−NH2、−COOH、−CHO及び−
    SO3 Hから選択される基であり;Y1 は夫々独立し
    て、−COOA、−OA、−SA及び−SO3 A(ここ
    で、Aはアルカリ金属を示す)から選択される基であ
    り;R1 は夫々独立して、水素原子、ハロゲン原子、低
    級アルキル基及び低級アルコキシ基から選択される基で
    あり;pは基R 1 の数であり、qは基X1 の数であり、
    rは基Y1 の数であり、p=0〜4、q=1〜5、r=
    1〜5、かつp+q+r=6である] 【化2】 [上記式中、X2 は夫々独立して、−CH=CH2 、−
    SH、−OH、−NH2、−COOH、−CHO及び−
    SO3 Hから選択される基であり;Y2 は夫々独立し
    て、−COOA、−OA、−SA及び−SO3 A(ここ
    で、Aはアルカリ金属を示す)から選択される基であ
    り;Zは−O−、−SO−、−SO2 −、−S−、−C
    O−、又は−(CRa 2 m −(ここで、Ra は水素原
    子、低級アルキル基及び低級アルコキシ基から選択され
    る基であり、m=1〜4である)であり;R2 〜R4
    夫々独立して、水素原子、ハロゲン原子、低級アルキル
    基及び低級アルコキシ基から選択される基であり;hは
    基R2 の数であり、iは基R3 の数であり、jは基R4
    の数であり、sは基X2 の数であり、tは基Y2 の数で
    あり、s=1〜5、h=0〜4、かつs+h=5であ
    り、t=1〜5、j=0〜4、かつt+j=5であり、
    i=0〜4、かつn=0〜11である] 【化3】 [上記式中、X3 は夫々独立して、−CH=CH2 、−
    SH、−OH、−NH2、−COOH、−CHO及び−
    SO3 Hから選択される基であり;Y3 は夫々独立し
    て、−COOA、−OA、−SA及び−SO3 A(ここ
    で、Aはアルカリ金属を示す)から選択される基であ
    り;R5 及びR6 は夫々独立して、水素原子、ハロゲン
    原子、低級アルキル基及び低級アルコキシ基から選択さ
    れる基であり;kは基R5 の数であり、lは基R6 の数
    であり、uは基X3 の数であり、vは基Y3 の数であ
    り、u=1〜5、k=0〜4、かつu+k=5であり、
    v=1〜4、l=0〜3、かつv+l=4である] 【化4】 [上記式中、X4 は夫々独立して、−CH=CH2 、−
    SH、−OH、−NH2、−COOH、−CHO及び−
    SO3 Hから選択される基であり;Y4 は夫々独立し
    て、−COOA、−OA、−SA及び−SO3 A(ここ
    で、Aはアルカリ金属を示す)から選択される基であ
    り;R7 及びR8 は夫々独立して、水素原子、ハロゲン
    原子、低級アルキル基及び低級アルコキシ基から選択さ
    れる基であり;mは基R7 の数であり、nは基R8 の数
    であり、wは基Y4 の数であり、xは基X4 の数であ
    り、w=1〜5、m=0〜4、かつw+m=5であり、
    x=1〜4、n=0〜3、かつx+n=4である] 【化5】 [上記式中、X5 及びX5'は夫々独立して、−CH=C
    2 、−SH、−OH、−NH2 、−COOH、−CH
    O及び−SO3 Hから選択される基であり;Y5及びY
    5'は夫々独立して、−COOA、−OA、−SA及び−
    SO3 A(ここで、Aはアルカリ金属を示す)から選択
    される基であり;R9 〜R11は夫々独立して、水素原
    子、ハロゲン原子、低級アルキル基及び低級アルコキシ
    基から選択される基であり;aは基R9 の数であり、b
    は基R10の数であり、cは基R11の数であり、yは基X
    5 の数であり、y´は基X5'の数であり、zは基Y5
    数であり、z´は基Y5'の数であり、y=1〜4、a=
    0〜3、かつy+a=4であり、z=1〜4、b=0〜
    3、かつz+b=4であり、c=0〜4、y´=1〜
    3、z´=1〜3、かつy´+z´=4である] 【化6】 [上記式中、X6 は夫々独立して、−CH=CH2 、−
    SH、−OH、−NH2、−COOH、−CHO及び−
    SO3 Hから選択される基であり;Y6 は夫々独立し
    て、−COOA、−OA、−SA及び−SO3 A(ここ
    で、Aはアルカリ金属を示す)から選択される基であ
    り;R12及びR13は夫々独立して、水素原子、ハロゲン
    原子、低級アルキル基及び低級アルコキシ基から選択さ
    れる基であり;cは基R12の数であり、dは基R13の数
    であり、eは基X6 の数であり、fは基Y6 の数であ
    り、e=1〜5、c=0〜4、かつe+c=5であり、
    f=1〜5、d=0〜4、かつf+d=5である]
  6. 【請求項6】 ポリアリーレンスルフィドポリマー
    (a)100重量部に対して、有機化合物(b)0.0
    5〜10重量部を存在させる請求項1〜5のいずれか一
    つに記載の方法。
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